JP4771048B2 - ロール型 - Google Patents

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Description

本発明は、ロール型に関し、特に、アルミニウム系棒状素材を複数工程により所定形状に予備成形するロール型群のうちの所定の工程を行うロール型に関するものである。
例えば、自動車部品のステアリングナックルやコネクティングロッドのように軸方向に大きな径差のある部品を型打鍛造により製造する場合は、通常、ロール鍛造により異形の棒状粗形材を予備成形し、この粗形材を型打鍛造に供するようにしている(例えば、特許文献1参照)。また、このような型打鍛造により製造される自動車部品では、軽量化などの目的から、アルミニウム系の素材を使用して、例えば410〜460℃程度に加熱した状態でロール鍛造を行う熱間ロール鍛造により粗形材を予備成形するようになっている。
図6は、ステアリングナックルの型打鍛造に供する最終的な形状の粗形材Wを示したもので、一端側に大径部2を、中間に小径部3を、他端側に段付き中径部4をそれぞれ有すると共に、大径部2と小径部3との間並びに小径部3と中径部4との間をテーパ部5、6により連接した形状となっている。鍛造型に対して粗形材Wを位置決め載置して型打鍛造することにより、インプレッション内に材料が十分にフィルアップして、製品Aとして例えば図7に示したような所望形状のステアリングナックルが得られるようになる。
ここで、上記粗形材Wを成形するためのロール鍛造は、図8に示されるように、外周面の一部に孔型部10を有する一対のロール型11’、12’を相互に逆方向に回転させ、この回転するロール型11’、12’の孔型部10にマニプレータ13により一端部が支持された加熱状態の棒状素材Wを通して行われる。
この場合、棒状素材Wから1回で最終的な形状の粗形材Wを成形することは困難である。そのため、一般に例えば、各段階の粗形材W〜Wを成形するためのロール型を軸方向に所定のピッチで複数の孔型部10を配列するなど、複数のロール型群を用意する。そして、各ロール型に対してそれぞれマニプレータ13により各粗形材W〜Wを90度回転させながら所定のピッチずつ横送する。
図9に示すように、従来の一般的なロール鍛造においては、断面円形形状の棒状素材W(a)を楕円(オーバル)形状の粗形材Wに成形する工程(b)を行い(1パス目)、かかる粗形材Wをその軸廻りに90度変位させて断面矩形または菱形(スクエア)形状の粗形材W’を成形する工程(c)を行い(2パス目)、かかる粗形材W’をその軸廻りに90度変位させて断面オーバル形状の粗形材Wを成形する工程(d)を行い(3パス目)、次いで、かかる粗形材Wをその軸廻りに90度変位させて断面円形形状の最終的な形状の粗形材Wを予備成形する工程(e)を行う(4パス目)など、複数の工程により所望形状の粗形材Wを成形するようにしている。なお、棒状素材Wのマニプレータ13により把持された部分は未成形部として残るが、この未成形部は、そのまま前記粗形材Wの大径部2となる。
ところで、図9に示した従来のロール鍛造において、上記2パス目で断面オーバル形状の粗形材W1からスクエア形状の粗形材W2’に成形する工程(c)のロール型11’、12’の孔型部10’の形状は、図10の(a)〜(c)に示すように、粗形材W2’の断面スクエア形状の頂点が溝底10a’に位置するよう配置されたスクエア孔型とされている。
そして、スクエア孔型の孔型部10’は、その溝底10a’から両ロール型の互いの見切り面10c’に向かって直線状に広がる傾斜面10b’となるよう型彫りされている。このように構成されたロール型11’、12’では、断面オーバル形状に成形されて加熱状態の粗形材W1をその軸廻りに90度変位させた状態でマニプレータ13によって一端を保持して両ロール型11’、12’間に配置する(図10の(a))。
そして、両ロール型11’、12’を互いに反対方向に回転させながら粗形材W1を両ロール型11’、12’の孔型部10’の間に通して、粗形材W1の断面長手方向端部Lを押圧する(図10の(b))。この工程のロール鍛造当初においては粗形材W1の断面長手方向端部Lが孔型部10’の溝底10a’付近によって押圧され、次いで、ロール型11’、12’の溝底10a’と傾斜面10b’によって拘束されて次第に横方向に広がり(矢印を参照)、粗形材W1の材料が軸方向に流動するよう塑性変形されて、孔型部10’の形状と対応して断面スクエア形状の粗形材W2’が成形される(図10の(c))。
実開平5−60636号公報
しかしながら、図10に示したように、スクエア孔型のロール型11’、12’により断面オーバル形状の粗形材W1から断面スクエア形状の粗形材W2’に成形する当初においては、W1の断面長手方向端部Lと孔型部10’の溝底10a’との間に隙間Kが生じている。ロール型11’、12’の孔型部10’によってW1が押圧されるとき、上記隙間Kに粗形材W1の断面長手方向端部Lの材料が流動する一方で、粗形材W1の断面中央部の材料は軸方向に流動して端面が張り出すこととなる。そのため、成形された粗形材W2’の端面W2a’は、図11に写真で示すように、中央部が張り出すのに対して、特にロール型11’、12’の孔型部10’の溝底10a’と対応する位置が張出すことなく引けることとなる。
そして、このように成形された粗形材W2’を3パス目(図9の(d)を参照)で軸廻りに90度変位させて断面オーバル形状の粗形材W3を成形すると、引けが生じた部分の材料が軸方向に流動せず横方向に広がるように流動することによって、図12に写真で示すように、端面W2a’の引けた部分と対応する部分がさらに引けた端部W3a’の粗形材W3’が成形されることとなる。その後、かかる粗形材W3’を4パス目でその軸廻りに90度変位させて最終的な断面円形形状の粗形材Wを成形すると、図13に写真で示すように、粗形材W’の端部Wa’の引けた部分と側面との間に明瞭な稜線Jが形成される。図14に示すように稜線Jが形成された粗形材W’は、その後の型打鍛造で製品Aとしてステアリングナックのような所定形状に成形されると、図15に示すように、稜線Jが製品Aの形状を構成する部分にキズJ’として残り、品質上問題となる。なお、このような問題は、アルミニウム系の素材をロール鍛造する場合に顕著に発生する。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、アルミニウム系棒状素材をロール鍛造により所定形状に予備成形する際に、簡単な構成で、端部に引けた部分が生じて稜線となり製品にキズとして残ることがないようなロール型を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項のロール型に係る発明は、アルミニウム系棒状素材を断面オーバル形状の前粗形材を成形する前工程のロール型と、
前記前粗形材を変位させてその断面長手方向端部を押圧して断面円形の粗形材を成形する工程のロール型と、
該粗形材を変位させて断面オーバル形状の後粗形材を成形する後工程のロール型とを備え前記棒状素材を所定形状に予備成形するロ−ル型群のうちの、前記前粗形材の断面長手方向端部を押圧して断面円形の粗形材を成形する工程のロール型であって、
外周面に孔型部を有しており、該孔型部は、前記オーバル形状の前粗形材の断面長手方向の端部との間に隙間が生じることなく押圧して、前記前粗形材の材料をその断面における横方向と、前記棒状素材の軸方向に流動させて断面円形の粗形材を成形するよう型彫されており、
前記ロール型が、その孔型部の溝底に、前工程で断面オーバル形状に成形された前粗形材の断面長手方向端部の幅と同じ幅で凹設され、前記断面オーバル形状の前粗形材の断面長手方向端部との間に隙間が生じることなく該断面長手方向の端部を保持し押圧する保持部を有することを特徴とする。
