JP4767419B2 - 保持帯域を有する使い捨て吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
〔分野〕
本発明は、乳幼児や大人のための使い捨て吸収物品、例えば、失禁用衣料品に関し、かかる物品としては、使い捨て下着、使い捨ておむつ、使い捨てプルオン式おむつ、使い捨てトレーニングパンツ及び生理用使い捨てパンティーが挙げられる。特に、本発明は、物品を着用している間、着用者の身体に対する吸収性物品の滑りを防止する保持帯域を有する使い捨て吸収物品に関する。
【0002】
〔背景〕
乳幼児や失禁症の人は、尿や身体から出る他の分泌液を受け入れて封じ込める使い捨ての吸収性物品、例えばおむつ又は他の吸収性下着を着用している。着用者の身体にスリップオン式に装着できるよう予め組み立てられた衣料品の形態をしている吸収性物品(例えば、トレーニングパンツ又はプルオン式おむつ)が最近はやっている。身体の分泌液を封じ込めると共に多種多様な身体の寸法形状に合うようにするために、かかる衣料品は、下胴部上のこれらの位置から垂れ落ちたり、ずり落ちたり、滑り落ちることがないようにすると共に製品がきつすぎるために皮膚に対して不必要な圧迫感を生じさせるような事態を生じないで着用者の快適さが得られるよう着用者の腰部及び脚部の周りにぴったりとフィットしなければならない。
【0003】
多くのタイプのプルオン式衣料品は、弾性的に縮むことができる状態で腰部通し穴及び脚部通し穴内に固定された従来型弾性要素を用いている。例えば、「バルーンタイプ(balloon type)」パンツとして知られているプルオン式吸収性衣料品は、縮み形態にある製品の特定の帯域内にゴム入りバンドを有し、残りの材料は軽く膨らみがちになっている。かかるプルオン式衣料品の例が、1992年12月15日に公開された米国特許第5,171,239号及び1986年9月9日に公開された米国特許第4,610,681号に開示されている。これら衣料品は、或る範囲の腰部(ウエスト)及び脚部(レッグ)のサイズに合うようになっている。というのは、弾性部分が拡張して種々のサイズの着用者に合うようになっているからである。それにもかかわらず、サイズの変化を可能にする弾性要素の伸長度が限られているのでサイズの範囲には制限がある。腰部通し穴及び脚部通し穴に用いられる幅の狭い弾性バンドもまた、フィット力を着用者の身体の狭い帯域に集中させる傾向があり、これが原因となって、着用者の皮膚にマークが付くという事態又は症状が多くなっている。
【0004】
腰部用ゴムひも及び側部(横腹部)用ゴムひもを用いる別タイプのプルオン式吸収性衣料品が、1990年7月10日に公開された米国特許第4,940,464号、1993年9月21日に公開された米国特許第5,246,433号、1997年1月7日に公開された米国特許第5,591,155号、1993年2月10日に公開された欧州特許出願公開明細書0526868A1、1996年8月13日に公開された米国特許第5,545,158号及び1993年6月23日に公開された欧州特許出願公開明細書0547497A2に開示されている。
【0005】
上述した形式の使い捨て吸収性衣料品は一般に、衣料品の腰部領域内に設けられたゴム入り構造によって着用者の身体上の定位置に保持される。ゴム入り構造は好ましくは、腰部構造内にフープ応力を生じさせ、腰部構造を着用者の腰部領域に当ててこれに押し付けるように張力を受けた状態にある。また、かかる衣料品を着用している間、かかる衣料品の下向きの滑り又はずれを最小限に抑えるため、ゴム入り腰部構造内のフープ応力は、着用者の腰部のところで皮膚に圧着するのに十分な大きさの内向きの力を生じさせるのに足るほど大きくなければならない。内向きの力は、着用者の身体に垂直の力を及ぼして結果的に、衣料品を最初に着用者に当てた時の衣料品の最初の位置から遠ざかって衣料品を着用者の腰から下に引き下げがちに作用する力に打ち勝つのに十分な摩擦を着用者の皮膚と弾性腰部構造の内面との間に生じさせるほど大きいものである必要がある。この点に関し、衣料品に作用してこれを引き下げる下向きの力は、一要因としては着用者の動きによって生じ、またこれら下向きの力は、一要因としては吸収性心材が尿及び糞便の形態の排出物を吸収して封じ込めることに起因して生じる吸収性の分泌液受入れ心材の重量の増大によって生じる。
【0006】
しかしながら、衣料品を着用者の身体上のその当初の位置に保持しようとするのに十分なフープ応力をゴム入り腰部構造内に設ける際、着用者の腰部に作用する内向きの力により、圧迫感及び締り作用が着用者の身体に及ぼされ、それにより着用者が不快感を覚えたり、着用者の腰部周りの皮膚に望ましくない圧迫によりマーク(「赤マーク」と呼ばれる場合がある)が生じる場合もある。かかる赤マークは、着用者の腰部に加わる内向きの力が比較的大きいことを表しており、赤マークが付くということは、着用者に不快感を生じさせること及びかかる衣料品を着用している小さな子供の母親に心配を生じさせることの両方の理由で望ましくない。本発明は、衣料品と着用者の皮膚との間の表面静摩擦力を増大させ、それにより、フープ応力及びその結果として生じる着用者の身体に作用する内向き力を減少させることができるようにすることにより、かかる不快感を最小限に抑えると共にこれに付随して生じる着用者の皮膚に赤マークが生じるのを最小限に抑えることに関する。加うるに、本発明により、着用者の皮膚に対する圧力を低くすることができるので、本発明は又、かかる衣料品の部分と着用者の皮膚との間の相対運動により生じる皮膚の擦過傷を減少させるのにも役立つ。
【0007】
使い捨ておむつの内面の摩擦係数を増大させるという大まかな構想は、1998年7月21日にTanzer氏等に付与された米国特許第5,782,819号(発明の名称:Article with Stay-In-Place Feature)及び1995年8月24日に公開された国際出願公開明細書WO95/22306(発明の名称:AbsorbentPant Diaper ;発明の名称:Kling 氏等)に開示されている。しかしながら、後者の特許技術文献は、特定の摩擦係数の値を開示しておらず、また、おむつの臀部のところに摩擦剤を配置することを教示しているが、おむつの側部シーム上及び後側部分内に設けることは教示していない。前者の特許技術文献は、動摩擦係数が、運動が或る一方向に生じる場合には第1の値を持ち、運動がその逆方向に生じる場合には第2の値を持つ構造を開示している。
【0008】
本発明の目的は、使い捨て吸収性物品を着用者による動きの際にその所望の着用位置に保持するよう物品の皮膚に向いた表面の選択された部分のところに比較的高い静摩擦係数を有する使い捨て吸収性物品を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、着用者の身体への使い捨て吸収性物品の着脱を容易にするために構造の選択された部分上で比較的低い静摩擦係数を有する使い捨て吸収性物品を提供することにある。
【0010】
〔概要〕
概要を説明すると、本発明の一特徴によれば、トップシート、トップシートに接合されたバックシート及びトップシートとバックシートとの間に設けられた吸収性心材を有するシャシを含む使い捨て衣料品が提供される。シャシは、前側領域、後側領域、前側領域と後側領域との間に位置した股領域、側部エッジ及び端部エッジを有している。1対の側方に間隔を置いて位置する脚部通し穴及び脚部通し穴の各々から間隔を置いた腰部通し穴を備えた衣料品を形成するよう、1対の側部シームが、前側領域のところでシャシの側部エッジの部分を後側領域のところのシャシのそれぞれ対応関係にある側部エッジの他の部分に接合している。少なくとも1つの保持帯域が、側部シームの上に位置した状態で腰部通し穴のところで衣料品の内部に設けられている。保持帯域は、衣料品を着用者の身体上の所望の着用位置に保持するのに役立つよう、ウエストバンドの他の身体接触部分の静摩擦係数よりも少なくとも約200%高い静摩擦係数を有している。
【0011】
本発明の別の特徴によれば、使い捨て衣料品は、着用者の身体への衣料品の着脱を容易にするよう衣料品の内側身体向き表面内に設けられたスリップ帯域を有している。スリップ帯域は、約0.20未満の程度の比較的低い静摩擦係数を保有している。スリップ帯域を、保持帯域相互間の箇所でウエストバンドの外面上又は衣料品を着用したとき、着用者の腹部(胃部)の上に位置するウエストバンドの部分上に設けてもよく、或いは、これらスリップ帯域を、衣料品の着脱の際の抵抗を減少させるよう脚部通し穴に隣接して内面の回りに設けてもよい。さらに、静摩擦係数が約0.20〜約1.5の範囲の中程度の帯域を保持帯域とスリップ帯域との間に設けるのがよい。
【0012】
本発明の別の特徴によれば、ウエストバンドの内面は、1以上の回動可能なフラップを有するのがよい。フラップの或る一つの位置では、静摩擦係数の比較的高い領域が覆われ、フラップの別の回動位置では、静摩擦係数の高い領域が着用者の皮膚に対して露出される。フラップ材料は、静摩擦係数が約0.20〜約1.5程度の領域を露出させるようウエストバンドの周囲と実質的に平行なピボット軸線の回りに回動する。
【0013】
〔詳細な説明〕
本明細書中に用いられる「プルオン式衣料品(pull-on garment )」という用語は、画定された腰部通し穴及び1対の脚部通し穴を有し、脚を脚部通し穴に入れ、物品を引っ張り上げて腰に付けることにより着用者の身体に装着される衣料品のことである。
【0014】
本明細書における「使い捨て」という用語は、洗濯或いは他の方法で元の状態に戻したり又は衣料品として再使用されるようにはなっていない衣料品を記述する用語である(即ち、これら衣料品は、1回使用された後に捨てられ、好ましくは、再生利用され、堆肥にされ、或いは環境に優しい方法で処分されるようになっている)。
【0015】
本明細書においては「一体形」プルオン式衣料品は、互いに結合されて連携して機能する物品を形成する別個の部品で形成されたプルオン式衣料品を意味するが、耳パネルは、衣料品の中央パネル又はシャシをも形成する少なくとも1つの層によって形成されているという点において、別体のシャシに結合される別体の部分ではない(即ち、衣料品は、別々に手で扱うパネル、例えば、別個のシャシ及び別個の耳パネルを必要としない)。プルオン式衣料品は又好ましくは、身体から排出された種々の分泌液を吸収して封じ込めるよう「吸収性」である。本発明のプルオン式衣料品の好ましい実施形態は、図1に示す一体形使い捨て吸収性プルオン式衣料品、即ち、プルオン式おむつ20である。
【0016】
本明細書における「プルオン式おむつ(pull-on diaper)」という用語は、乳幼児及び他の失禁がちな人によって一般に着用され、糞尿を吸収して封じ込めるプルオン式衣料品を意味している。しかしながら、本発明は、他のプルオン式衣料品、例えば、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、女性の衛生用衣料品又はパンティー等にも適用できることは理解されるべきである。
【0017】
本明細書における「接合された」又は「接合する」という用語は、要素を直接他の要素に取り付けることにより要素を直接別の要素に固定する形態及び要素を中間の部材に取り付け、この中間の部材を他の要素に取り付けることにより、要素を間接的に他の要素に固定する形態を含む。
【0018】
本明細書における「長手方向」という用語は、プルオン式おむつを着用したときに立っている着用者を左半部と右半部に2等分する垂直平面と全体として整列した(例えば、これとほぼ平行な)プルオン式おむつの平面内の線、軸線又は方向を意味している。
【0019】
本明細書における「横方向」及び「側方」という用語は、互換性があり、即ち相互に区別なく用いられており、長手方向にほぼ垂直な(着用者を前側体半部と後側体半部に分ける)プルオン式おむつの平面内に位置する線、軸線又は方向を意味している。
【0020】
図1、図2及び図3を参照すると、プルオン式おむつ20は、前側領域26、後側領域28及び前側領域26と後側領域28との間に位置する股領域30を有している。おむつ20は、2本の中心線、即ち、長手方向中心線100及び横方向中心線110を更に有しており、その構成材料は、使用中着用者の皮膚に向く身体向き表面及び身体向き表面から遠ざかる方向に向く外部向き表面を有している。
