JP4779272B2 - 高炉内への微粉炭吹き込み方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は高炉内への微粉炭吹き込み方法に関するもので、特に多量の微粉炭を安定して炉内に吹き込むことを可能にする微粉炭吹き込み方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銑鉄製造コストの削減やコークス炉の寿命延長のため、高炉における微粉炭多量吹き込み操業が行われている。この微粉炭多量吹き込み操業では、なるべく多量の微粉炭を炉内に吹き込むことが望ましいため、近年、吹き込み量の増量化が図られており、特に最近では「材料とプロセス11(1998) p834」に見られるように月間微粉炭吹き込み比で266kg/溶銑tonを記録する超多量吹き込み高炉も出現している。
【0003】
高炉に多量の微粉炭を吹き込むと、微粉炭と酸素との比(kg/Nm3)が大きくなるため微粉炭の燃焼性が低下し、未燃の微粉炭が増加する。このように未燃の微粉炭が増加すると、それらが高炉内の気体の流れに同伴されて炉頂部から排出されてしまい、高炉内に装入するコークスの一部を微粉炭に置き換えることができる割合、すなわち置換率が低下し、微粉炭の吹き込み効果が減少してしまう。これに対して、炉内に供給する酸素量を増加させれば微粉炭の燃焼性が向上することは明らかであるが、酸素は製造コストが高いため、炉内に供給する酸素量を増加させると高炉操業の経済性が損なわれることになる。
【0004】
このため限られた酸素を微粉炭の燃焼のために有効に用い、微粉炭の燃焼性を向上させるための方法が、例えば、特開平8−104909号公報、特開平9−256012号公報、特開平6−330113号公報などに開示されている。
特開平8−104909号公報に開示された技術は、微粉炭の燃焼性を向上させるための特殊な微粉炭吹き込みランスを用いるものであり、この微粉炭吹き込みランスは先端開口部がランス軸線方向に垂直な面に対して斜めに切断された形状を有するとともに、この切断面と上記ランス軸線方向に垂直な面との成す角度θが1/cosθ≧2を満足するような構造を有し、ブローパイプ内に切断面が適切な方向を向くように配置されるもので、ランス先端部に熱風の乱流渦(旋回流)を生成させることにより、ランス先端から噴出する微粉炭流を分散させて熱風中の酸素との混合を促進させ、燃焼性を向上させることを狙いとしている。
【0005】
特開平9−256012号公報に開示された技術は、微粉炭のキャリアガスと熱風の流速に速度差を与え且つ微粉炭吹き込みランスの先端部の形状を、例えばコーン状(末広がり形状)又はコーン状の先端部にさらに切り込みを入れるなど、さまざまに工夫し、微粉炭吹き込みランスの先端部に生じる乱流度を高め、微粉炭と熱風との混合を促進して燃焼性を向上させることを狙いとしている。
以上の特開平8−104909号公報と特開平9−256012号公報に開示された技術はそれぞれ手段は異なるが、微粉炭吹き込みランスの先端部の乱流度を高めるという狙いやそれによる作用効果が略同じであるため、これら技術を総称して“従来技術1”とする。
【0006】
特開平6−330113号公報に開示された技術は、複数本の微粉炭吹き込みランスを用いて微粉炭を吹き込む際に、複数本の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流がブローパイプ内で衝突して流れ方向に渦が発生し、その渦に微粉炭が巻き込まれるためブローパイプ全域に拡散しずらくなることに着目し、複数本の微粉炭吹き込みランスを、それらの中心軸線がブローパイプの中心軸線と交差せず且つブローパイプの中心軸線に関して互いに軸対称位置になるように配置したもので、これにより微粉炭流どうしが衝突することなく、ブローパイプ内全域に渡って微粉炭が拡散し、微粉炭と酸素の混合が促進され、微粉炭の燃焼性を向上させることができる。以下、この技術を“従来技術2”とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来技術によれば、微粉炭の燃焼性が改善され、微粉炭多量吹き込みが可能になるとしているが、本発明者らが検討したところによれば、いずれの方法も以下に述べるような実用上の問題があることが明らかとなった。
まず、従来技術1の方法によれば、確かにランス先端部に生じた乱流による微粉炭の拡散によって微粉炭の燃焼性が向上する効果が得られるが、この方法はランスの耐久性に問題を生じる。すなわち、微粉炭吹き込みランスの先端部はレースウェイ内の赤熱コークス或いは燃焼した微粉炭からの輻射熱による熱負荷が極めて大きく、このため通常は強水冷構造を有するランスが用いられている。しかし、従来技術1で用いるランスの先端形状は非常に複雑であるため、十分な冷却能を備えた水冷構造を施すことが難しいという問題がある。しかも、乱流度を向上させ且つ微粉炭の着火燃焼を促進させるために微粉炭の燃焼領域をランス先端に近づければ近づけるほど、ランス先端部の熱負荷が増大してランス先端部の溶損が早まるという問題もあり、生じた溶損によるランス先端部の変形によって乱流度を高めることができなくなり、最悪の場合には吹き込み不能という事態に陥ってしまう。
