JP4773904B2 - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスタービン燃焼器に関するものである。
ガスタービンプラントは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを有している。圧縮機は空気を取り込んで圧縮し、高圧の圧縮空気を吐出する。圧縮機から吐出された圧縮空気は、燃焼用空気として燃焼器に取り入れられ、燃焼器に供給された燃料とともに燃焼して高温の燃焼ガスとなる。この燃焼ガスはタービンに取り入れられ、動翼及び静翼間を燃焼ガスが流れることによりタービンを駆動する。
このようなガスタービンプラントにおいては、燃料が燃焼される際、燃焼器内に燃焼振動を発生することがある。ガスタービンプラントが安定して運転されるためには、燃焼器の燃焼振動を効果的に抑制することが望まれる。
上述した燃焼振動の低減対策として、特に、横断面内で節を1つ以上有する超高サイクル振動(燃焼器内周方向モード)に有効な燃焼振動の低減対策として、多数の孔が設けられている燃焼筒の外周領域に音響ライナと呼ばれる燃焼振動低減手段を取り付けることが知られている。この音響ライナは、燃焼筒の外周面適所にハウジングを固定して取り付けることにより、消音器としての役割を担う共鳴器(レゾネータ)の空間を形成したものである。このような音響ライナにおいては、燃焼筒内の燃焼ガスと音響ライナ内の燃焼ガスとが共鳴し、燃焼筒内及び音響ライナ内の空間を連通状態とする孔の壁面で生じる摩擦によって燃焼振動が減衰される。(たとえば、特許文献1参照)
特開2005−76982号公報(図1、図2A及び図3参照)
ところで、上述した従来技術の音響ライナは共鳴箱の一種であるから、音響ライナの内部空間には大きな圧力変動が発生している。このため、燃焼筒の外周面に共鳴箱となる空間を形成するハウジングの損傷が懸念される。特に損傷の懸念が大きい場所は、ハウジングを燃焼筒に固定している溶接部や、この溶接部から離れたハウジング頂部付近に穿設されている孔のように、応力集中を生じやすい部分である。
このような音響ライナ(ハウジング)の損傷は、燃焼振動の低減機能を損なうだけでなく、燃焼筒内に供給される燃焼空気量にも影響を及ぼすことになるため、ガスタービン燃焼器にとって好ましいことではない。
このよう背景から、音響ライナ内に大きな圧力変動が発生しても、音響ライナを損傷させることのないガスタービン燃焼器が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音響ライナ内に大きな圧力変動が発生しても損傷することのないガスタービン燃焼器を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るガスタービン燃焼器は、内部に燃焼領域を形成する燃焼筒が、外周面に取り付けたハウジングにより形成された周方向の燃焼振動抑制用の共鳴空間を備えているガスタービン燃焼器において、前記共鳴空間の内部に、内壁面との摩擦により減衰を付与する摩擦接触部を備えた減衰手段を配設したことを特徴とするものである。
このようなガスタービン燃焼器によれば、共鳴空間の内部に、内壁面との摩擦により減衰を付与する摩擦接触部を備えた減衰手段を配設したので、ハウジングの構造振動が低減されて小さくなる。
上記の発明において、前記減衰手段は、音響特性維持処理を施すとともに波形に成形された板ばねであることが好ましく、これにより、波形の板ばねが内壁面に沿って摺動する際に摩擦を発生し、この摩擦によりハウジングの構造振動低減される。このとき、板ばねに音響特性維持処理を施すことで、燃焼振動抑制用の共鳴空間が音響特性を損なうようなことはない。
なお、この場合の板ばねは、共鳴空間を形成する内壁面に溶接等で固定してもよいし、あるいは、固定しないで弾性等により保持されるようにしてもよい。
上記の発明において、前記板ばねは、たとえば周方向等を複数に分割したものが好ましく、これにより、組立性や保守性が向上する。
上記の発明において、前記板ばねは、板厚方向に複数枚重ねられたものが好ましく、これにより、重ね合わせた板ばねの接触面間にも摩擦が発生するので、この摩擦によっても減衰が付加される。
この場合の板ばねは、周方向を複数に分割する位置をずらして重ねてもよい。
