JP4788272B2 - X線断層撮像装置及びx線断層撮像方法 - Google Patents

X線断層撮像装置及びx線断層撮像方法 Download PDF

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Description

本発明は、X線等を用いて被検査体の内部構造データを検査するX線断層撮像装置及びX線断層撮像方法に関する。
従来、半導体素子等の研究開発分野などでは、微小被検査体内部に存在するひび割れや断線等を検査するため非破壊三次元分析が要求されている。その手法の一つとして、X線によるコンピュータ断層撮像装置(以下、X線断層撮像装置と称する。)を用いる方法がある。
X線断層撮像装置は、例えば、X線源(X線管等から構成されるX線発生装置)と、このX線源よりX線焦点を経て被検査体にコーンビーム状に照射されて透過したX線を検出する二次元検出手段と、この検出手段との間に被検査体を載置するとともにX線焦点からこの検出手段の検出面に降ろした垂線に直交する回転軸を備え設定に基づく角度変位で回転する回転基台部を有する。X線源より被検査体にX線を照射し、被検査体の透過X線投影像を二次元検出手段により撮像しディジタル化された各角度位相毎の複数の画像データとして処理し、これら各画像データより内部構造データを再構成することによって、被検査体内部の検査及び観察等を行い易くする。
上述の内部構造データを再構成する計算において、被検査体の投影像が二次元検出手段の検出面の幅方向内に収まっていることが望ましく、拡大率を向上させるには幅広の二次元検出手段にて撮像することが要求される。
例えば、有限な二次元検出手段の幅を擬似的に拡張する手段として、特許文献1に記載されている方法がある。
図10及び図11を用いて、特許文献1に記載されている、二次元検出手段の幅を擬似的に拡張する技術について、その概略を説明する。図10は、従来のX線二次元検出器を平行移動させて撮像する方法を説明する概略図(鳥瞰図)である。図11は、図10の上面図である。
図10及び図11に示すように、X線二次元検出器102の初期位置を、X線管101のX線焦点とX線二次元検出器102との間に配置された被検査体107の回転中心を通り、X線焦点からX線二次元検出器102の検出面に垂線を下ろした位置とする。X線二次元検出器102を検出面に平行な面内において、位置102a,102b,102cと平行移動させ、得られた複数の投影像を合成し、仮想的に幅広な投影像を得る。
特開平9−327453号公報
しかしながら、X線二次元検出器102はX線の漏洩を防ぐ装置(シールドカバー)内に載置されており、その平行移動量は装置のサイズに大きく制限される。さらにX線二次元検出器102の平行移動量が位置102a,102cのように大きくなると、X線焦点からX線二次元検出器102へ引いた垂線からの距離が次第に大きくなり、X線二次元検出器102で捕獲される投影像が十分な明るさが得られない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、限られた空間を持つ装置内に載置されたX線二次元検出器を用いて、投影像の輝度の減衰を抑えつつ、撮像して得られる投影像の拡大率を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するため、発明は、コーンビーム状の照射野が得られるX線源と、被検査体の透過X線を撮像する平面な検出面を持つ二次元検出手段と、X線源のX線焦点と二次元検出手段との間に配置され被検査体を載置してX線焦点から二次元検出手段の検出面に降ろした垂線に直交する回転軸を中心に設定された角度変位で回転する回転手段と、各角度位相毎に撮像された投影像から再構成計算を行い、前記被検査体の内部構造データを再構成する制御を行う制御手段と、を有するX線断層撮像装置によりX線断層撮像を行うにあたって、
前記制御手段により、前記被検査体の一部分が前記二次元検出手段に撮像されるよう、前記X線源と前記二次元検出手段の相互の位置を固定したまま、前記回転手段に載置された被検査体の回転軸の位置を、前記被検査体の回転軸と平行で前記X線焦点を通る回転軸について、前記X線焦点から前記二次元検出手段の検出面に下ろした垂線と、前記X線焦点から前記被検査体の回転軸を結ぶ直線とのなす角がθ度、0度、−θ度の三つの撮像位置に、各々の撮像位置で所定枚数の投影像を撮像の都度、同一半径にて旋回移動させ、
