JP4771045B2 - 磁性酸化鉄粒子粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子サイズが0.05〜0.30μmの微細粒子であり、八面体状でありながら分散性に優れ、しかも、高い残留磁化値を有するマグネタイト粒子粉末からなる磁性酸化鉄粒子粉末に関するものである。本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末を小粒径の磁性トナー粒子として使用した場合には、カブリが抑えられることによって解像度が高い磁性トナーを得ることができる。
従来、静電潜像現像法の一つとして、キャリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤として用いる所謂「一成分系磁性トナー」による現像法が広く知られ、汎用されている。
近時、静電複写機器の小型化、高速化等の高性能化に伴い、現像剤である磁性トナーの特性向上、即ち、カブリが抑制され、高解像度が得られる小粒径の磁性トナーが強く要求されている。
従来使用されてきた球状のマグネタイト粒子は、残留磁化値が低いことから小粒径の磁性トナーとした場合にその磁気感応力が低下し、スリーブ上でトナーが攪拌されにくくなり、均一に帯電しにくいという問題が生じており、その結果、帯電の不十分なトナーが生じ、カブリの原因となる。また、球状粒子は、残留磁化値が小さく磁気的な凝集が生起しにくいので分散性に優れ樹脂との混合性は良好であるが、Fe2+含有量が低いので、やや茶褐色を帯びた黒色となり、黒色度が十分とは言い難いものである。
そこで、前記課題を解決するために、残留磁化値が高いとともに、分散性に優れた磁性粒子が強く要求されている。
一方、八面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、Fe2+含有量が高く黒色度においては優れているが、残留磁化値が大きく磁気的な凝集が生起しやすいものであり、且つ、角ばった粒子である為、分散性が悪く樹脂との混合性が悪いものである。
残留磁化値が高く、しかも、分散性に優れたマグネタイト粒子を得るために様々な試みがなされている(特許文献1〜4)。
特開平2−44030号公報 特開平3−201509号公報 特開平6−144840号公報 特開平11−153882号公報
上述の諸問題に鑑み、粒子サイズが0.05〜0.30μmの微細粒子であり、分散性に優れ、高い残留磁化値を有し、しかもFe2+が多いことにより黒色度に優れている磁性酸化鉄粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、このような磁性酸化鉄粒子粉末は未だ提供されていない。
前出特許文献1に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状はエッジが面取りされた立方体形状であるが、BET比表面積が0.5〜5m/gと大きな粒径のものであり、しかも角ばった形状であり、分散性に劣るものである。
また、前出特許文献2に記載のマグネタイト粒子粉末は、六面体を呈したマグネタイト粒子粉末であって、その粒子形状が角ばっているために分散性は十分なものではない。
また、前出特許文献3に記載のマグネタイト粒子は、その粒子形状が実質的に六面体であり、該六面体の各稜線が面状になっているが、角ばった形状であり、分散性に劣るものである。
また、前出特許文献4には、八面体の稜線部が面状の多面体であるマグネタイト粒子が記載されているが、角ばった形状であり、分散性に劣るものである。
そこで、本発明は、粒子サイズが0.05〜0.30μmの微細粒子であり、高い残留磁化値を有するとともに、分散性に優れていることから小粒径の磁性トナー粒子として使用する場合に、トナーの帯電量が安定しカブリが少なく、しかもFe2+が多いことにより黒色度に優れている磁性トナーに好適に用いられる磁性酸化鉄粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、平均粒子径(d)が0.05〜0.30μmであるマグネタイト粒子粉末であって、その粒子形状が八面体を基本とし、八面体の各稜線が曲面状であることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末である。
また、本発明は、平均粒子径(d)が0.05〜0.30μmであるマグネタイト粒子粉末であって、その粒子形状が八面体を基本とし、八面体の各稜線が曲面状であり、次式で規定される軸比(l/w)が1.2≦l/w<1.6あることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末である。
軸比=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の短軸径
