JP4790517B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、熱可塑性樹脂とフィラーとの混合物のうちのいずれかである熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂中に含まれている不純物質を除去するための従来の方法について簡単に説明する。
特許文献1(特開平11−292921号公報)には、ベント部を有する二軸押出機に熱可塑性樹脂を供給して混練・溶融する際に、超臨界流体を注入して熱可塑性樹脂に混合する。そののちベント部のベント口を介して真空吸引して超臨界流体とともに不純物質を除去したのち、ダイより押し出す揮発成分の除去方法が開示されている。
特許文献2(特開2005−161596号公報)には、第1の押出機において2種以上の異種熱可塑性樹脂混合物を混練・溶融中に、該溶融熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して2〜200重量部の二酸化炭素を添加混合したのち、第2の押出機の供給口に供給し、供給口の上流側および下流側に設けた脱気口より真空吸引することにより、二酸化炭素を脱気したのちダイより押し出す熱可塑性樹脂ブレンド物の製造方法が開示されている。
特開平11−292921号公報 特開2005−161596号公報
上記従来の技術では、押出機のシリンダ内へ超臨界流体状態の二酸化炭素を安定供給するためには、シリンダ内を8MPa以上の高圧力に保つ必要がある。しかし、押出機が高圧力に対応できないため、場合によってはガス漏れして規定量の二酸化炭素を溶融熱可塑性樹脂に含浸させることができなかったり、シリンダ内圧を安定に保つことができなかったりしていた。その結果、熱可塑性樹脂に含有される不純物質の脱揮効率および混練による樹脂の分散や相互作用が不十分となり、優れた特性の熱可塑性樹脂組成物を製造することができないという問題点があった。
本発明は、上記従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであって、二軸スクリュ押出機を用いて、主材料のドメイン中に副材料の分散相が細かく均一に分散し、不純物質の含有量の少ない優れた特性を有する熱可塑性樹脂組成物を製造することができる製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、ポリマーとフィラーの混合物のうちのいずれかである熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、シリンダおよび前記シリンダ内に回転自在に配設された2本のスクリュを有し、前記シリンダに設けられた上流の供給口から下流のダイヘ向かって順次、可塑化部、混練部、減圧ベント部を備えた二軸スクリュ押出機を用い、前記供給口より前記熱可塑性樹脂組成物の主材料および副材料を定量供給して前記可塑化部で溶融したのち、前記混練部において二酸化炭素の液体を注入してシリンダ内圧力を10MPa以上20MPa未満の高圧にして混練し、ついで前記減圧ベント部においてベント口を介して真空吸引することによって3MPa/sec以上10GPa/sec未満の圧力勾配で急速減圧を行って前記二酸化炭素を脱気除去したのち前記ダイより押し出すこと、を特徴とするものである。
本発明は、上述のとおり構成されているので次に記載するような効果を奏する。
主材料のドメイン中に副材料の分散相が細かく均一に分散した優れた特性を有する熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。
また、不純物質の含有量が従来例よりも少ない熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法の一実施の形態について説明する。
本実施の形態による熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、ポリマーとフィラーとの混合材料のうちのいずれかである熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、真空吸引手段に接続されたベント口を有する二軸スクリュ押出機を用い、前記熱可塑性樹脂組成物の主材料および副材料を混練・溶融する際に、二酸化炭素の液体を添加してシリンダ内圧力を10MPa以上20MPa以内の高圧にして混練したのち、前記二軸スクリュ押出機の減圧ベント部において前記ベント口を介して真空吸引することにより急速減圧を行って前記二酸化炭素を脱気除去したのち、ダイより押し出す。
