JP4792504B2 - 造形データ作成システム、製造方法および造形データ作成プログラム - Google Patents

造形データ作成システム、製造方法および造形データ作成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、一部を選択的に形状化させた造形層を基礎平面上に積層することによって造形物を形成する積層造形装置で用いられるデータを作成する造形データ作成システムに関する。
補綴治療において患者の顔貌、咀嚼機能、発音・発声機能などの機能を回復する目的で用いられるクラウン、ブリッジ、インレー、オンレー、あるいはインプラントなどの補綴物には、口腔内で長期間にわたって高強度、高耐久性を維持する事が求められる。また、近年は失われた機能の回復だけではなく審美性も、より高いレベルで要求されるようになってきている。
このように、より高度化してきた要求に応えるためには、従来から広く行われてきた歯科技工士による手作業を主体とした製作方法では不十分であった。手作業による補綴物の製作においては、高い熟練度が求められる。また、作業者によってその適合性や機能性、耐久性に大きな幅がある。さらに、同じ作業者による補綴物であっても大きなばらつきが存在する可能性を内在している。そのため、品質の安定性に大きな不安があった。
また、歯科技工士は、補綴物の製作には極めて多種類の材料を使いこなし、多くの工程からなる作業を経なければならないため、広範な材料と臨床の知識と多くの経験が要求される。これによって歯科技工士は、長時間の作業を強いられており、その負担は多大なものであった。さらにはこのような状況に起因して補綴物の製作コストも高くなる傾向にあった。
一方、高まる物理的特性への要求に応えるため材料も種々の改良が施されたり、これまで使われていなかった新しい材料が応用されたりしている。例えば、従来金属フレームの表面に天然歯に色調を合わせたセラミックスを焼き付ける陶材焼付け冠が主流であった。しかし、近年はこのフレームの金属色をなくすために、フレームを含めた補綴物全体をセラミックスで形成したオールセラミックスクラウンの製作や、金属フレーム並みか、それに準ずる強度と金属フレームよりも優れた審美性を持たせるために、アルミナやジルコニアを用いたフレームの製作が増加している。
これらの材料の中には手作業では加工が難しかったり、長時間を要したり、大変複雑な製造工程が必要であったりするものも少なくなく、歯科技工士にはこれらの新しい材料に関する知識や加工技術の習得や経験が強いられる結果となり、さらに負担が大きくなる状況となっている。
また、焼成による補綴物の収縮を修正する作業が従来よりも困難であり、高い適合性を持った補綴物の製作が大変難しいケースが増えている。そのため、歯科技工士の負担増のみならず、患者の満足度を満たすことも困難になっている。
このように歯科技工士の長時間の複雑、高度な作業によって製作される補綴物は、その手工業的な製作工程の故に生産性に限界がある。近年の高齢化社会の進行や、歯周病による歯牙喪失機会の増大などによる補綴物の需要増の傾向に対して、一定水準以上の品質を持つ補綴物の充分な供給が困難となっているのが現状である。
このような従来の歯科技工士による手作業主体の補綴物製作工程の問題を改善するために、近年著しく発達したコンピュータによる加工技術を応用して、複雑な構造を有する構造材の品質改善、製造効率の向上を試みる多くの方法が開発されてきた。
例えば、歯科において積層造形法よりも以前から普及の進んでいる切削式のCAD/CAMシステムにおいては、ジルコニアなどの高物性を有する材料を切削してフレームを製作する際に、半焼結状体のブロック材を切削し、形状を仕上げてから最終焼結する方法がとられていた。この方法では切削式について回る切削くずの発生による材料ロスが多い。また、場合によってはアンダーカット形状などが加工できないなど加工できる形状に制約がある。
この形状に制約による変形を修正して適合性を確保するためには、結局手作業で長時間をかけて現物あわせの調整作業を行う必要がある。またジルコニアなどはその高物性のために通常の歯科用切削材では削れにくく、多くの切削材を消費しなければならないため、製作コストが増大する。さらに、作業者によって適合性や仕上がりに差が生じるなど、機械化による生産性向上と品質の安定化というメリットが消失してしまうこともあった。
また、最終焼結済みのブロックを切削する方法の切削式CAD/CAMでは仕上げ作業が歯科技工士から機械になるので仕上がりや適合性は、そのレベルが充分か否かは別として安定する傾向になる。しかしながら、例えば、ジルコニアを切削する場合は、最初の荒削り工程から最後の仕上げ工程まで高物性のジルコニアブロックを削りだすため、切削工具の消費本数が多くなり、切削時間も長大になる。そのため、装置の稼働に必要なエネルギーの消費量も増加し、総じて製作コストを押し上げる結果になっている。
これら切削式の歯科用CAD/CAMの欠点を解消するために例えば、造形テーブル上に粉体を層状に積層して所望の造形物を作成する積層造形装置が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
図20は、上記の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。まず、図20Aに示すように、積層造形装置が備える造形テーブル41上に粉体フィーダ42によって粉体が均一に散布され、粉体層51が形成される。次いで、図20Bに示すように、インクジェットヘッド43が、粉体層51のうち造形したい部分51aに液剤を射出する。液剤が射出された部分51aは、例えば、光が照射されることによって形状化する。図20Aおよび20Bに示す動作は、造形テーブル41が所定のピッチだけ降下するたびに繰り返される。その結果、図20Cに示すように、層の一部が選択的に形状化された粉体層が複数積層される。最後に形状化していない粉体を除去することにより、形状化した部分だけが造形物として残る(図20D参照)。このように積層造形装置を用いることによって、例えば、歯科用構造材のような複雑な形状の構造材を形成することができる。
その後この造形物を焼結した後に仕上げ処理を施して目的の構造物を完成する。
特開2004−344623号公報 特開2005−59477号公報
しかしながら、上記の積層造形装置によって形成される造形物を補綴物のフレームなどに応用する場合、造形後の焼成工程が必要になるので、昇温中に造形物が自重や炉内の雰囲気の流れなどによって垂れたり、崩れたりして本来の目的の形状とは異なる形に変形する事が多かった。特にロングスパンブリッジフレームなどの長大な造形物を焼成する場合には修正しきれないほどの大きな変形を生じることも多い。また、焼成が不要な材料で造形物が形成される場合であっても、形状化する際の乾燥や重合により、変形を生じることがある。
また、歯科補綴物のフレームなどは、患者の支台歯にセメントなどの材料を介して適合、合着するように設計されることが多いため、造形テーブルとの間に空間を有する場合が多い。そのため、事前に把握する事が困難な変形が生じやすい。
そこで、本発明は、形成過程または焼成過程で変形しにくい構造の造形物を表す造形データを作成する造形データ作成システム、プログラムおよび前記造形物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる造形データ作成システムは、層光を照射することにより、またはバインダー液を含浸させることにより、少なくとも一部を形状化させた造形層を、基礎平面上に積層することによって前記形状化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられる、前記造形物の形状を表す造形データを作成する造形データ作成システムであって、所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力部と、前記積層造形装置が形成する前記造形物に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部と、前記造形物に用いられる可能性のある材料の組成と、当該材料の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録する変化量データ記録部と、前記組成データで示される材料の組成に対応する変化の量を示す変化量データを前記変化量データから取得し、取得した変化量データに基づいて、前記構造物データを用いて形成される造形物が、乾燥、重合または焼結による変化後に前記所望の構造物の形状に近くなるように当該構造物データを補正する補正部と、前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成部と、前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成部と、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記構造物データ、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成部とを備える。
前記補正部は、造形物の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データを用いることにより、予め想定される乾燥、重合または焼結による収縮や変形など変化の量に応じて、構造物データを補正することができる。そのため、積層造形装置が構造物データを基に形成する造形物が、できるだけ所望の形状に近くなるように、構造物データが補正される。これにより、造形物が乾燥、重合または焼結(焼成)後に目的の形状および大きさとなることを可能にする構造物データが得られる。
さらに、前記支持部材生成部は、前記外形データで表される空間の略全体を満たす支持部材の形状を表す支持部材データを生成する。そのため、前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物は、前記構造物の前記基礎平面側の面すなわち、前記構造物の下面が前記支持部材によって前記基礎平面上に略全面に渡って支持される構成となる。
このような補正された構造物データ、支持部材データおよび外形データにより造形物の断面形状を表す断面データが生成される。上述のように補正部は、前記積層造形装置がこの断面データを用いて、造形物の形成過程や、焼成工程で生じる変化の量を見越した構造物データの補正を行っている。その結果、前記断面データを用いて積層され、焼結された後の造形物は、構造物データ入力部で入力された構造物データが示す所望の構造物の形状を正確に反映した形状となる。すなわち、構造物データで表される構造物を形成する過程または焼結する過程で、前記構造物が収縮する等して変化することによる適合性や精度の低下が抑えられる。
さらに、前記断面データを用いて積層される構造物は、前記支持部材によって、その下面が前記基礎平面上に、略全面に渡って支持される状態で形成される。そのため、前記断面データに基づいた造形物が形成される過程においては、構造物の反り等の変形が抑えられる。さらに、形成過程において、支持部材によって構造物の下面が全面的に支持されているので、構造物は目的の形状を保ったまま正確に形成される。
したがって、造形データ作成システムは、形成過程で変形しにくく、かつ形成、焼結後に所望の形状を正確に反映した造形物を得るための造形データを提供することができる。造形データ作成システムは、例えば、クラウン、ブリッジ等のように、その表面が複雑で、かつ精密に形成する必要がある構造物の造形に有用な造形データを提供することができる。
本発明によれば、本発明は、形成過程または焼結過程で変形しにくい構造の造形物を表す造形データを作成する造形データ作成システム、プログラムおよび前記造形物の製造方法を提供することができる。
