以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図8は本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態では、画像形成装置としてカラー印刷を行う複写機に適用している。なお、画像形成装置としては、複写機以外に、プリンタ装置、ファクシミリ装置、複写機能とファクシミリ通信機能等を備えた複合機等に適用しても良い。
図1において、複写機100は、プリンタ部101、給紙部102、プリンタ部101の上部に固定されたスキャナ部103および原稿自動搬送部(以下、ADFという)104、複写機100内の各装置の動作を制御するコントローラ105等を備えている。
スキャナ部103は、コンタクトガラス106上に載置された原稿の画像情報を読み取るようになっており、コンタクトガラス106に載置された原稿に光を照射する光源、原稿からの反射光を結像レンズを通してCCDイメージスキャナ等の光電変換素子に導く反射ミラー等を備えている。
プリンタ部101は、中間転写部107および露光装置、画像形成部、定着ユニット、トナー供給装置等を備えており、スキャナ部103で読み取った原稿の画像を記録媒体としての記録紙に転写するようになっている。
給紙部102は、複数の給紙カセットや搬送経路等を備えており、給紙カセットに収納された記録紙を搬送経路を通して中間転写部107に給紙するようになっている。
図2は中間転写部107の構成を示す図である。中間転写部107は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色にそれぞれ対応する画像形成手段としての作像ユニット21Y、21M、21C、21Bkによりトナー像を作像し、このトナー像を像担持体としての無端状の中間転写ベルト22に1次転写するようになっている。
具体的には、作像ユニット21Y、21M、21C、21Bkは、感光体ドラム21aと、感光体ドラム21a上を帯電する帯電器21bと、感光体ドラム21a上を露光して感光体ドラム21a上に原稿画像に対応する静電潜像を形成する露光装置21cと、感光体ドラム21a上にトナーを供給して静電潜像を可視像化する現像装置21dと、中間転写ベルト22に感光体ドラム21aのトナー画像を転写する転写ローラ21eと、感光体ドラム21aの残留トナーを除去するクリーニングブレード21fとを備えている。
なお、作像ユニット21Y、21M、21C、21Bkの構成は全て同じ構成であるため、作像ユニット21Bkにのみ部材の符号を付している。
中間転写ベルト22は内接するベルト駆動ローラ23がベルト駆動モータ24とベルト駆動ギヤ25により駆動されて周回移動するようになっており、ベルト従動ローラ26、対向ローラ27、ベルト張架ローラ28等によって張架されている。なお、中間転写ベルト22は回転を意味している。
また、中間転写ベルト22には転写手段および転写ローラとしての2次転写ローラ31が摺接しており、この2次転写ローラ31は記録紙Pを中間転写ベルト22に押圧して中間転写ベルト22上のトナー画像を記録紙Pに転写するようになっている。
具体的には、給紙部102の給紙カセットに収納された記録紙Pは、図示しない用紙分離機構や搬送手段により給紙された後、所望のタイミングで記録媒体搬送手段としてのレジストローラ対29によって中間転写ベルト22側に搬送される。
レジストローラ対29によって搬送される記録紙Pの先端が記録媒体検知手段としてのレジストセンサ30によって検知されると、レジストセンサ30がコントローラ105に信号を出力する。
コントローラ105はこの検知情報に基づいてレジストローラ対29を駆動する図示しない給紙モータを停止して記録紙Pをレジスト停止させ、中間転写ベルト22の搬送タイミングと同期を取って給紙モータを駆動することにより、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に記録紙Pを搬送し、このニップ部で記録紙Pに画像を転写した後、定着ローラ対32で記録紙Pにトナー画像を加熱定着する。
図3、図4は中間転写部の要部斜視図である。図3、図4において、中間転写ベルト22、対向ローラ27および2次転写ローラ31の主走査方向(対向ローラ27および2次転写ローラ31の軸方向)の幅は、それぞれWb、Wr、Wtに設定されており、中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の当接する位置における主走査方向の作像領域(記録紙搬送領域内)をWiとし、両端外側の非作像領域(記録紙搬送領域外)をWoと定めたときの関係式は、Wr(対向ローラ27長さ)=2Wo+Wiとなっている。
また、作像領域Wiは最大記録幅Wpmaxの記録紙よりも若干大きく設定されており、最小サイズから最大サイズの記録紙に画像を転写できるようになっている。また、2次転写ローラ31の非作像領域Woには対向ローラ27の非作像部と2次転写ローラ31の非作像部31bが位置している。
また、2次転写ローラ31の両端に設けられた2次転写ローラ軸31aには、それぞれトルクリミッタ33が摺動しており、このトルクリミッタ33の外周にはトルクリミッタ33が圧入され、トルクリミッタホルダ35には保持環45が一体に設けられている。なお、本実施の形態では、トルクリミッタホルダ35および保持環45が保持部材を構成している。
また、トルクリミッタ33およびトルクリミッタホルダ35は、主走査方向には移動しないようになっており、トルクリミッタホルダ35は、2次転写ローラ軸31aの回転によりトルクリミッタ33の設定トルクで保持環45と共に回転する。
また、2次転写ローラ軸31aの両端部は軸受34に回転自在に軸支されており、この軸受34は上下方向(半径方向)に移動可能になっている。また、軸受34は軸受ホルダ36に取付けられており、この軸受ホルダ36は複写機100の本体101aに形成されたスライド穴部101bに上下方向に移動するように係合している。
また、スライド穴部101bの下面にはバネ受け部37が設けられており、このバネ受け部37と軸受ホルダ36の間には圧縮バネ38が介装され、軸受ホルダ36は圧縮バネ38によって上方に付勢されている。
したがって、2次転写ローラ31は2次転写ローラ軸31aおよび軸受ホルダ36を介して上下方向に移動自在になっているとともに、圧縮バネ38に常時付勢されて中間転写ベルト22に摺接するように押圧されている。
そして、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に到達すると、記録紙Pの紙厚に応じて2次転写ローラ31は図3中、下方側に移動して転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に記録紙Pを進入させることができ、特に記録紙Pの先端および後端が通過する際には2次転写ローラ31は急激に上下動することができる。
また、対向ローラ27の対向ローラ軸27aは軸受40を介して本体101aに回転自在に取付けられており、対向ローラ27は半径方向に移動できないようになっている。
一方、2次転写ローラ31の両端部に設けられた保持環45には間隙形成手段としての一対の可撓性の弾性シート39が取付けられており、この弾性シート39はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(ナイロン)等から構成されている。
この弾性シート39は、保持環45に接着、溶着、融着等によって接合される糊代としての取付け部39aと、非作像領域Woでかつ、中間転写ベルト22の幅Wb内に一部が設けられた外部シート部(外部間隙形成部)39bと、作像領域Wiに設けられた内部シート部(内部間隙形成部)39cとを備えており、取付け部39a、外部シート部39bおよび内部シート39cは一体的に構成されている。
