JP4784805B2 - コインホッパの回転ディスク - Google Patents
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Description
詳しくは、耐久性を高めた押進部を有する回転ディスクに関する。
さらに詳しくは、押進部をローラで構成した回転ディスクに関する。
なお、本明細書で使用する「コイン」は、通貨であるコイン、ゲーム機等に使われるトークン等を包含する。
一方、コインが回転ディスクの押進部によって押し進められ、その回転ディスクの下方のコインの進行経路に配置したコインガイドによってその回転ディスクの周方向に案内され、コインを一枚ずつ払い出すコインホッパが第2の従来技術として知られている。
通常この押進部は回転ディスクと一体に樹脂で成形される。
樹脂成形された押進部は、コインとの摺接による摩耗を防止するため、最も摩耗する部位に固定金属ピンを配置している(例えば、特許文献2参照。)。
また、押進部を有する回転ディスクを金属で製造することも知られている。
この場合、エスカレータは湾曲部及びほぼ垂直に伸びる部位を有するため、湾曲部によるコインの進行抵抗及びコインの重量が押進部に加わる。
そのため、押進部とコインとの接触圧力が高まり、鉄系焼結品の回転ディスクを使用しても摩耗するという問題がある。
押進部が摩耗した場合、押進部によるコインの押進方向が変化するため、コインの送り出しが好適に行われないという問題がある。
この解決のため、特許文献2に開示されるように、押進部の摩耗する部位に耐摩耗性を有する別部材を配置することができる。
しかし、この構造においても、コインと押進部との摺接関係は変わらないため、長寿命化のメリットはあるが、摩耗を解消することはできない。
本発明の第2の目的は、樹脂製回転ディスクに適した実質的に摩耗しない押進部を提供することである。
コインの保留ボウル、前記保留ボウルの底部に位置しコインを押す押進部を有する回転ディスクを有するコインホッパにおいて、前記押進部は、前記回転ディスクの回転軸心に対し平行に前記回転ディスクに固定された大径頭部を有するブッシュ、及び、その大径頭部に回転自在に嵌めあわされたリング状のローラを含む押進ローラであるコインホッパの回転ディスクである。
すなわち、コインと押進部との間の摩擦力よりも押進ローラの軸受部の摩擦力の方が小さいため、コインの移動につれて押進ローラが回る。
これにより、コインと押進部とは実質的に滑り接触しない。
したがって、押進ローラ、換言すれば、押進部は実質的に摩耗しないという効果がある。
この構成において、ローラはブッシュの大径頭部によって回転自在に支持されている。
この大径頭部は、ローラのストッパと軸受を兼用しており、ローラは大径頭部の周面によって面で回転自在に支持されている。
換言すれば、大径頭部によってローラを所定位置に保持するため、回転ディスクの裏面とスライドベースとの間という、実質コイン厚み以下の厚みでローラを回転自在に支持することが可能である。
さらに、コインからローラに加わる力は大径頭部の周面によって分散して受けられるから、単位面積当たりの接触圧が低下するため、それらの間の摩耗は実質的に発生しないという効果がある。
この構成において、押進部としてのローラの直径が最も大きくすることができる。
ローラの直径が大きいほどブッシュとローラとの間の面圧が小さくなるため、さらに実質的な摩耗を少なくできる利点がある。
図2は本発明の実施例1の回転ディスクを装着した(保留ボウルを取り除いた)コインホッパの部分平面図である。
図3は、実施例1の回転ディスクの裏面図、斜視図及び裏面斜視図である。
図4は、図2におけるA―A線断面図及び部分拡大図である。
図5は、実施例2の回転ディスクの裏面図、斜視図及び裏面斜視図である。
コインホッパ100はフレーム102と、フレーム102に固定され、かつ、コインCを貯留する筒形の保留ボウル104と、保留ボウル104の下方に配置されたコインCの送り出し用の送り出し部106を有する。
コイン案内装置108は、送り出し部106からディスクCを受け入れる傾斜部110、傾斜部110に接続し、垂直上方へ方向を変える湾曲部112と、湾曲部112に接続し、垂直上方へ延びる直線部114とを有する。
