JP4780217B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体を搬送する搬送機構を有する記録装置に関する。
記録媒体を搬送部材に吸着させて記録ヘッドへと搬送するものに特許文献1がある。この文献では、搬送部材の搬送面とは反対側に設置された電極を利用して搬送面上の記録媒体を搬送面に吸着させている。また、搬送部材に放電することで搬送部材を帯電させ、記録媒体を搬送部材に吸着させる技術も知られている。
特許2718626号
上記文献の技術によると、環境湿度に応じて吸着力が変動する。この技術において記録媒体と搬送部材との吸着力は、電極によって電圧を印加した際に搬送部材及び記録媒体を流れる電流の大きさに依存し、かかる電流の大きさは湿度に依存するからである。湿度が低いときには記録媒体の抵抗が大きくなるため、記録媒体に電流が流れず、吸着力が激減してしまうおそれがある。また、搬送部材を帯電させる技術によると、湿度が高いときには搬送部材が帯電せず、やはり吸着力を得られなくなるおそれがある。吸着力を得られないと、記録媒体を安定して記録ヘッドへと搬送できなくなる。
本発明の目的は環境湿度が変化しても記録媒体を安定に搬送できる記録装置を提供することにある。
本発明の記録装置は、液体を吐出する吐出面が形成された記録ヘッドと、前記吐出面と対向する表面である搬送面上に載置された記録媒体を搬送する搬送部材を有し、所定の搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送機構と、前記搬送面上の記録媒体を前記搬送面に吸着した状態とする第1及び第2の吸着手段と、湿度検出手段と、前記湿度検出手段による検出湿度に基づく制御を実行する制御手段とを備えており、前記第1の吸着手段が、前記搬送面上に載置された記録媒体において前記吐出面と対向する表面とは反対側の表面に対向する第1及び第2の電極と、前記第1及び第2の電極間に電圧を印加する第1の印加手段とを有しており、前記第2の吸着手段が、記録媒体及び前記搬送部材の少なくともいずれかに放電する放電手段と、前記放電手段との間に記録媒体及び前記搬送部材の少なくともいずれかを挟む位置に配置された第3の電極と、前記第3の電極及び前記放電手段間に電圧を印加する第2の印加手段とを有しており、前記制御手段が、前記第1の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が第1の範囲内であるときの方が、前記検出湿度が第1の範囲より湿度が高い範囲である第2の範囲内であるときと比べて低くなるように制御すると共に、前記第2の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が前記第2の範囲内であるときの方が、前記検出湿度が前記第1の範囲内であるときと比べて低くなるように制御する
本発明の記録装置によると、第1及び第2の電極間に電圧を印加することにより記録媒体を搬送部材に吸着できると共に、放電手段からの放電によっても記録媒体を搬送部材に吸着できる。したがって、湿度が低いときにも湿度が高いときにもいずれかの手段で記録媒体を搬送部材に吸着させることができる。
また、湿度に基づいて電圧を制御するので、吸着力を確保したり消費電力を抑制したりする制御を適切に実施できる。
また、本発明においては、前記制御手段が、前記検出湿度に基づいて、記録媒体を前記搬送面に吸着させる吸着力が所定の範囲内になるように前記第1及び第2の印加手段が印加する電圧をそれぞれ制御することが好ましい。これによると、湿度に基づいて適切に吸着力を確保できる。
また、本発明においては、前記制御手段が、前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第1の湿度値を前記検出湿度が下回った場合に前記第1の印加手段が印加する電圧を低下させることが好ましい。湿度が低下すると第1の吸着手段では吸着力を確保できなくなるため、印加電圧を下げても全体の吸着力にはあまり影響しない。したがって、全体として吸着力を維持しつつ消費電力を抑制できる。
また、本発明においては、前記制御手段が、前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第1の湿度値を前記検出湿度が下回った場合に前記第1の印加手段にゼロ電圧を印加させることがより好ましい。これによると、消費電力を最小限に抑制できる。
また、本発明においては、前記制御手段が、前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第2の湿度値を前記検出湿度が超えた場合に前記第2の印加手段が印加する電圧を低下させることが好ましい。湿度が上昇すると第2の吸着手段では吸着力を確保できなくなるため、印加電圧を下げても全体の吸着力にはあまり影響しない。したがって、全体として吸着力を維持しつつ消費電力を抑制できる。
また、本発明においては、前記制御手段が、前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第2の湿度値を前記検出湿度が超えた場合に前記第2の印加手段にゼロ電圧を印加させることがより好ましい。これによると、消費電力を最小限に抑制できる。
また、本発明においては、前記第1及び第2の電極が、前記搬送部材の前記搬送面とは反対側の表面に当接する位置に配置されていることが好ましい。これによると、第1の吸着手段によって所望の箇所において記録媒体を搬送部材に吸着させることができる。
また、本発明においては、前記第1及び第2の電極が、前記搬送部材に固定されていることが好ましい。
