JP4775137B2 - 駐車ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両等に起用される駐車ブレーキ装置に関し、特にブレーキディスクとステータとの摩擦力により回転軸の制動力を得る駐車ブレーキ装置に関する。
従来の駐車ブレーキ装置としては、例えば、特許文献1に開示された駐車ブレーキ装置が知られている。
特許文献1に開示された駐車ブレーキ装置は、デフギヤ軸にスプライン嵌合されている多板形態のブレーキディスクと、車軸ケースに収容され、ブレーキディスクを押動するブレーキピストンと、操作アームと連動し、ブレーキピストンを押動するスライドピンと、を備えている。
ブレーキピストンは金属材料により形成されるが、スライドピンが押圧するブレーキピストンの鍔部は平板状の形態を呈している。
この種の駐車ブレーキ装置では、操作アームを操作するとスライドピンがブレーキピストンを押動し、押動されたブレーキピストンがブレーキディスクを押動する。
ブレーキディスクの当接面における摩擦力によりデフギヤ軸に対する制動力を得ている。
また、関連する別の従来技術として、例えば、特許文献2に開示された車両用湿式ディスクブレーキ装置が存在する。
この車両用湿式ディスクブレーキ装置は、アクスルシャフトに軸線方向に摺動可能に取り付けた回転円板と、回転円板に対向して配設される固定円板と、ハウジングに軸線方向に摺動可能に支持された受圧円板と、受圧円板に対向して配置されている押圧円板とを備えている。
押圧円板は駐車用ブレーキ操作により円周方向に移動される円板である。
さらに、押圧円板とハウジング壁面との間に押圧円板の円周方向の移動時に、押圧円板を受圧円板に押圧させるような推力を発生させるカムが設けられている。
特開昭61−229651号公報 実開昭58−67135号公報
従来の技術では、制動状態の際に、プレート押圧機構に相当するスライドピンがピストンプレートとしてのブレーキピストンを局所的に押動することから、ピストンプレートの局所的な撓みが回避できない。
ピストンプレートに撓みが生じると、ピストンプレートとブレーキディスクとの当接面において面圧の較差が著しくなり、著しい面圧の較差がバランスの悪い状態で両者の当接面において存在すると、駐車ブレーキ装置としての制動力が低下する場合がある。
この場合、ピストンプレートの板厚を大きくするなどピストンプレートの剛性を高め撓みを抑制することも考えられるが、板厚増加分に相当する回転軸の軸方向のスペースを必要とするほか、駐車ブレーキ装置としての重量が増大する。
特に、ピストンプレートの収容スペースが制約を受ける場合には、ピストンプレートの板厚を大きく設定することはできない。
また、特許文献2に開示された技術では、駐車用ブレーキ操作により、ピストンプレートに相当する押圧円板を受圧円板に押圧させ、受圧円板がブレーキディスクに相当する回転円板とステータに相当する固定円板を押圧する点が開示されているに過ぎず、特許文献1の問題は解決することはできない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、ピストンプレートの収容スペースが制約を受けたり、制動時において著しい面圧の較差がピストンプレートに存在しても、制動力の低下を防止することができる駐車ブレーキ装置の提供にある。
上記課題を達成するため、本発明は、軸ケース内の回転軸に対してブレーキディスクが該回転軸の軸方向へ連設され、前記軸ケースに係止されるステータが前記ブレーキディスクの間に介装され、有孔円盤状のピストンプレートが最端の前記ブレーキディスクと対向して前記軸ケースに係止され、前記ピストンプレートをブレーキディスクへ向けて押圧するプレート押圧機構が備えられ、前記ブレーキディスクと、前記ステータと、前記ピストンプレートは前記回転軸の軸方向へ移動自在であり、前記プレート押圧機構が前記ピストンプレートを押圧することにより、前記ブレーキディスクと前記ステータとの当接により前記回転軸に対する制動力を得る駐車ブレーキ装置において、前記ピストンプレートは、前記軸方向へ連設される第1プレート体及び第2プレート体から成り、前記第1プレート体は、前記プレート押圧機構に押圧される被押圧面と、前記第2プレート体と当接する第1当接面を有し、前記第2プレート体は前記ブレーキディスクと圧接するディスク当接面と、前記第1プレート体と対向する第2当接面を有し、前記第1当接面又は前記第2当接面は、該当接面の特定の径方向において外周寄りに形成された一対の端部当接部と、一対の該端部当接部の間に形成された中間当接部を有し、前記端部当接部は軸方向に直角な平坦面であり、前記端部当接部を前記中間当接部よりも前記ブレーキディスクに接近する位置に設定する段差部が、前記端部当接部と前記中間当接部との境界に形成され、前記被押圧面には前記プレート押圧機構と当接する被押圧部が存在し、前記被押圧部は、前記中間当接部に対応する位置に設定されることを特徴とする。
本発明によれば、駐車ブレーキ装置が制動状態の解除のとき、第1プレート体はプレート押圧機構よる押圧を受けないため、第1プレート体及び第2プレート体と圧接されない。
他方、制動状態の時には、第1プレート体はプレート押圧機構の押圧を受け、第1プレート体は第2プレート体を押圧し、第2プレート体はブレーキディスクを押圧する。
第1当接面又は第2当接面に形成される端部当接部及び中間当接部との境界に段差部が形成されていることから、プレート押圧機構が局所的に集中する押圧力を第1プレート体の被押圧面に付与しても、第2プレート体に対する押圧力は段差部付近に主に分散される。
つまり、制動時において、第1当接面と第2当接面における著しい面圧の較差が存在しても、回転軸に対する制動力が低下しないように面圧が分散される。
また、本発明では、上記の駐車ブレーキ装置において、前記段差部は前記第1当接面において上下一対の平行な段差であってもよい。
本発明によれば、ピストンプレートの収容スペースが制約を受けたり、制動時において著しい面圧の較差がピストンプレートに存在しても、制動力の低下を防止することができる駐車ブレーキ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置について図面を参照して説明する。
この実施形態に係る駐車ブレーキ装置は、産業車両としてのフォークリフトが備える湿式駐車ブレーキに適用した例である。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置を示す縦断面図であり、フォークリフトにおける駆動力伝達手段の一部が示されている。
駆動力伝達手段は、第1〜第3ケース部材12、13、14の組み合わせから構成される軸ケース11を備えている。
軸ケース11内に形成される空間部15には潤滑油が充填され、回転自在の出力軸16が軸ケース11内を貫通して収容されている。
出力軸16は駆動源からの回転力を図示しない車輪に伝達する軸体であり、小径軸部16aと大径軸部16bを有する。
出力軸16の一方(図1において右側)には、図示しない差動機構(デフ)と連結され、他方(図1において左側)は図示しない変速機構と連結されている。
差動機構はデフケース18を備えており、デフケース18には出力軸16の一部が貫通される筒状の軸支部19が備えられている。
出力軸16とデフケース18は同期回転及び差動回転自在である。
この実施形態では出力軸16及び軸支部19は回転軸として機能する。
軸支部19の差動機構側と第1ケース部材12との間には軸受20が介装されている。
つまり、回転軸は軸受20を介して軸ケース11に回転自在に支持されていると言える。
出力軸16における第3ケース部材14を臨む部位は、拡径された大径軸部16bを形成しており、大径軸部16bと第3ケース部材14との間には環状のシール部材21が介装されている。
シール部材21は空間部15から変速機構側への潤滑油の漏洩を防止する。
ところで、第2ケース部材13には通孔13aが形成されており、通孔13aの内周面は軸支部19の外周面の一部と対向している。
第2ケース部材13を臨む軸支部19の外周面には、有孔円盤状の多数のブレーキディスク25がスプライン嵌合により配設されている。
軸支部19において回転軸の軸方向に連設されるブレーキディスク25は出力軸16の軸方向と直角な摩擦面を有する。
スプライン嵌合のブレーキディスク25は、回転軸の軸方向へ移動自在であり、かつ、回転軸の回転方向に対して係止されている。
