従来、液晶表示装置用の補助光源として、導光板の側端面に一次光源を配置した(以下、一次光源が配置された側端面を入光面ともいう)サイドライト方式の面状照明装置があり、比較的表示面積の小さい液晶表示装置の分野において広く使用されている。特に、携帯電話を始めとする小型のモバイル端末用の液晶表示装置では、このような面状照明装置の一次光源として、取扱い性に優れ、小型化が容易であり、対衝撃性に優れた白色LED等の点状光源(以下、単にLEDともいう)が多用されている。
図6は、一次光源としてLEDを用いたサイドライト方式の面状照明装置の構成例を、模式的に示す分解斜視図である。図6において、面状照明装置100は、LED50およびLED50が実装されるフレキシブルプリント基板(以下、FPCともいう)121からなるFPC組立体120と、導光板11と、導光板11の裏面11b側に配置される反射板15と、導光板11の表面11a側に順次積層される拡散板12およびプリズム板13、14とを備えている。面状照明装置100において、LED50は、FPC121の実装面121aに対して略垂直な側面の1つを発光面50aとするものであり、FPC組立体120は、FPC121の実装面121aが導光板11のいずれかの主面(例えば表面11a)と略平行であって、かつ、LED50の発光面50aが導光板11の一側端面である入光面11cに対向するように配置固定されている。
ここで、導光板11は、例えばポリカーボネート樹脂等の透光性樹脂を、好ましくは射出成形してなる板状の導光体であり、一般に、導光板11の裏面11bまた表面11a、あるいはその両方には、光の進行方向を変換するための光路変換手段(図示せず)が形成されている。反射板15は、導光板11の裏面11bから漏れる光を反射して導光板11に再入光させ、拡散板12は、導光板11の表面11aから出射する光を拡散して均一化するものである。また、プリズム板13、14は、光を集光して面状照明装置100の正面輝度を向上させるものであり、それぞれのプリズム板13、14は、一方向に形成されたプリズム列を有して、その方向が互いに直交するように積層されている。
また、面状照明装置100において、導光板11の入光面11cには、LED50からの導光板11への入射光を拡散するため、LED50の発光面50aが対向する位置に、導光板11の厚み方向に延びる複数のプリズムからなる入光プリズム部19が形成されている。
このように構成された面状照明装置100において、入光面11cから入射した光は、導光板11内を全反射しながら他方の側端面11dに向かって伝播し、その間、上記光路変換手段により進路が変更された光が表面11aから出射するものであり、その際、例えば上記光路変換手段がドット状の光路変換パターンである場合、パターンの面積密度を、入光面11c側を疎、終端面11d側を密にすることによって、面状の均一発光が実現されている。
このような面状照明装置において、その高輝度化を促進することは重要な課題の1つであり、そのための手段の1つととして、駆動電流の増大により各LEDの高出力化を図ることが考えられる。しかしながら、一般に、LEDは、発光に伴う発熱により輝度の低下や寿命の低下が起こることが知られており、LEDの駆動電流を許容限度内に維持しつつ安定した輝度を維持するためには、FPC組立体に、何らかの放熱対策を施すことが望ましい。そこで、本出願人は、先に、図7に示すようなFPCを備えた面状照明装置を提案している(特許文献1参照)。
図7に示すFPC121は、例えばポリイミド等からなるベースフィルム131上に、例えば銅箔等により導通パターンを形成し、その上層に、同様にポリイミド等からなるカバーレイフィルム141を積層して貼り合わせることによって形成されるものである。その導通パターンには、例えば図6に示すLED50の一対の電極端子(図示は省略する)がそれぞれ配置される一対のランド部133、134と、各ランド部133、134に接続する配線パターン132とが含まれている。さらに、配線パターン132は、少なくともランド部133、134の面積よりも広く形成された中継部136、135を有しており、配線パターン132と各ランド部133、134とは、中継部136、135を介して接続されるものである。そして、カバーレイフィルム141に設けられた開口部142からは、ランド部133、134と、ランド部133、134に接続する中継部136、135の一部が露出している。
LED50は、その電極端子とランド部133、134とが、通常はクリーム半田を用いたリフロー工程により接続されて、配線パターン132に電気的に接続されると共に、FPC121に対して位置決め固定されるものである。その際、ランド部133、134は、通常、電極端子にほぼ対応する形状および寸法に形成されており、これによって、上記リフロー工程において、溶融した半田の表面張力によるセルフアラインメント作用を利用して、LED50を位置決めすることができる。
図7に示すFPC121は、ランド部133、134と配線パターン132とを、ランド部133、134よりも面積の広い中継部136、135を介して接続することによって、導通パターンの、カバーレイフィルム141の開口部142から露出する部分の断線の防止、および、ランド部133、134の剥離強度の向上を図るものであるとともに、LED50から発生して各ランド部133、134に伝達される熱を、中継部136、135から効率良く放熱することによって、LED50を高出力化した場合でも、その温度上昇を抑制して面状照明装置の高輝度化および輝度の安定化に寄与するものである。
一方、面状照明装置の高輝度化を促進するためには、上述したようなLEDの高出力化とともに、LEDと導光板との光の結合効率を向上および安定化させることが望ましく、そのためには、特に、LEDの発光面と導光板の入光面との間隔を厳密に制御する必要がある。したがって、例えば図6に示すような構成を備えた面状照明装置100では、まず、FPC121に対してLED50の前後方向(図6に示すY方向)の位置が高精度に位置決めされたFPC組立体120を作成する必要があり、その上で、FPC組立体120を、導光板11に対して所定の位置に正確に組み付けることで、LED50の発光面50aと導光板11の入光面11cとの間隔の厳密な制御を達成するものである。
特に、図6に示す面状照明装置100のように、単一のFPC121上に複数のLED50を実装する場合には、FPC組立体120を導光板11に組み付ける際に、複数のLED50の発光面50aと導光板11の入光面11cとの間隔を、各LED毎に個別に微調整することができないため、FPC121上に固定される各LED50の前後方向の位置に対して、さらに高い精度が要求されるものとなる。
そして、このような要求を満たすためには、リフロー工程の厳しい管理等によりLED50のFPC121上への実装精度を向上させることに加えて、通常は、LED50のFPC121への実装後、その実装位置の検査を実施してLED50の位置精度に関する規格を満足するFPC組立体120を選別し、選別されたFPC組立体120のみを後続の工程に使用する必要がある。
このような実装位置の検査は、例えば、FPC121の外縁を構成する辺のうち、ランド部133、134の配列方向(X方向)に平行に延びる一辺(例えば、辺121b)を基準とし、その一辺121bから、FPC121上に実装されたLED50の発光面50a(または、発光面50aの少なくとも一部であって、LED50が正常に実装された状態において、辺121bと平行に配置される部分)までの(Y方向の)距離を測定し、測定された距離が予め定められた規格の範囲内にあるか否かを判別することにより、実施することができる。
しかしながら、FPC121の外形を基準にするこの検査方法では、上記距離の測定値に、FPC121外形の製造公差分のばらつき(すなわち、測定の基準とする一辺121bからランド部133、134までの寸法のばらつき)が含まれることになり、LED50の前後方向の実装位置の良否を、十分な精度で判定することが困難であるという問題がある。また、検査工程に含まれる作業が、距離の測定および測定された距離と規格値との比較といった比較的複雑なものであるため、特に、これらの作業を、作業担当者が(必要に応じて適切な測定機等を使用しながら)目視によって実施する場合には、検査工程における作業工数の増大、ひいては面状照明装置の製造コストの上昇を招くとともに、検査作業に誤認が生じるおそれがあるといった問題もある。
さらに、図7に示したFPC121は、上述したように開口部142内における導通パターンの断線の防止に対して一定の効果は奏するものの、例えば、ランド部133、134(または中継部136、135)上で固化した半田が形成するフィレットにおいて、半田の厚みが急激に変化する箇所に応力が集中することにより、ランド部133、134(または中継部136、135)の対応する箇所に断線が発生し易くなる場合があり、導通パターンの断線を防止する点について、更なる改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、LED等の点状光源のプリント基板上の実装位置の検査を、容易かつ確実に実施することができる面状照明装置を提供することを目的とする。
本発明は、さらに、LED等の点状光源のプリント基板への実装精度を向上させると共に、点状光源の周辺における配線パターンの断線を効果的に防止することができる面状照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る面状照明装置は、点状光源および該点状光源が実装されたプリント基板からなるプリント基板組立体と、導光板とを備えた面状照明装置において、前記プリント基板に形成される導通パターンは、前記点状光源の一対の電極端子に対応する一対のランド部と、該一対のランド部を構成する各々のランド部に接続する配線パターンとを含み、前記点状光源は、その発光面が前記プリント基板の実装面に対して略垂直となるように前記プリント基板に実装されるとともに、前記プリント基板組立体は、前記点状光源の前記発光面が、前記導光板の入光面に対向するように配置され、前記プリント基板の実装面の、前記点状光源の前記発光面の背面に対応する箇所に、実装位置検査用マークが設けられており、前記導通パターンは、前記一対のランド部を構成する各々のランド部と前記配線パターンとを、それらが直接接続される箇所を迂回して連結する補助配線を含み、該補助配線は、前記一対のランド部を構成する各々のランド部の互いに対向する一辺から、それぞれ他方のランド部に向けて延びる引出部を有しており、前記実装位置検査用マークの少なくとも一部は、前記補助配線の引出部からなることを特徴とする。
ここで、以下の記載について、点状光源の発光面側を前方、発光面の背面側を後方とし、プリント基板の前後方向は、プリント基板に点状光源が正常に実装された状態において、点状光源の発光面が向く方向を前方、発光面の背面が向く方向を後方として定義する。
本発明に係る面状照明装置では、点状光源は、その発光面がプリント基板の実装面に対して略垂直となるようにプリント基板に実装されるとともに、プリント基板組立体は、点状光源の発光面が、導光板の入光面に対向するように配置されており、プリント基板の実装面の、点状光源の発光面の背面に対応する箇所に、実装位置検査用マークが設けられていることによって、点状光源をプリント基板に実装した後、その実装位置検査を実施する際に、実装位置検査用マークの見え方が所定の検査基準に合致するか否かに基づいて、点状光源の、プリント基板の前後方向に関する実装位置の良否を容易かつ確実に判別することが可能となる。
本発明は、LEDの発光面と導光板の入光面との間隔を厳密に制御して、導光板と点状光源との光の結合効率を向上させるために、点状光源の、プリント基板の前後方向の実装位置精度が決定的に重要な意味を持つことに着目したことによって、プリント基板の実装面の、点状光源の発光面の背面に対応する箇所に実装位置検査用マークを設けるという比較的単純な手段により、実装位置検査工程に要する工数を低減するとともにその信頼性を向上させることが可能となり、それによって、面状照明装置の高輝度化及び歩留まりの向上に寄与するものである。
