JP4789436B2 - 磁界レンズ - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には磁界レンズに関連するが、特には、その磁界強度に影響を与えないような、熱電力損失を伴う磁界レンズに関連する。
磁界レンズは広く知られており、例えば、電子である荷電粒子のビームを収束するためにしばしば使用されている。磁界レンズの一つの重要な使用法は、電子顕微鏡のような分析機器に使用されることであり、集束イオンビームを用いて観察又は分析中の試料からの反応を引き出す。そのような機器において、磁界レンズは、対物レンズ、即ち、最後の収束レンズとして利用されている。言い換えれば、対物磁界レンズは、ビームが試料に衝突する前の最後の収束部材である。このように、磁界レンズが作用するビームの位置を安定にすることは、試料の微細な特徴を正確に表示するために極めて重要である。
図6は、従来の磁界レンズ組み立て体100の略式断面図である。このレンズ組み立て体100は、(電子検出器組み立て体を有する)上部セクション110と、コイル115と上部電極ピース122と外側電極ピース124と内側電極ピース126と冷却リング127と絶縁体129を有する電極組み立て体120とからなる。リング状のコイル115を実質的にカラー状にして、電流がコイルを流れるときに各電極ピースがコイルの周囲に磁束を発生する磁気回路を構成する。分析すべき試料に近接した空隙131が、外側電極ピース124と内側電極ピース126の間に設けられている。ビーム経路に対応するレンズの中心線が105として記載されている。レンズ終端において、空隙131の近くで、一次電子が磁界Bによって収束される。空隙131が組み合わされた電極ピースに比べてはるかに高いリラクタンスを有するので、電極ピースの縁による乱れ(fringing)が空隙131に生じて、試料に近づく入射電子を収束するために、磁界Bが所望の環状で図示のように試料に向かって弓のように湾曲する。
電子ビームを用いた従来の分析機器の一つの特徴は、電子ビームのエネルギーが特徴表示すべき材料の範囲に対応するエネルギーの範囲に亘って変動することである。例えば、オージェ(Auger)分析器において、電子ビームのエネルギーは試料への浸透深さと試料原子のオージェ励起の範囲を決定する。オージェ電子を生成するために必要なエネルギーが原子間で変動するので、実際のビーム発生器は、各種エネルギーを有する電子を生成することが可能でなければならない。更に、分析中の試料が絶縁物である場合にはビームエネルギーは可変でなくてはならない。何故ならば、ビームエネルギーが非常に高い場合には、試料は静電気に帯電されてしまうからである。このような帯電は、ビームエネルギーを、ある時には、0.5keVにまで減少することによって排除することができる。可変のビームエネルギーを必要とする他の場合は、X線検出器が使用されている場合である。X線スペクトラムにおいて原子発光を作り出すために、荷電粒子ビームのエネルギーは、例えば、約30keV程度の非常に高いものでなくてはならない。このように、実際に、電子ビームのエネルギーは広いエネルギー範囲に亘って可変であるべきである。しかし、予想されるように、ビームエネルギー又はビームサイズが変化したときには、レンズの磁界強度は、変更されたエネルギーを有するビームが以前のエネルギーのビームが行ったのと同じ試料の点で収束したままでいることを確実にするためには、大抵、調節されねばならない。
レンズ100によって発生された磁界の大きさは、コイル115内の電流にコイルの巻回数を掛けたものに比例する(アンペア×巻回数A・tで測定される)。このように、コイル内の電流の変化によって、磁界の値を変更してビームのエネルギーに整合するようにすることもできる。しかし、レンズコイルは一般に電気抵抗を有するワイヤでできているので、電力(熱)がコイルに発生する。(電力量P=RI2)。例えば、代表的なコイルにおいては、1140A・tが必要とされることもある。これは約15.5Wに換算されるが、これは相当な熱量であり、特に磁界レンズコイルの制限された環境において消散されるべきものとしては相当である。レンズコイルからの放熱は、レンズ電極組み立て体の温度を上昇させ、コイル自体を膨張させることとなる。(同様に、磁界強度の減少は、温度を下げて電極組み立て体を収縮させることとなる。)電子線が試料上で収束する位置をレンズ電極ピース相互の正確な位置と電子の中心線が決定するので、このことは問題である。このように、磁界強度の変化は、レンズコイルの収束特性に影響を与える。このことは、レンズコイルが温度的に安定となるためには相当な時間(例えば、1時間から7時間)を要するので、磁界強度が変化した後にデバイスの動作に遅延をもたらすことがあり得る。従って、磁界レンズの設計における重要な考察は、この遅延を解消するための磁界レンズによって発生される熱起電力の排除若しくは消散である。あいにく、有効な熱消散メカニズムの反応時間は、磁界強度の変化によって生じる温度変化に対して容易に速度を一定に保持するには大抵不適切である。その遅延が減少しても、レンズが「落ち着く」のを待つ時間が更に浪費されねばならない。
一つの解決方法は、作動磁界強度範囲に亘って一定の熱起電力を発生するマルチコイル設計を採用することである。このレンズは、共通端子に実質的に平行な一対のサブコイルで構成される。このレンズは、電流が共通コアの周囲において互いに反対方向を流れるように構成されている。このことは、隣接するが電気的に絶縁されている、コアの回りを縦並びに(バイファイラー(bi-filar)巻き)で包設された一対の導体によって達成される。それぞれのコイルによって生成された磁界は、それぞれの電流に比例するが、電流を反対方向に向けて流すので互いに相殺される。そしてまた、それらの発生した磁界もうまく互いに相殺される。全体のレンズ磁界強度は、それらの大きさが同じであるときに最小であり、個々の電流の大きさの差異が大きくなると全体の磁界強度も大きくなるが、各コイルによって発生された起電力は、単純に、電流の大きさの自乗の関数である。このように、サブコイルの電流差を変化させるが、それらのRI2の大きさの合計を一定に維持することによって、有効なレンズ磁界強度が変化しても発生された起電力は一定に維持される。残念なことに、このやり方の一つの欠点は、磁界レンズ全体の反応性が明らかに緩慢であることである。すなわち、所望の範囲の磁界強度を得るために、両方のコイルがかなりの巻回数を有し、それによって、両コイルが比較的大きな自己インダクタンスを有することとなる。実際、その自己インダクタンスは相当大きく、ダイナミックフォーカスを実行するのに十分な速さの磁界強度の変化を阻止するようなものである。