本実施の形態1における造形データ作成システムの構成を表す機能ブロック図である。 造形データを作成する際の処理の流れを示すフローチャートである。 補正部28が作成した補正済み構造物データ29が表すブリッジフレームの例を示す図である。 支持部材生成部7が作成した支持部材データ25が表す支持部材の例を示す図である。 支持部材データ25を作成する処理の一例を示すフローチャートである。 構造物データ22が表す構造物31が、xyz座標上に配置された状態を表示する画面の例を示す図である。 構造物31の形状をxy平面に投影した平面32を表示する画面の例を表す図である。 外形データが表す外形33を表示する画面の例を表す図である。 xy平面に垂直に等間隔で並べられた柱状体34aを表示する画面の例を表す図である。 柱状体34aに外形33を重ね合わせた状態を表示する画面の例を表す図である。 トリムされた柱状体34aによって形成された支持部材34の形状を表示する画面の例である。 支持部材34の上に構造物31が支持される状態を表示する画面の例を表す図である。 支持部材34が接する部分の周辺部を窪ませた場合の支持部材34と構造物31の断面形状を示す図である。 切り欠きを有する支持部材34の断面形状を示す図である。 支持部材34の変形例を表示する画面を表す図である。 支持部材34の変形例を表示する画面を表す図である。 構造物31であるブリッジフレームを、互いに所定の間隔を有する複数の平行な面で輪切りにした様子を横方向から見た図である。 構造物31であるブリッジフレームを、互いに所定の間隔を有する複数の平行な面で輪切りにした様子を斜め上方向から見た図である。 構造物31であるブリッジフレームを、互いに所定の間隔を有する複数の平行な面で輪切りにした様子を上方向から見た図である。 構造物31であるブリッジフレームの各断面における画像データの例を示す図である。 積層造形装置100の概略構成を示す斜視図である。 積層造形装置100による造形における最初の工程を示す断面図である。 積層造形装置100による造形における次の工程を示す断面図である。 積層造形装置100による造形におけるその次の工程を示す断面図である。 積層造形装置100による造形におけるその次の工程を示す断面図である。 積層造形装置100による造形におけるその次の工程を示す断面図である。 制御プログラムによって制御される処理の一例を示すフローチャートである。 従来の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。 従来の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。 従来の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。 従来の積層造形装置によって、造形物が形成される工程を示す図である。 支台歯と接する部分の肩に角があるタイプの補助部材52の断面を表す図である。 支台歯と接する部分の肩が丸められているタイプの補助部材53の断面を表す図である。 本発明によって製造されたクラウンを支台歯に装着したところを横から見た断面図の様子を表す。
本発明の実施形態において、前記構造物データ入力部は、前記所望の構造物が他の物体に装着されるものである場合に、前記物体と前記構造物との相対的な位置関係を示す関係データをさらに入力し、前記関係データに基づいて、前記物体と前記構造物との前記位置関係を固定するための部材を表す補助形状データを生成し、前記構造物データに付加する補助形状データ生成部をさらに備える態様とすることができる。
補助形状データ生成部により、構造物と装着対象の物体との位置関係を固定するための部材を表す情報が付加された構造物データが生成される。この構造物データから生成される断面データが積層造形装置で用いられることにより、前記部材が付加された構造物が形成される。すなわち、物体に装着する際にその向きや位置を一意に決定して正確に適合させる事ができる構造物を表す構造物データが得られる。その結果、構造物を、前記物体に対して正しい位置および向きで装着することが可能になる。構造物を物体へ装着した時の向きのずれ等が生じることが抑えられる。
例えば、造形しようとする構造物がクラウンやブリッジなどのフレームとして使用される場合、補助形状データ生成部により、支台歯との合着または接着のためのセメントスペースを付加したり、フレームが支台歯に対して正しい位置及び向きを維持するように、フレームの位置決めをしたりすることが可能になる。
本発明の実施形態において、前記補助形状データ生成部は、前記前記物体と前記構造物との間に設けられた板状体または柱状体を表すデータを、補助形状データとして生成するものであって、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の断面積を求めることで前記補助形状データを生成することができる。
前記補助形状データで表される部材は、複数の板状体または柱状体になっているので、前記断面データで表される構造物と物体との間は、前記部材によって複数箇所で支持され、かつ、前記構造物と部材が接する面積が小さくなる。これにより、精密な形状の構造物を物体に正確に位置決めすることが容易になる。
本発明の実施形態において、前記補助形状データ生成部は、前記部材が前記物体と接触する部分の面積を、前記位置関係を固定するのに必要な面積であり、且つ前記構造物と前記物体との間の接着強度が所定値を下回らないために必要な面積となるように構造物データおよび関係データを用いて計算し、前記補助形状データを生成することができる。
これにより、構造物と物体との相対位置を十分な強度で固定し、かつ、構造物と物体を十分な強度で接着することを可能にする補助形状データが得られる。
本発明の実施形態において、前記補助形状データ生成部は、前記構造物データが示す構造体のうち、前記物体に装着される面に付加され、前記構造体と前記物体との間に所望のスペースに等しい厚みを持ち、前記物体と接触する面が前記物体の該当する部分の形状と同じ形状の面である複数の板状体、または柱状体で形成される部材を表す補助形状データを生成することができる。
これにより、完成した造形物は装着対象の物体に正しい位置と向きで、接着等のための適切な厚みを保って、より的確に装着固定されることが可能になる。例えば、完成した造形物が、患者の口腔内の支台歯に装着される補綴物である場合、その補綴物は、支台歯に対して正しい位置と向きで、適切なセメント層の厚みを保って的確に装着固定されることが可能になる。
本発明の実施形態において、前記補助形状データ生成部は、前記構造体の前記部材と当接する部分における法線方向に伸びている複数の板状体、または柱状体で形成される部材を表す補助形状データを生成することができる。これにより、補助形状データ生成部は、簡単な計算により補助形状データを生成することができる。
本発明の実施形態において、前記外形生成部は、前記補正部によって補正された補正済み構造物データと前記基礎平面上との間にできる空間の体積に基づいて前記補正済み構造物の配置を決定し、前記補正済み構造物データと前記基礎平面との間にできる空間の外形を表す外形データを生成することができる。
これにより、前記外形生成部が、前記空間の体積が最適になるように前記構造物を配置することができる。そのため、前記外形データは、最適な体積を持つ空間の外形を表すことになる。このような最適な体積を持つ空間の外形データに基づいて、前記支持部材生成部が支持部材データを生成する。そのため、最適な体積を持つ支持部材を表す支持部材データが得られる。例えば、前記空間の体積が小さくなると、前記空間に形成される支持部材も小さくてすむ。すなわち、前記支持部材データで表される前記支持部材が小さくなる。その結果、前記支持部材の形成に用いられる材料の量が少なくてすむ。
本発明の実施形態において、前記支持部材データは、前記基礎平面に対して垂直に設けられた複数の板状体または柱状体で形成される支持部材を表すことができる。
前記支持部材データで表される支持部材は、複数の板状体または柱状体になっているので、前記支持部材が前記構造物に接する部分が小さくなる。従って、前記断面データで表される構造物は、前記支持部材によって全体に渡って支持され、かつ、前記支持部材と接する面積が小さくなる。このような断面データに基づいて形成される構造物は、形成過程での変形が抑えられ、かつ、支持部材を取り外しても、その残骸が構造物に残りにくいものとなる。すなわち、前記支持部材と前記構造物とが接する面積が小さいと、前記支持部材を除去する際に、前記構造物の根元近くで折れやすくなる。その結果、前記支持部材を除去した後の前記構造物の表面を平滑化するための後加工が容易になる。つまり、精密な形状の構造物を得ることが容易になる。このように、前記造形データ作成システムは、上記の支持部材データが用いることにより、精密な構造物を容易に得るための造形データを提供することが可能となる。
本発明の実施形態において、前記支持部材データは、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みが、前記構造物に接する部分において、他の部分に比べて小さくなっている前記支持部材を表す態様とすることができる。
これにより、前記支持部材データで表される前記支持部材が前記構造物に接する部分の面積が小さくなる。すなわち、前記支持部材と前記構造物との接点が小さくなるので、前記断面データに基づいて造形される造形物においては、前記支持部材は、前記構造物から除去される際に、前記構造物に接する部分の近くで折れやすくなる。その結果、前記構造物には、前記支持部材の残骸が残りにくくなる。すなわち、前記支持部材データを用いて生成される断面データは、前記支持部材の残骸が残りにくい形状の造形物を表すことになる。
本発明の実施形態において、前記支持部材生成部は、前記構造物に接する部分の近くに切り欠きを有する支持部材を表す支持部材データを生成することができる。これにより、前記構造物から前記支持部材を除去した際に、前記構造物に残骸が残りにくい形状を表す支持部材データが得られる。
本発明の実施形態において、前記支持部材生成部は、前記構造物において、前記支持部材が接する部分の周辺部を構造物の内面方向へ窪ませるように前記構造物データを修正することができる。これにより、前記構造物から前記支持部材を除去した際に、前記構造物に残骸が残りにくい形状を表す構造物データが得られる。
本発明の実施形態において、前記組成データ記録部は、前記支持部材に用いられる材料の組成を表す組成データもさらに記録し、前記支持部材生成部は、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めることができる。
前記支持部材生成部は、前記組成データを用いることで、支持部材に必要な強度を確保し、かつ最小の厚みが得られる。すなわち、前記支持部材生成部は、前記支持部材が適切な強度を持ち、かつ前記構造物から容易に取り外すことができ、かつ取り除いた後の構造物の表面に前記支持部材の一部が残らない程度の前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めることができる。
本発明の実施形態において、前記支持部材生成部は、前記構造物が前記支持部材に与える力の分布を、構造物データを用いて計算し、該分布に基づいて前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めることができる。
前記支持部材生成部は、前記構造物から前記支持部材に加わる力の分布に基づいて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求めるので、前記支持部材が前記構造物の変形を抑えるのに必要な強度を持ち、かつ前記構造物から容易に取り外すことができ、かつ取り除いた後の構造物の表面に前記支持部材の一部が残らない程度の前記厚みを求めることができる。なお、前記支持部材生成部は、前記組成データおよび前記力の分布の両方を用いて前記厚みを求めてもよい。
本発明の実施形態において、前記構造物は、口腔内の補綴物であり、前記構造物データは、前記口腔内またはその周辺部を測定することによって得られた測定データを基に生成されたデータである態様とすることができる。
口腔内の補綴物の形状を表す構造物データは、前記測定によって得られた測定データを基に生成され、乾燥、重合または焼結による収縮量を予め見越して補正をかけられているので、焼結後に前記口腔内またはその周辺部の形状に適合した形状の補綴物を表すデータとなる。
前記造形データ作成システムで作成される前記断面データと、前記積層造形装置とを用いて前記構造物を製造するための製造方法も本発明の一実施形態である。この製造方法は、前記積層造形装置が備える上下に移動可能な造形テーブル上に、所定の厚みの造形層を形成する層形成工程と、前記造形層の少なくとも一部であって、前記断面データが表す断面形状に応じた形状の部分のみ選択的に光を照射するかまたはバインダー液を射出し、含浸させて形状化する造形工程と、前記造形テーブルを前記所定の厚み分降下させる降下工程と、前記層形成工程および前記形状化工程を、前記断面データが表す前記複数の平面それぞれについて順次繰り返すことによって、前記造形層を積層する積層工程と、前記積層工程で積層された前記造形層において、前記形状化工程で形状化された部分以外の部分を除去することによって、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持された状態の前記構造物を形成する除去工程とを備える。