また、上述した実施の形態における前記減圧ベント部における急速減圧は、3MPa/sec以上10GPa/sec未満の圧力勾配で減圧する。これにより、不純物質が気体の状態で脱揮除去され、また、熱可塑性樹脂組成物が強い剪断作用および伸長作用を受けて分散性能が向上し、物理的特性、光学的特性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。なお、圧力勾配が3MPa/sec未満の場合は不純物質の脱揮除去効率や分散性が低下する。
本発明において、熱可塑性樹脂は、硬質、軟質いずれでも良く、特に限定されない。主材料としての熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ABS(アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体)、AS(アクリルニトリルスチレン共重合体)、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の2種類以上の混合・混練物(エチレン−プロピレン共重合体等)、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンのようなグラフト重合物などがあげられる。これらの熱可塑性樹脂は単品でも複数種類の混合物でもかまわない。また、未使用の材料でも良いが、使用済みのリサイクル樹脂材料でもかまわない。
上述の熱可塑性樹脂に含有される不純物質としては、塩化メチレン、C6からC12の直鎖状炭化水素、ビスフェノールAをはじめ、反応中間物や溶媒、分解生成物、添加剤、未反応物質などが挙げられる。
本発明において、副材料(分散相)として添加される熱可塑性樹脂としては、上述の熱可塑性樹脂と同じ種類に属するものでも異なる種類に属する樹脂であってもかまわないが、エラストマーに属する樹脂であると効果が現れやすいので望ましい。
また、フィラーとしては、熱可塑性樹脂組成物(以下[樹脂組成物]ともいう。)の特性に影響を与える性状のものであれば特に限定されない。微細フィラーの例としては、層状珪酸アルカリ金属塩や層状チタン酸塩といった陽イオン型層状化合物、層状複水酸化物塩、バーミュキュライト、ハロサイト、炭酸カルシウム、炭酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、珪灰石、球状酸化珪素粒子、セリサイト、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンウィスカー、ガラス繊維、アラミド繊維等が挙げられる。この中で、層状珪素アルカリ金属塩の例としては、モンモリロナイト、マグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、ノントロナイト、ソーコナイト等の天然物、化学的に合成された合成スクメナイト、合成雲母等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもかまわない。また、これらの微細フィラーは脂肪酸などの有機化物で一部を置換されたものや、誘導体でも構わない。さらに、何ら処理していない無処理の微細フィラーでも良い。
特に制限はないが、例えば、チラーで十分冷却した液体の二酸化炭素を、プランジャー方式やダイヤフラム方式のポンプで加圧する液体加圧方式を用いると、ポンプを駆動しているモーターの出力調整で流量を制御できるため、微量の二酸化炭素を供給することができる。
本発明における二酸化炭素の液体の添加量は、0.1〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜10重量部が好ましい。これより添加量が少ない場合は効果が明確に現れず、逆に多い場合は樹脂温度が低下し、脱気の妨げになったり、ベント口にちぎれた樹脂などが吹き上がったり、シリンダ内の圧力を安定に保つことができなくなったりするなどの問題が生じたりするので好ましくない。