従って、ブレーキディスク25は軸支部19の回転に伴い、軸支部19と同期回転する。
第2ケース部材13の通孔13aの内周面には、有孔円盤状の多数のステータ26が配設されている。
これらのステータ26は、第2ケース部材13において回転軸の軸方向に連設されており、出力軸16の軸方向と直角な摩擦面を有する。
ステータ26の外周縁は、第2ケース部材13に対して回転軸の回転方向に対して係止される係止爪(図示せず)を有する。
第2ケース部材13の内周面には、ステータ26の係止爪に対応する係止用溝(図示せず)が回転軸の軸方向に沿って形成されている。
このため、ステータ26は回転軸の軸方向へ移動自在である。
これらのステータ26とブレーキディスク25は、回転軸の軸方向において交互に配置されている。
この実施形態ではステータ26の摩擦面がブレーキディスク25の摩擦面と対向する。
最も差動機構側に近いブレーキディスク25は、第1ケース部材12の端面と対向する。
第2ケース部材13には、最も変速機構側に近い最端のブレーキディスク25に対向する有孔円盤状のピストンプレート29が係止されている。
この実施形態のピストンプレート29は、次に説明するプレート押圧機構38を軸方向に臨む第1プレート体30と、ブレーキディスクを軸方向に臨む第2プレート体35とから成る。
第1プレート体30は、プレート押圧機構38の押圧を受け、第2プレート体35に圧接されるプレートである。
第2プレート体35は、プレート押圧機構38の押圧を受ける第1プレート体30と圧接されるほか、最端のブレーキディスク25と圧接されるプレートである。
第1プレート体30及び第2プレート体35は弾性を有する金属材料から形成されている。
図2及び図3に示すように、第1プレート体30の中心には軸支部19の挿通を許容する貫通孔31が形成されている。
第1プレート体30の外周には、外径側へ向けて突出する係止爪30aが設けられている。
この係止爪30aは第2ケース部材13における図示しない係止用溝に対応する。
さらに、図1及び図2に示すように、第1プレート体30の外周縁において外側へ突出されるスプリング受け部30bが第1プレート体30に備えられている。
スプリング受け部30bは、第1ケース部材12と第1プレート体30との間に介在されるリターンスプリング42を一端を受けるものとなっている。
リターンスプリング42は、制動状態から制動状態の解除の際に、第1プレート体30を原位置へ復帰させる付勢力を有する復帰手段である。
この実施形態では、リターンスプリング42を用いた復帰手段としたが、例えば、ブレーキディスク25、ステータ26の隙間が狭く、摺動の際の抵抗が小さい場合には、ブレーキディスク25の回転に伴う潤滑油のせん断により生じる圧力を利用し、ブレーキディスク25、ステータ26とともに第1プレート体30や第2プレート体35を原位置へ復帰させるようにしてもよい。
この場合、復帰手段としてのリターンスプリング42やスプリング受け部30bが不要となる。
第1プレート体30は、プレート押圧機構38に押圧される被押圧面32と、第2プレート体35と当接する第1当接面33を有する。
被押圧面32は、出力軸16の軸方向と直角な平坦面にて形成されている。
被押圧面32における貫通孔31の左右両側には、プレート押圧機構38と当接する被押圧部32aが存在する。
被押圧面32の反対の面である第1当接面33は、第1当接面33の特定の径方向である上下方向において、第1当接面33の上下の外周寄りに形成された上下一対の端部当接部33aと、上下一対の端部当接部33aの間に形成された左右一対の中間当接部33bを有する。
一対の端部当接部33a及び中間当接部33bはいずれも出力軸16の軸方向と直角な平坦面にて形成されている。
端部当接部33aが中間当接部33bよりもブレーキディスク25の摩擦面と近くなるように、端部当接部33a及び中間当接部33bの境界には段差を有する段差部34が形成されている。
このため、端部当接部33aに対応する部位の板厚は、中間当接部33bに対応する部位の板厚よりも大きく設定される。
この実施形態の段差部34は第1当接面33において上下一対の平行な段差である。