実装位置検査用マークは、印刷等を含む任意の適切な手段により形成することができるが、好ましくは、前記導通パターンの一部として設けられるものである。すなわち、実装位置検査用マークは、導通パターンに含まれる配線パターンおよび一対のランド部の形成工程と同一の工程で、それらと一括して形成されることが好ましく、これによって、実装位置検査用マークを、他の導通パターン(特に、点状光源の一対の電極端子に対応する一対のランド部)に対して高精度に配置することが可能となり、実装位置検査用マークに基づく実装位置検査の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の一態様において、前記点状光源の前記背面は、前記点状光源の前記プリント基板への正常な実装状態において、前記導光板の前記入光面に対して略平行となる平面を有しており、前記実装位置検査用マークは、前記プリント基板の実装面の、前記点状光源の前記平面を上面視した直線の公称位置に、該直線の延長方向に延びる帯状に形成されるものである。
本発明における面状照明装置において、点状光源の発光面と導光板の入光面との間隔を厳密に制御して、導光板と点状光源との光の結合効率を向上させるためには、上述したように、点状光源の、プリント基板の前後方向の実装位置精度が重要であり、言い換えれば、プリント基板の前後方向に直交する方向(以下、左右方向ともいう)の実装位置精度には、比較的大きな許容範囲が存在する。
このような観点から、点状光源の背面の少なくとも一部が、点状光源のプリント基板への正常な実装状態において、導光板の入光面に対して平行な平面をなすものであり、かつ、実装位置検査用マークを、プリント基板の実装面の、点状光源の前記平面の上面視形状をなす直線の公称位置に、その直線の延長方向に延びる帯状に形成することによって、点状光源の、プリント基板の前後方向の位置ずれを、実装位置検査用マークの帯幅方向の位置ずれとして容易かつ確実に視認可能なものとすると共に、点状光源と導光板との結合効率に対して鋭敏な影響を及ぼさない左右方向の位置ずれは、帯の延長方向に一致するため、この実装位置検査用マークに対する視認可能な位置ずれとしては現れないものとなり、比較的単純な構成を有する実装位置検査用マークを使用しつつ、その実装位置検査用マークを、不要な不良率の上昇を招くことなく、必要な位置精度のみを選択的に検査する基準として有効に活用することができる。
より好ましくは、実装位置検査用マークは、点状光源の背面が有する前記平面に対して平行に延びる前縁と後縁とを有し、それらの前縁と後縁との間隔でもって帯幅が定義されるものであり、実装位置検査用マークの形成位置は、点状光源の前記平面の上面視形状をなす直線のプリント基板上の公称位置が、その帯幅の範囲内に含まれる(典型的には、前記公称位置が帯の延長方向の中心軸に一致する)位置とし、その帯幅を、点状光源の、プリント基板の前後方向の位置ずれに対する許容範囲として設定するものであってもよい。
この場合、実装位置の検査工程において、プリント基板を実装面側から上面視したときに、実装された点状光源の背面が有する前記平面の上面視形状をなす直線が、実装位置検査用マークの帯幅の範囲内に含まれていない場合、言い換えれば、実装位置検査用マークの前縁の少なくとも一部が、点状光源の外形から外れて見えているか、または、実装位置検査用マークの後縁の少なくとも一部が、点状光源の外形に覆われて見えていない場合、その実装位置を、位置ずれ不良と判別することができる。このような実装位置検査は、特に、作業担当者が(必要な場合には顕微鏡等を使用して)目視により検査を行う場合、点状光源の実装位置の良否を、実装位置検査用マークの視認により直ちに判別することができる点で有利なものである。
ここで、帯状に形成される実装位置検査用マークの、帯の延長方向に関する形状は、種々の条件を勘案の上、任意の適切な形状とすることができる。例えば、点状光源の背面が有する前記平面の公称位置が、一対のランド部の間に存在する場合には、実装位置検査用マークを、一対のランド部間に、各々のランド部から孤立した短冊状に形成するものであってもよい。あるいは、同様に、点状光源の背面が有する前記平面の公称位置が、一対のランド部の間にある場合、実装位置検査用マークを、一対のランド部を構成する各々のランド部の互いに対向する一辺から引出されてそれぞれ他方のランド部に向けて延びるとともに、所定の間隔をおいて対向する一対の引出部から構成するものであってもよい。
また、本発明において、前記導通パターンは、前記一対のランド部を構成する各々のランド部と前記配線パターンとを、それらが直接接続される箇所を迂回して連結する補助配線を含み、該補助配線は、前記一対のランド部を構成する各々のランド部の互いに対向する一辺から引き出されて、それぞれ他方のランド部に向けて延びる引出部を有しており、前記実装位置検査用マークの少なくとも一部は、前記補助配線の引出部からなるものである。
このような構成を備えた実装位置検査用マークによれば、導通パターンが、一対のランド部を構成する各々のランド部と配線パターンとを、それらが直接接続される箇所を迂回して連結する補助配線を含み、その補助配線は、一対のランド部を構成する各々のランド部の互いに対向する一辺から引き出されて、それぞれ他方のランド部に向けて延びる引出部を有していることによって、プリント基板上の配線スペースを有効に利用しつつ、実装位置検査用マークの視認の容易性および確実性を向上させるとともに、以下に説明するように、点状光源のプリント基板への実装精度を向上させ、また、プリント基板の点状光源付近における導通の信頼性を向上させることが可能になる。
一般に、点状光源の一対の電極端子は、点状光源の左右方向外側の両側部に設けられており、一対の電極端子に対応する一対のランド部を構成する各々のランド部に直接接続する配線パターンは、各ランド部の、点状光源の左右方向外側のいずれかの箇所に接続されている。それに対して、各ランド部の互いに対向する一辺から引き出されて、それぞれ他方のランド部に向けて延びる補助配線の引出部は、各ランド部の、点状光源の左右方向内側の一辺から引き出されて、点状光源の内側に延在するものである。
したがって、点状光源の実装工程における半田リフロー時に、ランド部に塗布されたクリーム半田が溶融し、各ランド部からそれぞれの配線パターンに向けて、点状光源の外側方向に流れた半田により各電極端子に作用する力に対して、各ランド部の互いに対向する一辺から引き出されて、それぞれ他方のランド部に向けて延びる補助配線の引出部に流れた半田により各電極端子に作用する力が、相殺する方向に作用することになる。
