JP4786670B2 - 計測器ドリフト検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラント設備に設けられて、測定されるプロセスデータに相関が認められる複数の計測器を対象とし、このプロセスデータを用いて計測器のドリフトを検知する計測器ドリフト検知装置に関する。
一般に、発電プラントをはじめとしたプラント設備では、プラントの正常運転を確保するために圧力計、流量計、温度計等その種類も個数も多くの計測器が設置されることが多い。これら計測器はドリフトするのが通常であり、プロセスデータを要求された精度で計測するためには必要に応じて検査・校正する必要がある。
計測器の検査を時間監視保全の概念によって行うならば、計測器のドリフトが時間に比例して進行するものではない点を考慮し、検査間隔は十分余裕を持たせて短く設定することが重要となる。そのため、計測器が要求精度の範囲内にあるよう保全を重視すると、検査回数の増加に伴うコスト増大、検査時のヒューマンエラーに基づくプラント安全性低下のリスク増大、及びプラントの稼働率の低下を招くこととなる。
従来、このような問題に対し、計測器のドリフトを検査によることなく判定し、計測器が要求精度の限界に近づいたことを報知する計測器ドリフト検知装置が知られている。例えば、ニューラルネットワーク或いは線形モデルを用いて、最も信頼性の高い推定真値を統計的に算出してドリフト量を推定するものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、ある特定の計測器により測定されたプロセスデータと、他の複数の計測器により測定されたプロセスデータとの相関を利用して、この特定の計測器に対するドリフトを検知するものが知られている(例えば、特許文献3、4参照)。
さらに、予め作成されたルールマトリックスを用いて計測器のドリフトを検知するものや(例えば、特許文献5参照)、計測器毎に過去のプロセスデータを用いてドリフトが発生した場合の真値に対する実測値の確率密度関数を用いて計測器のドリフトを検知するものなど(例えば、特許文献6参照)、計測器毎に予め設定されたドリフト判定指標を用いて計測器のドリフトを検知するものが知られている。
特開2001−356818号公報 特開2007−3381号公報 特表2002−509324号公報 特開昭60−91289号公報 特開平7−63586号公報 特開2003−271231号公報
従来の計測器ドリフト検知装置にあっては、真値推定モデルの精度がドリフト検知の信頼性を低下せしめる要因となる。例えば、ニューラルネットワークにデータを学習させることは単純ではなく、特にプラント設備の運転出力が途中で変化するような場合を想定すると、ニューラルネットワークの適用に困難性を伴うものとなり、真値推定の精度を十分に確保することは容易ではない。
また、ドリフト検知に際して計測されたプロセスデータの相関を利用する場合は、その相関を正確にモデル化することが重要となり、相関のモデル精度或いは相関の強弱がドリフト検知の信頼性を低下せしめる要因となる。
さらに、予め設定されるドリフト判定指標を利用する場合は、その指標の精度によりドリフト検知の信頼性が左右され、計測器毎に高い精度の指標を用意するための多大な労力を必要とする。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、プロセスデータの真値推定の精度或いはプロセスデータの相関に起因するドリフト検知の信頼性低下を回避し、加えて計測器の種別に応じたドリフト判定指標を必要としない汎用性の高い計測器ドリフト検知装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、プラント設備に設けられて、測定されるプロセスデータに相関が認められる複数の計測器を対象とし、このプロセスデータを用いて計測器のドリフトを検知する計測器ドリフト検知装置において、前記プロセスデータのそれぞれに対し、プロセスデータの増加の有無或いは減少の有無を内容とするプロセスデータの変化を判定し、このプロセスデータの変化を検出結果とする変化検出処理を行う変化検出手段と、前記検出結果を受け取り、この検出結果が示されたプロセスデータから1つのプロセスデータを選択し、選択されない残りのプロセスデータの検出結果が互いに一致するか否かを判定して、この一致が判定された場合に、この検出結果と前記選択された1つのプロセスデータの検出結果とが一致するか否かを判定し、両者の検出結果が一致しないことを条件として前記選択された1つのプロセスデータを測定した計測器に対してドリフト有りとするドリフト判定処理を行うドリフト判定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の計測器ドリフト検知装置によれば、プロセスデータの真値推定の精度或いはプロセスデータの相関に起因するドリフト検知の信頼性低下を回避し、加えて計測器の種別に応じたドリフト判定指標を必要とせず汎用性を高めることができる。
本発明の計測器ドリフト検知装置の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10の構成を説明する。
図1は第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10における情報処理系100の機能ブロック図である。
第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10は、沸騰水型原子力発電プラント(プラント設備)の水位計に適用され、その情報処理系100は、図1に示すように、変化検出手段101と、ドリフト判定手段102とを備える。本実施形態の計測器ドリフト検知装置10は、原子炉水位(プロセスデータ)を計測する4つの水位計(計測器)のドリフトを検知するものである。なお、これら4つの水位計は、設置箇所は異なるものの同じ原子炉水位を計測するため、計測されたプロセスデータは互いに強い相関を有する。
情報処理系100の変化検出手段101は、プラントにおいて計測された時系列のプロセスデータに対して、統計的手法を適用することにより、このプロセスデータの増加の有無或いは減少の有無というプロセスデータの変化を判定し、これを検出結果とする。また、情報処理系100のドリフト判定手段102は、変化検出手段101からプロセスデータの変化に関する検出結果を受け取り、その検出結果を用いて計測器のドリフトを判定する。情報処理系100の変化検出手段101及びドリフト判定手段102は、コンピュータ上で作動するプログラムとして実現される。
情報処理系100の変化検出手段101は、変化検出パラメータ記録部103と、増加検出部104と、減少検出部105とから構成される。
変化検出手段101の変化検出パラメータ記録部103は、プロセスデータの変化の判定基準となるパラメータを記録する。変化検出手段101の増加検出部104は、プロセスデータを用いてプロセスデータの増加有り或いは増加無しといったプロセスデータの変化についての検出結果を生成する。変化検出手段101の減少検出部105は、プロセスデータを用いてプロセスデータの減少有り或いは減少無しといったプロセスデータの変化についての検出結果を生成する。
情報処理系100のドリフト判定手段102は、データ制御部106と、一致判定部107と、ドリフト判定部108とから構成される。
