JP4775751B2 - 熱硬化ウレタンエラストマー成型物 - Google Patents

熱硬化ウレタンエラストマー成型物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機器部品に用いられる、JIS A硬度が60〜90の熱硬化ウレタンエラストマー成型物に関する。特に50〜70℃の温度雰囲気下においても機械的物性低下の小さい熱硬化ウレタンエラストマー成型物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱硬化ウレタンエラストマーは、生産性、機械的物性に優れているため、産業機器部品として広く用いられている。熱硬化ウレタンエラストマーは、イソシアネートとポリオールから得られる。イソシアネート原料としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)等が挙げられる。ポリオール原料としては、長鎖ポリオール、短鎖ポリオールが挙げられ、長鎖ポリオールとしては、エチレンアジペート、ブチレンアジペート、カプロラクトン等のポリエステルジオール、あるいはポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール等が挙げられ、短鎖ポリオールとしては、1,4−ブタンジオール(以下、1,4−BDと略す)等の短鎖ジオール、トリメチロールプロパン(以下、TMPと略す)等の短鎖トリオールが挙げられる。
【0003】
これらの原料から、全ての原料を同時に反応させるワンショット法、特定原料をプレポリマーにするプレポリマー法、セミ−ワンショット法等によって熱硬化ウレタンエラストマーは製造されるが、反応制御のしやすさから、イソシアネート(以下、NCOと略す)基末端プレポリマーを水酸基含有硬化剤で硬化するプレポリマー法、セミ−ワンショット法が広く用いられている。
【0004】
従来の産業機器部品に用いられる熱硬化ウレタンエラストマーは、物性の温度依存性が大きいものであった。例えば、低温時と高温時の物性が著しく異なり、特に高温時に引張強度が著しく低下するため、産業機械の設計が難しいのが現状である。また部品の寿命が短いものとなりやすかった。更に耐久性の面で産業機器の更なる高速化が行えないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高速稼働時や連続稼働時には、熱硬化ウレタンエラストマー自体が熱を持ち、このため物性が低下し、耐久性が著しく悪くなる。このため、特に高温時の物性の低下を抑え、設計性能の維持及び耐久性の向上が達成された熱硬化ウレタンエラストマー成型物の出現が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、熱硬化ウレタンエラストマーの原料に特定のポリオールを用いることで、高温時の物性低下を抑え、産業機器部品に用いられる熱硬化ウレタンエラストマーの性能の維持、耐久性を改善することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)に示されるものである。(1) 主剤(A)及び硬化剤(B)を混合した液状物を型内に注入して硬化させて得られる熱硬化ウレタンエラストマー成型物であって、
主剤(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)とアジペート系ポリエステルジオール(A2)を反応させて得られるイソシアネート含量4.0〜20.0%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有し、
硬化剤(B)が、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを用いて得られるアジペート系ポリエステルポリオール(B1)を含有すること、および、平均官能基数が2.01〜3.00であること、を特徴とする熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
【0008】
(2) 硬化剤(B)が更に、エチレングリコール(EG)、1,2−プロピレングリコール(1,2−PG)、1,3−プロピレングリコール(1,3−PG)1,3−ブタン40ジオール(1,3−BD)、1,4−BD、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,6−ヘキサメチレングリコール(1,6−HG)、2,2−ジメチロールヘプタン(DMH)、1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHD)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)、ジエチレングリコール(DEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼンからなる群より選択される一種又は二種以の短鎖ジオール(B2)を含有すること、を特徴とする前記(1)に記載の熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
【0009】
(3) 硬化剤(B)が更にアジペート系ポリエステルジオール(A2)を含有すること、を特徴とする前記(1)又は(2)に記載の熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
【0010】
(4) 硬化剤(B)が更に、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールブタンからなる群より選択される一種の短鎖トリオール(B3)を含有すること、を特徴とする、前記(1)から(3)に記載のいずれか1つに記載の熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、主剤(A)及び硬化剤(B)を混合した液状物を型内に注入して硬化させて得られる熱硬化ウレタンエラストマー成型物において、主剤(A)が、MDI(A1)とアジペート系ポリエステルジオール(A2)を反応させて得られるNCO含量4.0〜20.0%のNCO基末端ウレタンプレポリマーを含有し、硬化剤(B)が、THEICを用いて得られるアジペート系ポリエステルポリオール(B1)を含有すること、を特徴とする。なお、本発明において「短鎖」とは(数平均)分子量が500未満であることをいう。
