JP4783348B2 - 平角成形撚線及び平角成形撚線の製造方法 - Google Patents

平角成形撚線及び平角成形撚線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、平角成形撚線及び平角成形撚線の製造方法に関する。特に、本発明は、電磁気回路等のコイルに用いられる平角成形撚線及び平角成形撚線の製造方法に関する。
従来の電磁気回路等のコイルに用いられる電気用導体として、例えば、所定の静摩擦係数を有する材料で表面を覆った複数本の導体を撚り合わせて断面平角状に成形した電気用導体が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電気用導体は、略円形状の銅線等の導体と、導体の表面に焼き付けられる塗布焼付層と、塗布焼付層の表面に設けられる静摩擦係数0.30以上の材料からなる表面層とを有する断面円形の複数本の絶縁電線素線を備え、複数本の絶縁電線素線を撚り合わせた後、断面平角状に成形される電気用導体である。
特許文献1に記載の電気用導体は、絶縁電線素線の表面に所定の静摩擦係数を有する表面層を備えているので、複数の絶縁電線素線間の滑り性が低減する。したがって、特許文献1に記載の電気用導体は、複数の絶縁電線素線を撚り合わせた後、平角に成形するときに、扁平形となった複数の絶縁電線素線がクロスオーバーすること、及び複数の絶縁電線素線間での隙間が発生することを抑制して形成することができる。
また、従来の他の平角成形撚線の製造方法として、例えば、各線材を誘導するマンドレルの直後に集合ダイスを配置したものがある(例えば、特許文献2参照)。この平角成形撚線の製造方法は、公転する複数のボビンから供給される各線材をマンドレルで誘導した後、その直後に配置された集合ダイスで集合して撚り合わせ、その後、撚り合された撚線を成形ロールで平角に成形して平角成形撚線を製造する。
特開平8−36922号公報 特許第2596188号公報
しかし、特許文献1に記載の電気用導体では、複数の絶縁電線素線のそれぞれに表面層を形成することを要する。すなわち、特許文献1に記載の電気用導体の製造においては、表面層を形成する材料を準備する工程、及び表面層を導体表面に形成する工程等を追加することを要するので、電気用導体を構成する材料の低減、及び電気用導体の製造工程の低減に限界があり、更に製造時間の短縮にも限界があった。
また、特許文献2に記載の平角成形撚線の製造方法では、本発明者の推測によると、マンドレルの直後に集合ダイスを設けているため、製造速度を向上することができなかった。
したがって、本発明の目的は、平角成形撚線を構成する材料及び製造工程を増加させずに、撚線のクロスオーバー及び線材間の隙間の発生を抑制して高速度で製造できる平角成形撚線及び平角成形撚線の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、定の本数の第1線材を撚り合わされて平角状に成形された第1の層と、前記第1線材と同径で本数が前記第1線材より4本多い第2線材が前記第1の層の外側に撚り合わされて平角状に成形された第2の層とを含んで構成され、前記第2の層を構成する第2線材は、加工側外周の加工率が当該加工側外周の反対側の外周の加工率に比べて大きくなるように、外部に露出した外周部が圧縮加工されて前記第1の層に押し付けられ変形している平角成形撚線が提供される。
また、上記平角成形撚線は、第1の層の線材及び第2の層の線材が同方向撚りで撚り合わされ、第1の層の線材の撚りの傾斜角と第2の層の線材の撚りの傾斜角との差が−3.0度以上+3.0度以下であってもよい。
また、上記平角成形撚線は、第1の層の線材及び第2の層の線材が交互撚りで撚り合わされてもよい。
また、上記平角成形撚線は、第1の層と、第1の層を包囲する第2の層との2層構造で形成されてもよい。更に、上記平角成形撚線は、第1の層の線材の外周及び第2の層の線材の外周が、絶縁塗料でそれぞれ被覆されてもよい。
また、本発明は、上記目的を達成するため、繰り出された所定の本数の第1線材をその合流点において合流させて予備撚線を形成する工程と、前記合流点から所定の距離を有する集合点において前記予備撚線の線材を集合させて前記予備撚線を平角状に圧縮成形して第1の層を形成する工程と、外径が前記第1線材と同じで数が前記第1線材より4本多い第2線材を繰り出して当該第2線材を前記第1の層の外周で当該第1の層と合流させて予備撚線を形成する工程と前記第1の層と前記第2線材との合流点から所定の距離を有する集合点において、前記第1の層と前記第2線材による予備撚線とを集合させて前記第2線材を前記第1の層の上に圧縮し前記第2線材を平角状に成形して第2の層を形成する工程とを備える平角成形撚線の製造方法が提供される。
本発明の平角成形撚線の製造方法によれば、平角成形撚線を構成する材料及び製造工程を増加させずに、撚線のクロスオーバー及び線材間の隙間の発生を抑制して高速度で平角成形撚線を製造でき、かつ、撚線のクロスオーバー及び線材間の隙間を抑制した平角成形撚線を提供できる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る平角成形撚線の断面の模式図を示す。