上記の発明において、前記板ばねの少なくとも一面と接するように設置したベース部材を備え、該ベース部材が、音響特性維持処理を施すとともに前記内壁面から離間した位置で前記板ばねと接する幅方向中央の減衰付与部と、幅方向両端に設けられて前記内壁面に接する接触面部と、前記減衰付与部と前記接触面部との間を連結する脚部とを備えていることが好ましく、これにより、ベース部材、板ばね及び内壁面の摺動面間に発生する摩擦によって減衰が付加される。また、燃焼筒とベースとの接触面積が接触面部のみと小さくなるので、燃焼筒に穿設された孔が塞がれる可能性を低減できる。
なお、この場合のベースは、共鳴空間を形成する内壁面に溶接等で固定してもよいし、あるいは、固定しないで弾性等により保持されるようにしてもよい。
この場合、上記のベースは、前記接触面部及び前記脚部に周方向へ所定のピッチで設けられたスリットを備えていることが好ましく、これにより、ベースが周方向に変形しやすくなる。このため、ベースを固定しない構造とすれば、接触面部と内壁面との間にも摩擦が発生して減衰を付加することができる。
上記の発明において、前記板ばね及び前記ベース部材は、前記共鳴空間を形成する素材よりも耐摩耗性を低く設定されていることが好ましく、これにより、板ばね及びベース部材側に摩減が生じることとなる。従って、運転による消耗・交換部品は、板ばね及びベース部材となる。
上記の発明において、前記音響特性維持処理は、摩擦接触部を除いた位置に穿設された孔であることが好ましく、これにより、共鳴空間内に配設された板ばねやベースによる燃焼振動低減の音響特性が損なわれることはない。なお、この場合の開口率は、概ね20%以上とすればよい。
上述した本発明によれば、共鳴空間の内部に、内壁面との摩擦により減衰を付与する摩擦接触部を備えた板ばね等の減衰手段を配設したので、ハウジングの構造振動を低減することができる。従って、共鳴空間内に大きな圧力変動が発生しても、減衰手段が摩擦により構造振動を低減するので、ハウジングの損傷を防止して信頼性や耐久性を向上させることができる。
以下、本発明に係るガスタービン燃焼器の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図2を参照すると、ガスタービン燃焼器(以下、「燃焼器」と呼ぶ)1の構成が示されている。燃焼器1は、燃焼筒2を備えている。燃焼筒2は、内部に燃焼領域9を形成し、外部に冷却空気領域7と接する筒状をなしている。燃焼筒2の上流側には、予混合ノズル4と、パイロットノズル6とが設けられている。燃焼筒2には、空気を導入するためのバイパス流路8が設けられている。燃焼筒2には、図示しない圧縮機から吐出される圧縮空気の一部を導入するための空気取入れ口13が設けられている。
燃焼筒2には、たとえば図3に示すように、多数の孔14が設けられている。孔14が設けられた領域における燃焼筒2の外周(燃焼筒2から見て冷却空気領域7に接する側)には、燃焼筒2の壁面との間に空間を形成するハウジング10a,10bが取り付けられている。ハウジング10a,10bの側面には冷却孔12が設けられている。冷却孔12は、ハウジング10a、10bの上流側により多く設けられていることが好ましい。ハウジング10a、10bの燃焼筒2の壁面に対向する面には、パージ孔22が設けられている。
以下、多数の孔14とハウジング10a,10bで構成される燃焼振動抑制用の共鳴空間を音響ライナ30と称する。
燃焼筒2の空気取入れ口13が設けられている部分の内周(燃焼筒2から見て燃焼領域9の側)には、燃焼筒2の壁面との間に空間を形成するハウジング10cが設けられている。ハウジング10cが燃焼筒2と接する接合部は、下流側に隙間16を有しており、この隙間16によりハウジング10cの内部と燃焼領域9とは連通している。空気取入れ口13は、ハウジング10cが設けられていない部分にも設けられていることが好ましい。ハウジング10cは予混合ノズル4の近傍に設けられているが、より下流側に設けられてもよい。
図2(b)は、図2(a)に示される燃焼器1のA−A断面図である。この場合のハウジング10aは、燃焼筒2の外周を一周して環装されている。ハウジング10aの内部は仕切りが設けられておらず、一体的な空間をなしている。そのため、ハウジング10aは製造が容易であり、軽量である。
燃焼領域9には、他よりも高温となる高温領域17がある。高温領域17は、概ね予混合ノズル4の下流に位置している。高温領域17に近い場所における燃焼筒2の壁面には、孔14が多く設けられている。高温領域17からより遠い場所における燃焼筒2の壁面には、孔14がより少なく設けられているか、または孔14が設けられていない。