米国特許第4345152号
本発明の課題は、温度安定性に優れ、同時に作動磁界強度の範囲に亘って十分な反応性を有する、改良された磁界レンズを提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載したような「それぞれが付加的な磁界を発生してビーム収束磁界を形成するコイル巻回部を有する一次コイル部と二次コイル部であって、一次コイル部の方が二次コイル部に比べてより大きなコイル巻回数を有し、両コイル部によって発生された起電力を組み合わせた平均起電力が磁界強度の作動範囲に亘って実質的に一定の状態で、作動時に実質的に一定の温度サインを有するように構成されているものとからなる磁界レンズであって、二次コイル部がダイナミックフォーカス電流で駆動されたときに、二次コイル部がダイナミックフォーカスを実行するのに十分な応答性を有するものであることを特徴とする磁界レンズ」を提供するものである。
また、第2の解決手段は、請求項12に記載したような、「ビーム収束磁界を形成するために付加される付加的な磁界成分を発生するように構成された第1と第2のコイル部を提供する工程であって、第1のコイル部の方が第2のコイル部に比べてより大きなコイル巻回数を有しているものと、前記第1のコイル部を駆動して、第1のコイル部の磁界成分を発生する工程と、前記第2のコイル部を駆動して、第2のコイル部の磁界成分を発生する工程であって、前記第2のコイル部がAC信号によって駆動され、そして、第1と第2のコイル部が駆動されて有効な磁界強度の範囲から所望の磁界強度を生成し、前記有効な磁界強度の範囲に亘って実質的に同じ全平均起電力を発生し、それによって、両コイル部において十分一定の温度サインを維持して、磁界強度が熱安定化のための遅延を伴わずに変化させるものとからなる、走査電子顕微鏡においてビーム収束磁界を発生する方法」であることを特徴とするものである。
更に、第3の解決手段は、請求項18に記載したような、「荷電粒子カラムを具備したデュアルビームシステムであって、荷電粒子源組み立て体と、荷電粒子源によって照射される試料を保持するホルダと、前記荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを収束するために前記荷電粒子源と前記ホルダの間に配設された磁界レンズであって、第1のコイル部の磁界成分を発生するコイル巻回部を有する第1のコイル部と第2のコイル部の磁界成分を発生するコイル巻回部を有する第2のコイル部を有し、両コイル部が前記第1と第2のコイル部の磁界成分の総和であるビーム収束磁界を生成するように構成され、第1のコイル部の方が第2のコイル部に比べてより大きなコイル巻回数を有し該第2のコイル部が該第1のコイル部に比べてより速い反応性を有する磁界レンズと、前記第1のコイル部と第2のコイル部に接続された回路であって、前記第1のコイル部と第2のコイル部を駆動させて有効な磁界の範囲から選択されたビーム収束磁界を発生し、両コイル部によって生成された全平均起電力が有効な磁界の範囲に亘って実質的に一定であり、その全平均起電力が実質的に一定であるときに該両コイル部がそのコイル部に亘って実質的に一定の温度サインを有するように構成され、ビーム収束磁界を変更するために前記両コイル部の最大の電流変化が前記第2のコイル部に生じるようにするものと、からなるデュアルビームシステム」であることを特徴とするものである。
このように、本発明によると、予め選択された磁界強度の範囲に亘って実質的に一定の量の平均熱起電力を発生する磁界レンズを提供する。このレンズは、非対称(異なる巻回数)のマルチコイル部で構成され、所望の範囲の磁界強度を生成すると共に、同時に全ての平均的起電力が一定に維持されたときに十分一定の温度サインを維持し、それによって、作動磁界強度範囲に亘って磁界強度が変化したときにもレンズ動作の過度の遅延を排除する。非対称のレンズ構造は、より小さな巻き数のコイルの方が比較的に小さなインダクタンスを有して製造されており、それによって、より反応性が速くなり、AC駆動信号に迅速に反応し、必要ならば、ダイナミックフォーカスレンズに適合するものである。
上記の説明は、以下の発明の詳細な説明をよりよく理解するために、本発明の特徴と技術的な利点を概説し、むしろ広範に説明したものである。本発明の別の特徴や利点は以下に説明されている。開示された理念と特別の実施の態様が本発明と同様の目的を実行するための他の構造を改作又は設計するための根拠として容易に利用されることは、業界で通常の知識を有する者によってよく理解される。そのような均等な構造が特許請求の範囲に記載された発明の精神とその範囲に逸脱しないことも業界で通常の知識を有する者によく理解されている。
上記第1乃至第3の課題解決手段によれば、温度安定性に特に優れた、一定の範囲のイオンビーム磁界強度を生成する磁界レンズを提供できるという効果を奏する。
更に、この磁界レンズは、磁界強度の変化と変化の間で優れた温度安定性を有し、過度のレンズ動作遅延を有することなくダイナミックフォーカスレンズを実現するができるという効果を奏する。
〈概観〉
本発明は、改良されたマルチコイル磁界レンズを提供する。この改良されたレンズは、磁界強度の作動範囲に亘って実質的に一定の電力を消散するだけでなく、ダイナミックフォーカスのために変調された電流によっても十分駆動されるほど反応性のよいものである。このマルチコイル磁界レンズは様々な用途に使用可能であるが、デュアルビームシステムの走査電子顕微鏡(SEM)用の対物レンズに好適である。なぜならば、熱的安定を得るために必要な過度のセットアップ時間を要することなく、磁界強度が調整可能だからである。デュアルビームシステムは、大抵、集束イオンビームカラムとSEMを装備していると共に、更に、そのシステム内に他の放射デバイスや観察デバイスも装備していることもある。
図1は、本発明に関するマルチコイル磁界レンズの一つの実施の形態を用いたSEMカラム200を略式に示している。SEMカラム200は、試料202の拡大された像を提供する。該SEMカラム200は、通例、カラムハウジング205と、電子ビーム源220と、静電調整電極230と、アパーチャ235と、ブランクビームダンプデバイス237と、マルチコイル対物レンズ組み立て体240と、偏向器245と、ミラー電極247と、ライトパイプ249と、「吸引」チューブ251を装備する。電子ビーム源220は、電子源222と光学収差を少なくするために電子ビームの外側部分を制限するビーム制限アパーチャ224を具備する。電子ビーム源220は、電子ビームを試料202に向けてカラムの中心軸上で下向きに発生する。ブランクビームダンプデバイス237は、試料202に加えられる電子ビーム電流の大きさを制御したり、モニタするために電気メータに接続される。