【0013】
本発明に用いられるNCO基末端ウレタンプレポリマーは、少なくともMDI(A1)とアジペート系ポリエステルジオール(A2)とを反応させて得られ、NCO含量は4.0〜20.0%のものである。
【0014】
MDI(A1)としては、各種異性体、すなわち、4,4′−MDI、2,4′−MDI、2,2′−MDI、これらの任意の混合物が挙げられる。また、液状MDI(カルボジイミド化MDI、ウレトンイミン化MDI等)も用いることができる。本発明で好ましい(A1)は、4,4′−MDIである。
【0015】
アジペート系ポリエステルジオール(A2)の数平均分子量は500〜5,000であり、好ましくは1,000〜3,000である。数平均分子量が下限未満の場合、得られるウレタンプレポリマーが白濁し、貯蔵安定性が低下しやすい。上限を越える場合は、ウレタンプレポリマーの粘度が高くなりすぎて、注型が困難となりやすい。
【0016】
アジペート系ポリエステルジオール(A2)として例えば、エチレングリコール(EG)、1,2−プロピレングリコール(1,2−PG)、1,3−プロピレングリコール(1,3−PG)1,3−ブタンジオール(1,3−BD)、1,4−BD、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,6−ヘキサメチレングリコール(1,6−HG)、2,2−ジメチロールヘプタン(DMH)、1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHD)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)、ジエチレングリコール(DEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン等の短鎖ジオールの1種類とアジピン酸とを重縮合させることによって製造されるポリエステルジオール、及び2種類以上の短鎖ジオールとアジピン酸を重縮合させることによって、製造されるコ−ポリエステルジオールを含むが、これらに制限されるものではない。また、必要に応じて、アジピン酸が酸成分の50モル%以上であれば、アジピン酸以外のジカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等を併用することができる。本発明で好ましい(A2)は1,4−BDとアジピン酸から得られるブチレンアジペートである。
【0017】
なお、必要に応じて、NCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を得るために、上記のMDI(A1)、アジペート系ポリエステルジオール(A2)以外の原料、例えば(A1)以外の有機ジイソシアネート、(A2)以外のポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオール、鎖延長剤としての短鎖ジオール等を用いることができる。また、ウレタンプレポリマーがゲル化しない程度であれば、平均官能基数が2を越えるポリオールも用いることができる。
【0018】
本発明に用いられるNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)は、公知の反応により得られ、例えば、反応温度20〜100℃、好ましくは50〜80℃にて、数時間反応させて得られる。このとき、必要に応じてウレタン化触媒を用いることができる。また、反応装置としては、上記の反応が達成できればいかなる装置でもよく、例えば、攪拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸押出し反応装置等の混合混練装置が挙げられ、バッチ反応ができる装置が好ましい。
【0019】
このようして得られたNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)のNCO含量は4.0〜20.0%、好ましくは5.0〜18.0%である。NCO含量が少なすぎる場合は、得られる成型物の機械的強度が不十分となりやすく、また、プレポリマーの粘度が高い場合が多く、注型時に混合液の流れ性が著しく悪くなりやすい。また、多すぎる場合は、成型物がもろくなりやすく、また、保存時及び使用時の性状安定性が著しく悪くなり、成型不良になりやすい。
【0020】
本発明に用いられる硬化剤(B)は、少なくともトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)を用いて得られるアジペート系ポリエステルポリオール(B1)を用いることを特徴とするものである。(B1)を主剤(A)のNCO基末端ウレタンプレポリマーに用いると、十分な量を導入しようとするとゲル化する問題がある。一方、硬化剤(B)用いる場合は、このような問題は起きず、得られる熱硬化ウレタンエラストマーの設定物性に合わせて、(B1)の量を自由に設定できる。
【0021】
(B1)は、一般的にはアジピン酸、THEIC、短鎖ジオールを反応させて得られるものである。短鎖ジオールとしては、前述の(A2)に用いられるものが挙げられる。なお、必要に応じてアジピン酸が酸成分の50モル%以上であれば、アジピン酸以外のジカルボン酸(前記参照)を併用することができる。
【0022】
(B1)を得る方法には、(1)アジピン酸、THEIC、短鎖ジオールを同時に反応させる一段法、(2)アジピン酸と短鎖ジオールを反応させて、ポリエステルジオールを合成し、このポリエステルジオールをTHEICでエステル交換させる二段法、等が挙げられる。