請求項1の発明では、アルミニウム系棒状素材からロール鍛造により断面オーバル形状の前粗形材を成形し、前粗形材をその軸廻りに変位させてその断面長手方向端部を押圧するようロール鍛造して断面円形の粗形材を成形する。ロール型の孔型部の溝底には、断面オーバル形状の前粗形材の断面長手方向端部を保持する保持部を有しており、保持部は、断面オーバル形状の前粗形材の断面長手方向端部との間に隙間が生じることなく保持し押圧するよう、前粗形材の断面長手方向端部の幅と同じ幅で凹設されている。そのため、断面オーバル形状の前粗形材の断面長手方向の端部を保持部が隙間なく当接し位置決め保持した状態で押圧を開始して、前粗形材の材料をその断面における横方向と、前記棒状素材の軸方向へ均一に流動させることができ、その結果、粗形材の端面が部分的に引けることなく均一に張り出すため、予備成形された最終的な粗形材の端部に稜線が発生することがなく、従って、後の例えば型打鍛造などの工程で、製品にキズが発生することがない。そして、前粗形材の断面長手方向端部が孔型部の保持部に保持されすわりがよくなることから、押圧力によって前粗形材が座屈しにくくなり1パス目で成形する断面オーバル形状の厚さを薄くすることができるために成形効率がよく、また、押圧力によって前粗形材が逃げることがない。
請求項の発明によれば、ロール型が、その孔型部の溝底に、前工程で断面がオーバル形状に成形され変位された前粗形材の断面長手方向端部保持するための保持部を有しており、保持部は、前記断面オーバル形状の前粗形材の断面長手方向端部との間に隙間が生じることなく前粗形材の断面長手方向端部の幅と同じ幅で凹設されているため、粗形材の断面長手方向端部が確実に位置決め保持され押圧されるので押圧力によって前粗形材が逃げることがなく、また、押圧力によって前粗形材が座屈しにくくなり1パス目で成形する断面オーバル形状の厚さを薄くすることができるために成形効率がよく、さらに、ロール型の孔型部が、前記オーバル形状の前粗形材の断面長手方向の端部と隙間が生じることなく押圧して、前記前粗形材の材料をその厚さ方向と軸方向に均一に流動させて無理なくロール型の孔型部の形状と対応して断面円形の粗形材を成形する。そして、最終的な形状の粗形材の端部に稜線が発生することがないため、後の型打鍛造などの工程で成形される製品にキズが発生することがないロール型を提供することができる。
最初に、本発明のロール型11、12の実施の一形態を主に図1に基づいて説明する。図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。なお、この実施の形態においては、製品Aとして図7に示したような形状のステアリングナックルを型打鍛造により製造するための最終的な粗形材Wを、図9に参照されるように4工程(パス)のロール鍛造によってアルミニウム系棒状素材W0から予備成形するためのものであり、この最終的に予備成形された粗形材Wが図6に示したような形状であり、本発明のロール型11、12が図9の(c)に参照されるように2パス目の工程を行うためのものである場合により説明する。
本発明のロール型11、12は、概略、アルミニウム系棒状素材W0を複数工程により所定形状に予備成形するロール型群のうちの所定の工程を行うもので、前工程(この実施の形態の場合は1パス目)で断面がオーバル形状に成形された前粗形材W1を変位させてその断面長手方向端部を押圧し、後工程(3パス目)でオーバル形状の後粗形材W3に成形されるための粗形材W2を成形する工程(2パス目)のロール型11、12が、断面ランド形状の粗形材W2を成形するものである。
この実施の形態におけるロール型11、12の全体的な構造は、図8に示したものと同様であるので、ここでは、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。図1に示すように、この実施の形態におけるロール型11、12は、その各孔型部10が、断面オーバル形状に成形された粗形材W1から半径Rの断面ランド(円形)形状の粗形材W2に成形するように、円弧状に成形されている。
そして、孔型部10と見切り面10cとの境界部10eは、断面オーバル形状に成形された粗形材W1をロール鍛造により塑性変形させる際にかじることがないよう、滑らかに連続する所定の半径の所謂アール形状に形成されている。
なお、本発明のロール型11、12によって断面ランド形状に成形される粗形材W2の断面積Sは、図4に示すように、従来のスクエア孔型11’、12’により断面スクエア形状に成形された粗形材W2’の断面積sと同じとなるように設定されている。
