JP4791607B1 - 着物の着付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】袋帯または名古屋帯を畳に載置し、この畳の上で、寸法決定線が引かれた太鼓定規を用いて、太鼓の長さと太鼓の下から露出するたれの長さとを決めるとともに、一対の第2クリップと、一方の挟持体の先部が長尺な帯押し込み部となった第1クリップとを利用して太鼓を結ぶようにしたので、和服の着用者が一人で簡単に、袋帯または名古屋帯での太鼓結びによる着物の着付けを行うことができる。
【選択図】図6
Description
このうち、従前の太鼓を形成する帯結び方法では、身体の胴に巻き付けた帯が解けないように手側とたれ側とを背中で結ぶまたは捻じった後、帯の露出させたい所望絵柄部分の上端が太鼓の山となるようにたれ側の帯の表側に帯枕をあてがい、帯枕を胴に巻き付けた帯の上に載せるように装着し、その後、太鼓の下端を決めて内側に折り上げ、最後に帯締めにより太鼓を固定していた。
特許文献1は、背で帯の手先を上にとって、胴に帯を二度巻きつけ、その後、手先を下に降ろし、その折り曲げ部分で、上端部が帯枕の受け台となる留め具により、手先の根元と胴に巻きつけた帯を一体に固定し、帯の太鼓の部分を前に持って行き、太鼓の山の部分に2本のクリップを固定し、垂れの折り上げ部分にも2本のクリップを固定することで所望の太鼓形状に形成し、帯枕に帯あげを掛けたものを太鼓の山に当て、その後、2本のクリップにより固定された太鼓を背にまわし、帯枕の紐を前で結び、太鼓の中、垂れのクリップの上に手先を返して通し、帯揚げ、帯締めを締めて、クリップを外すものである。
すなわち、例えば畳の上での太鼓結びの途中で、太鼓定規を用いて太鼓の長さとたれの長さとを着用者の身長に合わせたサイズに決定するとともに、第1クリップおよび第2クリップを使用して帯の所定部分を適時挟持および挟持解除しながら、袋帯または名古屋帯の一部に太鼓を形成する。これにより、和服の着用者が一人でも簡単に、袋帯または名古屋帯を使用して適正サイズの太鼓およびたれを有した太鼓結びを伴う着付けを行うことができる。
また、第1クリップは、袋帯または名古屋帯の太鼓の帯山を形成する際、他方の挟持体より長尺な一方の挟持体の帯押し込み部を利用し、袋帯の場合には袋帯の折り戻した部分の一部を、帯枕を挟み込むように袋帯のたれ側の端部の下へ押し込んだり(袋帯の場合)、帯枕を挟み込むように折り畳み部をたれ部の下へ押し込むことで(名古屋帯の場合)、太鼓の帯山を形成し、かつその直後、帯山を一対の挟持体により挟持することができる。そのため、この帯の一部の押し込みを手作業で行うときの煩わしさ(片手での前記帯の一部の押し込み、この状態を保持して残った手でのクリップによる帯山の挟持)が解消される。しかも、着用者の勘に頼る帯の一部の押し込みではなく、帯押し込み部の長さ分の所定の押し込み位置への正確な押し込みを行うことができる。
着用者が和服を着る際には、まず長襦袢を羽織り、伊達締めを順次締めて長襦袢を着る。次に、長襦袢の上から着物を羽織り、おはしょりを整えた上に伊達締めを締める。その後、伊達締めを隠すように袋帯を太鼓結びする。以下、袋帯の太鼓結び方法を詳細に説明する。
寸法決定線10aは、太鼓定規10の一端部に、この一端部と平行に1本引かれている。太鼓定規10の一端部における寸法決定線10aの形成位置は、身長150cmの着用者用の太鼓定規10の場合で太鼓定規10の一端から7〜8cmの位置、身長160cmの着用者用の太鼓定規10の場合で太鼓定規10の一端から8〜9cmの位置、身長170cmの着用者用の太鼓定規10の場合で太鼓定規10の一端から9〜10cmの位置である。これにより、太鼓aの大きさは、成人女性が太鼓aを結んだ際に美しいとされるものとなる。また、太鼓aの下から露出するたれbの長さ(太鼓定規10の一端(先端)から寸法決定線10aまでの長さ)は、太鼓定規10の長さから太鼓aの長さを引いた残りの長さとなる。太鼓定規10は、着用者の身長(150〜170cm)に応じてサイズが異なる太鼓aを結べるように、あらかじめ上述した3種類の長さのもの用意し、その中から選ぶようにしてもよい。