また、本発明においては、前記搬送部材が、記録媒体を載置する搬送ベルトであり、前記搬送機構が、前記搬送ベルトを搬送する搬送ローラを有しており、前記第3の電極が、前記搬送ローラの一部又は全体として設けられており、前記放電手段が、前記搬送ローラとの間に前記搬送ベルトを挟む位置に配置されていてもよい。これによると、搬送ローラを第3の電極として利用することができる。
また、本発明においては、前記放電手段が、前記搬送ベルトとの間に記録媒体を挟む位置に配置されていてもよい。
また、前記放電手段が、前記第1及び第2の電極のいずれかとの間に記録媒体を挟む位置に配置されており、前記第1及び第2の電極のいずれかが前記第3の電極として機能してもよい。この場合、第1の電極や第2の電極を第3の電極として利用することができる。
また、前記放電手段が、前記搬送面に載置される前の記録媒体に対向する位置に配置され、前記第3の電極が、前記放電手段との間に記録媒体を挟む位置に配置されていてもよい。
また、本発明においては、前記湿度検出手段が、前記第1及び第2の電極間を流れる電流を検出する検出器、及び、前記放電手段中を流れる電流を検出する検出器の少なくともいずれかを有していることが好ましい。これによると、湿度に応じて各部材の抵抗が変化することを利用して、湿度を検出できる。また、本発明においては、前記制御手段が、前記第1の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が低いほど小さくなるように制御すると共に、前記第2の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が高いほど小さくなるように制御してもよい。
第1及び第2の電極間に電圧を印加することにより記録媒体を搬送部材に吸着できると共に、放電手段からの放電によっても記録媒体を搬送部材に吸着できる。したがって、湿度が低いときにも湿度が高いときにもいずれかの手段で記録媒体を搬送部材に吸着させることができる。
本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの内部構成を概略的に示す側面図である。 図1のプラテンの平面図である。 図1の帯電ローラ周辺の拡大図である。 第1吸着機構において形成される電気回路図である。 第2吸着機構において形成される電気回路図である。 図6(a)〜図6(c)は、湿度が10%、50%、90%のときに、第1及び第2吸着機構において印加電圧を変えつつ吸着力を測定した結果を示すグラフである。 制御部による制御を示す機能ブロック図である。 制御部の制御による直流電源の印加電圧の変化を示すグラフである。 第1の変形例に係る搬送機構周辺の構成を示す側面図である。 第2の変形例に係る搬送機構周辺の構成を示す側面図である。 第3の変形例に係る搬送機構周辺の構成を示す側面図である。 第4の変形例に係る制御部の制御による直流電源の印加電圧の変化を示すグラフである。 第5の変形例に係る制御部の制御による直流電源の印加電圧の変化を示すグラフである。 第6の変形例に係る制御部の制御による直流電源の印加電圧の変化を示すグラフである。 第7の変形例に係る搬送ベルトの平面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの内部構成を概略的に示す側面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ101は直方体形状の筐体101aを有している。筐体101a内には、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド1(記録ヘッド;以下、ヘッド1とする)が設けられている。筐体101aの天板内面には、ヘッド1等の動作を制御する制御部100が取り付けられている。
4つのヘッド1は、互いに異なる色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)を吐出する。これら4つのヘッド1は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有している。また、4つのヘッド1は、用紙Pの搬送方向Aに沿って並べて固定されている。つまり、このプリンタ101はライン式のプリンタであり、搬送方向Aと主走査方向とは互いに直交する関係にある。
ヘッド1の底面は、インクを吐出する複数の吐出口が形成された吐出面2aとなっており、ヘッド1の下方に配置された印刷用紙(記録媒体)の上面に向けて吐出口から各色のインクが順に吐出される。
筐体101a内の底面近くには、各ヘッド1へとインクを供給するインクタンクユニット101cが設置されている。インクタンクユニット101cは、各ヘッド1と接続されたインクタンク17を有している。4つのインクタンク17には互いに異なる色のインクが貯留されている。各インクタンク17からは、チューブを介してヘッド1にインクが供給される。
ヘッド1の下方には、ヘッド1によって印刷処理が施される印刷用紙(記録媒体)を供給する給紙ユニット101bが収容されている。給紙ユニット101bは、給紙トレイ11と、給紙ローラ12とを有している。給紙トレイ11は、上方に向かって開口した箱形状を有しており、複数枚の用紙Pが積層された状態で収納される。給紙ローラ12は、給紙トレイ11の最も上方にある用紙Pを送り出す。
ヘッド1と給紙ユニット101bとの間には、給紙ユニット101bから送り出された用紙Pをヘッド1の下方において水平に搬送する搬送機構16が構築されている。搬送機構16は、制御部100によって制御され、図1の太矢印に示す用紙搬送経路に沿って印刷用紙を搬送する。給紙ユニット101bから送り出された用紙Pは、ガイド13a、13bによりガイドされると共に、送りローラ対14によって挟持されつつ搬送機構16へと送られる。