なお、取付け部39a、外部シート部39bおよび内部シート39cは一体的に構成されずに別体のものを接合して構成しても良い。また、弾性シート39は少なくとも左右両側の外部シート部39bが副走査方向に捩じれて位相がずれることのない剛性を確保する必要があることは言うまでもない。
また、外部シート部39bは主走査方向の幅がWgに設定されており、外部シート部39bの副走査方向(2次転写ローラ31の軸方向と直交する記録紙Pの搬送方向)の幅は、内部シート部39cの主走査方向の幅よりも長く設定されている。また、外部シート部39bおよび内部シート部39cの板厚は同じ厚さとなるように形成されている。
また、外部シート部39bは取付け部39aの外周に沿った円弧状になっており、それより上流側ではフリーなため、外部シート部39bの復元力により平面状になっている。
また、2次転写ローラ31の左右のトルクリミッタホルダ35には回転係止爪41(左側のみを図示)が設けられており、この回転係止爪41は係止板42の両端部(左側のみ図示)に設けられた係止爪42aに係止するようになっている。この係止板42には主走査方向に延在する長尺な長穴部42bが形成されており、この長穴部42bには本体101aに固定されたピン43が挿入されている。
また、係止爪42には電磁ソレノイド44が接続されており、係止板42は電磁ソレノイド44によって駆動されることにより、長穴部42bに沿って係止爪42aが回転係止爪41に係止する位置と回転係止爪41から離隔する位置の間で主走査方向に移動するようになっている。
具体的には、レジストセンサ30によって記録紙Pの先端が検知されると、コントローラ105がレジストセンサ30からの検知信号に基づいて電磁ソレノイド44をオンにすることにより、係止板42を許容位置に移動させ、記録紙Pの先端が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に進入するタイミングで弾性シート39を中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に挿入するようになっている。
本実施の形態では、係止板42の係止爪42aが回転係止爪41に係止すると、トルクリミッタ33がスリップして2次転写ローラ31のみを回転させ、トルクリミッタホルダ35および保持環45が回転するのを禁止することができる。
また、係止爪42aが回転係止爪41から離隔すると、2次転写ローラ軸31aからトルクリミッタホルダ35に動力を伝達して、2次転写ローラ31と共にトルクリミッタホルダ35および保持環45を回転させ、外部シート部39bと内部シート部39cを2次転写ローラ31と中間転写ベルト22の間に挿入することができる。
このため、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に外部シート部39bおよび内部シート部39cの板厚に応じた間隙が形成される。但し、外部シート部39bおよび内部シート部39cの板厚は、外部シート部39bおよび内部シート部39cが起動するのに必要な記録紙Pの最も薄い厚さより薄くしなければならない。
何故ならば、外部シート部39bおよび内部シート部39cの板厚を記録紙Pの厚さよりも厚くしてしまうと、作像領域Wi内のトナー像を記録紙Pに十分に転写するための圧力が不十分となり、転写不良が生じてしまうためである。例えば、弾性シート39を起動する閾値の厚紙が135kgであれば、約180μmとなり、この場合の外部シート部39bおよび内部シート部39cの厚さは180μm未満に設定する。
また、2次転写ローラ31および2次転写ローラ軸31aが上下動することにより、2次転写ローラ31の左右に設けられたトルクリミッタホルダ35および回転止爪41も同時に上下動するが、2次転写ローラ31および2次転写ローラ軸31aと回転係止爪41との移動量は等しいとは限らず、左右のトルクリミッタホルダ35を同時に回転させるためには、回転係止爪41と係止爪42aの係止を開放するタイミングが2次転写ローラ31および2次転写ローラ31の上下動位置に影響されない方向に係止板42を退避させる必要がある。
本実施の形態では、係止爪42aを左側にずらすことにより、簡単に回転係止爪41と係止爪42aの係止を開放することができる。なお、本実施の形態では、電磁ソレノイド44を動力として用いるため、コントローラ105から出力される電気信号により瞬時に動作することができる。具体的には、一瞬(数十ミリ秒〜数百ミリ秒程度)通電させるだけで、動作させることができる。
本実施の形態では、係止板42、電磁ソレノイド44、コントローラ105が保持部材回転制御手段を構成している。
図5は弾性シート39、記録紙Pの寸法および主・副走査方向の位置関係を説明する図である。
図5において、記録紙Pの先端(図5中、左側)は、内部シート部39cの副走査方向の寸法A1が記録紙Pの先端と内部シート部39cの間隙の寸法A2分だけ空けてあり、内部シート部39cの両端には副走査方向の寸法A1+A2+A3と主走査方向の寸法Wgに設定された外部シート部39bが設けられている。
すなわち、外部シート部39bを内部シート部39cよりも副走査方向に長く形成し、内部シート部39cの副走査方向の寸法A1を記録紙Pの先端と内部シート部39cの間隙の寸法A2分だけ空け、外部シート部39bを記録紙Pの先端に対して寸法A3だけオーバーラップさせることにより、記録紙Pの先端が中間転写ローラ22と2次転写ローラ31のニップ部を通過した直後にも外部シート部39bがニップ部に残るようになっている。
また、弾性シート39によって中間転写ローラ22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するための動作タイミングは、外部シート部39bが間隙の形成を開始する第1のタイミング(B1で示す)および間隙の形成を終了する第2のタイミング(B2で示す)と、内部シート部39cが間隙の形成を開始する第3のタイミング(B3で示す)および間隙の形成を終了する第4のタイミング(B4で示す)とを備えており、第2のタイミングB2および第4のタイミングB4が異なるタイミングになるように、外部シート部39bおよび内部シート部39cの副走査方向長さが設定されている。
具体的には、本実施の形態では、第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部39cの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成し、第2のタイミングB2で間隙の形成を終了する外部シート部39bの副走査方向の長さを内部シート部39cより長く形成している。
次に、図6〜図8に基づいて記録紙Pの搬送方法を説明する。図6は回転係止爪41に係止板42の係止爪42aが係止した状態を示す図、図7は回転係止爪41から係止板42の係止爪42aが離隔した状態を示す図、図8は記録紙の搬送手順を示す図である。
まず、給紙カセットに収納された記録紙Pは、用紙分離機構や搬送手段により給紙された後、所望のタイミングで記録媒体搬送手段としてのレジストローラ対29によって中間転写ベルト22側に搬送される。
中間転写ベルト22の周回移動に伴って対向ローラ27が回転を開始すると、2次転写ローラ31は回転係止爪41が係止爪42aに係止した状態であるため、トルクリミッタ33が滑りを生じて2次転写ローラ31のみが中間転写ベルト22に連れ回りする。このため、弾性シート39は中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部の手前で停止した待機状態となる(図8(a)参照)。
次いで、レジストローラ対29によって記録紙Pが搬送され、記録紙Pの先端がレジストセンサ30によって検知されると(図8(b)参照)、コントローラ105は電磁ソレノイド44をオンにする。
