以下、本発明の血液成分採取装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の血液成分採取装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第1実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)、図2は、図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器に遠心分離器駆動装置が装着された状態の部分破断断面図である。
図1に示す血液成分採取装置(血漿採取装置)1は、ドナー(供血者)の血管に穿刺される中空針(採血針)(ドナーから血液を採取する採血手段)291と、採取された血液を貯血空間146内にて遠心分離する遠心分離器(遠心ボウル)(血液分離器)20と、遠心分離器20により分離された血漿(血液成分)を採取する血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25とを備える血液成分採取回路(血液処理回路)2を有し、ドナーから採取した血液を遠心分離し、所定量の血漿を採取した後、残りの血漿とともに白血球、血小板および赤血球(残りの血液成分)をドナーに返還(返血)する装置である。
血液成分採取装置1は、中空針291と、採血ラインおよび返血ラインの双方として兼用される採血・返血ライン(血液処理ライン)21と、遠心分離器20と、遠心分離器20の流出口144に接続された採取バッグ側ライン22と、採血・返血ライン21の途中に接続された抗凝固剤注入ライン23および初流採取ライン27と、採取バッグ側ライン22の途中に接続され、この採取バッグ側ライン22を介して遠心分離器20の流出口144に連通するエアーバッグ側ライン24と、採取バッグ側ライン22と接続された血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25と、血漿採取バッグ25とチューブ(流路)32aにより接続されたサブバッグ32と、エアーバッグ側ライン24と接続されたエアーバッグ26と、初流採取ライン27と接続された初流採取バッグ81とを備える血液成分採取回路2を有している。
また、血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、採血・返血ライン21内の血液または血液成分(液体)を送液する血液ポンプ(送液ポンプ)(第1の送液手段)11と、抗凝固剤注入ライン23内の抗凝固剤(液体)を送液する抗凝固剤ポンプ(送液ポンプ)(第2の送液手段)12と、血液成分採取回路2の流路の開閉を行うための流路開閉手段51および流路開閉手段52と、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、流路開閉手段51および流路開閉手段52等を制御するための制御手段55と、濁度センサ14と、光学式センサ15と、重量センサ16と、第1の気泡センサ17と、第2の気泡センサ34と、第3の気泡センサ35と、第4の気泡センサ36と、第5の気泡センサ37と、タッチパネル19とを備えている。
なお、血液ポンプ11を図1中時計回り(正方向)に回転(正転)させると、採血・返血ライン21内の血液または血液成分(液体)は、遠心分離器20側に向って移送され、図1中反時計回り(逆方向)に回転(逆転)させると、採血・返血ライン21内の血液または血液成分(液体)は、中空針291側に向って移送される。
また、抗凝固剤ポンプ12を図1中反時計回り(正方向)に回転(正転)させると、抗凝固剤注入ライン23内の抗凝固剤(液体)は、分岐コネクタ21c側に向って移送される。
以下、各部の構成について説明する。
中空針291は、採血・返血ライン21の一端に接続されており、中空針291の基端側には、翼292が設けられている。図1中では、中空針291には、キャップが被せられている。
採血・返血ライン21は、中空針291が一端に接続された中空針側ライン21aと、遠心分離器20の流入口143とを接続された遠心分離器側ライン21bと、これらの間に配置されたポンプチューブ21gとを有している。
中空針側ライン21aは、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21dを備える。
チャンバー21dには、チューブ(流路)21hを介して通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。このラインは、中空針側ライン21aの内圧(血液ポンプ11より中空針291側の採血・返血ライン21の内圧)、すなわちドナー圧(ドナー圧力)を検出する圧力センサ18に接続される。この圧力センサ18により、後述するクレンメ93から遠心分離器20側(血液ポンプ11側)の採血・返血ライン21内の圧力を検出する圧力検出手段が構成される。
採取バッグ側ライン22は、一端が遠心分離器20の流出口144に接続され、他端が血漿採取バッグ25に接続されている。この採取バッグ側ライン22の途中には、3つ(3股)に分岐した(接続口は合計4つ)分岐コネクタ61が設けられており、採取バッグ側ライン22は、この分岐コネクタ61を介して接続されている。
分岐コネクタ61には、チューブ(流路)62を介して通気性かつ菌不透過性のフィルター63が接続されている。このラインは、例えば、遠心分離器20の内圧(システム圧力)の検出等に用いることができる。
抗凝固剤注入ライン23は、その一端が採血・返血ライン21に設けられた分岐コネクタ21cに接続されている。すなわち、抗凝固剤注入ライン(流路)23は、分岐コネクタ(第1の分岐部)21cから分岐、すなわち、分岐コネクタ21cを介して採血・返血ライン(流路)21から分岐している。また、分岐コネクタ21cは、中空針291の近傍に位置している(設けられている)。この抗凝固剤注入ライン23は、分岐コネクタ21c側より、ポンプチューブ23a、除菌フィルター(輸液フィルター)64、気泡除去用チャンバー23c、抗凝固剤容器接続用針23dを備えている。図1中では、抗凝固剤容器接続用針23dにキャップが被せられている。
この抗凝固剤注入ライン23の抗凝固剤容器接続用針23dは、抗凝固剤(抗凝固剤液)が収納(収容)された図示しない容器(バッグ)に接続され、これにより、容器内の抗凝固剤は、後述するように、抗凝固剤容器接続用針23dから分岐コネクタ21cに向かって抗凝固剤注入ライン23を流れ、中空針側ライン21aに供給(注入)される。これにより、例えば、抗凝固剤注入ライン23を介して、中空針291により採取された血液に抗凝固剤を添加(混合)することができる。
なお、抗凝固剤としては、特に限定されないが、例えば、ACD−A液等を用いることができる。
初流採取ライン27は、その一端が採血・返血ライン21に設けられた分岐コネクタ21eに接続されている。すなわち、初流採取ライン(流路)27は、分岐コネクタ(第2の分岐部)21eから分岐、すなわち、分岐コネクタ21eを介して採血・返血ライン(流路)21から分岐している。また、分岐コネクタ21eは、中空針291と、分岐コネクタ21cとの間に位置している(設けられている)。
初流採取バッグ81は、ドナーから中空針291により採取した血液の初流(採血初流)を採取する(貯留)するための容器である。前記初流採取ライン27の他端は、この初流採取バッグ81に接続されている。
初流採取バッグ81の容量は、特に限定されないが、10〜100mL程度であるのが好ましく、25〜50mL程度であるのがより好ましい。
初流採取バッグ81の容量が前記範囲未満であると、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)を十分に除去(採取)することができないことがあり、前記範囲を超えると、ドナーから採取される血液量が多くなりドナーの負担が増えてしまう。
また、初流採取バッグ81の、初流採取ライン27の接続部と反対側には、針管83が接続されている。