<第1の実施形態>
このように、内部に燃焼領域9を形成する燃焼筒2が、外周面に取り付けたハウジング10a,10bにより形成された周方向の燃焼振動抑制用の共鳴空間となる音響ライナ30を備えている燃焼器1に対し、たとえば図1に示す実施形態のように、音響ライナ30の共鳴空間内部に、内壁面との摩擦により減衰を付与する減衰手段として、板ばね40を配設している。この板ばね40は、後述する音響特性維持処理を施すとともに、波形に成形されている。
また、減衰手段については、板ばね40に限定されることはなく、たとえば端部にあて板を設けたコイルバネのように、音響特性維持処理を施した波形の板ばね40と同様に、内壁面との間に生じる摩擦により減衰を付与できるものであればよい。
図1に示す板ばね40は、周方向に連通している音響ライナ30の共鳴空間内で連続するリング状とされ、波形の頂部41が内壁面に接している。すなわち、板ばね40は、摩擦接触部となる頂部41が燃焼筒2の外周面及びハウジング10aの内周面に接することにより、適度に弾性変形した状態で配設されている。この場合、板ばね40は、音響ライナ30の内壁面に対し溶接等で要所を適宜固定してもよいし、あるいは、固定しないで弾性等により摩擦接触した状態に保持されるようにしてもよい。
また、板ばね40の素材には、音響ライナ30の共鳴空間を形成する素材、すなわち、燃焼筒2及びハウジング10aより耐摩耗性の低いものを採用することが好ましい。
板ばね40の好適な音響特性維持処理としては、内壁面との間に摩擦を生じる接触面積を確保するため、摩擦接触部である頂部41を除いた位置に多数穿設した円形の孔42がある。すなわち、音響ライナ30の共鳴空間に配設された板ばね40が空間を分断する遮蔽物となり、結果的に燃焼振動低減の音響特性が損なわれることを防止するため、板ばね40に大きな開口率を形成するように多数の孔42を設けたものである。この場合の開口率は、概ね20%以上とすればよい。
また、上述した音響特性維持処理としては、たとえば図10に示すような変形例も可能である。この変形例では、多数の孔42に代えて、摩擦接触部である頂部41を除いた位置に略矩形形状とした矩形孔43を設けた板ばね40′が示されている。なお、図示の例では、隣接する波形の頂部41間に1つの矩形孔43を穿設してあるが、開口率が概ね20%以上確保されていれば、複数に分割した矩形孔や他形状の孔としてもよい。
上述したように、音響ライナ30の共鳴空間内に板ばね40を配設すると、燃焼器1の運転により、多数の孔14で連通する燃焼領域9内の燃焼ガスと音響ライナ30内の燃焼ガスとが共鳴し、音響ライナ30内の共鳴空間内に大きな圧力変動を生じる。この圧力変動によってハウジング10aが振動する。このため、弾性を有する板ばね40は、適度の押圧力をもって内壁面に接している頂部41が、内壁面との間に摩擦を生じながら周方向へ摺動して往復する。このとき発生する摩擦力は、摺動を阻止するブレーキ力として作用するので、圧力変動のエネルギは摩擦力に変換される。このように、音響ライナ30内に配設された板ばね40は、摩擦力を発生させてハウジング10aの構造振動を低減させる減衰手段として機能するので、ハウジング10aの発生応力は小さくなる。従って、共鳴空間内に大きな圧力変動が発生しても、板ばね40が摩擦によりハウジング10aの構造振動を低減させるので、音響ライナ30の損傷を防止することができる。
このとき、圧力変動を受ける板ばね40には、多数の孔42を穿設するなどして音響特性維持処理を施してあるので、板ばね40自体が共鳴空間内を分断する遮蔽物となることはなく、従って、燃焼振動抑制用の共鳴空間が音響特性を損なうようなことはない。
また、板ばね40の耐摩耗性が音響ライナ30の共鳴空間を形成する素材より低く設定されているので、燃焼器1の運転により生じる摩減は板ばね40側に生じることとなる。このため、運転による消耗・交換部品は、燃焼器本体側の部材をそのままにして板ばね40を交換すればよく、従って、メンテナンス等による部品交換が容易になる。
ところで、上述した実施形態では、音響ライナ30が燃焼筒2の全周にわたって設けられたものであるが、たとえば図4に示す第1変形例のように、周方向の一部を除いて設けられた音響ライナ30Aについても、減衰手段として同様の板ばね40を採用することができる。なお、この場合、音響ライナ30Aの共鳴空間内には、連続する1本の板ばね40が配設されている。