このとき、係止板42が主走査方向に移動して係止爪42aを回転係止爪41から離隔させる。このため、2次転写ローラ軸31aからトルクリミッタ33を介してトルクリミッタホルダ35に駆動力が伝達され、トルクリミッタホルダ35および弾性シート39が反時計回転方向に回転を開始する(図8(c)参照)。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、外部シート部39bおよび内部シート部39cが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に進入し(図8(d)参照)、対向ローラ27と中間転写ベルト22の間の主走査方向に亘って中間転写ベルト22、外部シート部39bおよび内部シート部39cの板厚に相当する間隙が形成される。
また、軸受ホルダ36が圧縮バネ38の付勢力に抗して下方に移動し、2次転写ローラ31が弾性シート39の板厚に相当する分だけ下方に移動することにより、弾性シート39をスムーズに挿入する。また、記録紙Pの先端はこの間隙を通して中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に突入する。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、副走査方向の長さが短い内部シート部39cが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から抜け出し、内部シート部39cよりも副走査方向に長く形成された外部シート部39bが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に残って中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に間隙を形成する(図8(e)参照)。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、外部シート部39bが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から抜け出して対向ローラ27と中間転写ベルト22の間には中間転写ベルト22および記録紙Pの板厚に相当する間隙のみが形成され、中間転写ベルト22からのトナー像を記録紙Pに転写しながら、中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって記録紙Pが搬送される(図8(f)参照)。
次いで、コントローラ105はトルクリミッタホルダ35が1回転する前に電磁ソレノイド44をオフにして、係止板42を元の位置(ホームポジション位置)に戻し、係止爪42aを回転係止爪41aに係止させる。
このとき、トルクリミッタ33がスリップしてトルクリミッタホルダ33の回転を停止させ、2次転写ローラ3を連れ回りさせる(図8(g)参照)。このため、弾性シート39が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31のニップ部に進入することがなく、記録紙Pのみが搬送される。
このように本実施の形態では、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間における主走査方向の作像領域Wiと非作像領域Woとに亘って弾性シート39を設け、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に所定のタイミングで弾性シート39を挿入することにより、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するようにしたので、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入するタイミングで中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に間隙を形成するようにすれば、中間転写ベルト22の主走査方向に亘って形成される間隙を均一にすることができる。
このため、記録紙Pの幅の大小にかかわらず、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入するときに中間転写ベルト22に衝撃が加わるのを防止することができる。
この結果、中間転写ベルト22の回転速度が変動してしまうのを防止することができ、主走査方向の筋や、副走査方向の帯状濃淡ムラ、画像ずれ等のバンディングと呼ばれる画像不良が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、弾性シート39を非作像領域Woに設けられた外部シート部39bと、作像領域Wiに設けられた内部シート部39cから構成し、中間転写ベルト22が副走査方向に周回移動するときに中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙を、内部シート部39cに対して外部シート部39bが長い距離に亘って形成するように、外部シート部39bの副走査方向長さを内部シート部39cの副走査方向長さよりも長くし、外部シート部39bが間隙の形成を終了する第2のタイミングB2と、内部シート部39cが間隙の形成を終了する第4のタイミングB4とが異なるタイミングになるようにした。
このため、弾性シート39が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に挿入されたときに、記録紙Pと弾性シート39との間に副走査方向の小さい間隙がある場合に、外部シート部39bが比較的長い時間に亘って中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成することができ、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に突入するときの衝撃をより一層緩和することができる。このため、中間転写ベルト22の回転速度が変動してしまうのをより確実に防止することができる。
また、本実施の形態では、第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部39cの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成したので、中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって形成される間隙を記録紙Pと平行な直線形状にすることができる。
このため、記録紙Pと弾性シート39の間隙を小さく設定することができ、記録紙Pの先端が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に突入するときの衝撃をより一層緩和することができる。
また、本実施の形態では、2次転写ローラ31にトルクリミッタ33を介して接続され、弾性シート39を保持するトルクリミッタホルダ35および保持環45と、トルクリミッタホルダ35に設けられた回転係止爪41に係止してトルクリミッタホルダ35の回転を許容する許容位置と、回転係止爪41から離隔してトルクリミッタホルダ35の回転を禁止する禁止位置との間で移動する係止爪42aを備えた係止板42と、記録紙Pを検知するレジストセンサ30とを設け、レジストセンサ30からの検知情報に基づいて電磁ソレノイド44を作動することにより、係止板42を許容位置に移動させるようにした。
このため、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するときには、係止板42を許容位置に移動させて、トルクリミッタホルダ35の回転を許容し、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成しないときには、係止板42を禁止位置に移動させてトルクリミッタホルダ35の回転を禁止することができ、弾性シート39を簡単な構成で中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に挿入することができる。