このビームは静電調整電極230と静電偏向器245によって中心軸と下向きに整列されるように調整されるが、静電調整電極230と静電偏向器245は、また、ビームを操縦して試料202上を走査させる。静電調整電極230は、ビーム調整のためにそれぞれが独立して駆動される静電四極子を有する。同様に、偏向器245は、独立して駆動されると共に画像シフトやスタグメーション(stagmation)の制御用にも使用される静電八極子を採用している。
図示の実施の態様において、マルチコイル対物レンズ組み立て体240は、二股の第1次コイルを有し、その内側には、他のものの間に、ダイナミックフォーカス磁界成分を発生するより小さな第2次コイルが配設されている。マルチコイル対物レンズ240は、実質的に一定の電力損失で磁界強度の作動範囲内において所望の磁界を発生する。対物レンズ組み立て体240は、また、冷却構成部材を有し、レンズ構造物の温度を安定に維持することを援助する。対物レンズ組み立て体240は、電子ビームが試料に到着する直前に、電子ビームを収束する(即ち、拡大しないようにする)ために、試料202の近傍でレンズ組み立て体の下端において収束する磁界を生成する。そして、反射された電子は、ライトパイプ249に取り付けられた(図示しない)蛍光スクリーンに集められて、ここでこれらの反射電子が光子を発生する。この光子がライトパイプ249を通過して走査中の試料のポイントの画像信号を提供する。
SEMカラムハウジング205には、また、カラムを排気するためのイオンポンプ207と、電子ビーム源220を作動するための高圧電源209と、カラムハウジング205の中央下側に配設されたチャンバ分離弁211であって、ハウジングの残りの部分から電子源220を封止する、及び/又はSEMが不作動であるとき真空環境を操作するものが含まれている。チャンバ分離弁211は、開弁であるか閉弁であるかを確認するセンサを内蔵している。カラムハウジング205は、また、チャンバを排気する高真空排気孔213と、封止された真空ハウジングを通して各種の構成部材と電気的に接続するための電気部材供給孔215を有する。
〈一定の起電力の磁界の分析〉
特別なレンズ構造を説明する前に、この一定の起電力方法の理論的な面をまず説明する。マルチコイル磁界レンズは、共通コアの回りに配設された2又はそれ以上のコイルを有する。このことは、結果的に、全体のレンズ磁界が個々の構成コイルの磁界の総和であることとなる。コイルの磁界はコイル電流とコイルの巻回数に比例する。
即ち、B∝n・Iである。ここで、Bはコイルによって生成される磁界であり、nはコイルの巻回数であり、Iはコイルを流れる電流である。共通コアを共有すると共にそれぞれni回の巻回数を有する複数のコイルに関連して、各コイルの貢献の総和によって、磁界は次のようにして得られる。
即ち、Btot≡n1・I1+n2・I2+…+ni・Iiである。
個々のコイル部における電力損出は、次のようにして求められる。
即ち、Pi=Ri・Ii 2 である。ここで、Rはそのコイル部の抵抗である。この磁界に関して、マルチコイルの総起電力は個々のコイル部の起電力分の総和である。従って、マルチコイルに関して総電力損失Ptotは、
tot=R1・I1 2 + R2・I2 2 +…+ RN・IN 2 となる。
本発明のマルチコイル磁界レンズに関連して、各コイルの温度は互いにできるだけ近い方が望ましく、磁界強度の変化と変化の間に過度の遅延を生じさせることなく、磁界強度の作動範囲に亘って十分一定な温度サインを有することが望ましい。以下に説明するように、ある設計方針が、この目的を達成するために採用される。このように、この分析のためには、コイル温度が均一であることが前提である。更に、分析を単純にするためには、各コイルに使用されるワイヤも同じもの(例えば、同じ材料で同じ直径)とする。各コイル部は同じ平均直径を有するものとする。(以下に説明するように、このことは二股の第1のコイルと中間に配設された第2のコイルにおいて妥当する。)これらの条件は本発明の実現にとって妥当であるが、必ずしも全ての設計にとって必要なことではない。しかし、これらの条件は本発明の分析と教示を単純なものにする。これらの前提に従って、各コイルの電気抵抗は巻回数に比例する。即ち、Ri∝niである。
そして、PII∝n1・I1 2 +n2・I2 2 +…+ nN・IN 2 となる。ここで、PIIはコイル内で発生する総起電力である。(シンボル「II」マルチレンズコイルを示す。)
〈2つのコイルからなる組み立て体〉
以下の分析は二つのコイルS1とS2を有するレンズに関するものであり、両方のコイルが同じ平均直径とワイヤパラメータと温度を有することを前提とする。そのコイルにおいて発生された全磁界と総起電力は、個々のコイル分の総和に比例する。
即ち、BII∝n1・I1+n2・I2 と、PII∝n1・I1 2 +n2・I2 2 である。
IIはI2の奇関数であり、PIIはI2の偶関数であるので、正の値と負の値の範囲に亘ってI2を変化させることによって、レンズコイルで消散された電力を一定に維持しつつ、コイルによって発生される磁界を変化することが可能となる。(より広範な範囲の磁界強度を達成するためにI2と一緒にI1も双方向において変更することができるが、この分析においては、I1の大きさは正に維持する一方、I2が正の値と負の値の間で調節可能である。しかし、本発明は、そのような制約に限定されるものではない。)コイルS1の単一方向の電流I1によって決められる磁界B1 は、I2の方向に応じて、第2のコイルによって発生された磁界B2によって増加されるか又は減殺されるが、一方、両コイルによって生じた総起電力は一定のままである。(勿論、損失電力は構成する電流の大きさの関数であるが、それらの方向とは無関係である。)このように、対物レンズの磁界は、レンズコイルの総損失電力を変えることなく、変更することができる。平均の損失電力は以下のように磁界の全作動範囲に亘って一定のままである。
すなわち、PIIC≡n1・I1 2 +n2・I2 2 =kである。
