JP4790374B2 - 真空弁 - Google Patents
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Description
このような用途に使用される真空弁は、一般的に、流路を開閉する弁部材にシリンダのロッドを接続し、シリンダのピストン運動によって駆動するように構成されている。
真空弁を開閉させる駆動力にシリンダを用いているのは、比較的単純な構造で大きな推力を出すことが安価に実現できるためである。
このような真空弁のシリンダの駆動方式は、ノーマルクローズタイプ、ノーマルオープンタイプ、復動タイプの3種類があり、それぞれ用途に合わせて選定される。
ノーマルクローズタイプの真空弁は、片側の弁室に駆動エアを供給し、片側にバネを用いることでシリンダを駆動することができ、駆動エアを供給しない場合、真空弁は閉状態となる。従って、電源が落ちてエアが抜けた場合に真空弁を閉じることで、安全サイドに働く場合に用いられる。
また、復動タイプの真空弁は、両側の弁室に駆動エアを供給して弁を開閉する。このような復動タイプの真空弁は、使用者の安全の考え方の違いから、電源が落ちた場合に駆動エアの圧力によって確実に真空弁を遮断したい場合等に使用される。
この3種類の方式のうち、最も良く使用されるのがノーマルクローズタイプである。ただし、ノーマルオープンタイプ、復動タイプも製造ラインの設計によっては必要とされて、需要がある。しかしながら、需要はそれほど多くないため、専用設計の部品を用意したのでは、ノーマルオープンタイプと復動タイプのコストが高くなってしまう。
このような事情から、真空弁はノーマルクローズタイプを基準に設計し、ノーマルオープンタイプや、復動タイプの駆動方式についても、例えば、シリンダ内径を共通化する等、ノーマルクローズタイプと部品を共通化していることで、低コスト化を図っている。
特許文献1の真空弁は、図11に示すような高真空用バルブの定荷重シール装置であり、定荷重でシールするために板バネを採用している復動タイプの真空弁である。
特許文献1の真空弁は、弁ボディ100の弁室111に菅部を介して連通する複数のポートが形成され、弁棒119を作動させるアクチュエータが弁ボディ100に隣接して配接されている。弁室111と一方の菅部を結ぶ流路に弁座が形成され、弁棒119の基端の弁体に装着したシールゴムを弁座に接触させることにより流路が閉じられ、弁体のシールゴムを弁座から離すことによって流路が開かれる。
アクチュエータの駆動力が駆動部材125から板バネ101を介して弁棒119に伝達され、駆動部材125は弁棒119の周りに往復自在に装着されるとともに移動量が規制されており、駆動部材125から弁棒119に伝達される荷重が所定量を越えないようにされている。
シールゴムには最適ツブシ代があり、ツブシ代不足の時はリークが発生し、ツブシ代過大の時はゴムの劣化が促進される。そして、最適ツブシ代に維持しようとする場合には加圧気体の使用圧力を狭い範囲に限定する必要がある。
しかし、最適ツブシ代を維持するために設定した加圧気体の圧力では、真空弁を開状態にするための推力が得られず、真空弁を開状態に出来ない。そこで特許文献1では、真空弁を開状態に出来るように加圧気体の圧力範囲を決定し、真空弁を閉状態にする際には駆動部材125から弁棒119に伝達される荷重が所定量を越えないように板バネ101を設けてその荷重の一部を吸収し、シールゴムの最適なツブシ代を維持しているのである。
特許文献2の真空弁は、図12に示すような開度を調整可能な2ポート真空弁であり、シリンダ機能を2つ組み合わせることで開度調整が可能となっている。
特許文献2の真空弁は、シリンダ202のピストン室202a内に第1ピストン215と第2ピストン232とを収容し、第1ピストン215は主流路206を開閉する主弁部材214に連結し、第2ピストン232は、位置調節自在のストッパ243を備えた第2ロッド242に連結し、第2圧力室240に圧力流体を供給して第2ピストン232をストッパ243が当接部239bに当接するまで前進させ、その状態で第1圧力室229に圧力流体を供給して第1ピストン215を第2ピストン232に当接する位置までストロークさせることにより、主弁部材214をこの第1ピストン215のストロークX分だけ開弁させる。
また、上記主流路206を制限的に開閉する副弁機構208を有しており、第1ピストン215内に副ピストン248を備え、主弁部材214に設けられた副流路206Aの開閉を行うことで、真空弁に接続される真空チャンバのスロー排気を実現している。
すなわち、第1ピストン215と第2ピストン232を組み合わせ、それぞれ自在にストローク可能とすることで、弁体を3位置で任意に止めることが可能であり、かつ副流路206Aを設け、副ピストン248により開閉することでスロー排気を実現する構造となっている。
(1)復動タイプ真空弁において、弁閉時の最適荷重範囲に設定が出来ない。
前述したように、コストや保守部品管理等の観点から、ノーマルクローズタイプ、ノーマルオープンタイプ、復動タイプの真空弁は、部品を共通化している。
しかしながら、部品を共通化することで問題も発生する。
真空弁において、弁の開閉推進荷重は、真空弁に備えられるピストンの受圧面積と駆動エアの圧力の積で決定される。
復動タイプのシリンダを駆動装置に採用している場合、弁開時はシリンダ内径からロッド外径の差がピストンの受圧面積となり、ピストンを上昇させる力と、弁体内に流れる流体の圧力に打ち勝つ力が必要になる。一方、弁閉時はシリンダ内径がピストンの受圧面積となり、ピストンを下降させる力、及び弁体に備えられるシールゴムを押し潰すための力を必要とする。真空弁にベローズを備える場合には、更に弁開時、弁閉時共にベローズを伸縮する力を必要とする。
即ち、復動タイプの真空弁において、弁開時と弁閉時の最適荷重範囲は異なり、通常、弁開時に必要とする力の方が、弁閉時に必要とする力よりも大きい。設計によっては、弁開時と弁閉時で必要とする力が数倍も異なる場合もある。
ただし、真空弁は弁を開閉できなければ機能を果たさないため、より力が必要となる弁開時に合わせて設計されることになる。
すなわち、押し潰されたシールゴムの復元力によって弁座の全周をシールし、流体を遮断している。
しかし、シールゴムの弾性力は、真空弁開閉時に繰り返し潰されることで、失われてゆき、シールゴムが潰れた状態になり、シールができなくなる。このような劣化は、シールゴムに過大な力がかかると起こりやすい。シールゴムの劣化は真空弁の流体遮断の性能の低下につながり、真空弁としての機能を果たさなくなるため、シールゴムが劣化してしまった場合には、シールゴムの交換が必要となる。
すなわち、弁閉時の力を最適化していない場合、シールゴムの劣化が早くなってしまい、頻繁にシールゴムの交換をしなければならないという問題があった。
