以下、本発明のロック装置の第1の実施の形態の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
図1ないし図6において、1はロック装置としての施錠装置で、この施錠装置1は、地震などの震動時に、例えば各種の家具や吊り戸棚、事務用キャビネットなどの本体2の開口部3を開閉可能に閉塞する開き戸などの開閉体4を施錠する耐震ラッチである。すなわち、この施錠装置1は、開口部3を閉塞する開閉体4を閉塞状態にロックさせて、この開閉体4の開動作を規制させる。ここで、本体2の開口部3は、水平方向に向けて開口した側面視矩形状に形成されている。さらに、この本体2の上側には、この本体2の開口部3の上側縁を覆う天板5が取り付けられている。
一方、開閉体4は、本体2の開口部3が閉塞可能な矩形平板状に形成されている。そして、この開閉体4は、この開閉体4の水平方向に沿った幅方向の一側部が、開口部3の水平方向に沿った幅方向の一側縁に、水平方向に向けて回動可能に取り付けられている。したがって、この開閉体4は、この開閉体4を回動動作させて、この開閉体4の一側面である裏面4aを本体2の開口部3に当接させることによって開口部3が閉塞され、開閉体4を回動動作させて、この開閉体4を本体2の開口部3から離すことによって開口部3が開口される。よって、この開閉体4は、本体2の開口部3に対して開閉可能に取り付けられている。
さらに、施錠装置1は、本体2の開口部3の一側面を構成する天板5の下面5aの先端側に取り付けられたロック装置本体としての施錠機構6と、開閉体4の裏面4a上端側に取り付けられ開閉体4にて開口部3を閉塞した状態で施錠機構6に係止可能な係止体7とを備えている。すなわち、この施錠装置1は、例えば特開2005−120779号公報に記載されている構成であって、地震などの震動時に、施錠機構6と係止体7との係止にて本体2の開口部3に開閉体4を固定させるものである。
そして、この施錠装置1の施錠機構6は、天板5の下面5aの前後方向に沿った前端部5bから後端側に向けて所定距離離間させた所定位置に取り付けられ、箱状のケース体11を備えている。このケース体11内には、震動で動作し平坦な上端面を有する図示しない感震体が揺動可能に配設されている。また、このケース体11内には、感震体の上端面に一端としての基端側が間接的に当接され、この感震体による感震動作で、この感震体の上端面にて基端側が押し上げられた状態が位置決め固定され、閉塞状態にある開閉体4の係止体7への係合が保持されて、この開閉体4を係合保持するラッチ体12が回動可能に取り付けられている。
さらに、ケース体11は、水平な底面部13を備え、この底面部13の先端には、この底面部13の先端から上方に向けて垂直に突出した平坦面部14が形成されている。この平坦面部14の上端には、この平坦面部14の上端からケース体11の先端側に向けて上方に傾斜した傾斜面部15が形成されている。さらに、この傾斜面部15の先端には、この傾斜面部15の先端から上方に向けて垂直に突出した先端面部16が形成されている。
そして、この先端面部16の上端縁には、この先端面部16の上端縁の幅方向の中央部が凹状に切り欠かれた形状のラッチ嵌挿口17が設けられている。このラッチ嵌挿口17は、ラッチ体12の先端側が上下方向に向けて回動可能に挿通される側面視凹状に形成されている。さらに、このラッチ嵌挿口17の下端開口縁には、ラッチ体12の下方への回動を規制するラッチ係止面18が形成されている。このラッチ係止面18は、ラッチ嵌挿口17の下端縁にケース体11の幅方向に沿って設けられている。
さらに、これら平坦面部14、傾斜面部15および先端面部16によってケース体11の先端側である前端側を閉塞する前端面部19が構成されている。さらに、この前端面部19および底面部13それぞれの両側部には、これら先端面部19および底面部13のそれぞれに対して垂直な平坦面である両側面部21が設けられている。これら両側面部21は、所定の間隙を介して互いに平行に配設され、ケース体11の両側面を構成している。
また、ケース体11の先端側の反対側である両側面部21の基端側には、これら両側面部21の基端部間と底面部13の基端部との間を閉塞する平坦な基端面部22が設けられている。そして、これら基端面部22、両側面部21および先端面部16それぞれの上端部には、これら基端面部22、両側面部21および先端面部16それぞれの上端部を水平に閉塞する上端面部23が設けられている。
そして、この上側面部23の幅方向の両側縁には、この上側面部23に沿って互いに相対する方向、すなわち外方に向けて水平に突出した一対のフランジ部24a,24bが一体的に形成されている。さらに、これらフランジ部24a,24bおよび上側面部23それぞれの上側部には、平坦であるとともに水平な取付面25が設けられている。この取付面25は、ケース体11の幅方向および長手方向のそれぞれに沿った水平面であるとともに、このケース体11の高さ方向に直交する平坦面である。
また、このケース体11の各フランジ部24a,24bには、これらフランジ部24a,24bの厚さ方向に沿って貫通したねじ挿通孔26がそれぞれ穿設されている。これらねじ挿通孔26は、ケース体11の長手方向に沿った長孔状に形成されており、各フランジ部24a,24bの長手方向の中央部に設けられている。すなわち、これらねじ挿通孔26は、取付ねじ27の先端側のねじ部28が下端側から挿入され、この取付ねじ27の基端側の頭部29が係止される大きさに形成されている。