このように、定義された総損失電力PIICに関連して、構成電流成分を変化させて所望の全磁界を得ることによってこの損失電力を維持できるが、一方、その電流成分が一定の電力の楕円関数を満足することが必要である。k(PIIC)の値がいかなる適切な値にも設定できることは理解できる。しかし、単純化のために、kの値は1であるものとする。すなわち、この説明における一定の電力関数は値1に標準化されている。(しかし、いわゆる当業者であれば、実際の値と標準化された値の間をどのように変換するのかは理解できる。)
〈磁界の範囲〉
1とI2の値は、上記の設計上の制約の下で、有効磁界BIicを最大にするために決定されうる。このことは、磁界関数の導関数を取りそれをゼロに設定することによってなされる。このことは、結果的にI1=I2のときに最大磁界が生じる。
1が正にある状態で、最小磁界は、一定の起電力がカーブに従って、(負の方向において)I1の値が最小でI2の値が最大の状態で生じる。しかし、このことから温度安定性を強化するためには、各コイル部の電力密度を互いの許容範囲内に維持することが望ましい。電力密度Dは、コイル部の単位ワイヤ長さ当たりの起電力と定義される。電力密度は各コイルの能力に影響を与え、他のコイルに関連して自らの電力を十分消失し、それによって、温度安定性を維持する。このため、この分析においては他の自己制約は、各コイル部が同じ最大電力密度を有することである。n1=n2であり(両方のコイルが同じワイヤ特性を有する)場合、この条件は自動的に満足され、(再び、標準化された電力関数を使用して)I1=0であり、I2=−1であるとき、最小磁界が発生する。しかし、n1>n2のとき、それは(Bmaxで)I2が−I2であるときに発生する。このことは、一定の起電力の関数に従ってI2は、いつもより大きな電力密度を有しているからであり、その最大電力密度がI2に対しての最大電力密度に対応しているからである。このことを考慮して、上記の式から、
1max=I2max=−√(n2/n1)であり、
1Bmin=1−n2/n1となり、そして、
1Bmin=√((n2(n1−n2))/n1 2)であり、
IIcmin=(n1/n2)・I1Bmin+I2max=√((n1−n2)/n2)−√(n2/n1)である。
再び、I1max=I2max=−√(n2/n1)でBmaxが発生する状態では、
IIcmax=(n1/n2)・I1Bmax+I2Bmax=√((n1+n2)/n2)である。
したがって、この条件の下での磁界範囲は、
√((n1−n2)/n2)−√(n2/n1)<BIIc<√((n1+n2)/n2)である。
上記から、次の一般的な情報が得られる。n1がn2に対して増加するときには、コイル部の電力密度の変動が減る。反対に、n1がn2に対してより大きくなるときには、B範囲が小さくなる。したがって、これらのパラメータ間の妥協が一般的に要求される。即ち、十分大きなB範囲を有するが、磁界の作動範囲に亘って2つのコイル間では最小の電力密度変動を有するものを探すことである。
図2(A)乃至図2(C)に関連して、3つの特別なケース(n1=n2とn1=2n2とn1=3n2)が試験された。これらのケースにおいては、上記の条件を前提としている。
〈ケース1(n1=n2)〉
図2(A)は、n1=n2のケースを図示している。n1=n2の標準化されたケースのための一定の起電力のカーブ305が図示されている。それはI1とI2の値を互いに特定する。カーブ307は、第1のコイルで損失する電力P1cnsを示している。カーブ309は、第2のコイルで損失する電力P2cnsを示している。一次コイル電流I1が単一の方向に流れる電流であるので、一定の起電力のカーブ305の正側のみが描かれている。カーブ305上の全ての点は、n1=n2の場合の標準化された一定の起電力の条件を満たしている。I1か又はI2を知ることによって、以下の式を解いて他方の電流の値を決定することができる。
II≡I1+I2又はI1=BII−I2である。
(変数n1とn2からそれらが互いに同じであるので、このことは相殺となることとなる。)この式は−1の傾斜を有する直線に定義される。I1か又はI2の値に応じて、この直線は、それぞれy軸又はx軸に沿ってシフトする。最大磁界(I1=I2)は、一定の起電力カーブ305上の点Q(I1=I2=1/√2即ち0.707)で示される。また、各コイル部で消失した起電力が描かれている。
起電力が一定に維持されているので、I2がゼロであるときは起電力はコイル部S1において全て消失される。コイル部S1における電力密度D1は倍となる。このように、特にコイル部S1とS2がバイファイラー巻きでないときには、両コイル部を同じ温度にするという要望はほとんど実現できるものではない。(バイファイラー巻きは、各コイルからのワイヤが互いに縦並び(中心軸に垂直な線に対して重畳するように)に巻回されていることを意味している。)このような設計はある場合には適切であるかもしれないが、残念ながら製造することが難しい。この問題を処理する一つの方法は、各コイルの最大の電力密度が同じであるという上記の制約を利用することである。この条件の下で、n1=n2のとき、磁界の範囲は、
−1<BII<√2である。
〈ケース2(n1=2n2)〉
図2(B)は、n1=2n2のケースを図示している。カーブ315は、この場合の一定の起電力のカーブPIIcnsである。カーブ317は、第1のコイルで損失する電力P1cnsを示している。カーブ319は、第2のコイルで損失する電力P2cnsを示している。この実施の形態にとっては、コイル電流I1が単一の方向に流れる電流であるという設計上の制約があるので、一定の起電力カーブ315の正側のみが描かれている。このカーブ315上の全ての点は、ケース1の場合の一定の起電力の関係を満たしている。I1か又はI2を変更することによって、カーブ上の変更した値を除外した他方の新たな値が見つけられる。
一定の起電力のカーブ315に沿った最大磁界は、I1=I2=√3/3即ち0.577において生じる。このことは、2/√3+1/√3である磁界BIIに対応しているが、それは、√3と同等である。n1がn2よりも2倍の巻回数を有するので、コイルS1は最も小さい最大電力密度を有する。従って、コイル部が同じ最大電力密度を有するという基準に応じるために、この電力密度は制約されて1/2であるD1max(I2=0)となる。したがって、最小の磁界BIIは、I2=−1/√2のときに生じる。このことは、I1=1/2に対応している。この点で、BIIは、n11+n22即ち2・1/2−1・1/√2に相当する。従って、このマルチコイル設計の磁界の範囲は、