特許文献1では、この問題に対して、板バネ101を用いることで課題を解決しようとしている。
なお、特許文献2の発明は、シール荷重調整目的ではないため、このような問題の解決手段とはならない。
ところが、特許文献1で(1)の問題を解決するために用いられる板バネ101は、真空弁に板バネ101を組みつける際に、板バネ101のたわみ代とシールゴムのツブシ代との関係を調整する必要がある。特許文献1にはそのような記載は直接的にはないが、実際に製品誤差等について考えると、シールゴムとして使用しているOリング製品誤差が機械加工したものに比べて大きく、最適ツブシ代を得るためのピストンの位置は一定ではない。一方、板バネ101は比較的大きなバネ定数を持ち、わずかな変形量の変化で発生加重が大きく変わる性質を持つため、適切なツブシ代を得るためには、調整機構を有し、組みつけ時の調整が必要であると考えられる。
しかし、このような調整は、板バネ101のツブシ代を、製品の個体差にあわせて微調整をすることを意味するので、適切な範囲に調整する作業は手間がかかる。
このような調整作業は、組み付け時に必要となるため、組み立てコストが増加し、製品のコストアップを招く結果となるため、好ましくない。
この方法であれば、シール部材35とOリング300と両方の弾性体で弁体の推力を受けるので、シール部材35にかかる力は減殺され、特許文献1の方法よりも構造が簡単になるため、安価にできあがるメリットがある。しかし、シール部材35とOリング300の位置関係が重要であるため、ツブシ代の調整が必要となる。
従って、構造は簡単になった分、特許文献1よりも安価にできあがるが、やはり調整は必要であるため、組み立てコストがかかるという点においては変わらない。
ただし、駆動エアからの押圧力を抑えるためにシリンダの径を小さくし、ピストンの受圧面積を減らすと、流路遮断時のシールゴムへの負担は軽減されるが、流路連通時に弁体を動作させる力も減少してしまう結果となる。従って、真空弁に接続される真空チャンバや真空ポンプで使用する真空圧によっては、流路解放時に弁体を持ち上げられなくなり、駆動エアの圧力をあげる必要が発生し、別途増圧弁等を用意して、昇圧回路を組む必要も出てくる。すなわち、駆動エアの圧力を小さくしたり、受圧面積を小さくしたりすることは、作動に影響し、他の問題発生の一因となる。
弁体に備えられたシールゴムに必要以上の力がかかると、シールゴムの寿命が短くなり、メンテナンスを頻繁に行わなければならない等の問題が発生し、使用者に負担をかけることになり問題である。
(1)弁本体に接続され、可動軸を内部に備えるシリンダと、前記弁本体に形成される第1ポートと、前記弁本体に形成され前記第1ポートと連通する第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートを連通する流路に形成される弁座と、前記可動軸に接続され前記弁座と当接及び離間するシール部材を備える弁体と、を有する真空弁において、前記シリンダが、前記可動軸に結合され、受圧面積が前記シリンダの円筒内面断面積より小さい第1ピストンと、前記可動軸と係合し圧力流体の力によって間接的に前記第1ピストンを移動させる第2ピストンを備え、前記シリンダに備えられる第1操作ポートに前記圧力流体が供給されることで、前記第1ピストン及び前記第2ピストンが受圧し、前記第1ピストンは、前記第2ピストンの内部に備えられた凹部内壁を摺動し、前記第2ピストンは、前記シリンダの円筒部内壁面を摺動することで、前記第1ピストン及び前記第2ピストンが移動し、前記第2ピストンが、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側の第2ピストン用ストッパに当接した際、前記第1ピストンは、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側の第1ピストン用ストッパとの間に空間を有するので、さらに前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側に移動し、前記第1ピストンの押圧力のみが前記弁座に当接する前記シール部材への押付荷重となり、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断すること、前記第1ピストンが、前記シリンダの前記円筒部内壁面と摺動する支持部を持ち、前記支持部が、前記第1操作ポート側にあって、前記支持部に、前記圧力流体を通過させるための通気部を備えることを特徴とする。
また、ここでいう「シール部材」とは、例えばOリングの様な弾性部材や、メタルシールなどを含むシールする機能を有する部材である。本発明の場合は、弁体に備えられたシール部材を弁座に当接させ、押し潰すことにより弁座との隙間を無くし、シールを行う。Oリングのような弾性部材は、押圧力によってOリングを潰すことによってシール機能を発生する。メタルシールの場合は、Oリングの場合ほど変形しないため、弁体と弁座との平行度と、ぞれぞれの平面度を要求されるが、微視的に見ればメタルシールは押圧されて変形し、シール機能を発生する。従って、流体を遮断する機能はどちらの場合でも果たし得る。なお、一般的には加工コスト等を下げるために、Oリングのように変形量の多いシール部材が用いられている。
(1)弁本体に接続され、可動軸を内部に備えるシリンダと、前記弁本体に形成される第1ポートと、前記弁本体に形成され前記第1ポートと連通する第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートを連通する流路に形成される弁座と、前記可動軸に接続され前記弁座と当接及び離間するシール部材を備える弁体と、を有する真空弁において、前記シリンダが、前記可動軸に結合され、受圧面積が前記シリンダの円筒内面断面積より小さい第1ピストンと、前記可動軸と係合し圧力流体の力によって間接的に前記第1ピストンを移動させる第2ピストンを備え、前記シリンダに備えられる第1操作ポートに前記圧力流体が供給されることで、前記第1ピストン及び前記第2ピストンが受圧し、前記第1ピストンは、前記第2ピストンの内部に備えられた凹部内壁を摺動し、前記第2ピストンは、前記シリンダの円筒部内壁面を摺動することで、前記第1ピストン及び前記第2ピストンが移動し、前記第2ピストンが、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側の第2ピストン用ストッパに当接した際、前記第1ピストンは、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側の第1ピストン用ストッパとの間に空間を有するので、さらに前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側に移動し、前記第1ピストンの押圧力のみが前記弁座に当接する前記シール部材への押付荷重となり、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断すること、前記第1ピストンが、前記シリンダの前記円筒部内壁面と摺動する支持部を持ち、前記支持部が、前記第1操作ポート側にあって、前記支持部に、前記圧力流体を通過させるための通気部を備えることを特徴とするので、弁開時と弁閉時の両方において弁体にかかる荷重範囲を最適化できるという優れた効果を奏する。