次に、帯枕16を中心にして袋帯Aの主な部分(袋帯Aのたれ側の端部を除いた残りの部分)を、太鼓定規10および帯枕16が載せられた袋帯Aのたれ側の端部の上に、表と表とが重なるように折り返し、袋帯Aのたれ側の端部とこの折り返した部分A1とにより帯枕16を包み込む(図3)。
次に、この袋帯Aの折り戻した部分A2の一部、具体的には太鼓aの所望絵柄部分より手先側の折り戻した部分A2を、第1クリップ15の帯押し込み部12aによって、袋帯Aのたれ側の端部の下へ帯枕16を挟み込むように押し込む。
その後、この押し込んだ部分を、帯枕16および袋帯Aの折り戻し部分A2のうちで帯枕16を覆う部分とともに第1クリップ15により挟持し、太鼓aの帯山a1を形成する(図5)。したがって、第1クリップ15により挟持されているものは、袋帯Aのうちの6層に折り畳まれた部分と、帯枕16とである(図6)。この6層に折り畳まれた部分とは、二重折りされたたれ余り部b1(4層)と、袋帯Aのたれ側の端部(1層)と、袋帯Aの折り戻した部分A2(1層)とである。
次にまた、太鼓aから第1クリップ15と太鼓定規10とを取り外すとともに、太鼓aの下端部、具体的には袋帯Aのたれ余り部b1の折り込み部分に、仮ひも18を通す(図6、図8および図9)。
その後、太鼓aを背中心にあてがい、仮ひも18を前帯の上で蝶結びして、太鼓aの位置を固定する。次に、袋帯Aを着用者の胴に巻き付け、帯揚げ17を着用者の胴に結んで太鼓aを位置決めし、次いで太鼓aから一対の第2クリップ11および仮ひも18を外し、帯締めにより袋帯Aを締める(図9)。
また、第1クリップ15は、帯山a1を形成する際、他方の挟持体13より長尺な一方の挟持体12の帯押し込み部12aを利用し、袋帯Aの折り戻した部分A1の一部を、帯枕16を挟み込むように袋帯A1のたれ側の端部の下へ押し込むことで、帯山a1を形成し、かつその直後、帯山a1を一対の挟持体12,13により挟持することができる。そのため、折り戻した部分A1の一部の押し込みを手作業で行うときの煩わしさ、具体的には片手での折り戻した部分A1の押し込み、この状態が崩れないように帯山a1を片手で握り返して、残った手でのクリップによる帯山a1の挟持が省ける。しかも、着用者の勘に頼る折り戻した部分A1の押し込みではなく、帯押し込み部12aの長さ分の所定の押し込み位置への正確な押し込みを実現することができる。
まず、着用者が長襦袢と着物とを順に着用し、その後、半幅に折った胴廻り部20と全幅のたれ部21とが、二等辺三角形状の折り畳み部22を介して直角に折り重ねられた名古屋帯Bを、着用者の胴に太鼓結びする。
あらかじめ、名古屋帯Bの折り畳み部22の折り畳みを開き、次に、たれ部21と胴廻り部20とを一直線上に延ばした名古屋帯Bを、表を上向きにして畳に置く。
次いで、たれ部21の元部の下に、帯揚げ17の長さ方向の中間部分により包まれた帯枕16を配置する(図10)。このとき、帯枕16の両端部のひも16aを、名古屋帯Bの幅方向の両端から外方へ延ばしておく。
次に、たれ部21を、表と表とが重なるように胴廻り部20の上に折り返す。これにより、たれ部21の裏面が上に向く。