これによって、例えば、各ランド部に直接接続する配線パターンに流れた半田により各電極端子に作用する力の間の対称性が崩れて、点状光源を回転させようとするトルクが発生した場合でも、その大きさが抑制されるため、半田リフロー工程における点状光源の位置ずれの発生を低減することができる。
特に、点状光源が、LEDチップを封止する透光性樹脂からなりかつ外装を有することなく露出された発光部を有している場合、さらに、このような点状光源が、プリント基板の外形からこの発光部が突出するように、フレキシブルプリント基板上に実装される場合には、点状光源の重心がより前方に偏ることになるため、上述したような、各電極端子に作用する力の間の対称性の崩れに対してより鋭敏に反応して、回転等による位置ずれが発生し易くなる。したがって、本発明の一態様に係る補助配線の上述した位置ずれの低減作用は、LEDチップを封止する透光性樹脂からなりかつ外装を有することなく露出された発光部を有する点状光源を、プリント基板の外形からこの発光部が突出するように、プリント基板上に実装した場合に、特に顕著な効果を奏するものである。
さらに、この補助配線は、一対のランド部を構成する各々のランド部と配線パターンとを、それらが直接接続される箇所を迂回して連結することによって、ランド部と配線パターンとの接続を二重化するとともに、補助配線自体が、以下のような理由により、断線が発生し難いものであるため、プリント基板における点状光源周辺の配線について、その導通の信頼性を向上させるものである。
一般に、ランド部上で固化する半田は、電極端子の側面の高さからランド部まで厚みが変化する曲面形状(いわゆるフィレット)を形成し、その際、半田の厚みが急激に変化する箇所に応力が集中することによって、ランド部(またはランド部に直接接続する配線パターン)の対応する箇所に、断線が発生し易くなるものである。しかるに、各ランド部の互いに対向する一辺から引き出されて、それぞれ他方のランド部に向けて延びる補助配線の引出部は、点状光源の内側に延在するものであるため、通常は点状光源の左右方向外側の両側部に設けられる電極端子とは接触しないか、または、電極端子の一部が底面に沿って点状光源の内側に回り込む部分を有する場合でも、電極端子の底面に存在する部分に、補助配線の引出部から十分な高さに立ち上がる側面は存在しない。したがって、補助配線の引出部に流れた半田が固化した際に、そこに明確なフィレットは形成されず、上述したような応力の集中は発生しないことから、補助配線は、例えば各ランド部に直接接続する配線パターンよりも線幅の狭いパターンにより形成しても、断線が発生し難いものである。
したがって、好ましくは、前記補助配線の引出部の線幅は、該引出部が引き出されるランド部の辺長よりも狭いものとすることができる。この構成は、ランド部の形状を、半田リフロー時のセルフアラインメント機能を損なわない形状に維持することができるため、点状光源の左右方向の実装位置を、導光板と点状光源との光の結合効率の観点から十分な精度に位置決めする上で、有利なものである。
本発明の一態様に係る補助配線は、点状光源が実装されるプリント基板が、フレキシブルプリント基板(FPC)である場合に、特に好ましいものである。このFPCは、典型的には、例えばポリイミド等からなるベースフィルム上に、例えば銅箔等により導通パターンを形成し、その上層に、同様にポリイミド等からなるカバーレイフィルムを積層して貼り合わせることによって形成されており、カバーレイフィルムには、一対のランド部と、各ランド部に直接接続する配線パターン及び補助配線の一部を露出させる開口部が設けられているものである。
FPCの場合、屈曲等の変形によって生じる応力が、導通パターンの断線の大きな要因となり、特に、カバーレイフィルムによって保護されていない開口部から露出する導通パターンに、断線が発生し易くなる。しかるに、本発明の一態様に係る補助配線は、各ランド部の、実装される点状光源の外形の内側方向に延在するものであるため、FPCの屈曲による応力集中が生じ易い開口部の周縁から離隔した位置に存在すること、及び、点状光源の実装後には、点状光源の剛性により、FPCの変形の補助配線に対する影響を最小限に留めることが可能となり、断線の防止に対して一層顕著な効果を奏するものである。
本発明の好ましい一態様における実装位置検査用マークは、点状光源の一対の電極端子に対応する一対のランド部を構成する各々のランド部および各々のランド部から引き出される補助配線から孤立して形成された短冊状の部分と、各々のランド部から引き出される補助配線の引出部からなる部分とから構成され、前記短冊状の部分は、その前縁と後縁との間の帯幅により点状光源の前後方向の位置ずれの許容範囲を定義するものであるとともに、前記補助配線の引出部は、少なくとも、その後縁が、短冊状の部分の後縁と同面に形成されていることによって、実装位置検査用マークの一部分として機能するものである。
あるいは、本発明の好ましい一態様における実装位置検査用マークは、各々のランド部から引出される補助配線の引出部からなる部分と、それぞれの補助配線の引出部から延長されて所定の間隔をおいて対向する一対の延長部からなる部分とを有しており、該一対の延長部は、それぞれの前縁と後縁との間の帯幅により点状光源の前後方向の位置ずれの許容範囲を定義するものであるとともに、前記補助配線の引出部は、少なくとも、その後縁が、前記一対の延長部の後縁と同面に形成されていることによって、実装位置検査用マークの一部分として機能するものである。
さらに、本発明の一態様において、前記配線パターンの、前記一対のランド部を構成する各々のランド部と直接接続する部分は、前記各々のランド部よりも広幅のパターンとして形成されており、前記配線パターンは、前記広幅のパターンの一隅と、前記各々のランド部の一隅とを重ねることによって、前記各々のランド部に直接接続されているものである。