【0008】
また、従来技術2は微粉炭の燃焼性向上には非常に有効な方法であるが、従来技術1のような乱流の影響を利用するものではないため、その効果には限界がある。すなわち、この従来技術2のみによる方法では、微粉炭吹き込み比が200kg/溶銑ton程度までは安定した吹き込み可能であるが、それ以上の微粉炭吹き込み比では炉況が不安定化したり、炉頂からの未燃微粉炭の排出が顕著となる問題がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、微粉炭超多量吹き込み操業を安定的に行うことができる高炉内への微粉炭吹き込み方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術2のような複数本の微粉炭吹き込みランスを使用した微粉炭吹き込み方式を前提とし、このような微粉炭吹き込み方式において乱流による微粉炭の分散効果を生じさせることができる方法について検討を重ねた。その結果、微粉炭吹き込みランス自体の下流側に生じる高乱流場(強乱流領域)に着目し、この高乱流場に別の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭を吹き込むことにより、非常に高い微粉炭の分散効果が得られること、またこのような方法によれば、従来技術に較べて微粉炭吹き込みランス自体の耐久性も高められることを見い出した。
【0010】
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
【0011】
ブローパイプを貫通して設けた2本の微粉炭吹き込みランスを用いて、高炉羽口内に微粉炭を吹き込む方法において、
一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭が、他方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域に吹き込まれるようにした微粉炭吹き込み方法であって、
一方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又はその延長線と他方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y2)又はその延長線とが交わらず、
且つ、ブローパイプの中心軸線(x)を含み且つ両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)に平行な仮想平面への投影図上において、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む)の交点pと、各微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lが下記(1)式を満足し、
且つ、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む)間の最短距離Dが下記(2)式を満足することを特徴とする高炉内への微粉炭吹き込み方法。
−(d/2)・(cos2θ/sinθ)≦L≦d/sinθ …(1)
D≦2d …(2)
但し、d:微粉炭吹き込みランスの外径(mm)
θ:前記投影図上におけるブローパイプの中心軸線(x)と微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む)とが成す角度(°)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細と好ましい実施形態について説明する。
一様な流れの中に物体を置くと、物体の下流側に渦が発生する。この渦は、一般にカルマン渦と呼ばれており、たとえば「化学工学便覧(改定5版)P.120」に詳述されている。ところで、渦が生じると初期の流れ方向に対して垂直な流れ成分が生じる。このことは、高炉での微粉炭吹き込みの場合には初期の流れ方向は主としてブローパイプの軸方向であるが、ブローパイプ内に配置された物体(微粉炭吹き込みランス)によって生じるカルマン渦により、ブローパイプ径方向での流れ成分が発生することを意味している。したがって、微粉炭粒子がこの渦の影響を受けるような形態で微粉炭の吹き込みを行えば、吹き込まれた微粉炭のブローパイプ径方向への分散が強化される可能性がある。
【0013】
上記渦のエネルギーは、一般にk-ε2方程式モデル等の乱流モデルを用いて求めることができる。本発明者らは、微粉炭吹き込みランスによる乱流場がいかなる条件で発生するのかを上記乱流モデルを用いて検討した。図2は計算に用いた微粉炭吹き込みランスの配置を示しており、微粉炭吹き込みランスa,bの中心軸線(y1),(y2)とブローパイプの中心軸線(x)とが成す角度をθ、微粉炭吹き込みランスa,bの太さ(外径)をdとし、これらθ,dの値を種々変えて計算を行った。また、計算上、熱風の流速は100m/secとした。
【0014】