【0021】
図2は、図1のプルオン式おむつ20をその平らに広げ、締めていない状態で示す平面図であり、一緒になっておむつの構造を構成する種々のパネル及びこれらの相対的な位置を示している。「パネル」という用語は、プルオン式おむつ又はベルトの領域又は要素を意味するものとして用いられている。パネルは代表的には互いに別個の領域又は要素であるが、パネルは隣接のパネルと同じものであり、或いは機能的に一致するものであるのがよい。
【0022】
図2に示すように、おむつ20は主パネル2及び主パネル2にそれぞれの長手方向エッジ(縁)2Bに沿って連結された一対の細長い全体として矩形の脚部フラップパネル4を備えた股領域30を有している。前側領域26は、中央パネル(中間パネル)8、ウエストバンドパネル6、耳パネル10及びシームパネル12を有し、後側領域28は、中央パネル(中間パネル)9、ウエストバンドパネル7、耳パネル11及びシームパネル13を有している。股領域30は、連続ベルト(他のパネル)の起点となるプルオン式おむつ20の部分である。吸収性心材は全体として主パネル2内に設けられている。というのは、分泌液はこの領域に放出されるのが通例だからである。ただし、吸収性心材は代表的には、ベルトの中間パネル8,9内へ延びることになろう。脚部フラップパネル4は全体として、主パネル2の各側部エッジ(側縁という場合もある)2Bに沿ってこれから全体として側方外方に延びている。各脚部フラップパネル4は全体として、弾性脚部の構造的特徴の少なくとも一部を形成している。
【0023】
連続ベルト帯域(前側領域26及び後側領域28)は全体として、股領域30(主パネル2及び脚部フラップパネル4)の各側方又は横方向エッジ159に沿ってこれから全体として長手方向外方に延びている。前側領域26内では、中間パネル8(即ち、中央パネル)は、股領域30の側方エッジ159に沿ってこれから全体として長手方向外方に延びている。中間パネル8は、腰部側のエッジ190及び側部(横腹部)側のエッジ191を有している。
【0024】
耳パネル10は各々、中間パネル8(即ち、中央パネル)の側部エッジ191に沿ってこれから全体として側方外方に延びている。耳パネル10は、腰部エッジ161及び側部エッジ171を有している。ウエストバンドパネル6は、中間パネル8(即ち、中央パネル)の腰部エッジ190及び耳パネル10の腰部エッジ161に沿ってこれらから全体として長手方向外方に延びている。ウエストバンドパネル6は、側部エッジ175を有している。
【0025】
シームパネル12は各々、耳パネル10の側部エッジ171及びウエストバンドパネル6の側部エッジ175に沿ってこれらから全体として側方外方に延びている。後側領域28内では、中間パネル9(即ち、中央パネル)は、股領域30の他の側部エッジ159に沿ってこれから全体として長手方向外方に延びている。
【0026】
中間パネル9は、腰部エッジ192及び側部エッジ193を有している。耳パネル11は各々、中間パネル9(即ち、中央パネル)の側部エッジ193に沿ってこれから全体として側方外方に延びている。耳パネル11は、腰部エッジ163及び側部エッジ173を有している。
【0027】
ウエストバンドパネル7は、中間パネル9(即ち、中央パネル)の腰部エッジ192及び耳パネル11の腰部エッジ163に沿ってこれらから全体として長手方向外方に延びている。ウエストバンドパネル7は、側部エッジ177を有している。シームパネル13は各々、耳パネル11の側部エッジ173及びウエストバンドパネル17の側部エッジ177に沿ってこれらから全体として側方外方に延びている。前側領域26は、そのパネルに加えて、腰部エッジ151、脚部側のエッジ153及び側部エッジ154を更に有している。後側領域28は、そのパネルに加えて、腰部エッジ155、脚部エッジ156及び側部エッジ157を更に有している。股領域30は、脚部エッジ158を有している。
【0028】
おむつ20は、シャシ41、腰部エラストマー材料(図1、図2及び図3には示さず)及びシーム32を有している。プルオン式おむつ20は、位置決めがシーム32と関連した引裂き開きタブ31及び内側バリヤ折返し部54を含むゴム入り脚部折返し部52を有するのがよい。横腹部又は側部エラストマー材料は、耳パネル10,11の少なくとも一部を伸長可能にし、それにより、伸長性耳46,48を形成している。腰部エラストマー材料は、ウエストバンドパネル6,7の少なくとも一部を伸長可能にし、それにより、連続した伸長性ウエストバンド57,59を形成している。側部エラストマー材料及び腰部エラストマー材料は、互いに別個の要素であって、プルオン式おむつ20の長手方向には互いにオーバーラップしないよう設けられている。これにより、寸法の伸び、圧力等の調整を行うことができるよう腰部及び側部エラストマー材料の一層独立した動作が可能になる。伸長性耳46,48及び連続伸長性ウエストバンド57,59は、少なくとも側方に伸長可能である。シーム32は、前側領域26のシームパネル12と後側領域28のシームパネル13を接合し、それにより、耳パネル10は耳パネル11に接合され、1つの腰部通し穴36及び2つの脚部通し穴34が形成される。耳パネル10が耳パネル11に接合された形態では、連続伸長性ウエストバンド57,59は、腰部通し穴36の周りに連続した伸長性の腰部側特徴部60を形成している。さらに、連続ベルト帯域38が、前側領域26及び後側領域28内に延びている。
【0029】
図3を参照すると、シャシ41は、吸収性心材25及び吸収性心材25と関連して配置された複数の層、例えば、トップシート24及びトップシート24と連携するバックシート22を有している。吸収性心材25は、トップシート24とバックシート22との間に配置されている。シャシ41は、吸収性心材25と関連して設けられた位置以上の追加の層を更に有するのがよい。トップシート24は、使用中、着用者の身体に隣接して位置する身体向き表面を有している。バックシート22は、着用者の身体から遠ざかって配置された外部向き表面を有している。好ましくは、バックシート22は、内側バリヤフィルム68及び不織外カバー23を有している。シャシ41は、前側領域26、後側領域28及び股領域30を構成しているので、シャシ41は、上述した対応関係をなす領域及びパネルを更に有している。(説明を簡単にするために、これら領域及びパネルには図中、図2に示すような対応関係をなすプルオン式おむつの領域及びパネルと同一の符号がつけられている。)
トップシート24及びバックシート22の内側バリヤフィルム68は、吸収性心材25よりも大きな長さ寸法及び幅寸法を有している。トップシート24及び内側バリヤフィルム68は、吸収性心材25の側縁及び端縁を越えて延び、それにより、シャシ41の周囲を形成している。トップシート24は、プルオン式おむつ20の腰部エッジ151,155相互間で長手方向に延びている。トップシート24は、腰部側の端部24A及び側部24Bを有している。トップシート24の腰部側端部24A(即ち、端部延長部分24A)は、プルオン式おむつ20のウエストバンドパネル6,7の一部の中に延びている。内側バリヤフィルム68は、腰部側の端部68A及び側部68Bを有している。内側バリヤフィルム68は、トップシート24よりも長手方向においてほんのわずか短く、トップシート24よりも側方においてほんのわずか広い。内側バリヤフィルム68は、股領域30の少なくとも一部に第1の部分94及び前側領域26又は後側領域28の少なくとも一部に第2の部分96を形成するようむらのある側方幅を有している。内側バリヤフィルム68の側方幅は、腰部側端部68Aに向かって次第に減少し、したがって第2の部分96が第1の部分94の側方幅寸法よりも小さな側方幅寸法を有するようになっている。内側バリヤフィルム68は好ましくは、耳パネル10,11の有効側方延長長さを増大させると共に耳パネル10,11の嵩張り具合を減少させるよう耳パネル10,11内には延びていない。内側バリヤフィルム68は、ウエストバンドパネル6,7の嵩張り具合を減少させるようウエストバンドパネル6,7にも延びていない。加うるに、内側バリヤフィルム68は、耳パネル10,11とウエストバンドパネル6,7の両方の中へ延びていないので、内側バリヤフィルム68は、これら領域の呼吸性を阻害しない。トップシート24、内側バリヤフィルム68及び吸収性コア25を種々の周知の形態で組み立てることができるが、例示のシャシ形態が、1975年1月14日にKenneth B. Buell氏に付与された米国特許第3,860,003号(発明の名称:Contractible Side Portions for Disposable Diaper)及び1992年9月29日にKenneth B. Buell氏等に付与された米国特許第5
,151,092号(発明の名称:Absorbent Article With Dynamic Elastic Waist Feature Having A Predisposed Resilient Flexural Hinge)に全体的に記載されている。
【0030】
好ましくは、不織外カバー23はプルオン式おむつ20の最も外側の部分の領域の殆ど全てを覆う。不織外カバー23は、プルオン式おむつ20とほぼ同一の形状のものであるのがよい。不織外カバー23は、腰部側の端部23A及び側部23Bを有している。不織外カバー23は、前側領域26内に位置した側部延長部分23C及び後側領域23内に位置した側部延長部分23Dを更に有している。不織外カバー23の腰部側端部23A(即ち、端部延長部分23A)は、ウエストバンドパネル6,7内へ延び、不織外カバー23の側部延長部分23C,23Dは、耳パネル10,11内へ延びている。変形例として、バックシート22の不織外カバー23は、内側バリヤフィルム68とほぼ同一の形状を有していて、不織外カバー23が内側バリヤフィルム68の領域だけを覆うようにしてもよい。変形例として、不織外カバー23を省いてもよく、内側バリヤフィルム68は、プルオン式おむつ20とほぼ同一の形状のものであって、耳パネル10,11とウエストバンドパネル6,7の両方の中へ延びていてもよい。
【0031】
吸収性心材25は、一般に圧縮性があって形状適合性があり、着用者の皮膚にに対して非刺激性であり、しかも液体、例えば尿及び身体からの他の或る幾つかの種類の分泌物を吸収して保持することができる吸収性部材であるのがよい。吸収性心材25は、多種多様なサイズ及び形状(例えば、矩形、砂時計形、「T」字形、非対称形等)で、しかも使い捨てプルオン式衣料品で通常用いられている多種多様な液体吸収材料及び他の吸収性物品、例えばエアフェルト(airfelt )と通称されている微粉砕木材パルプから作ることができる。他の適当な吸収性材料の例としては、クレープ加工セルロース詰綿、コフォーム(coform)を含むメルトブロー法処理重合体(ポリマー)、化学的に剛化され改質され又は架橋されたセルロース系繊維、ティシューラップやティッシューラミネートを含むティシュー、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性重合体、吸収性ゲル化物質又はこれらと同等な任意の物質又はこれら物質の組合せが挙げられる。
【0032】
吸収性心材25の形状及び構造は、様々であってよい(例えば、吸収性心材25は、厚さが漸変する帯域、親水性勾配又は超吸収性勾配があり、或いは平均密度が低く且つ平均基本重量が低い収集帯域を有していてもよく、或いは、1又は2以上の層又は構造部材を有していてもよい)。さらに、吸収性心材25のサイズ及び吸収容量も又、乳幼児から大人にわたる着用者に対応するよう様々であるのがよい。しかしながら、吸収性心材25の総吸収容量は、おむつ20の設計保持量及び所期の用途と両立すべきである。
【0033】