また、前記第1ピストンが、前記シリンダの前記円筒部内壁面と摺動する支持部を持ち、前記支持部が、前記第1操作ポート側にあって、前記支持部に、前記圧力流体を通過させるための通気部を備えることを特徴とするので、弁体を弁座に当接させる際に、可動軸の半径方向への振れを抑えることができ、弁体に備えるシール部材を弁座に均等な力をかけて当接させることが可能となる。
また、第1ピストンの受圧面積に関しては、第1ピストンに通気部を設けることで、シリンダチューブの円筒内面断面積よりも小さくすることが可能となる。
真空弁の弁開時においては、第1ピストンと第2ピストンによって行われるので、圧力流体の操作圧P1とシリンダの内径と可動軸の外径の差の受圧面積A2との積A2P1によって決定される。
一方、真空弁の弁閉時においては、第2ピストンは、弁体に備えられるシール部材が弁座に当接する前に第2ピストン用ストッパに当接し、シリンダの円筒内面断面積よりも小さい第1ピストンの受圧面積A1と操作圧P1との積A1P1の押圧力で、弁座に当接するシール部材への押付荷重を加えるため、シール部材に最適な荷重範囲での押圧が可能となる。
即ち、弁開時には受圧面積A2で、弁閉時には受圧面積A1で、圧力流体の操作圧P1を受け、受圧面積が異なることで、それぞれの最適荷重範囲が設定しうる。
以下、本発明の第1実施例について図面を用いて説明する。最初に第1実施例の構成について説明する。
図1は、第1実施例の真空弁の閉状態の断面図を示している。図2は、第1実施例の真空弁の開状態の断面図を示している。
また、図3及び図4は、真空弁の閉状態における、拡大図を示している。
真空弁1は、図1に示すように、弁部11とシリンダ部12の2つの部分からなり、弁部11は、中空部を有するステンレス又はアルミニウム製の加工品である弁本体31からなり、内面にガス溜まりが出来ないように隙間や凹凸部無く一体的に形成されている。また、シリンダ部12は円筒内面21aを有するシリンダチューブ21からなり、アルミニウム製の押出成形品である。弁部11とシリンダ部12はボルト等によって着脱可能に締結されている。
図1及び図2に示される弁本体31の内部であって、第1ポート部材41の第1ポートフランジ部41aと対向する端部には、弁座部34が設けられ、シール部材35を着脱自在に有する弁体24が当接、離間する。
シール部材35はフッ素ゴム製のOリングであり、弁体24にシール固定部材24aによって変形可能に取り付けられている。
このシール固定部材24aは、弁体24にボルトによって締結される。シール固定部材24aが弁体24に取り付けられた状態の断面は、アリ溝状であり、シール部材35を保持する空間となっている。このアリ溝状の空間の深さは、シール部材35の断面直径よりも浅い。すなわち、シール部材35が弁体24に取り付けられた状態では、弁体24の弁座部34側の面にシール部材35が円周状に飛び出している状態となる。
そして、弁体24が弁座部34に当接することによって、シール部材35は全周にわたって押しつぶされ、その復元力により、シール機能を発揮する。
弁体24は、可動軸23と接続され、可動軸23はシリンダ部12によって、駆動する。
弁体24とシリンダ部12の間には、金属ベローズ36が設けられている。
金属ベローズ36は、ステンレス製の伸縮自在な形状をしており、可動軸23がスライドする際に発生するパーティクルを、第1ポート32と第2ポート33が連通する流路内に落とさないように、金属ベローズ36の端部は弁本体31と弁体24に、それぞれ気密に取り付けられている。
図1及び図2に示されるシリンダチューブ21には、第1操作ポート25と第2操作ポート26が設けられ、第1操作ポート25は第1シリンダ室27と、第2操作ポート26は第2シリンダ室28と連通している。そして、第1操作ポート25及び第2操作ポート26に取り付けられる図示しない継ぎ手によって、エアチューブに接続され、さらに電磁弁を介しコンプレッサに接続される。
可動軸23は、シリンダチューブ21に凸設される可動軸保持部21bに摺動可能に保持されており、可動軸保持部21bには可動軸保持パッキン21cが設けられて、可動軸23が摺動することによって、パーティクルが発生しづらいようになっているとともに、金属ベローズ36内に駆動エアの圧力がかかることを防止している。
第1ピストン45には円筒状の凸部が形成され、第2ピストン46には円筒状の凹部摺動面46cが形成され、嵌り込むようになっている。
また、第1ピストン45の凸部には第1摺動パッキン45aが嵌め込まれ、第2ピストン46の凹部摺動面46cを摺動する。
第1ピストン45には、円筒内面21aとの接触部にウェアリング45bが設けられている。さらに、第1ピストン45には、流体通過穴45cが複数設けられている。
また、第2ピストン46は、第1ピストン45に接続される可動軸23が貫通して、第1ピストン45とシリンダチューブ内当接面21dの間に設けられており、可動軸23には、段差が設けられて、可動軸23の、シリンダチューブ内当接面21dとの摺動部より一段細くなった部分である段差部23aに、第2ピストン46の係合部46fが係合している。
可動軸23と第2ピストン46の間には隙間S1が設けてあり、図5にその拡大図が示されている。この隙間S1は、弁体24が図面に対して左右に振れた場合であっても、可動軸23と第2ピストン46が干渉しない程度のクリアランスとなっている。
さらに、可動軸23の段差部23aからさらに1段細くなった部分でネジが切られ、第1ピストン45が結合されている。
ただし、可動軸23の段差部23aから端部当接面45dまでの距離より、第2ピストン46の係合部46fの厚みは、若干薄くなっており、図2のピストン部22上昇端において、第2ピストン46は図面で見て上下に動くだけのクリアランスがある。図1のピストン部22下降端においても、同様である。このクリアランスは、弁体24の備えるシール部材35のツブシ代よりもよりも大きい。
図3には第2ピストン46の第2ピストン下面46dが、シリンダチューブ内当接面21dに当接した状態における、第1ピストン45の移動上端の位置を示している。
この移動上端の位置は、図5に示すように段差部23aと係合部46fとのクリアランスによって決定する。
また、図4には、第2ピストン46の第2ピストン下面46dが、シリンダチューブ内当接面21dに当接した状態における、第1ピストン45の移動下端の位置を示している。