(平角成形撚線10の構造)
本発明の実施の形態に係る平角成形撚線10は、互いに撚り合されて断面平角に形成される第1の層としての複数の第1線材100と、複数の第1線材100の外部から複数の第1線材100を包囲して複数の第1線材100に隣接すると共に、互いに撚り合されて断面平角に形成される第2の層としての複数の第2線材110とを備える。すなわち、本実施形態に係る平角成形撚線10は、第1の層である内層と第2の層である外層との2層構造を有して形成される。
なお、線材を同心円状に配置して、順次積み重ねるような形で撚り合わせた場合に形成される各同心円内の複数の線材群を「層」と定義する。また、図1は、本実施形態に係る平角成形撚線10の断面の模式図であり、複数の第1線材100及び複数の第2線材110のそれぞれの断面形状は図示した通りとは限らない。
複数の第1線材100及び複数の第2線材110はそれぞれ、線状を有すると共に、断面が略円形の導電性材料から主として形成される。導電性材料は、銅、アルミ等の金属材料である。一例として、複数の第1線材100及び複数の第2線材110はそれぞれ、直径が1.8mmの銅から形成される。また、第1線材100及び第2線材110はそれぞれ、金属材料の表面に、静摩擦係数が所定値以下の良好な滑り性を有する絶縁材料としてのポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を含む絶縁塗料を塗布焼き付けて形成することもできる。これにより、第1線材100の外周及び第2線材110の外周はそれぞれ、絶縁材料で被覆される。
なお、平角成形撚線10が形成された後の複数の第1線材100及び複数の第2線材110のそれぞれの断面は、略多角形状である。
本実施形態に係る平角成形撚線10は、内層としての複数の第1線材100の第1の所定の本数としての本数より、内層の外側に隣接して設けられる外層としての複数の第2線材110の第2の所定の本数としての本数を多くして形成される。一例として、第2線材110の合計本数を、第1線材100の合計本数よりも4本多くして、平角成形撚線10は形成される。平角成形撚線10は、例えば、16本の第1線材100と20本の第2線材110とから形成される。
また、複数の第1線材100と複数の第2線材110とを同方向撚りとして、平角成形撚線10は形成される。この場合、複数の第1線材100の撚りの傾斜角と、複数の第2線材110の撚りの傾斜角との差を−3.0度以上+3.0度以下に設定して、平角成形撚線10は形成される。また、上記傾斜角の差のより好ましい値は、−1.0度以上+1.0度以下である。
また、複数の第1線材100と複数の第2線材110とから形成される平角成形撚線10の断面形状は略平角形状であり、一例として、縦寸法が約7mm、横寸法が約18mmの略長方形状である。
なお、複数の第1線材100と複数の第2線材110とを交互撚りとして、平角成形撚線10を形成してもよい。また、第1線材100及び第2線材110はそれぞれ、予め平角に成形した線材から形成することもできる。
(平角成形撚線10の製造方法)
図2は、本発明の実施の形態に係る平角成形撚線の製造工程の概略を示す。
まず、撚線機20のケージに装着されている複数の第1ボビン200のそれぞれに巻きついている第1線材100のそれぞれが、第1マンドレル210の方向に引き出されて誘導される。そして、第1マンドレル210の合流点としての先端部分において、複数の第1線材100が合流して予備撚線が形成される。続いて、第1マンドレル210の先端部分から所定の距離を有する集合点としての第1集合ダイス220において、第1マンドレル210において形成された予備撚線から1本の撚線が形成される。
この場合に、第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間に、通常は設けない所定の距離としての所定の間隔210aを設ける。すなわち、複数の第1線材100が合流する位置である第1マンドレル210の先端部分から、複数の第1線材100が1本に集合する位置である第1集合ダイス220の入り口部分までに、所定の間隔210aを設ける。
所定の間隔210aは、第1マンドレル210から第1集合ダイス220に誘導される複数の第1線材100のそれぞれが揺れ動いて交差等しない範囲で決定される。一例として、第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間の間隔210aは、約10cmである。そして、撚り合された第1の層としての複数の第1線材100は、第1集合ダイス220から所定の距離を有する成形点としての第1圧延ロール230へと供給される。
続いて、撚り合された複数の第1線材100を、第1圧延ロール230において断面平角状を有する平角成形撚線5に圧縮成形する。第1圧延ロール230は、一例として、4つのロールを有する。そして、第1圧延ロール230の4つのロールは、中央部に矩形状の孔を有するように互いに垂直に交差して配置される。第1圧延ロール230は、第1集合ダイス220を通過した複数の第1線材100を当該孔において断面平角状に圧延する。そして、第1圧延ロール230は、形成された平角成形撚線5を第2集合ダイス222に供給する。