【0023】
THEICは、耐熱性のあるイソシアヌレート基に、エチレン基を介して水酸基が存在しているトリオール化合物である。従来の硬化剤に用いられるトリオールとしてのTMPは、特に高温での引裂強度が小さいものであった。これは、TMPでは、4級炭素に分岐構造を取り、一方にエチル基、残り三方にメチロール基を有している。このため、結合エネルギーが小さく柔軟性が不十分なため、靱性が不十分となり、高温での引裂強度が小さくなったと思われる。本発明では、水酸基が対称な三方向に存在し、かつ、ひずみの小さい六員環構造を有し、またこの六員環が耐熱性のあるイソシアヌレート環であるTHEICを用いているため、高温での引裂強度は大きいものになる。
【0024】
またTHEICは、融点が120℃以上と高いものである。特開平8−134170号公報では、THEICをそのまま硬化剤に用いているため、配合時の硬化剤温度を高くする必要がある。このため、成形温度も必然的に高くなり、成型物に不必要な熱履歴を与えることになる。本発明では、THEICをアジペート系のポリエステルに導入しているため、融点も60〜100℃と低くなり、成型物に不必要な熱履歴を与えることはない。
【0025】
(B1)の平均官能基数は、2.01〜5.0のものが好ましく、2.1〜3.0のものが特に好ましい。また、(B1)の数平均分子量500〜3,000が好ましく、数平均分子量650〜2,000のものが特に好ましい。
【0026】
本発明では、必要に応じて硬化剤(B)に、短鎖ジオール(B2)、短鎖トリオール(B3)、アジペート系ポリエステルジオール(A2)を併用することがができる。特に(B2)は併用することで、成型物に強度を持たせることができる。
【0027】
短鎖ジオール(B2)としては、(A2)に用いられるものが挙げられる。本発明では1,4−BDが好ましい。
【0028】
短鎖トリオール(B3)として、TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン等が挙げられる。本発明では、TMPが好ましい。
【0029】
硬化剤(B)に用いられる(A2)は、(A)を得るのに用いられるものが挙げられる。
【0030】
硬化剤(B)の平均官能基数は、2.01〜3.00である。硬化剤(B)の平均官能基数が3.0を越える場合は、熱硬化ウレタンエラストマー自体の架橋密度が必要以上に多くなり、脆さが出てきて、著しく引張物性の低下を招く。
【0031】
本発明においては、必要に応じて、上記以外のポリオール、染料、顔料、充填剤、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤、発泡剤、抗菌剤、耐カビ剤、等の添加剤を使用できる。これらの添加剤は、安定性、混合性等を考慮して、主剤(A)及び/又は硬化剤(B)に添加される。
【0032】
本発明の熱硬化ウレタンエラストマー成型物の具体的な製造手順としては、上記各原料と成形型を用い、例えば以下のようにして製造される。
1.あらかじめ加熱して液状化又は減粘した主剤(A)及び硬化剤(B)を、均一に混合する(混合)。このときのNCO基/水酸基(モル比)は0.6〜1.4が好ましく、特に0.7〜1.3が好ましい。なお、硬化剤(B)に(A2)を用いると、主剤(A)と硬化剤(B)の配合の際の質量比が(A):(B)=1:1とすることができる。
2.混合の際、巻き込んだ空気を抜く(脱気)。脱気には通常減圧ポンプを使用する。
3.プレヒートした成形型に液を流し込む(注型)。成形型のプレヒート温度は60〜200℃程度である。
4.加熱して硬化反応させる(硬化)。硬化温度は60〜200℃程度である。
また、硬化時間は2〜60分程度である。
5.暫く加熱状態でおき、流し込んだ液が硬化し、十分に強度が発現してから硬化物を型から取り出す(脱型)。
6.必要に応じて更に加熱して、成型物の硬化を更に進める(後硬化)。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の熱硬化ウレタンエラストマーは、硬化剤にTHEICを有するアジペート系ポリエステルポリオールを用いているため、高温時の機械的物性の低下が従来の熱硬化ウレタンエラストマーより小さいものであった。特に50〜70℃の条件下における引張物性が向上しているので、熱硬化ウレタンエラストマーを用いた産業機器部品の耐久性の向上につながった。本発明により高速化される産業機械部品として対応可能な熱硬化ウレタンエラストマー部品の提供を可能とした。
【0034】
【実施例】
本発明について、実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において、「%」は全て「質量%」を意味する。
【0035】
〔THEICを用いたアジペート系ポリエステルポリオールの合成〕
合成例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた反応器に、アジピン酸(AA)を502g、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)を250g、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(THEIC)を348gを仕込み、180〜190℃にて常圧下で脱水反応させた。水の留出速度が遅くなったところで、テトラブチルチタネート(TBT)を0.01g仕込み、更に加熱しながら減圧を開始して更に反応を進めた。加熱速度は1℃/分とし、温度は最終的には220℃になった。また、減圧は徐々に行い、最終的には0.3kPaまで行った。水が出なくなったところで反応を終了した。
得られたポリエステルポリオール(PBTA−1500)の外観は、常温で固体、75℃で均一な透明液体、水酸基価は146.4mgKOH/g、酸価は3.2mgKOH/g、数平均分子量は1,500、平均官能基数は4.0であった。
【0036】
合成例2