また、たとえば図5に示すように、周方向が複数に分割された音響ライナ30Bについても、減衰手段として同様の板ばね40を採用することができる。なお、この場合、各音響ライナ30Bの共鳴空間内には、連続する1本の板ばね40が各々配設されている。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を図6に示して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、音響ライナ30の共鳴空間内に配設される板ばね40Aが、周方向へ複数に分割されている。図示の例では、周方向を90度ピッチに4分割した板ばね40Aを組み合わせることにより、音響ライナ30内の全周にわたって配設された板ばねが形成されている。この場合の板ばね40Aは、上述した板ばね40と同様に、音響ライナ30の内壁面に対し溶接等で要所を適宜固定してもよいし、あるいは、固定しないで弾性等により摩擦接触した状態に保持されるようにしてもよい。
なお、板ばね40Aの音響特性維持処理については、孔41や矩形孔43等から適宜選択すればよい。
このような板ばね40Aを採用することにより、全周にわたって連続する1本の板ばね40と比較して、組立性や保守性が向上する。すなわち、1本当たりの長さが短い板ばね40Aを組み合わせる構成は、たとえば高さが20〜25mm程度と狭い共鳴空間内の所定位置に配設する作業が容易になり、しかも、摩耗等による部品交換も分割した部分毎の状況判断により実施可能となる。
なお、このような分割構造の板ばね40Aは、その分割数を適宜変更可能であり、さらに、図4及び図5に示した音響ライナ30A,30Bへの適用も可能である。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を図7に示して説明する。なお、上述した第1及び第2の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、音響ライナ30の共鳴空間内に配設される板ばね40Bが、板厚方向に複数枚の板ばねを重ねた構成とされる。この場合の板ばね40Bは、素材やばね定数等が同様のものを複数枚重ねてもよいし、あるいは、素材やばね定数等が異なるものを複数枚重ねてもよい。図示の例では、全周にわたって連続する外周板ばね40aと内周板ばね40bとを、互いの相対移動を可能に重ね合わせた板ばね40Bが採用されている。また、板ばね40Bは、上述した板ばね40と同様に、音響ライナ30の内壁面に対し溶接等で要所を適宜固定してもよいし、あるいは、固定しないで弾性等により摩擦接触した状態に保持されるようにしてもよい。
なお、板ばね40Bの音響特性維持処理については、孔41や矩形孔43等から適宜選択すればよい。
このような板ばね40Bを採用することにより、板厚方向の重ね合わせがない板ばね40と比較して、相対移動可能な板ばね間にも摩擦力が発生する分大きな圧力変動の減衰が付加される。すなわち、外周板ばね40aと内周板ばね40bとの接触面間にも相対移動による摺動の摩擦力が発生するので、減衰付与が増大し、音響ライナ30の共鳴空間内部に発生する構造振動はより一層減衰されて小さくなる。従って、共鳴空間内に大きな圧力変動が発生しても、板ばね40が摩擦により減衰させるので、構造振動が低減されて音響ライナ30の損傷を防止することができる。
なお、このような重ね合わせた構造の板ばね40Bは、図4及び図5に示した音響ライナ30A,30Bへの適用も可能である。
ところで、上述した重ね合わせ構造の板ばね40Bは、図6に示す第2の実施形態と同様に、周方向を複数に分割した構成の変形例を採用してもよい。この場合、外周板ばね40aと内周板ばね40bとの分割位置は、内外を同一にしてもよいし、あるいは、図8に示す変形例のように、内外をずらして重ねてもよい。図8に示す板ばね40Cは、いずれも周方向を90度ピッチに4分割された内外の板ばね40a′,40b′が、互いの分割位置を45度ずらして重ね合わせたものである。すなわち、板ばね40Cは、外周板ばね40a′が45度の位置を起点にして90度ピッチに4分割され、内周板ばね40b′が0度の位置を起点にして90度ピッチに4分割されている。