次に、撚線機20のケージに装着されている複数の第2ボビン202のそれぞれに巻きついている第2線材110のそれぞれが、第2マンドレル212の方向に引き出されて誘導される。そして、第2マンドレル212の合流点としての先端部分において、複数の第2線材110が平角成形撚線5の外周で合流して予備撚線が形成される。続いて、第2マンドレル212の先端部分から所定の距離を有する集合点としての第2集合ダイス222において、第2マンドレルにおいて形成された予備撚線と平角成形撚線5とから1本の撚線が形成される。
この場合に、間隔210aと同様に、第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間に所定の距離としての所定の間隔212aを設ける。すなわち、複数の第2線材110が平角成形撚線5と合流する位置としての第2マンドレル212の先端部分から、複数の第2線材110が平角成形撚線5と共に1本に集合する位置としての第2集合ダイス222の入り口部分までに、所定の間隔212aを設ける。
所定の間隔212aは、間隔210aと同様に、第2マンドレル212から第2集合ダイス222に誘導される複数の第2線材110のそれぞれが揺れ動いて交差等しない範囲で決定される。一例として、第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間の間隔212aは、約10cmである。そして、扁平形状に撚り合された複数の第2線材110は、第2集合ダイス222から所定の距離を有する成形点としての第2圧延ロール232へと供給される。
続いて、第2線材110が撚り合された平角成形撚線5を、第2圧延ロール232において断面平角状を有する平角成形撚線10に圧縮成形する。なお、第2圧延ロール232も第1圧延ロール230と同様の構成を有する。最後に、平角成形撚線10が巻取ドラム240に巻き取られる。これにより、本実施形態に係る平角成形撚線10が形成される。
ここで、本実施形態においては第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間、及び第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間のそれぞれに、通常は設けない間隔210a及び間隔212aを設ける。これにより、本発明者は、間隔210a及び間隔212aを設けない場合に比べて約3倍の速さで平角成形撚線10を製造することができることを見出した。
そして、間隔210a及び間隔212aを設けない場合に比べて約3倍の製造速度を維持したまま、複数の第1線材100及び複数の第2線材110のそれぞれが撚り合されたときに、複数の第1線材100及び複数の第2線材110のクロスオーバー及び隙間を抑制して本実施形態に係る平角成形撚線10を形成するには、複数の第1線材100の合計本数よりも複数の第2線材110の合計本数を4本多くすることを要するという知見についても、発明者らが鋭意検討の結果、得たものである。なお、クロスオーバーとは、隣接する線材同士の間隔が狭まり、互いに重なる状態をいう。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る第2線材の部分断面図を示す。
複数の第2線材110はそれぞれ、平角成形撚線5として形成された内層としての複数の第1線材100の外周に撚り合わされて形成される。そして、第2線材110の第1線材100と接していない外周は、第2圧延ロール232によって加工される。図3に示すように、第2線材110の外周の一部である外周110aは、第2圧延ロール232によって圧縮成形された面であり、曲率半径が大きく直線に近似する形状を有する。加工前の第2線材110は、断面形状が円形であったので、外周110aは、第2圧延ロール232による加工率が大きな部分に相当する。
一方、第2線材110の第1線材100側の外周の一部である外周110b及び外周110c等は、第2圧延ロール232と直接には接せず、第1線材100の外周と接して、第2圧延ロール232からの圧力により第1線材100の外周に押し付けられて加工される部分である。したがって、第2線材110の外周110b及び外周110cの曲率半径はそれぞれ小さく、円の一部に近似する形状を有する。加工前の第2線材110は、断面形状が円形であったので、外周110b及び外周110cは、第2圧延ロール232による加工率が小さな部分に相当する。なお、上記曲率半径は、外周110a、外周110b、及び外周110cそれぞれの加工面の両端を基準に求めたものである。