次いで、ラッチ体12は、前後方向を長手方向としたラッチ本体31を備えている。このラッチ本体31は、このラッチ本体31の基端側がケース体11内に収容されて、このケース体11内に設置されている感震体の上端面に間接的に当接されている。さらに、このラッチ本体31の先端には、幅方向に沿って下方に向けて突出するフック部32が形成されている。このフック部32は、感震体の揺動による、この感震体の上端面によってラッチ本体31の基端側が上方に回動した状態で位置決め固定される。
一方、係止体7は、開閉体4の裏面4aの上下方向に沿った一端である上端部4bから下方に向けて所定距離離間させた所定位置に取り付けられており、細長矩形平板状の取付板部33を備えている。この取付板部33の長手方向の両側部には、取付ねじ27のねじ部28が挿通されるねじ挿通孔34が、この取付板部33の厚さ方向に向けて貫通している。具体的に、これらねじ挿通孔34は、取付板部33の幅方向に沿った長手方向を有するとともに、取付ねじ27のねじ部28の径寸法より若干大きな幅寸法を有する長孔状に形成されている。さらに、これらねじ挿通孔34より内側の取付板部33の一側面である表面33aには、一対の支持片35が互いに平行に突設されている。これら一対の支持片35の先端間には、略円柱状の係止ピン部36が取付板部33の長手方向に沿って橋渡しした状態で取り付けられている。
そして、この係止ピン部36、取付板部33および支持片35によって、上下方向に矩形状に開口した係合口37が形成されている。さらに、この係止ピン部36は、開閉体4を閉塞した状態で、ケース体11内の感震体が感震動作した際に、この感震体の上端面によるラッチ体12のラッチ本体31の基端側の押し上げによって、係合口37内に挿入されたラッチ体12のフック部32を位置決め固定して、開閉体4を係合保持、すなわち施錠させる。
さらに、係止体7の取付板部33の他側面である裏面33bは、この取付板部33の幅方向に沿った長手方向を有する細長矩形平板状の取付部としての取付プレート41の表面41aに当接されて取り付けられている。この取付プレート41は、係止体7を開閉体4の裏面4aに対して上下方向である鉛直方向に沿って調整可能に取り付けさせるものである。また、この取付プレート41は、取付板部33の幅方向に直交する長手方向に沿った長手寸法より大きな長手寸法を有するとともに、この取付板部33の幅寸法より大きな幅寸法を有している。
そして、この取付プレート41には、取付板部33のねじ挿通孔34に連通する一対のねじ止め孔42が穿設されている。これらねじ止め孔42は、取付ねじ27のねじ部28がねじ止めされて固定される程度の内径寸法に形成されている。さらに、これらねじ止め孔42は、取付プレート41の幅方向の中央部に設けられているとともに、この取付プレート41の長手方向の中央部から等間隔に離間させた位置に設けられている。
また、この取付プレート41のねじ止め孔42から長手方向に沿って外側に等間隔に離間させた位置には、この取付プレート41の厚さ方向に向けて貫通したねじ挿通孔43がそれぞれ穿設されている。これらねじ挿通孔43は、取付プレート41の幅方向の中央部に設けられており、この取付プレート41を開閉体4の裏面4aに取り付けて固定させる固定ねじ44の先端側のねじ部45が表面側から挿入され、この固定ねじ44の基端側の頭部46が係止される大きさに形成されている。
さらに、この取付プレート41の裏面41bには、表面47aおよび裏面47bのそれぞれに粘着面が形成された付着手段としての矩形平板状の粘着テープ47の裏面47bが貼り付けられている。すなわち、この粘着テープ47は、係止体7を開閉体4の裏面4aに取り付ける際に、この係止体7に取り付けられている取付プレート41と開閉体4の裏面4aとが接触する所定位置、すなわち取付プレート41の裏面41bに取り付けられている。よって、この粘着テープ47は、係止体7を開閉体4の裏面4aに取り付ける際に、この係止体7側の取付プレート41の裏面41bを開閉体4の裏面4aに吸着させて結合させる吸着手段としての結合手段でもある。
そして、この粘着テープ47は、取付プレート41の裏面41bを開閉体4の裏面4aに貼り付けさせて仮り固定させる。すなわち、この粘着テープ47の表面47aは、開閉体4の裏面4aの所定位置に付着されて貼り付けさせて、この開閉体4の裏面4aの所定位置に係止体7を仮り固定させる。言い換えると、この粘着テープ47は、開閉体4を閉塞動作させて、この開閉体4の裏面4aを係止体7側の取付プレート41の裏面41bに取り付ける際に、この開閉体4の裏面4aの所定位置に当接して押し付けられて付着される。
一方、ケース体11の取付面25には、この取付面25の幅方向に沿った長手方向を有する細長矩形平板状の取付部としての取付プレート51が、この取付プレート51の下方に位置する下側面51aを当接させた状態で取り付けられている。この取付プレート51は、施錠機構6を天板5の下面5aに対して前後方向である水平方向に沿って調整可能に取り付けさせる。また、この取付プレート51は、ケース体11の取付面25の幅方向に直交する前後方向に沿った長さ寸法より大きな幅寸法を有するとともに、この取付面25の幅方向に沿った幅寸法より大きな長手寸法を有している。
そして、この取付プレート51には、ケース体11のねじ挿通孔26に連通する一対のねじ止め孔52が穿設されている。これらねじ止め孔52は、取付ねじ27のねじ部28が挿入されてねじ止め固定される程度の内径寸法に形成されている。さらに、これらねじ止め孔52は、取付プレート51の幅方向の中央部に設けられているとともに、この取付プレート51の長手方向の中央部から等間隔に離間させた位置に設けられている。