このように、周方向の分割と板厚方向の重ね合わせとを組み合わせた板ばねは、組立性や保守性の向上に加えて、内外の板ばね間に発生する摺動の摩擦力により、減衰付与を増すことができる。また、周方向の分割間の隙間に対するばねのずれを低減することができ、板ばね40が孔14を塞ぐ可能性を低減できる。
なお、このような分割構造においても、その分割数は適宜変更可能であり、さらに、図4及び図5に示した音響ライナ30A,30Bへの適用も可能である。
<第4の実施形態>
最後に、本発明の第4の実施形態を図9に示して説明する。なお、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、音響ライナ30の共鳴空間内に配設する板ばね40が、ベース部材50を介して設置されている。このベース部材50は、板ばね40の少なくとも一面と接するように、すなわち、板ばね40と燃焼筒2の外周面との間、板ばね40とハウジング10aの内周面との間、あるいは、板ばね40と燃焼筒2の外周面との間及び板ばね40とハウジング10aの内周面との間の両方に設置されるものである。
ベース部材50は、たとえば多数の孔51を穿設するような音響特性維持処理を施すとともに、音響ライナ30の共鳴空間を形成する内壁面から離間した位置で板ばね40と接する幅方向中央の減衰付与部52と、幅方向両端に設けられて共鳴空間を形成する内壁面に接する接触面部53と、減衰付与部52と接触面部53との間を連結する脚部54とを備えている。
減衰付与部52は、板ばね40の頂部41が摺動する平板状の部分であり、多数の孔51が穿設されたことにより、大きな開口率(概ね20%以上)が確保されている。孔51は、燃焼筒2の内部と音響ライナ30の共鳴空間との間を連通状態とする孔14がベース部材により塞がれて音響ライナ30の機能が損なわれないようにしたものである。
接触面部53及び脚部54は、減衰付与部52を内壁面から離間させた位置に保持する部材であり、接触面部53の幅は、減衰付与部52の幅を大きく確保するため、必要最小限に抑えることが好ましい。
このように構成されたベース部材50の素材は、板ばね40と同様に、共鳴空間を形成する部材より耐摩耗性の低いものが好ましい。ベース部材50は、内壁面に対して要所を溶接等により固定されてもよいし、あるいは、単に接触するだけで固定しなくてもよい。また、ベース部材50と板ばね40との間も、固定または非固定のいずれでもよい。
このような構成とすれば、ベース部材50と共鳴空間を形成する内壁面、ベース部材50と板ばね40及び板ばね40と共鳴空間を形成する内壁面の間に発生する摩擦によって減衰が付加される。特に、接触面部53と内壁面との間に形成される接触面は、周方向の全周にわたって連続するものであるから、この接触面の摺動により比較的大きな減衰の付与が得られる。
また、燃焼筒2とベース部材50との接触面積が両端の細い接触面部53のみと小さくなるので、燃焼筒2に多数穿設された孔14が塞がれる可能性を低減できる。すなわち、板ばね40の頂部41が燃焼筒2の外周面を摺動して孔14を塞ぐ面積と比較して、接触面部53が孔14を塞ぐ面積を小さくできる可能性が増大する。
また、ベース部材50は、接触面部53及び脚部54に周方向へ所定のピッチで設けられたスリット55を備えていることが好ましい。このスリット55を設けることにより、ベース部材50が周方向に変形しやすくなるので、接触面部53と内壁面との間の摺動が容易になり、より大きな摩擦力による減衰を付加することができる上、保守、組立性も向上する。なお、上述したスリット55は、減衰付与部52の両端部付近まで延在させてもよい。
また、ベース部材50は、燃焼筒2及びハウジング10aより耐摩耗性の低い素材を使用することにより、燃焼器1の運転により生じる摩減はベース部材50側となるので、運転による消耗・交換部品は、板ばね40及びベース部材50となる。
また、上述したベース部材50は、ベース部材自体を周方向へ分割する構成や、板ばね40に上述した各実施形態(周方向の複数分割や板厚方向の重ね合わせ等)を適宜選択した構成にも適用可能であり、さらに、周方向の全周にわたって設けられていない音響ライナ30A,30Bにも適用可能である。