また、本発明は、前記マグネタイト粒子粉末において、Mn,Zn,Ni,Cu,Al,Ti,Siから選ばれる1種又は2種以上の元素をFeに対して0〜10.0原子%含むことを特徴とする磁性酸化鉄粒子粉末である。
また、本発明は、測定磁場が796kA/mでの残留磁化値(σr)と平均粒子径(d)との関係が下記式の範囲内であることを特徴とする前記磁性酸化鉄粒子粉末である。
−50d+17<σr<−50d+20
本発明に係る磁性酸化鉄粒子は、粒子サイズが0.05〜0.30μmの微細粒子であり、高い残留磁化値を有するとともに分散性に優れているとともに、Fe2+が多いことから黒色度に優れていることから、小粒径の磁性トナーとして使用した場合にトナーの帯電量が安定するので、電子写真用磁性トナー用の磁性粒子粉末として好適に用いることができる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末について述べる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、組成的にはマグネタイト粒子((FeO)x・Fe、0<x≦1)からなる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の粒子形状は、後出図1の透過型電子顕微鏡写真に示す通り、八面体を基本として、該八面体の各稜線が曲面状のものである。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末を構成する粒子は、下記式で表される軸比が1.2を越え、1.6未満の範囲であることが好ましい。軸比が1.2未満の場合には球状に近付き、保磁力が低くなり好ましくない。また、軸比が1.6を超える場合は、角ばった八面体であり、良好な分散性が得られない。より好ましくは1.25〜1.55、さらにより好ましくは1.30〜1.50の範囲である。
軸比=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の短軸径
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、平均粒子径(d)が0.05〜0.30μmである。平均粒子径が0.05μm未満の場合には、単位容積中の粒子が多くなり過ぎ粒子間の接点数が増えるため、粉体層間の付着力が大きくなり、磁性トナーとする場合に、樹脂中への分散性が悪くなる。0.30μmを越える場合には、一個のトナー粒子中に含まれる磁性酸化鉄粒子の個数が少なくなり、各トナー粒子について磁性酸化鉄粒子の分布に偏りが生じ、その結果、トナーの帯電の均一性が損なわれる。好ましくは0.10〜0.25μmの範囲である。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、必要により、鉄以外の元素で、Mn,Zn,Ni,Cu,Al,Ti,Siから選ばれる1種又は2種以上の元素をFeに対して0〜10原子%含むものである。なお、ケイ素を多量に含有する場合は環境安定性が低下するため、0〜0.8原子%が好ましく、より好ましくは0〜0.6原子%である。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、798kA/mでの残留磁化値σr(Am2/kg)と平均粒子径d(μm)との関係が、−50d+17<σr<−50d+20を満たす範囲にあることが好ましい。残留磁化値が各粒子径dについての上限値を越える場合には磁気凝集力が強くなりすぎ、磁性トナーとする場合に、トナー中の磁性粒子の分散性が悪化し、トナーの帯電安定性が低下する。また、残留磁化値が各粒子径dについての下限値未満の場合には磁気感応力が弱くなり、感光ドラムへの飛散が生じやすくなり、カブリが起きる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の飽和磁化値は80〜92Am/kgが好ましく、より好ましくは82〜90Am/kgの範囲である。92Am/kgの値はマグネタイトの理論値であり、これを越える場合はない。80Am/kg未満の場合には、粒子中のFe2+量が減少したものであり赤色味を帯びてくるため好ましくない。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の残留磁化値は6.0〜11.0Am/kgが好ましく、より好ましくは6.5〜10.5Am/kgの範囲である。残留磁化値が6.0Am/kg未満の場合は、磁気感応力が弱くなり、感光ドラムへの飛散が生じやすくなり、カブリが起きる。残留磁化値が11.0Am/kgを超える場合には、磁気凝集力が強くなりすぎ、磁性トナーとする場合に、トナー中の磁性粒子の分散性が悪化し、トナーの帯電安定性が低下することがある。