微粉炭吹き込みランスにより生じる乱流の強度を定量化するために、乱流運動エネルギー(渦のエネルギー)で評価した。乱流においては、速度はその大きさ、方向ともに経時的に大きく変動する。そこで、速度成分の瞬時値を時間平均値と変動成分の和として下記(3)式のように表すこととした。
【数1】
上記の変動成分を用いて、乱流の運動エネルギーkを下記(4)式で表す。
【数2】
一般に乱流運動エネルギーkの値が大きいほど、乱流の時間変動エネルギーが大きくなり、渦のエネルギーも大きくなる。
【0015】
上記の乱流運動エネルギーをk-ε2方程式モデルで計算した。計算結果を図3に示す。図3において、縦軸は乱流運動エネルギー、横軸は微粉炭吹き込みランスからの距離(微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y)を含み且つブローパイプの中心軸線(x)に平行な平面上において、微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y)に対して垂直な方向への距離)を示す。図3では、乱流運動エネルギーの最大値をk0とし、便宜的に乱流運動エネルギーがk0/5となる領域を乱流強度の大きい領域と定義した。図3に示される計算結果では、微粉炭吹き込みランスの下流側(ブローパイプ内の熱風の流れ方向での下流側)に2d(d:ランス外径)の幅で乱流強度の大きい領域(強乱流領域)が生じることが明らかとなった。また、この強乱流領域の形成に対するθの影響は小さかった。この微粉炭吹き込みランスの下流側(熱風の流れ方向でのランス直近の下流側)に生じる強乱流領域を図4に模式的に示す。なお、微粉炭吹き込みランス先端部付近での乱流の形成にはランス先端部の構造が影響し、やや複雑となるため、この効果については後述する。
【0016】
以上のように微粉炭吹き込みランスの下流側(熱風の流れ方向でのランス直近の下流側)に特定幅で強乱流領域が生じることが明らかとなったが、この微粉炭吹き込みランスにより形成される乱流の影響を、もう一方の微粉炭吹き込みランスから吹き込まれる微粉炭流が享受するためには、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に形成される強乱流領域に、もう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭を吹き込めばよい。そこで本発明では、複数の微粉炭吹き込みランスのうち、少なくとも1本の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭が、当該微粉炭吹き込みランス以外の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域に吹き込まれるようにして、複数の微粉炭吹き込みランスによる微粉炭の吹き込みを行うものである。
ここで、図4に示されるように、一般に強乱流領域は微粉炭吹き込みランス直近の下流側に微粉炭吹き込みランスの中央軸線と直交する方向に対して2d(d:ランス外径)の幅で形成されるものであり、したがって、一般にはこの2dの幅の領域に別の微粉炭吹き込みランスから微粉炭を吹き込めばよい。
【0017】
複数本の微粉炭吹き込みランスの本数は任意であるが、通常は2本あればよい。これら複数本の微粉炭吹き込みランスは、それぞれが他の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じる強乱流領域に微粉炭を吹き込むようにすることが好ましい。したがって、微粉炭吹き込みランスが2本の場合には、微粉炭吹き込みランスaが微粉炭吹き込みランスbの下流側に生じた強乱流領域に微粉炭を吹き込み、微粉炭吹き込みランスbが微粉炭吹き込みランスaの下流側に生じた強乱流領域に微粉炭を吹き込むようにするのが好ましい。
なお、複数本の微粉炭吹き込みランスから吹き込まれた微粉炭をブローパイプ内で十分に拡散させるには、複数本の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流がブローパイプ内を旋回流となって羽口側に流れるようにすることが好ましく、このような微粉炭の旋回流を生じさせるため、複数の微粉炭吹き込みランスの中心軸線又はその延長線どうしが互いに交わらないようにすることが好ましく、また、複数本の微粉炭吹き込みランスのうち、少なくとも一部の微粉炭吹き込みランス、好ましくは全部の微粉炭吹き込みランスの中心軸線がブローパイプの中心軸線と交わらないようにすることが好ましい。
【0018】
次に、本発明において2本の微粉炭吹き込みランスを用いる場合における、両微粉炭吹き込みランスの配置関係の好ましい実施形態について説明する。