針管83の周囲には、針管83を被包する被包部材84が設置されている。この被包部材84としては、例えば、各種ゴム材料(弾性材料)による膜で構成され、針管83の針先により容易に刺通可能なものが好適に使用される。
また、針管83の基端側には、キャップ86を有するホルダー85が着脱自在に装着され、これにより、針管83がホルダー85内に収納される。
また、初流採取ライン27の途中、中空針側ライン21aの中空針291と分岐コネクタ21eとの間、中空針側ライン21aの分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間には、それぞれ、ライン(流路)の途中を開閉し、手作業でその開閉操作がなされるクレンメ(流路開閉手段)91、92および93が設けられる。クレンメ91は、初流採取ライン27の流路(チューブ内の流路)を開閉するために設けられている。また、クレンメ92は、中空針291と分岐コネクタ21eとの間において中空針針ライン21aの流路(チューブ内の流路)を開閉するために設けられている。また、クレンメ93は、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間において中空針側ライン21aの流路(チューブ内の流路)を開閉するために設けられている。
ここで、クレンメ91は、成分採血の際、一度閉じると、再度開くことはないので、そのクレンメ91としては、一度閉じると、開かない(開き難い)構造のクレンメ(流路閉塞手段)、例えば、シャッタークレンメを用いるのが好ましい。このため、本実施形態では、クレンメ91として、シャッタークレンメが用いられている。
なお、クレンメ91、92および93に代えて、それぞれ、例えば、鉗子等を用いてもよく、また、後述する流路開閉手段51や流路開閉手段52のように、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、その挿入部に駆動源で作動するクランプを有するもの等を用いてもよい。
クレンメ91および92を開き、クレンメ93を閉じた状態において、ドナーから中空針291により採取された血液の初流は、ドナーの静脈圧や落差(自重)により、その中空針291から、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ、初流採取バッグ81内に導入(採取)される。すなわち、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)は、分岐コネクタ21eおよび初流採取ライン27を介して、中空針側ライン21aから除去され、初流採取バッグ81内に採取される。このようにして、容易に、細菌感染の確率の高い、採取された血液の初流を除去(採取)することができ、これにより、採取された血液から分離された血漿(血液成分)への細菌の混入が抑制され、安全性が向上する。
また、初流採取バッグ81内に収納されている血液を、例えば、図示しないゴム栓を有する減圧採血管内に回収(サンプリング)することができる。
この場合、クレンメ91を閉じてからホルダー85のキャップ86を外し、減圧採血管をそのゴム栓側からホルダー85に挿入して、ホルダー85の最奥部まで押し込み、針管83をゴム栓に穿刺し、貫通させる。これにより、初流採取バッグ81内に収納されている血液は、減圧採血管内に吸引され、回収される。この減圧採血管への血液のサンプリング終了後、減圧採血管をホルダー85から引き抜く。複数本の減圧採血管へ血液のサンプリングを行う場合には、前述した操作を繰り返す。
減圧採血管内に回収された血液は、例えば、血清の生化学検査、感染症ウィルス(例えば、エイズ、肝炎等)の抗体検査等に用いることができる。
エアーバッグ側ライン24は、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、このエアーバッグ側ライン24を介して採取バッグ側ライン22から分岐して設けられている。
血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12は、それぞれ、ポンプチューブ21g、23aを複数のローラーにより押圧閉塞しつつ回転するローターを有するローラーポンプ(チューブポンプ)で構成されている。
採血・返血ライン21、採取バッグ側ライン22、抗凝固剤注入ライン23、エアーバッグ側ライン24および初流採取ライン27の形成に使用されるチューブ、各ポンプチューブ21g、23a、サブバッグ32に接続されているチューブ32a、チャンバー21dに接続されているチューブ21h、分岐コネクタ61に接続されているチューブ62の構成材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
各チューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからである。
なお、各ポンプチューブ21g、23aとしては、ローラーポンプにより押圧されても損傷を受けない程度の強度を備えるものが使用されている。
また、上述した分岐コネクタ21c、21e、61の構成材料についても、前記チューブの構成材料と同様のものを用いることができる。
血漿採取バッグ25は、血漿を採取するための容器であり、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、血漿採取バッグ25の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
サブバッグ32は、チューブ32aを介して血漿採取バッグ25に接続され、それらの内部同士が連通している。このサブバッグ32は、例えば、血漿保存バッグ等に用いることができる。
エアーバッグ26は、一時的に空気(エアー)を収納(貯留)するための容器であり、エアーバッグ側ライン24を介して、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、エアーバッグ側ライン24、分岐コネクタ61および採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、エアーバッグ26の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
これらの血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26、初流採取バッグ81は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着等)または接着して袋状にしたものが使用される。
血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26、初流採取バッグ81に使用される材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に使用される。
血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心力により血液を血漿と血球(血小板、白血球および赤血球)とに分離する。遠心分離器20としては、図2に示すものが使用される。
流路開閉手段51は、エアーバッグ側ライン24の流路の途中を開閉するために設けられている。
流路開閉手段52は、分岐コネクタ61より血漿採取バッグ25側において採取バッグ側ライン22の流路の途中を開閉するために設けられている。
流路開閉手段51および流路開閉手段52は、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有する。具体的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適である。
遠心分離器駆動装置10は、図2に示すように、遠心分離器20を収納するハウジング201と、脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台205とで構成されている。ハウジング201は、脚部202の上部に載置、固定されている。