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の保磁力Hcは、6.37〜10.4kA/m(80〜130Oe)が好ましく、より好ましくは6.76〜9.95kA/m(85〜125Oe)である。保磁力が6.37kA/m未満の場合は、磁気感応力が弱くなり、感光ドラムへの飛散が生じやすくなり、カブリが起きる。保磁力が10.4kA/mを超える場合には、、磁気凝集力が強くなりすぎ、磁性トナーとする場合に、トナー中の磁性粒子の分散性が悪化し、トナーの帯電安定性が低下することがある。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末のFe2+含有量は、磁性酸化鉄粒子全重量に対して15〜24重量%が好ましく、より好ましくは17〜22重量%である。15重量%未満の場合には、十分な黒色度が得られない。24重量%を越える場合には、酸化されやすく環境安定性に劣るものとなる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末のBET比表面積値は、5.0〜12.0m/gが好ましい。12.0m/gを越える場合には、単位容積中の粒子が多くなり過ぎ粒子間の接点数が増えるため、粉体層間の付着力が大きくなり、磁性トナーとする場合に、樹脂中への分散性が悪くなる。5.0m/g未満の場合には、一個のトナー粒子中に含まれる磁性酸化鉄粒子の個数が少なくなり、各トナー粒子について磁性酸化鉄粒子の分布に偏りが生じ、その結果、トナーの帯電の均一性が損なわれる。より好ましくは6.0〜10.0m/gである。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、可溶性Naの含有量が200ppm以下が好ましく、より好ましくは100ppm以下である。200ppmを越える場合には、吸湿性が高くなり、トナーの帯電安定性が低下する。
次に、本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対し1.01〜1.5当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気して鉄の酸化反応率が40〜80%まで酸化反応を行い核晶マグネタイト粒子を生成させる第一段反応、該第一段反応終了後の核晶マグネタイト粒子と水酸化第一鉄コロイドとを含む第一鉄塩反応液のpHを4.0〜7.0に調整した後、70〜100℃の温度範囲に加熱しながら酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒子を生成させる第二段反応、さらに当該第二段階反応終了後の反応溶液のpHを9.0以上に調整した後、酸化反応を行う第三段反応を行うことによって得ることができる。
本発明における第一鉄塩水溶液としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用することができる。
本発明における水酸化アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、また、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸アルカリ水溶液及びアンモニア水等を使用することができる。
第一段反応においてpH調整の前に使用する水酸化アルカリ水溶液の量は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対して1.01〜1.50当量である。好ましくは1.05〜1.30当量の範囲である。1.01当量未満の場合には、球状マグネタイトが生成し目的の形状のマグネタイト粒子を得ることができない。1.50当量を越える場合には、粒度分布が大きくなり、均一な粒子径のものが得られない。
第一段反応における鉄の酸化反応率は、40〜80%である。酸化反応率が40%未満の場合は、得られる磁性酸化鉄粒子の形状が球状に近づき、目的とする形状及び磁気特性を有する磁性酸化鉄粒子が得られない。酸化反応率が80%を超える場合は、得られる磁性酸化鉄粒子の形状が八面体に近づきエッジを有する形状(角張った形状)となる。酸化反応率の好ましい範囲は45〜75%で、より好ましくは50〜70%である。
第一段反応における反応温度は70〜100℃である。70℃未満である場合には、針状晶ゲータイト粒子が混在してくる。100℃を越える場合もマグネタイト粒子は生成するが、オートクレーブ等の装置を必要とするため工業的に容易ではない。
酸化手段は酸素含有ガス(例えば、空気)を液中に通気することにより行う。
第一段反応においては、酸素含有ガス通気開始時に懸濁液のpHが9.0〜12.0の範囲になるように、水酸化アルカリ水溶液などを添加して調整しておく。より好ましくはpH9.5〜11.5の範囲である。懸濁液pHが9.0未満の場合には、球状粒子や六面体粒子が生成し、保磁力の低いものとなる。懸濁液pHが12.0を越える場合には、生成するマグネタイト粒子の粒度分布が広くなり好ましくない。