すなわち、図1で示す真空弁1の閉状態のうち、第1ピストン45が第1シリンダ室27に供給された駆動エアによって、圧力を受け、第1ピストン45に可動軸23を介して接続される弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接し、第1ピストン45は可動軸23と弁体24を介してシール部材35に対して押圧力を伝えている。
すなわち、弁座部34にシール部材35が当接し、適度なツブシ代を与えられている状態において、段差部23aと係合部46fの関係が第1クリアランスX1と第2クリアランスX2をもって存在しているため、第2ピストン46は可動軸23に力を伝えず、可動軸23に直接接続される第1ピストン45のみがシール部材35に押圧力を加える状態に、可動軸23、弁体24、シール部材35、第1ピストン45、第2ピストン46の形状寸法が決定されている。
まず、真空弁1が開状態になる場合について説明する。
図1に示す状態で、第2操作ポート26に駆動エアが供給されると、第2シリンダ室28に駆動エアが流入し、第1シリンダ室27からエアが排気されるので、図1の図面上側に向けてピストン部22は上昇することになる。
この時、シリンダチューブ内当接面21dと当接していた第2ピストン下面46dが、駆動エアのエア圧により押し上げられ、第2ピストン46は、図2に示すように、シリンダチューブ端部当接面21eと、弁体当接面24dが当接するまで移動する。
これによって、図2の状態となり、第1ピストン45に可動軸23を介して連結される弁体24は、弁座部34と離間し、第1ポート32と第2ポート33が連通するため、真空弁1は開状態となる。
このように、真空弁1が開状態となるので、例えば第1ポート32に図示しない真空チャンバが、第2ポート33に図示しない真空ポンプが接続されていれば、真空ポンプによって、真空チャンバ内の流体を排気することが可能となる。
図2に示す状態で、第1操作ポート25に駆動エアが供給されると、第1シリンダ室27に駆動エアが流入し、第2シリンダ室28からエアが排気されるので、図2の図面下側に向けてピストン部22は下降することになる。
第1シリンダ室27に流入した駆動エアは、第1ピストン上面45eを押し、図面下側に第1ピストン45を移動させる。
また、第1ピストン45には流体通過穴45cが設けられているので、第1シリンダ室27に流入した駆動エアは第2ピストン上面46gも押すことになり、第2ピストン46も図面下側への力を発生する。
なお、第1ピストン45の受圧面積は、流体通過穴45cによって下面にも圧力流体が流入するため、流体通過穴45cの穴の大きさが十分大きければ、第1ピストン上面45eの面積ではなく、第2ピストン46に設けられた凹部摺動面46cを形成する円筒の断面積と等しい。従って、第1ピストン45と第2ピストン46の受圧面積の和はシリンダチューブ内当接面21dが形成する円筒の断面積と等しくなる。
このようにしてピストン部22は図面下側に移動する。
従って、第1ピストン45がシリンダチューブ内当接面21dに当接するタイミングと、第2ピストン46が第1ピストン45の端部当接面45dに当接するタイミングも、前述のバランスによって左右される。
この場合、第2ピストン46の第2ピストン下面46dがシリンダチューブ内当接面21dに当接することによって、それ以上第2ピストン46は図面下側に動けないので、第1ピストン45のみが図面下側への力を弁体24に伝えることとなり、弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接した時点で、第1ピストン45のみの押圧力によって、シール部材35は潰されることになる。
この場合も、第2ピストン46の第2ピストン下面46dがシリンダチューブ内当接面21dに当接することによって、それ以上第2ピストン46は図面下側に動けないので、第1ピストン45のみが図面下側への力を弁体24に伝えることとなり、弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接した時点で、第1ピストン45のみの押圧力によって、シール部材35は潰されることになる。
このようにどちらの場合でも、シール部材35が弁座部34に当接した状態では、第1ピストン45からの押圧力のみがシール部材35にかかることになる。
まず、前述のように第1操作ポート25から供給された駆動エアが、第1シリンダ室27に供給されることで、図3のように、第2ピストン46の第2ピストン下面46dは、シリンダチューブ内当接面21dに当接する。
この際に、第1シリンダ室27に供給される駆動エアは、第1ピストン45の流体通過穴45cを通過して、第2ピストン46の第2ピストン上面46gに圧力を加えているので、シリンダチューブ内当接面21dを押し続けるが、第2ピストン46は移動下限にいるので、第2ピストン46の係合部46fから、可動軸23の段差部23aに力を伝えなくなる。
第1ピストン45の移動下限は、第1ピストン45に可動軸23を介して接続される弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接し、適当なツブシ代をもった状態、即ち、図5に示される、段差部23aと係合部46fの関係が、第1クリアランスX1及び第2クリアランスX2が出来る状態である。
この状態で、第1シリンダ室27に駆動エアが供給されることにより、第1ピストン45に与えられる推力と、シール部材35が適当なツブシ代をもって潰されることによって発生する反力が釣り合い、シール部材35には、過大な力がかからない。
即ち、真空弁1の閉状態では、第2ピストン46は移動下限にあり、第1クリアランスX1及び第2クリアランスX2が出来ることで、可動軸23に推力を伝えておらず、第1ピストン45のみがシール部材35に押圧力を加えることになる。
第1ピストン45の駆動エアからの圧力の受圧面積は、第1ピストン45が流体通過穴45cを備えるため、第2ピストン46の凹部摺動面46cの断面積と等しくなる。従って、第1ピストン45の受圧面積はシリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積よりも小さいので、シール部材35に加えられる押圧力は、シリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積全体が発生する押圧力よりも小さくすることが可能になる。
前述したように、真空弁1が閉状態である場合に、第1ピストン45から発生する推力のみで弁体24に備えるシール部材35を押しつぶしており、シール部材35を適度な力で押しつぶすことが可能になる。
従って、シール部材35を過剰な力で押すことが無くなり、シール部材35の寿命を延ばすことに繋がる。