合成例1と同様な反応器に、AAを416g、1,4−BDを602gを仕込み、180〜190℃にて常圧下で脱水反応させた。水の留出速度が遅くなったところで、テトラブチルチタネート(TBT)を0.01g仕込み、更に加熱しながら減圧を開始して更に反応を進めた。加熱速度は1℃/分とし、温度は最終的には220℃になった。また、減圧は徐々に行い、最終的には0.3kPaまで行った。水が出なくなったところで反応を一旦終了した。次に、THEICを130g仕込み、180℃で2時間エステル交換反応させた。
得られたポリエステルポリオール(PBTA−1000)の外観は、常温で固体、75℃で均一な透明液体、水酸基価は140.0mgKOH/g、酸価は0.3mgKOH/g、数平均分子量は1,000、平均官能基数は2.5であった。
【0037】
平均官能基数は、得られたポリエステルポリオールをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により数平均分子量を測定し、この数平均分子量と水酸基価及び酸価から求められる末端基数とを用いて算出した。
【0038】
〔NCO基末端ウレタンプレポリマーの合成〕
合成実施例1〜4、合成比較例1〜3
表1に示す配合比で、MDIと各種ポリエステルポリオールを混合し、75℃で3時間反応させて、各種のNCO基末端プレポリマーを得た。結果を表1に示す。
【0039】
合成比較例4
表1に示す配合比で、MDIとPBTA−1000を混合し、75℃で反応を開始したが、反応途中でゲル化物が発生したため、反応を中止した。
【0040】
【表1】
Figure 0004775751
【0041】
〔硬化剤の配合〕
合成実施例5〜8、合成比較例5〜8
表2に示す配合比で、1,4−BD、TMP、各種ポリエステル、触媒を75℃で1時間混合して、硬化剤を得た。配合割合を表2に示す。なお、合成比較例4は、THEICそのものを用いたが、75℃では均一な液体にならなかったため、以後の評価を行わなかった。
【0042】
【表2】
Figure 0004775751
【0043】
合成実施例1〜8、合成比較例1〜8、表1、2における原料の略記号等は以下の通り。
Figure 0004775751
【0044】
〔熱硬化ウレタンエラストマー成型物の製造〕
実施例1〜4、比較例1〜3
表3に示す組み合わせ、配合比で、あらかじめ80℃に加温した主剤、及びあらかじめ80℃に加温した硬化剤を配合して均一に混合した後、直ちに真空脱泡により脱気を行った。次いで、あらかじめ130℃に加温した2mm厚用平板シート金型に注型した。その後130℃で1時間硬化を行い成型物を得た。この成型物の物性測定結果を表3に示す。
【0045】
硬度及び物性測定
20℃及び60℃の温度下で2時間養生し、速やかに恒温恒湿(23℃、60%)においてJIS K−7312に基づき測定を行った。
【0046】
【表3】
Figure 0004775751
【0047】
表3において
HsA:A硬度
TB :破断時強度
EB :破断時伸び
TR :引裂強度
【0048】
表3より、本発明の熱硬化ウレタンエラストマー成型物は、高温時でも特に引裂強度を保っているものであった。一方、比較例の高温時の物性は、常温時のそれと比較すると、低下が大きいものであった。

Claims (4)

  1. 主剤(A)及び硬化剤(B)を混合した液状物を型内に注入して硬化させて得られる熱硬化ウレタンエラストマー成型物であって、
    主剤(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)とアジペート系ポリエステルジオール(A2)を反応させて得られるイソシアネート含量4.0〜20.0%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有し、
    硬化剤(B)が、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートを用いて得られるアジペート系ポリエステルポリオール(B1)を含有すること、および、平均官能基数が2.01〜3.00であること、を特徴とする熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
  2. 硬化剤(B)が更に、エチレングリコール(EG)、1,2−プロピレングリコール(1,2−PG)、1,3−プロピレングリコール(1,3−PG)1,3−ブタン40ジオール(1,3−BD)、1,4−BD、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,6−ヘキサメチレングリコール(1,6−HG)、2,2−ジメチロールヘプタン(DMH)、1,4−シクロヘキサンジオール(1,4−CHD)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−CHDM)、ジエチレングリコール(DEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼンからなる群より選択される一種又は二種以の短鎖ジオール(B2)を含有すること、を特徴とする請求項1記載の熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
  3. 硬化剤(B)が更にアジペート系ポリエステルジオール(A2)を含有すること、を特徴とする請求項1又は2記載の熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
  4. 硬化剤(B)が更に、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールブタンからなる群より選択される一種の短鎖トリオール(B3)を含有すること、を特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化ウレタンエラストマー成型物。
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