上記の製造方法によれば、前記積層造形装置は、前記断面データに基づいて前記層形成工程、前記形状化工程および前記降下工程を繰り返すことにより、前記形状化工程で形状化された部分が、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持される前記構造物となる。そのため、前記構造物を形成する過程において前記構造物に生じる変形を抑えることができる。前記除去工程により、前記造形層のうち、前記構造物と同時に形成された支持形状部分が除去される。
また、前記積層造形装置によって形成された前記構造物は、焼結によって生じる収縮、変形などの変化を予め補正したデータを基にしているので焼結後に目的の大きさとなり、良好な適合性を持つことができる。
光を照射することにより、またはバインダー液を含浸させることにより、少なくとも一部を形状化させた造形層を、基礎平面上に積層することによって前記形状化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられる、前記造形物の形状を表す造形データを作成する処理をコンピュータに実行させる造形データ作成プログラムも本発明の一実施形態である。所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力処理と、前記積層造形装置が形成する前記造形物に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部と、前記造形物に用いられる可能性のある材料の組成と、当該材料の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録する変化量データ記録部とにアクセスし、前記組成データで示される材料の組成に対応する変化の量を示す変化量データを前記変化量データから取得し、取得した変化量データに基づいて、前記構造物データを用いて形成される造形物が、乾燥、重合または焼結による変化後に前記所望の構造物の形状に近くなるように当該構造物データを補正する補正処理と、前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成処理と、前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成処理と、前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記補正部によって補正された構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記構造物データ、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成処理とをコンピュータに実行させる。
上記プログラムにより、前記積層造形装置が、前記基礎平面上に前記構造物を支持するための前記支持部材を作成するために用いられる支持部材データが生成される。さらに、前記積層造形装置で利用しやすい断面データを生成することができる。
本発明の実施形態にかかる製造方法は、その層の一部を選択的に形状化させた造形層を基礎平面上に積層することによって、前記形状化された部分を造形物として形成する造形物の製造方法であって、所望の形状を有する構造物を前記基礎平面上で支持するための支持部材を形成する工程と、前記支持部材の上に前記構造物を形成する工程とを備える。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1は、造形テーブル上に粉体を積層させることよって形成される造形物の形状を表すデータを作成する造形データ作成システムに関する。本実施形態においては、造形物が、例えば、陶材焼付け冠のブリッジフレームとして用いるジルコニア製構造物を積層造形装置で製造する場合を例にとり説明する。図1は、本実施の形態1における造形データ作成システムの構成を表す機能ブロック図である。
図1に示すように、造形データ作成システム1は、入力部3、出力部4、補助形状データ生成部27、補正部28、外形生成部5、支持部材生成部7、断面生成部9および記録部11を備える。造形データ作成システム1は、補綴物形状データ作成システム2および積層造形装置100に接続されている。
補綴物形状データ作成システム2は、測定装置17、作成部15、モデル記録部13を備える。測定装置17は、例えば、患者の口腔内またはその周辺部の形状等を測定する。測定装置17が測定した形状は、測定データとして、作成部15に送られる。作成部15は、測定装置17から送られる測定データと、モデル記録部13に予め記録されたモデル21とに基づいて、所望の補綴物の形状を表す構造物データ22を作成する。モデル21には、例えば、補綴物の基本的または一般的な構造を表すデータ等が含まれる。
入力部3は、作成部15が作成した構造物データを読み込み、記録部11に記録する。その結果、造形データ作成システム1が構造物データ22を利用できる状態になる。また、入力部3は、構造物データで示される構造物が、他の物体に装着されるものである場合には、その装着時における物体と構造物との位置関係を示す関係データを入力する。関係データには、例えば、構造物が物体に装着される際に、物体に接着される構造物上の面を特定するデータや、物体と構造物との間に設けられる空間の厚みを示すデータ、装着対象の物体の形状を表すデータ等が含まれる。
補助形状データ生成部27は、記録部11に記録された構造物データ22と関係データに基づいて補助形状データを生成し、これを構造物データに付加して新たな構造物データ22として記録部11に記録する。補助形状データは、構造物データ22で表される構造物が物体に装着される際の、構造物と物体との位置関係を固定する補助部材の形状(以下、補助形状と称する)を表すデータである。
例えば、構造物が陶材焼付けブリッジフレーム(以下、単にフレームと称する)である場合、フレームが患者の口腔内の支台歯に装着される際に、フレームを、支台歯に対して正しい位置と正しい向きで、且つ支台歯とフレームとの間に適切なスペースを維持して装着するための補助部材の形状を表す補助形状データが生成される。
補助形状データ生成部27が、補助形状を決定する際、あらかじめ記録部11に記録されている組成データ23が参照されることが好ましい。組成データ23は、例えば、補助部材、構造物または支持部材を形成する材料の組成を表すデータである。
なお、この補助形状データ生成部27は製造しようとする構造物の使用目的によって、補助形状が不必要である場合には経由させない事ができる。
補正部28は、後の工程で造形した構造物を乾燥、重合、焼結、焼成する際に生じる変形や収縮による精度や適合性の低下を抑制するため、記録部11に記録された構造物データ22、組成データ23および変化量データ30に基づいて、構造物データを補正した補正済み構造物データ29を生成する。生成された補正済み構造物データ29は記録部11に記録される。
外形生成部5は、記録部11に記録された補正済み構造物データ29に基づいて、外形データ24を生成する。外形データ24は、補正済み構造物データ29が表す構造物を、例えば、造形テーブル上等の基礎平面上に配置した場合の、構造物と造形テーブルとの間にできる空間の外形を表す外形データ24である。生成された外形データ24は記録部11に記録される。
支持部材生成部7は、記録部11に記録された外形データ24に基づいて、造形テーブル上で構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データ25を生成する。支持部材データ25は、例えば、外形データ24で表される空間内に設けられる支持部材の形状を表すデータである。支持部材生成部7が、支持部材の形状を決定する際、あらかじめ記録部11に記録されている組成データ23が参照されることが好ましい。生成された支持部材データ25は記録部11に記録される。
断面生成部9は、補正済み構造物データ29と支持部材データ25とに基づいて、断面データ26を生成する。生成された断面データ26は、記録部11に記録される。
出力部4は、断面データ26を積層造形装置100へ出力する。また、出力部4は、積層造形装置100の動作を制御するための制御プログラムも積層造形装置100へ出力する。制御プログラムの例については、実施の形態2において後述する。積層造形装置100は、断面データ26および制御プログラムに基づいて、支持部材と構造物とで構成される造形物を作製する。積層造形装置100の構成および動作の詳細は後述する。
造形データ作成システム1および補綴物形状データ作成システム2は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ等のコンピュータ上に構築される。造形データ作成システム1および補綴物形状データ作成システム2は、1台のコンピュータ上に構築されてもよいし、互いに異なる2台のコンピュータ上にそれぞれ構築されてもよい。入力部3、出力部4、外形生成部5、支持部材生成部7、断面生成部9、作成部15の機能は、コンピュータのCPUが所定のプログラムを実行することによって実現される。記録部11、モデル記録部13には、例えば、コンピュータに内蔵されているハードディスク、RAM等の記憶媒体の他、フレキシブルディスク、メモリカード等の可搬型記憶媒体や、ネットワーク上にある記憶装置内の記憶媒体等を用いることができる。
次に、造形データ作成システム1の動作について説明する。本実施形態では、患者が使用する陶材焼付け冠のブリッジフレームとして用いるジルコニア製構造物を積層造形装置で作製するための造形データを作成する処理を例にとって説明する。ここで、造形データは、積層造形装置で作製される造形物の形状を表すデータである。
はじめに、大まかな処理の流れについて説明する。図2は、造形データ作成システム1が造形データを作成する際の処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、まず、補綴物形状データ作成システム2の測定装置17が患者の口腔内またはその周辺を測定して測定データを得る。作成部15は、測定装置17から測定データを入力する(ステップS1)。
作成部15は、モデル記録部13に記録されたモデル21および測定データに基づいて、目的とする構造物、すなわちフレームの形状を表す構造物データ22を作成する。また、作成部15は、フレームを支台歯に装着する際の支台歯との位置関係を特定する関係データも作成する。(ステップS2)。作成部15が作成した構造物データおよび関係データは、入力部3により造形データ作成システム1に読み込まれ、記録部11に記録される。
補助形状データ生成部27は、作成部15が作成した構造物データ22および関係データを用いて、フレームとフレームを装着する支台歯との位置を固定するための補助部材の形状を表す補助形状データを作成し、これを構造物データ22に付加する。(ステップ3)。ここで、補助形状は、例えば、フレームを患者の支台歯に装着する際に術者が容易に正しい位置と正しい向きで装着できるようにするための位置決め用のガイド形状、及び/またはフレームを支台歯に装着する際に合着、あるいは接着のために用いられる歯科用セメントが介在するためのスペースを保持するためのスペーサ形状などである。
なお、補助形状データ生成部27は、例えば、構造物が他の物体に装着するものでない場合のように、補助部材が必要ない場合には上記ステップ3の処理を実行しなくてもよい。
補正部28は、作成部15あるいは補助形状データ生成部27が作成した構造物データ22を補正した補正済み構造物データ29を作成する(ステップS4)。補正部28は、構造物データ22が示す構造物と、構造物データ22を用いて造形された構造物が焼結される際に生じる収縮や変形によって変化した構造物との差異が相殺されるように、構造物データ22を補正し、補正済み構造物データ29を作成する。
ステップ4において、補正部28は、記録部11に記録された組成データ23および変化量データ30を用いて、前記造形物の収縮量を参照あるいは算出し、これを用いて必要な補正を施して補正済み構造物データを生成する。
外形生成部5と支持部材生成部7が、補正部28が作成した補正済み構造物データ29を用いて、構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データ25を作成する(ステップS5)。