第2プレート体35と圧接する第1当接面33に段差部34を設けることは、プレート押圧機構38からの押圧力を被押圧部32aに集中して受けたとき、第2プレート体35との圧接の状態で段差部34付近へ第2プレート体35に対する押圧力を分散する意図がある。
因みに、プレート押圧機構38と当接する被押圧部32aは、左右一対の中間当接部33bに対応する位置に設定される。
なお、図3の第1プレート体30の説明図において、第1プレート体30の正面図と、側面図と、平面図とを示している。
図4は第1当接面33側から見た第1プレート30の斜視図である。
図3及び図4に示される第1プレート体30の段差部34の段差は説明の便宜上、実際の段差よりも誇張して図示している。
第1プレート体30における実際の段差は、視覚的に把握できる程度の段差である。
次に、第2プレート体35について説明する。
第2プレート体35は有孔円板状の形態を呈しており、第2プレート体35の外周には、外径側へ向けて突出する係止爪(図示せず)が設けられている。
この係止爪は第2ケース部材13の図示しない係止用溝に対応する。
第2プレート体35は、第1プレート体30と対向する第2当接面36と、最端のブレーキディスク25と圧接するディスク当接面37を有する。
第2当接面36及びディスク当接面37はいずれも出力軸16の軸方向と直角な平坦面にて形成されている。
次に、プレート押圧機構38について説明する。
プレート押圧機構38は、制動時において第1プレート体30をブレーキディスク25へ向けて押圧するための機構である。
プレート押圧機構38は、図2に示すように、回転軸の下方を横切る支点軸39と、支点軸39に取り付けられた押圧部材としてのフォーク40と、支点軸39の端部に固定された傾動レバー41と、図示しないワイヤーと接続され、操作により傾動レバー41を連動させる操作レバー(図示せず)と、を有する。
操作レバーはトグル式のレバーであって、操作レバーを制動状態したときに一定の押圧力をフォーク40に作用させるON・OFFタイプのレバーである。
支点軸39は軸ケース11に対して回動自在に支持される軸体であり、第1プレート体30近傍の回転軸の下方を横切る。
フォーク40は支点軸39を支点として揺動される部材であり、揺動により第1プレート30を押圧する。
図2に示すように、フォーク40は揺動の際に回転軸と干渉しないように二又状の形態を呈している。
第1プレート体30を押圧するフォーク40の押圧部40aは、図1に示すように、出力軸16の両側において軸芯Aとほぼ同じ高さとなっている。
つまり、押圧部40aは第1プレート体30の被押圧面32における左右一対の被押圧部32aを臨む。
フォーク40は、制動時において第1プレート体30の被押圧部32aを押圧する。
このように、この実施形態の駐車ブレーキ装置は、ブレーキディスク25と、ステータ26と、第1プレート体30及び第2プレート体35から成るピストンプレート29と、プレート押圧機構38から主に構成され、プレート押圧機構38が第1プレート体30を押圧し、第1プレート体30及び第2プレート体35の押圧に基づくブレーキディスク25とステータ26との当接により回転軸に対する制動力を得る構成となっている。
次に、この実施形態に係る駐車ブレーキ装置の作用について説明する。
まず、駐車ブレーキ装置の制動状態が解除されている状態では、プレート押圧機構38のフォーク40は、第1プレート体30と干渉せず第1プレート体30を押圧しない。
図5(a)に示すように、駐車ブレーキ装置の制動状態が解除されているとき、第1プレート体30の被押圧面32と第2プレート体35の第2当接面36との間隙と、第2プレート体35のディスク当接面37とブレーキディスク25との間隙と、各ブレーキディスク25と各ステータ26との間隙は維持され、このとき、回転軸は回転可能な状態にある。
なお、図5(a)に示す第1プレート体30の段差部34の段差は、説明の便宜上、実際の段差よりも誇張して図示している。
次に、駐車ブレーキ装置を制動状態とする場合について説明する。
操作レバーを制動側となるように操作すると、傾動レバー41が連動して支点軸39を支点として回動する。
支点軸39の回動によりフォーク40が第1プレート体30の被押圧部32aと当接し、さらなる支点軸39の回動に伴いフォーク40は第1プレート体30を押圧する。