搬送機構16は、2つのベルトローラ6、7と、搬送ベルト8(搬送部材)と、テンションローラ10と、プラテン18とを有している。搬送ベルト8は、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻回されたエンドレスのベルトである。テンションローラ10は、搬送ベルト8の下側ループにおいて、その内周面に接触しつつ下方に付勢されており、搬送ベルト8にテンションを付加している。
ベルトローラ7は、駆動ローラであって、その軸に搬送モータ19から駆動力が与えられることで、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、ベルトローラ7の回転により搬送ベルト8が走行することによって、図1中時計回りに回転する。なお、搬送モータ19の駆動力は、複数のギアを介してベルトローラ7に伝達される。
プラテン18は、平面視においてヘッド1によるインクの吐出領域を含む大きさを有する直方体の概略形状を有している。プラテン18は、搬送ベルト8によって囲まれた領域内のヘッド1と対向する位置に配置されており、搬送ベルト8が下方に撓まないように搬送ベルト8を支持している。プラテン18の上部は搬送ベルト8に沿って水平に配置され、図2に示すように金属製の電極31及び32(第1及び第2の電極)が固定されている。電極31及び32の上面には、電極31及び32を保護する樹脂製の保護層33が形成されている。保護層33は、電極31及び32の全体を平面視で覆うように形成されている。なお、図2は保護層33を除いた状態で図示されており、保護層33の形成領域が一転鎖線で示されている。保護層33は搬送ベルト8に下方から当接しており、これによって電極31及び32が直接搬送ベルト8に当接するのが回避され、電極31及び32の磨耗が防止されている。
電極31は副走査方向に沿った桁部31aと主走査方向に沿った複数の櫛歯部31bとを有している。桁部31aはプラテン18の図2中右端付近に配置されている。櫛歯部31bはそれぞれ図2中右端において桁部31aと接続されており、桁部31aから図2の左方へと伸びている。櫛歯部31b同士は副走査方向について等間隔で離隔している。
電極32は副走査方向に沿った桁部32aと主走査方向に沿った複数の櫛歯部32bとを有している。桁部32aはプラテン18の図2中左端付近に配置されている。櫛歯部32bはそれぞれ図2中左端において桁部32aと接続されており、桁部32aから図2の右方へと伸びている。櫛歯部32bは、互いの間に櫛歯部31bを挟みつつ副走査方向について等間隔で離隔するように配置されている。
電極31は、電流計52(検出器)を介してグランド接続されており、これによって常にグランド電位に保持されている。電流計52の計測値は制御部100へと出力される。電極32は直流電源51(第1の印加手段)の正極と接続されており、直流電源51の負極はグランド接続されている。直流電源51は出力が可変の電源であり、制御部100によって電極32への供給電圧の大きさが制御される。
電極31及び32間に電圧を印加すると、搬送ベルト8や用紙Pを介して電極31及び32間に電流が流れる。図4は、電極31及び32間に電圧V1を印加した際に形成される電気回路を示している。なお、図4に示す電気回路は、本実施形態を電気的な構成として理想化した場合に想定される単なる一モデルであり、これとは異なるモデルに沿った電気回路が想定されてもよい。
この電気回路は、電極32→搬送ベルト8→用紙P→搬送ベルト8→電極31の経路を含んでいる。図4のRk,Rgb,Rb,Rgp及びRpは、この経路に沿った各部分の電気抵抗を表している。具体的には、Rk,Rgb,Rb,Rgp及びRpは、電極31及び32と搬送ベルト8との間の保護層33の電気抵抗、保護層33と搬送ベルト8との間隙の電気抵抗、搬送ベルト8の電気抵抗、搬送ベルト8と用紙Pの間隙の電気抵抗、並びに、用紙P中の電気抵抗にそれぞれ対応している。
また、この電気回路は、上記の経路に並列に接続された迂回経路を含んでおり、RkmやRbmはこれらの迂回経路の電気抵抗を示している。具体的には、Rkmは、電極31と電極32とを保護層33のみを介して直接結ぶ迂回経路の電気抵抗を示している。Rbmは、電極31側と電極32側とを用紙Pを介さず搬送ベルト8を介して結ぶ迂回経路の電気抵抗を示している。
また、電極31及び32間に電圧を印加した場合、上記の各部材や間隙には電荷が溜まり、これによって図4に示すように各電気抵抗に並列に接続されたコンデンサが形成される。このコンデンサを充電する微小な電流が用紙Pと搬送ベルト8との間隙に流れる際に、この間隙に電界が発生する。これにより、用紙Pと搬送ベルト8との間にジョンセン・ラーベック力(吸着力)が発生する。この吸着力により、搬送ベルト8上の用紙Pが搬送面8aに静電吸着される。
ジョンセン・ラーベック力の大きさは、用紙Pと搬送ベルト8との間隙に発生する電界の大きさに比例する。用紙Pと搬送ベルト8との間隙に発生する電界の大きさは、この間隙に印加される電圧の大きさに比例する。図4の回路構成から、この間隙に印加される電圧V1gの大きさは以下のように表される。
(式1)
V1g=V1*Rgp*Ra/{(2Rb+2Rgp+Rp)*(2Rk+2Rgb+Ra)}
なお、Ra=Rbm*(2Rb+2Rgb+Rp)/(Rbm+2Rb+2Rgp+Rp)である。つまり、電極31及び32間に電圧V1を印加した場合、用紙P及び搬送ベルト8間に発生する吸着力の大きさは、上式1で表されるV1gに比例する。