また、ハウジング201の下面には、ボルト206によりスペーサー207を介してモータ203が固定されている。モータ203の回転軸204の先端部には、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、固定台205の上部には、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されている。
また、遠心分離器20の上部145は、図示しない固定部材により、ハウジング201に固定されている。遠心分離器駆動装置10では、モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに固定されたローター142が、あらかじめ設定された所定の遠心条件(例えば、回転数3000〜6000rpm)で回転する。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。
なお、ローター142において、貯血空間146の容積は、例えば、100〜350mL程度とされる。
ハウジング201には、その側部(図2中、左側)に光学式センサ15が設置されている。
この光学式センサ15は、貯血空間146に向って投光するとともにその反射光を受光するように構成されている。
光学式センサ15は、投光部151から光(例えばレーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射面147で反射された反射光を受光部152で受光する。そして、受光部152においてその受光光量に応じた電気信号に変換される。
ここで、光学式センサ15は、片面に反射面を有し、光路を変更する反射板153を有しており、投光部151から照射された光は、反射板153を介して反射面147に照射され、反射面147で反射した光は、反射板153を介して受光部152で受光されるように構成されている。
このとき、投光光および反射光は、それぞれ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成分の界面(本実施形態では、血漿層131と血球層132との界面B)の位置に応じて、投光光および反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、受光部152での受光光量が変動(変化)し、この変動を受光部152からの出力電圧の変化として検出することができる。
すなわち、光学式センサ15は、受光部152での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することができる。
ここで、貯血空間146内の血漿層131と血球層132とは、それぞれ、血液成分により色が異なっており、血球層132は、赤血球の色に伴い赤色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
重量センサ16は、血漿採取バッグ25内に採取された血漿の採取量を検出する検出手段を構成する。
濁度センサ14は、採取バッグ側ライン22中を流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
この濁度センサ14により、例えば、採取バッグ側ライン22中を流れる血漿中への血球の混入等を検出することができる。
第1の気泡センサ17は、採血・返血ライン21内に空気が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第1の気泡センサ17により、採血・返血ライン21内の血液の有無が検出される。
第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、気泡が通過したことを検知するためのものである。これらにより、ドナーに空気が注入されることを防止する。
第2の気泡センサ34は、抗凝固剤注入ライン23内が空になったことを検出するため、抗凝固剤注入ライン23の所定の位置における空気(抗凝固剤の有無)の検出に用いられる。
第3の気泡センサ35は、遠心分離器20の貯血空間146の流出口144と分岐コネクタ61との間の採取バッグ側ライン22内に空気や血液(血漿)が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第3の気泡センサ35により、採取バッグ側ライン22内の血液の有無が検出される。
より詳細には、前記第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、チューブの外側から超音波を送受信し、液体と気泡(気体)とで超音波の伝導率が異なるのを利用して、チューブ内の気体および液体(気/液の別、気/液面等)を検出することができる検出手段である。なお、これら各気泡センサ(気体および液体検出手段)としては、上記超音波センサ(超音波式センサ)に限らず、例えば、光学式センサ、赤外線センサ等を用いてもよい。
また、前記濁度センサ14としては、例えば、超音波センサ、光学式センサ、赤外線センサ等が使用できる。
制御手段55は、例えば、マイクロコンピューター等で構成されており、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、流路開閉手段51、流路開閉手段52、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37、圧力センサ18およびタッチパネル19等と、それぞれ、電気的に接続されている。なお、この制御手段55は、演算部とメモリー(いずれも図示せず)を内蔵している。
この制御手段55により、圧力センサ18の検出値(検出結果)に基づいて、後述するプライミング動作(プライミング工程)および初流採取操作(初流採取工程)の実行後、クレンメ(流路開閉手段)93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21a(採血・返血ライン21)の流路を開放した際、抗凝固剤と採血初流(血液)との間の空気(空気層)が移動したか否か、その空気の移動方向、その空気の位置を推定(検知)する推定手段(検知手段)の主機能が達成(構成)される。
タッチパネル19は、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えており、オペレーターの指示の入力を受け付ける入力手段(操作手段)としての機能と、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)としての機能とを有するものである。なお、入力手段(例えば、操作ボタン、操作スイッチ、操作ダイヤル等)と、液晶表示パネル、EL表示パネル等の表示手段(報知手段)とを、別個に設けるようにしてもよい。
濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37および圧力センサ18からの検出信号は、それぞれ、制御手段55へ随時入力される。また、タッチパネル19からは、タッチパネル19に入力されたオペレーターの指示内容に応じた信号が制御手段55へ随時入力される。制御手段55は、これらからの各信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取装置1の作動、すなわち、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の回転、停止、あるいは、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段51、52、53の開閉および遠心分離器駆動装置10の作動を制御する。