送り出し部106により送り出されたコインCは、順次送り出されるコインCによって押されて傾斜部110、湾曲部112及び直線部114の順に案内され、直線部114の先端から払い出される。
送り出し部106は、保留ボウル104の底部に位置する回転ディスク116、スライドベース118、第1ガイドピン120、第2ガイドピン122、ガイドローラ124及び規制ローラ126を含んでいる。
スライドベース118は、回転ディスク116のすぐ下方に位置し、かつ、コインCがスライドする。
第1ガイドピン120及び第2ガイドピン122は、スライドベース118から回転ディスク116に向かって突出し、コインCを出口128へ案内する。
規制ローラ126は、ガイドローラ124に対し接近及び離れる方向に移動可能である。
換言すれば、ガイドローラ124は、付勢手段、例えばスプリングによってガイドローラ124に近づくよう付勢されている。
ガイドローラ124と規制ローラ126との間を通過したコインCは、図示しないガイドによりコイン案内装置108に案内される。
回転ディスク116は、円板状であり、その回転中心を中心とする同一円上に等間隔でコインCが通過する通孔130が形成されている。
この回転ディスク116は、軽量化のため、樹脂で成型されているが、所定の強度を確保するため、平板状の金属プレート132が回転ディスク116の厚み方向中間にサンドイッチ状にインサートされている。
通孔130の間はリブ134により接続されている。
リブ134の下面には、コインCの押進部136が回転ディスク116の周方向かつ回転方向後位側に後退するよう回転ディスク116の中心からインボリュート曲線状に伸びている。
換言すれば、押進部136は各通孔130に相対して設けられている。
中心部138から所定距離離れて中心部138と同じ厚さであり、かつ、図3に示すように矩形状の第1押進部140が形成されている。
中心部138と第1押進部140との間が第1溝142であり、回転ディスク116の中心を中心として弧状に形成され、第1ガイドピン120の先端が位置可能である。
第2溝144は、第1押進部140と押進ローラ146との間に形成される。
押進ローラ146は、回転ディスク116の回転軸線と平行な回転軸線を有する回転自在なローラ150である。
しかし、回転ディスク116の直径は約80ミリであり、また、リブ134の下面に取り付けられるローラ150は最大でも約10ミリであるので、耐久性を有するローラを安価に構成するには、実施例に示す構造が適している。
ローラ150は、機械的強度に優れ、かつ、金属との摩擦係数が低いポリアセタール樹脂(POM)により一体成型した場合、円滑な回転が可能であり、かつ、安価であり好ましい。
ブッシュ160は、大径頭部162と小径部166を有し、錆びによる摩擦係数増を防止するため、錆びないステンレス材で作ることが好ましい。
この状態において、大径頭部162の下端面は、スライドベース118に対し1ミリ以下の隙間をもって相対している。
回転ディスク116の上面に突出するネジは、コインCの攪拌効果を有するので好ましい。
回転ディスク116が金属で作られている場合、ブッシュ160はかしめにより固定することができる。
すなわち、ブッシュ160の大径頭部162及びローラ150の下端とが面一になる。
この構成において、ネジ170が緩んでブッシュ160が落下した場合、ブッシュ160の大径頭部162の端面はスライドベース118によって支えられ、小径部166は、取付孔164内に位置している。
このため、ブッシュ160は回転ディスク116と一体に回転する。
したがって、通常状態と同様にコインCを払い出すことができる。
さらに、大径頭部162の外周面はローラ150のローラ部154内周面とががたつかないようはまり合い、ほぼ面接触でローラ150を軸受けする。
したがって、ローラ150は、ブッシュ160の大径頭部162にほぼ面接触で受けられ、かつ、金属との摩擦係数が小さいポリアセタール樹脂であるので、コインCとの接触によって回転されることができる。
第2押進部174の突出量は、第1押進部140と同一である。