この構成によれば、配線パターンの一対のランド部を構成する各々のランド部と直接接続する箇所は、各々のランド部よりも広幅のパターンとして形成されているため、ランド部の剥離強度を向上させるとともに、点状光源から発生する熱を効率良く放熱することによって、点状光源の温度上昇を抑制し、面状照明装置の高輝度化および輝度の安定化に寄与するものである。さらに、配線パターンは、その広幅のパターンの一隅と、各々のランド部の一隅とを重ねることによって、各々のランド部に直接接続されていることによって、各々のランド部の形状を、半田リフロー時のセルフアラインメント機能を損なわない形状に維持することができるため、点状光源を高精度に位置決めすることができる。
さらに、配線パターンの一対のランド部を構成する各々のランド部と直接接続する箇所が、各々のランド部よりも広幅のパターンとして形成されていることは、点状光源が実装されるプリント基板がFPCの場合、導通パターンの、カバーレイフィルムの開口部から露出する部分の断線を防止する上で、特に有利なものである。この場合、好ましくは、前記配線パターンの、前記各々のランド部と直接接続する広幅のパターンの一隅の輪郭は、フレキシブルプリント基板のカバーレイフィルムの開口部を構成する辺のうち、隣接する二辺の一方にほぼ直交する方向に延びる一辺と、前記隣接する二辺の他方にほぼ直交する方向に延びる一辺とから構成されることが望ましく、これによって、前記広幅のパターンの形状を、断線防止に対してさらに効果的な形状とすることができる。
本発明は、このように構成したため、LED等の点状光源のプリント基板上の実装位置の検査を容易かつ確実に実施することが可能となり、点状光源と導光板との光の結合効率を向上および安定化させることにより、面状照明装置の高輝度化およびその生産性の向上に寄与するものである。加えて、発明によれば、LED等の点状光源のプリント基板への実装精度を向上させると共に、点状光源の周辺における配線パターンの断線を効果的に防止して、高輝度かつ信頼性の高い面状照明装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明するが、各図面は説明のためのものであり、必ずしも実際の形状、寸法を正確に反映するものではない。図1は、本発明の第1の実施施形態における面状照明装置10の要部を示す分解斜視図である。面状照明装置10は、図6に示す面状照明装置100とほぼ同様の構成を有するものであり、FPC組立体20の構成のみが相違するものであるため、以下、重複する部分の説明は省略してFPC組立体20について詳述する。
図2は、本実施形態におけるFPC組立体20の構成を示す平面図であり、図2(a)は、本実施形態におけるプリント基板であるFPC21を示す平面図、図2(b)は、本実施形態におけるプリント基板組立体であるFPC組立体20を示す平面図である。また、図2(c)は、本実施形態における点状光源であり、FPC21上に実装されてFPC組立体20を構成するLED50を示す平面図である。
LED50は、図2(c)に示すように、基板部51と、基板部51上に搭載されるLEDチップ(図示は省略する)と、ランプハウス(外装)を持たず、LEDチップを封止する透光性樹脂が露出するように形成された発光部52とを有するものであり、基板部51の両側部には、LEDチップに電流を供給する一対の電極端子53、54が設けられている。また、発光部52を構成する透光性樹脂の外形は、LED50の光出射方向前方(図2(c)に示す矢印A方向)へと突出する円筒面が設けられた発光面50aを有するものであり、その背面50bは、LED50の光出射方向前方に直交する平面をなすものである。好ましくは、LED50は、発光部52を構成する透光性樹脂中に、黄色発光の蛍光体であるセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)微粒子を混入した層を有しており、またLEDチップは、サファイヤ基板上に、GaN、GaAIN等の窒化物系化合物半導体が積層された発光層が形成され青色発光素子であり、LEDチップからの青色光と、YAG微粒子に吸収された青色光の一部が長波長に変換されて発光する黄色光との混色により、白色光を生成する擬似白色LEDである。
FPC21は、図2(a)に示すように、例えばポリイミド等からなるベースフィルム31上に、例えば銅箔等により導通パターンを形成し、その上層に、同様にポリイミド等からなるカバーレイフィルム41(図2(a)に一点鎖線のハッチング部として占めす)を積層して貼り合わせることによって形成されており、ベースフィルム31上に形成される導通パターンは、LED50の一対の電極端子53、54がそれぞれ実装される一対のランド部33、34と、各々のランド部33、34に直接接続する配線パターン32a〜32cと、各々のランド部33、34と配線パターン32a〜32cとを、それらが直接接続される箇所を迂回して連結する補助配線37、38と、実装位置検査用マーク39とを含んでいる。
ここで、カバーレイフィルム41は、FPC21を外部の駆動回路に接続するための接続端子部23を避けて設けられると共に、LED50の実装箇所に開口部42を有しており、開口部42からは、一対のランド部33、34、各々のランド部33、34に直接接続する配線パターン32a〜32cの一部、補助配線37、38の一部、および実装位置検査用マーク39が露出している。本実施形態では、配線パターン32a〜32cの各々のランド部33、34と直接接続される部分は、少なくとも各ランド部33、34よりも広幅のパターン35、36として形成されている。
本実施形態におけるFPC組立体20において、2灯のLED50は、図2(b)に示すように、それぞれの一対の電極端子53、54を、それぞれ対応する一対のランド部33、34上に配置し、LED50の発光面50aおよびその背面50bが、FPC21の実装面(X−Y面)に対して略垂直となるように実装されており、また、各LED50の発光部52は、FPC21の前縁21aから突出するように配置されている。そして、このように構成されたFPC組立体20は、図1に示すように、LED50の発光面50aが、導光板11の入光面11cに対向するように配置固定されるものである。