このような制御手段55は、ドナーから採取された血液を遠心分離器20(貯血空間146)内に流入させ、遠心分離器20により分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取(移送)する血漿採取工程(血液成分採取工程)と、遠心分離器20内に残った主として血球(残りの血液成分)をドナーへ返還(返血)する返血工程(血球返還工程)(血液成分返還工程)とを有する血漿採取操作(血液成分採取操作)を行うように、血液成分採取装置1の作動を制御する。この血漿採取操作は、少なくとも1回(1サイクル)、通常は、複数回(複数サイクル)行われる。
以下、血液成分採取装置1の使用方法および作用について説明する。なお、第1サイクルの血漿採取操作(本採血)の前に行う各工程(操作)については、後に詳述する。
オペレーター(操作者)は、後述する抗凝固剤送液工程(抗凝固剤送液動作)(抗凝固剤送液操作)が終了した後、クレンメ92および93が開いた状態、クレンメ91が閉じた状態で、タッチパネル19に表示された採血開始ボタン(採血開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55によりプログラムが実行され、第1サイクルの血漿採取操作が開始される。血漿採取操作では、血液成分採取装置1は、まず、血漿採取工程を行う。
血漿採取工程では、血液ポンプ11を図1中時計回り(正方向)に回転(正転)させて、採血を開始する。同時に、流路開閉手段51を開放し、流路開閉手段52を閉塞して、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、遠心分離器20の貯血空間146内等の血液成分採取回路2内の空気(滅菌空気)を、エアーバッグ26内に移送し、収納する。
また、前記採血と同時に、抗凝固剤ポンプ12を図1中反時計回り(正方向)に回転(正転)させて、抗凝固剤注入ライン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に添加させる。
これにより、血液(抗凝固剤添加血液)は、採血・返血ライン21を介して移送され、遠心分離器20の流入口143より管体141を経てローター142の貯血空間146内に導入される。
このとき、遠心分離器20の貯血空間146内の空気は、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、エアーバッグ26内に移送され、収納される。
また、前記採血と同時にまたはこれと前後して、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を所定の回転数で回転する。このローター142の回転により、貯血空間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PPP層)131と血球層132の2層に分離される。
さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供給を継続し、貯血空間146の容量を超える抗凝固剤添加血液が貯血空間146内に導入されると、貯血空間146内は完全に血液により満たされ、遠心分離器20の流出口144から血漿がオーバーフローし、その血漿は、採取バッグ側ライン22を流れる。
次いで、第3の気泡センサ35により、遠心分離器20の貯血空間146から流出する血漿が検出されると、貯血空間146内の空気のエアーバッグ26内への収納が完了する。
次いで、流路開閉手段51を閉塞し、流路開閉手段52を開放し、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20の貯血空間146内の血漿を、血漿採取バッグ25内に移送し、採取する。
なお、血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御手段55に入力される。
血漿採取を終了する場合は、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の作動を停止するとともに、遠心分離器駆動装置10の作動を停止して、遠心分離器20のローター142の回転を停止する。
以上で、血漿採取工程を終了し、血球返還工程(返血)に移行する。この血球返還工程では、血液成分採取回路2(主に、ローター142の貯血空間146)内に残った血液成分をドナーへ返還する。具体的には、まず、流路開閉手段51を開放し、流路開閉手段52を閉塞し、血液ポンプ11を図1中反時計回り(逆方向)に回転(逆転)させる。
これにより、ローター142の貯血空間146内の残りの血液成分は、遠心分離器側ライン21b、中空針側ライン21aおよび中空針291を介して、ドナーへ返還される。
次いで、第1の気泡センサ17によって空気が検出されると、この返血を終了し、次のサイクルの血漿採取操作の血漿採取工程に移行する。
本サイクルが最終サイクルの場合には、第5の気泡センサ37によって空気が検出されると、返血を終了する。これにより、血液成分採取回路2内の残りの血液成分が、ほぼ全てドナーへ返還され、血漿採取操作を終了する。
さて、この血液成分採取装置1は、本採血、すなわち、第1サイクルの血漿採取工程(血漿採取バッグ25への血漿(血液成分)の採取)に先立って、制御手段55の制御により、血液ポンプ11および抗凝固剤ポンプ12を作動させて、抗凝固剤注入ライン23から分岐コネクタ21cを経て中空針側ライン21a(採血・返血ライン21)の遠心分離器20側に向けて抗凝固剤を供給(送液)するプライミング動作と、初流採取ライン27を通してドナーから採取した血液の初流(採血初流)を初流採取バッグ81に採取する初流採取操作と、後述する抗凝固剤送液動作とを実行し、この後、本採血、すなわち、第1サイクルの血漿採取工程を実行するように構成されている。
そして、前記プライミング動作と、前記初流採取操作とを実行した後に、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの流路内の抗凝固剤と採血初流(血液)との間に空気(空気層)が介在するようになっており、制御手段55は、圧力センサ18の検出値(検出結果)に基づいて、これらプライミング動作および初流採取操作の実行後、クレンメ93を開いて分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路を開放した際、前記空気(空気層)が移動したか否かを推定(検知)するように構成されていることに特徴を有する。また、制御手段55は、圧力センサ18の検出値(検出結果)に基づいて、その空気の移動方向および位置等も推定することができるようになっている。
また、本実施形態では、プライミング動作および初流採取操作の実行後、クレンメ93を開いて分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路を開放した際、制御手段55の制御により、圧力センサ18の検出値(検出結果)に基づいて、血液ポンプ11を作動させて中空針側ライン21a内の圧力調整(第2の圧力調整)を行って、空気層を目標位置(例えば、クレンメ93を開く前の位置)に位置させるように構成されている。
以下、図3〜図5に基づいて、本採血、すなわち、前述した第1サイクルの血漿採取操作の前の工程について説明する。
図3〜図5は、図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャート(制御手段55の制御動作を示すフローチャート)である。この場合、図3は、プライミング工程(プライミング動作)(プライミング操作)における制御手段55の制御動作を示すフローチャート、図4は、圧力監視工程における制御手段55の制御動作を示すフローチャート、図5は、抗凝固剤送液工程(抗凝固剤送液動作)(抗凝固剤送液操作)における制御手段55の制御動作を示すフローチャートである。