断面生成部9は、支持部材と補正済み構造物とで構成される造形物の、互いに平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データ26を生成する(ステップS6)。本実施形態においては、この断面データ26が、目的とする構造物であるフレームを作製するための造形データである。
次に、一例としてブリッジのフレームを、所要の構造物とした場合の各ステップS1〜S6の詳細な処理について説明する。
(ステップS1 データ入力工程)
ステップS1において、補綴物形状データ作成システム2の測定装置17が、例えば、ブリッジを使用する患者の口腔内および支台歯周辺部を測定することによって得た測定データを作成部15へ入力する。測定データは、例えば、支台歯形状、支台歯、対合歯列の形状、咬合高径(上下顎の間隔)、中心位(中心位置)、ゴシックアーチ等の患者固有の値である。ゴシックアーチは、顎の運動に伴って生じる特定部位の運動経路を描記したものである。患者の口腔内および支台歯周辺部の形状は、例えば、点群データ、すなわちXYZ座標値の集まりで表現される。
(ステップS2 形状作成工程)
ステップS2の形状作成工程において、作成部15は、モデル記録部13に記録されたモデル21および測定データに基づいて、構造物データ22および関係データを作成する。図3Aは、作成部15が作成した構造物データ22が表すフレームの例を示す図である。なお、図3Aは、フレームが、後述するステップS5で生成される支持部材の上に形成された状態を示している。
作成部15は、測定データのうち、例えば、支台歯、隣接歯、対合歯(かみ合う相手の歯)の形状、反対側の歯牙形態、咬合高径(上下顎の間隔)、中心位(中心位置)、ゴシックアーチ等のデータから、製作しようとするフレームの大まかな形状を決定する。
モデル記録部13に記録されたモデル21は、例えば、クラウン、ブリッジ等を再現するためのモデルである。モデル21には、例えば、各部位の歯牙ごとのクラウンや、さまざまな部位及び本数からなるブリッジ形状を作成する基になる各種フレーム形状のデータベースや、基本的または一般的なポンティックの形状を表すモデル等が含まれる。作成部15は、一般的なクラウン、ブリッジの形状を表すモデル21に、上記の測定データより得られた患者特有の値を反映させて、フレームの大まかな形状を表すフレームモデルを作成する。
作成部15は、例えば、組成データ23を参照してフレームの材質を特定し、特定したフレームの材質から必要な強度を発現するための最低限必要なフレームの厚み等を計算する。また、作成部15は、フレームの材質に適したセメントスペースなどの情報を例えば、予め記録されたデータから取得する。さらに、作成部15は、セメントスペースの情報を用い、支台歯データを基にして、ブリッジのフレーム底面(すなわち、支台歯と接着される面)の形状を決定することができる。
このようにして決定されたブリッジのフレーム底面や、フレームの厚み等と前記フレームモデルとを組み合わせて、図3Aに示すようなフレームの形状を表す構造物データ22が生成される。また、作成部15は、支台歯に接着されるフレーム底面を特定するデータや、セメントスペースを示すデータ等を関係データとして記録しておいてもよい。
(ステップS3 補助形状作成工程)
ステップS3の補助形状作成工程は正確なスペースの確保や位置決めが必要な場合など、補助形状が必要な場合に行われる。例えば、前記入力部3が、作成部15が作成した構造物データ22とともに関係データも読み込んだ場合に、造形データ作成システム1は補助形状作成工程が必要と判断することができる。
ステップS3の補助形状作成工程が必要と判断された実行される場合、補助形状データ生成部27が呼び出される。補助形状データ生成部27は、ステップS2の形状作成工程において作成され、記録部11に記録された構造物データ22を用いて必要な補助部材の数値的特長を生成し、構造物データ22に付加する。補助部材の数値的特徴として、例えば、フレームと支台歯との間に必要なスペース量や、支台歯とフレームとの間にスペースを設けた場合にフレームの正しい方向や位置を決定できるようなガイド形状が生成される。
これにより、完成後の構造物であるフレームが正しい位置に正しい向きで支台歯に装着できるようにし、かつ必要充分なセメントスペースを確保して確実な支台歯への合着、あるいは接着を実現することが可能になる。
位置決めのための補助形状は最低でも3個以上で構成される。また、それぞれの補助形状が支台歯と接触する面は、最低でも補助形状が充分な強度を持つだけの広さを有する必要がある。同時に歯科用セメントや接着材料が支台歯とフレームを充分に合着あるいは接着することを妨げないようにこれらの材料がフレーム及び支台歯と充分に接触できるだけの面積を確保できるように、自身の接触面積は可能な限り小さい事が求められる。
ステップS3の補助形状生成工程では、補助形状データ生成部27が、このように相反する条件を両立できるような補助部材の形状と個数を構造物データ22、関係データ及び組成データ23を参照して決定する。
ここで、補助形状決定処理の具体例を説明する。補助形状データ生成部27は、まず関係データが示す、あるいはシステムの操作者が入力したセメントスペース分の厚みを構造物データ22の支台歯に装着する側の面から除去する。これにより、元の構造物データ22が示すフレームの支台歯に装着する側の面、即ちフレーム底面と、支台歯との間に所望のスペースが設けられる。
次に、補助形状データ生成部27は前記スペースの中に設けられる補助部材の形状を示す補助形状データを生成する。例えば、前記スペースにおいて、フレームから法線方向に延びる板状体、または柱状体を表すデータが補助形状データとして生成される(以下では一例として、補助部材が柱状体である場合について説明する)。このように所定のスペース内の柱状体を表すデータの生成には、後述する支持部材生成部7による柱状体を表すデータの生成(ステップS5)と同様の方法を用いることができる。また、例えば、支台歯の形状面をそのままフレームの方向にオフセットして、フレームから法線方向に延びる柱状体を表すデータを算出することもできる。次に、補助形状データ生成部27は、柱状体の断面積、すなわち、補助部材が支台歯と接触する面の面積を計算する。それぞれの補助部材が支台歯と接触する面は、最低でも補助部材がフレームと支台歯の位置決めに充分な強度を持つだけの広さを有する必要がある。また、フレームを装着する際に、支台歯が補助部材と接触する部分の面積が極端に狭いと、支台歯にかかる応力が、狭い範囲に集中して支台歯を損傷する恐れがある。したがって、柱状体の断面積は、支台歯とフレームの位置を固定するために十分に広く設定する必要がある。
一方、歯科用セメントや接着剤などの接着材料が支台歯とフレームを充分に合着あるいは接着することを妨げないようにする必要がある。したがって、この接着材料がフレーム及び支台歯と充分に接触できるだけの面積を確保する必要がある。そのため、補助部材が支台歯と接触する部分が広すぎると、フレームを支台歯に装着する際に、補助部材と支台歯の間に接着材料が過剰に残って、設定した以上の厚みで固定されることが起こり得る。このようなことを防ぐためには、補助部材と支台歯の接触面積、すなわち柱状体の断面積は可能な限り小さい事が求められる。
補助形状データ生成部は組成データ23を参照して上記の相反する2つの条件を満たすような補助形状データを生成する。まず、最低でも補助部材がフレームと支台歯の位置決めに充分な強度を持つだけため柱状体の断面積を計算する例を説明する。例えば、補助形状データ生成部27は、予め、補助部材に使用する材料の組成ごとに計算され、記録部11に記録されている断面積と強度の関係を参照する。この断面積と強度の関係は、例えば、補助部材に用いられる材料でできた柱状体の断面積を様々に変えて製作した試験体を用いて、曲げ強さ試験などの強度試験を行うことで求められる。補助形状データ生成部27は、補助部材の形状等を勘案して必要な補助部材の強度を求め、前記断面積と強度の関係を用いて、必要な強度を発現するために必要な断面積を逆算する。
次に、接着材料がフレームおよび支台歯に充分に接触できるだけの面積を確保するために必要な柱状体の断面積を計算する例を説明する。まず、基本データとして、接着材料とフレームとの単位面積あたりの接着強度と、使用材料と支台歯との単位面積あたりの接着強度とが予め求められて記録部11に記録される。接着強度は接着面積の増減と正の相関がある。そのため、補助形状データ生成部27は、フレームの装着に必要な接着強度を算出して、上記の単位面積あたりの接着強度を参照することにより、前記必要な接着強度を発現するのに必要な接着面積を求めることができる。
図21Aおよび図21Bは造形物(フレーム)50に付加された補助部材の形状の一例を示す断面図である。図21Aは支台歯と接する部分の肩に角があるタイプの例である。図21Bは支台歯と接する部分が丸められているタイプの例である。このタイプはフレーム50を支台歯に装着する際に、支台歯に接する補助部材53の面上にセメントが存在する場合でも、セメントがその補助部材53の支台歯に接する面からスムーズに排除される。そのため、残留応力が減少するという効果を奏する。
図21Aおよび図21Bに示す例において、造形物50と補助部材52、53の接合部分が角を持たず曲面で構成されているのは、接合部分の強度確保を図っているものである。曲面の半径はあまり大きいとスペーサの設置面積が不足して設計に支障をきたす。また、あまり小さすぎると実質的に角で接合したのと同様の形態となり、セメントが充填されにくくなったり、強度低下につながったり、亀裂の発生箇所になったりする恐れがある。接合部の曲面の半径は支台歯とフレーム間距離の0.1倍から3倍の範囲が好ましい。
もちろん補助形状は、図21A、21Bに示したような造形物側に広がりを持たせた形状だけに制限されるものではなく、適切なセメントスペースの確保と造形物を正しい向きと位置に装着できる限りにおいてその形状に制約を設けるものではない。
補助部材は、この他に長い帯状のものを複数本設けた形状とする事もできる。このような補助形状は、例えば、ステントなど広い面積で患者口腔内に設置される補綴物への適用が好ましい。
次に、補助形状データ生成部27はフレームを正しい向きで正しい位置に装着するのに必要充分な補助部材の数と、補助部材の効果的な配置位置を求める。補助形状データ生成部27は、構造物データ22で示されるフレームの形状に基づいて、支台歯にフレームを装着したときに、その方向が一意に決定されるように個数と場所を決定する。フレームを支台歯に合着する際、その力の方向は限られるので、経験則を用いることにより、補助部材の個数と場所をある程度決定することができる。
例えば、構造物が単冠の場合は、少なくとも2個の補助部材が用いられる。この単冠の場合、補助部材の個数に上限はないが、3個から12個が好ましい。また、構造物がブリッジなどのように、複数の支台歯装着部位がある補綴物である場合は、支台歯装着部位ごとに上述の個数の補助形状データを設ける事が望ましい。
補助部材の配置場所として、例えば、前歯にあっては切端から見て唇側面、舌即面、近心面、遠心面のうちいずれか1箇所以上と、これらの中間点即ち舌側面と近心面の接続部付近、近心面と唇側面の接続部付近、唇側面と遠心面の接続部付近、遠心面と舌側面の接続部付近のうちいずれか1箇所以上にそれぞれ1個以上補助部材を設ける事が望ましい。
臼歯にあっては、例えば、頬側面、舌側面、近心面、遠心面のうちいずれか1箇所以上と、これらの中間点即ち頬側面と遠心面の接続部付近、遠心面と舌側面の接続部付近、舌側面と近心面の接続部付近、近心面と頬側面の接続部付近のうちいずれか1箇所以上にそれぞれ1個以上、補助部材を設ける事が望ましい。
こうして生成された補助形状データは記録部11において、構造物データ22に付加される。すなわち、それまでの構造物データ22は、補助形状データ生成部により、上書き保存される。
補助形状データは、フレームを正しい向きで正しい位置に支台歯に装着する上で大きな効果を発揮する。また、補助形状データにより、設定したとおりの適切なセメントスペースを確保する事ができる。
図22は補助形状データが付加された構造物データ22を用いて、積層造形装置100が製造したフレームを、支台歯に装着した様子を横から見た断面図である。図22に示す例では、支台歯61とフレーム63の間には、接着材料62が充填されている。そして、支台歯61に対するフレーム63の位置および向きを固定する補助部材64a〜64eが支台歯61とフレーム63との間に設けられている。
以上の項目を考慮して作成される補助形状データは適切なセメントスペースを高精度で確保するのに大きな効果をもたらす。また、補助形状はフレームなどの造形物を支台歯に装着する際、セメントスペースが遊びとなって正確な位置決めを妨げる要因になるという問題の発生を防ぎ、設計通りに正確な向きと位置を一意に決定するためのガイドとして機能する。