第二段反応においては、第二段反応開始時における懸濁液のpHを4.0〜7.0になるように硫酸水溶液などを添加する。懸濁液のpHが4.0未満の場合は、針状晶ゲータイト粒子が混在してくる。懸濁液のpHが7.0以上では、六面体及び八面体形状のマグネタイトが第一段反応で得られた核晶マグネタイト粒子の表面に析出し、目的の形状のものが得られない。好ましくは5.0〜6.9の範囲である。
第三段反応においては、第二段階の反応終了後、反応溶液に水酸化ナトリウムなどを添加して、反応溶液のpH値を9.0以上に調整する。第三段反応時のpH値が9.0未満の場合は、未反応の鉄が反応溶液中に残存し、マグネタイト粒子粉末の安定性が低下するため好ましくない。好ましくは10.0〜12.0である。
前記第二段反応及び前記第三反応の反応温度は前記第一段反応と同一でよい。また、酸化手段も同一でよい。
なお、原料添加後と第一段反応との間、第一段反応と第二段反応との間及び第二段反応と第三段反応との間において、必要により所要の時間にわたって十分な攪拌を行ってもよい。
尚、必要により、各段反応において、鉄以外の元素で、Mn,Zn,Ni,Cu,Al,Ti、Siから選ばれる1種又は2種以上の元素の塩を添加することにより、前記元素を含有させることができる。前記塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等を使用することができる。前記塩の添加量は、総量としてFeに対して好ましくは0〜10原子%、より好ましくは0〜8原子%、さらに好ましくは0〜5原子%である。
次に、本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末を用いた磁性トナーについて述べる。
本発明における磁性トナーは、体積平均径が3〜12μm、好ましくは5〜10μmである。
本発明における磁性トナーは、前記磁性酸化鉄粒子粉末及び結着樹脂とからなり、必要に応じて離型剤、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤等を含有してもよい。前記結着樹脂と前記磁性酸化鉄粒子粉末との割合は、前記磁性酸化鉄粒子粉末100重量部に対して結着樹脂10〜900重量部、好ましくは20〜400重量部である。
前記結着樹脂としては、スチレン、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステル等のビニル系単量体を重合又は共重合したビニル系重合体が使用できる。この結着樹脂を構成する単量体のスチレンとして、例えばスチレン及びその置換体があり、アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等がある。前記共重合体には、スチレン系成分を50〜95重量%含むことが好ましい。また、結着樹脂には、必要に応じてポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を使用することができる。
本発明における磁性トナーは、混合、混練、粉砕による混練粉砕法、懸濁重合法又は乳化重合法等によって製造することができる。
<作用>
本発明に係る磁性酸化鉄粒子は、その粒子形状が八面体を基本とし該八面体の各稜線が曲面状であることによって、八面体であることに起因して形状異方性が生じ残留磁化値は八面体マグネタイト粒子に近い特性を有し、各稜線が角張っていない曲面状であり頂点部分及び中央部分も曲面状であることに起因して分散性に優れるものであり、しかもFe2+の含有量が十分に多いので黒色度に優れているものである。
通常、マグネタイト粒子の粒子形状を制御する場合には反応中にケイ素化合物を添加することが行われているが、本発明に係る磁性酸化鉄粒子はマグネタイトの生成反応を三段階にし、酸化率及び反応溶液のpH値を制御することによって得ることができるので、多量のケイ素化合物を添加する必要がなく、得られるマグネタイト粒子粉末からなる磁性酸化鉄粒子粉末は環境安定性に優れるものである。
本発明の代表的な実施例は次の通りである。
黒色磁性酸化鉄粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値(マーチン径)で示した。
また、比表面積はBET法により測定した値で示した。
磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場798kA/m(10kA/m)までかけて測定した。
粒子形状は、走査型電子顕微鏡(日立S−800)及び透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−100S)により観察した。