この実施形態においては、両微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流がブローパイプ内を旋回流となって羽口側に流れるようにするため、一方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又はその延長線と他方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y2)又はその延長線とが交わらないようにする。また、少なくとも一方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)、好ましくは両方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)がブローパイプの中心軸線(x)と交わらないようにする。
図5は、ほぼ同径(外径がほぼ同じ)の2本の微粉炭吹き込みランスa,bをブローパイプの中心軸線(x)に関して軸対称に配置した場合において、これらの微粉炭吹き込みランスa,bの配置関係を、ブローパイプの中心軸線(x)を含み且つ両微粉炭吹き込みランスa,bの中心軸線(y1),(y2)に平行な仮想平面への投影図として示したものである。
【0019】
図5に示される微粉炭吹き込みランスa,bは、微粉炭吹き込みランスaからの微粉炭が微粉炭吹き込みランスbの下流側に生じた強乱流領域に吹き込まれ、且つ微粉炭吹き込みランスbからの微粉炭が微粉炭吹き込みランスaの下流側に生じた強乱流領域に吹き込まれるような配置関係にあるが、この投影図上における両微粉炭吹き込みランスa,bの中心軸線(y1),(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む。以下、同様)の交点pと、各微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線(s)との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lが過剰に長いと(すなわち、この投影図上において両微粉炭吹き込みランスa,bの中心軸線(y1),(y2)の交点pがランス基端部側に寄り過ぎていると)、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域に、もう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭が吹き込まれなくなる。ここで、図4に示した強乱流領域の形成範囲からして、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域に、もう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭が吹き込まれるようにするための上記距離Lの上限は、下記(5)式で表すことができる。
L≦d/sinθ … (5)
但し、d:微粉炭吹き込みランスの外径(mm)
θ:上記投影図上におけるブローパイプの中心軸線(x)と微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)とが成す角度(°)
【0020】
一方、上記距離Lが短くなり(すなわち、上記投影図上において両微粉炭吹き込みランスa,bの中心軸線(y1),(y2)の交点pがランス先端側に近づき)、ついには距離Lの値が負になると、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域の影響をもう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流が受けにくくなる。
【0021】
図6は、その限界となる微粉炭吹き込みランスa,bの配置関係を、ブローパイプの中心軸線(x)を含み且つ両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)に平行な仮想平面への投影図として示したものである。同図によれば、上記投影図において微粉炭吹き込みランスa,bの先端縁部がブローパイプの中心軸線(x)と重なる配置関係となる場合が、一方の微粉炭吹き込みランスにより生じた強乱流領域をもう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流が利用できる限界であり、微粉炭吹き込みランスの先端部がそれ以上前記交点Pの後方に位置すると(すなわち、上記交点pと、微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線(s)との間の距離Lの負の値が大きくなると)、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域ともう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流とが重なり合わなくなる。したがって、上記距離Lの下限は下記(6)式で表すことができる。
−(d/2)・(cos2θ/sinθ)≦L … (6)
【0022】