このように構成されたロール型11、12では、図9の(b)に示したように1パス目で断面オーバル形状に成形された所定の温度の粗形材W1をマニプレータ13(図8)によりその軸廻りに90度変位させた状態で把持し、両ロール型11、12を互いに反対方向に回転させることによって断面長手方向端部Lを孔型部10によって押圧し、粗形材W1の断面が横方向に広がって、断面ランド形状となるように成形する。
ここで、本発明のロール型11、12と、従来の技術(図10)で説明したように断面スクエア形状の粗形材W2’に成形するロール型11’、12’とを比較する。従来の断面スクエア形状の粗形材W2’を成形するロール型11’、12’では、上述したように(図10(b)を参照)粗形材W1の断面長手方向端部Lと孔型部10’の溝底10a’との間に生じた隙間Kに材料が流動するため、断面長手方向端部Lの軸方向への流動が少なくなり、断面長手方向端部Lと対応する端面W2a’の張出しが中央部と比較して少なくなって引けが生じることとなる。
これに対して、本発明のロール型11、12では、孔型部10が円弧状に型彫りされており、粗形材W1の断面長手方向端部Lとの間に隙間が生じることがないため、粗形材W1の材料が軸方向に均等に流動し、その結果として、成形された粗形材W2の端面W2aの張出しが均等となって引けが生じることがなくなった。従って、従来の技術のように最終的に予備成形された粗形材Wに稜線J(図14を参照)が形成されることがないため、後に型打鍛造により製造されるステアリングナックルなどの製品Aに傷J’(図15を参照)が残ることもなくなった。
次に、本発明のロール型の別の実施の形態を主に図2に基づいて詳細に説明する。上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
本発明のロール型11、12は、上記実施の形態の構成に加えて、前工程でオーバル形状に成形され軸廻りに90度変位された前粗形材W1の断面長手方向端部Lをロール鍛造時に保持する保持部10aが孔型部10に形成されている。
保持部10aは、ロール型11、12の孔型部10の底面(頂点)に凹設されたもので、図2に示すように、1パス目で断面オーバル形状に成形された粗形材W1の長手方向端部Lの幅T1(図3を参照)を中心線Yの左右に振り分けた仮想線F、Gと孔型部10の半径Rの円弧面10bとの交点M、Nと、半径Rの円弧面10bの延長線上に対して中心線Y上に所定量Hをオフセットさせた点Pと、を通る円弧状に形成されている。孔型部10の半径Rの円弧面10bに対する保持部10aの深さ(オフセット量)、あるいは、点M、P、Nを通る円弧の径などを含む断面形状は、粗形材W1の断面長手方向端部Lの形状に応じて設定することができる。孔型部10の保持部10aと半径Rの円弧面10bとの境界部は、所定半径を有する所謂アール形状とされている。また、孔型部10の円弧面10bから見切り面10cに向かう部分は、粗形材W1をかじることがないように、断面が見切面10cに対して所定角度αを有する直線状となるような直線状の面10dが形成されており、この直線状の面10dと見切面10cとの間が、所定半径を有する所謂アール形状で滑らかに連続するよう形成されている。なお、本発明のロール型11、12によって断面ランド形状に成形される粗形材W2の断面積Sは、上述した実施の形態と同様に、図4に示すように、従来の断面スクエア形状に成形された粗形材W2’の断面積sと同じとなるように設定されている。
このように成形されたロール型11、12では、図9の(b)に示したように1パス目で断面オーバル形状に成形された所定温度の粗形材W1をマニプレータ13(図8)によりその軸廻りに90度変位させた状態で把持し、断面長手方向端部を孔型部10の保持部10aと対応するように配置する。そして、両ロール型11、12を互いに反対方向に回転させることによって、粗形材W1は、その断面長手方向端部Lが両ロール型11、12の保持部10aに保持され、押圧されて横方向に広がり、ロール型11、12の孔型部10の形状に応じて断面がほぼランド状となるように成形される。両ロール型11、12の保持部10aによって粗形材W1の断面長手方向端部Lが保持されるため、特に断面長手方向に押圧される当初において、粗形材W1の所謂すわりがよい。