真空弁1の開閉を繰り返す度に、シール部材35は弁座部34に押しつけられて変形するが、過剰な力で押しつけられることは、シール部材35を劣化させ、寿命を短くする。
これにより、シール部材35の交換等の作業を使用者に強いることになるが、本発明の真空弁を用いることで、シール部材35への押圧力などの負荷を減らすことが可能であり、寿命が延びるので、交換頻度を減らすことが可能となり作業者への負担を減らすことが出来る。
また、シール部材35への押付荷重は、第1ピストン45の受圧面積と駆動エアの操作圧によって決定されるため、部品素材強度や、寸法のバラツキの影響はほとんど無くなる。第1ピストン45の受圧面積は、設計によって決定されるからである。従って真空弁1を組み付ける際に、特許文献1の場合に考えられるような調整は必要がない。すなわち、生産時のコストを下げることが可能となる。
(1)弁本体31に接続され、可動軸23を内部に備えるシリンダ部12と、弁本体31に形成される第1ポート32と、弁本体31に形成され第1ポート32と連通する第2ポート33と、第1ポート32と第2ポート33を連通する流路に形成される弁座部34と、可動軸23に接続され弁座部34と当接及び離間するシール部材35を備える弁体24と、を有する真空弁1において、シリンダ部12が、可動軸23に結合され、受圧面積がシリンダ部12の円筒内面断面積より小さい第1ピストン45と、可動軸23と係合し圧力流体の力によって間接的に第1ピストン45を移動させる第2ピストン46を備え、シリンダチューブ21に備えられる第1操作ポート25に圧力流体が供給されることで、第1ピストン45及び第2ピストン46が受圧し、第1ピストン45は、第2ピストン46の内部に備えられた第2ピストン46の凹部摺動面46cを摺動し、第2ピストン46は、シリンダチューブ21の円筒内面21aを摺動することで、第1ピストン45及び第2ピストン46が移動し、第2ピストン46が、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側のシリンダチューブ内当接面21dに当接した際、第1ピストン45は、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側の第2ピストン46の凹部当接面46eとの間に第1クリアランスX1を有するので、さらに第1ポート32と第2ポート33を遮断する側に移動し、第1ピストン45の押圧力のみが弁座部34に当接するシール部材35への押付荷重となり、第1ポート32と第2ポート33を遮断することを特徴とするので、真空弁1の弁開時と弁閉時の両方において弁体にかかる荷重範囲を最適化できるという優れた効果を奏する。
真空弁1の弁開時においては、第1ピストン45と第2ピストン46によって行われるので、圧力流体の操作圧P1とシリンダチューブ21の内径と可動軸23の外径の差の受圧面積A2との積A2P1によって決定される。
一方、真空弁の弁閉時においては、第2ピストン46は、弁体24に備えられるシール部材が弁座部34に当接する前にシリンダチューブ内当接面21dに当接し、シリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積よりも小さい第1ピストン45の受圧面積A1と操作圧P1との積A1P1の押圧力で、弁座部34に当接するシール部材35への押付荷重を加えるため、シール部材35に最適な荷重範囲での押圧が可能となる。
即ち、弁開時には受圧面積A2で、弁閉時には受圧面積A1で、圧力流体の操作圧P1を受け、受圧面積が異なることで、それぞれの最適荷重範囲が設定しうる。
これによって、真空弁1の弁開時には弁本体31内に流れる流体の圧力に打ち勝って弁を開くための最適荷重範囲に、弁閉時にはシール部材35のツブシ代を最適にできる最適荷重範囲に設定でき、シール部材35の長寿命化が図れる。
すなわち、(1)の発明によって、弁開時と弁閉時の両方において弁体にかかる荷重範囲を最適化できると共に、長寿命化、低コスト化をはかれるという優れた効果を奏する。
従って、シリンダチューブ21の内径を小さくせずにシール部材35への負担軽減を実現しているので、駆動エアの圧力を高くする必要がない。
さらに、弁体24に備えられるシール部材35の長寿命化が図れることで、真空弁1のメンテナンスの回数を減らすことが可能となり、使用者への負担を減らすことが可能となる。
また、ピストンを組み合わせて用いるという単純な構造により、シール部材35の長寿命化を実現しているために製造コストを削減可能である。
また、第1ピストン45の受圧面積に関しては、第1ピストン45に流体通過穴45cを設けることで、シリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積よりも受圧面積を小さくすることが可能となる。
次に、第1参考例について図面を用いて説明する。最初に第1参考例の構成について説明する。
図7は、第1参考例の真空弁の閉状態の拡大断面図を示している。
第1参考例は、第1実施例の変形例であるため、大まかな構成は第1実施例と同様であり、第2実施例と第1実施例の差はピストン部22の部分の構造の違いである。従って、構成の違うピストン部22について説明を行う。他の部分は同様であるため、説明を省略する。図7においても、第1実施例と構成の違う特徴部分を拡大して図示している。
ピストン部22は、第1ピストン45と第2ピストン46の2つのピストンで構成されている。
第1ピストン45は、第2ピストン46と可撓膜の一例であるダイアフラム膜47で接続され、第2ピストン46の備える凹部よりも径が小さく、第2ピストン46の凹部に入り込む状態で備えられる。また、第1ピストン45は可動軸23に接続されている。
一方、第2ピストン46は、シリンダチューブ21の円筒内面21aを摺動するように、第2摺動パッキン46aを備えている。そして、第2ピストン46は、可動軸23が貫通して、第1ピストン45とシリンダチューブ内当接面21dの間に設けられている。可動軸23には段差部23aが設けられており、第2ピストン46の係合部46fが、第1ピストン45の端部当接面45dと段差部23aに挟まれる形で可動軸23の1段細くなった部分に係合している。
係合部46fの厚みは、第1ピストンの端部当接面45dと段差部23aの距離よりも薄く、第2ピストン46は、図7のように第2ピストン46がシリンダチューブ内当接面21dに当接した状態で、第1ピストン45が図面で見て上下に動くだけのクリアランスがある。
なお、作用についても第1実施例とほぼ同様であるため、差異のある閉状態について説明を行う。
第1操作ポート25に駆動エアが供給されると、第1シリンダ室27に駆動エアが流入し、第2シリンダ室28からエアが排気されるので、第1実施例のピストン部22が図2の図面下側に向けて降下したのと同様に、第1参考例のピストン部22も降下する。