図9〜図11は本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、弾性シートの形状が第1の実施の形態と異なるのみで他の構成は第1の実施の形態と同一であるため、異なる構成のみを説明する。
図9において、間隙形成手段としての弾性シート51は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)51aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)51bとを備えている。
また、第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部51bの主走査方向のエッジ形状は、作像領域Wiの主走査方向中央部から主走査方向外方に向かうに従って第4のタイミングB4が遅れるように、主走査方向中央部から主走査方向外方に向かって広がるように形成されている。
特に、本実施の形態では、第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部39cの主走査方向のエッジ形状は、主走査方向中央部を挟んで左右対称に主副走査方向外方に向かって傾斜した複数の階段状に形成されており、各階段の段部52によって形成される間隙は記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さに対応させている。
このため、各サイズの記録紙Pの幅方向両端部の先端は、内部シート部51bの各段部52によって画成される中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間の主走査方向の間隙に突入する。
本実施の形態では、記録紙Pの幅方向長さが図示しない記録紙サイズ検知センサによって検知されたり、操作パネルから入力されると、コントローラ105はレジストセンサ30の検知情報に基づいて電磁ソレノイド44をオンするタイミングを記録紙Pのサイズ毎に変える。すなわち、本実施の形態では、弾性シート51の動作タイミングを記録紙Pの幅に応じて可変する。
例えば、A6サイズの記録紙Pの幅方向両端部の先端には、A6の記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さと同じ間隔の段部52に挟まれて副走査方向に搬送されるため、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙がA6サイズの記録紙Pに相応しい領域まで行き届く。
また、最大幅のA3サイズの記録紙Pの幅方向両端部の先端には、A3の記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さと同じ間隔の外部シート部51aに挟まれて副走査方向に搬送されるため、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙がA3サイズの記録紙Pに相応しい領域まで行き届く。
このため、弾性シート51が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に挿入したときに、記録紙Pの幅方向両端部の先端が内部シート部51bの段部52によって画成される間隙を通して中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入させることができる。
このように本実施の形態では、第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部51bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向中央部を挟んで左右対称に主副走査方向外方に向かって広がるように傾斜した複数の階段状に形成し、各階段の段部52によって形成される間隙を記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さに対応させるように設定したので、記録紙Pの大きさに応じて記録紙Pの幅方向の両端部の先端側で中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成することができる。このため、記録紙Pの先端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に突入するときの衝撃をより一層緩和することができる。
なお、本実施の形態では、第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部51bの主走査方向のエッジ形状を階段状にしているが、これに限らず、図10、図11に示すように形成しても良い。
図10において、間隙形成手段としての弾性シート53は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)53aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)53bとを備えている。
第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部53bの主走査方向のエッジ形状は、作像領域Wiの主走査方向中央部から主走査方向外方に向かうに従って第4のタイミングB4が遅れるように、主走査方向中央部から主走査方向外方に向かって広がるように曲線形状に形成されている。
また、図11において、間隙形成手段としての弾性シート54は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)54aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)54bとを備えている。
第4のタイミングB4で間隙の形成を終了する内部シート部54bの主走査方向のエッジ形状は、作像領域Wiの主走査方向中央部から主走査方向外方に向かうに従って第4のタイミングB4が遅れるように、主走査方向中央部から主走査方向外方に向かって広がるように直線形状に形成されている。
このようにしても、記録紙Pのサイズに応じて弾性シート53または弾性シート54の動作タイミングを記録紙Pの幅に応じて可変して、記録紙Pのサイズに応じて間隙を形成することができ、記録紙Pの先端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に突入するときの衝撃をより一層緩和することができる。
図12〜図15は本発明に係る画像形成装置の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
図12、図13において、間隙形成手段としての弾性シート61は、保持環45に接着、溶着、融着等によって接合される糊代としての取付け部61aと、非作像領域Woでかつ、中間転写ベルト22の幅Wb内に一部が設けられた2つの外部シート部(外部間隙形成部)61bと、作像領域Wiに設けられた内部シート部(内部間隙形成部)61cとを備えており、取付け部61a、外部シート部61bおよび内部シート61cは一体的に構成されている。
本実施の形態では、記録紙Pの後端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部から抜け出るときに中間転写ベルト22に衝撃を発生するのを防止するものであり、外部シート部61bは内部シート部61cよりも2次転写ローラ31の時計回転方向側に延出している。