本発明において、上記二酸化炭素の液体とともに、低分子有機化合物を助剤として添加することも可能である。ここに示す助剤は、二酸化炭素の極性を変化させる作用を持つため、得られる熱可塑性樹脂組成物の構造をより広範囲にまたは/かつ細かく制御することができ、特性を広範囲にまたは/かつ細かく制御することが可能となる。
本発明に使用する低分子有機化合物は、アルコール類、エーテル類、ケトン類、飽和炭化水素類から選択される少なくとも1種類の炭素数1〜10の低分子有機化合物であることが好ましい。具体的には、アルコール類としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エーテル類としてはジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルプロピルエーテル、ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケトン、飽和炭化水素類としてはヘキサン、ヘプタン、ペンタンなどが挙げられる。これらの中でもエタノールは、二酸化炭素の極性を変化させる効果があり、かつ有害性も少ないことから最も好ましい。
上記低分子有機化合物は、単独でも2種類以上を組み合わせて使用しても良い。2種類以上の低分子有機化合物を組み合わせた方が極性をより細かく制御することが可能となるため、より好ましい。低分子有機化合物の添加量は本発明で得られる樹脂組成物の合計量に対し、0.1〜50質量%、好ましくは2.0〜30質量%さらに好ましくは3.0〜20質量%である。上記範囲の低分子有機化合物は前述の二酸化炭素の極性を変化させるのに最も効果的であり、結果的に熱可塑性樹脂組成物の特性をさらに広範囲に制御することができる。
本発明においては、上述した二酸化炭素の極性を調整する助剤の他に、本発明の目的を損なわない範囲で酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑材、外部滑材、耐電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの添加剤を添加することができる。
本発明において用いる二軸スクリュ押出機は、原料樹脂を溶融する機能と、微細フィラーや二酸化炭素の液体を均一に分散させることができる機能を持つ、異方向回転二軸スクリュ押出機、同方向回転二軸スクリュ押出機、噛み合い型二軸スクリュ押出機、非噛み合い型二軸スクリュ押出機などがあげられる。その中でも、微細フィラーの分散性能が高く、生産性も高い押出機としては、噛み合い型同方向回転二軸スクリュ押出機が最も好ましい。
本発明において、二酸化炭素の液体をシリンダ内へ注入するための手段は、逆流防止機構を備えたノズルを介して注入することが望ましい。ノズルは1箇所でも良いが、熱可塑性樹脂組成物にできるだけ速やかに二酸化炭素の液体を分散させるために複数箇所に設置したり、米国特許6,169,122号明細書に開示されているように、微細な穴が多数空いているノズルを設置したりする方が好ましい。また、二酸化炭素の液体が安定して熱可塑性樹脂組成物内に注入されるように配管およびノズルの容量は可能な限り小さくすることが好ましい。
二酸化炭素の液体の注入点およびすぐ下流のスクリュ形状は、分配能力の高い形状として二酸化炭素の液体の粒径を微細化し、熱可塑性樹脂組成物への溶解時間短縮のために微細化した後薄膜化できるスクリュ形状にすることが好ましい。例えば、液体の二酸化炭素の圧力は、8.0MPa〜20MPaの範囲にすると、シリンダ内の圧力変動の影響を受けずに安定して供給することができる。
本発明において、シリンダ内を安全に20MPaの圧力に耐えられるようにする手段としては、例えば押出機を構成しているシリンダをフランジ方式で接続できない小型の押出機の場合、シリンダを貫いて固定している4本のタイバーの径を太くしたり、より強い締め付け力に耐えられるように高強度の材料を使用するなどしてシリンダ間の隙間が広がるのを防止する。また、シリンダ間をボトルで接続するフランジ方式の場合は、フランジ部のサイズや厚みを増すと共に、ボルト本数やボトルの径を増してシリンダ間が開くのを防止する。