そして、図7に示すように第2ピストン46がシリンダチューブ内当接面21dに当接すると、第2ピストン上面46gに駆動エアからの圧力が加えられても、第2ピストン46は移動下限にいるので、第2ピストン46の係合部46fから、可動軸23の段差部23aに力を伝えなくなる。
第1ピストン45の移動下限は、第1ピストン45に可動軸23を介して接続される弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接し、適当なツブシ代をもった状態である。
この状態で、第1シリンダ室27に駆動エアが供給されることにより、第1ピストン45に与えられる推力と、シール部材35が適当なツブシ代を持ってつぶされることによって発生する反力が釣り合い、シール部材35には、過大な力がかからない。
即ち、真空弁1の閉状態では、第2ピストン46は移動下限にあり、可動軸23に推力を伝えておらず、第1ピストン45のみがシール部材35に押圧力を加えることになる。
第1ピストン45の駆動エアからの圧力の受圧面積は、第1ピストン45が流体通過穴45cを備えるため、第2ピストン46の凹部46hの断面積と等しくなる。従って、第1ピストン45の受圧面積はシリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積よりも小さいので、シール部材35に加えられる押圧力は、シリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積全体が発生する押圧力よりも小さくすることが可能になる。
前述したように、真空弁1が閉状態である場合に、第1ピストン45から発生する推力のみで弁体24に備えるシール部材35を押しつぶしており、シール部材35を適度な力で押しつぶすことが可能になる。
従って、シール部材35を過剰な力で押すことが無くなり、シール部材35の寿命を延ばすことに繋がる等の第1実施例と同様の効果が得られる。
ダイアフラム膜47を用いることの利点として、第2ピストン46と摩擦力でなくダイアフラム膜47の復元力のみで接続されているため、第1ピストン45が弱い力で押されている場合にも、可動軸23に力を伝えうる点が上げられる。
なお、第1ピストン45に第1実施例の第1ピストン45の備えるようなウェアリング45bを備えた支持部を備えても良い。この支持部によって可動軸23の振れを抑えることが可能となる。
(1)弁本体31に接続され、可動軸23を内部に備えるシリンダ部12と、弁本体31に形成される第1ポート32と、弁本体31に形成され第1ポート32と連通する第2ポート33と、第1ポート32と第2ポート33を連通する流路に形成される弁座部34と、可動軸23に接続され弁座部34と当接及び離間するシール部材35を備える弁体24と、を有する真空弁1において、シリンダ部12が、可動軸23に結合され、受圧面積がシリンダ部12の円筒内面断面積より小さい第1ピストン45と、可動軸23と係合し圧力流体の力によって間接的に第1ピストン45を移動させる第2ピストン46を備え、第1ピストン45は、第2ピストン46の内側にあって、第1ピストン45の外周と第2ピストン46の内周がダイアフラム膜47で接続され、シリンダ部12に備えられる第1操作ポート25に圧力流体が供給されることで、第1ピストン45及び第2ピストン46が受圧して移動し、第2ピストン46が、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側のシリンダチューブ内当接面21dに当接した際、第1ピストン45は、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側の第2ピストン46の凹部当接面46eとの間に第1クリアランスX1を有するので、さらに第1ポート32と第2ポート33を遮断する側に移動し、第1ピストン45の押圧力のみが弁座部34に当接するシール部材35への押付荷重となり、第1ポート32と第2ポート33を遮断することを特徴とするので、摺動部を無くしダイアフラム膜47で第1ピストン45を動作させることにより第1実施例の真空弁と同等の効果を得た上で、第1実施例の真空弁よりも少ない抵抗で第1ピストン45を動作させることが出来る。
また、第1ピストンの受圧面積に関しては、第1ピストンに通気部を設けることで、シリンダチューブの円筒内面断面積よりも小さくすることが可能となる。
次に、第2参考例について図面を用いて説明する。最初に第2参考例の構成について説明する。
図8は、第2参考例の真空弁の閉状態の拡大断面図を示している。
第2参考例は、第1実施例の変形例であるため、大まかな構成は第1実施例及び第1参考例と同様であり、第1実施例及び第1参考例との差はピストン部22の部分の構造の違いである。従って、構成の違うピストン部22について説明を行う。他の部分は同様であるため、説明を省略する。図8においても、第1実施例と構成の違う特徴部分を拡大して図示している。
ピストン部22は、第1ピストン45と第2ピストン46の2つのピストンで構成されている。
第1ピストン45には、第2ピストン46に設けられる凸部が嵌り込む凹部が設けられており、第1ピストン45は可動軸23に接続されている。なお、第1ピストン45の凹部と、第2ピストン46の凸部は、摺動可能に第1摺動パッキン45aが、第1ピストン45側に設けられている。
一方、第2ピストン46は、シリンダチューブ21の円筒内面21aを摺動するように、第2摺動パッキン46aを備えている。そして、第2ピストン46は、可動軸23が貫通して、第1ピストン45とシリンダチューブ内当接面21dの間に設けられている。可動軸23には段差部23aが設けられており、第2ピストン46の係合部46fが、第1ピストン45の凹部内端面45fと段差部23aに挟まれる形で可動軸23の1段細くなった部分に係合している。
係合部46fの厚みは、第1ピストン45の凹部内端面45fから段差部23aまでの距離よりも薄い。
また、第1ピストン45の凹部内端面45fが凸部端面46iに当接する前に、端部当接面45dが第2ピストン上面46gに当たらないように逃がしてある。
即ち、凹部内端面45fから凸部端面46iまでの距離を第1クリアランスX1、端部当接面45dから第2ピストン上面46gまでの距離を第3クリアランスX3とすると、第1クリアランスX1<第3クリアランスX3の関係になっている。
よって、第2ピストン46は、図8のように第2ピストン46がシリンダチューブ内当接面21dに当接した状態で、第1ピストン45が図面で見て上下に動くだけのクリアランスがある。
なお、第1クリアランスX1と第3クリアランスX3のどちらの距離を短くするかについては、設計事項であるので当接させたい面によって適宜変更すればよい。
なお、作用についても第1実施例及び第1参考例とほぼ同様であるため、差異のある閉状態について説明を行う。