また、図14に示すように、記録紙Pの後端(図14中、右側)は、内部シート部61cの副走査方向の寸法C3が記録紙Pの後端と内部シート部61cの間隙の寸法C2分だけ空けてあり、内部シート部61cの両端には副走査方向の寸法C1+C2+C3と主走査方向の寸法Wgに設定された外部シート部61bが設けられている。
すなわち、外部シート部61bを内部シート部61cよりも副走査方向に長く形成し、内部シート部61cの副走査方向の寸法C3を記録紙Pの後端と内部シート部61cの間隙の寸法C2分だけ空け、外部シート部61bを記録紙Pの後端に対して寸法C1だけオーバーラップさせることにより、記録紙Pの後端が中間転写ローラ22と2次転写ローラ31のニップ部を通過した直後にも外部シート部61bがニップ部に残るようになっている。
また、弾性シート61によって中間転写ローラ22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するための動作タイミングは、外部シート部61bが間隙の形成を開始する第1のタイミング(D1で示す)および間隙の形成を終了する第2のタイミング(D2で示す)と、内部シート部61cが間隙の形成を開始する第3のタイミング(D3で示す)および間隙の形成を終了する第4のタイミング(D4で示す)とを備えており、第1のタイミングD1および第3のタイミングD3が異なるタイミングになるように、外部シート部61bおよび内部シート部61cの副走査方向長さが設定されている。
具体的には、本実施の形態では、第3のタイミングD3で間隙の形成を開始する内部シート部61cの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成している。
次に、図15に基づいて記録紙Pの搬送方法を説明する。
まず、給紙カセットに収納された記録紙Pは、用紙分離機構や搬送手段により給紙された後、所望のタイミングで記録媒体搬送手段としてのレジストローラ対29によって中間転写ベルト22側に搬送される。
中間転写ベルト22の周回移動に伴って対向ローラ27が回転を開始すると、2次転写ローラ31は回転係止爪41が係止爪42aに係止した状態であるため、トルクリミッタ33が滑りを生じて2次転写ローラ31のみが中間転写ベルト22に連れ回りする。
レジストローラ対29に搬送される記録紙Pは中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって挟持されて搬送される。このとき、軸受ホルダ36が圧縮バネ38の付勢力に抗して下方に移動し、2次転写ローラ31が弾性シート61の板厚に相当する分だけ下方に移動することにより、弾性シート61をスムーズに挿入する。
これに加えて、対向ローラ27と中間転写ベルト22の間の主走査方向に亘って中間転写ベルト22および記録紙Pの板厚に相当する間隙が形成される(図15(a)参照)。
中間転写ベルト22から記録紙Pにトナー画像が転写され、記録紙Pの後端がレジストセンサ30によって検知されると、コントローラ105は、給紙モータの駆動パルスの駆動パルスをカウントする(図15(b)参照)。この駆動パルスが所定パルスに到達すると、コントローラ105は電磁ソレノイド44をオンにする。
このとき、係止板42が主走査方向に移動して係止爪42aを回転係止爪41から離隔させる。このため、2次転写ローラ軸31aからトルクリミッタ33を介してトルクリミッタホルダ35に駆動力が伝達され、トルクリミッタホルダ35および弾性シート61が反時計回転方向に回転を開始する(図15(c)参照)。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、まず、外部シート部61bが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に進入し、対向ローラ27と中間転写ベルト22の間の主走査方向に亘って中間転写ベルト22、外部シート部61bの板厚に相当する間隙が形成される。
また、トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、副走査方向の長さが短い内部シート部61cが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に挿入され、外部シート部61bおよび内部シート部61cによって中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に残って中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に間隙が形成される(図15(d)参照)。このため、記録紙Pの後端はこの間隙を通して中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から抜け出る(図15(e)参照)。
次いで、コントローラ105はトルクリミッタホルダ35が1回転する前に電磁ソレノイド44をオフにして、係止板42を元の位置(ホームポジション位置)に戻し、係止爪42aを回転係止爪41aに係止させる(図15(f)(g)参照)。
このとき、トルクリミッタ33がスリップしてトルクリミッタホルダ35の回転を停止させ、2次転写ローラ3を連れ回りさせるため、弾性シート61が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31のニップ部に進入することがなく、記録紙Pのみが搬送される。
このように本実施の形態では、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間における主走査方向の作像領域Wiと非作像領域Woとに亘って弾性シート61を設け、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に所定のタイミングで弾性シート61を挿入することにより、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するようにしたので、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入するタイミングで中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に間隙を形成するようにすれば、中間転写ベルト22の主走査方向に亘って形成される間隙を均一にすることができる。
このため、記録紙Pの幅の大小にかかわらず、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部から抜け出るときに中間転写ベルト22に衝撃が加わるのを防止することができる。
この結果、中間転写ベルト22の回転速度が変動してしまうのを防止することができ、主走査方向の筋や、副走査方向の帯状濃淡ムラ、画像ずれ等のバンディングと呼ばれる画像不良が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、弾性シート61を非作像領域Woに設けられた外部シート部61bと、作像領域Wiに設けられた内部シート部61cから構成し、中間転写ベルト22が副走査方向に周回移動するときに中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙を、内部シート部61cに対して外部シート部61bが長い距離に亘って形成するように、外部シート部61bの副走査方向長さを内部シート部61cの副走査方向長さよりも長くし、外部シート部61bが間隙の形成を開始する第1のタイミングD1と、内部シート部61cが間隙の形成を終了する第3のタイミングB3が異なるタイミングになるようにした。
このため、弾性シート61が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31から抜け出るときに、記録紙Pと弾性シート61との間に副走査方向の小さい間隙がある場合に、外部シート部61bが比較的長い時間に亘って中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成することができる。