また、この取付プレート51のねじ止め孔52から長手方向に沿って外側に等間隔に離間させた位置には、この取付プレート51の厚さ方向に向けて貫通したねじ挿通孔53それぞれが穿設されている。これらねじ挿通孔53は、取付プレート51の幅方向の中央部に設けられており、この取付プレート51を天板5の下面5aに取り付けて固定させる固定ねじ44のねじ部45が下端側から挿入され、この固定ねじ44の頭部46が係止される大きさに形成されている。そして、この取付プレート51の上方に位置する上側面51bにもまた、粘着テープ47の裏面47bが貼り付けられている。すなわち、この接着テープ47は、施錠機構6を天板5の下面5aに取り付ける際に、この施錠機構6に取り付けられている取付プレート51と天板5の下面5aとが接触する所定位置、すなわち取付プレート51の上側面51bに取り付けられている。
そして、この粘着テープ47は、取付プレート51の上側面51bを天板5の下面5aに貼り付けさせて仮り固定させる。すなわち、この粘着テープ47の表面47aは、天板5の下面5aの所定位置に貼り付けられる。よって、この粘着テープ47の表面47aは、天板5の下面5aの所定位置に付着されて貼り付けさせて、この天板5の下面5aの所定位置に施錠機構6を仮り固定させる。言い換えると、この粘着テープ47は、施錠装置1を移動させて、この施錠装置1の施錠機構6側の取付プレート51の上側面51bを天板5の下面5aに取り付ける際に、この天板5の下面5aの所定位置に当接して押し付けられて付着される。すなわち、この粘着テープ47は、施錠機構6を天板5の下面5aに取り付ける際に、この施錠機構6側の取付プレート51の上側面51bを天板5の下面5aに吸着させて結合させる吸着手段としての結合手段でもある。
一方、施錠機構6および係止体7には、この施錠機構6と係止体7との相対的な取付位置関係を確保させる施工治具としての取付治具61が取り付けられている。この取付治具61は、施錠機構6のケース体11の天板5の下面5aへの取付位置と、係止体7の開閉体4の裏面4aへの取付位置との間の相対的な取付位置関係を確保させる。言い換えると、この取付治具61は、施錠機構6と係止体7とのそれぞれを本体2の開口部3および開閉体4に対して施錠可能である相対的な取付適正位置に保持させて、これら施錠機構6のケース体11および係止体7の天板5および開閉体4への取付施工を容易にさせる。
ここで、この取付治具61にて施錠装置1の施錠機構6と係止体7との相対的な取付位置関係を保持させた状態によってロック装置ユニットとしての施錠装置ユニット60が構成される。すなわち、この施錠装置ユニット60は、施錠装置1と取付治具61とで構成されており、これら施錠装置1の施錠機構6および係止体7それぞれによる天板5の下面5aおよび開閉体4の裏面4aへの適切な取付位置関係を取付治具61にて保持させたものである。
さらに、この取付治具61は、例えば紙などの廃棄が容易な材質で形成されており、1枚の紙で形成された治具本体62を備えている。この治具本体62は、施錠機構6のケース体11の基端面部22から先端面部16までを覆う細長平板状の係止体保持部63を備えている。この係止体保持部63の先端側には、施錠機構6のケース体11の一方の側面部21から先端面部16および他方の側面部21までを、水平方向に沿って覆う細長平板状のフック保持部64が一体的に取り付けられている。このフック保持部64は、係止体保持部63の長手方向に対して直交する長手方向を有する細長略矩形平板状に形成されている。
具体的に、係止体保持部63は、施錠機構6の底面部13の外側面に対向して取り付けられる略矩形平板状の底板部65を備えている。この底板部65の長手方向である前後方向の一方である後端側には、施錠機構6の基端面部22の外側面に対向して取り付けられる略矩形平板状の基端板部67が一体的に取り付けられている。この基端板部67は、底板部65の幅寸法に等しい幅寸法を有している。
さらに、この底板部65の前後方向の他方である前端側には、係止体7の係止ピン部36を嵌合保持する保持板部68が一体的に取り付けられている。この保持板部68は、この保持板部68の基端側が底板部65の幅寸法に等しい幅寸法に形成されており、この保持板部68の先端側が底板部65の幅寸法より小さく形成されている。すなわち、この保持板部68の先端側には、この保持板部68の先端側の両側縁がL字状に切り欠かれて係止片部69が設けられている。この係止片部69は、係止体7の係止ピン部36の長さ寸法に等しい幅寸法を有しており、この係止体7の係合口37に下方から挿入されて、この係止体7の係止ピン部36を係止して、この係止体7と施錠機構6との相対的な取付位置関係を保持させる。
一方、取付治具61のフック保持部64は、施錠機構6のケース体11の前端面部19に対向して取り付けられる矩形平板状の前板部71を備えている。そして、この前板部71の中央部には、施錠機構6のラッチ体12のフック部32が挿入されて挿通される矩形状のフック挿通口72が形成されている。このフック挿通口72は、前板部71の水平方向に沿った長手方向と上下方向に沿った幅方向とのそれぞれの中央部に設けられている。さらに、この前板部71の長手方向の両側縁には、ケース体11の前端面部19と側面部21との間の角部に対向して位置する連結板部73a,73bがそれぞれ一体的に取り付けられている。これら連結板部73a,73bの水平方向に沿った一側縁には、ケース体11の側面部21に対向して取り付けられる側板部74a,74bがそれぞれ一体的に取り付けられている。