各々の撮像位置において、前記被検査体の初期角度位相を各々−θ度、0度、θ度として各角度位相毎に前記所定枚数の投影像を撮像し、
各々の撮像位置で得られた投影像を、前記被検査体の回転軸と平行で前記X線焦点を通る回転軸を中心とし、半径を前記X線焦点から前記二次元検出手段に下ろした垂線の長さとする仮想的な円筒面に射影変換し、
射影変換した各々の撮像位置で撮像された順に同角度位相の投影像を合成し、各角度位相毎に合成した投影像から再構成計算を行い、前記被検査体の内部構造データを再構成する
ことを特徴とする。
上記発明によれば、X線源と平面な検出面を持つ二次元検出手段の相互の位置を固定したまま、二次元検出手段を移動させる処理を必要としないので、X線断層撮像装置の構造の簡略化が図れ、装置サイズを小型化できる。また、X線源と二次元検出手段との距離は一定なので、投影像の輝度の減衰が防止される。また、X線焦点と二次元検出手段との位置関係を変化させずに撮像できるので、一度キャリブレーションしただけで、各撮像位置における撮像が可能となる。また、二次元検出手段を固定したまま、撮像を行える分、定盤が撓むことがなく幾何学的位置関係を保つことが容易となり、より高精度な撮像を実現できる。
本発明によれば、限られた空間内に載置されたX線二次元検出器を用いて、投影像の輝度の減衰を抑えつつ、撮像して得られる投影像の拡大率を向上させることを目的とする。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
すなわち、現在、断層撮像装置の中でも広く用いられているX線による断層撮像装置を例に説明するが、本発明は、X線その他の放射線等を多方向から物体に照射し、その投影像を撮像した複数の投影データより内部構造データを再構成計算する断層撮像装置に適用することができる。
図1A,Bは、本発明に係るX線断層撮像装置の一実施の形態例を示す概略図であり、Aは正面図、Bは側面図を表す。図1A,Bにおいて、X線管1は例えばコーンビーム状のX線を発生するX線源として機能するX線発生装置である。このX線管1から被検査体7全体にX線を照射し、照射されるX線により被検査体7の投影像の撮像を行い、この被検査体7の透過X線を、二次元検出手段として機能するX線二次元検出器2で検出し投影像を得る。
このX線管1から照射されるX線は、例えば焦点サイズ約1μm以下の極小のX線焦点を形成するよう構成されている。X線の焦点サイズは、X線断層撮像装置の分解能を決定する大きな要素であるため、この数値が小さいほど、より被検査体内部の微少サイズの損傷等を観察でき好ましい。
X線二次元検出器2は、例えば、フラットパネルディテクタ(FPD)より構成され、X線管1のX線焦点から下ろした垂線がX線二次元検出器2の中心に照射されるよう、X線二次元検出器駆動機構14により、左右上下(XYZ方向)への動きを調節することができる。さらに、X線二次元検出器回転駆動機構15により、Z軸に平行な軸を中心にX線二次元検出器2を回転させることができる。
FPDについては、一例として特開平6−342098号公報(以下、「文献1」という。)に開示されているようなものがある。このFPDは、被写体を透過したX線を光導電層で吸収してX線強度に応じた電荷を発生させ、その電荷量を画素毎に検知するものである。文献1に開示された方式のFPDでは、X線量を画素毎の電荷量に直接変換するため、FPDでの鮮鋭性の劣化が少なく、鮮鋭性に優れた画像が得られる。その他の方式のFPDの例としては、例えば特開平9−90048号公報に開示されているように、X線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発生させ、その蛍光の強度を光電変換素子で検知するものなどがある。
蛍光の検知手段としては他に、CCD(Charge Coupled Devices)やC−MOS(Complementary-Metal OXide Semiconductor)センサを用いる方法などもある。このように、本例のX線二次元検出器2は、被検査体の透過X線を検出し画素毎に処理して画像信号を得られるものであればよい。