これらの効果は補綴物を患者に装着する差異、その調整作業を大幅に削減し、またその作業に要求される熟練度も低減される。これは術者の作業および患者の負担や苦痛の減少に大きく寄与する。
このように、造形しようとする構造物が、例えばクラウンやブリッジなどのフレームであり、支台歯との合着、接着のためのセメントスペースを付加したり、フレームが正しい位置及び向きを維持して支台歯に位置決めしたりすることが必要とされる場合に、補助形状データ生成部27は、補助形状データを生成することができる。
(ステップS4 構造物データ補正工程)
ステップS4の構造物データ補正工程において、補正部28は作成部15、あるいは補助形状データ生成部27によって生成され、記録部11に記録された構造物データ22を組成データ23に基づいて補正することにより、補正済み構造物データ29を生成し記録部11に記録する。
通常歯科で用いられるクラウンやブリッジのフレームは金属、セラミックスなどで製作される事が多い。また、フレームの上層に築盛される材料としては樹脂やセラミックスが多用される。その他、インレーやオンレーなどのように適切な処置を施した穿洞に歯科用セメントや接着剤を介して嵌め込まれる補綴物には金属、樹脂、セラミックスが用いられている。
セラミックス系材料は焼結(焼成)によって最終的な強度を発現させるという工程が必須である。これによって高湿度で繰り返し応力のかかる環境下でも長期間その強度を維持し、化学的に安定で生体に対する為害作用がほとんどなく、また、高い明度、透明感や天然歯類似の色調を良く再現した補綴物を提供することを可能にしている。
特に、アルミナやジルコニアを主成分とする素材は、クラウンやブリッジなどそれまで金属でしか実用にならなかった用途に適用できる強度と靭性を持つ上に、色調の面でも金属と比較するとより生体組織と調和する色調を持っている。そのため、これらの素材は、最近注目を集めている。
焼成工程の実施は上述の利点をもたらす反面、焼成後に収縮などの寸法や形状の変化を引き起こすという課題も持っている。
ステップS4の構造物データ補正工程は、例えば、このような焼成による収縮、形状変化、精度低下といった問題を解消するために用いられる。
補正部28は焼成後に構造物データ22にできる限り近い構造物となるように予め収縮や変形の分だけ構造物データ22に補正を施す。以下では、焼成による収縮の分だけ補正する例を示すが、補正部28による補正は、収縮分に限られない。例えば、焼成工程での変形や膨張等の変化分を補正することもできる。この補正量(収縮量)の算出には組成データ23および変化量データ30が用いられる。組成データ23は、積層造形装置100が積層造形しようとする構造物に用いられる材料の組成を表すデータである。例えば、上記のフレームを、粉末ジルコニアを積層造形によって造形しようとした場合、組成データ23には、粉末ジルコニアとその比重を示すデータが記録される。
変化量データ20は、積層造形される構造物に用いられうる様々な材料の組成と、それぞれの材料の焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録したデータである。下記表1に、変化量データ20の内容の一例を示す。下記表1に示す例においては、造形物の組成、比重、および焼結による収縮量が一組のレコードとして記録されている。なお、変化量データ20の内容は下記表1に限られない。
Figure 0004792504
例えば、粉末ジルコニアを積層造形によって造形しようとしたとき、組成データ23で示される造形物の比重が5.82であるとすると、補正部28は、上記表1に示す変化量データ20を参照して、比重5.82におけるジルコニアの収縮量19.5を得ることができる。補正部28は、収縮量19.5に対応する分だけ構造物データ22が示す構造物を拡大して補正済み構造物データ29を生成する。
これにより焼成によって生じる収縮を見込んだ補正済み構造物データ29が得られる。補正済み構造物データ29は記録部11に記録される。
なお、構造物を拡大・縮小する計算には、例えば、3次元CADやCAMで用いられている拡大・縮小の計算式を適用することができる。例えば、原点と構造物の各部間との距離を必要倍して得られる距離に、構造物の各部を配置しなおすことで拡大、縮小が行われる。また、補正部28は、3次元空間における座標変換公式(例えば、アフィン変換等)を適用して、構造物データ22の補正してもよい。
なお、上記例では、補正部28は、変化量データ30に含まれる収縮量を用いて補正を行っているが、補正部28が変化量データ30を使って収縮量を算出する構成であってもよい。例えば、変化量データ30として、比重から収縮量を求めるための関数を材料ごとに記録しておくことで、補正部28は、その関数を用いて収縮量を計算することができる。
また、補正部28は、上記例のような焼結による収縮を補正する場合に限られない。例えば、補正部28は、樹脂等の材料が乾燥や重合によって変形する量を変化量データから算出し、その変形を補う補正をしてもよい。なお、樹脂等の材料が乾燥や重合によって変形する場合と、セラミックスが焼結によって変形する場合とでは変形のメカニズムや変形の程度、形状変化の傾向などは異なる。これら両方の変形を補正する場合には、それぞれの変形について、変化量データや、変化量の計算、補正の計算が必要となる。このように、補正部28は、様々な材料や変形メカニズムに対応した適切な補正を施すことができる。
また、乾燥や重合による変化および焼結による変化のいずれの場合も、寸法の変化とそれに伴う形状変化という2つの現象が起こる場合が多い。そのため、補正部28は、これらのそれぞれの現象について変化量の算出および補正計算を行ってもよい。
(ステップS5 支持部材データ生成工程)
ステップS5の支持部材データ生成工程において、外形生成部5と支持部材生成部7が、補正部28が作成した補正済み構造物データ29を用いて、構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データ25を作成する。以下、一例として、補正済み構造物データ29が表す構造物がステップS4で説明したブリッジのフレームである場合について説明する。
図3Bは、支持部材生成部7が作成した支持部材データ25が表す支持部材の例を示す図である。図3Bに示す支持部材は、図3Aに示すフレームが積層造形装置100で形成される際に、フレームを後述する造形テーブル上に支持するための支持部材である。すなわち、図3Bに示す支持部材の上に、図3Aに示す構造物であるフレームが形成される。
図4は、支持部材データ25を作成する処理の一例を示すフローチャートである。まず、外形生成部5は、記録部11に記録された補正済み構造物データ29を読み込んで、補正済み構造物データ29が表す構造物を、基礎平面に対して、造形しやすい向きに回転させる(ステップS11)。基礎平面は、構造物を形成するために積層される造形層の基礎となる平面である。造形データ作成システム1における処理においては、基礎平面を例えば、xy平面とすることができる。なお、積層造形装置100においては、基礎平面は、例えば、造形テーブルである。
補正済み構造物データ29が表す構造物であるフレームが、基礎平面に対してどのような向きで配置されるかによって、基礎平面と構造物との間の空間の形状が変わる。基礎平面と構造物との間の空間の形状が変わると、その空間に配置される支持部材の形状も変わる。そこで、構造物の配置は、支持部材に用いられる材料の量が最小になるような配置、または支持部材および構造物の造形時間が最短になるような配置になるように決定されることが好ましい。このような配置の決定要素のうちどちらかを優先させるか、あるいは両立させるように構造物の基礎平面に対する配置が決定されることが好ましい。
また、このステップで、フレームを、支台歯側の面を下(基礎平面側)にして配置すると、フレームの支台歯側が支持部材により支持される構造となる。このような構造になると、補助部材と支持部材との境界が不明確になる場合がある。また、支台歯に接する側の空間が狭いので造形、焼成工程終了後の補助部材除去工程で、指や道具が入りにくく、補助形状を取り除きにくくなる場合が多くなる。これらの問題の発生を事前に回避し、除去工程がスムーズに実施できるようにするため、フレームは支台歯側の面を上向きにした状態で支持部材データが生成されることが好ましい。
外形生成部5は、例えば、構造物を回転させ、様々な配置において、基礎平面と構造物との間の空間の体積を計算する。外形生成部5は、様々な配置のうち、例えば、前記体積が最小となる状態を、構造物を形成する際の配置として選択することができる。
図5は、補正済み構造物データ29が表す構造物31が、xyz座標上に配置された状態を表示する画面の例を示す図である。図5に示す画面において、右上の画像は斜め上から見た構造物31の形状、右下の画像はx軸方向から見た構造物31の形状、左上の画像はz軸方向からみた構造物31の形状、左下の画像はy軸方向から見た構造物31の形状をそれぞれ表している。図5に示す画面におけるxyz座標は、例えば、基礎平面に垂直な方向をz軸に、基礎平面の面をxy平面に対応させた座標とすることができる。なお、図5に示す画面で表示される構造物31の形状は、説明を簡単にするため、フレームの形状ではなく単純な形状とされている。以下に示す図6〜13においても、図5と同様に、補正済み構造物データ29で表される構造物31および支持部材データ25で表される支持部材は単純な形状で表されている。
外形生成部5は、補正済み構造物データ29が表す構造物31の基礎平面に対する高さを、造形しやすい適切な高さに設定する(ステップS12)。外形生成部5は、例えば、記録部11に予め設定されている高さを表すデータを、構造物31の基礎平面に対する高さに設定することができる。構造物31の基礎平面に対する高さは、支持部材に用いられる材料の量を少なくするためには、なるべく低い方が好ましい。しかし、構造物が基礎平面に対して低すぎると、支持部材から構造物を取り外しにくくなるので、構造物を取り出しやすい程度の高さを保つことが好ましい。
外形生成部5は、構造物31の形状をz軸方向からxy平面すなわち基礎平面に投影した形の平面を作成する(ステップS13)。図6は、構造物31の形状をxy平面に投影した平面32を表示する画面の例を表す図である。
外形生成部5は、構造物31を投影した平面32と、構造物31との間の空間を、例えば、ルールド面等で埋めてこの空間の外形を生成する。図7は、外形データ24が表す、構造物31と基礎平面(xy平面)との間の空間の外形33を表示する画面の例を表す図である。例えば、構造物31がフレームである場合、フレームの最大輪郭線で構成される面とフレームを基礎平面に投影した平面32との間の空間の外形を表すデータが外形データ24となる。外形データ24は、前記空間の周囲全てを囲む外形を表す必要はなく、少なくとも一部の外形を表すデータであればよい。
外形データ24の形式は、例えば、閉じたサーフェスとしてもソリッドとしてもよい。外形データ24の形式は、例えば、外形生成部5の機能を実現するソフトウエアにおいて扱われるデータの形式に依存する。
支持部材生成部7は、外形データ24で表される空間内に、所定の断面形状を有する複数の柱状体または板状体を並べることにより、支持部材34を生成する。支持部材34は、例えば、xy平面に垂直に一定間隔で並べられた複数の柱状体または板状体によって形成される。図8は、xy平面に垂直に等間隔で並べられた柱状体34aを表示する画面の例を表す図である。図8に示す例のように、井桁構造の薄壁の集合体を支持部材34にすることができる。支持部材34は、xy平面に垂直な板形状を縦横に交差させた構造であってもよい。
支持部材生成部7が、支持部材34の形状を表す支持部材データ25を生成する方法として、例えば、論理演算による方法、または、単純に柱状体あるいは板状体を並べて外形データ24が表す外形でトリムする方法等がある。
論理演算により支持部材データ25を生成する方法の一例を説明する。例えば、支持部材生成部7は、支持部材34の外形33を定義する形状(図7参照)のデータと、図8に示すように等間隔に並べられた柱状体34a(図8参照)のデータとで論理積演算する。図9は、柱状体34aに外形33を重ね合わせた状態を表示する画面の例を表す図である。論理積演算の結果、外形33と柱状体34aの両方の形状に含まれる部分だけが残って支持部材34の形状が得られる。図10は、支持部材34の形状を表示する画面の例である。図10に示す支持部材34の形状と、目的とする構造物31の形状(図5参照)とを論理和演算することによって、両方の形状が足し算される。その結果、造形しようとする造形物の形状が得られる。このようにして得られる造形物の形状は、目的とする構造物31の形状と支持部材34の形状とが合成された形状である。図11は、目的とする構造物31と支持部材34とで構成される造形物を表示する画面の例を表す図である。図11の画面は、支持部材34の上に構造物31が支持される状態を示している。