このため、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に突入するときの衝撃を緩和することができ、中間転写ベルト22の回転速度が変動してしまうのをより確実に防止することができる。
また、第3のタイミングD3で間隙の形成を開始する内部シート部61cの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成したので、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31によって形成される間隙を記録紙Pと平行な直線形状にすることができる。
このため、記録紙Pと内部シート部61cの間隙を小さく設定することができ、記録紙Pの後端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間から抜け出るときの衝撃をより一層緩和することができる。
図16は本発明に係る画像形成装置の第4の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、弾性シートの形状が第1、第3の実施の形態と異なるのみで他の構成は第1、第3の実施の形態と同一であるため、異なる構成のみを説明する。
図16において、間隙形成手段としての弾性シート71は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)71aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)71bとを備えている。
また、第3のタイミングE3で間隙の形成を開始する内部シート部71bの主走査方向のエッジ形状は、作像領域Wiの主走査方向中央部から主走査方向外方に向かうに従って第3のタイミングD3が早まるように、主走査方向中央部から主走査方向外方に向かって広がるように形成されている。
特に、本実施の形態では、第3のタイミングD3で間隙の形成を開始する内部シート部71bの主走査方向のエッジ形状は、主走査方向中央部を挟んで左右対称に主副走査方向外方に向かって傾斜した複数の階段状に形成されており、各階段の段部72によって形成される間隙は記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さに対応させるように設定されている。
このため、各サイズの記録紙Pの幅方向両端部の後端は、内部シート部71bの各段部72によって画成される中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間の主走査方向の間隙を通して抜け出る。
本実施の形態では、記録紙Pの幅方向長さが図示しない記録紙サイズ検知センサによって検知されたり、操作パネルから入力されると、コントローラ105はレジストセンサ30の検知情報に基づいて電磁ソレノイド44をオンするタイミングを記録紙Pのサイズ毎に変える。すなわち、本実施の形態では、弾性シート71の動作タイミングを記録紙Pの幅に応じて可変する。
例えば、A6サイズの記録紙Pの幅方向両端部の後端には、A6の記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さと同じ間隔の段部72に挟まれて副走査方向に搬送されるため、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙がA6サイズの記録紙Pに相応しい領域まで行き届く。
また、最大幅のA3サイズの記録紙Pの幅方向両端部の後端には、A3の記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さと同じ間隔の外部シート部71aに挟まれて副走査方向に搬送されるため、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙がA3サイズの記録紙Pに相応しい領域まで行き届く。
このため、弾性シート71が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部から抜け出るときに、記録紙Pの幅方向両端部の後端が内部シート部71bの段部72によって画成される間隙を通して中間転写ベルト22と2次転写ローラ31から抜け出させることができる。
このように本実施の形態では、第3のタイミングD3で間隙の形成を開始する内部シート部71bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向中央部を挟んで左右対称に主副走査方向外方に向かって広がるように傾斜した複数の階段状に形成し、各階段の段部72によって形成される間隙を記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さに対応させるように設定したので、記録紙Pの大きさに応じて記録紙Pの幅方向の両端部の後端側で中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成することができる。このため、記録紙Pの後端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間から抜け出るときの衝撃をより一層緩和することができる。
なお、本実施の形態では、第3のタイミングD3で間隙の形成を開始する内部シート部71bの主走査方向のエッジ形状を階段状にしているが、これに限らず、図17、図18に示すように形成しても良い。
図17において、間隙形成手段としての弾性シート73は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)73aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)73bとを備えている。
第3のタイミングF3で間隙の形成を開始する内部シート部73bの主走査方向のエッジ形状は、作像領域Wiの主走査方向中央部から主走査方向外方に向かうに従って第3のタイミングD3が早まるように、主走査方向中央部から主走査方向外方に向かって広がるように曲線形状に形成されている。
また、図18において、間隙形成手段としての弾性シート74は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)74aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)74bとを備えている。
第3のタイミングD3で間隙の形成を開始する内部シート部74bの主走査方向のエッジ形状は、作像領域Wiの主走査方向中央部から主走査方向外方に向かうに従って第3のタイミングD3が早まるように、主走査方向中央部から主走査方向外方に向かって広がるように直線形状に形成されている。
このようにしても、記録紙Pのサイズに応じて弾性シート73の動作タイミングを記録紙Pの幅に応じて可変して、記録紙Pのサイズに応じて間隙を形成することができ、記録紙Pの後端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間から抜け出るときの衝撃をより一層緩和することができる。
図19〜図21は本発明に係る画像形成装置の第5の実施の形態を示す図である。本実施の形態では、弾性シートの形状が第1、第3の実施の形態と異なるのみで他の構成は第1、第3の実施の形態と同一であるため、異なる構成のみを説明する。
図19において、間隙形成手段としての弾性シート75は、保持環45に取付けられる図示しない取付け部と、非作像領域Woに設置された外部シート部(外部間隙形成部)75aと、作像領域Wiに設置された内部シート部(内部間隙形成部)75bとを備えている。