また、微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)どうしが離れ過ぎると、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域ともう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流とが重なり合わなくなる。上述の乱流計算の結果から、微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y)を含み且つブローパイプの中心軸線(x)と平行な平面に対して垂直な方向への強乱流の広がりはせいぜいランス外径(=d)に相当する程度の範囲であり、したがって、図7に示すように微粉炭吹き込みランスa,bの中心軸線(y1),(y2)間の最短距離Dは下記(7)式を満足する必要がある。
D≦2d … (7)
【0023】
以上の結果から、ほぼ同径で且つブローパイプの中心軸線(x)に関して軸対称に配置された2本の微粉炭吹き込みランスを通じて微粉炭を吹き込む場合において、両微粉炭吹き込みランスの配置関係を定量的に規定するとすれば、ブローパイプの中心軸線(x)を含み且つ両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)に平行な仮想平面への投影図上において、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)の交点pと、各微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線(s)との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lが下記(1)式を満足し、
−(d/2)・(cos2θ/sinθ)≦L≦d/sinθ … (1)
但し、d:微粉炭吹き込みランスの外径(mm)
θ:上記投影図上におけるブローパイプの中心軸線(x)と微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)とが成す角度(°)
さらに、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)間の最短距離Dが下記(2)式を満足するよう、両微粉炭吹き込みランスを配置するということになる。
D≦2d … (2)
【0024】
また、一方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域の影響を、もう一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭流がより効果的に享受できるようにするためには、上記距離Lは下記(1′)式を満足することが好ましい。
0≦L≦d/sinθ … (1′)
また、以上のような具体的条件は、一方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又はその延長線と他方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y2)又はその延長線とが交わらないことが前提となる。また、両微粉炭吹き込みランスは、少なくとも一方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)、好ましくは両方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)がブローパイプの中心軸線(x)と交わらないことが好ましい。
【0025】
図1は、本発明による高炉内への微粉炭吹き込み方法の一実施態様を示すもので、図1(A)は高炉の羽口に設けられたブローパイプの縦断面、図1(B)は図1(A)のB−B線に沿う断面図である。
【0026】
図1において、2本の微粉炭吹き込みランス3a,3bは羽口2に接続されたブローパイプ1内にブローパイプ外殻を貫通して各々挿入されている。これら2本の微粉炭吹き込みランス3a,3bは、各々の先端が羽口2側を向くようにし、且つ中心軸線(y1),(y2)がブローパイプ1の中心軸線(x)と交差しないように、さらにブローパイプ1の中心軸線(x)に関して軸対称となるように配置されている。そして、これら両微粉炭吹き込みランス3a,3bは、ブローパイプ1の中心軸線(x)を含み且つ両微粉炭吹き込みランス3a,3bに平行な仮想平面への投影図(図1)上において、両微粉炭吹き込みランス3a,3bの中心軸線(y1),(y2)の交点pと、各微粉炭吹き込みランス3a,3bの先端中心を通り且つブローパイプ1の中心軸線(x)に対して垂直な直線(s)との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lが下記(1)式を満足し、
−(d/2)・(cos2θ/sinθ)≦L≦d/sinθ … (1)
但し、d:微粉炭吹き込みランスの外径(mm)
θ:上記投影図上におけるブローパイプの中心軸線(x)と微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)とが成す角度(°)
さらに、両微粉炭吹き込みランス3a,3bの中心軸線(y1),(y2)間の最短距離Dが下記(2)式を満足するように配置されている。