本発明のこの実施の形態におけるロール型11、12では、粗形材W1の断面長手方向端部Lが孔型部10の保持部10aに保持されすわりがよくなることから、押圧力によって粗形材W1が座屈しにくくなり1パス目で成形する断面オーバル形状の厚さT2を薄くすることができるために成形効率がよく、また、押圧力によって粗形材W1が逃げることがない。そして、粗形材W1の断面長手方向端部Lは、その幅T1などの形状と対応して形成された保持部10aによって最初に押圧されるため、従来の技術(図10)で説明した断面スクエア形状に成形するロール型11’、12’のように、粗形材W1の断面長手方向端部Lと孔型部10の溝底10a’との間に隙間Kが生じることがなく、したがって、粗形材W1の保持部10aと対応する部分の材料が押圧によって軸方向に流動するために、図5に写真で示すように、粗形材W2の端面W2aが引けを生じることなく他の部分と同様に均一に張り出した。その結果、製品Aとしてステアリングナックルを型打鍛造により製造するためなどの最終的な粗形材Wは、キズJ’(図15)の原因となるような稜線J(図14)の発生がなくなった。
次に、本発明のロール鍛造方法を、上述したように構成されたロール型11、12を用いて、ステアリングナックルを型打鍛造により製造するなどのための所定形状の粗形材Wを4パスの工程によって成形する場合によって詳細に説明する。
本発明のロール鍛造方法は、概略、アルミニウム系棒状素材W0からロール鍛造により断面オーバル形状の前粗形材W1を成形する工程(この実施の形態では1パス目)と、この前粗形材W1を変位させてその断面長手方向端部Lを押圧して断面ランド形状の粗形材W2を成形する工程(2パス目)と、この粗形材W2を変位させて断面オーバル形状の後粗形材W3を成形する工程(3パス目)と、を行うものである。
アルミニウム系棒状素材Wから型打鍛造などに供される所定形状の粗形材Wを成形するにあたっては、最初に、断面円形形状の棒状素材W(図9の(a)を参照)を加熱するなど所定温度の状態でマニプレータ13により保持し、ロール型間の所定位置に配置して、ロール型を互いに反対方向に回転させて粗形材Wを通す工程を行う(1パス目)。断面円形形状の粗形材Wは、両ロール型の孔型部により押圧されて楕円(オーバル)形状の粗形材W(図9の(b)を参照)に成形される。
次いで、粗形材W1を加熱するなどして例えば410〜460度の状態、好ましくは420〜450度の状態でその軸廻りに90度変位させてマニプレータ13により保持し、ロール型11、12間の所定位置に配置して、ロール型11、12を互いに反対方向に回転させて粗形材W1を通す工程(2パス目)を行う。ロール型11、12が図1に示したように構成されている場合には、粗形材W1は断面長手方向端部Lが孔型部10の底面に対して隙間を生じることなく押圧されて、材料が横方向に広がるよう流動し、その後、材料が軸方向に均等に流動して、図1に示した孔型部10の形状と対応して断面ランド状の粗形材W2が成形されることとなる。また、ロール型11、12が図2に示したように構成されている場合には、粗形材W1は断面長手方向端部Lが孔型部10の保持部10aに対して隙間を生じることなく保持された状態で押圧されて、材料が横方向に広がるよう流動し、その後、材料が軸方向に均等に流動して、図2に示した孔型部10の形状と対応して断面がほぼランド状の粗形材W2が成形されることとなる。本発明ではロール鍛造によって粗形材W2を断面ランド形状に成形することにより、軸方向への材料の流動が均等となるため、粗形材W2の端面W2aが均一に張出す。
続いて、断面ランド状に成形された粗形材Wを加熱するなど所定温度の状態でマニプレータ13により保持し、ロール型間の所定位置に配置して、ロール型を互いに反対方向に回転させて粗形材Wを通す工程を行う(3パス目)。断面ランド形状の粗形材Wは、両ロール型の孔型部により押圧されて断面楕円(オーバル)形状の粗形材W(図9の(d)を参照)に成形される。端面が均等に張出した粗形材Wを3パス目でロール鍛造するため、その成形された粗形材Wに引けが生じることがなく、さらに軸方向に材料が均等に流動して張り出すこととなる。