次にまた、たれ部21の折り戻した部分21bを、その折り戻し側の端21cから、寸法決定線10aにより規定された太鼓定規10のたれbの長さ分だけ、たれ部21のたれ側の端部が露出するように、表と表とを重ね合わせて折り返す(図15)。これにより、たれ部21に太鼓aが形成される。このとき、第1クリップ15により挟持されているのは、たれ部21の4層に折り畳まれた部分と帯枕16とである(図16)。この4層に折り畳まれた部分とは、たれ部21の折り戻した部分21b(2層)と、たれ部21の先端部(1層)と、折り畳み部22(1層)とである。
次にまた、名古屋帯Bのうち、折り戻した部分21bの折り戻し側の端21cの部分に仮ひも18を通し(図16および図17)、その後、太鼓aから第1クリップ15を取り外し(図17)、この状態で太鼓aを背中心にあてがい、仮ひも18を前帯の上で蝶結びして太鼓aの位置を固定する。その後、名古屋帯Bを着用者の胴に巻き付け、帯揚げ17を着用者の胴に結んで太鼓aを位置決めし、次いで太鼓aから一対の第2クリップ11および仮ひも18を外し、帯締めにより名古屋帯Bを締める(図9)。
このような手順で名古屋帯Bにより太鼓aを結ぶようにしたので、和服の着用者が一人で簡単に、適正サイズの太鼓aおよびたれbを有した名古屋帯Bでの太鼓結びを伴う着付けを行うことができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
まず、着物30を畳の上に載置し、これを脇線31,32に沿って折る(図18)。その後、一方の手で共衿33の両衿先33aを掴んでこれを若干持ち上げるとともに、他方の手で両方の褄先34を掴んでこれを同じ程度の高さだけ持ち上げる(図19)。
次いで、この掴んだ両手をそのまま下前の前身頃側へ平行に移動し、両共衿33の重ね合わされた衿先33aの先端が手前の脇線31に一致するように、着物30を折る(図20)。
次にまた、着物30を奥前の脇線32が手前の脇線31に重なるように二つ折りする(図21)。これにより、着物30を簡単に折り畳むことができる。しかも、両衿先33aを重ね合わせた脇線31,32から外方へ突出せず、収納時に両衿先33aに折り皺が発生しない。
これ以降の着物30のたたみ方は一般的な方法に則る。すなわち、まず上側の袖35を手前の後身頃の上に重ね合わせ、次に裾を半分に折り返し、次にまた下側の袖35を奥前の後身頃の下に折り返す。こうしてたたんだ着物30は、たとう紙などに入れて箪笥などに収納される。
その他の構成、作用および効果は、実施例1から推測可能な範囲であるので説明を省略する。
10a 寸法決定線、
11 第2クリップ、
15 第1クリップ、
16 帯枕、
20 胴廻り部、
21 たれ部、
21a 折り返した部分、
21b 折り戻した部分、
21c 折り戻し側の端、
22 折り畳み部、
30 着物、
A 袋帯、
A1 折り返した部分、
A2 折り戻した部分、
B 名古屋帯、
a 太鼓、
b たれ、
b1 たれ余り部。
Claims (2)
- 長襦袢と着物とを着用者が順に着用した後、袋帯を着用者の胴に太鼓結びする着物の着付け方法において、
前記袋帯を太鼓結びする際には、
表を上にして広げた該袋帯を一直線上に延ばし、
次に、太鼓の長さと該太鼓の下から露出するたれの長さとを決定する寸法決定線が一端部に引かれた矩形状の太鼓定規を使用し、
前記袋帯のたれ側の端部の表のうち、該袋帯のたれ先から該袋帯の長さ方向へ前記太鼓定規の長さ分だけ離れた部分に、帯揚げに包まれた帯枕を、前記袋帯の幅方向の両端から前記帯揚げの両端部を突出させた状態で載せ、
その後、該帯枕を中心にして、該帯枕より手先側の前記袋帯の部分を、該袋帯のたれ側の端部の上に表と表とが重なるように折り返し、
次に、該袋帯のたれ先より先方向にたれ余り部を残して、前記袋帯の折り返した部分を該袋帯の折り返したたれ先とは反対方向へ折り戻し、