そして、これら側板部74a,74bの上下方向に沿った幅方向の一側縁である上側縁の基端側には、ケース体11のフランジ部24a,24bの下面24cに当接される当接段部75が設けられている。さらに、これら当接段部75の中央部には、側面視凹状の切欠凹部76が設けられている。また、各側板部74a,74bの幅方向の他側である下側の前端側には、ケース体11の傾斜面部15に沿った折れ線部77が設けられている。さらに、これら折れ線部77より側板部74a,74bの下側には、これら側板部74a,74bの前端縁から水平方向に沿った長さ方向に沿って切り込まれてから折れ線部77の基端部までに亘って垂直に切り込まれた側面視L字状の切込部78が設けられている。
さらに、これら側板部74a,74bは、これら側板部74a,74bの折れ線部77から切込部78までの部分が保持片部79として形成されている。そして、これら保持片部79は、これら保持片部79を折れ線部77に沿って内側に折り返すことによって、ケース体11の傾斜面部15の外側面に対向して位置するように構成されている。さらに、各側板部74a,74b下側縁から切込部78までの間の細長帯状の連結片部81の先端部が、係止体保持部63の保持板部68の基端側の両側縁に一体的に接続されている。
ここで、これら連結片部81は、係止体7側の取付プレート41の裏面41bに貼り付けられている粘着テープ47の表面47aによる開閉体4の裏面4aへの粘着力より小さな力で切断、すなわち破断される程度の細長帯状に形成されている。よって、これら連結片部81は、開閉体4の開動作の際に作用する外力によってちぎれて切断されて破断され、取付治具61を介した係止体7と施錠機構6との間の保持が解除されるように構成されている。
さらに、各側板部74a,74bそれぞれの後端側である基端側の下端縁には、これら側板部74a,74bの基端側の下端縁の角部が水平方向および垂直方向に沿ったL字状に切り欠かれた切欠段部82が設けられている。
そして、治具本体62は、この治具本体62のフック保持部64のフック挿通口72に施錠装置1のラッチ体12のフック部32を内側から挿入させて突出させた状態で、このフック保持部64の側板部74a,74bの当接段部75をケース体11のフランジ部24a,24bの下面24cに当接させつつ、これら側板部74a,74bをケース体11の側面部21に対向させて取り付けられている。また、この治具本体62は、この治具本体62の係止体保持部63の底板部65の上側面をケース体11の底面部13の外側面に当接させつつ、係止体保持部63の基端板部67を上方に折り曲げて、この係止体保持部63の基端板部67の上側面をケース体11の基端面部22の外側面に当接させた状態で取り付けられている。さらに、この治具本体62は、この治具本体62のフック保持部64の保持片部79を折れ線部77に沿って内側に折り込まれて取り付けられている。
さらに、この治具本体62は、この治具本体62のフック保持部64の一方の側板部74aと他方の側板部74bとの間に、細長帯状のシール体としての粘着テープである固定テープ83の両側部が貼り付けられ、この固定テープ83の内側面83aの中央部が治具本体62の係止体保持部63の基端板部67の外側面に貼り付けられて、このケース体11に固定されている。ここで、この固定テープ83の外側面83bには、施錠装置1の取付後の取付治具61の取り外しを容易にすることを目的として、例えば「施工後にテープをはがして下さい。」などと印字されている。さらに、この固定テープは、例えば紙などの廃棄が容易な材質で形成され、具体的に1枚の紙で形成されている。
また、この治具本体62は、この治具本体62の係止体保持部63の係止片部69と施錠機構6のラッチ体12のフック部32との間に係止体7の係止ピン部36が挿入されて取り付けられている。そして、この治具本体62は、係止体7の係止ピン部36が施錠機構6のラッチ体12のフック部32に係止され、この係止体7と施錠機構6と相対的な取付位置関係が保持された状態が、係止体保持部63の係止片部69とラッチ体12のフック部32との間で位置決めされて固定されている。
次に、上記第1の実施の形態の施錠装置の取付施工動作について説明する。
まず、係止体7の取付板部33の裏面33bに取付プレート41の表面41aを当接させて、この取付プレート41のねじ止め孔42を取付板部33のねじ挿通孔34にそれぞれ連通させる。この状態で、この取付板部33の各ねじ挿通孔34の表面側から取付ねじ27のねじ部28をそれぞれ挿入させて、これら取付ねじ27のねじ部28を取付プレート41のねじ止め孔42にねじ止めして、係止体7の取付板部33の裏面33b側に取付プレート41を位置決め固定させる。
また、施錠機構6の取付面25上に取付プレート51の下側面51aを当接させて、この取付プレート51のねじ止め孔52を施錠機構6のねじ挿通孔26にそれぞれ連通させる。この状態で、この施錠機構6のフランジ部24a,24bの各ねじ挿通孔26の下方から取付ねじ27のねじ部28をそれぞれ挿入させて、これら取付ねじ27のねじ部28を取付プレート51のねじ止め孔52にねじ止めして、施錠機構6の取付面25上に取付プレート51を位置決め固定させる。
さらに、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれに取り付けられている取付プレート41の裏面41bおよび取付プレート51の上側面51bのそれぞれに粘着テープ47の裏面47bの粘着面を当接させて、これら粘着テープ47を貼り付ける。