ベルトローラ6と対向する位置には、帯電ローラ4(放電手段)が配置されている。帯電ローラ4は軸方向が主走査方向に沿った円柱状の概略形状を有しており、主走査方向に関してほぼ搬送ベルト8の一端から他端まで延びている。帯電ローラ4は、図3に示すように、回転軸4aとその外周に固定されたローラ本体4bとを有している。回転軸4aは金属材料から構成されており、ローラ本体4bは、絶縁性又は半導電性を有する弾性材料から構成されている。回転軸4aは電流計53(検出器)を介して直流電源54(第2の印加手段)の正極と接続されており、直流電源54の負極はグランド接続されている。電流計53の計測値は制御部100へと出力される。直流電源54は出力が可変の電源であり、制御部100によって回転軸4aへの供給電圧の大きさが制御される。一方、ベルトローラ6の回転軸はグランド接続されている。本実施形態においては、ベルトローラ6が第3の電極として機能する。
ベルトローラ6が駆動されると、ベルトローラ7は図3の方向Aに回転すると共に、搬送ベルト8が方向Bに走行する。これに従い、帯電ローラ4は方向Cに回転しつつ、給紙ユニット101bから送り出された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aとの間に挟みこむ。ここで、回転軸4aに所定の大きさの電圧が供給されていると、帯電ローラ4から用紙Pに向かって放電が発生し、用紙Pが正に帯電する。一方、搬送ベルト8にはグランド接続されたベルトローラ6を介して負の電荷が供給され、これによって搬送ベルト8が負に帯電する。したがって、正に帯電した用紙Pは負に帯電した搬送ベルト8に静電吸着される。
また、直流電源54によって帯電ローラ4及びベルトローラ6間に電圧が印加されることにより、帯電ローラ4や用紙P、搬送ベルト8中を電流が流れる。図5は、帯電ローラ4及びベルトローラ6間に電圧V2を印加した際に形成される電気回路を示している。なお、図5に示す電気回路は、本実施形態を電気的な構成として理想化した場合に想定される単なる一モデルであり、これとは異なるモデルに沿った電気回路が想定されてもよい。
この電気回路は、帯電ローラ4→用紙P→搬送ベルト8→ベルトローラ6の経路で構成されている。図5のρr等は、この経路に沿った各部分の電気抵抗を表している。具体的には、ρr、ρgr、ρm、ρgp、ρb、ρgb及びρlは、帯電ローラ4の電気抵抗、帯電ローラ4と用紙Pとの間隙の電気抵抗、用紙Pの電気抵抗、用紙Pと搬送ベルト8との間隙の電気抵抗、搬送ベルト8の電気抵抗、搬送ベルト8とベルトローラ6との間隙の電気抵抗、並びに、ベルトローラ6の電気抵抗にそれぞれ対応している。
以上のように本実施形態には、電極31及び32による第1吸着機構(第1の吸着手段)と帯電ローラ4及びベルトローラ6による第2吸着機構(第2の吸着手段)との2つの吸着機構が構築されている。そして、第1吸着機構及び第2吸着機構は、それぞれ直流電源51及び54から電圧を供給されることにより作動し、用紙Pを搬送ベルト8に吸着させる吸着力を発生させる。用紙Pは、その吸着力によって外周面8a上に保持されながら、搬送ベルト8の走行に伴って図1に示す副走査方向に平行な用紙搬送方向に沿って搬送される。そして、ヘッド1の下方を通過してベルトローラ7まで到達する。制御部100は、用紙Pの搬送を制御しつつ、用紙Pがヘッド1の下方を通過する際にヘッド1からインクを吐出させて、用紙Pの上面に所望の画像を形成する。
ベルトローラ7と対向する位置には、剥離プレート5が設けられている。剥離プレート5は、画像が形成された用紙Pを外周面8aから剥離する。剥離された用紙Pは、ガイド29a、29bによりガイドされ、且つ二組の送りローラ対28によって挟持されつつ搬送される。そして用紙Pは、筐体101aの上部に形成された排出口22から、筐体101aの天板の上面に設けられた排紙部15へと排出される。
ところで、本発明者は、上記の第1及び第2吸着機構において発生する吸着力が、環境湿度によって変化することを見出した。例えば、環境湿度がある程度小さくなると第1吸着機構による吸着力が激減し、環境湿度がある程度大きくなると第2吸着機構による吸着力が激減することを見出した。本発明者は、このように吸着力が激減するのは、環境湿度に応じて用紙Pや搬送ベルト8の電気抵抗の大きさが変化した結果、電流が流れにくくなったり帯電が生じにくくなったりすることによるものと考えた。
例えば、環境湿度が小さいときは、用紙Pや搬送ベルト8などの電気抵抗が全般的に大きくなりすぎ、電極31及び32間に流れる電流が激減してジョンセン・ラーベック力が発生しなくなる。また、環境湿度が大きいときは、用紙Pや搬送ベルト8などの電気抵抗が全般的に小さくなりすぎ、帯電ローラ4から用紙Pに放電しても用紙Pから他の部材や空気中に電荷が逃げるため、用紙Pが帯電しにくい。
したがって、第1吸着機構及び第2吸着機構のいずれかのみを設けている場合には、環境湿度が小さくなり過ぎた場合や大きくなり過ぎた場合、用紙Pを搬送ベルト8に吸着させることができなくなる。しかし、本実施形態のようにこれらの両方を設けることにより、環境湿度が小さくなり過ぎたり大きくなり過ぎたりしても、第1吸着機構及び第2吸着機構の少なくともいずれかによって吸着力を確保できる。
一方、第1吸着機構において、ジョンセン・ラーベック力による吸着力の大きさは、上述の式1で表される電圧V1gの大きさに依存する。用紙Pや搬送ベルト8、これらの間隙の電気抵抗Rp、Rb、Rbm、Rgp等は環境湿度によって変化するが、その変化の仕方はこれらの部材や空気の物性にそれぞれ依存する。環境湿度がかなりの程度小さくなるときには、これらの部材や空気の電気抵抗がいずれも大きくなるため、上述のように第1吸着機構において吸着力が激減する。しかし、環境湿度の変化の幅が小さいときには、電気抵抗Rp、Rb、Rbm、Rgp等は、それぞれの部材や空気の物性に応じて変化の幅が異なるため、V1gが小さくなるか大きくなるかは式1のみからは決定されず、吸着力が小さくなるか大きくなるかは明確でない。