また、シリンダ間は通常メタルタッチや薄いシール材を挟んで接続されているが、シリンダ内の圧力を20MPaまで上昇させた場合に、シリンダの接続部から漏洩する場合が観察される。そのため、シリンダ間のシール材には、圧縮によって変形して高いシール性を発現するメタルOリングを使用することが好ましい。さらに、シリンダの肉厚を厚くし、その材質は、高圧による破損を防止するため、窒化鋼などの柔軟性のある材質を用いることが好ましい。また、シリンダの安全性向上と漏洩防止のため、混練部に対応する部位のシリンダは封止金物の無い中間シリンダとすることが好ましい。
二軸スクリュ押出機のシリンダ内圧力を高圧に保つための手段は、高圧に保つゾーンの上流側と下流側にシリンダ内壁面とのクリアランスの小さいスクリュを配置し、その上流側の樹脂の充満率を高めて、滞留する樹脂によりシールすることが好ましい。
また、二台の押出機を直列に接続し、上流側の押出機において、熱可塑性樹脂組成物と微細フィラーや低分子有機化合物を混合・混練し、下流側の押出機にて不純物質を脱揮除去する場合、上流側の押出機と下流側の押出機の間にギアポンプ、オリフィス、ゲート等の流量調節手段を設けて押出機内の溶融樹脂の充填率を高め、圧力を保つこともできる。ただし、ギアポンプやゲートなど、滞留部分が生じやすい手段は、樹脂組成物やフィラーが滞留する可能性があるため、スクリュ形状を工夫して樹脂シールしたり、滞留部の少ないオリフィスを用いることが好ましい。
混練部のスクリュ形状は、ニーディングディスクや切り欠きスクリュなど送り能力の弱いスクリュを多く配置することが好ましい。特に、流体との相容性の低い熱可塑性樹脂組成物を共存させる場合や、熱可塑性樹脂組成物との相容性が低いフィラーを混練する場合には、両者が分離することを避けるため、山頂部の長さの長いニーディングディスクや、三条や四条など条数を多くしたニーディングディスクなど、分散能力が高いスクリュ構成にすることが好ましい。さらに、液体を共存させるゾーンも長くすることが好ましいが、水のように樹脂とほとんど相容性の無い液体の場合は樹脂中に水が細かく分散する最低限の長さがあればよい。剪断がかかることによって劣化し易い熱可塑性樹脂を共存させる場合には、分配性能が高くチップクリアランスが大きいなど、剪断が強くかかりすぎないスクリュ形状とし、共存させるゾーンも短くすることが好ましい。
続いて、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法の実施に用いる装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法に用いる装置の一例を示す説明図である。図1に示すように、二軸スクリュ押出機E1 は、シリンダ1と、シリンダ1内に回転自在に配設された2本のスクリュ2と、2本のスクリュ2を回転させる回転駆動機構3と、シリンダ1の上流端に配設されたフィーダ5が付設されたホッパ4と、シリンダ1の下流端に配設されたダイ8とを有している。
シリンダ1の供給口6側からダイ8側へ向けて順次、可塑化部A、混練部B、減圧ベント部Cを備えている。2本のスクリュ2の混練部Bの上流端および下流端に対応する部位には、それぞれ上流側シールリング7aと下流側シールリング7bが配設されている。
二軸スクリュ押出機E1 のダイ8の下流側には、ストランドバス15を介在させてストランドカッタ14が配設されている。
また、シリンダ1の高圧力対応の混練部Bの上流端に対応する部位には注入口9が設けられており、注入口9には注入管路11を介して二酸化炭素の流体を供給するための定量供給装置10が接続されている。そして高圧下で混練処理ができるように構成されている。
さらに、シリンダ1の減圧ベント部Cに対応する部位にはベント口13が設けられており、ベント口13にはトラップ17が介在された脱気管路16の一端が接続されている。脱気管路16の他端側に接続された真空ポンプ18等の真空発生源を介して急速に減圧して脱気できるように構成されている。
図2は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法に用いる装置の他の例を示す説明図である。図2に示すように、混練・溶融用の二軸スクリュ押出機E2 の吐出口51と、脱気用の押出機E3 の供給口52とを吐出管路50を介して接続したタンデム型のものである。
混練・溶融用の二軸スクリュ押出機E2 は、シリンダ31aと、シリンダ31a内に回転自在に配設された2本のスクリュ32aと、2本のスクリュ32aを回転させる回転駆動機構33bと、シリンダ31aの上流端側に配設されたフィーダ35が付設されたホッパ34と、シリンダ31aの下流端に設けられた吐出口51に連結された吐出管路50とを有している。