次いで、これら施錠機構6と係止体7との間に取付治具61を取り付けて、これら施錠機構6と係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係を取付治具61にて保持させる。
この後、この取付治具61にて施錠機構6と係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係が保持されている施錠装置1に取り付けられた係止体7側の取付プレート41の裏面41bを本体2の開口部3の開口縁に沿わせた状態で、図2に示すように、これら係止体7および取付治具61とともに一体的に施錠装置1の施錠機構6側の取付プレート51の上側面51bが本体2の開口部3の天板5の下面5aに当接するまで、開口部3の開口縁に沿って上方に移動させる。
このとき、この施錠装置1の施錠機構6側の取付プレート51の上側面51bに取り付けられている粘着テープ47によって、この取付プレート51が本体2の天板5の下面5aの所定位置に貼り付いて仮り固定される。
この状態で、この施錠装置1の施錠機構6側の取付プレート51のねじ挿通孔53のそれぞれに固定ねじ44のねじ部45を挿通させて、これら固定ねじ44のねじ部45を天板5の下面5aにねじ止めして、この施錠装置1の施錠機構6を本体2の天板5の下面5aの所定位置に位置決め固定させる。
この後、図3に示すように、開閉体4の裏面4aが施錠装置1の係止体7側の取付プレート41の裏面41bに当接するまで開閉体4を閉動作させて移動させて、この開閉体4にて本体2の開口部3を閉塞させる。
このとき、この施錠装置1の係止体7側の取付プレート41の裏面41bに取り付けられている粘着テープ47によって、この取付プレート41が開閉体4の裏面4aの所定位置に貼り付いて仮り固定される。
この状態で、図4に示すように、この開閉体4を開放動作させて、この開閉体4の開放動作の際の外力にて取付治具61の連結片部81のそれぞれを切断させて破断させて、この開閉体4に取り付けられている係止体7による施錠機構6および取付治具61との係合を解除させる。
このとき、この開閉体4の裏面4aに係止体7が粘着テープ47にて貼り付けられて仮り固定されていることから、この開閉体4とともに係止体7が移動して、施錠機構6のラッチ体12のフック部32による係合が解除される。
さらに、この開閉体4を開動作させた状態で、図5に示すように、この施錠機構6に貼り付けられている固定テープ83を、この施錠機構6から剥がして取り外すとともに、この施錠機構6のフック部32から治具本体62のフック挿通口72を取り外して、この治具本体62を施錠機構6から取り外す。
次いで、係止体7側の取付プレート41のねじ挿通孔43のそれぞれに固定ねじ44のねじ部45を挿通させて、これら固定ねじ44のねじ部45を開閉体4の裏面4aにねじ止めして、この係止体7を開閉体4の裏面4aの所定位置に位置決め固定させて施錠装置1の取付作業を完了させる。
さらに、この施錠装置1の施錠機構6および係止体7の取付位置の微調整が必要な場合には、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれに取り付けられている取付プレート41,51のねじ止め孔42,52にねじ止めされている取付ねじ27を随時緩めて、これら取付プレート41,51のねじ止め孔42,52の長手方向に沿って、施錠機構6を前後方向に沿って調整移動するとともに、係止体7を上下方向に沿って調整移動する。
次に、上記第1の実施の形態の施錠装置の作用について説明する。
まず、開閉体4を非震動時に閉操作すると、係止体7の係止ピン部36でラッチ体12のフック部32が上方に押し上げられて回動する。
この後、ラッチ体12のフック部32が係止体7の係止ピン部36を乗り越えると、このフック部32が自重にて下方に回動して、係止体7の係合口37内に挿入されて嵌合する。
さらに、閉塞された開閉体4を非震動時に開操作すると、係止体7の係止ピン部36がラッチ体12のフック部32を上方に押し上げて回動させる。
この後、このフック部32が係止ピン部36を乗り越え、このフック部32が自重にてケース体11のラッチ係止面18に当接するまで下方に回動する。
この結果、非震動時に開閉体4を自由に開閉動作できる。
次いで、本体2の開口部3を開閉体4で閉塞した状態で、地震などの震動が発生して、感震体が感震動作により揺動すると、この感震体が常体姿勢から所定の傾斜角度に傾斜した感震姿勢に変化する。
このとき、この感震体の感震動作で、この感震体の上端面が揺動する。
そして、この感震体の上端面の揺動によってラッチ体12のラッチ本体31の基端側が押し上げられた状態が間接的に固定され、このラッチ体12のフック部32による係止体7の係止ピン部36への係止が固定されて、本体2の開口部3を開閉体4にて閉塞した状態が施錠される。
また、本体2の開口部3が開閉体4にて施錠された状態で、感震体が震動を感知しなくなると、この感震体が姿勢変化した状態から非感震動作にて常体姿勢に復帰する。
したがって、この感震体の常体姿勢への復帰によって、この感震体の上端面によるラッチ体12のラッチ本体31の基端側が押し上げられた状態の固定が解除されるので、このラッチ体12が回動可能となる。
よって、ラッチ体12のフック部32と係止体7の係止ピン部36との係合保持が解除可能となるので、開閉体4を解錠できるから、この開閉体4を自由に開閉動作できる。