このときフォーク40は、第1プレート体30の被押圧面32における被押圧部32aを集中して押圧する。
第1プレート体30は、フォーク40の押圧を受けてブレーキディスク25側の軸方向へ移動される。
フォーク40の押圧に基づく第1プレート体30の軸方向への移動により、第1プレート体30における端部当接部33aが第2プレート体35に当接され、さらに、第2プレート体35がブレーキディスク25に当接される。
フォーク40の押圧が継続されることにより、各ブレーキディスク25と各ステータ26との間隙も狭くなり両者25、26は当接する。
そして、フォーク40による押圧力がさらに増大すると、最終的には図5(b)に示すように、第1プレート体30は第2プレート体35に押し付けられて弾性変形する。
このとき、ブレーキディスク25と当接する中間当接部33bの中央付近は、弾性変形により軸方向へ湾曲し、第2プレート体35の第2当接面36と当接する。
この状態では、被押圧部32aにおいてフォーク40から集中して受ける押圧力は、段差部34を中心とする領域に分散され、段差部34付近の第2プレート体35に対する面圧は他の部位と比較して高い状態にある。
この実施形態では、図6(a)に示すように、段差部34を中心とする面圧の高い領域S(図6(a)においてハッチングにて示す範囲)が段差部34毎に生じるから、大部分の押圧力は4箇所の領域Sを通じて第2プレート体に作用する。
つまり、第1プレート体30に設けた4箇所の段差部34は、被押圧部32aが受ける局所的な押圧力を領域Sに分散し、第2プレート体35との当接面において著しい面圧の較差が存在しても、第2プレート体35に対してバランスの良い押圧力を付与する。
第1プレート体30において較差のある面圧がバランスよく分散される点について、図6(b)に示す比較例を用いてさらに説明する。
図6(b)に示す比較例では、段差部を備えない平坦状の第1当接面を有する第1プレート体Wを用いた例である(説明の便宜上、第1プレート体Wを除く以外の要素は符号を共通して用いる。)。
この例では、図6(b)に示すように、第1プレート体Wと第2プレート体35との当接面において、第1プレート体Wの局所的な撓みによりフォーク40の当接する左右の被押圧部T付近にのみ面圧の高い領域S(図6(b)においてハッチングにて示す範囲)が生じ、例えば、上下は面圧が低い領域が生じる。
つまり、段差部を備えない第1プレート体Wと第2プレート体35との当接面において著しい面圧の較差がバランスの悪い状態で生じていると言える。
このように、この比較例の第1プレート体Wとの比べると、段差部34を有する第1プレート体30では、第1プレート体30と第2プレート体35との当接面における著しい較差のある面圧がバランス良く分散されている。
第1プレート体30と第2プレート体35との当接面における著しい面圧の較差がバランス良く分散されていることにより、各ブレーキディスク25と各ステータ26の摩擦面において著しい面圧の較差が存在してもバランスの良い状態にある。
各ブレーキディスク25と各ステータ26の摩擦面において著しい面圧の較差がバランス良く分散されている状態では、回転軸に対する十分な制動力が得られる。
この実施形態では、操作レバーがトグル式のレバーであることから、操作レバーを制動側となるように操作すると、所定以上の押圧力がフォーク40を通じて第1プレート体30に作用するように設定されている。
駐車ブレーキ装置の制動状態を解除する場合、操作レバーを解除側となるように操作することにより、フォーク40の第1プレート体30に対する押圧が解除される。
このため、フォーク40の押圧を受けて平坦状に変形されていた第1プレート体30は弾性により元の湾曲状の形態に復帰する。
また、第1プレート体30がリターンスプリング42の付勢力を受けて原位置へ復帰されるとともに、ブレーキディスク25、ステータ26は潤滑油の圧力を受けてフォーク40側の軸方向へ移動され、原位置へ復帰する。
この本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置によれば、以下の効果を奏する。