1−1/√2<B<√3である。
〈ケース3(n1=3n2)〉
図2(C)は、n1=3n2のケースを図示している。カーブ325は、n1=3n2の場合の一定の起電力のカーブである。それはI1とI2の値を互いに特定して、ケース1の標準化された一定の起電力を維持する。カーブ327は、第1のコイルで損失する電力P1cnsを示している。カーブ329は、第2のコイルで損失する電力P2cnsを示している。
一定の起電力のカーブ325に沿った最大磁界は、I1=I2=1/2において生じる。このことは、3・1/2+1・1/2即ち2である磁界BIIに対応している。n1がn2 よりも3倍の巻回数を有するので、コイルS1は、どのような制約もなく、コイルS2よりも小さい最大電力密度を有する。従って、コイル部が同じ最大電力密度を有するという基準に応じるために、この電力密度はD1max(I2=0)に制約される。よって、コイルS1の最大電力密度は、1/√3である。したがって、最小の磁界BIIは、I2=−1/√3のときに生じる。このことは、I1=1−1/3=2/3に対応している。この点で、BIIは、n11+n22即ち3・√2/3−1・1/√3に相当する。従って、このマルチコイル設計の磁界の範囲は、
√2−1/√3<B<2即ち0.83<B<2である。
このことから、次の結論となる。巻回数比n1/n2 が大きくなると、電力密度の範囲が小さくなり、そのことは温度安定性にとって有益である。反対に、巻回数比n1/n2 が小さくなると、磁界の範囲が小さくなる。このことは、制限的ではあるがしかし特定の用途には好適である。
〈マルチコイルレンズ〉
図3(A)は、マルチコイルレンズ組み立て体を具備するマルチコイルレンズハウジング400の一つの実施の形態を図示している。ハウジングケーシング402と入出力部404が図面に示されている。この入出力部404は、マルチコイルレンズ組み立て体への電力と制御信号を提供するため、そしてレンズ組み立て体から熱を取り除いて消散する水冷消熱機構への流体の接続を提供するために使用される。
図3(B)と3(C)に関して、図3(A)のマルチコイルレンズ組み立て体の断面図が図示されている。図示された実施の形態において、マルチコイルレンズ組み立て体は、コイル組み立て体415と、電極組み立て体420と、コイル冷却機構425からなる。電極組み立て体420は、電子ビームのビーム軸に電子ビームを収束するための磁界リングを形成するために、その下部に環状空隙を設けて、コイル組み立て体415の周囲にカラー状に形成される。コイル冷却機構425は、コイル組み立て体415と電極組み立て体420に取り付けられ、熱的安定性を改善するためにコイル組み立て体から排熱する。
コイル組み立て体415は、図3(C)に示すように、二股状の一次コイル部417(S1)と2次(又はダイナミック)コイル部419(S2)を具備する。一次コイル部417は、2つのサブコイル部(内側のサブコイル部417a(S1a)と外側のサブコイル部417b(S1b))から形成されている。2次コイル部419はビーム軸に最も近い内側のサブコイル部417aと外側のサブコイル部417bによって挟持される。3つのコイル部417a、417b、419は、前記ビーム軸に対応する共通軸の回りに同心的に巻回される。この実施の形態において、3つのコイル部417a、417b、419は同じタイプで同じ直径のワイヤを使用している。コイル構造は、各コイル部への接続を行うために巻回方法が分断されることを除いて従来のものと同じである。サブコイル部417aと417bは同じ巻回数(n1a=n1b)で巻回されたとき、コイル417の平均半径、R1=(r1a+r1b)/2はコイル部419の平均半径R2と同じである。この場合に同タイプのワイヤが使用されているとき、各コイル部417と419の単位巻回当たりの抵抗は、実質的に均等である。これらの条件の下で、(上記の)電力密度はより重要な意味を有し、そして、互いに許容差の範囲内にある場合、各コイル部の温度は実質的に互いに近接するものとなり、それは望ましい状況である。本発明にとって、このことは必要条件ではないが、レンズの温度安定性を増加して、上記の一定の平均的電力損失条件の下で磁界強度の作動範囲に亘って温度サインを一定に維持する機能を増強する。この設計に関連して、復式コイル組み立て体が温度的に安定であり、同時に、異なる巻回数比n1/n2でもそうである。
電極組み立て体420は、図6の電極組み立て体と同様である。それは、内側と外側の電極ピース421と423を具備し、「ロール」形状のコイル組み立て体415の周囲でカラー状の構造を形成している。電極部の「カラー」は、電極組み立て体420の下部において、ビーム軸の周囲で所望のリング形状の磁界パターンを形成するために、空隙が形成されているその下側を除いて、ほとんど完全にコイル組み立て体415を囲繞している。この電極ピースは強磁性材料で製造されており、より有効に磁束を伝導して発生したmmf(磁気推進力)のほとんど全てを空隙内に集中させる。
消熱機構(コイル冷却機構)425は、水冷ジャケットを具備し、更に、その外側と内側に、それぞれ熱伝導カバー427と429を有する。コイル部は、外側と内側の熱伝導カバー427と429によって囲繞され各コイル部から水冷部分への熱抵抗を低減する。この実施の形態においては、消熱機構425とカバー427,429は、銅の側板を有する水冷ジャケットに構成されているが、特定の環境に応じた各種の消熱構造物で十分である。その上、消熱機構425は、必要なものではないが、しかし、それは、レンズの温度定性を増強することによって、特にコイル組み立て体415によって発生された起電力に関連して熱を取り除くように設計されている場合には、一般的に動作を改善する。このことがその機能に加えて、発生された一定の平均的起電力条件の下で、温度サインを実質的に一定に維持する。
〈実施例〉
ある一つの実施例においては、レンズ組み立て体は0.5乃至2keVの範囲でビームを取り扱うことが望まれる。このことは、大体磁界BIICが約2又はそれ以上であることが必要となる。この条件に合致するレンズ設計は以下の表1に記載する物理パラメータを有する。
Figure 0004789436
この設計に関連して、各コイル部の巻回数比S1a:S2:S1bは8:6:8であり、それは一次コイル対ダイナミックコイルの巻回数の比N1/N2に換算すると2.67となる。各コイル部のインダクタンスが巻回数の自乗に比例するので、S2のインダクタンスがn1≒2.67・n2 であり、それはS1のインダクタンスよりも小さく、ほとんどその大きさの1桁程度である。