第1押進部140、ローラ150及び第2押進部174の回転方向前位側の面は、回転ディスク116の回転方向の下流に向かって後退する線176線上又はその近傍に配置されている。
しかし、線176は、回転ディスク116の周縁側ほど回転方向の後位側に位置する関係であればインボリュート曲線で無くとも良い。
そのため、本実施例1のローラ150は図3(A)に示すように、回転方向後位の通孔130と線176に接する直径に設定されている。
すなわち、回転方向後位の通孔130に落下するコインCを邪魔しないこと、及び、押進部136による円滑なコインCの押し進めを両立するためである。
したがって、本実施例において押進部136は、第1押進部140、押進ローラ146及び第2押進部174によって構成されている。
電気モータ(図示せず)によって回転され、かつ、スライドベース118の裏面に固定された減速機(図示せず)の出力軸(図示せず)が、軸孔178に挿入され、固定される。
保留ボウル104内に投入されたコインCは、大部分が保留ボウル104の底部に位置する回転ディスク116上に位置する。
回転ディスク116が回転した場合、保留ボウル104内のコインCは攪拌され、通孔130に落下し、スライドベース118上に支持される。
スライドベース118上に支持されたコインCは、押進部136、具体的には第1押進部140により押されて回転ディスク116とともに図2に示すように反時計方向に回動される。
コインCはその外向き面から外周へ向かう力を受けるので、保留ボウル104の下端部の円形内面に案内されつつ回転ディスク116と共に移動する。
コインCが出口128に相対した場合、保留ボウル104の円形内面により案内されないので、前記外周に向かう力により、出口128へ向かって押される。
これにより、コインCは回転ディスク116の周縁側へ移動するので、押進ローラ136にも接触し、押される(図2参照)。
コインCは、出口128においてガイドローラ124に接触した後、さらに押進ローラ146によって押される。
ガイドローラ124は固定であるため、コインCは規制ローラ126をガイドローラ124から遠ざけるよう移動させつつ回転ディスク116の周縁方向へ移動される。
換言すれば、押進部136のコインCとの接触位置は、第1押進部140、押進ローラ146そして第2押進部174の順に移動する。
コインCの押進過程において、押進ローラ146が最も長時間コインCと接する。
換言すれば、コインCと押進ローラ146との接触圧力が大きくなる。
しかし、ローラ150は回転自在であるので、コインCの相対移動に伴って回転する。
換言すれば、ローラ150はコインCと擦れ合わないので、実質的に摩耗することがない。
これにより、ガイドローラ124と規制ローラ126との間を通過したコインCは、回転ディスク116側へ戻ることが出来ず、コイン案内装置108によって案内される。
本実施例は、実施例1の第2押進部174を配置せず、押進ローラ146のみを配置した例である。
この場合、押進ローラ146の直径を実施例1よりも大径化でき、耐久性をさらに向上できる利点がある。
すなわち、実施例2のローラ180は、線176、通孔130及び回転ディスク116の外周縁に大凡接する直径に設定することにより、大径化される。
ローラ180の支持構造及び材質は、実施例1と同様であるが、大径化により、ボールベアリング又はニードルベアリング化することができる。
104保留ボウル
116回転ディスク
130コイン通孔
136押進部
146押進ローラ
150ローラ
160ブッシュ
162大径頭部
176線
Claims (1)
- コイン(C)の保留ボウル(104)、前記保留ボウルの底部に位置しコインを押す押進部(136)を有する回転ディスク(116)を有するコインホッパにおいて、前記押進部は、前記回転ディスクの回転軸心に対し平行に前記回転ディスクに固定された大径頭部(162)を有するブッシュ(160)、及び、その大径頭部に回転自在に嵌めあわされたリング状のローラ(150)を含む押進ローラ(146)であるコインホッパの回転ディスク。
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