まず、オペレーターは、抗凝固剤が収納された図示しない抗凝固剤バッグを抗凝固剤ライン23に接続し、抗凝固剤を気泡除去用チャンバー(点滴筒)23cの1/3程度まで満たし、その抗凝固剤バッグを図示しないハンガーに吊り下げる。また、クレンメ91を開いた状態(クレンメ91により初流採取ライン27の流路を開放した状態)、クレンメ92を閉じた状態(クレンメ92により中空針291と分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路を閉塞した状態)、クレンメ93を閉じた状態(クレンメ93により分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの流路を閉塞した状態)とする。
そして、オペレーターは、タッチパネル19に表示されたプライミング開始ボタン(プライミング開始スイッチ)を押す。
図3に示すように、制御手段55は、プライミング開始ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS101)、プライミング開始ボタンが押された場合には、プライミング工程(プライミング動作)が開始される。このプライミング動作は、血液ポンプ11および抗凝固剤ポンプ12を作動させて行われ、気泡センサ36および37が抗凝固剤(液体)を検出するまで実行される。
すなわち、プライミング工程では、まず、抗凝固剤ポンプ12を正方向に回転(正転)させ(回転開始)、また、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を回転させる(回転開始)(ステップS102)。そして、血液ポンプ11を正方向に回転(正転)させる(回転開始)(ステップS102)。
次いで、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、チューブ62に接続されている図示しない圧力センサにより遠心分離器20の内圧(システム圧力)を検出し、これらの検出値に基づいて、流路検査(例えば、回路内の流路の閉塞等の検査)を行なう(ステップS103)。なお、このステップS103の後、遠心分離器駆動装置10を所定のタイミングで停止する。
前記血液ポンプ11および抗凝固剤ポンプ12の回転により、抗凝固剤注入ライン23から分岐コネクタ21cを経て中空針側ライン21aの遠心分離器20側に向けて抗凝固剤が供給(送液)される。
次いで、気泡センサ36および37が抗凝固剤(液体)を検出したか否かを判断し(ステップS104)、気泡センサ36および37が抗凝固剤を検出した場合には、プライミングが完了する。
これにより、抗凝固剤注入ライン23、分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタ21cより遠心分離器20側の中空針側ライン21aの流路内の空気が、チャンバー21d内および中空針側ライン21aのチャンバー21d以降の流路内に移送され、これら抗凝固剤注入ライン23、分岐コネクタ21cおよび中空針側ライン21aの分岐コネクタ21cからチャンバー21dまでの流路内が、抗凝固剤で満たされる。
次いで(プライミング動作を実行した後)、圧力センサ18により検出された圧力が目標範囲内の値となるように、血液ポンプ11と抗凝固剤ポンプ12とのいずれかを作動させてクレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力調整(第1の圧力調整)を行う。なお、この圧力調整は、血液ポンプ11および抗凝固剤ポンプ12を作動させて行ってもよいことは言うまでもない。
すなわち、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標範囲の上限値より大きいか否かを判断する(ステップS105)。
この場合、前記目標範囲を大気圧±aとしたとき、前記aは、0〜20mmHg程度とするのが好ましく、0〜5mmHg程度とするのがより好ましい。
ステップS105において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲の上限値より大きい場合(ステップS105で「YES」)は、血液ポンプ11の正方向への回転(正転)を継続し、抗凝固剤ポンプ12を停止する(ステップS106)。これにより、中空針側ライン21a内の圧力が減少してゆく。
次いで、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標範囲内の値か否かを判断し(ステップS107)、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲内の値の場合は、ステップS111のプライミング終了処理へ移行する。
一方、ステップS105において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲の上限値以下の場合(ステップS105で「NO」)は、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲の下限値より小さいか否かを判断する(ステップS108)、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲の下限値以上の場合(ステップS105で「NO」)、すなわち、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲内の値の場合は、ステップS111のプライミング終了処理へ移行する。
また、ステップS108において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲の下限値より小さい場合(ステップS108で「YES」)は、抗凝固剤ポンプ12の正方向への回転(正転)を継続し、血液ポンプ11を停止する(ステップS109)。これにより、中空針側ライン21a内の圧力が増大してゆく。
次いで、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標範囲内の値か否かを判断し(ステップS110)、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標範囲内の値の場合は、ステップS111のプライミング終了処理へ移行する。
ステップS111では、回転中の血液ポンプ11または抗凝固剤ポンプ12を停止し、プライミング工程を終了し、圧力監視工程へ移行する。前記圧力調整(第1の圧力調整)後の圧力センサ18の圧力の検出値を、圧力監視工程における圧力調整(第2の圧力調整)の目標値とする。
図4に示すように、圧力監視工程では、まず、タッチパネル19に、抗凝固剤送液ボタン(抗凝固剤送液スイッチ)等を有する穿刺・初流・抗凝固剤送液画面を表示する(ステップS201)。
一方、オペレーターは、中空針291をドナーの血管に穿刺し、クレンメ92を開く。
これにより、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)は、ドナーの静脈圧や落差(自重)により、その中空針291、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ、初流採取バッグ81内に導入(採取)される。
次いで、オペレーターは、採血初流を初流採取バッグ81に所定量(目標量)採取すると(血液の液面が初流採取バッグ81の標線と一致したことを確認すると)、クレンメ92を閉じて、初流採取操作を終了する。
この初流採取操作により、中空針291、中空針291から分岐コネクタ21eまでの中空針側ライン21a、分岐コネクタ21eおよび初流採取ライン27の流路内の空気が、初流採取バッグ61内に移送され、これら中空針291、中空針291から分岐コネクタ21eまでの中空針側ライン21a、分岐コネクタ21eおよび初流採取ライン27の流路内が、採血初流で満たされる。