すなわち、複数の第2線材110の外周のうち、外部に露出している外周110aの加工率は、外部に露出していない外周110b又は外周110cの加工率よりも大きい。このように、複数の第2線材110の外部に露出する外周の加工率を、外部に露出していない外周の加工率よりも大きくすることにより、複数の第2線材110の各線材間のクロスオーバー及び各線材間の隙間が低減される。なお、第1線材100についても第2線材110の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。また、本発明の第1の実施の形態に係る加工率とは、加工後の曲率半径と加工前の線材の半径との差を、加工前の線材の半径で割った百分率(%)をさす。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態においては、第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間、及び第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間のそれぞれに所定の間隔を設けたので、当該間隔を設けない場合に比べて約3倍の速度で平角成形撚線10を製造することができる。
また、本発明の第1の実施の形態においては、内層としての複数の第1線材100の本数と外層としての複数の第2線材110の本数との差を調整して、クロスオーバーの発生、並びに複数の第1線材100間及び複数の第2線材110間の隙間の発生が抑制された平角成形撚線10を形成することができる。これにより、複数の第1線材100及び複数の第2線材110のそれぞれを新たな材料で覆うことを要さないので、製造工程を増加せずに高速度の製造速度を維持したまま平角成形撚線10を形成することができる。
また、本実施形態においては、内層としての複数の第1線材100の本数と外層としての複数の第2線材110の本数との差を調整して、第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間、及び第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間のそれぞれに所定の間隔を設けることにより、複数の線材のクロスオーバー及び隙間の発生を防止した平角成形撚線10を形成できる。これにより、複数の第1線材100及び複数の第2線材110の外部表面に滑り性のよい絶縁塗料を有したまま、平角成形撚線10を高速に製造できる。
(実施例)
表1は、本発明の実施例に係る平角成形撚線と比較例に係る平角成形撚線とのそれぞれのクロスオーバー発生回数及び隙間の値を示す。
Figure 0004783348
実施例においては、アルミニウムの丸線からなる内層としての第1線材100及び外層としての第2線材110から形成された平角成形撚線10を用いた。また、第1線材100の本数は16本であり、第2線材110の本数は20本である平角成形撚線10を用いた。なお、本実施例に係る平角成形撚線10の断面は、縦寸法が約7mmであり、横寸法が約18mmであった。また、第1線材100及び第2線材の直径はそれぞれ1.8mmであった。
また、本実施例及び比較例に係る平角成形撚線は、上述したように、第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間の間隔210a、及び第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間の間隔212aを約10cmとして製造した。
試料No.1の実施例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より4本多く、撚り方向は各層同方向撚りとした。また、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差は+0.5度とした。
試料No.2の実施例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より4本多く、撚り方向は各層交互撚りとした。
試料No.3の実施例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より4本多く、撚り方向は各層とも同方向撚りとした。また、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差は+1.1度とした。
試料No.4の比較例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より4本多く、撚り方向は各層とも同方向撚りとした。また、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差は+3.1度とした。
試料No.5の比較例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より6本多く、撚り方向は各層とも同方向撚りとした。また、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差は+0.5度とした。
試料No.6の比較例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より6本多く、撚り方向は各層とも同方向撚りとした。また、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差は+1.1度とした。