次に、トリムにより支持部材データ25を生成する方法の一例を説明する。図8に示すように並べられた柱状体34aに、外形33(図7参照)を重ね合わせてトリムすることにより、支持部材34の形状を表す支持部材データ25が生成される。図9は、柱状体34aに外形33を重ね合わせた状態を表示する画面の例を表す図である。支持部材生成部7は、柱状体34aのうち外形33内に含まれる部分以外の部分をトリムすることにより、支持部材34の形状を形成する。トリムされた柱状体34aによって形成された支持部材34の形状は、例えば、図10のように表示される。
このようにして形成された支持部材34の形状は、構造物31を基礎平面上に支持することができる形状である必要がある。図11は、支持部材34の上に構造物31が支持される状態を表示する画面の例を表す図である。図11に示すように、支持部材34は、構造物31の基礎平面(xy平面)側の面を全体的に支持する構造になっている。この構造により、構造物31は、焼成工程において、崩れたり、ガラス化中に垂れたり、変形したりするなどの形状変化が防止される。
柱状体の断面形状は、正方形か長方形が好ましい。この場合、柱の側面が壁となる。その壁の厚みと、柱状体の断面形状における正方形または長方形の一辺の長さによって、支持部材34の強度が変わる。また、支持部材34に用いられる材料の強度によっても、支持部材34の強度は変わる。支持部材34の求められる強度は、造形時に構造物31の重量によって押しつぶされない程度、且つ焼結時に構造物31の重さで押しつぶされない程度が望ましい。一方で、壁の厚みを厚くしすぎると、支持部材34が構造物31に接する面積が大きくなり、焼結後に、支持部材34を構造物31から除去した際に、支持部材34の残骸が構造物31に残りやすくなる。
したがって、支持部材34を構成する柱状体間の壁の厚みは、構造物31が造形時に変形しない程度に厚く、かつ造形終了後、あるいは焼成後に手指で簡単に除去でき、かつ支持部材34除去後も構造物31に残骸が残らない程度に薄くすることが好ましい。支持部材生成部7は、支持部材34に用いられる材料の組成が決まれば、壁の厚みを決めることができる。以下、支持部材34を構成する柱状体の壁の厚みを求める方法の例について説明する。
(支持部材34の壁の厚み計算方法例)
記録部11には、支持部材34に用いられる材料の組成を表す組成データ23が予め記録されていることが好ましい。例えば、構造物31の設計者が、支持部材34に用いる材料の組成を組成データ23に設定してもよい。支持部材生成部7は、設定された組成データ23を基に、支持部材34の壁の厚みを計算により求めることができる。
前記測定データは、例えば、積層造形装置で、一層の厚みに粉材を散布し、液を射出して形状化させて一定形状のテストピースを形成し、焼成後にテストピースに生じる収縮や変形の量を計測し、焼成前の寸法と比較、検討することによって得られる。
上記の構造物31の形状、材料を表すデータや、前記測定データは、予め記録部11に記録されていることが好ましい。支持部材生成部7は、これらのデータを用いて、例えば、有限要素法等、一般的な計算方法によって収縮や垂れの生じる部位、方向と大きさを求めることができる。算出した変形の生じる部位、方向と大きさを表すデータは、支持部材34の壁の厚さを求めるのに用いられる。
また、支持部材生成部7は構造物31の重量配分(例えば、構造物31を平面に投影した場合の単位面積あたりの重さ)を、支持部材34の壁の厚みの計算に用いてもよい。場所によって支持部材34にかかる重さが変化する場合、支持部材34の壁の厚みを場所によって変えられる可能性がある。例えば、支持部材生成部7は、単位面積あたりの重さが大きい部分にある支持部材34の壁の厚みを、他の部分より厚くすることができる。
このようにして作製された支持部材自身も焼結による収縮変化を起こし、一般的にその厚みが薄くなる。これは指示部材の除去を容易にするという副次的な効果を有する。すなわち、支持部材データ25は補正済み構造物データ29と外形データ24から生成されるので、支持部材データ25を基に造形された支持部材は、焼結により構造物(フレーム)と同様に収縮する。これにより支持部材を構成する板状体または柱状体の断面積も収縮によって薄くなり、強度が低下する。その結果、焼成後の構造物からの支持部材の除去がより容易になるという利点を有する。
(支持部材34が構造物31と接する部分の形状の例)
ここで、支持部材34が構造物31と接する部分の形状の例について説明する。支持部材データ25および補正済み構造物データ29で表される造形物が、積層造形装置100によって造形された後、あるいは焼成工程終了後に、支持部材34は構造物31から除去される。支持部材34が除去された後の構造物には後加工(検索、研磨、バフがけ)が施され、表面が平滑化される。支持部材34を除去する際に、支持部材34のどの部分で折り取ることができるかは、後加工の作業量や所要時間に大きく影響する。後加工を容易にするためには、構造物31と支持部材34が接する部分の近くが折れることが好ましい。すなわち、支持部材34として、構造物31から除去した時に、その残骸が構造物31に残らないような形状を表す支持部材データ25を生成することが好ましい。
支持部材生成部7は、支持部材34が構造物31と接する部分の面積がなるべく小さくなるように支持部材34の壁の厚みを算出することが好ましい。支持部材34が構造物31と接する部分の面積を小さいと、支持部材34を除去した後に構造物31に残る残骸が少なくなる。
また、支持部材生成部7は、支持部材34を構成する柱状体または板状体と構造物31とが接する部分において、柱状体または板状体の壁の厚みを他の部分よりも薄くすることができる。
また、支持部材生成部7は、構造物31において、支持部材34が接する部分の周辺部を構造物31の内面方向へ窪ませるように構造物データ22を修正してもよい。図12Aは、支持部材34が接する部分の周辺部を窪ませた場合の支持部材34と構造物31の断面形状を示す図である。図12Aに示す例では、支持部材34と構造物31が接する部分の周辺部に窪み31aが設けられている。窪み31aの深さは構造物31の厚み以下であることが好ましい。構造物31の破壊防止のためである。
また、窪み31aの大きさは、後処理で解消できる程度であることが好ましい。例えば、構造物31がブリッジのフレームである場合、窪み31aの面積が構造物31の表面全体に対して、面積比で30%程度以上にならないことが好ましい。
また、支持部材生成部7は、構造物31に接する部分の近くに切り欠きを有する支持部材34を表す支持部材データ25を生成してもよい。図12Bは、切り欠きを有する支持部材34の断面形状を示す図である。図12Bに示す例では、支持部材34と構造物31が接する部分の根元に切り欠き34bが設けられている。これにより、支持部材34は、除去されるときに根元に近い切り欠き34a部分で折れやすくなり、残骸を構造物31に残しにくくなる。
なお、支持部材34を構成する柱状体の断面形状は、正方形または長方形に限られない。例えば、円、楕円、菱形、平行四辺形、五角形、正六角形、ひょうたん型等任意の形状の断面形状を持つ柱状体で支持部材34を構成してもよい。すなわち、断面形状として、三角形よりも多くの角を有する多角形、円形や扇形のような曲面を含む形状等が用いられてもよい。また、これらのうち任意の2種類以上の形状が併用されてもよい。なお、ステップS3における補助部材の断面形状も、支持部材34と同様に形状に構成しうる。
(支持部材34の変形例)
図13および図14は、図10に示す支持部材34の例とは、異なる形状を有する支持部材34の変形例を表示する画面を表す図である。図13に示す支持部材34の形状は、xy平面に垂直な板状体を縦横に交差させた構造であり、それぞれの板状体におけるxy方向の端部が外側へ突出している。図14に示す支持部材34においては、支持部材34を構成する柱状体の断面形状が、x軸に対して略45°の角度を有する辺を持つ正方形となっている。
(ステップS6 断面データ生成工程)
ステップS6において、断面生成部9は、支持部材データ25で表される支持部材34と、補正済み構造物データ29で表される構造物31とで構成される造形物の、基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データ26を生成する。
図15A〜図15Cは、構造物31であるブリッジのフレームと支持部材とで構成される造形物を、互いに所定の間隔を有する複数の平行な面で輪切りにした様子を示す図である。図15A〜15Cにおいては、輪切りにした場合の各断面における構造物31あるいは支持部材の形状が、線により示されている。図15Aは、造形物を横から見た図、図15Bは、造形物を斜め上から見た図、図15Cは造形物を上から見た図である。
断面生成部9は、例えば、図15A〜15Cに示すように、構造物31を所定の間隔(ピッチ)で輪切りにした場合の、各断面における構造物31の2次元の形状を断面データ26として生成する。前記所定の間隔は、構造物31が造形される際の造形層の厚みに応じて決められることが好ましい。
断面データ26は、例えば、各断面の2次元形状をビットマップで表す画像データ群である。各断面の画像において、構造物31に相当する部分は、構造物31が形成される領域であることを示す階調のデータで表される。構造物31を形成する材料または色によって階調を変えて、各断面における構造物31の形状が表されてもよい。図16は、構造物31であるフレームの各断面における画像データの例を示す図である。
断面生成部9は、各断面の2次元形状を表す画像データの解像度が、後述する積層造形装置100におけるインクジェットヘッドの解像度に適合するように、画像データのサイズを補正してもよい。例えば、前記インクジェットヘッドのドット密度が、512ドット/36mm(14.2ドット/mm)である場合、これに合うビット間隔になるように画像データのサイズが補正されることが好ましい。
以上のように、実施の形態1においては、構造物の一例としてブリッジのフレームを造形するためのデータを作成する場合について説明したが、構造物は、ブリッジのフレームに限らない。例えば、矯正用ブラケット・矯正装置、インレー、オンレー、クラウン、ブリッジ、クラウンのフレーム、コア材、インプラント上部構造、人工歯、各種模型、実験用治具、実験用構造材などの歯科用構造材、人工歯、術前評価などに用いられる顎骨形状模型、インプラント埋入時に用いる方向・位置決め用治具を構造物とすることができる。さらに、構造物は、歯科用材に限られず、他の分野における任意の形状の構造物を目的とする構造物とすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1における造形データ作成システム1で作成される断面データ26と、積層造形装置100とを用いて、例えば、フレーム等のような構造物を製造するための製造方法に関する。積層造形装置100は、造形テーブル上に、その層の一部を選択的に形状化させた造形層を積層することによって所望の造形物を製作する装置である。
図17は、積層造形装置100の概略構成を示す斜視図である。図17において、互いに直交する水平方向軸をX軸およびY軸、上下方向軸をZ軸とする。図17に示すように、積層造形装置100は、造形テーブル110、升120、粉体フィーダ130、液剤フィーダ140、掻き取り部材150、光源160を備える。図11では、構造を理解しやすくするために、升120が二点鎖線で示され、その中の造形テーブル110が透視されるように図示されている。
造形テーブル110は、Z軸方向に昇降可能であり。升120は、造形テーブル110の水平方向の周囲を取り囲む壁を備える。粉体フィーダ130は、粉体を造形テーブル110上に散布する。液剤フィーダ140は、液剤を造形テーブル110上に射出する。掻き取り部材150は、造形テーブル110上に散布された粉体の上面を平面にならす。
光源160は、射出された液剤を光重合させるための光源、または液剤の乾燥を促進させるための熱線光源として必要に応じて設ける事ができる。
積層造形装置100は、コンピュータ(図示せず)を備える。このコンピュータは、所定の制御プログラムに基づいて、造形テーブル110、粉体フィーダ130、液剤フィーダ140、掻き取り部材150および光源160の動作を制御する。