その後、断面オーバル状に成形された粗形材W3を加熱するなど所定温度の状態でマニプレータ13により保持し、ロール型間の所定位置に配置して、ロール型を互いに反対方向に回転させて粗形材W3を通す工程を行う(4パス目)。断面オーバル形状の粗形材W3は、両ロール型の孔型部により押圧されて断面円形形状の最終的な粗形材W(図9の(e)を参照)に成形される。端面が均等に張出した粗形材W3を4パス目でさらにロール鍛造するため、その成形された粗形材Wに引けによる稜線J(図13を参照)が生じることがなく、さらに軸方向に材料が均等に流動して張り出すこととなる。したがって、粗形材Wを型打鍛造して、図7に示したように、製品Aとしてステアリングナックルを成形した場合であっても、かかるステアリングナックルにキズJ’(図15を参照)が発生することがない。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることはなく、4パスにより成形する場合に限定されることはない。さらに、本発明は、例えば、前工程と後工程との間で断面ランド形状の粗形材をロール鍛造により成形する工程が2パス目ではなく、3パス目以降の工程である場合にも適用することができる。また、最終的に成形される粗形材Wの形状は製品として型打鍛造によって成形されるステアリングナックルに限定されることはなく、他の手法によって他の形状の製品を成形する場合にも適用することができる。
本発明に係るロール型の実施の一形態の要部構造と該ロール型により成形された粗形材の形状を示す断面図である。 本発明に係るロール型の別の実施の形態の要部構造を示す断面図である。 本発明に係るロール型により成形される断面オーバル形状の前粗形材の断面図である。 従来のロール型により断面スクエア形状に成形された粗形材の断面図である。 本発明により成形された粗形材の端面を示す写真である。 本発明により最終的に成形される粗形材の正面図である。 図6に示した粗形材により製造される製品の一例として示したステアリングナックルの正面図である。 ロール鍛造の一般的な実施状況を示す模式図である。 ロール鍛造におけるパスごとの素材形状変化を示す模式図である。 従来のロール型により2パス目の工程を行う状態を示す模式図である。 従来のロール型により2パス目の工程を行って引けが生じた粗形材の端部を示す写真である。 図11に示した粗形材に3パス目の工程を行って、さらに引けが生じた粗形材の端部を示す写真である。 図12に示した粗形材に4パス目の工程を行って、さらに引けが生じ稜線が形成された最終的な粗形材の端部を示す写真である。 図13に示した稜線が形成された最終的な粗形材を示す正面図である。 図14に示した稜線が形成された最終的な粗形材を用いて型打鍛造を行い、キズが発生した状態で成形されたステアリングナックルの正面図である。
符号の説明
10 孔型部、 10a:保持部、 11、12:ロール型、 W0:棒状素材、 W1:粗形材(前粗形材)、 W2:粗形材、 W3:粗形材(後粗形材)、 W:最終的な形状の粗形材

Claims (1)

  1. アルミニウム系棒状素材を断面オーバル形状の前粗形材を成形する前工程のロール型と、
    前記前粗形材を変位させてその断面長手方向端部を押圧して断面円形の粗形材を成形する工程のロール型と、
    該粗形材を変位させて断面オーバル形状の後粗形材を成形する後工程のロール型とを備え前記棒状素材を所定形状に予備成形するロ−ル型群のうちの、前記前粗形材の断面長手方向端部を押圧して断面円形の粗形材を成形する工程のロール型であって、
    外周面に孔型部を有しており、該孔型部は、前記オーバル形状の前粗形材の断面長手方向の端部との間に隙間が生じることなく押圧して、前記前粗形材の材料をその断面における横方向と、前記棒状素材の軸方向に流動させて断面円形の粗形材を成形するよう型彫されており、
    前記ロール型が、その孔型部の溝底に、前工程で断面オーバル形状に成形された前粗形材の断面長手方向端部の幅と同じ幅で凹設され、前記断面オーバル形状の前粗形材の断面長手方向端部との間に隙間が生じることなく該断面長手方向の端部を保持し押圧する保持部を有することを特徴とするロール型。
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