吸収性心材25は好ましい形態では、前側腰領域26及び後側腰領域28に耳を有する非対称で砂時計の形を改変した形状のものである。広く受け入れられ商業的成功が達成された吸収性心材25として用いられる他の例示の吸収性構造が、1986年9月9日にWeisman 氏等に付与された米国特許第4,610,678号(発明の名称:High-Density Absorbent Structures )、1987年6月16日にWeisman 氏等に付与された米国特許第4,673,402号(発明の名称:Absorbent Articles With Dual-Layered Cores)、1989年12月19日にAngstadt氏に付与された米国特許第4,888,231号(発明の名称:Absorbent Core Having A Dusting Layer )及び1989年5月30日にAlemany 氏等に付与された米国特許第4,834,735号(発明の名称:High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquition Zones)に記載されている。
【0034】
シャシ41は、図4に示すように、吸収性心材25上に設けられていて、デュアル心材システムを形成する化学的に剛化された繊維から成る収集/分配心材84を更に有するのがよい。好ましいデュアル心材システムは、1993年8月10日にAlemany 氏等に付与された米国特許第5,234,423号(発明の名称:Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency)及び1992年9月15日にYoung 氏、LaVon 氏及びTaylor氏に付与された米国特許第5,147,345号(発明の名称:High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)に開示されている。好ましい実施形態では、収集/分配心材84は、Weyerhaeuser Co.(米国)から商品名CMCで入手できる化学的に処理された剛化セルロース系繊維材料からなる。
【0035】
変形例として、シャシ41は、図4に示すようにトップシート24と収集/分配心材84との間に位置する収集/分配層82を更に有している。収集/分配層82は、トップシート24の表面湿潤をもたらす傾向を減少させやすくするために設けられている。収集/分配層82は好ましくは、例えばPolymer Group, Inc., North America (米国ニュージャージー州ランディシビル所在)からコード番号FT−6860として入手できるカーディングされた樹脂接合ハイロフト不織材料からなり、これは6dtexのポリエチレンテレフタレート繊維で作られていて、その基本重量は約43g/mである。
【0036】
トップシート24は好ましくは、しなやかで、肌触りがソフトであり、しかも着用者の皮膚に対して刺激のないものである。さらに、トップシート24は、液体(例えば、尿)がその厚さを容易に貫通することができるよう液体浸透性である。適当なトップシート24を、広範な材料、例えば織物又は不織物、重合体材料、例えば有孔成形プラスチックフィルム、有孔プラスチックフィルム及び油圧成形熱可塑性フィルム、多孔質フォーム、網状フォーム、網状熱可塑性フィルム及び熱可塑性スクリムで作ることができる。適当な織物及び不織物に、天然繊維(例えば、木繊維又は綿繊維)、合成繊維(例えば、重合体繊維、ポリエステル、ポリプロピレン又はポリエチレン繊維)、或いは天然繊維と合成繊維の組合せから形成するのがよい。
【0037】
トップシート24は好ましくは、着用者の皮膚を、トップシート24を通過し、吸収性心材25内に封じ込められた液体から隔離する(即ち、再び濡れないようにする)疎水性材料で作られている。トップシート24を疎水性材料で作った場合、トップシート24の少なくとも上面を、親水性であるように加工し、それにより液体がトップシートを一層迅速に通って移動するようにする。これにより、身体の分泌液が、トップシート24を通って吸い込まれて吸収性心材25によって吸収されずに、トップシート24から流れ落ちることになる恐れが低くなる。トップシート24を、表面活性剤で加工することにより親水性にしてもよい。トップシート24を界面活性剤で加工する適当な方法としては、トップシート24の材料に界面活性剤をスプレーし、この材料を界面活性剤中に浸漬させることが挙げられる。かかる加工方法及び親水性化についての詳細な説明は、1991年1月29日にReising 氏等に付与された米国特許第4,988,344号(発明の名称:Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers )及び1991年1月29日にReising 氏等に付与された米国特許第4,988,345号(発明の名称:Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores )に記載されている。トップシート24は、好ましくはプルオン式おむつ20のウエストバンドパネル6,7及び他の部分に沿って通気設計/方法と両立したものであるのがよい。
【0038】
好ましい実施形態では、トップシート24は、表面の湿潤傾向を減少させることができ、その結果、心材25によって吸収された尿を湿潤後、ユーザの皮膚から遠ざけたまま維持しやすいようにすることができる不織ウェブである。好ましいトップシート材料のうちの1つは、Fiberweb North America, Inc.(米国サウスカロライナ州シンプソンビル所在)からコード番号P−8として入手できる熱接着されたカーディング済みウェブである。別の好ましいトップシート材料は、日本国所在のHavix Co. からコード番号S−2355として入手できる。この材料は、2層複合材料であり、カーディング及び空気通し法を用いることにより2種類の合成表面活性剤加工済みの二成分繊維で作られている。さらに別の好ましいトップシート材料は、Amoco Fabrics, Inc. (ドイツ国グロナウ所在)からコード番号Profleece Style 040018007 として入手できる熱接着カーディング加工ウェブである。
【0039】
別の好ましいトップシート24は、有孔成形フィルムから成る。有孔成形フィルムは、トップシート24にとって好ましいが、その理由は、これらフィルムは、身体の分泌液に対して浸透性であり、さらに非吸収性であり、しかも液体がこれを通って戻り、着用者の皮膚を再び濡らす傾向が低いからである。かくして、身体と接触状態にある成形フィルムの表面は乾燥したままであり、それにより、身体を汚すのを軽減し、着用者にとって一層快適な肌触りをもたらす。適当な成形フィルムは、1975年12月30日にThompson氏に付与された米国特許第3,929,135号(発明の名称:Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)、1982年4月13日にMullane 氏等に付与された米国特許第4,324,246号(発明の名称:Disposable Absorbent Article Having A Strain Resistant Topsheet )、1982年8月3日にRadel 氏等に付与された米国特許第4,342,314号(発明の名称:Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)、1984年7月31日にAhr 氏等に付与された米国特許第4,463,045号(発明の名称:Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)及び1991年4月9日にBaird 氏に付与された米国特許第5,006,394号(発明の名称:Multilayer Polymeric Film )に記載されている。
【0040】
バックシート22は好ましくは、内側バリヤフィルム68及び及び不織外カバー23を有している。内側バリヤフィルム68は好ましくは、液体(例えば、尿)に対して不浸透性であり、好ましくは、薄いプラスチックフィルムから作られる。内側バリヤフィルム68は、身体向き表面79及び身体向き表面79と反対側の外部へ向いた表面77を有している。より好ましくは、プラスチックフィルムは、蒸気をおむつ22から逃がすことができる。好ましい実施形態では、微孔質ポリエチレンフィルムが、内側バリヤフィルム68に用いられる。適当な微孔質ポリエチレンフィルムは、日本国名古屋市所在のMitsui Toatsu Chemicals, Inc. によって製造されていて、商品名Espoir No で市販されている。バックシート22は好ましくは、通気及び側部シーム設計/方法と両立するものである。さらに、使い捨てテープをバックシートの外面に接合するのがよい。
【0041】
内側バリヤフィルム68の適当な材料は、好ましくはポリエチレン又はポリプロピレンを含む厚さが約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の熱可塑性フィルムである。好ましくは、内側バリヤフィルムの基本重量は、約5g/m〜約35g/mである。しかしながら、他の可撓性液体不浸透性材料を用いてもよいことは注目されるべきである。本明細書における「可撓性」という用語は、柔軟性があり、しかも着用者の体の全体的な形状及び輪郭に容易に合致する材料の性質をさしている。プラスチックフィルムは、以下の方法で測定して3,000〜4,000g/m/24時間の水蒸気透過率を有するのがよい。
【0042】
不織外カバー23は、内側バリヤフィルム68の外向き表面に接合されて積層品(即ち、バックシート22)を形成している。不織外カバー23は、プルオン式おむつ20の最も外側の部分のところに位置した状態でおむつ20の最も外側の部分の少なくとも一部を覆っている。不織外カバー23を、当該技術分野で知られている任意適当な取付け手段を用いて内側バリヤフィルム68に接合してもよい。例えば、不織外カバー23を、一様に連続した接着剤層、パターン化された接着剤層又は接着剤の別々の線、螺旋又はスポットのアレイで内側バリヤフィルム68に固定してもよい。適当な接着剤としては、日本国大阪府所在のNittaFindley Co., Ltd. からH−2128として入手できるホットメルト接着剤及び日本国大阪府所在のH. B. Fuller Japan Co., Ltd.からJM−6064として入手できるホットメルト接着剤が挙げられる。
【0043】
好ましい実施形態では、不織外カバー23は、例えば、日本国岐阜県所在のHavix Co., Ltd.からE−2341として入手できるカーディング加工不織ウェブである。不織外カバー23は、ポリエチレン(PE)及びポリエチレンテレフタレート(PET)から成る二成分繊維で作られている。PE/PETの比は、約40/60である。PE/PET二成分繊維は、2decitex ×51mmの寸法を有している。別の好ましいカーディング済み不織ウェブは、日本国大阪府所在のChisso Corp.から入手できる。不織外カバー23は又、ポリエチレン(PE)及びポリエチレンテレフタレート(PET)から成る二成分繊維で作られる。PE/PETの比は、約30/70である。
【0044】
別の好ましい実施形態では、不織ウェブは、例えば、日本国東京都所在のMitsui Petrochemical Industries. Ltd. から入手できるスパンボンド不織ウェブである。不織ウェブは、ポリエチレン(PE)外被及びポリプロピレン(PP)心材から成る二成分繊維で作られている。PE/PPの比は、約80/20である。PE/PP二成分繊維の厚さは、約2.3decitex である。
【0045】