D≦2d … (2)
【0027】
本実施形態では、微粉炭は上記2本の微粉炭吹き込みランス3a,3bからキャリアガスとともに例えば15m/sec程度の流速でブローパイプ1内に吹き込まれるが、2本の微粉炭吹き込みランス3a,3bは、それらの中心軸線(y1),(y2)がブローパイプの中心軸線(x)と交わらず(すなわち、各微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)がブローパイプの中央軸線(x)に対して偏芯ている)、且つ両微粉炭吹き込みランス3a,3bの中心軸線又はその延長線どうしも互いに交わらず、しかもブローパイプ1の中心軸線(x)に関して軸対称となるように配置されているので、両微粉炭吹き込みランス3a,3bからの微粉炭は互いに干渉されることなくブローパイプ1内に吹き込まれて、ブローパイプ1内において速やかに拡散する。しかも、2本の微粉炭吹き込みランス3a,3bからの微粉炭は互いに相手側ランスの下流側に生じた強乱流域に吹き込まれるため微粉炭の拡散がさらに促進され、ブローパイプ1内において旋回しながら羽口2方向に移動するので、熱風中の酸素との接触効率が一段と良好になり、このため微粉炭の燃焼効率が顕著に向上することになる。
【0028】
なお、微粉炭吹き込み用のキャリアガスとしては、窒素、空気、酸素、CO、CO2ガスなどの中から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
また、両微粉炭吹き込みランス3a,3bは、その中心軸線(y1),(y2)がブローパイプ1の中心軸線(x)と交差しないという条件を満し、且つ少なくとも一方の微粉炭吹き込みランス3の下流側に生じた強乱流域にもう一方の微粉炭吹き込みランス3からの微粉炭が吹き込まれ、より好ましくは2本の微粉炭吹き込みランス3a,3bからの微粉炭が互いに相手側ランスの下流側に生じた強乱流領域に吹き込まれるように配置されていれば、必ずしもブローパイプ1の中心軸線(x)に関して軸対称に配置しなくてもよい。
【0029】
【実施例】
図8は本実施例で用いた反応炉の断面図であり、この反応炉は高炉の羽口近傍を模した微粉炭燃焼試験用反応炉である。図において、4は反応炉本体、5はこの反応炉本体7に設けられた羽口、6はこの羽口5に接続されたブローパイプ、7はこのブローパイプ7内に挿入された微粉炭吹込みランス、8a〜8cは上記ブローパイプ6に形成された3個の微粉炭採取プローブ用孔であり、これら微粉炭採取プローブ用孔8a〜8cは微粉炭吹き込みランス7の先端から羽口方向にそれぞれ200mm、300mm、400mm離れた位置に設けられている。
この反応炉本体4内に充填されたコークス層10にブローパイプ6から熱風を吹き込んだ。この熱風としては、ブローパイプ6の上流側でLPGを空気によって燃焼させ、この燃焼ガスに酸素を混合して高炉で使用される熱風と同程度の酸素濃度としたものを用いた。
【0030】
この実施例では、図9に(A)、(B)、(C)として示す3種類の形式の微粉炭吹き込みランスを用いて微粉炭をブローパイプ6内に吹き込んだ。3個の微粉炭採取プローブ用孔8a〜8cの各々に微粉炭採取プローブを挿入し、燃焼過程での微粉炭をサンプリングし、これらを分析して微粉炭の燃焼率を各微粉炭吹込み方式毎に調べた。燃焼率の定義は、下記(8)式に示すように可燃分の消費率として計算した。このときの試験条件を表1に、また試験設備諸元を表2に示す。
燃焼率=100×{1−(100−[Ash])・[Ash0]/(100−[Ash0])・[Ash]} … (8)
但し、[Ash0]:燃焼前の微粉炭中の灰分(mass%)
[Ash] :燃焼後の各サンプリング位置における灰分(mass%)
【0031】
図9(A)の形式のランスを用いた微粉炭吹き込みが本発明例、図9(B)及び(C)の形式のランスを用いた微粉炭吹き込みが比較例である。ここで、図9(A)の形式のランスは図1に示したものと同様であり、また、図9(B)のランスは1本の微粉炭吹き込みランスの先端部を従来技術1に基づき加工したものであり、図9(C)のランスは従来技術2と同様のものである。
本実施例における燃焼試験の結果を図10に示す。なお、この試験条件での微粉炭の吹込み量は、高炉実操業においては200kg/溶銑tonに相当する。図10に示されるように、本発明例では両比較例に較べて微粉炭の高い燃焼効率が得られていることが判る。また、図9(B)のランスを用いた比較例において、燃焼試験後に微粉炭吹き込みランスを取り出して調べたところ、先端部が部分的に溶損していることが確認され、長期的に微粉炭を吹き込むことが困難であると判断された。
【0032】