ドリフト判定手段102のデータ制御部106は、前記検出結果が示されたプロセスデータから1つのプロセスデータを選択してこれをドリフト判定手段102のドリフト判定部108に送り、選択されない残りのプロセスデータ、すなわち、3つのプロセスデータをドリフト判定手段102の一致判定部107に送るようプロセスデータの流れを制御する。ドリフト判定手段102の一致判定部107は、ドリフト判定手段102のデータ制御部106から受け取った3つのプロセスデータの変化について、その検出結果の一致を判定する。そして、ドリフト判定手段102のドリフト判定部108は、所定の条件に従って計測器のドリフトを判定する。
次に、第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10の作用を説明する。
図2は第1実施形態の情報処理系100において実行される処理を示すフローチャートであり、(A)は情報処理系100の変化検出手段101において実行される処理(変化検出処理)の流れを示すフローチャート、(B)は情報処理系100のドリフト判定手段102において実行される処理(ドリフト判定処理)の流れを示すフローチャートである。以下、各ステップについて説明する。
(変化検出処理)
情報処理系100の変化検出手段101の増加検出部104において実行され、プロセスデータの増加の有無の判定に用いられるSPRT法(逐次確率比検定)を説明する。なお、変化検出手段101の減少検出部105において実行されるプロセスデータの減少の有無の判定も、同様の手法に基づく。
SPRT法では対数尤度比λを判断指標とする。対数尤度比λは、計測されたプロセスデータγが、「プロセスデータは増加していない」という仮定Hの下に得られた確率P(γ|H)に対する「プロセスデータは増加いている」という仮定Hの下に得られた確率P(γ|H)の比の対数をとったものである。すなわち、以下の式で表される。なお、λは、プロセスデータに時系列的な依存性がない場合は、逐次的に計算することができる。
Figure 0004786670
プロセスデータの時系列のk−1番目までの対数尤度比がλ(k−1)のとき、k番目のデータとしてγ(k)が計測されたとすると、λ(k)は次の式で計算される。
Figure 0004786670
さらに、P(γ|H)とP(γ|H)とが正規分布に従う場合は、式(2)は次のようになる(参照:中溝高好ほか「システムの統計的故障検知法」:計測と制御Vol.18,No.6,第471項−第480項)。
Figure 0004786670
次に、各水位計が計測したプロセスデータを対象とし、情報処理系100の変化検出手段101において実行されるSPRT法を用いた変化検出処理を説明する。なお、説明上、4つのプロセスデータをL1、L2、L3及びL4とする。
<前準備>
ステップA1:予め基準となるプロセスデータL1〜L4から基準パラメータ、すなわち、平均値a及び標準偏差σを計算し、変化検出手段101の変化検出パラメータ記録部103に記録する。さらに、プロセスデータL1〜L4の「増加有り」を仮定したときの仮定値、すなわち、平均値a、対立仮説の判定閾値A、帰無仮説の判定閾値Bを変化検出パラメータ記録部103に記録する。
ステップA2:増加検出部104においてSPRT法による対数尤度比λの初期値λ(0)=0をセットする。
<実行時処理>
プロセスデータL1、L2、L3及びL4の時系列それぞれについて、以下の処理手順(ステップB1〜ステップB5)を繰り返す。ここでは、プロセスデータL1、L2、L3及びL4を代表してLnと記す。
ステップB1:変化検出手段101の増加検出部104が、時系列のプロセスデータLnのそれぞれに対して、時系列k番目のプロセスデータγ(k)を読み込む。
ステップB2:ステップB1に続き、前回までの対数尤度比λ(k−1)の値を用いて、対数尤度比λ(k)を式(3)に従って計算する。なお、最初の時系列k=1に対する対数尤度比は、λ(k−1)=λ(0)=0である。
ステップB3:ステップB2に続き、増加検出部104が、対数尤度比λ(k)が対立仮説の判定閾値Aよりも大きいか否かを判定する。
ステップB4:増加検出部104は、対数尤度比λ(k)>対立仮説の判定閾値Aならば、プロセスデータの「増加有り」を検出結果とし、この検出結果をドリフト判定手段102に通知する。そして、対数尤度比λ(k)に0をセットし、増加の有無についての変化検出処理を続ける。
ステップB5:増加検出部104は、対数尤度比λ(k)<Bならば、プロセスデータの「増加有り」の検出が否定されたものとして、プロセスデータの「増加無し」を検出結果とし、この検出結果をドリフト判定手段102に通知する。そして、数尤度比λ(k)に0をセットし、増加の有無についての変化検出処理を続ける。
一方、変化検出手段101の減少検出部105は、ステップB1〜ステップB5と同様の手順により、プロセスデータLnの減少の有無についての変化検出処理を行ない、ドリフト判定手段102に「減少有り」或いは「減少無し」の検出結果を通知する。
すなわち、変化検出手段101は、増加検出部104における検出結果「増加有り」或いは「増加無し」の検出結果を、減少検出部105における検出結果「減少有り」或いは「減少無し」の検出結果を、それぞれドリフト判定手段102に通知する。
(ドリフト判定処理)
次に、情報処理系100のドリフト判定手段102におけるドリフト判定処理を説明する。ドリフト判定手段102は、情報処理系100の変化検出手段101から各プロセスデータLnに関する「増加有り」或いは「増加無し」などの検出結果を受け取り、以下の処理(ステップC1〜ステップC5)を繰り返し実行する。
ステップC1:変化検出手段101からプロセスデータLnの変化についての検出結果を受け取る。
ステップC2:ステップC1に続き、ドリフト判定手段102のデータ制御部106が、プロセスデータLnのうちからプロセスデータを1つずつ選択し、選択したプロセスデータに関する検出結果をドリフト判定手段102のドリフト判定部108に送り、選択されない残りの3つのプロセスデータの検出結果を一致判定部107に送る。
ステップC3:ステップC2に続き、ドリフト判定手段102の一致判定部107は、3つのプロセスデータの検出結果が互いに一致するか否かを判定する。例えば、3つのプロセスデータの検出結果がすべて「増加無し」且つ「減少無し」の場合や、「増加有り」かつ「減少無し」のときは、一致と判定する。
ステップC4:3つのプロセスデータの検出結果が互いに一致する場合、ドリフト判定手段102の一致判定部107は、3つのプロセスデータの検出結果をドリフト判定手段102のドリフト判定部108に送る。3つのプロセスデータの検出結果が互いに一致しない場合、ドリフト判定手段102の一致判定部107は、いずれのプロセスデータの検出結果もドリフト判定手段102のドリフト判定部108に送らず、ドリフト判定処理は、ステップC1の処理に戻る。
ステップC5:ドリフト判定手段102のドリフト判定部108は、ドリフト判定手段102のデータ制御部106により選択されて直接送られてくる選択された1つのプロセスデータの検出結果と、ドリフト判定手段102の一致判定部107から送られてくる3つの互いに一致する検出結果とを比較し、ドリフト判定表(図3参照)に従って選択された1つのプロセスデータを測定した計測器に対してドリフト有りを判定する。