バックシート22は好ましくは吸収性心材25の外方に向いた表面に隣接して設けられ、好ましくは当該技術分野で公知の任意適当な取付け手段によってこれに接合されている。例えば、バックシート22を、一様に連続した接着剤層、パターン化された接着剤層又は接着剤の別々の線、螺旋又はスポットのアレイによって吸収性心材25に固定するのがよい。満足のゆくものであることが分かった接着剤は、米国ミネソタ州所在のH. B. Fuller Company of St. Paulによって製造され、HL−1258として市販されている。接着剤フィラメントの開放パターンネットワークを含む適当な取付け手段の一例が、1986年3月4日にMinetola氏等に付与された米国特許第4,573,986号(発明の名称:Disposable Waste-Containment Garment)に開示されている。螺旋パターンの状態に巻かれた接着剤フィラメントの数本の線を含む別の適当な取付け手段が、1975年10月7日にSprague, Jr.に付与された米国特許第3,911,173号、1978年11月22日にZiecker 氏等に付与された米国特許第4,785,996号及び1989年6月27日にWerenicz氏に付与された米国特許第4,842,666号に示された装置及び発明によって示されている。変形例として、取付け手段は、熱接着法、加圧接着法、超音波接着法、動的機械式接着法、或いは当該技術分野で知られているような任意他の適当な取付け手段又はこれら取付け手段の組合せであってもよい。
【0046】
変形実施形態では、吸収性心材25は、前側領域26及び後側領域28の延伸性又は伸長性を大きくするためにバックシート22及び(又は)トップシート24には接合されない。
【0047】
ゴム入り脚部側折返し部52は、液体及び他の身体分泌液の封じ込めを向上させる。ゴム入り脚部側折返し部52は、脚部領域における身体分泌液の漏れを減少させるための幾つかの互いに異なる実施形態を有していてもよい。(脚部側折返し部は、脚部バンド、サイドフラップ、バリヤ折返し部又は弾性折返し部であってよく、そのように呼ばれる場合もある。)米国特許第3,860,003号は、ゴム入り脚部側折返し部(封止折返し部)を形成するようサイドフラップ及び1又は2以上の弾性部材を備えた収縮性脚部通し穴を備えた使い捨ておむつを記載している。1990年3月20日にAziz氏等に付与された米国特許第4,909,803号(発明の名称:Disposable Absorbent Article Having Elasticized Flaps )は、脚領域の封じ込めを向上させる「直立形」ゴム入りフラップ(バリヤ折返し部)を備えた使い捨ておむつを記載している。1987年9月22日にLawson氏に付与された米国特許第4,695,278号(発明の名称:Absorbent Article Having Dual Cuffs )及び1989年1月3日にDragoo氏に付与された米国特許第4,795,454号(発明の名称:Absorbent Article Having Leakage-Resistant Dual Cuffs )は、封止折返し部及びバリヤ折返し部を含む二重折返し部を備えた使い捨ておむつを記載している。1987年11月3日にBuell 氏に付与された米国特許第4,704,115号(発明の名称:Disposable Waist Containment Garment)は、衣料品内に自由液体を封じ込めるように構成された側部−縁部−漏れ−ガード溝を備えた使い捨ておむつ又は失禁用衣料品を開示している。
【0048】
各ゴム入り脚部側折返し部52を、上述した脚バンド、サイドフラップ、遮断折返し部又は弾性折返し部のうちの任意のものと類似するよう構成するのがよいが、各ゴム入り脚部側折返し部52は、上述の米国特許第4,909,803号に記載されているようなバリヤフラップ56及び間隔保持手段58(図5に示されている)から成る内側バリヤ折返し部54を有することが好ましい。内側バリヤ折返し部54は、不透過性が高いが、好ましくは呼吸性であるインサート要素を有するのがよい。好ましい実施形態では、ゴム入り脚部側折返し部52は、例えば上述の米国特許第4,695,278号及び第4,795,454号に記載されたバリヤ折返し部54の外部に位置決めされた位置以上の弾性ストランド64付きの弾性封止折返し部62を更に有する。弾性ストランド64は全体が脚部フラップパネル4内に収納されていて、予め引っ張られた状態で任意適当な手段、例えばホットメルトグルーによってこれに接合されている。弾性ストランド64を、接合前に、約30%〜200%まで、好ましくは50%〜150%まで予め引っ張るのがよい。好ましい弾性ストランド64は、Fulflex InternationalCompany によって商品名9312として製造されている。
【0049】
プルオン式おむつ20は、前側伸長性耳部46及び後側伸長性耳部48を有している。図4を参照すると、伸長性耳部46,48は好ましくは、側部エラストマー材料124を備えた側部弾性部材70(図6参照)、不織外カバー23の側部延長部分23Cと、内側バリヤ折返し部54の延長部分72とを有している(ただし、図4は、前側領域26内の構造部材のみを示しており、好ましくは、後側領域28内の構造部材は、前側領域26内の構造部材と同一又は実質的に同一である)。好ましくは、前側耳パネル46と後側耳パネル48のうち少なくとも一方は、少なくとも側方に弾性的に伸長可能である。より好ましくは、前側耳パネル46と後側耳パネル48は共に、少なくとも側方に弾性的に伸長可能である。変形実施形態では、耳パネル46,48は、側方と長手方向の両方向に弾性的に伸長可能である。本明細書において用いられる「伸長可能(又は伸長性)」という用語は、過度の破断を生じることなく少なくとも一方向に或る程度引き伸ばすことができる材料を形容するものとする。本明細書において用いられる「弾性」及び「弾性的に伸長可能な」という用語は、材料を引き伸ばしている力を除いた後にほぼ元の寸法に戻ることができる引き伸ばし可能な材料を形容するものとする。本明細書では、「伸長可能な(又は伸長性〕」と形容される任意の材料又は要素も又、別段の指定がなければ、弾性的に伸長可能である。伸長可能な耳パネル46,48は、まず最初にプルオン式おむつを着用者に快適にフィットさせ、そしてプルオン式おむつが分泌液を保持した後十分時間が経っても着用期間全体を通じてこのフィット感を維持することにより一層快適且つ身体にぴったりとしたフィット感をもたらす。というのは、耳パネル46及び(又は)耳パネル48により、プルオン式衣料品の側部が伸縮できるからである。
【0050】
伸長可能な耳部46,48は好ましくは呼吸性を備えている。耳パネルの水蒸気透過率は、プルオン式おむつの残部の総水蒸気透過率との関連で、高温多湿条件と関連した熱による発疹及び他の皮膚に関する問題の発生を減少させる上で重要である。プルオン式おむつ内の湿度及び熱による湿度を減少させるために、伸長性耳部46,48は好ましくは、少なくとも約23g/m/24時間、より好ましくは、少なくとも4,000g/m/24時間の重みつき平均質量蒸気透過率を有している。好ましくは、プルオン式おむつ全体の重みつき平均質量蒸気透過率は、少なくとも2,000g/m/24時間〜約8,000g/m/24時間である。
【0051】
水蒸気透過率は、以下に説明する方法によって測定される。既知の量のCaClフランジ付きカップ内へ入れる。試料をカップの頂部上に配置した状態で保持リング及びガスケットによってしっかりと保持する。次に、この集成物を秤量し、初期重量として記録する。集成物を一定温度(40℃)及び湿度(75%RH)の室内に5時間置く。次に、集成物を室から取り出し、残部を配置した室の温度に少なくとも30分間かけて平衡させる。次に、集成物を秤量し、最終重量として記録する。質量蒸気透過量(MVTR)を計算し、以下の公式を用いてg/m/24時間の単位で表す。
【0052】
【数1】
Figure 0004767419
図3を参照すると、側部弾性部材70を有する伸長性耳部46は、上方の端縁(端部エッジという場合もある)46A、下方の端縁46B、内側の側縁(側部エッジという場合もある)46C及び外側の側縁46Dを有している。側部弾性部材70を有する後側伸長性耳部48は、上方端縁48A、下方端縁48B、内側側縁48C及び外側側縁48Dを有している。前側領域20内の各要素、部分、部品等の形態は後側領域28のものと異なっていてよいが(例えば、前側伸長性耳部46の形態と後側伸長性耳部48の形態、或いは下方端縁46Bの形態と下方端縁48Bの形態)、説明を簡単にするために、前側領域26及び後側領域28内において互いに対応した要素、部分、部品等を同時に説明する。
【0053】
好ましい実施形態では、耳パネル10,11は、側部弾性材料70によって伸長性耳部46,48を形成するよう耳パネル10,11の領域全体で伸長可能にされる。図3に示す実施形態では、側部弾性部材70は、シームパネル12,13の一部内へ延びていて、前側伸長性耳部46及び後側伸長性耳部48がシーム32のところで互いに固定され、前側領域26内の側部弾性部材70と後側領域28内の側部弾性部材70がシーム32のところで固定されるようになっている(図4は又、シームパネル12,13内へ延びる側部弾性部材70を示している、ただし、シームパネル12,13は図4には示されていない)。変形例として、耳パネル10,11を耳パネル10,11内の領域の一部だけ伸長可能にしてもよい。伸長性耳部46,48は、側部弾性部材70を接合して機械的な引き伸ばしを行うことにより耳パネル10,11の一部を伸長可能にした部分である。
【0054】
好ましい実施形態では、内側側縁46C,48Cは、全体的にプルオン式おむつ20の長手方向中心線100に沿って延びている。外側側縁46D,48Dは、内側側縁46C,48Cに対して平行ではなく、長手方向中心線100に対しても並行ではない。外側側縁46D,48Dは、下方端縁46B,48Bの近くで側方外方に突出している。したがって、内側側縁46C,48Cから見て遠くに位置した外側側縁46D,48Dは、下方端縁46B,48Bの近くに位置している。
【0055】
伸長性耳部46,48は、内側側縁46C,48Cと下方端縁46B,48Bの近くの外側側縁46D,48Dとの間の横方向幅L1及び内側側縁46C,48Cと上方端縁46A,48Aの近くの外側側縁46D,48Dとの間の横方向幅L2を有している。内側側縁と外側側縁との間の横方向幅は、長手方向中心線100に垂直な横方向における内側側縁46C,48Cと外側側縁46D,48Dとの間の幅である。したがって、内側側縁と外側側縁との間の横方向幅は、内側側縁46C,48Cと外側側縁46D,48Dが長手方向に同一の広がりを持つ範囲R内にある。
【0056】
横方向幅L1は横方向幅L2よりも大きく、したがって、伸長性耳部46,48の側方における利用可能なエラストマー材料の量は、上方端縁46A,48Aの近くよりも下方端縁46B,48Bの近くの方が多い。外側側縁46D,48Dが下方端縁46B,48Bの近くで側方外方に突出しているので、下方端縁46B,48Bの近くで使って利用可能なエラストマー材料の量は、上方端縁46A,48Aの近くでの利用可能なエラストマー材料の量を減少させることなく多くなる。さらに、利用可能なエラストマー材料の量は、上方端縁46A,48Aから下方端縁46B,48Bに向かう方向に変化している。というのは、伸長性耳部46,48の横方向幅は、その方向において次第に変化しているからである。この結果、伸長性耳部全体にわたって力の変化又は力の勾配が得られ、個別的にフィットさせることができる。内側側縁46C,48Cも又、長手方向中心線100に対して並行でなくてもよく、下方端縁46B,48Bの近くで側方内方に突出して横方向幅L1が横方向幅L2よりも一段と大きくなるようになっている。変形例として、内側側縁46C,48Cは、下方端縁46B,48Bの近くで側方外方にわずかに突出して、横方向幅L1が横方向幅L2よりも依然として大きいものであるようになっているのがよい。
【0057】
伸長性耳部パネル46,48を、プルオン式おむつ20の一体形要素で形成するのがよい(即ち、これら耳パネルは、プルオン式おむつ20に固定された別々に操作される要素ではなく、プルオン式おむつの種々の層の1又は2以上から形成されると共にその延長部をなしている)。好ましい実施形態では、伸長性耳パネル46,48は、シャシ41の一部を形成すると共に伸長性耳パネル46,48内に連続的に延びる少なくとも1つの一体要素又は連続シート(例えば、シャシ層40)を有している。変形例として、伸長性耳パネル46,48は、一体要素を有していないが、この場合も又、シャシ41の一部を形成している別々の部材(図示せず)を有するだけでもよい。かかる伸長性耳パネル46,48を形成するには、別々の部材をシャシ41の対応の側部に接合するのがよい。