そこで、本発明者は、環境湿度が異なる環境において、ある実施例に係る第1及び第2吸着機構のそれぞれによって発生する吸着力を、直流電源51及び54による供給電圧をそれぞれ変えつつ測定した。図6(a)〜図6(b)はその結果の一部を示す。図6(a)は、相対湿度が10%のときの測定値を示し、図6(b)は、相対湿度が50%のときの測定値を示し、図6(c)は、相対湿度が90%のときの測定値を示している。また、曲線91、93、95は第1吸着機構における吸着力の測定結果を、曲線92、94、96は第2吸着機構における吸着力の測定結果を示している。Fnは、用紙Pを搬送ベルト8に十分に吸着させるのに必要な吸着力の大きさを示している。
図6(a)及び図6(c)に示されるように、環境湿度が10%のときは第1吸着機構による吸着力が激減しており、環境湿度が90%のときは第2吸着機構による吸着力が激減している。一方で、図6(b)に示されるように、環境湿度が50%のときは第1吸着機構も第2吸着機構も、同じ程度の吸着力が確保されている。
例えば、上記3つの環境湿度を含む複数の条件の測定結果から、環境湿度が(イ)30%(第1の湿度値)未満の場合、(ロ)30%〜70%の範囲内の場合、(ハ)70%(第2の湿度値)を超える場合の3つの場合のそれぞれにおいて、吸着力がFnを確実に超える印加電圧が取得できたとする。具体的には、上記の(イ)の場合には、直流電源54による印加電圧がV1(>0)であれば、第2吸着機構による吸着力がFnを確実に超え、上記の(ロ)の場合には、直流電源51及び54による印加電圧がV1より小さいV2(>0)であれば、第1及び第2吸着機構のそれぞれにおいて吸着力がFnを確実に超え、上記の(ハ)の場合には、直流電源51による印加電圧がV2より大きくV1より小さいV3であれば、第1吸着機構による吸着力がFnを確実に超えたとする(図6参照)。
本実施形態の制御部100は、上記の測定結果に基づき、環境湿度に応じて直流電源51及び54を以下の通りに制御するように構成されている(図7参照)。制御部100は、プロセッサ回路や記憶装置その他のハードウェアと、これらのハードウェアを各種の制御を実行するように機能させるプログラムやデータなどのソフトウェアとから構成されている。また、制御部100は、必ずしもハードウェアとソフトウェアとの組み合わせから全体が構成されている必要はなく、その一部又は全部が各種の機能に特化した専用の回路等から構成されていてもよい。
まず、制御部100は、直流電源51及び54に所定の電圧を供給させると共に、電流計52及び53の測定結果に応じて環境湿度を検出する。相対湿度が高くなり用紙Pや搬送ベルト8が吸湿して電気抵抗が低下すると、電極31及び32間で電流が流れやすくなり、電流計52の測定値が大きくなる。このため、電流計52の測定値が大きいほど相対湿度が高いと検出できる。また、相対湿度が高くなり帯電ローラ4の電気抵抗が低下すると、帯電ローラ4中を流れる電流が増加し、電流計53の測定値が大きくなる。このため、電流計53の測定値が大きいほど相対湿度が高いと検出できる。なお、電流計52及び53のいずれかのみの結果に基づいて相対湿度を検出してもよい。このように本実施形態では、電流計52及び53が本発明の湿度検出手段を構成している。
そして、制御部100は、検出した環境湿度に基づき、第1吸着機構及び第2吸着機構による吸着力がFnを超えるように、図8のグラフに従って、直流電源51及び54による印加電圧を決定する。制御部100は、電流計52及び53の測定値と印加電圧とを関連付ける図8のグラフに対応するデータを有しており、かかるデータと電流計52及び53の測定値とから直流電源51及び54による印加電圧の大きさを制御する。これによって、直流電源51及び54は、環境湿度の変化に応じた大きさの電圧を印加する。図8の折れ線97は、制御部100の制御による直流電源51の印加電圧の変化を示している。図8の折れ線98は、制御部100の制御による直流電源54の印加電圧の変化の一例を示している。
具体的には、制御部100は、測定電流が示す環境湿度が30%未満であった場合、直流電源51による印加電圧をゼロ電圧とし、直流電源54による印加電圧をV3とする。つまり、相対湿度が30%未満の場合には、第1吸着機構はオフにされるのに対して、第2吸着機構がオンにされる。
また、測定電流が示す環境湿度が30%から70%までの範囲内であった場合、直流電源51による印加電圧をV2とし、直流電源54による印加電圧をゼロ電圧とする。つまり、相対湿度が30%〜70%の場合には、第1吸着機構はオンにされるのに対して、第2吸着機構がオフにされる。
さらに、測定電流が示す環境湿度が70%を超える場合、直流電源51による印加電圧をV1とし、直流電源54による印加電圧をゼロ電圧とする。つまり、相対湿度が70%を超えた場合には、第1吸着機構はオンにされるのに対して、第2吸着機構がオフにされる。
以上説明した本実施形態によると、環境湿度が変化しても、常に必要な吸着力Fnが確保されるため、搬送ベルト8上の用紙Pをインクジェットヘッド1の下方の適切な位置に搬送できる。
また、環境湿度が30%未満のときには第2吸着機構がオンにされ、第1吸着機構がオフにされる。環境湿度が低いときには第1吸着機構はほとんど吸着力に寄与しないので、第1吸着機構をオフにすることにより、消費電力を抑制できる。また、第1吸着機構においては、電流が小さくなるといえども搬送ベルト8等の帯電を完全に回避できるわけではない。搬送ベルト8が帯電すると、搬送ベルト8の搬送面に電荷が溜まり、インクジェットヘッド1から吐出されたインクと帯電した搬送ベルト8との電気的相互作用によりインクの着弾位置がずれるおそれがある。しかし、第1吸着機構をオフにするので、上記の問題を回避できる。