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、施錠機構6と係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係を取付治具61にて保持する構成とした。このため、この取付治具61にて施錠機構6および係止体7の施錠可能な相対的取付位置関係を保持したままの施錠装置ユニット60の状態で、この施錠機構6を本体2の天板5の下面5aに取り付けてから、この本体2の開口部3を開閉体4にて閉塞させることによって、この開閉体4の裏面4aの所定位置に係止体7が取り付けられる。よって、この施錠機構6を本体2の天板5の下面5aの適正位置に取り付けることができるとともに、係止体7を開閉体4の裏面4aの適正位置に取り付けることができる。
したがって、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれを天板5の下面5aおよび開閉体4の裏面4aそれぞれの適正位置に容易かつ確実に取り付けることができる。すなわち、これら施錠機構6および係止体7の施錠機能を最大限に発揮できる状態である最適位置に、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれを簡単かつ確実に取り付けることができる。よって、これら施錠機構6および係止体7を取り付ける際の位置合わせ作業が不要になるので、これら施錠機構6および係止体7の本体2および開閉体4への取り付け作業が容易になるから、施錠装置1の取り付け施工性を向上できる。
また、この施錠装置1の係止体7の係止ピン部36と取付治具61の治具本体62の係止片部69との係止を保持する連結片部81を、開閉体4の開動作の際に作用する力によって容易に破断される構成とした。このため、この施錠装置1の施錠機構6および係止体7それぞれの本体2および開閉体4への取り付けが完了した後に、この開閉体4にて本体2の開口部3を一度閉じた状態から、この開閉体4を開動作させることによって、治具本体62の連結片部81が破断されて、この治具本体62の係止片部69による係止体7の係止ピン部36への係合保持が解除される。
したがって、取付治具61を用いて施錠装置1の施錠機構6および係止体7のそれぞれを本体2および開閉体4に取り付けた状態から、この開閉体4を開動作することが可能となるので、この取付治具61を用いて施錠機構6および係止体7を取り付けた後の状態で開閉体4を通常通り開閉動作できる。
このとき、開閉体4の開動作の際に係止体7の係止ピン部36と治具本体62と係止片部69との間に作用する外力によって、取付治具61の治具本体62の連結片部81が容易に破断されて、係止体7が開閉体4とともに移動する構成とした。この結果、この治具本体62の構造が複雑となることを防止でき、この治具本体62の構造を簡単にできるので、この治具本体62の製造コストを抑制でき、この治具本体62の製造性を向上できる。さらに、この治具本体62および固定テープ83のそれぞれを紙で形成したことにより、これら治具本体62および固定テープ83の製造コストをさらに削減できるとともに、これら治具本体62および固定テープ83の使用後の処分を容易にできる。同時に、この治具本体62による係止体7の保持の解除を、この治具本体62の連結片部81の破断とする場合に、これら連結片部81をより小さい力で破断できるので、この治具本体62の取付施工性をより向上できる。
さらに、この施錠装置1の施錠機構6が天板5の下面5aに接触する位置、すなわちこの施錠機構6の取付面25に取り付けた取付プレート51の上側面51bと、係止体7が開閉体4の裏面4aに接触する位置、すなわち係止体7の取付板部33の裏面33bに取り付けた取付プレート41の裏面41bとのそれぞれに粘着テープ47を取り付ける構成とした。この結果、これら施錠機構6および係止体7を天板5の下面5aおよび開閉体4の裏面4aに取り付ける際に、これら施錠機構6に取り付けられている取付プレート51の上側面51bや係止体7に取り付けられている取付プレート41の裏面41bを、天板5の下面5aや開閉体4の裏面4aに接触させて押し付けるだけで、これら施錠機構6および係止体7が粘着テープ47の粘着力によって天板5の下面5aや開閉体4の裏面4aに貼り付いて取り付けられるとともに位置合わせされる。よって、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれを天板5の下面5aや開閉体4の裏面4aに仮り固定できる。
したがって、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれが仮り固定された状態で、これら施錠機構6および係止体7に取り付けられている取付プレート41,51のねじ挿通孔43,53に固定ねじ44のねじ部45を挿入して、これら固定ねじ44を天板5の下面5aや開閉体4の裏面4aにねじ止めして位置決め固定することによって、これら施錠機構6および係止体7を本固定できるので、これら施錠機構6および係止体7の取付施工性を安価な方法で確実に向上できる。
また、施錠機構6のねじ挿通孔26を前後方向に沿った長孔状に形成するとともに、係止体7のねじ挿通孔34を上下方向に沿った長孔状に形成した。この結果、これら施錠機構6および係止体7のそれぞれを天板5の下面5aおよび開閉体4の裏面4aに取り付けてから、これら施錠機構6および係止体7に取り付けられている取付プレート41,51のねじ止め孔42,52にねじ止めされている取付ねじ27を緩めることによって、各ねじ挿通孔26,34の長さ寸法の範囲で、施錠機構6を水平方向に沿った前後方向に移動できるとともに、係止体7を鉛直方向に沿った上下方向に移動できる。したがって、これら施錠機構6および係止体7を天板5および開閉体4に取り付けた状態で、これら施錠機構6および係止体7を微調整できるから、これら施錠機構6および係止体7の取付後の取付位置を修正できる。