磁性酸化鉄粒子の軸比の測定は、投影図である透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−100S)観察(倍率10000倍)の写真において、磁性酸化鉄粒子をランダムに250個以上抽出し、粒子の最長径を長軸径lとし、粒子の最短径を短軸径wとして測定し、下記式によって算出した。
軸比=l/w
l:投影図における磁性酸化鉄粒子の長軸径
w:投影図における磁性酸化鉄粒子の短軸径
磁性酸化鉄粒子のFe以外の元素量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業(株)製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した値で示した。
磁性酸化鉄粒子粉末のFe2+含有量は、下記の化学分析法により求めた値で示した。即ち、不活性ガス雰囲気下において、磁性粒子粉末0.5gに対しリン酸と硫酸とを2:1の割合で含む混合溶液25ccを添加し、上記磁性粒子を溶解する。この溶解水溶液の希釈液に指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸を数滴加えた後、重クロム酸カリウム水溶液を用いた酸化還元滴定を行った。上記希釈液が紫色を呈した時を終点とし、該終点に至るまでに使用した重クロム酸カリウム水溶液の量から計算して求めた。
第一段反応の第一鉄塩の酸化反応率は、反応溶液中のFe2+含有量を測定し、下記式によって算出した。
(A−B)÷A×100=酸化反応率(%)
但し、Aは第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液との混合直後の反応溶液中のFe2+の含有量、Bは水酸化第一鉄とマグネタイト粒子との混合物を含む第一鉄塩反応溶液中のFe2+含有量。
磁性酸化鉄粒子粉末の可溶性ナトリウム塩の含有量は、「誘導結合プラズマ原子発光分光光度計 SPS−4000型」(セイコー電子工業(株)製)で測定した値で示した。
トナーの体積平均径は、Couter Counter TA−II(Couter Electronics Co.)を用いて測定した。
トナーの帯電量は、トナー0.5gと鉄粉キヤリア(パウダーテック社製 TEFV−200/300)4.75gとを内容積が15ccのガラス製のサンプル瓶に精秤し、ペイントコンデショナーを用いて摩擦帯電させ、「ブローオフ帯電量測定装置」(東芝ケミカル社製)を用いて摩擦帯電量を測定した。トナー
の帯電安定性は、◎〜×の4段階で評価した。
◎;帯電の立ち上がりが良く、安定している。
○;帯電の立ち上がりが良いが、やや安定しにくい。
△;帯電の立ち上がりが悪く、安定しにくい。
×;帯電の立ち上がりが悪く、帯電量が大きく振れる
トナー中の磁性粒子の分散状態は、ミクロトームでスライスし、透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−100S)にて観察した。トナー中の磁性粒子粉の分散状態は、◎〜×の4段階で評価した。
◎;磁性粉の分散状態が非常に良好
○;磁性粉の分散状態が良好
△;一部磁性粉が凝集している部分が見られる
×;磁性粉の凝集が目立つ
実施例1
Fe2+1.5mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液26.7lを、あらかじめ反応器中に準備された3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液25.9lに加え(Fe2+に対し1.10当量に該当する。)、pH10.5、温度90℃において水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄塩懸濁液の生成を行った。上記水酸化第一鉄塩コロイドを含む第一鉄塩懸濁液を温度90℃において毎分100lの空気を80分間通気して、第一鉄塩の酸化反応率が60%になるところまで酸化反応を行った(第一段反応)。
次いで、上記マグネタイト核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液に硫酸水溶液を該懸濁液のpHが6.5になるように添加し、温度90℃において毎分100lの空気を通気してマグネタイト粒子を生成させた(第二段反応)。
次いで、上記マグネタイト粒子を含む第一鉄塩懸濁液に水酸化アルカリ水溶液を該懸濁液のpHが10.5になるように添加し、温度90℃において毎分100lの空気を通気してマグネタイト粒子を生成させた(第三段反応)。
生成粒子は、常法により、水洗、濾別、乾燥、粉砕した。得られたマグネタイト粒子は図1に示す電子顕微鏡写真(×50000)から明らかな通り、その粒子形状は、八面体を基本として、稜線が曲面状であり、且つ、粒度が均斉なものであり、平均粒子径が0.20μmで、軸比は1.40であった。