【0058】
側部弾性部材70は、伸長性耳部46,48の領域では、内側バリヤ折返し部54の延長部分72と不織外カバー23の側部延長部分23C,23Dとの間に配置されている。側部弾性部材70は、内側バリヤ折返し部54の延長部分72及び不織外カバー23の側部延長部分23C,23Dのうち少なくとも1つに操作的に接合される。好ましくは、側部弾性部材70は、実質的に張力が加えられていない(歪みゼロ)条件にある間に、内側バリヤ折返し部54の延長部分72と不織外カバー23の側部延長部分23C,23Dの両方に作動的に接合される。
【0059】
側部弾性部材70を内側バリヤ折返し部54及び不織外カバー23に操作的に接合するには、断続的な結合(又は、接合)形態又は実質的に連続した結合形態のいずれかを用いるのがよい。本明細書において「断続的に」結合した積層ウェブという用語は、プライが別々の互いに間隔を置いた位置で互いに最初に結合された積層ウェブ又はプライが別々の互いに間隔を置いた領域で互いに実質的に接合されていない積層ウェブのことである。逆に、「実質的に連続して」結合した積層ウェブは、プライが当初、インタフェースの領域全体にわたり互いに実質的に連続的に接合されている積層ウェブを意味している。ストレッチ積層品をストレッチ積層品全体にわたり又はその重要な部分に結合して非弾性ウェブ(即ち、内側バリヤ折返し部54及び不織外カバー23の不織ウェブ)が破断を生じることなく伸び又は縮むことが好ましく、ストレッチ積層品の層は好ましくは、ストレッチ積層品の層のすべてを歩進形機械式延伸作業の実施後に互いに比較的ぴったりとくっついた状態に保つ形態で結合する。その結果、ストレッチ積層品の弾性パネル部材及び他のプライは、好ましくは、接着剤を用いて実質的に連続的に互いに結合される。
【0060】
特に好ましい実施形態では、選択した接着剤は、約0.116g/mの基本重量で螺旋パターン(例えば、米国特許第3,911,173号(Sprague, Jr.氏)及び米国特許第4,842,666号(Werenicz氏)に示されている)で塗布される。螺旋の幅は、約1.9cm(0.75インチ)であり、いずれも互いにすぐ隣に位置した状態で又は僅かに(2mm未満)オーバーラップして設けられる。接着剤は好ましくは、例えばFindley Adhesives 社からH2120という商品名で入手できるような接着剤である。変形例として、ストレッチ積層品の側部弾性パネル部材及び任意他の構成部品を、熱接着、加圧接着、超音波接着、動的機械式結合又は当該技術分野で知られているような任意他の方法を用いて互いに断続的に又は連続的に結合できる。
【0061】
側部弾性部材70を内側バリヤ折返し部54の延長部分72及び不織外カバー23の側部延長部分23C,23Dに操作的に接合した後、次に、結果的に得られる複合ストレッチ積層品の少なくとも一部に、例えば内側バリヤ折返し部54の延長部分72及び不織外カバー23の側部延長部分23C,23Dである非弾性構成部品を永続的に伸長させるのに十分な機械的な延伸作用を及ぼす。すると、複合ストレッチ積層品は、実質的に張力が加えられていない状態に戻るようになる。かくして、伸長性耳パネル46,48を「歪ゼロ(0)」ストレッチ積層品の状態に形成する。(変形例として、側部弾性部材70を張力を加えた条件下で操作的に接合し、次に機械的な延伸作用を及ぼしてもよい。)本明細書における「歪ゼロ」ストレッチ積層品は、材料の少なくとも2枚のプライを、実質的に張力が加わっていない(「歪ゼロ」)状態でこれらの同一平面上に広がる表面の少なくとも一部に沿って互いに固定して構成された積層品をさしており、この場合、プライのうち一方は、伸縮自在であってゴム弾性がある材料で作られ(即ち、加えた引張力を除いた後にその張力の加えられていなかった寸法に実質的に戻ることになる)、第2のプライは伸長可能であり(しかしながら、必ずしもゴム弾性をもつ必要はない)、したがって延伸の際、第2のプライが少なくとも或る程度永続的に伸長して、加えた引張力を除くと、その元の変形していない形態に完全には戻らないようになっている。それにより、結果的に得られるストレッチ積層品は、当初の延伸方向において少なくとも初期延伸程度まで弾性的に伸長できるようになっている。
【0062】
ストレッチ積層品を製造するのに用いられる特に好ましい方法及び装置は、構成部品を機械的に延伸させる相互噛み合い式波形ロール又はプレートを利用しており、1992年12月1日にWeber 氏等に付与された米国特許第5,167,897号、1990年10月20日にBuell 氏等に付与された米国特許第5,156,793号、1992年9月1日にWeber 氏等に付与された米国特許第5,143,679号、1998年5月7日に出願された欧州特許出願第98108290.2号(発明の名称:Method and Apparatus for Activating & Moving Web;発明者:Christoph J. Schmitz 氏等)に開示されている。
【0063】
側部弾性部材70は好ましくは、図4に示すような接着剤76により内側バリヤフィルムの側部68Bに接合され、より好ましくはこれに直接固定される。好ましい実施形態では、側部弾性部材70は、外部向き表面77のところで内側バリヤフィルム68の側部68Bに接合されている。変形実施形態では、側部弾性部材70を身体向き表面79のところで内側バリヤフィルム68の側部68Bに接合してもよい。好ましくは、接着剤76をビードとして塗布する。接着剤76を螺旋状に塗布してもよい。好ましい実施形態では、接着剤76は、非晶質結晶化成分を備えた可撓性接着剤である。かかる好ましい接着剤は、Findley Adhesive CompanyからH9224という商品名で市販されている。変形例として、側部弾性部材70を、当該技術分野で知られている任意他の結合手段によって内側バリヤフィルム68の側部68Bに接合してもよく、かかる結合手段としては、熱接着法、加圧接着法、超音波接着法、動的機械式接着法、或いはこれら取付け手段の組合せが挙げられる。
【0064】
伸長性耳部46,48に用いられる側部弾性部材70は、図6を参照すると側部エラストマー材料124から成っている。側部弾性部材70は、第1のカバー素材層122及び第2のカバー素材層126のうち一方、好ましくはこれら両方を更に有するのがよい。変形例として、側部弾性材料70は、追加の層を全く備えていなくてもよい。
【0065】
側部エラストマー材料124は、第1の表面150及び第1の表面150と反対側の第2の表面152を有し、第1のカバー素材層122が、側部エラストマー材料124の第1の表面150に接合されている。好ましい実施形態では、第1のカバー素材層122は、接着剤によってエラストマー材料124の第1の表面150に接合されている。より好ましくは、側部弾性材料70は、接着剤164によって側部エラストマー材料124の第2の表面152に接合された第2のカバー素材層126を更に有している。側部弾性材料124は、着用者の横腹部領域に最適な保持(又は維持)力を生じさせることにより、良好なフィット感をもたらす。好ましくは、側部エラストマー材料124は、着用者の皮膚に望ましくない赤マークを生じさせることなく、プルオン式おむつ20が胴体上のその定位置から垂れ落ちたり、ずり落ちたり、或いは滑り落ちるのを防止するのに最適な保持(又は維持)力を生じさせるよう少なくとも1つの方向、好ましくは、横方向にベクトル成分を持つ方向に伸長可能である。
【0066】
側部エラストマー材料124を多種多様なサイズ、形態及び形状で作ることができる。好ましい実施形態では、側部エラストマー材料124は、連続した平らな層の形態である。連続した平らな層の好ましい形態としては、スクリム、有孔(孔が形成された)フィルム、エラストマー織物又は不織物等が挙げられる。変形実施形態では、側部エラストマー材料124は、連続した平らな層を形成するよう互いに連結されていない別個独立のストランド(又は、糸)の形態である。連続した平らな層は、耳パネル内に直接に設けることができる形状であれば任意のものであってよい。連続した平らな層の好ましい形態としては、矩形及び正方形を含む四辺形、台形及び他の多角形が挙げられる。
【0067】
側部エラストマー材料124に特に適していることがわかったエラストマー材料は、厚さが約0.05mm〜約1.0mm(0.002インチ〜0.039インチ)のスチレン系ブロック共重合体を主成分とするスクリム材料、有孔(即ち、孔が設けられた)弾性フィルムである。側部エラストマー材料124の他の適当なエラストマー材料としては、「生の」合成又は天然ゴム、他の合成又は天然ゴムフォームエラストマーフィルム(熱収縮性エラストマーフィルムを含む)、エラストマー織ウェブ又は不織ウェブ、エラストマー複合材等が挙げられる。
【0068】
側部エラストマー材料124の伸長特性、例えば、100%伸び率における第1サイクル伸長力(FCEF100%)、200%伸び率における第1サイクル伸長力(FCEF200%)、50%伸び率における第2サイクル回復力(SCRF50%)及び10〜12時間後における50%長期荷重が使い捨て医療品の性能において重要な検討事項である。側部エラストマー材料124は好ましくは、本明細書で定義する範囲内の伸長特性を有する。FCEF100%及びFCEF200%は、使い捨て医療品の着脱中における全体的な知覚される「延伸具合」の尺度である。これら2つの特性は又、適度の装着延伸度を達成するアプリケータの能力に影響を及ぼす。FCEF100%及びFCEF200%が比較的高い側部エラストマー材料124は、使い捨て医療品を着用者に装着する際に困難を生じさせる場合がある。他方、FCEF100%及びFCEF200%が比較的低い側部エラストマー材料124は、適度の身体フィット具合/快適さを達成できない。SCRF50%も又、着用者にとっての使い捨て医療品の身体フィット具合/快適さに密接に関連している。比較的高いSCRF50%を持つ側部エラストマー材料124は、着用者の皮膚に赤マークを生じさせがちであり、使用中、着用者にとって不快感を生じる場合がある。比較的低いSCRF50%を持つ側部エラストマー材料124は、おむつを着用者上の定位置に保持するのに十分な弾性力を生じさせることができず、或いは良好な身体フィット具合をもたらすことができない。50%長期荷重は、経時的な力の減少度を評価する。これは、制限されるべきであり、そうでなければ結果的に相当程度のずり落ちが生じることになる。
【0069】
FCEF100%、FCEF200%及びSCRF50%の値を、引張試験機を用いることにより測定できる。引張試験機は、上ジョー及び上ジョーの下に位置した下ジョーを有している。上ジョーは可動であり、伸長力測定手段に連結されている。下ジョーは、デスク(又はフロア)上に固定されている。幅が約2.54cm(1.0インチ)、長さが約12.75cm(5インチ)の試験片(即ち、測定対象のエラストマー材料)を準備し、上ジョーと下ジョーとの間にクランプし、有効試験片長さ(L)(即ち、ゲージ長)が約2.54cm(1.0インチ)になるようにする。伸長力を上ジョーを介して試験片に加える。試験片に伸長力を加えない場合、試験片は、その張力は加えられていない長さの状態にある。本発明に用いられるのに適した引張試験機は、Instron Cooperation (米国マサチューセッツ州02121キャントン・ロイヤルストリート100所在)からコード番号Instron 5564として入手できる。
【0070】
好ましい実施形態では、側部エラストマー材料124のFCEF100%は少なくとも約100g/インチである。より好ましくは、FCEF100%は、約120〜約220g/インチであり、最も好ましくは、約150g/インチ〜190g/インチである。FCEF200%は好ましくは、約160g/インチ〜約450g/インチであり、より好ましくは、約180g/インチ〜約300g/インチであり、更により好ましくは約200g/インチ〜約240g/インチである。側部エラストマー材料124のSCRF50%は好ましくは、約40g/インチ〜約130g/インチであり、より好ましくは、約65g/インチ〜約105g/インチであり、更により好ましくは約75g/インチ〜約95g/インチである。50%長期荷重は好ましくは、約40g/インチ〜約130g/インチ、より好ましくは約65g/インチ〜約105g/インチ、更により好ましくは約75g/インチ〜約95g/インチである。