なお、上述した施錠装置1の取り付け施工動作において、予め工場などで取付治具61にて施錠機構6と係止体7とを施錠可能な相対的取付位置関係が保持されるように組み立てておけば、施工現場で直ちに施錠機構6および係止体7の施工ができるので、これら施錠機構6および係止体7の取付施工性をさらに向上できる。
また、上記第1の実施の形態では、施錠機構6と取付プレート51との間や係止体7と取付プレート41との間で移動でき、これら施錠機構6および係止体7の取付位置を修正できる構成としたが、これら取付プレート41,51を省略し、これら施錠機構6および係止体7に粘着テープ47を直接取り付けてもよい。この場合、取付ねじ27の代わりに固定ねじ44を施錠機構6および係止体7のねじ挿通孔26,43に挿入させて、これら施錠機構6および係止体7を天板5や開閉体4に直接ねじ止めして位置決め固定させる。
さらに、上記第1の実施の形態では、係止体7とともに取付治具61に保持された施錠装置1の施錠機構6を本体2の天板5の下面5aに取り付ける際に、この施錠装置1の係止体7に取り付けられている取付プレート41の裏面41bを開口部3の開口縁3aに沿わせた状態で、この施錠装置1を上方に移動させる構成としたが、図7に示す第2の実施の形態のように、施錠機構6の天板5の下面5aの開口縁3aからの奥行き方向の適正取付位置を位置決めできる当接片部85を取付治具61の治具本体62に設けることもできる。
そして、この当接片部85は、治具本体62のフック保持部64の前板部71の幅方向の一側縁である上側縁に一体的に設けられている。また、この当接片部85は、治具本体62を施錠機構6に取り付けた状態で、この施錠機構6の先端面部16の上端縁から水平に先端側に突出した位置決め片部としての細長矩形状の水平片部86を備えている。この水平片部86は、施錠機構6の天板5の下面5aの開口縁3aから奥行き方向に沿った適正取付位置までの距離に等しい長さ寸法を有している。
さらに、この水平片部86の長さ方向の一端縁には、治具本体62を施錠機構6に取り付けた状態で、この水平片部86の一端縁から上方に向けて垂直に突出した接触片部87が一体的に取り付けられている。この接触片部87は、施錠機構6を天板5の下面5aに取り付ける際に、この天板5の開口縁3aに係止されて、施錠機構6の天板5の下面5aに対する適正取付位置を位置決めさせる。
また、この施錠機構6の取付面25に粘着テープ47の裏面47bが貼り付けられて取り付けられている。さらに、係止体7の取付板部33の裏面33bにも粘着テープ47の裏面47bが貼り付けられて取り付けられている。
この結果、取付治具61にて施錠機構6と係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係を保持させた状態で、この取付治具61の治具本体62の接触片部87を、本体2の天板5の開口縁3aに係止させる。
この状態で、施錠機構6の取付面25に取り付けられている粘着テープ47の表面47aを天板5の下面5aに押し付けて貼り付けることによって、この施錠機構6を天板5の下面5aの適正位置に取り付けられる。
すなわち、天板5の下面5aに対する施錠機構6の奥行き方向の位置決めを容易にするために、天板5の開口縁3aに当接させて係止させる当接片部85を、取付治具61の治具本体62に設けたことにより、この施錠機構6の天板5の下面5aの開口縁3aからの奥行き方向に沿った適正位置への取り付けを容易にできる。したがって、この施錠機構6の天板5の下面5aへの位置決めを容易にできるので、この施錠機構6の取付施工性をより向上できる。
なお、図8ないし図10には本発明の関連技術が示されている。この取付治具61は、略矩形平板状の本体部91を有している。この本体部91は、係止体7の係合口37の幅寸法に略等しい幅寸法に形成されている。さらに、この本体部91の長さ方向の一端である基端部には、この本体部91の幅方向に沿って貫通したピン挿通孔92を有する回転支持部93が設けられている。
また、この本体部91の一主面である表面上には、係止体7の係止ピン部36に係合可能な係合爪部94が突設されている。この係合爪部94は、本体部91の表面から上方に向けて突出している。さらに、この係合爪部94の先端側の側面には、この先端側に向けて開口した側面視凹状の係合凹部95が設けられている。また、本体部91の長さ方向の他端である先端部には、平面視凹状の収容凹部96が設けられている。この収容凹部96は、本体部91の幅方向の中央部に設けられており、施錠機構6のフック部32が収容される。
さらに、この収容凹部96の先端縁には、本体部91の幅方向に沿って相対する方向に突出した操作凸部97がそれぞれ設けられている。また、これら操作凸部97より係合凹部95の基端側には、本体部91の表面側に向けて突出した細長棒状の係止腕部98がそれぞれ突設されている。そして、これら係止腕部98それぞれの先端部には、相対する方向に向けて突出した係止突起としての嵌合凸部99が突設されている。