回転基台3は被検査体7を載置するとともに、その被検査体7を回転させる回転手段である。以降、回転基台部分を回転させるためのモータ及び後述する軸受け等より構成される回転基台部全体を含めて、回転基台と称する。この回転基台3を自身が回転する回転軸と平行方向、すなわち図1Bに示すように、Z軸方向に移動させるためのZ軸駆動機構3aを備えてなる。さらに、Y軸方向に被検査体7を移動させるためのY軸駆動機構6を備えてなる。被検査体7は回転基台上の保持冶具8にて保持、固定されるようになっている。
上記回転基台3は、空気軸受け4によって支持されており、この空気軸受け4に同軸上に直結された例えば0.2分以下の角度位置決め精度を持つ図示しないサーボモータ、及び回転位相検出手段により、之等サーボモータ及び回転位相検出手段の分解能に応じた各角度変位において、再構成に必要な上記投影データの取り込み期間に同期して静止される。
回転基台3を支持する軸受け4の回転軸は、X線管1の焦点からX線二次元検出器2中心付近へ降ろした垂線と直交している。本例ではこの軸受け4は回転基台3を微少角度変位制御できる空気軸受けよりなるが、これに限るものではなく、回転基台3を支持し滑らかに回転して微少角度変位制御できるものであればよい。
XYテーブル5は、搭載されたX線源のX線管1を、軸受け4の回転軸と直交する平面上で移動させるものである。被検査体7の旋回半径を適宜XYテーブル5にフィードバックし、必要に応じ被検査体7とXYテーブル5を極接近させた状態で投影データを取得することができる。拡大率を支配する一番上位の要素はX線焦点と回転基台3に保持された被検査体7との相互間距離であり、拡大率が大きければ、より微細な部位の内部構造を解析することが可能となる。
除振台10は、上述したX線断層像撮象装置を構成する全ての装置、部材等を載置し、X線照射位置に誤差が生じないよう振動を除去するものである。また、シールドカバー11は鉛等より構成され、X線断層撮像装置の外部にX線が漏れないよう装置全体を覆うものである。
図2は、図1Aの要部の一例を示す図である。X線管1から放射されるX線12は中心部で輝度が大きく、X線焦点からX線二次元検出器2に下ろした垂線からの距離が遠くなるほど、輝度が減衰する。そのため、コーンビーム状X線12の中心付近のX線12aを使用して被検査体7の投影像を撮像することが望まれている。
次に、上述したX線断層撮像装置のブロック構成の一例について、図3を参照して説明する。
まず、X線管1は、上述したように回転基台3上に載置された被検査体7に対してX線照射するものである。このとき照射されるX線の強度、線質等は、X線制御手段であるX線制御部20を通じて制御操作卓22により制御される。
上記被検査体7を載置する回転基台3の位置、回転角度変位、初期角度位相等は、回転基台3並びにXYステージ5の動きを制御する機構制御手段である機構制御部21を通じて、制御操作卓22により制御される。回転基台3に載置された被検査体7は制御操作卓22からの制御信号により指定された角度位相に回転され、その投影像はX線二次元検出器2により撮像される。また、制御操作卓22の指令に基づいて、機構制御部21がX線二次元検出器駆動機構14及びX線二次元検出器回転駆動機構15を制御し、X線二次元検出器2の駆動が制御される。
制御操作卓22は、キーボードやマウス等の入力手段、機器動作状態や入力値等を表示するGUI(Graphical User Interface)を備えた表示手段(図示略)が接続されている。また、入力手段からの入力操作信号の処理、及びROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ(図示略)に格納されたプログラムに従い後述する断層撮像処理等の演算・制御を行うプロセッサ(制御手段)を備える。
また、制御操作卓22は、X線管1より出射されるX線のX線強度等の情報を取り込んで表示手段に表示し、また、被検査体7の適切な位置出しを行うにあたり機構制御部21を通じて回転基台3に指令を出すなどする。
被検査体7を透過したX線は、X線二次元検出器2で検出される。X線二次元検出器2は、検出したX線の情報である投影像をデジタルデータ化し、デジタルデータである投影データを、大容量の磁気記録装置等からなり撮像記憶手段として機能する投影像記憶部23に送出する。