さらに、環境湿度が70%を超えるときには第1吸着機構がオンにされ、第2吸着機構がオフにされる。環境湿度が高いときには第2吸着機構はほとんど吸着力に寄与しないので、第2吸着機構をオフにすることにより、消費電力を抑制できる。また、環境湿度が高いときには帯電ローラ4や用紙P,搬送ベルト8の電気抵抗が低下するため、第2吸着機構をオンにし続けると、これらの間に過剰に電流が流れるおそれがある。引いては、搬送ベルト8を絶縁破壊することも考えられる。しかし、第2吸着機構をオフにすることによりこれらの問題が回避される。
また、本実施形態では、環境湿度が30%〜70%のときに、第1吸着機構をオンにして第2吸着機構をオフにしている。これは、第2吸着機構においては用紙Pを帯電させるため、ヘッド1から吐出されるインク滴と用紙Pとの電気的相互作用によりヘッド1からのインクの着弾が予定の位置からずれるおそれがある。したがって、用紙Pを搬送ベルト8に吸着させるためには、できる限り第2吸着機構ではなく第1吸着機構を使用することが好ましいからである。
このように、本実施形態では、環境湿度の範囲を3つに分け、それぞれにおいて吸着力Fnを確保できる印加電圧を一律に決定し、検出湿度に応じてその印加電圧を供給させている。このような簡易な制御で、いずれの環境湿度においても吸着力を確保できる。
以下、本実施形態に係る第1〜第7の変形例について、図9〜図15に従って説明する。このうち、第1〜第3の変形例は、帯電ローラ4の代わりとなる帯電ローラ104〜304に関する変形例である。
図9に示すように、第1の変形例に係る帯電ローラ104は、帯電ローラ4と同様にベルトローラ6に対向しているが、ベルトローラ6との間に用紙Pを挟む位置ではなく、その位置から図9においてベルトローラ6の周囲を反時計回りに移動した位置に配置されている。そして、ベルトローラ6との間に用紙Pを挟む位置には、用紙押さえローラ105が設けられている。帯電ローラ104は電流計53を介して直流電源54に接続されている。帯電ローラ104に電圧が印加されると帯電ローラ104から搬送ベルト8へと放電が発生し、搬送ベルト8が帯電する。一方、用紙押さえローラ105によって搬送ベルト8の表面に押さえ付けられた用紙Pは、帯電した搬送ベルト8に吸着する。
図10に示すように、第2の変形例に係る帯電ローラ204は、用紙押さえローラ105の配置位置より、用紙Pの搬送経路に沿って上流側に配置されている。そして、帯電ローラ204の鉛直下方には送りローラ205が配置されており、帯電ローラ204との間で用紙Pを挟み込むようになっている。ベルトローラ6の上方には、第1の変形例と同様の用紙押さえローラ105が設けられている。送りローラ205は、帯電ローラ204との間に用紙Pを挟みこみつつ、用紙Pを用紙押さえローラ105へと送り出す。一方、帯電ローラ204は電流計53を介して直流電源54に接続されている。帯電ローラ204に電圧が印加されると帯電ローラ204から用紙Pへと放電が発生し、用紙Pが帯電する。そして、用紙Pが用紙押さえローラ105へと到達すると、用紙押さえローラ105によって搬送ベルト8の表面に押さえ付けられた用紙Pは、帯電によって搬送ベルト8に吸着する。
図11に示すように、第3の変形例に係る帯電ローラ304は、電極31又は32に対向する位置に配置されている。帯電ローラ304には電流計53を介して直流電源54が接続されている。ベルトローラ6の上方には、第1の変形例と同様の用紙押さえローラ105が設けられている。用紙押さえローラ105によって搬送ベルト8の表面に押さえつけられた用紙Pが、搬送ベルト8の走行によって帯電ローラ304に到達すると、帯電ローラ304からの放電により帯電する。これにより、用紙Pが搬送ベルト8に吸着する。
第4〜第6の変形例は、制御部100による直流電源51及び54の印加電圧の制御に係る変形例である。第4〜第6の変形例は、上述の制御部100による制御に代えて採用したり、条件に応じて上述の制御と切り替える構成として採用したりすることができる。なお、第4〜第6の変形例は、第1〜第3の変形例と組み合わせて採用することも可能である。
図12〜図14は、第4〜第6の変形例において直流電源51及び54が印加する電圧の湿度に対する変化をそれぞれ示す。図12の折れ線191は直流電源51が印加する電圧を示し、折れ線192は直流電源54が印加する電圧を示す。上述の実施形態では、環境湿度が30%〜70%のときに、第1吸着機構をオンにして第2吸着機構をオフにしている。しかし、この第4の変形例では、上記とは逆に、環境湿度が30%〜70%のときに第1吸着機構をオフにし、第2吸着機構をオンにしてV2の電圧を印加している。つまり、環境湿度が30%以下の場合には、直流電源54がV3の電圧を印加する一方で、直流電源51はオフにされる。環境湿度が30%〜70%の場合には、直流電源54がV2の電圧を印加する一方で、直流電源51はオフにされる。環境湿度が70%以上の場合には、直流電源54はゼロ電圧を印加する一方で、直流電源51はV1の電圧を印加する。
また、上述の実施形態では、環境湿度が30%〜70%のときに第1吸着機構及び第2吸着機構のいずれか一方をオフにしていたが、図13に示す第5の変形例のように環境湿度が30%〜70%のときにいずれもオンにしてもよい。図13の折れ線193は直流電源51が印加する電圧を示し、折れ線194は直流電源54が印加する電圧を示す。第5の変形例では、環境湿度が30%〜70%のときに、例えば直流電源51にV2より小さいV4(>0)の電圧を印加させ、直流電源54にV4より小さいV5(>0)の電圧を印加させる。このとき、環境湿度が30%〜70%の範囲内のいずれにおいても、第1吸着機構及び第2吸着機構の両方による吸着力が、必要な大きさであるFnを超えるように、V4及びV5が設定されていることが好ましい。