一方、施錠機構6の底面部13と平坦面部14との間の角部の幅方向の中央部には、この施錠機構6の底面部13側および平坦面部14側のそれぞれに向けて切り欠かれた側面視V字上の取付段部101が設けられている。さらに、これら底面部13と平坦面部14との間の角部には、施錠機構6の幅方向に向けて貫通したピン止め孔102が穿設されている。そして、これらピン止め孔102には、取付治具61の本体部91の回転支持部93のピン挿通孔92に回転可能に挿通される細長円筒状のピン体103の両端部が挿入される。すなわち、この取付治具61は、この取付治具61の本体部91の回転支持部93を施錠機構6の収容凹部96に嵌合させて、この施錠機構6のピン止め孔102と取付治具61のピン挿通孔92とを連通させた状態で、これら連通したピン止め孔102およびピン挿通孔92にピン体103が挿入されて、このピン体103にて施錠機構6に回転可能に軸支されて取り付けられている。
さらに、この施錠機構6の先端面部16の幅方向の両側部には、この施錠機構6に回転可能に取り付けられた取付治具61の嵌合凸部99が取り外し可能に嵌合される係止孔としての嵌合凹部104が設けられている。これら嵌合凹部104は、これら嵌合凹部104への取付治具61の嵌合凸部99による嵌合保持される力が、係止体7の取付板部33の裏面33bに取り付けられている粘着テープ47による開閉体4の裏面4aに対する吸着力としての粘着力より小さくなるように構成されている。すなわち、これら嵌合凹部104は、係止体7に取り付けられている粘着テープ47の表面47aを開閉体4の裏面4aに貼り付けた状態で、この開閉体4を開動作させた際に、これら係止体7と開閉体4との粘着が保持され、取付治具61の嵌合凸部99による嵌合凹部104への嵌合が解除されるように構成されている。
この結果、施錠機構6に取り付けられている取付治具61を下方に回転させて、この取付治具61の嵌合凸部99による施錠機構6の嵌合凹部104への嵌合を解除させる。
この後、この取付治具61の一対の係止腕部98を係止体7の係合口37の下方から挿入させて、この係止体7の係止ピン部36を取付治具61の係合爪部94の係合凹部95と一対の係止腕部98との間に係合保持させる。
この状態で、この取付治具61を上方に回転させて、この取付治具61の一対の嵌合凸部99のそれぞれを施錠機構6の嵌合凹部104に嵌合保持させて、この取付治具61にて施錠機構6と係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係を保持させる。
この後、図9に示すように、上記第1の実施の形態と同様に、この取付治具61にて係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係が保持された施錠機構6を本体2の天板5の下面5aの所定位置に仮り固定してから開閉体4を閉動作させて、この開閉体4の裏面4aの所定位置に係止体7を仮り固定させる。
次いで、図10に示すように、この状態から開閉体4を開動作させて、この開閉体4の開動作にて施錠機構6の嵌合凹部104への取付治具61の嵌合凸部99による嵌合保持を解除させる。
このとき、この施錠機構6の嵌合凹部104への取付治具61の嵌合凸部99による嵌合保持の解除によって、この取付治具61の自重と開閉体4の開動作に伴った係止体7の移動とから、この取付治具61が下方に回転して、この取付治具61の係合爪部94および係止腕部98と係止体7の係止ピン部36との係合が解除されて、開閉体4の開閉動作が可能となる。
上述したように、上記関連技術によれば、取付治具61を施錠機構6に一体的に設けたことにより、この取付治具61を用いた施錠機構6および係止体7の取付施工作業が完了し、この取付治具61の機能を使い終わった後でも、この取付治具61を処分する必要がなくなる。また、何らかの理由により施錠装置1を再度取り付けるときも、この取付治具61にて施錠装置1の施錠機構6と係止体7との施錠可能な相対的取付位置関係を保持できるから、これら施錠機構6および係止体7の取付施工性を何度も容易にできる。すなわち、これら施錠機構6および係止体7の施錠可能な相対的取付位置関係を同一の取付治具61で何度も保持できるので、この取付治具61を何度も用いることができる。
なお、上記関連技術では、取付治具61を施錠機構6にピン体103にて回転可能に軸支させたが、例えば樹脂成形などで施錠機構6に一体的に形成したヒンジ片などで取付治具61を施錠機構6に回転可能に取り付けてもよい。また、この取付治具61のヒンジ片を塑性変形にて施錠機構6から破断させる構成などとしてもよい。
さらに、この施錠機構6が天板5の下面5aに接触する位置と、係止体7が開閉体4の裏面4aに接触する位置とのそれぞれに粘着テープ47を取り付けて、これら施錠機構6および係止体7を天板5の下面5aおよび開閉体4の裏面4aに対して仮り固定させてから、これら施錠機構6および係止体7を天板5の下面5aおよび開閉体4の裏面4aに対してねじ止めして本固定させる構成としたが、これら施錠機構6および係止体7をねじ止めすることなく粘着テープ47の粘着力のみで天板5の下面5aや開閉体4の裏面4aに本固定させて完全に固定させることもできる。
また、例えば各種の家具や吊り戸棚、事務用キャビネットなどの本体2の開口部3を開閉可能に閉塞する開閉体4を施錠する施錠装置1としたが、引き出し(抽斗)などの開口部3を開閉体4にて開閉させる構成を有する装置などであれば、対応させて用いることができる。
さらに、本体2の天板5の下面5aに施錠機構6を取り付け、開閉体4の裏面4aに係止体7を取り付けたが、これら施錠機構6および係止体7の取り付け位置を逆転させて、この係止体7を天板5の下面5aに取り付け、施錠機構6を開閉体4の裏面4aに取り付ける構成とすることもできる。