なお、本実施形態における面状照明装置10では、導光板11の入光面11cにおけるLED50の発光面50aが対向する位置に、LED50の発光部52の外形に倣った切欠き部を形成し、LED50は、その発光部52を切欠き部12dに嵌合させて配置するものであってもよく、さらに、導光板11の厚み方向に延びる複数のプリズムからなる入光プリズム部19は、このような切欠き部の内面に形成するものであっってもよい。
次に、図3および図4を参照して、本実施形態におけるFPC21における導通パターンの構成の詳細およびその作用・効果について説明する。
本実施形態において、配線パターン(例えば、32aおよび32b)が各ランド部33、34と直接接続する広幅のパターン35、36は、図3(a)に示すように、その開口部42から露出する部分が、開口部42を構成する隣接する二辺42a、42bの一方42aにほぼ直交する方向に延びる一辺35a、36aと、開口部42を構成する隣接する二辺42a、42bの他方42bにほぼ直交する方向に延びる一辺35b、36bとから構成されており、広幅のパターン35、36と各ランド部33、34とは、ランド部33の二辺33a、33bの(仮想的な)交点である一隅と、広幅パターン部35の二辺35a、35bの(仮想的な)交点である一隅とが重なり、同様に、ランド部34の二辺34a、34bの(仮想的な)交点である一隅と、広幅パターン部36の二辺36a、36bの(仮想的な)交点である一隅とが重なるように直接接続されている。そして、各々のランド部33、34の、配線パターンの広幅のパターン35、36と重なって直接接続する一隅は、LED50の左右方向(X方向)の外側に存在している。
一方、各々のランド部33、34に連結する補助配線37、38は、各々のランド部33、34の互いに対向する一辺33c、34cから引き出されて、それぞれ他方のランド部34、33に向けて延びる引出部37a、38aを有しており、略U字型のパターンに従って、ランド部33、34と配線パターン(例えば、32a、32b)の広幅のパターン35、36とが重なって直接接続される一隅を迂回しつつ(図2(a)参照)、それぞれの配線パターン(例えば、32a、32b)に連結されている。
各ランド部33、34、及び、広幅のパターン35、36の形状およびその接続態様を、以上のように構成することによって、FPC21の屈曲による応力があらゆる方向に加わったとしても、広幅のパターン35、36に断線し易い曲げ方向が存在しないため、導通パターンの開口部42から露出する部分(特に、開口部42を構成する各辺42a、42a、42bと、広幅のパターン35、36とが接する部分)における断線を、効果的に防止することができる。
ここで、本実施形態におけるFPC21の形状により、FPC21は、その短手方向(Y方向)を折り目とする屈曲が発生し易いため、特に、カバーレイフィルム41の開口部42から露出する導通パターンにおいて、一般には、FPC21の長手方向(X方向)に沿って伸びる形状は、屈曲による応力に対して不利なものと考えられる。
しかしながら、本実施形態における補助配線37、38における引出部37a、38aは、各ランド33、34から、FPC21上に実装されるLED50の外形の内側方向に延びる(図3(b)参照)延びるものであるため、応力集中が生じ易い開口部42の縁部各辺42a、42aから離隔した位置に存在すること、及び、LED50の実装後には、LED50の剛性により、引き出し部37a、38aが存在する領域に、FPC21の短手方向(Y方向)を折り目とするような屈曲は発生し難いこと等により、断線し難い構成となっているものである。
本発明者等による検討では、ランド部33、34、または、広幅のパターン35、36、またはそれらが重なりあって直接接続する部分に断線が発生するような厳しい条件下においても、補助配線37、38には断線が発生しないことが確認されており、本実施形態における補助配線37、38は、ランド部33、34と配線パターン32a〜32cとの導通路を二重化して、その信頼性を向上させる手段として有効に機能するものである。
また、図3(b)に示すように、LED50は、その一対の電極端子53、54を対応する一対のランド部33、34上に配置してFPC21上に実装されるものであり、通常は、クリーム半田を用いたリフロー工程により、電気的に接続されると共に、位置決め固定されるものである。
したがって、ランド部33、34は、電極端子53、54にほぼ対応する形状および寸法に形成されていることが望ましく、それによって、上記リフロー工程において、溶融した半田の表面張力によるセルフアラインメント作用を有効に利用して、LED50を高精度に位置決めすることができる。この点に関連して、本実施形態におけるランド部33、34および配線パターン32a〜32cの形状およびそれらの接続態様は、各ランド部33、34の形状を形成する輪郭を殆ど損なうことなく、断線を防止することができるため有利なものである。同様の理由により、補助配線37、38の引出部37a、37bの線幅は、補助配線37、38が引き出されるランド部33、34の辺33c、34cの長さよりも狭いものとすることが望ましい。
さらに、本実施形態における広幅のパターン35、36は、ランド部よりも広い面積を有するように形成されているため、LED50の発光に伴って発生し、電極端子53、54に伝達される熱の放熱部としても機能するものである。
次に、本実施形態における補助配線37、38の別の作用について説明する。
図4に示すように、半田リフローによるLED50の実装時には、ランド部33、34に塗布されたクリーム半田(A)が溶融して、各ランド部33、34から、直接接続される一隅を通じて配線パターン32a、32bに流れ、流れた半田により各電極端子53、54には、主としてα方向の力が作用する。
上述したように、LED50は、各電極端子53、54に作用する力によってセルフアラインメントにより位置決めされるものであるが、一方、何らかの要因により、この両電極端子53、54に作用する力の対称性が崩れた場合には、LED50を回転させようとするトルクが発生し、回転による位置ずれが発生するおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、各ランド部33、34の辺33c、34cから引き出される引出部37a、38aを有する補助配線37、38が存在しているため、この補助配線37、38に流れた半田から各電極端子53、54にβ方向に作用する力によって、各電極端子53、54にα方向に作用する力を相殺するものとなる。これによって、ランド部33、34から配線パターン32a、32bに流れた半田により各電極端子58、57に作用する力の間の対称性が崩れて、LED50を回転させようとするトルクが発生した場合でも、その大きさが抑制されるため、半田リフロー工程におけるLED50の位置ズレの発生を低減することができる。