試料No.7の比較例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より6本多く、撚り方向は各層とも同方向撚りとした。また、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差は+3.1度とした。
試料No.8の比較例に係る平角成形撚線は、外層の本数は内層の本数(16本)より6本多く、撚り方向は各層交互撚りとした。
表1を参照すると、実施例に係る試料No.1及び試料No.2の平角成形撚線は、撚り合わせ時のクロスオーバーの発生はなく、更に、外層の線材間に隙間が生じなかった。更に、間隔210a及び間隔212aを設けたので、平角成形撚線の製造速度は、間隔210a及び間隔212aを設けずに平角成形撚線を製造する場合の製造速度の3倍とすることができた。また、試料No.3の平角成形撚線は、外層の線材間に最大で0.7mmの隙間が生じたものの、クロスオーバーは生じなかった。ここで、試料No.3の平角成形撚線の外層の線材間に生じた隙間は、実用上、問題が生じない程度の隙間である。したがって、試料No.3の平角成形撚線は、実質的に実用に耐えることが示された。
一方、比較例に係る試料No.4の平角成形撚線は、クロスオーバーは生じなかったものの、外層の線材間に最大で1.8mmの隙間が生じ、不合格品であった。更に、比較例に係る試料No.5の平角成形撚線は、外層の線材間に隙間は生じなかったものの、クロスオーバーが平角成形撚線の製造時に1回発生した。
比較例に係る試料No.6の平角成形撚線は、外層の線材間に最大で0.9mmの隙間が生じると共に、クロスオーバーも平角成形撚線の製造時に1回発生した。また、比較例に係る試料No.7の平角成形撚線は、外層の線材間に最大で1.9mmの隙間が生じると共に、クロスオーバーも平角成形撚線の製造時に2回発生した。更に、比較例に係る試料No.8の平角成形撚線は、外層の線材間に隙間は生じなかったものの、クロスオーバーが平角成形撚線の製造時に1回発生した。
以上の結果から、内層である複数の第1線材100の本数よりも、外層である複数の第2線材110の本数を4本多くすると共に、間隔210a及び間隔212aを設けて内層と外層とを同方向撚りで形成する場合、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差を−3.0度以上+3.0度以下に設定することにより、複数の線材がクロスオーバーすることを防止できると共に、複数の線材間で隙間が生じることを低減できることが示された。
同様にして、内層である複数の第1線材100の本数よりも、外層である複数の第2線材110の本数を4本多くすると共に、内層と外層とを交互撚りで形成した場合も、複数の線材がクロスオーバーすること、及び複数の線材間で隙間が生じることを防止できることが示された。これにより、クロスオーバー及び隙間が生じない平角成形撚線であって、長尺であっても高速での製造が可能な多層の平角成形撚線を本実施例は提供できることが示された。
また、比較例と実施例との比較により、平角成形撚線を形成する材料、及び平角成形撚線の製造工程を増加させなくても、線材の撚り合わせ時、及び平角成形時のクロスオーバーの発生、並びに隙間を生じることがない平角成形撚線を提供できることが分かる。更に、連続運転での長尺の平角成形撚線の製造、及び高速度での平角成形撚線の製造の提供ができることが分かる。
なお、本実施例において外層の線材の本数を内層の線材の本数より4本多くした理由は以下の通りである。まず、外層の線材の本数と内層の線材の本数の差を3本以下にした場合には、外層の線材間の隙間が大きく、隙間が大きい平角成形撚線を用いて構成したコイルの電磁特性が低下するからである。また、外層の線材の本数と内層の線材の本数の差を6本ないし5本以上にした場合には、線材のクロスオーバーが発生しやすいからである。
更に、内層の撚りの傾斜角と外層の撚りの傾斜角との差を−3.0度以上+3.0度以下に設定した理由は、この撚りの傾斜角の角度差の範囲を外れると、外層の線材間の隙間を低減できないからである。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る平角成形撚線の断面の模式図を示す。
第2の実施の形態に係る平角成形撚線11は、第1の実施の形態に係る平角成形撚線10とは、最外部に更に複数の第3線材120から形成される外層を有する点を除き、略同一の構成を有するので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
平角成形撚線11は、第1の内層としての複数の第1線材100と、第1の内層に隣接して設けられる第2の内層としての複数の第2線材110と、第2の内層に隣接して設けられる外層としての複数の第3線材120とを備える。本変形例においては、複数の第3線材120の本数は、複数の第2線材110の本数より4本多いと共に、複数の第2線材110の本数は、複数の第1線材100の本数より4本多い。