送出された投影像は(制御操作卓22からの指示により、)、撮像時の角度位相や角度変位、初期角度位相、X線強度等の情報と対応して、投影像記憶部23に保存される。この投影像記憶部23は、投影データを記録できる記録容量を有するものであればこれに限るものではなく、光記録媒体や半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体などを含め、さまざまなものを適用することができる。
そして、投影像記憶部23に記憶された投影データは、これと接続された再構成手段として機能する再構成計算用計算機24に送出される。再構成計算用計算機24では入力された投影データより被検査体の内部構造データを再構成計算し、再構成した内部構造データ(再構成データ)を投影像記憶部23あるいは外部記録媒体等に記憶する。また、図示しない表示メモリを介して表示手段である再構成結果表示装置25に出力し、CRT(Cathode Ray Tube)モニタ等のディスプレイに表示する。
再構成計算用計算機24は、投影データを収集して内部構造データを再構成できるとともに所定の制御を行なう演算・制御能力があればよく、投影像記憶部23ともに制御操作卓22内に構成してもよい。また、再構成結果表示装置25は制御操作卓22の表示手段と共用であってもよい。
以上のような構成により、被検査体7の内部構造データが再構成結果表示装置25に入力されて内部構造が表示される。オペレータ(作業者)は、再構成結果表示装置25に表示された内部構造により、多層膜板や微小な電子部品素子等の被検査体内部のひび割れ及び断線など、欠陥の有無もしくはその状態を視覚的に確認することができる。
次に、上記構成のX線断層撮像装置により行われるX線断層撮像方法について説明する。
図4及び図5を参照して、X線二次元検出器2を、X線管1の焦点位置を通り、被検査体7の回転中心軸に平行な軸に関して旋回させた3箇所の位置に移動させながら撮像する方法について説明する。図4は、X線二次元検出器を旋回移動させて撮像する方法を説明する概略図(鳥瞰図)である。図5は、X線二次元検出器を旋回移動させて撮像する方法を説明する概略図(上面図)である。
図4及び図5において、3箇所の撮像位置31a,31b,31cは、X線管1の焦点位置を通り、被検査体7の回転中心軸に平行な軸に関して旋回させた位置である。また、平面30は、初期位置31bにあるときのX線二次元検出器2の検出面に平行な平面であり、X線管1のX線焦点とX線二次元検出器2との間に配置された被検査体7の回転中心を通り、X線焦点からX線二次元検出器2に引いた直線が検出面と直交する位置である。このとき、X線焦点から引いた直線が平面30と垂直に交わる点をO´とする。また、円筒面31は、X線管1の焦点位置を通り被検査体7の回転中心軸に平行な中心軸を持つ。
まず、X線二次元検出器2を位置31aに移動させ、被検査体7を指定された角度位相毎に回転させて、投影像を撮像していく。ここで位置31bに対する位置31aの旋回角41は、位置31bと位置31cでX線二次元検出器2の検出面が若干重なり合うように選ぶ。
そして、X線二次元検出器2を位置31b、続いて位置31cに移動させ、位置31aにおける撮像と同様に投影像を撮像していく。位置31bに対する位置31cの旋回角も、旋回角41と同じ量である。被検査体7が同角度位相でX線二次元検出器2がそれぞれ位置31a、31b、31cで撮像された3枚の投影像を、その重なりを考慮しながら平面30、または円筒面31に射影し、仮想的に幅広の投影像を算出する。円筒面への射影は、X線源の焦点位置から照射され、被検査体7を透過したX線が平面検出器上に等間隔で配置された素子により獲得された画素情報を、X線源焦点を原点とした等角度の情報に変換することである。
ここで、仮想的な幅広の投影像を算出する具体的方法を、円筒面31に投影する場合を例に説明する。図6は、本発明の一実施の形態例に係る、円筒面への射影変換を説明する図(XYZ座標系)である。また、図7は、本発明の一実施の形態例に係る、円筒面への射影変換を説明する図(XY座標系)である。
図6及び図7において、X線源の焦点位置をOとし、図1の装置概略図と同様なX軸、Y軸、Z軸を設定する。焦点位置OからX線二次元検出器2の中心線に下ろした垂線をNとする。X線二次元検出器2が焦点位置Oより距離|N|だけ離れ、角度φだけ旋回した位置にあるとした場合、