(1)制動状態の時には、第1プレート体30はフォーク40の押圧を受け、第1プレート体30及び第2プレート体35は互い圧接され、第2プレート体35とブレーキディスク25は圧接される。端部当接部33a及び中間当接部33bとの境界に段差部34が形成されていることから、フォーク40が局所的に集中する押圧力を第1プレート体30の被押圧部32aに付与しても、押圧力を段差部34付近に主に分散することができる。つまり、制動時において、第1当接面33と第2当接面36における著しい面圧の較差が存在しても、回転軸に対する制動力が低下しないように面圧が分散される。
(2)プレート押圧機構38のフォーク40が第1プレート体30の被押圧面32における被押圧部32aをブレーキディスク25の軸方向へ押圧するから、フォーク40が被押圧部32aを押圧し、フォーク40の押圧力を増大するだけでピストンプレート29とブレーキディスク25との圧接が可能である。従って、局所的に大きく押圧力を作用させるプレート押圧機構38を用いることができる。
(3)第1当接面33において段差部34を設けた第1プレート体30を用いることから、第1プレート体30の板厚を増大させる場合と比較して、駐車ブレーキ装置の軸方向のスペースを抑制することができ、軸方向のスペースが制約を受ける場合でも、制動時においてピストンプレート29とブレーキディスク25とのディスク当接面37において著しい面圧の較差が存在しても、回転軸に対する制動力が低下しないように面圧がバランス良く分散される。また、駐車ブレーキ装置の重量増加を防止することができる。
(4)第1プレート体30における中間当接部33bと段差部34は、例えば、切削加工により比較的簡単に同時に形成できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
上記の実施形態では、ピストンプレート29における第1プレート体30の第1当接面33に、端部当接部33a、中間当接部33b、段差部34を形成したが、例えば、図7(a)及び図7(b)に示すピストンプレート51を用いてもよい。この別例に係るピストンプレート51では、第1プレート体52の押圧面54と第1当接面55を段差部のない平坦面とし、第2プレート体56の第2当接面58に端部当接部58a、中間当接部58b、段差部59が形成されている。
この場合、制動時において、フォーク40が第1プレート体52の被押圧面72に押圧すると、図7(b)に示すように、第1プレート体52と第2プレート体56、第2プレート体56とブレーキディスク25、ブレーキディスク25とステータ26は夫々圧接され、第1プレート体52は中間当接部58bに対応する部位で弾性変形する。
このとき、段差部59を中心とする面圧の高い領域が段差部77毎に生じるから、大部分の押圧力は4箇所の領域を通じて第2プレート体56に作用する。
つまり、第2プレート体56に設けた4箇所の段差部34は、第1プレート体52との当接面における著しい面圧の較差が存在しても、回転軸に対する制動力が低下しないように面圧を分散する。
また、上記の実施形態では、第1当接面33における端部当接部33a及び中間当接部33bが形成される特定の径方向として、上下の径方向としたが、特定の径方向は上下や左右の方向に特定されない。
さらに、上記の実施形態では、段差部34において端部当接部33a及び中間当接部33bを結ぶ壁部は軸芯Aと平行とし、壁部と夫々の当接部33a、33bが形成する角部は直角としたが、壁部を傾斜させたり、角部を曲線や直線による面取り部を設けてもよい。
また、上記の実施形態では、段差部34が互いに平行となるように形成されたが、例えば、図8に示すように、径方向の段差部62を有する第1プレート体61を用いてよい。
この場合、径方向の段差部62が形成されることにより、第1当接面63における端部当接部63aと中間当接部63bの形状が上記の実施形態とは異なる。
この場合も上記の実施形態と同様に、第1プレート体61と第2プレート体(図示せず)との当接面における著しい面圧の較差が存在しても、回転軸に対する制動力が低下しないように面圧が分散される。
上記の実施形態では、プレート押圧機構38の押圧部材は支点軸を用いた揺動式のフォーク40を備えたが、押圧部材は揺動式のフォーク40に限定されず、軸方向に進退する押圧部材でもよく、少なくとも第1プレート体30における被押圧部32aを回転軸の軸方向へ押圧する押圧部材であれば特にその種類や構造は特に問われない。