さらに、微粉炭の銘柄の影響を調べるために、表3に示す別の微粉炭b、cを用いて同様の燃焼試験を行った。図11に微粉炭吹き込みランス先端から羽口方向に400mm離れた位置における微粉炭の燃焼率を調べた結果を示す。図11に示されるように、本発明例では微粉炭の種類に拘りなく、両比較例に較べて高い燃焼効率が得られていることが判る。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、微粉炭吹き込みランスを通じて高炉内に吹き込まれる微粉炭の燃焼率を大きく向上させることができるため、高炉における微粉炭超多量吹き込みを安定して実施することができる。また、このため銑鉄製造コストを従来法に較べ大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における微粉炭吹き込みランスの配置構造を示すもので、図1(A)は高炉の羽口に設けられたブローパイプの縦断面、図1(B)は図1(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図2】ブローパイプ内に配置された微粉炭吹き込みランスの下流側における乱流運動エネルギーの計算に用いた微粉炭吹き込みランスの配置を示す説明図
【図3】微粉炭吹き込みランスの下流側に生じる乱流の乱流運動エネルギーを示すグラフ
【図4】微粉炭吹き込みランスの下流側に生じる強乱流領域を模式的に示す説明図
【図5】本発明法に従い2本の微粉炭吹き込みランスを用いて微粉炭の吹き込みを行う場合において、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)の交点pと、各微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線(s)との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lを示した説明図
【図6】本発明法に従い2本の微粉炭吹き込みランスを用いて微粉炭の吹き込みを行う場合において、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)の交点pと、各微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線(s)との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lが下限の値となる両微粉炭吹き込みランスの配置関係を示す説明図
【図7】本発明法に従い2本の微粉炭吹き込みランスを用いて微粉炭の吹き込みを行う場合において、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)間の最短距離Dを示す説明図
【図8】実施例で用いた反応炉の模式断面図
【図9】実施例で用いた微粉炭吹き込みランスの形式を示すもので、図9(A)は本発明例で使用したランス形式、図9(B)及び図9(C)は比較例で使用したランス形式である。
【図10】実施例における銘柄aの微粉炭の燃焼率を示すグラフ
【図11】実施例における銘柄b,cの微粉炭の燃焼率を示すグラフ
【符号の説明】
1…ブローパイプ、2…羽口、3a,3b…微粉炭吹き込みランス、4…反応炉本体、5…羽口、6…ブローパイプ、7…微粉炭吹き込みランス、8a〜8c…微粉炭採取プローブ用孔、10…コークス層、a,b…微粉炭吹き込みランス、s…直線、p…交点、x,y1,y2…中心軸線
Claims (1)
- ブローパイプを貫通して設けた2本の微粉炭吹き込みランスを用いて、高炉羽口内に微粉炭を吹き込む方法において、
一方の微粉炭吹き込みランスからの微粉炭が、他方の微粉炭吹き込みランスの下流側に生じた強乱流領域に吹き込まれるようにした微粉炭吹き込み方法であって、
一方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又はその延長線と他方の微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y2)又はその延長線とが交わらず、
且つ、ブローパイプの中心軸線(x)を含み且つ両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)に平行な仮想平面への投影図上において、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む)の交点pと、各微粉炭吹き込みランスの先端中心を通り且つブローパイプの中心軸線(x)に対して垂直な直線との間のブローパイプ中心軸線(x)方向での距離Lが下記(1)式を満足し、
且つ、両微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1),(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む)間の最短距離Dが下記(2)式を満足することを特徴とする高炉内への微粉炭吹き込み方法。
−(d/2)・(cos2θ/sinθ)≦L≦d/sinθ …(1)
D≦2d …(2)
但し、d:微粉炭吹き込みランスの外径(mm)
θ:前記投影図上におけるブローパイプの中心軸線(x)と微粉炭吹き込みランスの中心軸線(y1)又は(y2)(但し、中心軸線の延長線を含む)とが成す角度(°)
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