また、弾性シート75は、記録紙Pの後端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部から抜け出るときに中間転写ベルト22に衝撃を発生するのを防止するように構成されており、外部シート部75aは内部シート部75bよりも2次転写ローラ31の反時計回転方向側に延出している。
また、内部シート部75bの副走査方向の寸法H3が記録紙Pの後端と内部シート部75bの間隙の寸法H2分だけ空けてあり、外部シート部75aは副走査方向の寸法H1+H2+H3と主走査方向の寸法Wgに設定されている。
すなわち、外部シート部75aを内部シート部75bよりも副走査方向に長く形成し、内部シート部75bの副走査方向の寸法H3を記録紙Pの後端と内部シート部75bの間隙の寸法H2分だけ空け、外部シート部75aを記録紙Pの後端に対して寸法H1だけオーバーラップさせることにより、記録紙Pの後端が中間転写ローラ22と2次転写ローラ31のニップ部を通過した直後にも外部シート部75aがニップ部に残るようになっている。
また、弾性シート75によって中間転写ローラ22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するための動作タイミングは、外部シート部75aが間隙の形成を開始する第1のタイミング(E1で示す)および間隙の形成を終了する第2のタイミング(E2で示す)と、内部シート部75bが間隙の形成を開始する第3のタイミング(E3で示す)および間隙の形成を終了する第4のタイミング(E4で示す)とを備えており、記録紙Pの後端が2次転写ローラ31に到達する直前または到達するのと同時に第3のタイミングE3で間隙の形成を開始し、次いで、第4のタイミングE4で間隙の形成を終了した後、第2のタイミングE2で間隙の形成を終了するように、外部シート部75aおよび内部シート部75bの副走査方向長さが設定されている。
また、本実施の形態では、第3のタイミングE3で間隙の形成を開始する内部シート部75bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成している。
また、弾性シート75は、記録紙Pの先端が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入するときに中間転写ベルト22に衝撃を発生するのを防止するように構成されており、外部シート部75aは内部シート部75bよりも2次転写ローラ31の時計回転方向側に延出している。
また、内部シート部75bの副走査方向の寸法H3が記録紙Pの先端と内部シート部75bの間隙の寸法H4分だけ空けてあり、外部シート部75aは副走査方向の寸法A3+A4+A5と主走査方向の寸法Wgに設定されている。
すなわち、外部シート部75aを内部シート部75bよりも副走査方向に長く形成し、内部シート部75bの副走査方向の寸法H3を記録紙Pの先端と内部シート部75bの間隙の寸法H4分だけ空け、外部シート部75aを記録紙Pの先端に対して寸法A5だけオーバーラップさせることにより、記録紙Pの先端が中間転写ローラ22と2次転写ローラ31のニップ部を通過した直後にも外部シート部75aがニップ部に残るようになっている。
また、弾性シート75によって中間転写ローラ22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するための動作タイミングは、記録紙Pの先端が2次転写ローラ31に到達する直前または到達するのと同時に第3のタイミングE3で間隙の形成を開始し、次いで、第4のタイミングE4で間隙の形成を終了した後、第2のタイミングE2で間隙の形成を終了するように、外部シート部75aおよび内部シート部75bの副走査方向長さが設定されている。
また、本実施の形態では、第4のタイミングE4で間隙の形成を終了する内部シート部75bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成している。
次に、図20、図21に基づいて記録紙Pの搬送方法を説明する。
まず、給紙カセットに収納された記録紙Pは、用紙分離機構や搬送手段により給紙された後、所望のタイミングで記録媒体搬送手段としてのレジストローラ対29によって中間転写ベルト22側に搬送される。
中間転写ベルト22の周回移動に伴って対向ローラ27が回転を開始すると、2次転写ローラ31は回転係止爪41が係止爪42aに係止した状態であるため、トルクリミッタ33が滑りを生じて2次転写ローラ軸31aのみが中間転写ベルト22に連れ回りする。
レジストローラ対29に搬送される記録紙Pは中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって挟持されて搬送される。このとき、軸受ホルダ36が圧縮バネ38の付勢力に抗して下方に移動し、2次転写ローラ31が弾性シート61の板厚に相当する分だけ下方に移動することにより、弾性シート61をスムーズに挿入する。
これに加えて、対向ローラ27と中間転写ベルト22の間の主走査方向に亘って中間転写ベルト22および記録紙Pの板厚に相当する間隙が形成される(図20(a)参照)。
中間転写ベルト22から記録紙Pにトナー画像が転写され、記録紙Pの後端がレジストセンサ30によって検知されると(図20(b)参照)、コントローラ105は、給紙モータの駆動パルスの駆動パルスをカウントする。この駆動パルスが所定パルスに到達すると、コントローラ105は電磁ソレノイド44をオンにする。
このとき、係止板42が主走査方向に移動して係止爪42aを回転係止爪41から離隔させる。このため、2次転写ローラ軸31aからトルクリミッタ33を介してトルクリミッタホルダ35に駆動力が伝達され、トルクリミッタホルダ35および弾性シート75が反時計回転方向に回転を開始する(図20(c)参照)。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、まず、外部シート部75aが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に進入し(図20(d)参照)、対向ローラ27と中間転写ベルト22の間の主走査方向に亘って中間転写ベルト22、外部シート部75bの板厚に相当する間隙が形成される。
また、トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、副走査方向の長さが短い内部シート部75bが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に挿入され、外部シート部75aおよび内部シート部75bによって中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に残って中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に間隙を形成する。このため、記録紙Pの後端はこの間隙を通して中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から抜け出る。
次いで、コントローラ105はトルクリミッタホルダ35が1回転する前に電磁ソレノイド44をオフにして、係止板42を元の位置(ホームポジション位置)に戻し、係止爪42aを回転係止爪41aに係止させる(図20(e)参照)。
このとき、トルクリミッタ33がスリップしてトルクリミッタホルダ35の回転を停止させ、2次転写ローラ3を連れ回りさせるため、弾性シート75が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31のニップ部に進入することがなく、記録紙Pの後端が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から完全に抜け出る。