粉体フィーダ130は、Y軸方向において、造形テーブル110の寸法と略同一幅の粉体散布幅を有する。粉体フィーダ130は、粉体を散布しながらX軸方向に移動することにより、造形テーブル110の全面に粉体を散布する。
粉体フィーダ130は、例えば、スライダ(図示せず)によって、X軸方向に移動させられる。前記コンピュータは、前記スライダを駆動するためのドライバに制御信号を送ることによって、粉体フィーダ130を制御することができる。
掻き取り部材150は、その下端にY軸方向に延びた掻き取り端縁151を有する。掻き取り端縁151を升120の上面122に摺動させながら、掻き取り部材150はX軸方向に移動する。掻き取り部材150は、例えば、スライダ(図示せず)によって、X軸方向へ移動させられる。
液剤フィーダ140は、例えば、インクジェットヘッドである。液剤フィーダ140は、一軸案内機構148によりY軸方向に移動する。そして、この一軸案内機構148は図示しない駆動機構によりX軸方向へ駆動される。すなわち、液剤フィーダ140は、造形テーブル110上をX軸方向およびY軸方向に走査しながら、所望する位置にて造形テーブル110に向かって液剤を射出する。積層造形装置100は、例えば、一軸案内機構148において液剤フィーダ140をY軸方向へ移動するYスライダ(図示せず)と、液剤フィーダ140をX軸方向へ移動させるXスライダ(図示せず)を備えてもよい。
この液剤フィーダ140の動作は、前記コンピュータによって制御される。前記コンピュータは、前記Xスライダおよび前記Yスライダを駆動するためのドライバに制御信号を送ることによって液剤フィーダ140を制御する。また、コンピュータは、例えば、造形データ作成システム1で生成された断面データ26等に基づいて、液剤フィーダ140が液剤を射出する位置を制御することできる。
造形テーブル110は、図示しない駆動機構により一定ピッチで下降される。この1ピッチが、造形テーブル110上に積層される粉体の1層の厚さに対応する。すなわち、1ピッチに相当する厚さずつ、造形テーブル110上に粉体が積層されていく。造形テーブル110は、例えば、スライダ(図示せず)によって、上下方向へ移動させられる。
次に、積層造形装置100が、造形物を製造する方法について図18を用いて詳細に説明する。
図18Aは、造形テーブル110上にすでに粉体による造形層が、複数層(図では2層)積層された状態を示している。図18Aに示す状態において、造形テーブル110上の堆積された複数の造形層のうち最上層171は、液剤の形状化により形成された固結部172を含む。最上層171の1つ前に堆積された造形層173も、液剤の形状化により形成された固結部174を含む。
図18Aに示す状態において、粉体フィーダ130は、X軸方向に移動しながら、そのスリット132から造形テーブル110上に粉体134を散布する。
次に、図18Bに示すように、掻き取り部材150が、X軸方向に移動して、粉体134の上面を升120の上面122と同一の高さに規制する。これにより最上層171上に、均一の厚みを持つ粉体層175が形成される。
次いで、図18Cに示すように液剤フィーダ140が移動しながら、粉体層175中の造形物を形成する位置に向かって液剤を射出する。液剤が射出される位置は、断面データ26に基づいて制御される。例えば、断面データ26が表す断面形状を、粉体層175に形成するように、液剤フィーダ140が液剤を射出する。その結果、粉体層175において、断面データ26で表される断面形状が形成される。すなわち、液剤フィーダ140が射出した液剤が、紛体層175の断面データ26で表される断面形状の部分にバインダー液として含浸する。
次いで、図18Dに示すように、光源160により光を照射して、粉体層175に付与された液剤を重合させ形状化させる。液剤が形状化する際、液剤が付与された領域内の粉体が一体化される。かくして、粉体層175中に固結部177が形成される。形成される固結部177の形状は、断面データ26によって表されたある1つ断面における断面形状である。
次いで、造形テーブル110を所定のピッチだけ降下させて、上記の図18A〜図18Dに示す動作を行う。上記の図18A〜図18Dに示す動作を、断面データ26に含まれる断面それぞれについて順次繰り返す。
最後に、造形テーブル110の未固結の粉体を除去することにより、図18Eに示すように、固結部174、172、177等が一体となった造形物を得ることができる。この造形物は、例えば、焼成炉を用いて焼成される。
以上の工程を、例えば、実施の形態1における造形データ作成システム1で作成された断面データ26を用いて行うことにより、構造物31およびそれを支持する支持部材34が一体となった造形物を製造することができる。
以上のような、積層造形装置100の動作は、積層造形装置100が備えるコンピュータが所定の制御プログラムに基づいて積層造形装置100を制御することによって実行することができる。以下、図18に示す動作を実現するための制御プログラムによる制御の一例を説明する。図19は、制御プログラムによって制御される処理の一例を示すフローチャートである。
まず、コンピュータは、造形テーブル110のスライダを駆動するためのドライバに制御信号を送って、造形テーブル110を造形開始位置に移動させる(ステップS21)。造形テーブル110が所定の位置に配置されると、コンピュータは、粉体フィーダ130に移動を開始させる(ステップS22)。コンピュータは、例えば、粉体フィーダ130のスライダを駆動させるドライバに制御信号を送ることにより、粉体フィーダ130を移動させることができる。
コンピュータは、粉体フィーダ130の移動開始後一定時間が経過したら、粉体フィーダ130の撒布口を開く(ステップS23)。コンピュータは前記一定時間経過後に粉体フィーダ130が一定速度に達し、加速度がゼロになったと判断することができる。
粉体フィーダ130が撒布口を開いて、粉体134を撒布し始めてから一定距離を移動した時点(あるいは一定時間経過した時点)で、コンピュータは、粉体フィーダ130の撒布口を閉じる(ステップS24)。その後、コンピュータは、粉体フィーダ130の移動を止めて(ステップS25)、待避場所に戻す(ステップS26)。
次に、コンピュータは、液剤射出パターンを表すデータを読み込む(ステップS27)。液剤射出パターンは、例えば、断面データ26が表すある一断面における断面形状である。コンピュータは、液剤フィーダ140の移動を開始する(ステップS28)。移動開始後、一定時間経過した時点で、コンピュータは、液剤フィーダ140が一定速度に達し、その加速度がゼロになったと判断して、液剤の射出を開始する。液剤の射出は、ステップS27で読み込んだデータに従って行われる。一断面分の射出が終了すると、コンピュータは液剤フィーダ140の移動を止める(ステップS30)。
コンピュータは、射出した液剤の量が、予め設定されている量に達しているか否か判断する(ステップS31)。液剤の量が設定されている量に達していない場合(ステップS31でNOの場合)、ステップS28〜S31の処理が再度実行される。このように、液剤量が多く設定されている場合はステップS28〜31を複数回繰り返すことで、所定の液剤量を射出することができる。
ステップS31でYESの場合、コンピュータは、液剤フィーダ140を退避位置に戻し(ステップS32)、造形テーブル110を積層ピッチ1回分下降する(ステップS33)。コンピュータは、全積層分について終了するまで、ステップS21〜33の処理を繰り返す(ステップS34)。すなわち、ステップS21〜33までの処理は必要な回数繰り返される。以上が、図18に示す動作を実現するための制御プログラムによる制御の一例である。
図19に示す処理において、ステップS27で読み込む断面データ26として、実施の形態1における造形データ作成システム1で作成されたデータを用いることができる。造形データ作成システム1で作成されたデータを用いることによって、構造物31およびそれを支持する支持部材34が一体となった造形物が製造される。構造物31は、支持部材34に支持された状態で形成されるので、形成過程で崩れにくい。また、支持部材34は、簡単に構造物31から除去でき、かつ構造物31に残骸が残りにくい形状になっている。
支持部材34を除去した後の構造物31は、外周全面に渡って高さ方向に一回の積層厚み分の段差が生じる。また、インクジェットヘッドの解像度や吐出液量と、粉体の粒子径の組み合わせ等によって、平面方向で細かなぎざぎざが生じる事がある。
例えば、構造物31が、フレームである場合、その表面は平滑ではない。そこで、支持部材34を除去した後の焼成工程において焼結条件(焼成条件)を適切に設定することにより、造形物の表面段差を解消することができる。また焼成工程での加熱作業を焼結、焼成処理とグレーズ処理の2つの処理で構成することによって精度よくかつ表面の滑沢な焼結品、あるいは焼成品を製造する事が可能である。
更に必要があれば造形後の後処理(研削、研磨、バフがけ)を実施してもよい。積層造形装置100において、造形データ作成システム1で作成された断面データ26を用いて形成されるブリッジのフレームは、形成過程で崩れにくく、焼結過程で変形が起こりにくく、かつ支持部材34を除去しても残骸が残りにくい。そのため、後処理によって、フレームの表面を容易に平滑化することができる。また、支台歯との適合精度も実用上十分なレベルにできる可能性が高い。
また、実施の形態2においては、積層造形装置100が、粉体を積層して層の一部を形状化することによって造形物を製造する方法について説明したが、造形層を積層することによって造形物を製造する方法は、粉体を積層する方法に限られない。例えば、光形状化樹脂を積層して、光を照射することによって層の一部を形状化する光造形方法や、シート材を積層してその一部をカットする方法を用いることもできる。また、粉末素材の層にレーザを照射することによって層の一部を瞬間焼結して形状化する粉末焼結法を用いることもできる。その他の積層造形方法として、例えば、インクジェット法、樹脂押し出し法、シート切断法等を用いることができる。
また、実施の形態2における積層造形装置100の造形テーブル110に、例えば、テーブル面に平行な回転軸を設けて、造形テーブル110のテーブル面が、上下逆さまになるように回転可能な構成とすることができる。この回転可能な造形テーブル110を使用して積層造形を行う場合の動作の例を説明する。まず、形状化させたい部分に液剤が射出され、次に粉体が一層撒布される。このとき、液剤が射出された部分に撒布された粉体のみが液剤と接触して形状化する。その後、一旦造形テーブルが回転して粉体が撒布された面が逆さまになることにより、形状化しなかった粉体は重力によって落下する。このような動作を繰り返すことにより積層造形が行われる。

Claims (14)

  1. 光を照射することにより、またはバインダー液を含浸させることにより、少なくとも一部を形状化させた造形層を、基礎平面上に積層することによって、前記形状化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられる、前記造形物の形状を表す造形データを作成する造形データ作成システムであって、
    所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力部と、
    前記積層造形装置が形成する前記造形物に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部と、
    前記造形物に用いられる可能性のある材料の組成と、当該材料の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録する変化量データ記録部と、
    前記組成データで示される材料の組成に対応する変化の量を示す変化量データを前記変化量データから取得し、取得した変化量データに基づいて、前記構造物データを用いて形成される造形物が、乾燥、重合または焼結による変化後に前記所望の構造物の形状に近くなるように当該構造物データを補正する補正部と、
    前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成部と、
    前記空間の略全体を満たすように形成され、かつ前記基礎平面に対して垂直に設けられた複数の板状体または柱状体で形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成部と、