特に、本実施形態におけるFPC組立体20のように、使用するLED50が、FPC21の外形から発光部52が突出するように、FPC21上21に実装される場合には、LED50の重心が、前方に偏ることになるため、上述したような、各電極端子53、54に作用する力の間の対称性の崩れに対してより鋭敏に反応して、回転等による位置ずれが発生し易くなる。本発明に係る補助配線37、38を有する構成による位置ずれの低減作用は、このようなLED50およびそのFPC21への実装形態に対して、特に有効に機能するものである。
ここで、補助配線37、38に断線が生じ難い理由について説明を補足すれば、次の通りである。一般に、ランド部33、34上で固化する半田は、電極端子(例えば、LED50の電極端子53、54)の側面の高さからランド部33、34(または、広幅のパターン35、36)の表面にまで厚みが変化する曲面形状(いわゆるフィレット)を形成し、その際、半田の厚みが急激に変化する箇所に応力が集中することによって、ランド部33、34(または広幅のパターン35、36)の対応する箇所に、断線が発生し易くなる。
一方、補助配線37、38は、ランド部33、34の辺33c、34cから引き出されて、LED50の外形の内側に延在するものであるため、電極端子53、54は、補助配線37、38と直接接触するものではなく、少なくとも、補助配線37、38の表面から十分な高さに立ち上がる側面は存在しない。これによって、補助配線37、38に流れた半田が固化した際に、補助配線37、38上に明確なフィレットが形成されることはなく、上述したような応力の集中は発生しない。
本実施形態におけるFPC21は、上述したような構成を備えてLED50の高精度な実装を可能にするものであるが、一般に、LED50と導光板11との光の結合効率を向上および安定化させるために、LED50の発光面50aと導光板11の入光面11cとの間隔を厳密に制御するためには、LED50のFPC21への実装後、その実装位置の検査を実施してLED50の位置精度に関する規格を満足するFPC組立体20を選別し、選別されたFPC組立体20のみを後続の工程に使用する必要がある。本実施形態におけるFPC21が有する実装位置検査用マーク39は、そのようなLED50の実装位置の検査のために有用なものであり、以下、その構成および作用・効果を説明する。
まず、本実施形態において、LED50の背面50bは、LED50のFPC21への正常な実装状態において、FPC組立体20を導光板11に対して組み付けたときに、導光板11の入光面11cに対して平行な平面をなすものである。そして、本実施形態における実装位置検査用マーク39は、図3(a)に示すように、一対のランド部33、34の間に、各々のランド部33、34から孤立した短冊状に形成されている。
実装位置検査用マーク39の形成位置を、LED50をFPC21上に正常に実装した状態を示す図3(b)を参照して詳細に説明すれば、次の通りである。すなわち、実装位置検査用マーク39は、FPC21の実装面の、LED50の背面50bを上面視した直線の公称位置に、その直線の延長方向に沿ってLED50の背面50bに対して平行に延びる前縁39aと後縁39bとを有し、LED50の背面50bを上面視した直線の公称位置は、この前縁39aと後縁39bとで定義される帯幅dの範囲内に含まれるものである。そして、この帯幅dが、LED50の、FPC21の前後方向(Y方向)の位置ずれに対する許容範囲として設定されており、好ましくは、LED50の背面50bを上面視した直線の公称位置は、実装位置検査用マーク39の長手方向(X方向)の中心軸に一致するものであってもよい。
このような実装位置検査用マーク39を用いることにより、LED50のFPC21への実装工程において、例えばFPC21の前後方向(Y方向)の平行移動またはFPC21の実装面(X−Y面)内での回転等によって、LED50の実装位置にFPC21の前後方向(Y方向)の位置ずれが生じていた場合、実装工程後の位置検査工程において、FPC21を実装面側から上面視したときに、実装されたLED50の背面50bの上面視形状をなす直線が、実装位置検査用マーク39の帯幅dの範囲内に含まれているか否かに基づいて、実装位置の良否を容易かつ確実に判別することができる。
特に、このような検査作業を、作業担当者が(必要な場合には顕微鏡等を使用して)目視により行う場合でも、実装位置検査用マーク39の前縁39aの少なくとも一部が、点状光源の外形から外れて見えているか、または、実装位置検査用マークの後縁39bの少なくとも一部が、LED50の外形に覆われて見えていないかの判別は、LED50および実装位置検査用マーク39の視認により直ちに判別することができるため、実装位置の検査工程に必要な工数を低減し、またその検査の信頼性を向上することができる。
また、本発明における面状照明装置10において、LED50の発光面50aと導光板11の入光面11cとの間隔を厳密に制御して、導光板11とLED50との光の結合効率を向上させるためには、LED50の、FPC21の前後方向(Y方向)の実装位置精度が重要であり、言い換えれば、FPC21の左右方向(X方向)の実装位置精度には、比較的大きな許容範囲が存在する。
このような観点から、本実施形態における実装位置検査用マーク39は、FPC21の前後方向(Y方向)の位置ずれを、実装位置検査用マーク39の帯幅d方向の位置ずれとして容易かつ確実に視認可能なものとすると共に、LED50と導光板11との結合効率に対して鋭敏な影響を及ぼさない左右方向(X方向)の位置ずれは、この実装位置検査用マーク39に対する視認可能な位置ずれとしては現れないものであり、比較的単純な構成を有する実装位置検査用マーク39を使用しつつ、その実装位置検査用マーク39を、不要な不良率の上昇を招くことなく、必要な位置精度のみを選択的に検査する基準として有効に活用することができる。