すなわち、情報処理系100のドリフト判定手段102は、選択された1つのプロセスデータについてドリフトの有無を判定するにあたって、選択されない残りの3つのプロセスデータの変化を基準として判定する。
図3は情報処理系100のドリフト判定手段102におけるドリフト判定処理で使用されるドリフト判定表を示す図である。なお、図3は、プロセスデータLnのうち、ドリフト判定手段102のデータ制御部106が選んだ1つのプロセスデータに関する。以下、ドリフト判定表の内容について、いくつかの例を用いて説明する。
このドリフト判定表に従うドリフト判定処理においては、選択した1つのプロセスデータの変化についての検出結果が「増加無し」且つ「減少無し」であり、選択されない3つのプロセスデータの変化についての検出結果も同様に「増加無し」且つ「減少無し」であれば、選択した1つのプロセスデータを測定した計測器に対してドリフト無しを判定する。すなわち、選択されない3つのプロセスデータの変化についての検出結果を基準にして、プロセスデータは変化していない可能性が高いといえる。このとき、選択した1つのプロセスデータを測定したプロセスデータもプロセスデータは変化していないと判定したので、この計測器は正常であるとしてドリフト無しを判定する。
一方、選択した1つのプロセスデータの変化についての検出結果が「増加無し」且つ「減少無し」であり、選択されない3つのプロセスデータの変化についての検出結果が「増加有り」且つ「減少無し」であれば、選択した1つのプロセスデータを測定した計測器に対して減少側へのドリフトを判定する。すなわち、3つのプロセスデータの変化についての検出結果を基準にして、プロセスデータは増加している可能性が高いといえる。このとき、選択した1つのプロセスデータは増加していないと判定したため、この計測器はプロセスデータを過少評価しているとして減少側へのドリフト有りを判定する。
また、選択した1つのプロセスデータの変化についての検出結果が「増加有り」且つ「減少無し」であり、選択されない3つのプロセスデータの変化についての検出結果も同様に「増加有り」且つ「減少無し」であれば、プロセスデータそのものが増加していると判定する。すなわち、3つのプロセスデータの変化についての検出結果を基準にしてプロセスデータは増加している可能性が高いといえる。このとき、選択した1つのプロセスデータも増加していると判定したため、プロセスデータそのものが増加している可能性が高いとしてプロセスデータ増加有りを判定する。
次に、第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10の効果を説明する。
第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1)沸騰水型原子力発電プラントに設けられて、測定されるプロセスデータに相関が認められる4つの計測器を対象とし、このプロセスデータを用いて計測器のドリフトを検知する計測器ドリフト検知装置10において、プロセスデータのそれぞれに対し、プロセスデータの増加の有無或いは減少を内容とするプロセスデータの変化を判定し、プロセスデータの変化を検出結果とする変化検出処理を行う変化検出手段101と、その検出結果を受け取り、検出結果が示されたプロセスデータから1つのプロセスデータを選択し、選択されない残りの3つのプロセスデータの検出結果が一致するか否かを判定して、この一致が判定された場合に、この検出結果と選択された1つのプロセスデータの検出結果とが一致するか否かを判定し、両者の検出結果が一致しないことを条件として、選択された1つのプロセスデータを測定した計測器に対してドリフト有りとするドリフト判定処理を行うドリフト判定手段102とを備えたため、プロセスデータの真値推定の精度或いはプロセスデータの相関に起因するドリフト検知の信頼性低下を回避し、加えて計測器の種別に応じたドリフト判定指標を必要とせず汎用性を高めることができる。
すなわち、各プロセスデータの増加の有無或いは減少の有無というプロセスデータの変化が判定され(変化検出処理)、判定された各プロセスデータの比較によりドリフトの有無が判定される(ドリフト判定処理)。この比較は、ドリフトの有無判定の対象となる特定の計測器により測定された1つのプロセスデータを選択して、選択されない残りのプロセスデータの変化と比較することにより行われる。また、この比較は、選択されない残りのプロセスデータの変化が一致する場合に行われるので、これら選択されない残りのプロセスデータの変化は計測器のドリフトによるものではなくプラントのプロセス変動による可能性が高く、ドリフトの有無判定の基準として信頼できる。
つまり、本発明の計測器ドリフト検知装置では、計測器のドリフトの有無判定に際し、測定されるプロセスデータの相関を利用することなく判定可能なプロセスデータの変化が用いられ、また、真値を推定する必要もない。さらに、前記比較に際しては、プロセスデータの増加の有無或いは減少の有無という計測器の種別を問わない普遍的指標が用いられる。
(2)変化検出手段101は、プロセスデータのそれぞれに対し、逐次確率比検定を用いた統計的手法を適用した変化検出処理を行うため、プロセスデータの変化を高い信頼性で判定することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10の構成に変化確認手段301を追加した例である。
まず、第2実施形態の計測器ドリフト検知装置10Aの構成を説明する。
図4は第2実施形態の計測器ドリフト検知装置10Aにおける情報処理系100Aの機能ブロック図である。
計測器ドリフト検知装置10Aの情報処理系100Aは、図4に示すように、変化確認手段301を備える。実際のプラントにあっては、計測器がドリフトしていない場合でも何らかの一過性の現象により、プロセスデータの変化が起こりうる。変化確認手段301は、このような一過性の現象の影響を除去する。
情報処理系100Aの変化確認手段301は、変化検出手段101からプロセスデータの増加の有無或いは減少の有無についての検出結果を受け取り、その検出結果の有効性を確認し、検出結果が有効である場合に限りその検出結果を情報処理系100Aのドリフト判定手段102に送る(確認処理)。
変化確認手段301における確認処理は、変化検出手段101における変化検出処理におけるプロセスデータの増加有り或いは減少有りの判定が予め設定した基準回数Nを超えたとき、その増加有り或いは減少有りの検出結果を有効なものと判定することにより行われる。
情報処理系100Aの変化確認手段301は、確認パラメータ記録部302と、判定履歴記録部303と、変化確認部304とから構成される。
変化確認手段301の確認パラメータ記録部302は、プロセスデータの変化の確認に使用するパラメータを記録し、変化確認手段301の判定履歴記録部303は、プロセスデータの変化の判定履歴を記録する。そして、変化確認手段301の変化確認部304は、プロセスデータの変化が計測器のドリフトによるものかどうかを確認する。
情報処理系100Aの変化確認手段301は、コンピュータ上で作動するプログラムとして実現される。なお、他の構成は、第1実施形態と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、第2実施形態の計測器ドリフト検知装置10Aの作用を説明する。