また、このマグネタイト粒子粉末は、酸化還元滴定の結果、Fe2+量は18.5重量%であり、十分な黒色度を有するものであった。可溶性Na量は、50ppmであった。磁気特性は、保磁力が8.04kA/mであり、飽和磁化値が85.5Am/kg、残留磁化値が8.5Am/kgであった。
実施例2〜8、比較例1〜5;
第一鉄塩水溶液の種類、第一段反応における水酸化アルカリ水溶液の種類、第一段反応のアルカリ当量比、第一段反応時の酸化反応率、各反応段階での反応温度及びpHを種々変化させた以外は前記実施例1と同様にしてマグネタイト粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表1に、生成マグネタイト粒子粉末の諸特性を表2にそれぞれ示す。
比較例1及び5で得られたマグネタイト粒子は、いずれも角張った八面体状であった。
<使用例>
次に、使用例を挙げる。
使用例1
実施例1で得られたマグネタイト粒子粉末とスチレンアクリル樹脂及びその他の添加物等を下記の混合割合で混合した後、ニーダーにより加熱溶融してマグネタイト粒子を樹脂中に分散させ、冷却固化後、得られた樹脂混練物を粉砕及び分級して磁性トナーを得た。得られた磁性トナーは体積平均径が10μmであった。
トナー混合割合:
スチレン−アクリル樹脂 140重量部、
負帯電制御剤 2重量部、
離型剤(ポリプロピレン) 6重量部、
マグネタイト粒子粉末 100重量部、
外添剤(疎水性シリカ微粉末) 2重量部。
得られた磁性トナーの諸特性を表3に示す。
使用例2〜8、使用比較例1〜5;
磁性酸化鉄粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記使用例と同様にして磁性トナーを製造した。
得られた磁性トナーの諸特性を表3にそれぞれ示す。
比較例1で得られたマグネタイト粒子粉末は図2に示す電子顕微鏡写真(×50000)から明らかな通り、稜線が角ばった八面体形状を有しているものであり、実施例1のマグネタイト粒子粉末に比べて分散性に劣るものである。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末の平均粒子径d(μm)と残留磁化値σr(Am/kg)との関係について図3に示した。一般に、粒子径と残留磁化値σrとは密接な関係があり、粒子径が小さくなるほど残留磁化値σrは大きくなる。本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は従来の角ばった八面体状のマグネタイト粒子粉末と同等の残留磁化値σrを有するものである。図中、●印は、実施例1〜8で得られたマグネタイト粒子粉末についてのものである。
図3において、点線Aは−50×d+17を示し、点線Bは、−50×d+20を示している。
本発明に係る磁性酸化鉄粒子は、粒子サイズが0.05〜0.30μmの微細粒子であり、分散性に優れ、高い残留磁化値を有することから小粒径の磁性トナーとして使用した場合に、トナーの帯電量が安定し、しかもFe2+が多いことから黒色度に優れていることから電子写真用磁性トナー用磁性粉として好適に用いることができる。
実施例1で得られたマグネタイト粒子粉末の電子顕微鏡写真(倍率50000倍) 比較例1で得られたマグネタイト粒子粉末の電子顕微鏡写真(倍率50000倍) マグネタイト粒子粉末の平均粒子径(d)と残留磁化値(σr)との関係を示すグラフである。●:実施例、△:比較例

Claims (4)

  1. 平均粒子径(d)が0.05〜0.30μmであるマグネタイト粒子粉末であって、その粒子形状が八面体を基本とし、八面体の各稜線が曲面状であることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末。
  2. 平均粒子径(d)が0.05〜0.30μmであるマグネタイト粒子粉末であって、その粒子形状が八面体を基本とし、八面体の各稜線が曲面状であり、次式で規定される軸比(l/w)が1.2≦l/w<1.6あることを特徴とするマグネタイト粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末。
    軸比=l/w
    l:投影図における磁性酸化鉄粒子の長軸径
    w:投影図における磁性酸化鉄粒子の短軸径
  3. 請求項1又は2記載のマグネタイト粒子粉末において、Mn,Zn,Ni,Cu,Al,Ti,Siから選ばれる1種又は2種以上の元素をFeに対して0〜10.0原子%含むことを特徴とする磁性酸化鉄粒子粉末。
  4. 測定磁場が796kA/mでの残留磁化値(σr)と平均粒子径(d)との関係が下記式の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性酸化鉄粒子粉末。
    −50d+17<σr<−50d+20


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