N=(Nx,Ny,0)
=(−Ncosφ,Nsinφ,0)
となる。
ここで、X線二次元検出器2平面内にベクトルNに垂直な単位ベクトルU,Vを用意する。VはZ軸と平行かつZ軸と反対向きであるから、
V=(0,0,−1)
である。
ベクトルN,VからベクトルUを算出すると、
Figure 0004788272
となる。
これら3つのベクトルN,U,Vにより、X線二次元検出器2上の任意の点Qは、
N+αU+βV
として表せる。
一方、円筒面31上に形成される仮想検出面上の任意の点をベクトルPで表す。
P=(−Rcos(mΔθ),Rsin(mΔθ),nΔZ)
ここで円筒面31上の仮想検出面のピクセルピッチをΔθ,ΔZと表し、各ピクセル位置を(m,n)、X線焦点位置Oから円筒面31上のベクトルPの終点までの距離をRとする。
ベクトルPの延長線上がX線二次元検出器2の検出面のどこに交わるかという問題は、
N+αU+βV=kP
のα,β,kを求める問題に帰着する。
N+αU+βV=kP
Figure 0004788272
Figure 0004788272
X線二次元検出器2のピクセルピッチをΔh、Δwとした場合、X線二次元検出器2の各ピクセル位置を(α´,β´)で表すと、
α´=αΔh
β´=βΔw
の関係が成り立ち、(m,n)と(α´,β´)の関係からX線二次元検出器2のピクセルと仮想円筒面31上のピクセルとの対応関係が得られ、X線二次元検出器2の投影像の円筒面上への射影を行なうことができる。
また、X線二次元検出器2の投影像の平面30上への射影変換は、上記円筒面31上への射影変換と同じ要領で実現できる。
そして、X線二次元検出器2の各撮像位置(旋回位置又はポジションともいう。)における複数の投影像を各々平面30または円筒面31に射影変換した後、一つの幅広の投影像に合成する。あるいは、各撮像位置における複数の投影像を直接一つの幅広の円筒面31に射影変換して幅広の投影像を生成してもよい。
最後に、射影変換後に得られた複数の幅広の投影像に対し、再構成計算を行ない、被検査体の内部構造データを得ることができる。
なお、射影する円筒面31の位置は、射影変換時にリサンプリングする都合上、元々のX線二次元検出器2の位置に近いほうが好ましいと考え、本例の円筒面31の場合、各撮像位置に旋回されたX線二次元検出器2の検出面に内接する面を選んだが、必ずしもそうである必要はない。
上述した実施の形態によれば、従来のX線二次元検出器を平行移動して幅広の投影像を合成する手法に比べ、さらに幾何学的な拡大率の向上が実現できる。
また、従来の手法で幅広の投影像を得ようとする場合、X線源と被検査体の中心を結ぶ直線から離れた位置になればなるほど、X線源とX線二次元検出器との距離が離れ、投影像の輝度が減衰するが、上述構成においてはX線源1とX線二次元検出器2との距離は一定なので、そのような問題は生じない。
また、X線二次元検出器2の投影像を円筒面31に射影する場合は、実際のX線二次元検出器2の検出面と仮想的な円筒面31との距離差が、仮想的平面30に射影することに比べて少なく、より変換誤差の少ない画像が得られることが期待できる。
上述した一実施の形態例による撮像方法においては、X線二次元検出器2を位置31a,31b,31cへと旋回させたが、X線二次元検出器2を旋回させずに初期位置31bに載置したままで、X線二次元検出器2を旋回させたと同様な幾何学位置を保つように、被検査体7の位置、および初期角度位相を設定することにより、被検査体の撮像を行なう方法について説明する。
図8は、本発明の他の実施の形態例に係る、X線二次元検出器を旋回移動させずに被検査体を移動させて、投影像を撮像する方法を説明する図(上面図)である。また図9は、図8の要部の拡大図である。
図8において、X線源1の焦点位置を原点Oとし、X軸、Y軸を設定する。X線源1のX線焦点から被検査体7の初期位置7bにおける中心点までの距離をSとすれば、被検査体7の位置は(−S,0)と表される。