また、上述の実施形態では、環境湿度が30%未満の範囲、30%〜70%の範囲、70%を超える範囲のそれぞれで、直流電源51や54による印加電圧が一定になるように制御しており、これにより簡易な制御で必要な吸着力を確保している。しかし、無駄な消費電力を削減するという観点や、過剰に電流が流れたり帯電したりすることを防止するという観点からは、印加電圧を一律にせず、必要な吸着力を確保できる最小限の印加電圧を供給させることが好ましい。そこで、図14に示す第6の変形例のように、環境湿度が30%未満の範囲、30%〜70%の範囲、70%を超える範囲のそれぞれで、供給電圧を一律にせず、吸着力Fnを確保できる限度でなるべく印加電圧を小さくするように制御することも可能である。図14の折れ線195は直流電源51が印加する電圧を示し、折れ線196は直流電源54が印加する電圧を示す。折れ線195及び196が示すように、吸着力Fnを確保できる範囲で、印加電圧を減少させたり増加させたりしてもよい。
第7の変形例は、第1吸着機構の電極31及び32に係る変形例であり、第1〜第6の変形例との組み合わせも可能である。上述の実施形態では、電極31及び32が搬送ベルト8の内周面8bに保護層33を介して当接する、搬送ベルト8とは独立の部材であったが、電極31及び32がいずれも搬送ベルト8に固定されていてもよい。このとき、電極は、搬送ベルトの内周面に固定されていてもよいし、搬送ベルト内に埋め込まれていてもよいし、搬送ベルトの外周面に露出していてもよい。
例えば、第7の変形例では、図15に示す電極131及び132が、第1吸着機構として電極31及び32の代わりに搬送ベルト108内に埋め込まれている。電極131は、搬送ベルト108の走行方向に沿った桁部131と、桁部131から水平に延びる複数の櫛歯部131bとを有している。電極132は、搬送ベルト108の走行方向に沿った桁部132と、桁部132から水平に延びる複数の櫛歯部132bとを有している。櫛歯部131b及び132bは、搬送ベルト108の走行方向に沿って互い違いに並ぶように、互いに平行に配置されている。搬送ベルト108には、その外周面から桁部132aに達する複数の凹部108aと、その外周面から桁部131aに達する複数の凹部108bとが形成されている。桁部131aは凹部108bを介して外部に露出しており、桁部132aは凹部108aを介して外部に露出している。この構成により、凹部108a及び108bを介して搬送ベルト108の上方から桁部131a及び132aに当接するブラシ電極を設けることで、電極131及び132に電圧を印加できる。
電極31及び32の場合には、電極31及び32と搬送ベルト8との間に発生するジョンセン・ラーベック力により搬送ベルト8の走行が妨害されるおそれがある。しかし、第7の変形例のように電極131及び132が搬送ベルト108に固定されている場合には、搬送ベルト108の走行を妨害することがない。
<その他の変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
上述の実施形態では、帯電ローラ4からの放電で用紙Pを帯電させている。しかし、その他の放電手段が用いられてもよい。例えば、高電圧が印加された金属ワイヤーから搬送ベルト8へと放電させ、用紙Pを帯電させる放電手段であってもよい。
また、上述の実施形態では、第1吸着機構と第2吸着機構とのそれぞれに電源を設けているが共通の電極を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、図6や図12〜図14に示すように、印加電圧を湿度に対して階段状に変化させることを想定している。しかし、印加電圧が湿度に対して滑らかな曲線を描いて変化するように印加電圧を制御してもよい。
また、上述の実施形態では、湿度が30%未満のときや、70%を超えるときに、第1吸着機構及び第2吸着機構のいずれかを完全にオフにしている。しかし、完全にオフにしなくともよい。例えば、湿度が30%〜70%の場合よりも電圧を低下させるが、若干電圧が供給されている状態を保ってもよい。
また、上述の実施形態では、電流の大きさを測定することにより湿度の検出に代えている。しかし、電流測定以外のその他の方法で湿度を検出してもよい。例えば、乾湿式湿度計や誘電率の変化に基づく湿度計等を利用してもよい。
また、上述の実施形態は、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明を適用可能な対象はこのようなインクジェットヘッドに限られない。例えば、導電ペーストを吐出して基板上に微細な配線パターンを形成したり、あるいは、有機発光体を基板に吐出して高精細ディスプレイを形成したり、さらには、光学樹脂を基板に吐出して光導波路等の微小電子デバイスを形成するための、液滴吐出ヘッドに適用することができる。
また、本実施形態では、アクチュエータとして圧電方式のものを用いていたが、静電方式や抵抗加熱による方式のものにも適用可能である。
1 インクジェットヘッド
6 ベルトローラ
16 搬送機構
18 プラテン
33 保護層
100 制御部
101 インクジェットプリンタ
4、104-304 帯電ローラ
8,108 搬送ベルト
31,32,131,132 電極
51,54 直流電源
52,53 電流計

Claims (14)

  1. 液体を吐出する吐出面が形成された記録ヘッドと、
    前記吐出面と対向する表面である搬送面上に載置された記録媒体を搬送する搬送部材を有し、所定の搬送経路に沿って記録媒体を搬送する搬送機構と、