図5の第2実施形態の変化確認手段301において実行される処理(確認処理)の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
(確認処理)
<前準備>
ステップD1:変化確認手段301の確認パラメータ記録部302に、判定の基準回数Nを記録する。
ステップD2:プロセスデータの増加の有無及び減少の有無の判定回数を記録する変化確認手段301の判定履歴記録部303に判定回数=0を記録する。
<実行時>
例えば、プロセスデータの増加有りについての検出結果に対し、その有効性を確認する場合は、以下の確認処理が実行される。
ステップE1:情報処理系100Aにおいて、変化確認手段301の変化確認部304が、変化検出手段101からプロセスデータの増加の有無についての検出結果を受け取る。
ステップE2:ステップE1に続き、受け取った検出結果がプロセスデータの「増加有り」であれば、変化確認手段301の判定履歴記録部303は、増加判定回数を1回カウントアップし、判定回数を現在のカウント数に更新する。
ステップE3:ステップE2に続き、変化確認手段301の変化確認部304は、増加判定回数が変化確認手段301の確認パラメータ記録部302に記録されている基準回数Nを超えたか否かを判定する。
ステップE4:ステップE3に続き、変化確認手段301の変化確認部304は、増加判定回数が基準回数Nを超えた場合は、変化検出処理による「増加有り」の検出結果を有効なものとして、この「増加有り」の検出結果をドリフト判定手段102に送る。
ステップE5:ステップE4に続き、変化確認手段301の判定履歴記録部303に対して、増加判定回数=0を記録する。
ステップE1で、変化検出手段101から受け取った検出結果が「増加無し」、「減少有り」及び「減少無し」の場合についても、ステップE1〜ステップE5と同様の確認処理が行われる。なお、他の作用は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
但し、ドリフト判定手段102は、各プロセスデータに対して、変化確認手段301における確認処理において有効と判定された検出結果に対して、第1実施形態と同様の手法によるドリフト判定処理を行う。
次に、第2実施形態の計測器ドリフト検知装置10Aの効果を説明する。
第2実施形態の計測器ドリフト検知装置10Aにあっては、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(3)変化確認手段301の変化検出処理においてプロセスデータの増加有り或いは減少有りが連続して判定された回数をカウントし、カウントした回数が予め設定された基準回数Nを超えた場合に、プロセスデータの増加有り或いは減少有りを内容とする検出結果を有効と判定する検出結果の確認処理を行う変化確認手段301を備え、ドリフト判定手段102は、その有効な検出結果を対象として、ドリフト判定処理を行うため、プロセスの一過性の変動の影響を除去して計測器のドリフトを判定できる。
(4)変化確認手段301は、変化検出手段101から検出結果を受け取り、確認処理において有効と判定した検出結果のみをドリフト判定手段102に送り、ドリフト判定手段102は、変化確認手段301から受け取った検出結果を対象としてドリフト判定処理を行うため、(3)で示した効果を容易に得ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第2実施形態の変化確認手段301の構成を変形した例である。
まず、第3実施形態の計測器ドリフト検知装置10Bの構成を説明する。
図6は第3実施形態の計測器ドリフト検知装置10Bにおける情報処理系100Bの機能ブロック図である。
計測器ドリフト検知装置10Bの情報処理系100Bは、図6に示すように、第2実施形態の変化確認手段301の変化確認部304に代替して、判定頻度確認部305を備えたものである。この判定頻度確認部305は、第2実施形態の変化確認部304と異なる手法により一過性の現象の影響を除去する。
情報処理系100Bの変化確認手段301Bは、情報処理系100Bの変化検出手段101から受け取った検出結果に基づいて計算した増加判定頻度或いは減少判定頻度が予め設定された基準頻度を超えた場合に、受け取った検出結果を有効なものとして、その検出結果を情報処理系100Bのドリフト判定手段102に送る。この増加判定頻度は、変化検出手段101の増加検出部104において「増加有り」が判定されたときの増加の有無の判定回数に対する増加有りの判定回数で定義し、減少判定頻度は、変化検出手段101の減少検出部105において「減少有り」が判定されたときの減少の有無の判定回数に対する減少有りの判定回数で定義している。なお、他の構成は、第2実施形態と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、第3実施形態の計測器ドリフト検知装置10Bの作用を説明する。
(確認処理)
計測器ドリフト検知装置100Bの変化確認手段301Bにおいて実行され、増加判定頻度及び減少判定頻度の確認処理に用いられるSPRT法を説明する。
プロセスデータが一定の状態で揺らいでいれば、増加判定頻度は二項分布に従う。そこで、「増加判定頻度はpである」という仮定Hと、「増加判定頻度はqである」という仮定Hとを考え、p<qを仮定する。プロセスデータの一過性の揺らぎが生じている通常状態では、p<qで「増加有り」を判定する。一方、計測器のドリフトが生じている状態では、p>qで「増加有り」を判定する。
増加判定頻度がyのとき、それが仮定Ha(a=p又はq)の下で判定された確率P(y|Hp)とP(y|Hq)の対数尤度比μ(k)は次のように計算される。なお、kは、時系列を示す。
Figure 0004786670
これらを式(5)に代入すると次のようになる。
Figure 0004786670
n=1、すなわち、情報処理形100Bの変化検出手段101が1回処理をする度に式(6)を計算する場合は次のようになる。
情報処理形100Bの変化検出手段101が「増加有り」を判定した場合。
この場合は、増加判定頻度yは1/1=1であり、(6)式は次のようになる。
Figure 0004786670
情報処理形100Bの変化検出手段101が「増加無し」を判定した場合。
この場合は、増加判定頻度yは0/1=0であり、式(6)は次のようになる。
Figure 0004786670
図7は第2実施形態の変化確認手段301Bにおいて実行される処理(確認処理)の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。ここでは、増加判定頻度を対象とした確認処理を説明する。
<前準備>
ステップF1:変化確認手段301Bの確認パラメータ記録部302に、標準状態での基準頻度pと、変化検出処理による検出結果「増加有り」の有効性を確認する基準となる基準頻度qとを記録する。また、確認パラメータ記録部302に、増加判定頻度に関する対数尤度比μに対する検出結果「増加有り」を確認するための閾値Aと、検出結果「増加有り」を否定するための閾値Bを記録する。
ステップF2:変化確認手段301Bの判定履歴記録部303に、対数尤度比μ(k)の初期値μ(0)=0を記録する。
<実行時>