シリンダ31aの供給口36側から吐出口51側へ向かって順次、可塑化部A、混練部B1 を備えている。2本のスクリュ32aの高圧力対応の混練部B1 の上流端に対応する部位には上流側シールリング37aが配設されている。
また、シリンダ31bの高圧力対応の混練部B1 の上流端に対応する部位には注入口39が設けられており、注入口39には注入管路41を介して二酸化炭素の液体を加圧して加圧液を供給するための定量供給装置40に接続されている。そして高圧下で混練処理ができるように構成されている。
脱気用の押出機E3 は、シリンダ31bとシリンダ31b内に回転自在に配設されたスクリュ32bと、スクリュ32bを回転させる回転駆動機構とを備えている。シリンダ31bの供給口43側からダイ38側へ向かって、順次混練部B2 と、減圧ベント部Cを有している。スクリュ32bの混練部B2 の下流端に対応する部位は、下流側シールリング37bが配設されている。
さらに、シリンダ31bの減圧ベント部Cに対応する部位にはベント口43が設けられており、ベント口43にはトラップ47が介在された脱気管路46の一端が接続されている。脱気管路46の他端側に接続された真空ポンプ48等の真空発生源を介して急速に減圧して脱気できるように構成されている。
ポリプロピレン樹脂(グランドポリマー VP101)とポリスチレン樹脂(A&M 680)を質量比7:3で添加し、さらに接着性樹脂(旭化成エラストマ社製 タフテック1043)を10重量部をはかり取り、これらをヘンシェルミキサを用いて固体状態で均一に混合する。
次に、これらの混合物を、図1に示したものと同様の重量式供給フィーダおよび二酸化炭素定量供給装置を接続した二軸スクリュ押出機(日本製鋼所製TEX30α L/D59.5 超臨界流体混練仕様)に投入し、溶融させる。ここで使用した二軸スクリュ押出機は小型装置のためシリンダを4本のタイバーで結合させているが、20MPaの樹脂圧力に耐えられるように高強度の材質を使用し、許容締め付けトルクをあげている。
また、液体の漏洩防止と安全性向上を目的に、混練部の上流側シールリングから下流側シールリングまでの間をすべて封止金物無しの中間シリンダとし、かつ連結されるシリンダ間には金属製シールリングが設置されている。さらに、ダイから出たストランドを冷却するストランドバスと、ストランドを所定の長さに切断するストランドカッタ(日本製鋼所製 LN−150)が配置されている。
二軸スクリュ押出機を運転しながら徐々に吐出量を増やし、混練部の圧力が8〜10MPaとなった時点で定量供給装置から二酸化炭素の液体を一定量になるように供給し、シリンダ温度を調整することで、所定の樹脂圧力(シリンダ内圧力)とする。そして、15分〜20分後、樹脂温度をはじめすべての温度・圧力が安定した時点でペレットを採取した。なお、ストランド状に成形することが困難な場合は、吐出した樹脂を一定の長さに切断して採取した。
得られた資料を前処理し、分散状況を顕微鏡を用いて観察した。その方法は次の通りである。
(イ)レーザ顕微鏡による表面観察
(1)得られたストランドを流れと垂直方向(流れと垂直方向)および水平方向(流れ方向)に切断し、ミクロトームを用いて平滑面を作成する。
(2)クロロホルムに試験片を浸漬し、ポリスチレンを溶出させる。
(3)洗浄・乾燥後、レーザ顕微鏡(キーエンス VK9510)で表面を観察し、スチレン脱落後の痕跡から分散状態を評価した。
(ロ)透過型電子顕微鏡観察による分散状況の観察
(1)得られたストランドを流れと垂直方向(流れと垂直方向)および水平方向(流れ方向)に切断し、ミクロトームを用いて平滑面を作成する。
(2)四酸化ルテニウム0.5%水溶液に1晩含浸させた後、ミクロトームを用いて薄片を作成後、透過型電子顕微鏡(日本電子 J1200EX)を用いて観察を行った。
(ハ)低温衝撃強度(アイゾット衝撃強度)の測定
(1)射出成形機(日本製鋼所製 J110AD)を用い、試験片金型により測定用試験片を成形する。
(2)機械切削によりノッチ加工した試験片を用い、JIS K7110に準拠して衝撃試験を行った。なお、その際試験片の温度は−30℃とした。
Figure 0004790517
PP:ポリプロピレン
PS:ポリスチレン
EPDM:エチレンブタジエン