また、FPC21のカバーレイフィルム41によって覆われていない部分は、半田めっき、電解金めっき、電解金フラッシュめっき、防錆処理等の任意の適切な表面処理を施すものであってもよい。ただし、実装位置検査用マーク39の表面処理を防錆処理によって実施した場合、実装工程におけるリフロー後、いわゆる黒色化等によって実装位置検査用マーク39が見え難くなる場合には、実装位置検査用マーク39に電解金めっき等を施すためのめっき用リードパッド(図示は省略する)を設けるものであってもよい。
なお、上述した本発明の第1の実施形態において、その補助配線37、38、および、広幅のパターン35、36を介した各ランド部33、34と配線パターン32a〜32cとの接続態様は、上述したように、実装位置の精度向上および導通の信頼性の確保のために好適なものであるが、本発明に係る実装位置検査用マーク39の構成およびそれを使用した実装位置精度の検査工程において、必ずしも必須の構成要素ではない。
次に図5を参照して、本発明の別の実施形態における面状照明装置について説明する。以下に説明する実施形態について、上述した第1の実施形態との相違点は、FPC21上に設けられる実装位置検査用マークの態様のみであるため、以下の記載では重複する部分の説明は省略し、それぞれの実施形態における実装位置検査用マークについて説明する。
図5(a)は、本発明の第2の実施形態における面状照明装置の実装位置検査用マーク60を示す平面図である。実装位置検査用マーク60は、各々のランド部33、34および各々のランド部33、34から引き出される補助配線62、63から孤立して形成された短冊状の部分61と、各々のランド部33、34から引き出される補助配線62、63の引出部62a、63aからなる部分とから構成されている。そして、この短冊状の部分61は、その前縁61aと後縁61bとの間の帯幅によりLED50の前後方向(Y方向)の位置ずれの許容範囲を定義するものであるとともに、補助配線62、63の引出部62a、63aは、少なくとも、その後縁62c、63cが、短冊状の部分61の後縁61bと同面に形成されていることによって、実装位置検査用マーク60の一部分として機能するものである。この際、各補助配線62、63の引出部62a、63aの前縁62b、63bは、必ずしも短冊状の部分61の前縁61aと同面に形成されている必要はなく、補助配線62、63に対して、導通の信頼性および実装精度の向上の観点から必要な線幅を確保するために適切な位置に形成されるものであってもよい。
図5(b)は、本発明の第3の実施形態における面状照明装置の実装位置検査用マーク70を示す平面図である。実装位置検査用マーク70は、各々のランド部33、34から引き出される補助配線73、74の引出部73a、74aからなる部分と、それぞれの補助配線73、74の引出部73a、74aから延長されて所定の間隔をおいて対向する一対の延長部71、72からなる部分とを有している。そして、これらの一対の延長部73、74は、それぞれの前縁71a、72aと後縁71b、72bとの間の帯幅によりLED50の前後方向(Y方向)の位置ずれの許容範囲を定義するものであるとともに、補助配線73、74の引出部73a、74aは、少なくとも、その後縁73c、74cが、一対の延長部71、72の後縁71b、72bと同面に形成されていることによって、実装位置検査用マーク70の一部分として機能するものである。この際、各補助配線73、74の引出部73a、74aの前縁73b、74bは、必ずしも一対の延長部71、72の前縁71a、72aと同面に形成されている必要はなく、補助配線73、74に対して、導通の信頼性および実装精度の向上の観点から必要な線幅を確保するために適切な位置に形成されるものであってもよい。
上述した第2および第3の実施形態では、補助配線62、63、73、74の少なくとも一部を、実装位置検査用マーク60、70として用いることによって、FPC21上の配線スペースを有効に利用しつつ、実装位置検査用マーク60、70の視認の容易性および確実性を向上させるとともに、LED50のFPC21への実装精度を向上させ、また、FPC21のLED50付近における導通の信頼性を向上させることが可能になる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る実装位置検査用マークは、その位置精度の観点から、プリント基板上に形成される導通パターンの一部として設けられることが好ましいが、印刷等を含む任意の手段により設けるものであってもよい。また、本発明に係る点状光源は、例えば耐熱性の白色樹脂等から形成されたランプハウスを備えたものであってもよく、および/または、点状光源のプリント基板への実装形態は、点状光源の外形全体をプリント基板の実装面上に配置して実装されるものであってもよい。また、本発明に係る導通パターンおよび実装位置検査用マークの構成は、必ずしもフレキシブルプリント基板に限定されるものではなく、任意の適切なプリント基板に対して適用可能なものである。
また、本発明に係る面状照明装置の構成は、図1に示す面状照明装置10の構成に限定されるものではなく、導光板11の形状およびその主面11a、11bおよび側端面11c、11d等の構造、あるいは、反射板15および拡散板12、プリズム板13、14の使用の有無等は、任意に選択することができる。また、本実施形態において、FPC組立体20は、LED50を2灯直列で駆動するものとしたが、本発明は、使用するLEDの数および接続形態に限定されないことは言うまでもない。さらに、本発明に係る実装位置検査用マークを用いた実装位置の検査は、作業担当者の目視による検査だけででなく、撮像手段と画像処理手段とを備えた任意の適切な自動検査システムにより、好適に実施可能ではあることは言うまでもない。
10:面状照明装置、11:導光板、11c:入光面、20:FPC組立体(プリント基板組立体)、21:FPC(プリント基板)、32a,32b,32c:配線パターン、33,34:一対のランド部、37、38:補助配線、39:実装位置検査用マーク、50:LED(点状光源)、50a:発光面、50b:背面