第1操作ポート25に駆動エアが供給されると、第1シリンダ室27に駆動エアが流入し、第2シリンダ室28からエアが排気されるので、第1実施例のピストン部22が図2の図面下側に向けて降下したのと同様に、第1参考例のピストン部22も降下する。
そして、図8に示すように第2ピストン46がシリンダチューブ内当接面21dに当接すると、第2ピストン上面46gに駆動エアからの圧力が加えられても、第2ピストン46は移動下限にいるので、第2ピストン46の係合部46fから、可動軸23の段差部23aに力を伝えなくなる。
第1ピストン45の移動下限は、第1ピストン45に可動軸23を介して接続される弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接し、適当なツブシ代をもった状態である。
この状態で、第1シリンダ室27に駆動エアが供給されることにより、第1ピストン45に与えられる推力と、シール部材35が適当なツブシ代を持ってつぶされることによって発生する反力が釣り合い、シール部材35には、過大な力がかからない。
即ち、真空弁1の閉状態では、第2ピストン46は移動下限にあり、可動軸23に推力を伝えておらず、第1ピストン45のみがシール部材35に押圧力を加えることになる。
第1ピストン45の駆動エアからの圧力の受圧面積は、第1ピストン45が流体通過穴45cを備えるため、第2ピストン46の凸部端面46iの断面積と等しくなる。従って、第1ピストン45の受圧面積はシリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積よりも小さいので、シール部材35に加えられる押圧力は、シリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積全体が発生する押圧力よりも小さくすることが可能になる。
前述したように、真空弁1が閉状態である場合に、第1ピストン45から発生する推力のみで弁体24に備えるシール部材35を押しつぶしており、シール部材35を適度な力で押しつぶすことが可能になる。
従って、シール部材35を過剰な力で押すことが無くなり、シール部材35の寿命を延ばすことに繋がる等の第1実施例と同様の効果が得られる。
第2参考例と第1実施例とは、第1ピストン45と第2ピストン46の凹凸の関係が逆になっているが、このような構成を取った場合においても同様の効果が得られる。
なお、第1ピストン45に第1実施例の第1ピストン45の備えるようなウェアリング45bを備えた支持部を備えても良い。この支持部によって可動軸23の振れを抑えることが可能となる。
(1)弁本体31に接続され、可動軸23を内部に備えるシリンダ部12と、弁本体31に形成される第1ポート32と、弁本体31に形成され第1ポート32と連通する第2ポート33と、第1ポート32と第2ポート33を連通する流路に形成される弁座部34と、可動軸23に接続され弁座部34と当接及び離間するシール部材35を備える弁体24と、を有する真空弁1において、シリンダ部12が、可動軸23に結合され、受圧面積がシリンダ部12の円筒内面断面積より小さい第1ピストン45と、可動軸23と係合し圧力流体の力によって間接的に第1ピストン45を移動させる第2ピストン46を備え、シリンダチューブ21に備えられる第1操作ポート25に圧力流体が供給されることで、第1ピストン45及び第2ピストン46が受圧し、第1ピストン45は、第2ピストン46に備えられた凸部壁面を摺動し、第2ピストン46は、シリンダチューブ21の円筒内面21aを摺動することで、第1ピストン45及び第2ピストン46が移動し、第2ピストン46が、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側のシリンダチューブ内当接面21dに当接した際、第1ピストン45は、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側の凸部端面46i及び第2ピストン上面46gとの間に第1クリアランスX1及び第3クリアランスX3を有するので、さらに第1ポート32と第2ポート33を遮断する側に移動し、第1ピストン45の押圧力のみが弁座部34に当接するシール部材35への押付荷重となり、第1ポート32と第2ポート33を遮断することを特徴とするので、第1実施例の真空弁と同等の効果を得ることが出来る。
また、第1ピストンの受圧面積に関しては、第1ピストンに通気部を設けることで、シリンダチューブの円筒内面断面積よりも小さくすることが可能となる。
次に、本発明の第3参考例について図面を用いて説明する。最初に第3参考例の構成について説明する。
図9は、第3参考例の真空弁の閉状態の拡大断面図を示している。
第3参考例は、第1実施例の変形例であるため、大まかな構成は第1実施例と同様であり、第1実施例との差はピストン部22の部分の構造の違いである。従って、構成の違うピストン部22について説明を行う。他の部分は同様であるため、説明を省略する。図9においても、第1実施例と構成の違う特徴部分を拡大して図示している。
ピストン部22は、第1ピストン45と第2ピストン46の2つのピストンで構成されている。
第1ピストン45には、第2ピストン46が入り込む凹部が設けられており、第1ピストン45は可動軸23に接続されている。また、第2ピストン46には、第1ピストン45の抜け止めとして凹部にストッパ46jが設けられている。
なお、第1ピストン45の凹部と、第2ピストン46は、摺動可能に第1摺動パッキン45aが、第1ピストン45側に設けられている。
第1ピストン45の厚みは、ストッパ46jから凹部当接面46eまでの距離よりも薄い。従って、第2ピストン46は、図9のように第2ピストン46がシリンダチューブ内当接面21dに当接した状態で、第1ピストン45が図面で見て上下に動くだけのクリアランスがある。
なお、第1実施例と異なり第3参考例では第1ピストン45の形状において、ウェアリング45bを備える支持部を有していない形状になっている。このため、可動軸23と可動軸保持部21bのクリアランスを狭くし、軸方向の振れを矯正する構成にする必要がある。
なお、作用についても第1実施例とほぼ同様であるため、差異のある閉状態について説明を行う。
第1操作ポート25に駆動エアが供給されると、第1シリンダ室27に駆動エアが流入し、第2シリンダ室28からエアが排気されるので、第1実施例のピストン部22が図2の図面下側に向けて降下したのと同様に、第2実施例のピストン部22も降下する。
そして、図9に示すように第2ピストン46がシリンダチューブ内当接面21dに当接すると、第2ピストン上面46gに駆動エアからの圧力が加えられても、第2ピストン46は移動下限にいるので、第2ピストン46のストッパ46jから、可動軸23に結合される第1ピストン45に力を伝えなくなる。