ばねを介して対向状態で連結された一対の挟持体のうち、一方の挟持体の先部が他方の挟持体の先部より長くて帯押し込み部となった第1クリップを使用し、該袋帯の折り戻した部分の一部を、前記帯枕を挟み込むように前記帯押し込み部によって前記袋帯のたれ側の端部の下へ押し込み、この押し込んだ部分を、前記帯枕および前記袋帯の折り戻した部分のうちで前記帯枕を覆う部分とともに第1クリップにより挟持し、
その後、前記袋帯のたれ余り部を、前記寸法決定線により規定された前記太鼓定規のたれの長さ分だけ前記袋帯のたれ側の端部が露出するように、前記第1クリップにより挟持された前記袋帯の部分の内側に折り込み、
折り込まれた前記袋帯のたれ余り部を含めて、前記第1クリップにより挟持された前記袋帯の部分の幅方向の両端部を、一対の第2クリップにより挟持することで前記袋帯の一部に前記太鼓を形成し、
次に、該太鼓から前記第1クリップを取り外した後、前記太鼓を背中心にあてがい、前記袋帯を着用者の胴に巻き付け、その後、前記太鼓から前記一対の第2クリップを外すとともに前記帯揚げを着用者の胴に結んで前記太鼓を位置決めし、さらに帯締めにより前記袋帯を締める着物の着付け方法。 - 長襦袢と着物とを着用者が順に着用した後、半幅に折った胴廻り部と全幅のたれ部とが、二等辺三角形状の折り畳み部を介して直角に折り重ねられた名古屋帯を着用者の胴に太鼓結びする着物の着付け方法において、
前記名古屋帯を太鼓結びする際には、
前記折り畳み部の折り畳みを開き、表を上にして前記たれ部と前記胴廻り部とを一直線上に延ばし、
次に、前記たれ部の元部の下に、帯揚げに包まれた帯枕を、前記たれ部の幅方向の両端から前記帯揚げの両端部を突出させた状態で配置し、
次いで、ばねを介して対向状態で連結された一対の挟持体のうち、一方の挟持体の先部が他方の挟持体の先部より長くて帯押し込み部となった第1クリップを使用し、前記帯枕を挟み込むように前記折り畳み部を前記帯押し込み部によって前記たれ部の下へ押し込み、この押し込んだ部分を、前記たれ部の元部および前記帯枕とともに第1クリップにより挟持し、
その後、前記たれ部を、表と表とが重なるように前記胴廻り部の上に折り返し、
次に、前記たれ部の折り返した部分を、該たれ部の折り返したたれ先とは反対方向へ折り戻し、その際、太鼓の長さと該太鼓の下から露出するたれの長さとを決定する寸法決定線が一端部に引かれた矩形状の太鼓定規を使用し、前記たれ部の元側の端を基準として、前記折り返したたれ先とは反対方向へ前記太鼓定規の長さ分だけ離れた位置に、前記たれ部のたれ先を配置し、
次にまた、該たれ部の折り戻した部分を、その折り戻し側の端から、前記寸法決定線により規定された前記太鼓定規のたれの長さ分だけ前記たれ部のたれ側の端部が露出するように、表と表とを重ね合わせて折り返すことで前記太鼓を形成し、
その後、前記第1クリップにより挟持された前記名古屋帯の部分の幅方向の両端部を一対の第2クリップにより挟持し、
次に、前記太鼓から前記第1クリップを取り外した後、前記太鼓を背中心にあてがい、前記胴廻り部を着用者の胴に巻き付け、その後、前記太鼓から前記一対の第2クリップを外すとともに前記帯揚げを着用者の胴に結んで前記太鼓を位置決めし、さらに帯締めにより前記名古屋帯を締める着物の着付け方法。
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JPH08188912A (ja) * | 1994-12-28 | 1996-07-23 | Teruno Miyake | 帯を太鼓に結ぶ方法及びそれに使用する器具 |
JP2000199119A (ja) * | 1998-12-30 | 2000-07-18 | Mieko Kobayashi | 帯 枕 |
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