上述したように、本発明の燃焼器1によれば、音響ライナ30の共鳴空間の内部に、共鳴空間を形成する内壁面との摩擦により減衰を付与する減衰手段として板ばね40を配設したので、ハウジングの構造振動を減衰させて小さくすることができる。従って、音響ライナ30の共鳴空間内に大きな圧力変動が発生しても、減衰手段の板ばね40が摺動する際の摩擦により減衰して低減されるので、共鳴空間を備えた音響ライナ30が燃焼振動低減に起因する大きな圧力変動を受けて損傷するのを防止し、信頼性や耐久性を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係るガスタービン燃焼器の第1の実施形態を示す図で、(a)は音響ライナの内部に板ばねを配設した状態を示す横断面図(図2(a)のA−A断面図)、(b)は(a)の板ばねの構成例を示す斜視図、(c)は音響ライナに板ばねを配設した状態を示す要部拡大図である。 (a)はガスタービン燃焼器の構成例を示す要部の断面図、(b)は音響ライナの内部に板ばねを配設する前の構成を示す横断面図(図2(a)のA−A断面図)である。 図2(a)の音響ライナの内部構造を示す要部断面の拡大斜視図である。 図1(a)の第1変形例を示す横断面図である。 図1(a)の第2変形例を示す横断面図である。 本発明に係るガスタービン燃焼器の第2の実施形態を示す音響ライナに板ばねを配設した状態の横断面図である。 本発明に係るガスタービン燃焼器の第3の実施形態を示す音響ライナに板ばねを配設した状態の横断面図である。 図7に示した第3の実施形態について、音響ライナに板ばねを配設した状態の変形例を示す横断面図である。 本発明に係るガスタービン燃焼器の第4の実施形態として、板ばね及びベース部材の構成例を示す斜視図である。 音響特性維持処理の変形例を示す板ばねの斜視図である。
符号の説明
1 ガスタービン燃焼器(燃焼器)
2 燃焼筒
10a ハウジング
14 孔
30,30A,30B 音響ライナ(燃焼振動抑制用の共鳴空間)
40,40′,40A,40B,40C 板ばね(減衰手段)
41 頂部
42,51 孔(音響特性維持処理)
43 矩形孔
50 ベース部材
52 減衰付与部
53 接触面部
54 脚部
55 スリット

Claims (9)

  1. 内部に燃焼領域を形成する燃焼筒が、外周面に取り付けたハウジングにより形成された周方向の燃焼振動抑制用の共鳴空間を備えているガスタービン燃焼器において、
    前記共鳴空間の内部に、内壁面との摩擦により減衰を付与する摩擦接触部を備えた減衰手段を配設したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 前記減衰手段が、音響特性維持処理を施すとともに波形に成形された板ばねであることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
  3. 前記板ばねが複数に分割されていることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン燃焼器。
  4. 前記板ばねが板厚方向に複数枚重ねられていることを特徴とする請求項2または3に記載のガスタービン燃焼器。
  5. 前記板ばねが周方向を複数に分割する位置をずらして重ねられていることを特徴とする請求項4に記載のガスタービン燃焼器。
  6. 前記板ばねの少なくとも一面と接するように設置したベース部材を備え、該ベース部材が、音響特性維持処理を施すとともに前記内壁面から離間した位置で前記板ばねと接する幅方向中央の減衰付与部と、幅方向両端に設けられて前記内壁面に接する接触面部と、前記減衰付与部と前記接触面部との間を連結する脚部とを備えていることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のガスタービン燃焼器。
  7. 前記接触面部及び前記脚部に周方向へ所定のピッチで設けられたスリットを備えていることを特徴とする請求項6に記載のガスタービン燃焼器。
  8. 前記板ばね及び前記ベース部材は、前記共鳴空間を形成する素材より耐摩耗性が低く設定されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載のガスタービン燃焼器。
  9. 前記音響特性維持処理が摩擦接触部を除いた位置に穿設された孔であることを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載のガスタービン燃焼器。
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