このとき、後続する記録紙Pは中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部の手前で停止した待機状態となる。次いで、レジストローラ対29によって記録紙Pが搬送され、記録紙Pの先端がレジストセンサ30によって検知されると、コントローラ105は電磁ソレノイド44をオンにする(図21(a)参照)。
このとき、係止板42が主走査方向に移動して係止爪42aを回転係止爪41から離隔させる。このため、2次転写ローラ軸31aからトルクリミッタ33を介してトルクリミッタホルダ35に駆動力が伝達され、トルクリミッタホルダ35および弾性シート75が反時計回転方向に回転を開始する。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、外部シート部75aおよび内部シート部75bが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に進入し(図21(b)参照)、対向ローラ27と中間転写ベルト22の間の主走査方向に亘って中間転写ベルト22、外部シート部75aおよび内部シート部75bの板厚に相当する間隙が形成される。
また、軸受ホルダ36が圧縮バネ38の付勢力に抗して下方に移動し、2次転写ローラ31が弾性シート39の板厚に相当する分だけ下方に移動することにより、弾性シート75をスムーズに挿入する。また、記録紙Pの先端はこの間隙を通して中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に突入する。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、副走査方向の長さが短い内部シート部75bが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から抜け出し、内部シート部75bよりも副走査方向に長く形成された外部シート部75aが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31に残って中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に間隙を形成する(図21(c)参照)。
トルクリミッタホルダ35がさらに回転すると、外部シート部75aが中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間から抜け出して対向ローラ27と中間転写ベルト22の間には中間転写ベルト22および記録紙Pの板厚に相当する間隙のみ形成され、中間転写ベルト22からのトナー像を記録紙Pに転写しながら、中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって記録紙Pが搬送される。
次いで、コントローラ105はトルクリミッタホルダ35が1回転する前に電磁ソレノイド44をオフにして、係止板42を元の位置(ホームポジション位置)に戻し、係止爪42aを回転係止爪41aに係止させる。
このとき、トルクリミッタ33がスリップしてトルクリミッタホルダ35の回転を停止させ、2次転写ローラ3を連れ回りさせる(図21(d)参照)。このため、弾性シート75が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31のニップ部に進入することがなく、記録紙Pのみが搬送される。
このように本実施の形態では、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間における主走査方向の作像領域Wiと非作像領域Woとに亘って弾性シート75を設け、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に所定のタイミングで弾性シート75を挿入することにより、中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成するようにしたので、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入するタイミングおよび抜け出るときのタイミングとで中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に間隙を形成するようにすれば、中間転写ベルト22の主走査方向に亘って形成される間隙を均一にすることができる。
このため、記録紙Pの幅の大小にかかわらず、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31のニップ部に突入するときと抜け出るときに中間転写ベルト22に衝撃が加わるのを防止することができる。
この結果、中間転写ベルト22の回転速度が変動してしまうのを防止することができ、主走査方向の筋や、副走査方向の帯状濃淡ムラ、画像ずれ等のバンディングと呼ばれる画像不良が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト22が副走査方向に周回移動するときに中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に形成される間隙を、内部シート部75bに対して外部シート部75aが長い距離に亘って形成するように、外部シート部75aの副走査方向長さを内部シート部75bの副走査方向長さよりも長くし、外部シート部75aが間隙の形成を終了する第2のタイミングE2および内部シート部75bが間隙の形成を終了する第4のタイミングE4が異なるタイミングになるように、また、外部シート部75aが間隙の形成を開始する第1のタイミングE1および内部シート部75bが間隙の形成を開始する第3のタイミングE3が異なるタイミングになるようにした。
このため、弾性シート75が中間転写ベルト22と2次転写ローラ31に挿入されたときに、記録紙Pと弾性シート75との間に副走査方向の小さい間隙がある場合に、外部シート部75aが比較的長い時間に亘って中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に間隙を形成することができ、記録紙Pが中間転写ベルト22と2次転写ローラ31の間に突入するときと抜け出るときの衝撃を緩和することができ、中間転写ベルト22の回転速度が変動してしまうのをより確実に防止することができる。
また、本実施の形態では、第4のタイミングE4で間隙の形成を終了する内部シート部75bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成したので、中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって形成される間隙を記録紙Pと平行な直線形状にすることができる。
また、第3のタイミングE3で間隙の形成を開始する内部シート部75bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向と平行な直線形状に形成したので、中間転写ベルト22および2次転写ローラ31によって形成される間隙を記録紙Pと平行な直線形状にすることができる。
このため、記録紙Pと弾性シート75の間隙を小さく設定することができ、記録紙Pの先端が中間転写ベルト22および2次転写ローラ31の間に突入するときと抜け出るときの衝撃をより一層緩和することができる。
なお、本実施の形態では、第4のタイミングE4で間隙の形成を終了する内部シート部75bの主走査方向のエッジ形状および第3のタイミングE3で間隙の形成を開始する内部シート部75bの主走査方向のエッジ形状を、主走査方向中央部を挟んで左右対称に主副走査方向外方に向かって傾斜した複数の階段状に形成し、各階段の段部によって形成される間隙は記録紙Pのサイズ毎の幅方向長さに対応させるように設定しても良く、主走査方向中央部を挟んで左右対称に主副走査方向外方に向かって傾斜した直線形状または直線形状にしても良い。