このように、前記プライミング動作と初流採取操作とを実行した後は、中空針側ライン21aの分岐コネクタ21cから分岐コネクタ21eまでの流路内の空気(分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路内の空気)が移送されることなく、その場に留まり、中空針側ライン21aの流路内の抗凝固剤と採血初流との間に空気が介在した状態になる。すなわち、中空針側ライン21aの流路内の抗凝固剤と採血初流との間には、空気層が形成される。換言すれば、空気層は、プライミング動作の際に、中空針側ライン21aの分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の流路内に、抗凝固剤を満了充填しないことにより形成される。
なお、プライミングが完了した状態において、中空針側ライン21aの流路内の抗凝固剤と空気層との気液分離面(境界)は、分岐コネクタ21cの分岐中心(中心部)よりも若干分岐コネクタ21e側、すなわち、分岐コネクタ21cの分岐中心と分岐コネクタ21eの分岐中心との間であって、分岐コネクタ21cの分岐中心の近傍に位置する。また、初流採取操作が完了した状態において、中空針側ライン21aの流路内の採血初流(血液)と空気層との気液分離面(境界)は、分岐コネクタ21eの分岐中心(中心部)よりも若干分岐コネクタ21c側、すなわち、分岐コネクタ21cの分岐中心と分岐コネクタ21eの分岐中心との間であって、分岐コネクタ21eの分岐中心の近傍に位置する。
この空気層により、採血初流と抗凝固剤との接触が阻止され、採血初流への抗凝固剤の混入を防止できるので、初流採取バッグ81に貯留された採血初流を検査用の血液として用いることができる。同時に、抗凝固剤への採血初流の混入を防止できるので、血漿採取バッグ25に採取される血漿(血漿製剤や原料血漿)に細菌が混入することを防止することができる。
次いで、オペレーターは、クレンメ93を開き、タッチパネル19に表示された抗凝固剤送液ボタン(抗凝固剤送液スイッチ)を押す。これにより、後述する抗凝固剤送液工程(抗凝固剤送液動作)が行なわれる。
ここで、クレンメ93が開き、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの流路が開放すると、中空針291が穿刺されたドナーの腕と、初流採取ライン27に接続されている初流採取バッグ81との位置関係等によっては、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間に位置していた空気層が、遠心分離器20側(分岐コネクタ21c側)または初流採取バッグ81側(初流採取ライン27側)(分岐コネクタ21e側)に移動することがある。
例えば、プライミング工程が終了した後、初流採取バッグ81を高い位置に移動すると、空気層は、遠心分離器20側に移動し、この場合は、圧力センサ18の圧力の検出値(クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力)は、前記プライミング工程における圧力調整(第1の圧力調整)後の圧力センサ18の圧力の検出値(目標値)に比べて、高くなる。逆に、初流採取バッグ81を低い位置に移動すると、空気層は、初流採取バッグ81側に移動し、この場合は、圧力センサ18の圧力の検出値は、前記プライミング工程における圧力調整後の圧力センサ18の圧力の検出値(目標値)に比べて、低くなる。
この圧力監視工程では、前記プライミング工程における圧力調整(第1の圧力調整)後の圧力センサ18の圧力の検出値を、圧力監視工程における圧力調整(第2の圧力調整)の目標値とし、その目標値に対して許容範囲を設定する。前記許容範囲を目標値±αとしたとき、前記αは、0〜20mmHg程度とするのが好ましく、0〜5mmHg程度とするのがより好ましい。
そして、プライミング動作および初流採取操作の実行後、クレンメ93を開いて分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路を開放した際、圧力センサ18により検出された圧力が前記許容範囲内の値となるように、血液ポンプ11を作動させて中空針側ライン21a内の圧力調整(第2の圧力調整)を行って、空気層を目標位置(例えば、クレンメ93を開く前の位置)に位置させる。
すなわち、圧力監視工程では、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標値+α(許容範囲の上限値)より大きいか否かを判断する(ステップS202)。
ステップS202において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値+αより大きい場合(ステップS202で「YES」)は、血液ポンプ11を正方向に回転(正転)させて、中空針側ライン21a内の圧力を、減少させ、目標値にし(ステップS203)、ステップS202に戻り、再度、ステップS202以降を実行する。
一方、ステップS202において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値+α以下の場合(ステップS202で「NO」)は、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値−α(許容範囲の下限値)より小さいか否かを判断する(ステップS204)。
ステップS204において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値−αより小さい場合(ステップS204で「YES」)は、血液ポンプ11を逆方向に回転(逆転)させて、中空針側ライン21a内の圧力を、増大させ、目標値にし(ステップS205)、ステップS202に戻り、再度、ステップS202以降を実行する。
一方、ステップS204において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値−α以上の場合(ステップS204で「NO」)、すなわち、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値±α以内(許容範囲内)の場合は、タッチパネル19に表示されたプライミング開始ボタン(プライミング開始スイッチ)が押されたか否かを判断する(ステップS206)。
ステップS206において、プライミング開始ボタンが押されない場合は、ステップS202に戻り、再度、ステップS202以降を実行する。すなわち、プライミング開始ボタンが押されるまで、前記圧力調整を継続する。
一方、ステップS206において、プライミング開始ボタンが押された場合は、圧力監視工程を終了し(ステップS207)、抗凝固剤送液工程へ移行する。
図5に示すように、抗凝固剤送液工程では、まず、タッチパネル19に、抗凝固剤送液中画面を表示する(ステップS301)。
次いで、抗凝固剤ポンプ12を作動させて、抗凝固剤注入ライン23から分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタ21eを経て初流採取ライン27に向けて抗凝固剤を供給(送液)する抗凝固剤送液動作を実行して、空気層を中空針側ライン21aから初流採取ライン27に移送する。この抗凝固剤供給動作は、空気層が初流採取バッグ85内に流入せず、かつ、抗凝固剤が初流採取ライン27に流入するまで実行される。
これにより、抗凝固剤は、分岐コネクタ21cから、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ(初流採取ライン27に供給され)、これによって、抗凝固剤注入ライン23と、中空針側ライン21aの分岐コネクタ21cから分岐コネクタ21eまでと、初流採取ライン27の分岐コネクタ21eからその途中までの流路内が、抗凝固剤で満たされる(洗浄される)。すなわち、空気層が、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタ21eから除去されるとともに、分岐コネクタ21eおよび初流採取ライン27の分岐コネクタ21eの近傍に、抗凝固剤を含まない血液が停滞し、その血液が凝固してしまうのを防止することができる。これにより、ドナーの負担を増大させることなく、安全かつ確実に、成分採血を行うことができる。