ステップG1:変化確認手段301Bの判定頻度確認部305が、変化検出手段101から増加の有無についての検出結果を受け取る。
ステップG2:ステップG1に続き、変化確認手段301Bの判定頻度確認部305が、変化確認手段301Bの判定履歴記録部303から対数尤度比μ(k)の前回までの値μ(k−1)を取り出す。
ステップG3:ステップG2に続き、変化確認手段301Bの判定頻度確認部305は、k番目の増加の有無についての検出結果に対して対数尤度比μ(k)を式(7)により計算し、変化確認手段301Bの判定履歴記録部303にμ(k)を記録する。なお、検出結果が「増加無し」ならば、対数尤度比μ(k)を式(8)により計算する。
ステップG4:ステップG3に続き、変化確認手段301Bの判定頻度確認部305は、対数尤度比μ(k)の内容を判定する。
ステップG5:ステップG4においてμ(k)>Aならば、変化確認手段301Bの判定頻度確認部305は、検出結果「増加有り」は有効であると確認して、検出結果「増加有り」をドリフト判定手段102に通知する。そして、変化確認手段301Bの判定履歴記録部303に記録されたμ(k)がリセットされる。
ステップG6:一方、ステップG4においてμ(k)<Bならば、変化確認手段301Bの判定頻度確認部305は、検出結果「増加有り」を否定して、検出結果「増加無し」をドリフト判定手段102に通知する。そして、変化確認手段301Bの判定履歴記録部303に記録されたμ(k)がリセットされる。
上述した変化確認手段301Bにおける確認処理は、減少判定頻度を対象とした場合も、ステップG1〜ステップG6の処理に従う。
次に、第3実施形態の計測器ドリフト検知装置の効果を説明する。
第3実施形態の計測器ドリフト検知装置10Bにあっては、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5)変化確認手段301Bの変化検出処理におけるプロセスデータの増加の有無の判定回数に対する増加有りの判定回数を増加判定頻度とし、減少の有無の判定回数に対する減少有りの判定回数を減少判定頻度としたとき、この増加判定頻度或いは減少判定頻度を計算し、計算した増加判定頻度或いは減少判定頻度が予め設定された基準頻度を超えた場合に、変化確認手段301Bの変化検出処理における増加有り或いは減少有りを内容とする検出結果を有効とする確認処理を行う変化確認手段301Bを備え、ドリフト判定手段102は、その有効な検出結果を対象として、前記ドリフト判定処理を行うため、プロセスの一過性の変動の影響を除去して計測器のドリフトを判定できる。
(6)変化確認手段301Bは、変化検出手段101から検出結果を受け取り、確認処理において有効と判定した検出結果のみをドリフト判定手段102に送り、ドリフト判定手段102は、変化確認手段301Bから受け取った検出結果を対象としてドリフト判定処理を行うため、(5)で示した効果を容易に得ることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、第2実施形態の計測器ドリフト検知装置10Aの構成にパラメータ調整手段401を追加した例である。
まず、第4実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cの構成を説明する。
図8は第4実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cにおける情報処理系100Cの機能ブロック図である。
第4実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cの情報処理系100Cは、図8に示すように、パラメータ調整手段401を備える。このパラメータ調整手段401は、本実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cが適用された沸騰水型原子力発電プラントのプロセスが変化した場合に、変化検出の対象となるパラメータを調整するものである。
情報処理系100Cのパラメータ調整手段401は、パラメータ変更部402と、基準値計算部403とから構成される。このパラメータ調整手段401は、コンピュータ上で作動するプログラムとして実現される。なお、他の構成は、第2実施形態と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、第4実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cの作用を説明する。
図9は第4実施形態のパラメータ調整手段401において実行される処理(パラメータ調整処理)の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
(パラメータ調整処理)
ステップH1:ドリフト判定手段102がドリフト判定を行う度に、パラメータ調整手段401のパラメータ変更部402が、そのドリフト判定の結果を受け取る。ここで、図3に示すように、ドリフト判定には、プロセスの変化により生じ、計測器のドリフトとは無関係なプロセスデータそのものの増減を示す「プロセスデータ増加」及び「プロセスデータ減少」が含まれる。
ステップH2:ステップH1に続き、パラメータ調整手段401のパラメータ変更部402が、ステップH1で受け取ったドリフト判定がプロセスデータ増加或いはプロセスデータ減少であるか否かを判定する。
ステップH3:ステップH2に続き、パラメータ調整手段401のパラメータ変更部402が受け取ったドリフト判定の結果がプロセスデータ増加或いはプロセスデータ減少であった場合、パラメータ調整手段401のパラメータ変更部402は、基準値計算部403により計算されたプロセス変動後の新たなプロセスデータに対応するパラメータ(平均値、標準偏差)を取得する。
ステップH4:ステップH3に続き、パラメータ調整手段401のパラメータ変更部402は、ステップH3で取得した新しい平均値と標準偏差を基に、プロセスデータの増加を仮定したときの平均値a、プロセスデータの減少を仮定したときの平均値aを計算し、変化検出手段101に送る。なお、本実施形態では、この平均値aは、新しいプロセスデータの平均値に標準偏差の2倍を加えることで求め、平均値aは、新しいプロセスデータの平均値に標準偏差の2倍を差し引くことで求めている。
ここで、パラメータ調整手段401の基準値計算部403は、プロセスデータを常時受信し、直近500個のデータを用いてプロセスデータの平均値と標準偏差を計算する。そして、パラメータ調整手段401のパラメータ変更部402からの要求を受けて、これらの値を変化検出手段101へ送る。
<変化検出処理>
情報処理系100Cにおいて、変化検出手段101はパラメータ調整手段401から新しいプロセスデータの平均値、標準偏差、プロセスデータの「増加有り」を仮定したときの平均値a、プロセスデータの「減少有り」を仮定したときの平均値aを受け取ると、これらの平均値を新たなパラメータとして、変化検出手段101の変化検出パラメータ記録部103に記録し、第1実施形態で説明したものと同様の変化検出処理を行う。
次に、第4実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cの効果を説明する。