    前記搬送面上の記録媒体を前記搬送面に吸着した状態とする第1及び第2の吸着手段と
    湿度検出手段と、
    前記湿度検出手段による検出湿度に基づく制御を実行する制御手段とを備えており、
    前記第1の吸着手段が、
    前記搬送面上に載置された記録媒体において前記吐出面と対向する表面とは反対側の表面に対向する第1及び第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極間に電圧を印加する第1の印加手段とを有しており、
    前記第2の吸着手段が、
    記録媒体及び前記搬送部材の少なくともいずれかに放電する放電手段と、
    前記放電手段との間に記録媒体及び前記搬送部材の少なくともいずれかを挟む位置に配置された第3の電極と、
    前記第3の電極及び前記放電手段間に電圧を印加する第2の印加手段とを有しており、
    前記制御手段が、
    前記第1の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が第1の範囲内であるときの方が、前記検出湿度が第1の範囲より湿度が高い範囲である第2の範囲内であるときと比べて低くなるように制御すると共に、前記第2の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が前記第2の範囲内であるときの方が、前記検出湿度が前記第1の範囲内であるときと比べて低くなるように制御することを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段が、
    前記検出湿度に基づいて、記録媒体を前記搬送面に吸着させる吸着力が所定の範囲内になるように前記第1及び第2の印加手段が印加する電圧をそれぞれ制御することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段が、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第1の湿度値を前記検出湿度が下回った場合に前記第1の印加手段が印加する電圧を低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段が、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第1の湿度値を前記検出湿度が下回った場合に前記第1の印加手段にゼロ電圧を印加させることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  5. 前記制御手段が、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第2の湿度値を前記検出湿度が超えた場合に前記第2の印加手段が印加する電圧を低下させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記制御手段が、
    前記第1の範囲と前記第2の範囲の間のいずれかの値である第2の湿度値を前記検出湿度が超えた場合に前記第2の印加手段にゼロ電圧を印加させることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  7. 前記第1及び第2の電極が、前記搬送部材の前記搬送面とは反対側の表面に当接する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記第1及び第2の電極が前記搬送部材に固定されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記搬送部材が、記録媒体を載置する搬送ベルトであり、
    前記搬送機構が、前記搬送ベルトを搬送する搬送ローラを有しており、
    前記第3の電極が、前記搬送ローラの一部又は全体として設けられており、
    前記放電手段が、前記搬送ローラとの間に前記搬送ベルトを挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記放電手段が、前記搬送ベルトとの間に記録媒体を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  11. 前記放電手段が、前記第1及び第2の電極のいずれかとの間に記録媒体を挟む位置に配置されており、
    前記第1及び第2の電極のいずれかが前記第3の電極として機能することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 前記放電手段が、前記搬送面に載置される前の記録媒体に対向する位置に配置され、
    前記第3の電極が、前記放電手段との間に記録媒体を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 前記湿度検出手段が、前記第1及び第2の電極間を流れる電流を検出する検出器、及び、前記放電手段中を流れる電流を検出する検出器の少なくともいずれかを有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 前記制御手段が、
    前記第1の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が低いほど小さくなるように制御すると共に、前記第2の印加手段による印加電圧を、前記検出湿度が高いほど小さくなるように制御することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の記録装置。
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