被検査体7を位置7bに載置したまま、X線二次元検出器2を位置31aに旋回角41でθ旋回させた場合を、状態Aとする。40はX線二次元検出器の投影領域の半角である。状態AにおけるX線源1のX線焦点と被検査体7とX線二次元検出器2の位置関係は、X線源1を動かさず、かつX線二次元検出器2を旋回させずに初期位置31bに載置した状態で、被検査体7の中心を位置7a、即ち(−Scosθ,−Ssinθ)の位置に移動し、さらに被検査体7の角度位相を−θ分オフセットさせる(状態Bとする)ことにより保たれる。したがって、状態Aで撮像した投影像と状態Bで撮像した投影像はほぼ同じ投影像が得られる。
上記角度移相のオフセットは、図9に示すように、被検査体7を位置7aに移動後、X線焦点と被検査体7の中心を通る直線が被検査体7上の基準点7b1を通るように被検査体7を回転させることで行うことができる。
同様に、被検査体7を位置7c、即ち(−Scosθ,Ssinθ)の位置に移動させ、さらに被検査体7の角度位相をθ分オフセットさせることによって、被検査体7を位置7cに載置したまま、X線二次元検出器2を位置31cにθ旋回させて撮像した投影像とほぼ同じ投影像が得られる。
したがって、まず、X線二次元検出器2を位置31bに載置したまま、被検査体7を位置7aに移動させ、−θ分オフセットさせた上で指定された角度変位で回転させて、各角度位相の投影像を撮像していく。次に、被検査体7を位置7bに移動させ、指定された角度変位で回転させて、各角度位相の投影像を撮像する。
そして、被検査体7を位置7cに移動させ、θ分オフセットさせた上で指定された角度変位で回転させて、各角度位相の投影像を撮像する。被検査体7が同角度位相で被検査体7の位置がそれぞれ7a,7b,7cの位置で撮像された3枚の投影像を、その重なりを考慮しながら平面30、または円筒面31に射影し、仮想的に幅広の投影像を算出する。得られた各角度位相の複数の幅広の投影像から再構成計算を経て被検査体7の内部構造データを得る。
上記他の実施の形態例によれば、上述した一実施の形態例と同様の効果を奏するとともに、新たに次のような効果が得られる。
まず、X線二次元検出器2を旋回させずに被検査体7の位置を移動させて撮像する方法は、X線二次元検出器2を移動させる手段を必要としないので、X線断層撮像装置の構造の簡略化が図れ、装置サイズをコンパクトにすることが可能となる。
また、X線二次元検出器の中には、被検査体が何も映っていない白画像又は黒画像を元にキャリブレーションを行なう必要があるものがあり、このキャリブレーションはX線源の焦点位置とX線二次元検出器の位置関係が変化する度に行なう必要がある。しかし、上記他の実施の形態例では、X線二次元検出器2の位置を変化させずに撮像できるので、一度キャリブレーションしただけで、各ポジション(撮像位置)における撮像が可能となる。
また、X線二次元検出器2を固定したまま、撮像を行える分、定盤が撓むことがなく幾何学的位置関係を保つことが容易となり、より高精度な撮像を実現できるので、X線断層撮像装置の構成も簡潔なものとなる。
なお、上述実施の形態例において、回転基台3の回転角度は必ずしも360°である必要はなく、例えば270°等でもよい。
また、被検査体の投影像を捕獲する手段は、X線二次元検出器に限らず、ラインセンサー等の一次元検出器でもよい。
また、本発明のX線断層撮像方法を、被検査体の回転軸を傾斜させた状態で被検査体の投影像の撮像を行う場合に適用してもよい。
また、本発明において、X線二次元検出器、および被検査体のポジション(撮像位置)を3ポジションとして説明しているが、4ポジション、5ポジションと増やすことも可能である。
本発明は、上述した各実施の形態例に限定されるものではなく、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることは勿論である。
本発明の一実施の形態例に係るX線断層撮像装置を示す概略図であり、Aは正面図、Bは側面図を表す。 図1に示したX線断層撮像装置の要部の一例を示す図である。 本発明の一実施の形態例に係るX線断層撮像装置のブロック構成図である。 本発明の一実施の形態例に係る、X線二次元検出器を旋回移動させて撮像する方法を説明する概略図(鳥瞰図)である。 本発明の一実施の形態例に係る、X線二次元検出器を旋回移動させて撮像する方法を説明する概略図(上面図)である。 本発明の一実施の形態例に係る、円筒面への射影変換を説明する図(XYZ座標系)である。 本発明の一実施の形態例に係る、円筒面への射影変換を説明する図(XY座標系)である。 本発明の他の実施の形態例に係る、X線二次元検出器を旋回移動させずに被検査体を移動させて撮像する方法を説明する図(上面図)である。 図8に示したX線断層撮像装置の要部の一例を示す図である。 従来のX線二次元検出器を平行移動させて撮像する方法を説明する概略図(鳥瞰図)である。 従来のX線二次元検出器を平行移動させて撮像する方法を説明する概略図(上面図)である。