【0071】
図6に示す好ましい実施形態では、エラストマースクリム124は、複数の第1のストランド125及び複数の第2のストランド127を有している。複数の第1のストランド125は、結び目又は結節点130のところで所定の角度αをなして複数の第2のストランド127と交差していて、複数の孔132を有する網状の開放構造を形成している。各孔132は、少なくとも2つの隣り合う第1のストランド及び少なくとも2つの隣り合う第2のストランドで形成されており、孔132は形状が実質的に矩形になっている。孔132の他の形状、例えば、平行四辺形、正方形又は扇形も又、利用できる。好ましくは、第1のストランド125及び第2のストランド127は、実質的に真っ直ぐであって互いに実質的に平行である。好ましくは、第1のストランド125は、結び目130のところで第2のストランド127と角度αが約90°であるように交差する。第1のストランド125及び第2のストランド127は好ましくは結び目90のところで接合又は結合されている。好ましいエラストマースクリム124が、Conwed Plastics Company により商品名XO2514として製造されている。この材料は、構造方向Bにおいて1インチ当たり約12本の弾性ストランド(即ち、第1のストランド125)及び構造方向Dにおいて1インチ当たり約7本の弾性ストランド(即ち、第2のストランド127)を有している。
【0072】
別の実施形態では、エラストマー材料124は、多孔質であって肉眼で見えるほどに発泡させた3次元エラストマーウェブである。かかる構造及びその製造方法の詳細は、1997年3月14日に出願された米国特許出願第08/816,106号に開示されている。好ましい多孔質エラストマー材料は、Tredegar Film Productsから商品名X−25007として入手できる。アパーチュアは任意所望の形状であるのがよい。好ましくは、アパーチュアは、互いに垂直な長軸と短軸を備えた形状のもの、例えば楕円形の形をしており、長軸は好ましくは、印加した歪み誘起応力とほぼ直交して差し向けられている。
【0073】
図6に示す実施形態では、側部エラストマー部材70は、第1のカバー素材層122、第2のカバー素材層126及び第1のカバー素材層122と第2のカバー層126に設けられた側部エラストマー材料124を有している。第1のカバー素材層122は、内面142及び外面144を有している。第1のカバー素材層122の内面142は、側部エラストマー材料124に向いた状態で配置されている表面である。第2のカバー素材層126も又、内面146及び外面148を有している。第2のカバー素材層126の内面146は、側部エラストマー材料124に向いた状態で位置した表面である。側部エラストマー材料124は、2つの平らな表面、即ち第1の表面150及び第2の表面152を更に有しており、これら表面は各々、第1のカバー素材層122及び第2のカバー素材層126の平面と実質的に平行である。第1の表面150は、第1のカバー素材層122の内面142に最も近くに隣接して位置した側部エラストマー材料124の平らな表面である。第2の表面152は、第2のカバー素材層126の内面146に最も近くに隣接して位置した側部エラストマー材料124の平らな表面である。
【0074】
側部弾性部材70は使用前後に機械的な延伸作業を受けることになるので、第1のカバー素材層122及び第2のカバー素材層126は、比較的高い破断点伸び率を有することが必要であり、好ましくは、甚だしい引裂き又はリップルを生じることなく(好ましくは引裂き又はリップルが全く生じること無く)、一層延伸可能又は伸長可能であり、さらに好ましくは引き伸ばし可能である(しかしながら、必ずしもゴム弾性である必要はない)。さらに、第1のカバー素材層122及び第2のカバー素材層126は好ましくは、しなやかであり且つソフトな肌触りであって、しかも着用者の皮膚に対して刺激がなく、物品に布製衣料品の肌触り及び快適さを与えている。第1及び第2のカバー素材層122,126の好適な材料を、多種多様な材料、例えば、プラスチックフィルム、有孔プラスチックフィルム、天然繊維(例えば、木材又は綿の繊維)の織りウェブ又は不織ウェブ、合成繊維(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロピレン繊維)、又は天然及び(又は)合成繊維の組合せ或いは、コーティングが施された織りウェブ又はコーティングが施された不織ウェブから製造できる。
【0075】
好ましくは、第1及び第2のカバー素材層122,126は、それぞれ、同一の不織材料である。例示の好ましい不織材料はFiberWeb Companyによって基本重量が18〜35g/mのDAPP−Sテックスという商品名で製造されている。不織材料は、圧密化されたものであっても、圧密化されていないものであってもよい。好ましくは、不織材料は、エラストマースクリムにカバー素材層を用いることができるよう圧密化される。この材料の基本重量は、圧密化前においては18〜35g/mであり、圧密化後においては、約40〜70g/mである。本明細書で用いる「基本重量」という用語は、平らなウェブ材料の単位面積当たり、この場合、1m2当たりの重量である。変形例として、引張性の高い不織材料を用いてもよい。変形例として、第1及び第2のカバー素材層122,126は、所望の性能上の要件、例えば、弾性に関する性能、ソフトさ、可撓性、呼吸性及び耐久性に関する要件を満足する限り、同一材料のものである必要はない。本明細書において用いられる「圧密化不織材料」という用語は、構造方向Dにおいて機械的引張力を受けた状態で集められ又は絞られて小さな力で構造方向Dに伸長できる不織材料を意味している。
【0076】
図1を参照するとプルオン式おむつ20は、連続した伸長性の腰部側特徴部60を更に有している。連続伸長性腰部側特徴部60は、フィット具合を向上させ、着用を容易にし、しかも封じ込めを容易にする。連続伸長性腰部側特徴部60は、弾性的に伸長可能であり、着用者の腰に動的にフィットするよう縮むようになったプルオン式おむつ20の部分又は帯域である。連続伸長性腰特徴部60は、ウエストバンドパネル6,7に沿って延びている。好ましくは、連続伸長性腰特徴部60は、2つの別々の要素、即ち、前側領域26内に設けられた一方の連続伸長性ウエストバンド57及び後側領域28内に設けられた他方の連続性伸長ウエストバンド59を有している。ただし、他のプルオン式おむつを単一の連続伸長性ウエストバンドを備えた状態で構成してもよい。
【0077】
図5も参照すると、連続伸長性ウエストバンド57,59は、好ましくは、腰エラストマー材料200を備えた腰部弾性部材80(図6に示す)及び吸収性心材25と関連して設けられた複数の層、例えば、トップシート24及びバックシート22のうち少なくとも一方の延長部分を有している(ただし、図5は、前側領域26内の構造部材のみを示し、好ましくは、後側領域28内の構造部材は、前側領域26内の構造部材と同一又は類似している)。好ましくは、連続伸長性ウエストバンド57,59は、少なくとも側方に、より好ましくは、側方と長手方向の両方向に弾性的に伸長できる。好ましい実施形態では、ウエストバンドパネル6,7は、腰部弾性部材80によって連続伸長性ウエストバンド57,59を形成するようウエストバンドパネル6,7の少なくとも側方長さ全体において伸長可能になっている。
【0078】
図3に示す実施形態では、腰部弾性部材80はシームパネル12,13内へ延びて連続伸長性ウエストバンド57及び連続伸長性ウエストバンド59がシーム32のところで互いに固定され前側領域26内の腰部弾性材料80及び後側領域28内の弾性材料80がシーム32のところで固定されるようになっている(図5は又、シームパネル12,13内へ延びる腰部弾性材料80を示しており、ただし、シームパネル12,13は図5には示されていない)。連続伸長性ウエストバンド57,59は、図1に示すようにプルオン式おむつ20の組立形態では一つの連続伸長性腰部側特徴部60を形成している。
【0079】
連続伸長性ウエストバンド57,59をプルオン式おむつ20の一体要素で形成するのがよい(即ち、これらは、プルオン式おむつ20に固定された別々に扱える要素ではなく、プルオン式おむつの種々の層の1以上のものから作られると共にこれらの延長部分である)。好ましい実施形態では、連続伸長性ウエストバンド57,59はそれぞれ、シャシ41の突出部材から成っている。好ましくは、連続伸長性ウエストバンド57,59は、シャシ41の一部を形成し、連続伸長性ウエストバンド57,59内へ連続的に延びる少なくとも1つの一体型要素又は連続シート材料を有している。変形例として、連続伸長性ウエストバンド57,59は、シャシ41の一部を形成する任意の一体要素を備えていない別個独立の部材であってもよい。連続伸長性ウエストバンド57,59を形成するのに、これら別個独立の部材をシャシ41の腰部側部分に接合してもよい。
【0080】
連続伸長性ウエストバンド57,59は、腰部弾性部材80及び吸収性心材25と関連して設けられた複数の層、例えばトップシート24及びバックシート22のうち少なくとも一方の延長部分を有している。追加の層、例えば、内側バリヤ折返し部54又は追加の液体吸収組織層を吸収性心材25と連携して付加すると、追加の層は、連続伸長性ウエストバンド57,59の一部を形成することができる。図7に示す好ましい実施形態では、連続伸長性ウエストバンド57の側部57Bは、内側バリヤ折返し部54の延長部分72と、不織外カバー23の端部延長部分23Aと、腰部弾性部材80の側部とを積層したものである。伸長性ウエストバンド57の中央部分57Aは、トップシート24の端部延長部分24Aと、不織外カバー23の端部延長部分23Aと、腰部弾性部材80の中央部分とを積層したものである(ただし、図5は、前側領域26の構造部材のみを示しており、好ましくは、後側領域28の構造部材は、前側領域26の構造部材と同一又は類似している)。しかしながら、この実施形態では、内側バリヤフィルム68は、連続伸長性ウエストバンド57内へは延びていない。変形例として、内側バリヤ折返し部54、トップシート24及び(又は)不織外カバー23が、連続伸長性ウエストバンド57内へ延びないようにしてもよい。内側バリヤ折返し部54の延長部分72もまた、連続伸長性ウエストバンド57内へは延びないのがよい。トップシート24と不織外カバー23の両方が連続伸長性ウエストバンド57内へ延びなければ、連続伸長性ウエストバンド57は、内側バリヤフィルム68の延長部分と、腰部弾性部材80とから成るのがよい。
【0081】
腰部弾性部材80は、プルオン式おむつ20の身体向き表面の一部の上に位置している。腰部弾性部材80を、内側バリヤ折返し部54の延長部分72、不織外カバー23の端部延長部分23A及びトップシート24の端部延長部分24Aに作動的に接合することができる。腰部弾性部材80をこれらに作動的に接合するには、不連続又は途切れ途切れの結合形態又は実質的に連続した結合形態の何れを用いてもよい。特に好ましい実施形態では、選択した接着剤を約0.116g/mの基本重量において螺旋パターン(例えば、米国特許第3,911,173号(Sprague, Jr.)及び米国特許第4,842,665号(Werenicz))で塗布する。螺旋の幅は約1.9cm(0.75インチ)であり、かかる螺旋を互いにすぐ隣り合わせに位置した状態で又は僅かに(2mm未満)オーバーラップして配置する。接着剤は好ましくは、例えば、Findley Adhesives 社からH2120という商品名で入手できる接着剤である。変形例として、ストレッチ積層品の腰部弾性部材又は任意他の構成要素を熱接着(ヒートシール)、加圧接着、超音波接着、動的機械接着又は当該技術分野で知られている任意他の方法を用いて互いに断続的に又は連続的に接着してもよい。
【0082】