上記の実施形態では、第2プレート体35は専用の部材を用いたが、ステータ26を第2プレート体として用いてもよい。
この場合、第1プレート体30の段差部34による境界を持つ端部当接部33a及び中間当接部33bが圧接されるから、ステータ26の摩擦面は、耐久性のある材料により形成することが好ましい。
ステータ26を第2プレート体として用いることにより、専用の第2プレート体を準備する必要がない。
本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置の要部を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置が備えるピストンプレートの正面、平面、側面を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る第1プレート体の斜視図である。 本発明の実施形態に係る駐車ブレーキ装置の動作を説明する要部側面図であり、図5(a)は制動状態が解除された状態を示し、図5(b)は制動状態を示す。 ピストンプレートにおける著しい面圧の較差是正を説明する説明図であり、図6(a)は実施形態に係る第1プレート体の正面図であり、図6(b)は比較例に係る第1プレート体の正面図である。 別例に係るピストンプレートの側面図であり、図7(a)は制動状態が解除された状態を示し、図7(b)はは制動状態を示す。 段差部の別例を示す第1プレート体の背面図である。
符号の説明
11 軸ケース
12 第1軸ケース部材
13 第2軸ケース部材
14 第3軸ケース部材
16 出力軸
19 軸支部
25 ブレーキディスク
26 ステータ
30、52 61 第1プレート体
32、54 被押圧面
32a、54a 被押圧部
33、55、63 第1当接面
33a、58a、63a 端部当接部
33b、58b、63b 中間当接部
34、59、62 段差部
35、56 第2プレート体
36、58 第2当接面
37、60 ディスク当接面
38 プレート押圧機構
39 支点軸
40 フォーク
40a 押圧部
41 傾動レバー
A 出力軸軸芯

Claims (2)

  1. 軸ケース内の回転軸に対してブレーキディスクが該回転軸の軸方向へ連設され、前記軸ケースに係止されるステータが前記ブレーキディスクの間に介装され、有孔円盤状のピストンプレートが最端の前記ブレーキディスクと対向して前記軸ケースに係止され、前記ピストンプレートをブレーキディスクへ向けて押圧するプレート押圧機構が備えられ、前記ブレーキディスクと、前記ステータと、前記ピストンプレートは前記回転軸の軸方向へ移動自在であり、前記プレート押圧機構が前記ピストンプレートを押圧することにより、前記ブレーキディスクと前記ステータとの当接により前記回転軸に対する制動力を得る駐車ブレーキ装置において、
    前記ピストンプレートは、前記軸方向へ連設される第1プレート体及び第2プレート体から成り、
    前記第1プレート体は、前記プレート押圧機構に押圧される被押圧面と、前記第2プレート体と当接する第1当接面を有し、
    前記第2プレート体は前記ブレーキディスクと圧接するディスク当接面と、前記第1プレート体と対向する第2当接面を有し、
    前記第1当接面又は前記第2当接面は、該当接面の特定の径方向において外周寄りに形成された一対の端部当接部と、一対の該端部当接部の間に形成された中間当接部を有し、
    前記端部当接部は軸方向に直角な平坦面であり、
    前記端部当接部を前記中間当接部よりも前記ブレーキディスクに接近する位置に設定する段差部が、前記端部当接部と前記中間当接部との境界に形成され
    前記被押圧面には前記プレート押圧機構と当接する被押圧部が存在し、
    前記被押圧部は、前記中間当接部に対応する位置に設定されることを特徴とする駐車ブレーキ装置。
  2. 前記段差部は前記第1当接面において上下一対の平行な段差であることを特徴とする請求項1記載の駐車ブレーキ装置。
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