具体的には、前記ステップS301の後、抗凝固剤ポンプ12を正方向に回転(正転)させ(回転開始)る(ステップS302)。
この場合、クレンメ93が開いていれば、前記抗凝固剤ポンプ12の回転により、抗凝固剤注入ライン23から分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタ21eを経て初流採取ライン27に向けて抗凝固剤が供給(送液)されるが、クレンメ93が閉じていると、前記抗凝固剤ポンプ12の回転により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力が増大する。
次いで、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、所定値(例えば、大気圧+25mmHg)以上であるか否かを判断する(ステップS303)。
ステップS303において、圧力センサ18の圧力の検出値が、前記所定値以上の場合(ステップS303で「YES」)は、クレンメ93により分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が閉塞されていると判別し、抗凝固剤ポンプ12を停止し、血液ポンプ11を正方向に回転(正転)させて、中空針側ライン21a内の圧力を、減少させ、目標値にする(ステップS304)。
次いで、タッチパネル19に、対処方法指示画面を表示する(ステップS305)。
この対処方法指示画面には、例えば、抗凝固剤送液再開ボタン(抗凝固剤送液再開スイッチ)と、「クレンメ93が閉じているので、そのクレンメ93を開いて、抗凝固剤送液再開ボタンを押す」という判別結果、警告、指示等が表示される。
オペレーターは、クレンメ93を開き、タッチパネル19に表示された抗凝固剤送液再開ボタンを押す。
次いで、抗凝固剤送液再開ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS306)、抗凝固剤送液再開ボタンが押された場合には、ステップS301に戻り、再度、ステップS301以降を実行する。すなわち、再度、タッチパネル19に、抗凝固剤送液中画面を表示し、抗凝固剤供給動作を実行する。
一方、ステップS303において、圧力センサ18の圧力の検出値が、前記所定値より小さい場合(ステップS303で「NO」)は、クレンメ93が開いており、分岐コネクタ21cと分岐コネクタ21eとの間の中空針側ライン21aの流路が開放していると判別し、抗凝固剤の送液量が所定値に到達したか否かを判断する(ステップS307)。
このステップS307においては、例えば、抗凝固剤ポンプ12の回数回転が所定回数に到達すると、抗凝固剤の送液量が所定値に到達したと判断する方法と、圧力センサ18の圧力の検出値が所定圧力に到達すると、抗凝固剤の送液量が所定値に到達したと判断する方法等がある。
ステップS307において、抗凝固剤の送液量が所定値に到達していない場合は、ステップS303に戻り、再度、ステップS303以降を実行する。
一方、ステップS307において、抗凝固剤の送液量が所定値に到達した場合は、抗凝固剤ポンプ12を停止し、抗凝固剤送液工程を終了し(ステップS308)、本採血へ移行する。
オペレーターは、クレンメ91を閉じる。
なお、本工程は、例えば、オペレーターが手動で抗凝固剤ポンプ12を回転させて行ってもよい。
次いで、オペレーターは、クレンメ92を開き、前述したように、タッチパネル19に表示された採血開始ボタンを押す。これにより、本採血、すなわち、前述した第1サイクルの血漿採取操作が開始される。なお、本採血の説明は、既になされているので、省略する。
以上説明したように、この血液成分採取装置1によれば、初流採取ライン27を有しているので、採血の際、容易に、ドナーから採取された血液から、細菌感染の確率の高い初流(採血初流)を除去することができ、これにより、採取された血漿への細菌の混入が抑制され、患者に血漿を輸血する際の安全性が向上する。また、前記除去した採血初流を初流採取バッグ81内に貯留することができる。
また、プライミング動作と初流採取操作とを実行した後に、中空針側ライン21aの流路内の採血初流(血液)と抗凝固剤との間に、空気(空気層)が形成される(空気が介在する)ので、この空気層により採血初流と抗凝固剤との接触が阻止され、採血初流への抗凝固剤の混入を防止することができ、これによって、初流採取バッグ81に採取された採血初流を検査用の血液として用いることができる。さらに、空気層により採血初流と抗凝固剤との接触が阻止され、抗凝固剤への採血初流の混入を防止することができ、これによって、血漿採取バッグ25に採取される血漿に細菌が混入するのを防止することができる。
そして、特に、プライミング動作および初流採取操作の実行後、クレンメ93を開いて、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの流路を開放した際、空気層を目標位置(例えば、クレンメ93を開く前の位置)に位置させるので、「発明が解決しようとする課題」で述べた課題を解決することができる。すなわち、初流採取バッグ81に採取された採血初流への抗凝固剤の混入を防止することができ、これによって、初流採取バッグ81に採取された採血初流を検査用の血液として用いることができる。さらに、血漿採取バッグ25に採取される血漿への細菌の混入が抑制され、安全性が向上する。
また、この血液成分採取装置1では、所定量の採血初流が除去(採取)された後に、抗凝固剤が、抗凝固剤注入ライン23、分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタ21eを経て、初流採取ライン27に供給されるので、分岐コネクタ21eおよび初流採取ライン27の分岐コネクタ21eの近傍に、抗凝固剤を含まない血液が停滞し、その血液が凝固してしまうのを抑制することができ、ドナーの負担を増大させることなく、安全かつ確実に、成分採血を行なうことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の血液成分採取装置の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の血液成分採取装置の第2実施形態の作用を説明するためのフローチャート(制御手段55の制御動作を示すフローチャート)であって、圧力監視工程における制御手段55の制御動作が示されている。
以下、第2実施形態の血液成分採取装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の血液成分採取装置1は、圧力監視工程が異なっていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
概要は、第2実施形態の血液成分採取装置1は、プライミング動作および初流採取操作の実行後、クレンメ93を開いて、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの流路を開放した際、空気層が移動したことが推定(検知)された場合、タッチパネル19に、空気層が移動した旨や、空気層の移動方向に応じた対処方法を表示するように構成されている。
すなわち、図6に示すように、第2実施形態の血液成分採取装置1における圧力監視工程では、まず、タッチパネル19に、抗凝固剤送液ボタン(抗凝固剤送液スイッチ)等を有する穿刺・初流・抗凝固剤送液画面を表示する(ステップS401)。
一方、オペレーターは、中空針291をドナーの血管に穿刺し、クレンメ92を開く。
これにより、ドナーから中空針291により採取された血液の初流(採血初流)は、ドナーの静脈圧や落差(自重)により、その中空針291、中空針側ライン21a、分岐コネクタ21e、初流採取ライン27を流れ、初流採取バッグ81内に導入(採取)される。
次いで、オペレーターは、採血初流を初流採取バッグ81に所定量(目標量)採取すると(血液の液面が初流採取バッグ81の標線と一致したことを確認すると)、クレンメ92を閉じて、初流採取操作を終了する。