第2の実施の形態に係る平角成形撚線11についても、第1の実施の形態と同様に、第1の内層と、第2の内層と、外層とのそれぞれを形成する場合に、マンドレルと集合ダイスとの間に所定の間隔を設ける。一例として、当該間隔は約10cmである。これにより、当該間隔を設けない場合の製造速度よりも速い製造速度で、平角成形撚線11を製造することができる。なお、その他の製造工程は、第1の実施の形態と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
(変形例)
図5は、変形例に係る平角成形撚線の製造工程の概略図を示す。
変形例に係る平角成形撚線の製造工程は、第1の実施の形態に係る平角成形撚線10の製造工程とは、間隔210a及び間隔212aがない点を除き略同一の構成を備えるので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
変形例に係る平角成形撚線の製造工程において用いる撚線機20aは、第1マンドレル210と第1集合ダイス220との間に間隔210aを備えない。同様にして、第2マンドレル212と第2集合ダイス222との間に間隔212aを備えない。
係る構成を有する撚線機20aによれば、本発明の実施形態に係る平角成形撚線10又は平角成形撚線11における内層の線材の本数と外層の線材の本数との差が4本と異なる本数、例えば、5本又は6本等であっても、クロスオーバーが発生しないと共に、隙間の小さな平角成形撚線を製造することができる。これにより、高速な製造速度を要さない場合においては、内層の線材の本数と外層の線材の本数とを適宜変更して、平角成形撚線を製造することができる。
以上、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、上記に記載した実施の形態及び変形例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
第1の実施の形態に係る平角成形撚線の断面の模式図である。 第1の実施の形態に係る平角成形撚線の製造工程の概略図である。 第1の実施の形態に係る第2線材の部分断面図である。 第2の実施の形態に係る平角成形撚線の断面の模式図である。 変形例に係る平角成形撚線の製造工程の概略図である。
符号の説明
5、5a、10、10a、11 平角成形撚線
20、20a 撚線機
100 第1線材
100a、100b、110a、110b 外周
110 第2線材
120 第3線材
200 第1ボビン
202 第2ボビン
210 第1マンドレル
210a、212a 間隔
212 第2マンドレル
220 第1集合ダイス
222 第2集合ダイス
230 第1圧延ロール
232 第2圧延ロール
240 巻取ドラム

Claims (7)

  1. 定の本数の第1線材を撚り合わされて平角状に成形された第1の層と、
    前記第1線材と同径で本数が前記第1線材より4本多い第2線材が前記第1の層の外側に撚り合わされて平角状に成形された第2の層とを含んで構成され、
    前記第2の層を構成する第2線材は、加工側外周の加工率が当該加工側外周の反対側の外周の加工率に比べて大きくなるように、外部に露出した外周部が圧縮加工されて前記第1の層に押し付けられ変形している平角成形撚線。
  2. 前記第1の層の線材及び前記第2の層の線材が同方向撚りで撚り合わされ、前記第1の
    層の線材の撚りの傾斜角と前記第2の層の線材の撚りの傾斜角との差が−3.0度以上+
    3.0度以下である請求項1に記載の平角成形撚線。
  3. 前記第1の層の線材及び前記第2の層の線材が交互撚りで撚り合わされる請求項1に記載の平角成形撚線。
  4. 前記第1の層と、前記第1の層を包囲する前記第2の層との2層構造で形成される請求項1からのいずれか1項に記載の平角成形撚線。
  5. 前記第1の層及び前記第2の層を構成する線材の外周が、絶縁塗料でそれぞれ被覆されている請求項1からのいずれか1項に記載の平角成形撚線。
  6. 繰り出された所定の本数の第1線材をその合流点において合流させて予備撚線を形成する工程と、
    前記合流点から所定の距離を有する集合点において前記予備撚線の線材を集合させて前記予備撚線を平角状に圧縮成形して第1の層を形成する工程と、
    外径が前記第1線材と同じで数が前記第1線材より4本多い第2線材を繰り出して当該第2線材を前記第1の層の外周で当該第1の層と合流させて予備撚線を形成する工程と
    前記第1の層と前記第2線材との合流点から所定の距離を有する集合点において、前記第1の層と前記第2線材による予備撚線とを集合させて前記第2線材を前記第1の層の上に圧縮し前記第2線材を平角状に成形して第2の層を形成する工程とを備える平角成形撚線の製造方法。
  7. 前記第1の層を形成する工程及び前記第2の層を形成する工程は、4つのロールが中央部に矩形状の孔を有するように配置された圧延ロールで前記予備撚線を平角状に圧縮成形する請求項6に記載の平角成形撚線の製造方法。
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