第1ピストン45の移動下限は、第1ピストン45に可動軸23を介して接続される弁体24の備えるシール部材35が弁座部34に当接し、適当なツブシ代をもった状態である。
この状態で、第1シリンダ室27に駆動エアが供給されることにより、第1ピストン45に与えられる推力と、シール部材35が適当なツブシ代を持ってつぶされることによって発生する反力が釣り合い、シール部材35には、過大な力がかからない。
即ち、真空弁1の閉状態では、第2ピストン46は移動下限にあり、可動軸23に推力を伝えておらず、第1ピストン45のみがシール部材35に押圧力を加えることになる。
第1ピストン45の駆動エアからの圧力の受圧面積は、第2ピストン46の凹部摺動面46cの断面積と等しくなる。従って、第1ピストン45の受圧面積はシリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積よりも小さいので、シール部材35に加えられる押圧力は、シリンダチューブ21の円筒内面21aの断面積全体が発生する押圧力よりも小さくすることが可能になる。
前述したように、真空弁1が閉状態である場合に、第1ピストン45から発生する推力のみで弁体24に備えるシール部材35を押しつぶしており、シール部材35を適度な力で押しつぶすことが可能になる。
従って、シール部材35を過剰な力で押すことが無くなり、シール部材35の寿命を延ばすことに繋がる等の第1実施例と同様の効果が得られる。
(1)弁本体31に接続され、可動軸23を内部に備えるシリンダ部12と、弁本体31に形成される第1ポート32と、弁本体31に形成され第1ポート32と連通する第2ポート33と、第1ポート32と第2ポート33を連通する流路に形成される弁座部34と、可動軸23に接続され弁座部34と当接及び離間するシール部材35を備える弁体24と、を有する真空弁1において、シリンダ部12が、可動軸23に結合され、受圧面積がシリンダ部12の円筒内面断面積より小さい第1ピストン45と、可動軸23と係合し圧力流体の力によって間接的に第1ピストン45を移動させる第2ピストン46を備え、シリンダチューブ21に備えられる第1操作ポート25に圧力流体が供給されることで、第1ピストン45及び第2ピストン46が受圧し、第1ピストン45は、第2ピストン46の内部に備えられた第2ピストン46の凹部摺動面46cを摺動し、第2ピストン46は、シリンダチューブ21の円筒内面21aを摺動することで、第1ピストン45及び第2ピストン46が移動し、第2ピストン46が、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側のシリンダチューブ内当接面21dに当接した際、第1ピストン45は、第1ポート32と第2ポート33を遮断する側の第2ピストン46の凹部当接面46eとの間に第1クリアランスX1を有するので、さらに第1ポート32と第2ポート33を遮断する側に移動し、第1ピストン45の押圧力のみが弁座部34に当接するシール部材35への押付荷重となり、第1ポート32と第2ポート33を遮断することを特徴とするので、真空弁1の弁開時と弁閉時の両方において弁体にかかる荷重範囲を最適化できる等の第1実施例と同等の効果を奏する。
例えば、各場所に示された材料は、適宜他のものに置き換え可能である。
また、第1ピストン45に設けられる流体通過穴45cは、流体が通過することを目的としているため、単純な円形の穴ではなく、第1ピストン45に切り欠きを設けた形状としても良い。
また、第1ポート32と第2ポート33の形状も、接続相手によって変えることも設計事項の範囲内であり、例えば、第1ポート32の第1ポート部材41及び第2ポート33の第2ポート部材42を45度方向に曲げるようなことも考えられる。
また、第1実施例及び第3実施例の第1ピストン45が第2ピストン46に対して摺動するためにもうけられる第1摺動パッキン45aは、第1ピストン45側に設けられても、第2ピストン46側に設けられても良い。
11 弁部
12 シリンダ部
21 シリンダチューブ
22 ピストン部
23 可動軸
24 弁体
25 第1操作ポート
26 第2操作ポート
27 第1シリンダ室
28 第2シリンダ室
31 弁本体
32 第1ポート
33 第2ポート
34 弁座部
35 シール部材
36 金属ベローズ
41 第1ポート部材
42 第2ポート部材
45 第1ピストン
46 第2ピストン
47 ダイアフラム膜
Claims (2)
- 弁本体に接続され、可動軸を内部に備えるシリンダと、前記弁本体に形成される第1ポートと、前記弁本体に形成され前記第1ポートと連通する第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートを連通する流路に形成される弁座と、前記可動軸に接続され前記弁座と当接及び離間するシール部材を備える弁体と、を有する真空弁において、
前記シリンダが、前記可動軸に結合され、受圧面積が前記シリンダの円筒内面断面積より小さい第1ピストンと、前記可動軸と係合し圧力流体の力によって間接的に前記第1ピストンを移動させる第2ピストンを備え、
前記シリンダに備えられる第1操作ポートに前記圧力流体が供給されることで、前記第1ピストン及び前記第2ピストンが受圧し、前記第1ピストンは、前記第2ピストンの内部に備えられた凹部内壁を摺動し、前記第2ピストンは、前記シリンダの円筒部内壁面を摺動することで、前記第1ピストン及び前記第2ピストンが移動し、
前記第2ピストンが、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側の第2ピストン用ストッパに当接した際、前記第1ピストンは、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側の第1ピストン用ストッパとの間に空間を有するので、さらに前記第1ポートと前記第2ポートを遮断する側に移動し、前記第1ピストンの押圧力のみが前記弁座に当接する前記シール部材への押付荷重となり、前記第1ポートと前記第2ポートを遮断すること、
前記第1ピストンが、前記シリンダの前記円筒部内壁面と摺動する支持部を持ち、
前記支持部が、前記第1操作ポート側にあって、
前記支持部に、前記圧力流体を通過させるための通気部を備えることを特徴とする真空弁。 - 請求項1に記載の真空弁において、
前記第2ピストンは、前記可動軸に貫通され、前記第1ピストンと前記弁体の間に備えられ、
前記可動軸には、前記第2ピストンと係合するための掛止部を備え、前記第2ピストンの係合部が係合し、
前記第2ピストンの前記係合部の厚みは、前記第1ピストンの端面から前記掛止部までの長さよりも薄いことを特徴とする真空弁。
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