次いで、オペレーターは、クレンメ93を開き、タッチパネル19に表示された抗凝固剤送液ボタン(抗凝固剤送液スイッチ)を押す。これにより、後述する抗凝固剤送液工程(抗凝固剤送液動作)が行なわれる。
また、圧力監視工程では、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標値+α(許容範囲の上限値)より大きいか否かを判断する(ステップS402)。
ステップS402において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値+αより大きい場合(ステップS402で「YES」)は、タッチパネル19に、対処方法指示画面を表示する(ステップS403)。
この対処方法指示画面には、例えば、空気層が移動した旨と、空気層の移動方向と、「初流採取バッグ81の位置を鉛直方向下側(下方)に移動させる」という空気層の移動方向に応じた対処方法等が表示される。
オペレーターは、タッチパネル19に表示された対処方法を実行する。これにより、空気層は、目標位置に向って移動する。
次いで、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標値±α以内(許容範囲内)の値であるか否かを判断する(ステップS404)。
ステップS404において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値±α以内ではない場合は、ステップS403に戻り、再度、ステップS403以降を実行する。
また、ステップS404において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値±α以内の場合は、ステップS401に戻り、再度、ステップS401以降を実行する。
一方、ステップS402において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値+α以下の場合(ステップS402で「NO」)は、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値−α(許容範囲の下限値)より小さいか否かを判断する(ステップS405)。
ステップS405において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値−αより小さい場合(ステップS405で「YES」)は、タッチパネル19に、対処方法指示画面を表示する(ステップS406)。
この対処方法指示画面には、例えば、空気層が移動した旨と、空気層の移動方向と、「初流採取バッグ81の位置を鉛直方向上側(上方)に移動させる」という空気層の移動方向に応じた対処方法等が表示される。
オペレーターは、タッチパネル19に表示された対処方法を実行する。これにより、空気層は、目標位置に向って移動する。
次いで、圧力センサ18により、クレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力を検出し、その検出値が、目標値±α以内(許容範囲内)の値であるか否かを判断する(ステップS407)。
ステップS407において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値±α以内ではない場合は、ステップS406に戻り、再度、ステップS406以降を実行する。
また、ステップS407において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値±α以内の場合は、ステップS401に戻り、再度、ステップS401以降を実行する。
一方、ステップS405において、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値−α以上の場合(ステップS405で「NO」)、すなわち、圧力センサ18の圧力の検出値が、目標値±α以内(許容範囲内)の場合は、タッチパネル19に表示されたプライミング開始ボタン(プライミング開始スイッチ)が押されたか否かを判断する(ステップS408)。
ステップS408において、プライミング開始ボタンが押されない場合は、ステップS402に戻り、再度、ステップS402以降を実行する。
一方、ステップS408において、プライミング開始ボタンが押された場合は、圧力監視工程を終了し(ステップS409)、抗凝固剤送液工程へ移行する。
この血液成分採取装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
次に、本発明の血液成分採取装置の第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態の血液成分採取装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の血液成分採取装置1は、プライミング動作および初流採取操作の実行後、クレンメ93を開いて、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの流路を開放した際、圧力センサ18の圧力の検出値(圧力センサ18により検出された圧力)が、減少して、所定のしきい値以下になった場合は、その圧力の変動により、抗凝固剤注入ライン23から分岐コネクタ21cおよび分岐コネクタeを経て初流採取ライン27に向けて抗凝固剤が供給され、空気層が中空針側ライン21aから初流採取ライン27に移送されたものと推定し、抗凝固剤送液動作を行わないように構成されている。これにより、抗凝固剤送液動作を実行した場合と同等の効果を得つつ、成分採血に要する時間を短縮することができる。
前記しきい値は、抗凝固剤送液動作を実行して空気層を移動させる予定の位置(予定位置)に、空気層が位置しているときのクレンメ93から遠心分離器20側の中空針側ライン21a内の圧力(圧力値)に設定されるのが好ましい。
具体的には、前記しきい値は、初流採取ライン27、分岐コネクタ21eと分岐コネクタ21cとの間の中空針側ライン21aの長さ、内径等の各部の寸法や諸条件に応じて適宜設定されるが、例えば、大気圧〜大気圧−20mmHg程度とするのが好ましく、大気圧〜大気圧−5mmHg程度とするのがより好ましい。
この血液成分採取装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の血液成分採取装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明は、血漿製剤(または血漿分画製剤の原料血漿)を得るのに適用する場合に限らず、例えば、血液中から、血小板製剤、赤血球製剤、白血球製剤等を得る場合に適用してもよい。すなわち、本発明では、血液成分採取バッグに採取される血液成分は、血漿に限らず、例えば、血小板(血漿を含む血小板)、赤血球(血漿を含む赤血球)、白血球(血漿を含む白血球)等であってもよい。
また、本発明は、血液成分採取バッグを複数有し、複数の血液成分を採取し得るように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、採血ラインおよび返血ラインが一体となったいわゆる間歇式(一針式または片腕式とも呼ばれる)の血液成分採取装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、この方式のものに限らず、例えば、採血ラインと返血ラインとが別個に設けられたいわゆる連続式(二針式または両腕式とも呼ばれる)の血液成分採取装置にも適用することができる。
また、本発明は、所定の血液成分を採取して、残りの血液成分をドナーに返還しない血液成分採取装置に適用することもできる。
また、本発明では、光学式センサは、図示のものに限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
また、本発明では、血液分離器は、遠心型のものに限定されず、例えば、膜型等のものであってもよい。