このように、好適な磁界と電力密度範囲を有する一方、この比はまた(以下のように)ダイナミックフォーカスにも最適である。なぜならば、ほとんどの電流変調が低インダクタンスの二次コイル419において起こるからであり、それはフィールド走査周波数でダイナミック信号を変調するために十分によく反応するものだからである。
〈駆動回路〉
図4は、コイル部417a、417b、419を電気的に駆動する回路500の一つの実施の形態を図示している。回路500は、一般的に、DAコンバータ(DAC)502A,502B,526A,526Bと、アナログ加算増幅器504,524と、アナログ減算増幅器506,522,508,514,516と、ローパスフィルタ509と、コイル部417a、417b、419と、計測抵抗器510,520と、帰還増幅器512,518を有する。この回路は、2つの部分に分けられることができる。即ち、一次コイル(417a、417b)を駆動するものと、 二次コイル(419)を駆動するものである。一次コイル417を駆動する回路を始めに説明して、次いで二次コイル419を駆動する回路について説明する。
デジタル命令信号I1 は、一次コイルを流れる電流量を調節するために、一次コイル駆動部に入力される。デジタル命令信号I1 は、コース(course)成分I1course(それはDAC502Aに入力される)とファイン(fine)成分I1fine(それはDAC502Aに入力される)で構成される。これらの入力から、DAC502Aと502Bはアナログ命令信号成分を出力して、互いにアナログ加算増幅器504において加算し、I1全体の電流命令信号(I1course+I1fine)を発生する。これから、I1全体の電流命令信号がその入力の一方として減算増幅器506に供給される。他方の入力は、帰還増幅器512からの帰還信号である。減算増幅器506は、I1全体の電流命令信号からその帰還信号を減算して、その差分信号を出力として提供する。
帰還信号は、計測抵抗器510において電圧降下された電圧の増幅されたものである。その抵抗器510がコイル部417aと417bに直列に接続されている(帰還増幅器512の入力インピーダンスは相当に高い)ので、該抵抗にかかる電圧は一次コイル417aと417bの電流に全く対応する。帰還増幅器512の利得は、減算増幅器506に供給された帰還信号が適切にI1全体の電流命令信号に匹敵するように設定される。したがって、I1全体の電流命令信号が所望の一次コイル電流を示したとき、帰還信号は実際のリアルタイムの一次コイル電流に対応する。このように、減算増幅器506において発生された差分信号は、電流ドライバ508と514を制御する閉ループ信号である。エラー信号が原因で、電流ドライバが一次コイル部に流れる電流を命令信号I1の値に応じて無理に流すようにすることもある。
ローパスフィルタ509は電流ドライバ508と514に直列に接続されており、それらに関連する一次コイル部417a、417bにもそれぞれ直列に接続されている。図示の実施の形態においては、チョーク511と容量513を具備する。フィルタ509(一次チョーク511を除く)は、そのより大きなコイル巻回数と高いインダクタンスのために、二次コイル419によって発生される電圧よりも大きな、一次コイル部によって発生されるフライバック電圧を減殺するために用いられる。しかし、残念なことに、二次コイルからの外部交流磁界は、チョークの電圧を誘導し、それが望ましくない電流を一次レンズコイル417に流すこととなることがある。この問題を制限するために、次の測定がなされる。トロイドのようなより敏感ではないチョーク構造が採用される。トロイドは、接線方向の外部磁界に対してはむしろ敏感でなく、その半径方向においても他の設計に比べてもより反応するものではない。更に、攪乱する外部磁界は、より低いリラクタンスシールドでそらされるか、又は、鉄のヒートシンクのような分路を設けてそらされる。例えば、トロイドチョークは、鉄製のヒートシンク板に載置される。その上で、個別に減殺するチョークの使用も、採用可能である。すなわち、それらはその伝導路に対して誘起される電圧が反対方向になるように配設される。
フィルタ509は、相当反応性よく一次コイル電流を変更できるように、それぞれ、相当高いカットオフ周波数(例えば、>20Hz)を有する。従って、チョーク511と容量513の値は、この目的に合致するものに設定されるべきである。図示の実施の形態においては、チョーク511は、一次コイル部417のインダクタンスの約10倍のインダクタンスを有する。
回路500の残りは、実質的に上記と同じ方法で二次コイル419の電流を制御する。従ってこれ以上の詳細な説明は行わない。しかし、一つの違いは、計測抵抗520が、コイル部417と419の間に配設されるよりむしろ、二次コイル部419とアースに接続されていることである。帰還増幅器518への入力抵抗が非常に大きいので、その抵抗は事実上コイル部419に直列となる。したがって、その抵抗520での電圧降下は正確に二次コイルの電流に対応する。
よって、この回路500は、入力デジタル命令信号I1とI2に応じて、一次コイル部と二次(ダイナミック)コイル部の電流を独立して正確に制御するのに役立つ。例えば、I1とI2は、コントローラ又はSEMのプロセッサから得ることができる。一つの実施の形態においては、I1とI2は、I1が単一方向性であり、以下に説明するように、I2がダイナミックフォーカスを実現するために変調されるようにして、上記に説明された一定の電力制約に従って制御される。



〈ダイナミックフォーカス〉
SEM顕微鏡は、主として、半導体ウェハの諸特性を非常に精密に検査するために使用されている。しかし、デュアルビームシステムにおいては、電子ビームは試料上の走査すべき走査フィールドに通常垂直に配向されるものではない。その代わりに、試料から、例えば、45度の角度で偏位することも可能である。(このことが図5(A)と5Bに描かれている。)このことは、結果的に、ビーム源から走査フィールド上の各種ポイントへのビーム経路の差異となり、補償しない場合には、認められないようなエラーが生じるほどに互いに異なってしまう。