第4実施形態の計測器ドリフト検知装置10Cにあっては、第1実施形態の(1)及び(2)、第2実施形態の(3)及び(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7)測定されるプロセスデータそのものが変化したときは、変化検出手段101の変化検出処理においてプロセスデータの変化を判定するために用いられるパラメータを、変化した新たなプロセスデータに対応するパラメータに調整するパラメータ調整手段401を備えたため、プラントの運転状態が途中で変化し、プロセス量が変化する場合でも計測器のドリフトの有無を判定できる。
[第5実施形態]
第5実施形態は、第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10の構成に代表値計算手段501を追加した例である。
まず、第5実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dの構成を説明する。
図10は第5実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dにおける情報処理系100Dの機能ブロック図である。
第5実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dは代表値計算手段501を備える。本実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dは、沸騰水型原子力発電プラントの格納容器と外部の圧力との差圧計測に適用され、複数の計測器で計測されたプロセスデータが強い相関を持ち且つそれらのプロセスデータが時系列的に変化する場面に適用される。
情報処理系100Dの代表値計算手段501は、代表値計算部502と、偏差計算部503とから構成される。
代表値計算手段501の代表値計算部502は、複数の計測器により測定された複数のプロセスデータの代表値を計算する。代表値計算手段501の偏差計算部503は、各プロセスデータの前記代表値からの偏差を計算する。
情報処理系100Dの代表値計算手段501は、コンピュータ上で作動するプログラムとして実現される。なお、他の構成は、第1実施形態と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
次に、第5実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dの作用を説明する。
図11は第5実施形態の代表値計算手段501において実行される処理(代表値計算処理)の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。また、図12は4つの計測器で計測された格納容器と外部との差圧に係るデータを示す図であり、(A)は差圧P1〜P2及び差圧P1〜P4の代表値Mを示す図、(B)は(A)に示す差圧P1〜P4に関する代表値Mからの偏差を示す図である。
<代表値計算処理>
ステップI1:代表値計算手段501の代表値計算部502及び偏差計算部503が、一定周期でプロセスデータを取得する。
ステップI2:ステップI1に続き、代表値計算手段501の代表値計算部502は、取得したプロセスデータの代表値Mを計算し、計算した代表値Mを代表値計算手段501の偏差計算部503に送る。代表値Mは、差圧P1〜P4の平均値を用いてもよいが、本実施形態では差圧P1〜P4の中間値を用いている。
ステップI3:ステップI2に続き、代表値計算手段501の偏差計算部503は、各プロセスデータである差圧P1〜P4について取得した代表値Mからの偏差(図12B参照)を計算し、計算した偏差を変化検出手段101に送る。
<変化検出処理>
情報処理系100Dの変化検出手段101は、プロセスデータに代えて、前記偏差に対してその増加の有無或いは減少の有無を対象として、上述した変化検出処理を行うようになっている。そして、その検出結果を情報処理系100Dのドリフト判定手段102に送る。
<ドリフト判定処理>
情報処理系100Dのドリフト判定手段102は、情報処理系100Dの変化検出手段101から受け取った偏差に関する検出結果を対象として、上述したドリフト判定処理を行う。
次に、第5実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dの効果を説明する。
第5実施形態の計測器ドリフト検知装置10Dにあっては、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8)プロセスデータからプロセスデータの代表値及びこの代表値からの偏差を計算する代表値計算手段501を備え、変化検出手段101は、プロセスデータの変化の判定に代えて、この偏差の増加の有無及び減少の有無を内容とする偏差の変化を判定し、偏差の変化を検出結果とする変化検出処理を行い、前記ドリフト判定手段102は、偏差の変化についての検出結果を受け取り、受け取った検出結果を対象として前記ドリフト判定処理を行うため、プロセス量の変化が大きい場合であっても、計測器のドリフトを判定できる。
[第6実施形態]
第6実施形態は、第1実施形態の計測器ドリフト検知装置10の構成にデータ選択手段601を追加した例である。
まず、第6実施形態の計測器ドリフト検知装置10Eの構成を説明する。
図13は第6実施形態の計測器ドリフト検知装置10Eにおける情報処理系100Eの機能ブロック図である。
情報処理系100Eの計測器ドリフト検知装置10Eは、データ選択手段601を備える。本実施形態の計測器ドリフト検知装置10Eは、原子力プラントの発電機出力が一定範囲内にあるときのプロセスデータのみを選択して、ドリフト判定処理等を行う。プロセスデータは、第1実施形態と同様に水位に関する。
情報処理系100Eのデータ選択手段601は、選択条件記録部602と、データ選択部603とから構成される。
データ選択手段601の選択条件記録部602は、プロセスデータを選択するための選択条件を記録する。この選択条件は複数設定されている。このため、データ選択手段601の選択条件記録部602は、選択条件数に応じた数だけ多重化して備えられる。
データ選択手段601のデータ選択部603は、プロセスデータと共に条件データが入力され、条件データがデータ選択手段601の選択条件記録部602に記録されている選択条件と合致するときのプロセスデータのみを選択し、これを変化検出手段101に送る。
情報処理系100Eのデータ選択手段601は、コンピュータ上で作動するプログラムとして実現される。なお、他の構成は、第1実施形態と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
但し、変化検出手段101の変化検出パラメータ記録部103Eは、図13に示すように、プロセスデータの選択条件を複数設定していることとの関係で、その選択条件の数だけ多重化されて備えられる。すなわち、それぞれの変化検出パラメータ記録部103Aにおいて、基準となる平均値a、標準偏差σ、プロセスデータの「増加有り」を仮定したときの平均値a及びプロセスデータの「減少有り」を仮定したときの平均値aを記録する。
次に、第6実施形態の計測器ドリフト検知装置10Eの作用を説明する。
図14は第6実施形態のデータ選択手段601において実行される処理(データ選択処理)の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