腰部弾性部材80の非引張状態における長さ(以下、「非引張状態長さ」という)全体は好ましくは、左及び右内側バリヤ折返し部54の延長部分72、トップシート24の端部延長部分24A及び不織外カバー23の端部延長部分23Aに操作的に接合される前に、側方に予め引っ張られる。腰部弾性部材80の非引張状態長さ全体を、シャシ41のウエストバンドパネル6,7の少なくとも元の長さ(原長)まで側方に予め引っ張る。腰部弾性部材80の非引張状態長さ全体をシームパネル12,13の一部内へ延びるよう一段と予め引っ張ってもよい。この実施形態では、シャシ41のウエストバンドパネル6,7は、左及び右内側バリヤ折返し部54の延長部分72、トップシート24の端部延長部分24A及び不織外カバー23の端部延長部分23Aを有している。
【0083】
本明細書で用いる「原長」という用語は、弾性的に伸長可能状態にする前及び恒久的に機械の作用で引き伸ばす前の単一材料又は複合材料の長さを意味している。本明細書で用いる「予備引張状態長さ全体」という用語は、弾性材料の長さの一部又は全体が側方に予め引っ張られた条件の下における弾性材料の全長を意味している。
【0084】
この実施形態では、ウエストバンドパネル6,7の原長は、腰部弾性部材80を左及び右内側バリヤ折返し部54の延長部分72及びトップシート24の端部延長部分24Aに接合する前の組合せ形態ではこれらの長さの合計とほぼ同じである。ウエストバンドパネル6,7の原長も又、腰部弾性部材80を不織外カバー23の端部延長部分23Aに接合する前のこの端部延長部分23Aの長さとほぼ同一である。腰部弾性部材80は、好ましくは、その非引張状態(即ち、張力は加えられていない状態における)長さの20〜100%で予め引っ張られる。より好ましくは、腰部弾性部材80を40〜80%で予め引っ張るのがよい。予め引っ張られた腰部弾性部材80を接合した後、次に腰部弾性部材80が、他の構成要素、例えば、内側バリヤ折返し部54の延長部分72、トップシート24の端部延長部分24A及び不織外カバー23の端部延長部分23Aが腰部弾性部材80に接合された状態で、これらの実質的に張力の加えられていない状態に戻るようにする。かくして、連続伸長性ウエストバンド57,59は、腰部弾性部材80の張力の加えられていない状態の長さからシャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長まで少なくとも伸長可能な状態で形成される。
【0085】
変形例として、腰部弾性部材80の一部だけを、複数の層のうちの少なくとも1つの延長部分に作動的に接合する前に予め引っ張って、腰部弾性部材80の一部を予め引っ張った状態における腰部弾性部材80の予備引張状態長さ全体が、シャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長とほぼ同一であるようにしてもよい。好ましくは、腰部弾性部材80に隣接した吸収性心材25の側方幅X(図3に示す)に沿って延びる腰部弾性部材80の一部だけを予め引っ張ることができる。
【0086】
伸長性材料の例としては、1937年3月30日にGalligan氏に付与された米国特許第2,075,189号、1962年3月13日にHarwoot 氏に付与された米国特許第3,025,199号、Sisson氏に1978年8月15日及び1980年6月24日にそれぞれ付与された米国特許第4,107,364号及び第4,209,563号、1989年3月30日にSabee 氏に付与された米国特許第4,834,741号、1992年9月29日にBuell 氏等に付与された米国特許第5,151,092号に開示されたものが挙げられる。
【0087】
連続伸長性ウエストバンド57,59は、腰部弾性部材80の張力の加えられていない状態の長さからシャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長まで少なくとも伸長可能な状態で形成される。しかしながら、腰部弾性部材80は通常、吸収性心材25と関連して設けられた複数の層、例えば、実質的に非弾性のトップシート24及びバックシート22のうち少なくとも1つの延長部分に接合される。したがって、腰部弾性部材80は、腰部弾性部材80の非引張状態長さとシャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長との間でのみ伸びることができ、シャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長を越えて伸びることはできない。これにより、たとえ腰部弾性部材80それ自体がシャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長又は腰部弾性部材80の予備引張状態長さ全体を越えて伸びることができるとしても、連続伸長性ウエストバンド57,59(即ち、連続伸長性要部側特徴部60)の伸長範囲の上限が制限される。伸長範囲の上限のこの制限によっても、連続伸長性ウエストバンド57,59についての十分な伸長性が得られない。したがって、プルオン式おむつ20を着用者に着用できるよう伸長させると、プルオン式おむつ20は、ウエスト通し穴の十分な大きさを提供することができず、或いは、アプリケータは、ウエスト通し穴の十分なサイズを得るためにプルオン式おむつ20の他の伸長性材料から伸長性を得ようとして非常に大きな力をプルオン式おむつ20に加えなければならない。これにより、プルオン式おむつ20を着用者に付けるのが困難になる場合がある。
【0088】
したがって、連続伸長性ウエストバンド57,59は、シャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長又は腰部弾性部材80の予備引張状態長さ全体を越える伸長性の一層広い範囲(即ち、伸長範囲)を提供するよう弾性的に伸長可能にされる。すなわち、腰部弾性部材80を予め引っ張られた(張力が加えられた)条件の下で内側バリヤ折返し部54、トップシート24及び不織外カバー23に操作的に接合した後であって、これらの実質的に張力の加えられていない状態に戻る前に、結果的に得られる複合ストレッチ積層品の少なくとも一部、好ましくは全体に、左及び右内側バリヤ折返し部54の延長部分72、トップシート24の端部延長部分24A、不織外カバー23の端部延長部分23A及び腰部弾性部材80の一部を構成するカバー素材層(もし設けられていれば)である非弾性構成要素を永続的に伸長させるのに十分な機械的な延伸作業を施す。すると、複合ストレッチ積層品は、その実質的に張力の加えられていない状態に戻るようになる。したがって、腰部弾性部材80は、張力の加えられていない状態の長さからシャシ41のウエストバンドパネル6,7の原長を越えて少なくとも非弾性構成要素の永続的に伸長した長さまで引き伸ばし可能である。これにより、連続伸長性ウエストバンド57,59についてより幅の広い伸長範囲が得られ、それにより、着用が容易になるという利点が得られる。変形例として、腰部弾性部材80を、実質的に張力を加えない状態(歪みゼロ)条件で内側バリヤ折返し部54、トップシート24及び不織外カバー23に接合して「歪みゼロ」ストレッチ積層品を形成してもよい。好ましい装置及び方法は、1992年12月1日にWeber氏等に付与された米国特許第5,167,897号、1990年10月20日にBuell 氏等に付与された米国特許第5,156,793号、1992年9月1日にWeber 氏等に付与された米国特許第5,143,679号、1998年5月7日に出願された欧州特許出願第98108290.2号(発明の名称:Method and Apparatus for Activating & Moving Web;発明者:Christoph J. Schmitz 氏等)に開示されている。
【0089】
腰部弾性部材80は、側部エラストマー材料124と同一の材料/構造を利用することができる腰部エラストマー材料200を有している。変形例として、腰部エラストマー材料200は、側部エラストマー材料124とは異なる材料/構造を用いてもよい。腰部弾性部材80は、第1のカバー素材層202及び第2のカバー素材層204のうち一方又は両方を更に有するのがよい。腰部弾性部材80の構造は、側部弾性部材70の構造と同一又は類似したものであるのがよい。カバー素材層202,204の構造、材料及び(又は)特性は、カバー素材層122,126のものと同一又は類似していてもよく、或いは、これらとは異なっていてもよい。さらに、腰部エラストマー材料200をカバー素材層202,204に接合する方法は、上述の耳パネル部材70について説明した部材の接合方法と同一又は類似したものであってよく、或いは、これらとは異なっていてもよい。好ましい実施形態では、腰部弾性部材80は、腰部エラストマー材料200及びカバー素材層のうち1つの層202又は204を有している。かかる場合、腰部エラストマー材料200は、内側バリヤ折返し部54及びトップシート27に向いた状態で設けられ、カバー素材層202又は204は、着用者の体に向いてこれに接触するよう設けられ、したがって、着用者の皮膚は腰部エラストマー材料200で直接圧迫されず、それにより、皮膚に赤マークの発生する場合が減少するようになる。
【0090】
一実施形態では、腰部弾性部材80は、腰部エラストマー材料200及びカバー素材層のうち1つの層202又は204を有するのがよい。或る一つの場合においては、腰部エラストマー材料200を、内側バリヤ折返し部54及びトップシート24に向けて配置し、カバー素材層202又は204を不織外カバー23に向けて配置する。カバー素材層をこのように配置することにより、腰部エラストマー材料200が外部から見えるのが阻止される傾向がある。というのは、1つの層(カバー素材層)が、腰部エラストマー材料200と不織外カバー23との間に位置するよう追加されているからである。別の場合では、腰部エラストマー材料200を不織外カバー23に向けた状態で配置し、カバー素材層202又は204を内側バリヤ折返し部54及びトップシート27に向けて配置する。カバー素材層をこのように配置することにより、皮膚に赤マークの生じる場合が少なくなりがちである。というのは、1つの層(カバー素材層)が、腰部エラストマー材料200と着用者の皮膚との間に位置するよう追加されているからである。両方の場合において、カバー素材層のうちの一つが省かれている(カバー素材層の2つの層と比較して)ので、連続伸長性ウエストバンド57の嵩張り度が減少する。さらに、連続伸長性ウエストバンド57のところの呼吸性が、この中の材料が少ないので高くなる。加うるに、連続伸長性ウエストバンド57は、有効伸長性が一層高くなるようになる。連続伸長性ウエストバンド57は、好ましい実施形態では予め引っ張られ、次に元の引っ張られていない状態に戻される腰部エラストマー材料200から成る腰部弾性部材80で形成されている。腰部エラストマー材料200がその元の引っ張られていない状態に戻ると、腰部エラストマー材料200に接合されている他の構成要素は、腰部エラストマー材料200がその元の非引張状態長さに戻るのを阻止する傾向がある。したがって、腰部エラストマー材料200は、伸長性全体を利用することができない。しかしながら、上述の実施形態では、連続伸長性ウエストバンド57の嵩張り度が減少するので、腰部エラストマー材料200は、その元の非引張状態長さに迫る長さに戻ることができる。したがって、腰部エラストマー材料200は、有効性の一層高い伸長性を得るようになる。
【0091】
変形例として、腰部弾性部材80は、カバー素材層が設けられていない状態で、腰部エラストマー材料200から成る1つの層を有していてもよい。伸長性ウエストバンド57の側部57B内においては、腰部エラストマー材料200は、内側バリヤ折返し部54の延長部分72と不織外カバー23の端部延長部分23Aとの間に位置した状態でこれらの間に直接接合されている。中央部分57Aにおいては、腰部エラストマー材料200は、トップシート24の端部延長部分24Aと不織外カバー23との間に位置した状態でこれらの間に直接接合されている。この構造は又、伸長可能ウエストバンド57の嵩張り度を減少させるとともに呼吸性を高め、しかも有効伸長性を一層高めるのに有用である。
【0092】