図5(A)は、試料602の走査フィールド上にビーム607を放射するSEM605の略式側面図である。図5(B)は、図5(A)の5B−5B線方向から見たSEM605の平面図である。図5(A)に示すように、ビームがY軸に沿って異なる位置のポイントを走査するときに、ビーム経路は変化する。ビーム距離Dbeamの差異は、最小距離Dminから最大距離Dmaxに変化することがある。例えば、一側から他側へのY軸上のビーム経路距離は25μmまでも変化することがある。図5(B)に示すように、ビーム距離は、また、X軸に沿って中央から縁部に向かって変化するが、この差異は大幅なものではない。これらのビーム経路の差異は走査フィールドの多くのポイントでビームの焦点が合わなくなる。
この焦点のズレはいくつかの方法で処理することができる。一つは、加速電圧を変更することであり、それとは別に、対物レンズの磁界強度を変更することである。この後者の方法はダイナミックフォーカスとして知られている。それには、磁界強度をリアルタイムで変更して各フィールドの走査においてビーム経路長の差異を補償することが含まれている。ビーム経路長の差異のプロファイルと走査フィールド周波数に対応する形状と周波数を有するダイナミック信号が使用される。図5(A)と図5(B)の構成の一つの実施の形態においては、ダイナミック信号としてランプ(又は鋸歯)機能が使用される。そのランプ信号は、ビーム源が最も走査ポイントに近いときが、最小値である。ビームがY方向に走査フィールドに沿って「上に」走査するとき、ランプ信号はそれに応じて増える。鋸歯信号は、ビームが走査フィールドの最も遠い端部への各ポイントに向けて発射されたときが、最大値である。この実施の形態の場合、X軸上のビーム経路長の差に対しては磁界が調整されないが、しかし、勿論、必要であれば、それらの変動を考慮して適切な第2の信号をI2に変調することによってそのことは行われる。
一つの実施の形態において、上記の駆動回路を用いて、一次及び二次コイル部は、一定の平均起電力とダイナミックフォーカスを実現するために、以下のようなやり方で駆動される。調節可能なDC電流信号が一次コイル417を駆動するためのI1として入力され、一方、I2は、二次コイル419を駆動するために調節可能なDCオフセット成分I2DC(負の値、正の値、0のようなあらゆる値を取ることができる)で変調された周期的に変化するダイナミックフォーカス成分I2ACを有する。一つの実施の形態において、一定の平均起電力とダイナミックフォーカスの双方を実現する場合、発生された全平均起電力は実質的に一定に維持され、一方リアルタイム電力はいかなる2つのポイントにおいてもいつかは必ずしも一定ではなくなる。すなわち、I1の値は、ダイナミックAC成分に属することができるI2の変化を補償するために一定の起電力機能に従ってリアルタイムで変化することはない。なぜならば、一定の起電力機能に従ってI1とI2を設定して、I2(I2rms)のRMS値(自乗平均平方根値)が所定の磁界強度に対して静的なI2値として使用することができる程十分にダイナミック成分は「速い」からである。多くの場合、このことはレンズ組み立て体を通して温度サインを実質的に一定に維持するのに十分である。
磁界レンズの各コイル部は、好適には、磁界レンズが所望の走査レートでダイナミックにフォーカスされる程十分低いインダクタンスを有するべきである。例えば、クリアなビデオ映像を生成するために走査レートが十分に高い場合、低い走査レートに必要なものに比べて、より低いインダクタンスが必要である。本発明のレンズの各実施の形態は、電子ビームが構成に応じて、約15Hz、約20Hz、約25Hz、約30Hz、と同じか又はそれ以上の走査又はフレームレートを有するときに、ダイナミックフォーカスを実施することが可能である。好適な実施の形態は、従来のTV走査レート、即ち、30Hzの走査レート又はそれ以上の走査レートでのダイナミックフォーカスをすることができる。このことは、コイルが十分な電流の大きさの30Hzの鋸歯電流信号と復旧期間を生成することが可能であるべきであることを意味する。TV走査を可能にすることはレンズコイル組み立て体が一般的な30HzAC信号を生成するのにのみ十分なほどの(相当な低リアクタンスで)反応性を有しなければならないことを意味するものではない。鋸歯電流信号は、そのような急激な転換を有しない他のAC信号に比べてより反応性を必要とする。鋸歯信号に関連して、その最大値からその最小値への信号を得るのに、ある程度の量の復旧時間が必要である。(このことは走査のフライバック部分に相当し、それはビームが走査フレームの最初に戻る部分である。)
〈実施例〉
図示しない、デュアルビ−ムシステムの例において、上記のマルチコイルレンズは、以下表2のような特性を有する。
Figure 0004789436
更に、SEMの電子ビームの加速電圧も500Vから2kVの作動電圧の範囲に亘って急速変更可能にしなければならない(1分以内の中断)。同一のフォーカスポイントにおいて、このことは、結果的に、570から1140アンペア×巻回数へと磁界の必要な変化(2倍の変化)となり、そして、4倍の損失電力の変化となる。これらのパラメータは以下の実測によって合致した。
図3のレンズに一致して、円形の対称的な構造が採用された。対物レンズは、熱伝導性の側板を有する水冷体によって冷却され、そして、それはSEMハウジングから絶縁された。上記の、一定の電力損失と一定の電力密度の技術が、また、使用された。同様に、ダイナミックフォーカス用の鋸歯信号が20μm(2.3mmの作動深さの1%である)のビーム距離変化を考慮して、二次コイルに加えられた。通常の作動距離は2mmである。
この例の場合、二次コイルの想定インダクタンスは、124mHであり、電流値、電圧値は、以下の方法で上記のパラメータを使用して計算される。
ダイナミックフォーカス条件は、ΔZFOCUS≒25μmとする。
レンズ特性から、焦点深度ZFOCUSは、
FOCUS≒2.3mmである。
必要なダイナミックフォーカスを提供するのに必要なアンペア×巻回数ΔNIを計算すると、
ΔNI=(ΔZFOCUS/ZFOCUS)・NI≒(25μm/2.3mm)・1140=12.4A・tとなる。
従って、ダイナミックフォーカスを提供するのに必要なピーク−ピーク電流の変化ΔI2は、
ΔI2=ΔNI/n2=36mAppとなる。
30msの周期と1:10のフライバック比を有するフレーム鋸歯ダイナミック信号に関連して、インダクタンスL2と電流変動ΔI2と周期tPERIODの関数として、フライバック電圧ΔV2は、
ΔV2=−L2・ΔI2/(tPERIOD)/10)
≒1.5VPPとなる。