    前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記構造物データ、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成部とを備え
    前記組成データ記録部は、前記支持部材に用いられる材料の組成を表す組成データもさらに記録し、
    前記支持部材生成部は、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求める、造形データ作成システム。
  2. 光を照射することにより、またはバインダー液を含浸させることにより、少なくとも一部を形状化させた造形層を、基礎平面上に積層することによって、前記形状化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられる、前記造形物の形状を表す造形データを作成する造形データ作成システムであって、
    所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力部と、
    前記積層造形装置が形成する前記造形物に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部と、
    前記造形物に用いられる可能性のある材料の組成と、当該材料の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録する変化量データ記録部と、
    前記組成データで示される材料の組成に対応する変化の量を示す変化量データを前記変化量データから取得し、取得した変化量データに基づいて、前記構造物データを用いて形成される造形物が、乾燥、重合または焼結による変化後に前記所望の構造物の形状に近くなるように当該構造物データを補正する補正部と、
    前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成部と、
    前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成部と、
    前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記構造物データ、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成部とを備え、
    前記構造物データ入力部は、前記所望の構造物が他の物体に装着されるものである場合に、前記物体と前記構造物との相対的な位置関係を示す関係データをさらに入力し、
    前記関係データに基づいて、前記物体と前記構造物との前記位置関係を固定するための部材を表す補助形状データを生成し、前記構造物データに付加する補助形状データ生成部をさらに備え
    前記補助形状データ生成部は、前記物体と前記構造物との間に設けられた板状体または柱状体を表すデータを、補助形状データとして生成するものであって、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の断面積を求めることで前記補助形状データを生成する、造形データ作成システム。
  3. 前記補助形状データ生成部は、前記部材が前記物体と接触する部分の面積を、前記位置関係を固定するのに必要な面積であり、且つ前記構造物と前記物体との間の接着強度が所定値を下回らないために必要な面積となるように構造物データおよび関係データを用いて計算し、前記補助形状データを生成する、請求項2に記載の造形データ作成システム。
  4. 前記補助形状データ生成部は、前記構造物データが示す構造体のうち、前記物体に装着される面に付加され、前記構造体と前記物体との間に所望のスペースに等しい厚みを持ち、前記物体と接触する面が前記物体の該当する部分の形状と同じ形状の面である複数の板状体、または柱状体で形成される部材を表す補助形状データを生成する、請求項2〜3のいずれか1項に記載の造形データ作成システム。
  5. 前記補助形状データ生成部は、前記構造体の前記部材と当接する部分における法線方向に伸びている複数の板状体、または柱状体で形成される部材を表す補助形状データを生成する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の造形データ作成システム。
  6. 前記外形生成部は、前記補正部によって補正された補正済み構造物データと前記基礎平面上との間にできる空間の体積に基づいて前記補正済み構造物の配置を決定し、前記補正済み構造物データと前記基礎平面との間にできる空間の外形を表す外形データを生成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の造形データ作成システム。
  7. 前記支持部材データは、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みが、前記構造物に接する部分において、他の部分に比べて小さくなっている前記支持部材を表す、請求項に記載の造形データ作成システム。
  8. 前記支持部材生成部は、前記構造物に接する部分の近くに切り欠きを有する支持部材を表す支持部材データを生成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の造形データ作成システム。
  9. 前記支持部材生成部は、前記構造物において、前記支持部材が接する部分の周辺部を構造物の内面方向へ窪ませるように前記構造物データを修正する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の造形データ作成システム。
  10. 前記支持部材生成部は、前記構造物が前記支持部材に与える力の分布を、構造物データを用いて計算し、該分布に基づいて前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求める、請求項1に記載の造形データ作成システム。
  11. 前記構造物は、口腔内の補綴物であり、前記構造物データは、前記口腔内またはその周辺部を測定することによって得られた測定データを基に生成されたデータである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の造形データ作成システム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の造形データ作成システムで作成される前記断面データと、前記積層造形装置とを用いて前記構造物を製造するための製造方法であって、
    前記積層造形装置が備える上下に移動可能な造形テーブル上に、所定の厚みの造形層を形成する層形成工程と、
    前記造形層の少なくとも一部であって、前記断面データが表す断面形状に応じた形状の部分のみ選択的に光を照射するかまたはバインダー液を射出し、含浸させて形状化する造形工程と、
    前記造形テーブルを前記所定の厚み分降下させる降下工程と、
    前記層形成工程および前記形状化工程を、前記断面データが表す前記複数の平面それぞれについて順次繰り返すことによって、前記造形層を積層する積層工程と、
    前記積層工程で積層された前記造形層において、前記形状化工程で形状化された部分以外の部分を除去することによって、前記支持部材によって前記造形テーブル上に支持された状態の前記構造物を形成する除去工程とを備える製造方法。
  13. 光を照射することにより、またはバインダー液を含浸させることにより、少なくとも一部を形状化させた造形層を、基礎平面上に積層することによって、前記形状化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられる、前記造形物の形状を表す造形データを作成する処理をコンピュータに実行させる造形データ作成プログラムであって、
    所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力処理と、
    前記積層造形装置が形成する前記造形物に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部と、前記造形物に用いられる可能性のある材料の組成と、当該材料の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録する変化量データ記録部とにアクセスし、前記組成データで示される材料の組成に対応する変化の量を示す変化量データを前記変化量データから取得し、取得した変化量データに基づいて、前記構造物データを用いて形成される造形物が、乾燥、重合または焼結による変化後に前記所望の構造物の形状に近くなるように当該構造物データを補正する補正処理と、
    前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成処理と、
    前記空間の略全体を満たすように形成され、かつ前記基礎平面に対して垂直に設けられた複数の板状体または柱状体で形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成処理と、
    前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記補正部によって補正された構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記構造物データ、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成処理とをコンピュータに実行させ
    前記組成データ記録部は、前記支持部材に用いられる材料の組成を表す組成データもさらに記録し、
    前記支持部材生成処理は、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の水平方向の厚みを求める、造形データ作成プログラム。
  14. 光を照射することにより、またはバインダー液を含浸させることにより、少なくとも一部を形状化させた造形層を、基礎平面上に積層することによって、前記形状化された部分を造形物として形成する積層造形装置で用いられる、前記造形物の形状を表す造形データを作成する処理をコンピュータに実行させる造形データ作成プログラムであって、
    所望の構造物の形状を表す構造物データを入力する構造物データ入力処理と、
    前記積層造形装置が形成する前記造形物に用いられる材料の組成を表す組成データを記録する組成データ記録部と、前記造形物に用いられる可能性のある材料の組成と、当該材料の乾燥、重合または焼結による変化の量を示す変化量データとを対応づけて記録する変化量データ記録部とにアクセスし、前記組成データで示される材料の組成に対応する変化の量を示す変化量データを前記変化量データから取得し、取得した変化量データに基づいて、前記構造物データを用いて形成される造形物が、乾燥、重合または焼結による変化後に前記所望の構造物の形状に近くなるように当該構造物データを補正する補正処理と、
    前記構造物を前記基礎平面上に配置し、前記配置された前記構造物を前記基礎平面に垂直に投影した投影面と、前記構造物との間の空間の外形を表す外形データを、前記構造物データを用いて生成する外形生成処理と、
    前記空間の略全体を満たすように形成され、前記構造物を支持する支持部材の形状を表す支持部材データを生成する支持部材生成処理と、
    前記支持部材データで表される前記支持部材と、前記補正部によって補正された構造物データで表される前記構造物とで構成される造形物の、前記基礎平面に略平行な複数の平面それぞれにおける断面形状を表す断面データを、前記構造物データ、前記支持部材データおよび前記外形データに基づいて生成する断面生成処理とをコンピュータに実行させ、
    前記構造物データ入力処理においては、前記所望の構造物が他の物体に装着されるものである場合に、前記物体と前記構造物との相対的な位置関係を示す関係データがさらに入力され、
    前記関係データに基づいて、前記物体と前記構造物との前記位置関係を固定するための部材を表す補助形状データを生成し、前記構造物データに付加する補助形状データ生成処理をさらにコンピュータに実行させ、
    前記補助形状データ生成処理は、前記物体と前記構造物との間に設けられた板状体または柱状体を表すデータを、補助形状データとして生成するものであって、前記組成データ記録部に記録された前記組成データを用いて、前記板状体または前記柱状体の断面積を求めることで前記補助形状データを生成する処理を含む、造形データ作成プログラム。
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