本実施例によれば、熱可塑性樹脂組成物中に含まれる揮発性成分を低濃度まで除去することができる。
まず、ポリエチレン樹脂(スミカセンF200)にドデカン(和光純薬 特級)を重量比で500ppmとなるように添加し、1週間密閉容器内で保持する。
次に、これらの混合物を、重量式供給フィーダ(日本製鋼所製)および定量供給装置(昭和炭酸製)を接続した二軸スクリュ押出機(日本製鋼所製TEX30α L/D59.5 超臨界流体混練仕様)に投入し、溶融させる。
ここで使用した二軸スクリュ押出機は小型装置のためシリンダを4本のタイバーで結合させているが、実施例1のサンプル1〜4で用いた装置と同様に、20MPaの樹脂圧力(シリンダ内圧力)に耐えられるように高強度の素材を使用し、許容締め付けトルクをあげている。
また、流体の漏洩防止と安全性向上を目的に、混練部の上流側シールリングから下流側シールリングまでの間をすべて封止金物無しの中間シリンダとし、かつシリンダ間には金属製シールリングが設置されている。さらに押出機の下流には、ダイから出たストランドを冷却するストランドバスと、ストランドを所定の長さに切断するストランドカッタ(日本製鋼所製 LN−150)が配置されている。
押出機を運転しながら徐々に吐出量を増やし、混練部の圧力が8〜10MPaとなった時点で定量供給装置から二酸化炭素を一定量になるように供給し、シリンダ温度を調整することで、所定の樹脂圧力とする。そして、15分〜20分後、樹脂温度をはじめすべての温度・圧力が安定した時点でペレットを採取した。なお、ストランド状に成形することが困難な場合は、吐出した樹脂を一定の長さに切断して採取した。
得られた資料を速やかにクリマコール社製バイアルビンに秤取して密閉し、島津製作所製ガスクロマトグラフ(GC−2014、カラム:NEUTRABOND−10.25 ID×30m)およびパーキンエルマー製ヘッドスペース式オートサンプラーを用いてペレットに残存しているドデカン(C12)を定量した。
Figure 0004790517
PE:ポリエチレン
本発明に係る一実施の形態による熱可塑性樹脂組成物の製造方法の実施に用いる装置の一例を示す説明図である。 本発明に係る他の実施の形態による熱可塑性樹脂組成物の製造方法の実施に用いる装置の他の例を示す説明図である。 サンプル1の透過型電子顕微鏡写真(断面方向)である。 サンプル2の透過型電子顕微鏡写真(断面方向)である。 比較例1の透過型電子顕微鏡写真(断面方向)である。 比較例2の透過型電子顕微鏡写真(断面方向)である。
符号の説明
1、31a、31b シリンダ
2、32a、32b スクリュ
3、33a、33b 回転駆動機構
4、34 ホッパ
5、35 フィーダ
6、36、52 供給口
7a、37a 上流側シールリング
7b、37b 下流側シールリング
8、38 ダイ
9、39 注入口
10、40 定量供給装置
11、41 注入管路
12、42 タンク
13、43 ベント口
14、44 ストランドカッタ
15、45 ストランドバス
16、46 脱気管路
17、47 トラップ
18、48 真空ポンプ

Claims (1)

  1. ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、ポリマーとフィラーの混合物のうちのいずれかである熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
    シリンダおよび前記シリンダ内に回転自在に配設された2本のスクリュを有し、前記シリンダに設けられた上流の供給口から下流のダイヘ向かって順次、可塑化部、混練部、減圧ベント部を備えた二軸スクリュ押出機を用い、
    前記供給口より前記熱可塑性樹脂組成物の主材料および副材料を定量供給して前記可塑化部で溶融したのち、前記混練部において二酸化炭素の液体を注入してシリンダ内圧力を10MPa以上20MPa未満の高圧にして混練し、ついで前記減圧ベント部においてベント口を介して真空吸引することによって3MPa/sec以上10GPa/sec未満の圧力勾配で急速減圧を行って前記二酸化炭素を脱気除去したのち前記ダイより押し出すこと、を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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