<データ選択処理>
ステップJ1:データ選択手段601の選択条件記録部602に、プロセスデータを選択するための選択条件として、2つの条件「発電機出力98%以上」及び「発電機出力50%以上55%以下」を記録する。
ステップJ2:ステップJ1に続き、データ選択手段601のデータ選択部603が、プロセスデータと共に条件データを取得する。この条件データは、選択条件と同種の発電機出力である。
ステップJ3:ステップJ2に続き、データ選択手段601のデータ選択部603は、取得した条件データが、データ選択手段601の選択条件記録部602に記録されている選択条件を満たすか否かを判定する。
ステップJ4:ステップJ3に続き、データ選択手段601のデータ選択部603は、取得した条件データが「発電機出力98%以上」であるか「発電機出力50%以上55%以下」である場合は、プロセスデータと共に選択条件「発電機出力98%以上」又は「発電機出力50%以上55%以下」を変化検出手段101に送る。一方、取得した条件データが選択条件を満たさない場合は、プロセスデータを変化検出手段101に送らない。
<変化検出処理>
変化検出手段101の増加検出部104及び減少検出部105は、データ選択手段601のデータ選択部603から送られてくるプロセスデータを対象として変化検出処理を行う。すなわち、変化検出手段101の増加検出部104及び減少検出部105は、選択条件「発電機出力98%以上」及び「発電機出力50%以上55%以下」の範囲内にあるプロセスデータに対して、変化検出処理を行う。
次に、第6実施形態の計測器ドリフト検知装置10Eの効果を説明する。
第6実施形態の計測器ドリフト検知装置10Eにあっては、第1実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9)プロセスデータと共に、プラントから取得されるデータであってプロセスデータとは異なるプロセスデータを条件データとして取得し、条件データが予め設定された1つ以上の選択条件を満たすか否かを判定して、条件データが選択条件を満たす場合に限り条件データと共に取得したプロセスデータを対象として変化検出処理を許容するデータ選択手段601を備えたため、プロセスの変動を排除して、計測器のドリフトを判定できる。
以上、本発明の計測器ドリフト検知装置を第1実施形態〜第6実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
第1実施形態では、ドリフト判定処理において、4つの計測器により測定された4つのプロセスデータを対象とし、検出結果が示された4つプロセスデータから1つのプロセスデータを選択し、選択されない残りの3つ全てのプロセスデータの検出結果が一致するか否かを判定してその後の処理を続行する例を示したが、選択されない残りの3つのうち一部(例えば、2つ)の検出結果が一致するか否かを判定してその後の処理を続行するようにしても良い。
また、第1実施形態では、計測器ドリフト検知装置10を沸騰水型原子力発電プラントの水位計に適用する例を示したが、例えば、沸騰水型原子力発電或いは火力発電プラントなどのプラン設備に設けられる熱交換器の温度を測定する温度計(計測器)に適用してもよい。この場合、下記のように適用できる。
図15は、本発明の計測器ドリフト検知装置10が適用されたプラントの熱交換器100を示す図である。図16は本発明のドリフト判定手段102のドリフト判定処理において使用される温度計のドリフト判定表を示す図である。熱交換器100は、熱交換器100の胴111、低温流体が流れる熱交換器100の配管112、高温流体が流れる熱交換器100の配管113を備える。
熱交換器100には、第1の温度計114及び第2の温度計115が設置される。第1の温度計114は、低温流体の出口温度(測定値をTC1A)を測定する。第2の温度計115は、低温流体の出口温度(TC1B)を計測する。この2つの温度計によって測定された温度TC1AとTC1Bとは同じ流体に関する温度であるため、互いに強い相関を有する。
そして、低温流体の入口温度を計測する温度計116により測定された測定値をTC2、高温流体の入口温度を計測する温度計117により測定された測定値をTH1、高温流体の出口温度を計測する温度計118により測定された測定値をTH2、低温流体の流量を計測する流量計119により測定された測定値をF、高温流体の流量を計測する流量計120により測定された測定値をFとする。
ここで、熱交換器100における熱エネルギー保存則から、低温流体の出口温度は次式で求めることができる。なお、ここで比熱は一定とする。
Figure 0004786670
変化検出手段101は、低温流体の出口温度TC1A及びTC1B、並びに式(9)に従って計算される低温流体の出口温度Tccを対象として増加の有無或いは減少の有無について判定し、温度の変化についての検出結果を生成する。そして、ドリフト判定手段102は、この検出結果を対象としてドリフト判定処理を行い、低温流体の出口温度TC1Aを測定する温度計114と、低温流体の出口温度TC1Bを測定する温度計115に対するドリフトの有無を判定する。この判定は、図16のドリフト判定表に従う。
また、第3実施形態では、増加判定頻度は、変化検出手段101の増加検出部104において「増加有り」が判定されたときの増加の有無の判定回数に対する増加有りの判定回数で定義し、減少判定頻度は、変化検出手段101の減少検出部105において「減少有り」が判定されたときの減少の有無の判定回数に対する減少有りの判定回数で定義したが、増加判定頻度の定義は種々のものが考えられる。例えば、増加判定頻度を、増加判定回数M回当りの「増加あり」によって判定するようにしても良い。増加判定頻度は二項分布に従うため、False−alarm率をαとすると、M回判定を行ったときの増加判定頻度の標準偏差σはσ=√[α(1−α)/M]である。例えば、増加判定頻度がα+3σを超えたときに変化検出手段101による検出結果が有効であると確認する方法が考えられる。
第6実施形態では、選択条件を2つ用いる例を示したが、1つ或いは3つ以上であってもよい。また、選択条件は同種のデータである必要はなく、発電機出力と原子炉冷却水温度のように異種類のデータを用いても良い。
第1実施形態〜第6実施形態では、変化検出手段101、ドリフト判定手段102、変化確認手段301,301B、パラメータ調整手段401、代表値計算手段501、データ選択手段601は,コンピュータ上で作動するプログラムとして実現する例を示したが、ASICあるいはFPGAのような半導体素子を利用して、電子回路として実現することも可能である。
第1実施形態〜第6実施形態では、4つの計測器を対象とする例を示したが、4つに限られる理由はなく、複数の計測器を対象とすることができる。
なお、第1実施形態〜第6実施形態では、変化検出手段101やドリフト判定手段102などの各手段は異なる機能を有するが、単一の手段として捉えても良い点は言うまでもない。