符号の説明
1…X線管、2…X線二次元検出器、3…回転基台、7…被検査体、7a,7b,7c…被検査体の移動位置、11…シールドカバー、15…回転中心軸、22…制御操作卓、23…投影像記憶部、24…再構成計算用計算機、25…再構成結果表示装置、30…仮想平面、31…仮想円筒面、31a,31b,31c…X線二次元検出器の移動位置、41…X線二次元検出器の旋回角

Claims (2)

  1. コーンビーム状の照射野が得られるX線源と、被検査体の透過X線を撮像する平面な検出面を持つ二次元検出手段と、前記X線源のX線焦点と前記二次元検出手段との間に配置され前記被検査体を載置して前記X線焦点から前記二次元検出手段の検出面に下ろした垂線に直交する回転軸を中心に設定された角度変位で回転する回転手段と、各角度位相毎に撮像された投影像から再構成計算を行い、前記被検査体の内部構造データを再構成する制御を行う制御手段と、を有するX線断層撮像装置において
    前記制御手段は、前記被検査体の一部分が前記二次元検出手段に撮像されるよう、前記X線源と前記二次元検出手段の相互の位置を固定したまま、前記回転手段に載置された被検査体の回転軸の位置を、前記被検査体の回転軸と平行で前記X線焦点を通る回転軸について、前記X線焦点から前記二次元検出手段の検出面に下ろした垂線と、前記X線焦点から前記被検査体の回転軸を結ぶ直線とのなす角がθ度、0度、−θ度の三つの撮像位置に、各々の撮像位置で所定枚数の投影像を撮像の都度、同一半径にて旋回移動させ、
    各々の撮像位置において、前記被検査体の初期角度位相を各々−θ度、0度、θ度として各角度位相毎に前記所定枚数の投影像を撮像し、
    各々の撮像位置で得られた投影像を、前記被検査体の回転軸と平行で前記X線焦点を通る回転軸を中心とし、半径を前記X線焦点から前記二次元検出手段に下ろした垂線の長さとする仮想的な円筒面に射影変換し、
    射影変換した各々の撮像位置で撮像された順に同角度位相の投影像を合成し、各角度位相毎に合成した投影像から再構成計算を行い、前記被検査体の内部構造データを再構成する
    X線断層撮像装置。
  2. コーンビーム状の照射野が得られるX線源と、被検査体の透過X線を撮像する平面な検出面を持つ二次元検出手段と、前記X線源のX線焦点と前記二次元検出手段との間に配置され前記被検査体を載置して前記X線焦点から前記二次元検出手段の検出面に下ろした垂線に直交する回転軸を中心に設定された角度変位で回転する回転手段と、各角度位相毎に撮像された投影像から再構成計算を行い、前記被検査体の内部構造データを再構成する制御を行う制御手段と、を有するX線断層撮像装置のX線断層撮像方法において、
    前記制御手段により、前記被検査体の一部分が前記二次元検出手段に撮像されるよう、前記X線源と前記二次元検出手段の相互の位置を固定したまま、前記回転手段に載置された被検査体の回転軸の位置を、前記被検査体の回転軸と平行で前記X線焦点を通る回転軸について、前記X線焦点から前記二次元検出手段の検出面に下ろした垂線と、前記X線焦点から前記被検査体の回転軸を結ぶ直線とのなす角がθ度、0度、−θ度の三つの撮像位置に、各々の撮像位置で所定枚数の投影像を撮像の都度、同一半径にて旋回移動させ、
    各々の撮像位置において、前記被検査体の初期角度位相を各々−θ度、0度、θ度として各角度位相毎に前記所定枚数の投影像を撮像し、
    各々の撮像位置で得られた投影像を、前記被検査体の回転軸と平行で前記X線焦点を通る回転軸を中心とし、半径を前記X線焦点から前記二次元検出手段に下ろした垂線の長さとする仮想的な円筒面に射影変換し、
    射影変換した各々の撮像位置で撮像された順に同角度位相の投影像を合成し、各角度位相毎に合成した投影像から再構成計算を行い、前記被検査体の内部構造データを再構成する
    X線断層撮像方法。
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