ダイナミックフォーカスを装備するマルチコイルレンズ組み立て体を設計するとき、以下の追加の検討を考慮に入れることもできる。一次レンズコイルからの誘導電圧がローレンツの法則の結果としてダイナミックフィールドを減殺することである。この効果を減らすために、(上記のチョーク511のようなチョーク)が一次コイルと直列に配設される。それとは別に、高品質の電流ドライバを用いて一次コイルを駆動することもできる。それが外側電極と内側電極の間の磁気短絡回路内に配設されていたとしても、冷却リング(上記の水冷ジャケット)が必ずしも明確にダイナミックフィールドを減じないことが観察された。しかし、このことは立証されてはいない。どのようにして特別の設計のためにダイナミックフォーカスに影響を与えるのかに関しては、冷却ハードウェアを考慮に入れるべきである。これらの線に沿って、熱抵抗を減少するための外側電極と内側電極のカバーの使用は、磁気周波数の反応性を減ずる。しかし、それはカバー内の電極の使用がこの効果を減らすことは明らかである。
本発明とその利点を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲を逸脱しないで各種の変更代替修正がなされうることを理解すべきである。例えば、本発明は、二股の一次コイル部とその中間に挟持された二次コイル部と提案された冷却機構を装備したコイル組み立て体に必ずしも限定されるものではない。これらは、(必要なものではないが)実質的に一定の平均電力条件の下で実質的に一定な温度サインを維持する非対称のコイル部分を装備した熱的に安定なレンズを達成するための構造例である。当該業界において通常の知識を有する者は、ここにおける教示や提案から、適切な温度安定性を得るためのこの開示において教示された技術の組み合わせを用いて別の構造を認識できる。このように、当該業界において通常の知識を有する者が本発明の開示事項から明らかなように、ここに記載された対応する実施の形態と実質的に同じ機能を行うか又はその実施の形態と実質的に同じ結果を達成する既存の又は今後開発される方法、機械、製造物、組成物、手段、又は工程が本発明に応じて用いられる。従って、特許請求の記載は、そのような範囲内に、方法、機械、製造物、組成物、手段、又は工程を含ませることを意図するものである。
上述したように、本発明の磁界レンズ等は、電子顕微鏡のような電子機器において荷電粒子を収束するために利用される。
本発明の一つの実施の態様である磁界レンズを利用した走査型電子顕微鏡の略図である。 本発明のマルチコイルレンズ構造の定電力特性を示すグラフである。 本発明の他のマルチコイルレンズ構造の定電力特性を示すグラフである。 本発明の別のマルチコイルレンズ構造の定電力特性を示すグラフである。 本発明の一つの実施の態様であるマルチコイルレンズ組み立て体の斜視図である。 レンズ及び電極組み立て体を強調した、図3(A)のマルチコイルレンズ組み立て体の断面図である。 図3(A)、図3(B)のマルチコイルレンズ組み立て体のコイル部の略式ブロック図である。 図3のマルチコイルレンズ組み立て体を駆動する回路の略図である。 SEMにおける異なる操作角度のSEMビーム長のブロック図である。 図5(A)の5B−5B線方向から見たSEMビームの平面図である。 先行技術である、磁界レンズの略式断面図である。
符号の説明
200…SEMカラム、202…試料、205…カラムハウジング、207…イオンポンプ、209…高圧電源、211…チャンバ分離弁、220…電子ビーム源、222…電子源、224…ビーム制限アパーチャ、230…静電調整電極、235…アパーチャ、237…ブランクビームダンプデバイス、240…対物レンズ、245…偏向器、247…ミラー電極、249…ライトパイプ、251…吸引チューブ、402…ハウジングケーシング、404…入出力部、417…一次コイル、419…二次コイル、427、429…カバー、511…チョークコイル

Claims (3)

  1. それぞれが付加的な磁界を発生してビーム収束磁界を形成するコイル巻回部を有する一次コイル部と二次コイル部であって、一次コイル部の方が二次コイル部に比べてより大きなコイル巻回数を有し、両コイル部によって発生された起電力を組み合わせた平均起電力が磁界強度の作動範囲に亘って実質的に一定の状態で、作動時に実質的に一定の温度サインを有するように構成されているものとからなる磁界レンズであって、
    二次コイル部がダイナミックフォーカス電流で駆動されたときに、二次コイル部がダイナミックフォーカスを実行するのに十分な応答性を有するものであり、
    前記一次コイル部が第1と第2のサブコイル部に分かれており、前記二次コイル部が前記第1と第2のサブコイル部の間に配設されていることを特徴とする磁界レンズ。
  2. 前記第1と第2のサブコイル部が実質的に同じコイル巻回数を有することを特徴とする請求項1に記載の磁界レンズ。
  3. 荷電粒子カラムを具備したデュアルビームシステムであって、
    荷電粒子源組み立て体と、
    荷電粒子源によって照射される試料を保持するホルダと、
    前記荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを収束するために前記荷電粒子源と前記ホルダの間に配設された磁界レンズであって、第1のコイル部の磁界成分を発生するコイル巻回部を有する第1のコイル部と第2のコイル部の磁界成分を発生するコイル巻回部を有する第2のコイル部を有し、両コイル部が前記第1と 第2のコイル部の磁界成分の総和であるビーム収束磁界を生成するように構成され、第1のコイル部の方が第2のコイル部に比べてより大きなコイル巻回数を有し該第2のコイル部が該第1のコイル部に比べてより速い反応性を有する磁界レンズと、
    前記第1のコイル部と第2のコイル部に接続された回路であって、前記第1のコイル部と第2のコイル部を駆動させて有効な磁界の範囲から選択されたビーム収束磁界を発生し、両コイル部によって生成された全平均起電力が有効な磁界の範囲に亘って実質的に一定であり、その全平均起電力が実質的に一定であるときに 該両コイル部がそのコイル部に亘って実質的に一定の温度サインを有するように構成され、ビーム収束磁界を変更するために前記両コイル部の最大の電流変化が前記第2のコイル部に生じるようにするものとからなり、
    前記第1のコイル部が前記第2のコイル部を挟持する第1と第2のサブコイル構成部分を具備することを特徴とするデュアルビームシステム。
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