第1実施形態の計測器ドリフト検知装置における情報処理系の機能ブロック図。 第1実施形態の情報処理系において実行される処理を示すフローチャートであり、(A)は情報処理系の変化検出手段において実行される処理(変化検出処理)の流れを示すフローチャート、(B)は情報処理系のドリフト判定手段において実行される処理(ドリフト判定処理)の流れを示すフローチャート。 情報処理系のドリフト判定手段におけるドリフト判定処理で使用されるドリフト判定表を示す図。 第2実施形態の計測器ドリフト検知装置における情報処理系の機能ブロック図。 第2実施形態の変化確認手段において実行される処理(確認処理)の流れを示すフローチャート。 第3実施形態の計測器ドリフト検知装置における情報処理系の機能ブロック図。 第2実施形態の変化確認手段において実行される処理(確認処理)の流れを示すフローチャート。 第4実施形態の計測器ドリフト検知装置における情報処理系の機能ブロック図。 第4実施形態のパラメータ調整手段において実行される処理(パラメータ調整処理)の流れを示すフローチャート。 第5実施形態の計測器ドリフト検知装置における情報処理系の機能ブロック図。 第5実施形態の代表値計算手段において実行される処理(代表値計算処理)の流れを示すフローチャート。 4つの計測器で計測された格納容器と外部との差圧に係るデータを示す図であり、(A)は差圧P1〜P2及び差圧P1〜P4の代表値Mを示す図、(B)は(A)に示す差圧P1〜P4に関する代表値Mからの偏差を示す図。 第6実施形態の計測器ドリフト検知装置における情報処理系の機能ブロック図。 第6実施形態のデータ選択手段において実行される処理(データ選択処理)の流れを示すフローチャート。 本発明の計測器ドリフト検知装置が適用されたプラントの熱交換器を示す図。 本発明のドリフト判定手段のドリフト判定処理において使用される温度計のドリフト判定表を示す図。
符号の説明
10,10A,10B,10C,10D,10E 計測器ドリフト検知装置
100,100A,100B,100C,100D,100E 情報処理系
101 変化検出手段
102 ドリフト判定手段
301,301A 変化確認手段
401 パラメータ調整手段
501 代表値計算手段
601 データ選択手段

Claims (8)

  1. プラント設備に設けられて、測定されるプロセスデータに相関が認められる複数の計測器を対象とし、このプロセスデータを用いて計測器のドリフトを検知する計測器ドリフト検知装置において、
    前記プロセスデータのそれぞれに対し、プロセスデータの増加の有無或いは減少の有無を内容とするプロセスデータの変化を判定し、このプロセスデータの変化を検出結果とする変化検出処理を行う変化検出手段と、
    前記検出結果を受け取り、この検出結果が示されたプロセスデータから1つのプロセスデータを選択し、選択されない残りのプロセスデータの検出結果が互いに一致するか否かを判定して、この一致が判定された場合に、この検出結果と前記選択された1つのプロセスデータの検出結果とが一致するか否かを判定し、両者の検出結果が一致しないことを条件として前記選択された1つのプロセスデータを測定した計測器に対してドリフト有りとするドリフト判定処理を行うドリフト判定手段と、
    を備えたことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  2. 請求項1に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記変化検出手段は、前記プロセスデータのそれぞれに対し、逐次確率比検定を用いた統計的手法を適用して前記変化検出処理を行うことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  3. 請求項1に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記変化検出手段の変化検出処理においてプロセスデータの増加有り或いは減少有りが連続して判定された回数をカウントし、カウントした回数が予め設定された基準回数を超えた場合に、このプロセスデータの増加有り或いは減少有りを内容とする検出結果を有効と判定する検出結果の確認処理を行う変化確認手段を備え、
    前記ドリフト判定手段は、前記有効な検出結果を対象として、前記ドリフト判定処理を行うことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  4. 請求項1に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記変化検出手段の変化検出処理におけるプロセスデータの増加の有無の判定回数に対する増加有りの判定回数を増加判定頻度とし、減少の有無の判定回数に対する減少有りの判定回数を減少判定頻度としたとき、
    前記増加判定頻度或いは減少判定頻度を計算し、計算した増加判定頻度或いは減少判定頻度が予め設定された基準頻度を超えた場合に、前記変化検出処理における増加有り或いは減少有りを内容とする検出結果を有効と判定する検出結果の確認処理を行う変化確認手段を備え、
    前記ドリフト判定手段は、前記有効な検出結果を対象として、前記ドリフト判定処理を行うことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記変化確認手段は、前記変化検出手段から検出結果を受け取り、前記確認処理において有効と判定した検出結果をドリフト判定手段に送り、
    前記ドリフト判定手段は、前記変化確認手段から受け取った検出結果を対象として前記ドリフト判定処理を行うことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  6. 請求項1に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記測定されるプロセスデータそのものが変化したときは、前記変化検出手段の変化検出処理においてプロセスデータの変化を判定するために用いられるパラメータを、この変化した新たなプロセスデータに対応するパラメータに調整するパラメータ調整手段を備えたことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  7. 請求項1に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記プロセスデータからプロセスデータの代表値及びこの代表値からの偏差を計算する代表値計算手段を備え、
    前記変化検出手段は、プロセスデータの変化の判定に代えて、前記偏差の増加の有無或いは減少の有無を内容とする偏差の変化を判定し、この偏差の変化を検出結果とする変化検出処理を行い、
    前記ドリフト判定手段は、前記偏差の変化についての検出結果を受け取り、受け取った検出結果を対象として前記ドリフト判定処理を行うことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
  8. 請求項1に記載した計測器ドリフト検知装置において、
    前記プロセスデータと共に、前記プラント設備から取得されるデータであって前記プロセスデータとは異なるプロセスデータを条件データとして取得し、この条件データが予め設定された1つ以上の選択条件を満たすか否かを判定して、条件データが選択条件を満たすと判定された場合に限り、その条件データと共に取得したプロセスデータを対象として前記変化検出手段における変化検出処理を許容するデータ選択手段を備えたことを特徴とする計測器ドリフト検知装置。
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