側部弾性部材70及び腰部弾性部材80は、別々の要素から成り、部材70,80は両方とも好ましくは、長手方向には互いにオーバーラップしないよう配置されている。しかしながら、部材70,80は両方とも好ましくは、これらの間にそれほど隙間を置かないで配置され、したがって部材70,80は伸長性耳部46,48中に複合エラストマー網状構造を形成するようになっている。
【0093】
本明細書において用いる「複合エラストマー網状構造」という用語は、2以上の別々のエラストマー材料がこれら相互間に隙間をおかないで又は所定のインタバルで実質的に連続し、それにより、単一のエラストマー材料のような挙動を示す伸長性を呈する帯域又は領域を意味している。
【0094】
好ましくは、両方の部材70,80は隙間のない状態で配置されている。したがって、伸長性耳部46,48及び連続伸長性ウエストバンド57,59の側部57B,59Bは、プルオン式おむつ20の組立形態では腰部通し穴36及び脚部通し穴相互間に連続した単一のエラストマー材料を構成していることがわかる。側部弾性部材70及び腰部弾性部材80は、別々の要素から成り、したがって、側部エラストマー材料124及び腰部エラストマー材料200も又、別々の要素から成っている。
【0095】
構造を別々にすることにより各構成要素中に異種材料を用いる側部エラストマー材料124及び腰部エラストマー材料200の設計が可能になり、そこで、これにより、プルオン式おむつ20の互いに異なる部分について伸長性に関し互いに異なる特性、例えば、力と伸びの曲線が得られる。構造を別々にすることにより、互いに異なる状態、例えば、予め引っ張られた(張力が加えられた)状態又は張力が加えられていない状態において側部エラストマー材料124及び腰部エラストマー材料200を用いることもできる。これにより、プルオン式おむつ20の互いに異なる部分を同一長さまで伸長させるのに必要な力を異なるものにすることができ、或いは、互いに異なる部分を互いに異なる長さにまで伸長させるのに必要な力を等しくすることができ、それにより、着用者の皮膚に加えられる圧力を調節することができる。例えば、プルオン式おむつ20は、連続伸長性腰部側特徴部60をプルオン式おむつ20の着用を容易にするためにアプリケータによって加えられる小さな力によって容易に伸長されるように小さな力でも伸長性の高い腰部エラストマー材料200を有するのがよく、他方、プルオン式おむつ20は、伸長性耳部46,48のところでのフィット具合を維持するのに必要な力を生じさせる側部エラストマー材料124を有してもよいが、力は皮膚に赤マークを生じさせることができないほどのものである。一実施形態では、腰部エラストマー材料200を有する連続伸長性腰部側特徴部60は、少なくとも100%の伸長性を有するよう設計され、これに対し、側部エラストマー材料124を有する伸長性耳部46,48は、伸長性耳部46,48を最大50%(より具体的に言えばSCRF50%の場合)伸長させると、40g/インチ〜130g/インチの範囲の力を有するよう設計される。
【0096】
側部弾性部材70と腰部弾性部材80は両方とも、長手方向に互いにオーバーラップしないよう配置されており、したがって、側部エラストマー材料124及び腰部エラストマー材料200も又、互いにオーバーラップしていない。側部弾性部材70及び腰部弾性部材80は構造的にオーバーラップしていないので、各部材70,80は、伸長性を備えた単一の材料から成り、したがって、これは伸長性が実質的に一様になっている。これにより、プルオン式おむつを当てることができるよう引き伸ばしている間に加えられる力の変化を感じずに、アプリケータがプルオン式おむつ20をスムーズに引き伸ばすことができる。
【0097】
シーム32は各々、シームパネル12,13を互いに接合し、それにより、伸長性耳部46,48の対応部分を接合し、それにより、2つの脚部通し穴34及び1つの腰部通し穴36を形成している。前側及び後側伸長性耳部46,48は、好ましくは、互いにオーバーラップした状態で外側側縁46D,48Dに沿って縫い合わされ、それにより、オーバーラップ状態のシーム構造を形成している。変形例として、前側及び後側伸長性耳部46,48を当業者には知られている突合縫い方法(図示せず)で縫い合わせてもよい。シーム32の接合を、前側及び後側伸長性耳部46,48で用いられた特定の材料について適した当該技術分野で知られている任意適当な手段によって行ってもよい。かくして、音波密封、ヒートシール、加圧接合、接着又は粘着、ミシン掛け、ガス溶着等が適当な方法である。好ましくは、シームパネル12,13を着用中、プルオン式おむつ20に生じる力及び応力に耐える熱/圧力又は超音波溶着部の所定のパターンによって接合する。シーム32は又、連続伸長性ウエストバンド57,59を互いに連結して腰部通し穴36の周りに連続した伸長性腰部側特徴部60を形成する。側部弾性部材70及び腰部弾性部材80はシームパネル12,13内へ延びると、シーム32は、前側領域26内の側部弾性部材70を後側領域28内の側部弾性部材70に固定すると共に前側領域26内の腰部弾性部材80を後側領域28内の腰部弾性部材80に固定する。シームの例としては、1996年10月29日にBuell 氏等に付与された米国特許第5,569,234号、1997年3月4日にJohnson 氏等に付与された米国特許第5,607,537号、1997年9月2日にJohnson 氏等に付与された米国特許第5,662,638号及び1997年11月11日にBuell 氏等に付与された米国特許第5,685,874号に開示されたものが挙げられる。好ましいシームは、1996年11月21日に出願された欧州特許出願第96118654.1号(発明の名称:Thermal joining of Webs ;発明者:Christoph J. Schmitz)に開示されている。
【0098】
好ましい実施形態では、外側側縁46D,48Dは、内側側縁46C,48Cに対して並行ではなく長手方向中心線100に対しても並行ではない。外側側縁46D,48Dは、下方端縁46B,48Bに近いところで側方外方に突出している。伸長性耳部46,48は、内側側縁46C,48Cと下方端縁46B,48Bの近くに位置した外側側縁46D,48Dとの間の側方幅L1が、内側側縁46C,48Cと上方端縁46A,48Aの近くに位置した外側側縁46D,48Dとの間の側方幅L2よりも大きい。したがって、伸長性耳部46,48の側方における利用可能なエラストマー材料の量は、上方端縁46A,48Aの近くよりも下方端縁46B,48Bの近くの方が多い。下方端縁46B,48Bの近くの伸長性が高められる。加うるに、伸長性耳部46と伸長性耳部48の両方は下方端縁46B,48Bの近くでの側方幅が大きいので(即ち、利用可能なエラストマー材料の量が多い)、側方幅(即ち、利用可能なエラストマー材料の量)は、伸長性耳部46と伸長性耳部48を組み合わせることにより下方端縁46B,48Bの近くで一層大きくなる。かかる形態では下方端縁46B,48Bの近くのところでの幅が大きいので、プルオン式おむつは、脚部通し穴の周りで利用できるエラストマー材料の量が多くなり、他方、プルオン式おむつは、腰部通し穴の周りでのエラストマー材料の量を維持する。したがって、プルオン式おむつは、脚部通し穴の周りでの皮膚に対する有害な症状を生じさせる高すぎる圧力を皮膚に与えず、しかも、腰部通し穴の周りでのフィット具合を維持する。
【0099】
さらに、上述したように、腰部弾性部材80は、張力が加えられた(予め引っ張られた)状態でシャシ41のウエストバンドパネル6,7に接合され、側部弾性部材70が張力の加えられていない状態では、伸長性耳部46,48に接合された状態で実質的に張力の加えられていない状態に戻るようになる。したがって、連続伸長性腰部側特徴部60周りのプルオン式おむつ20の周長は、伸長性耳部46,48の一部を通るプルオン式おむつ20の周長よりも張力の加えられていない条件のもとでは一段と小さくなる。この形態により、脚部通し穴の周りでの皮膚に対する有害な症状の発生を減少させた状態で腰部通し穴の周りでのフィット具合の維持が一段と向上する。本明細書で用いる「円周方向」という用語は、プルオン式おむつの組立形態において腰部通し穴に沿う方向を意味している。本明細書で用いる「周長」という用語は、円周方向沿いのプルオン式おむつの長さを意味している。
【0100】
連続ベルト帯域38は、図1に示すように前側及び後側伸長性耳部46,48、シャシ41の一部及び連続伸長性腰部側特徴部60によって形成されている。連続ベルト帯域は、プルオン式おむつのその部分又はベルト状帯域であり、これは、連続ベルト帯域の周長を伸ばしてプルオン式おむつ20を当てることができるよう伸長可能である。プルオン式おむつ20を着用者に装着する際、プルオン式おむつ20を伸長させてプルオン式おむつ20を装着しやすくするために腰部通し穴を広くすると共に脚部通し穴を広くしなければならない。連続ベルト帯域38は、伸長可能なその部分である。連続ベルト帯域38は、図1に示す組立形態では、プルオン式おむつ20の腰部エッジ151,155、脚部エッジ153,156及び前側領域26及び後側領域28の股領域30の側縁159によって包囲されている。連続ベルト帯域38は、典型的には耳パネルのところの最小高さを有している。図1に示す実施形態では、連続ベルト帯域38の最小高さは、シーム32に沿って測定される。連続ベルト帯域38は又、連続した最も下に位置する線35を有し、これは、脚部通し穴34によっては中断されておらず、脚部通し穴34に最も近く位置している。連続ベルト帯域38は、2つの部分、即ち、連続伸長性腰部側特徴部60が延びる連続ウエストベルト帯域37及び伸長性耳部46,48及びシャシ41の一部が延びる連続下方ベルト帯域39を有している。好ましい実施形態では、連続ウエストベルト帯域37は、連続伸長性腰部側特徴部60と形状が一致している。
【0101】
図3に示すプルオン式おむつが図1に示すような組立形態になる好ましい一実施形態では、腰部エッジ151,155に沿う連続ベルト帯域38の初期周長は、張力がかけられていない状態では、200mm〜500mm、好ましくは250mm〜400mmであるのがよい。腰部エッジ151,155に沿う連続ベルト帯域38の周長は、少なくとも650mm、好ましくは少なくとも700
mm、より好ましくは少なくとも750mmになる(伸長後の周長)。線35に沿う連続ベルト帯域38の周長は、300mm〜550mm、好ましくは350mm〜500mmであるのがよい。シーム32に沿って測定された連続ベルト帯域38の最小高さは、50mm〜150mm、好ましくは80mm〜120mmであるのがよい。連続ウエストベルト帯域37(即ち、連続伸長性腰部側特徴部60)の高さは、5mm〜40mm、好ましくは15mm〜30mmであるのがよい。線35に沿うプルオン式おむつ20の一方の側における伸長性耳部46,48の側方長さの合計は、50mm〜120mm、好ましくは60mm〜100mmである。
【0102】
図3に示す形態のプルオン式おむつは、組立形態になると、着用者の皮膚に対する圧力を局所的に、特に、脚部通し穴34の周りで減少させる。というのは、伸長性耳部46,48が、下方端縁46B,48Bの近くでの側方幅(側方における有効伸長性)が大きいからである。必要ならば、側部エラストマー材料124は、脚部通し穴34の周りでの圧力を一段と減少させるためにSCRF50%力が低い材料を用いることができる。しかしながら、脚部通し穴34の周りでのSCRF50%力を減少させると、その結果として、プルオン式おむつ全体についてのフィット具合の維持が失われる場合がある。したがって、腰部通し穴36の周りでの圧力を大きくすることがプルオン式おむつ全体についてのフィット具合の維持を達成するのに必要な場合がある。これを達成するには、腰部エラストマー材料200を、ウエストバンドパネル6,7に接合する前に腰部エラストマー材料200だけを予め引っ張るのがよい。加うるに、腰部エラストマー材料200は、腰部通し穴36の周りでの圧力を一段と大きくするためにSCRF50%力の大きな材料を用いるのがよい。力の分布のこのような組合せにより、プルオン式おむつは、脚部通し穴の周りで皮膚に生じる赤マークを少なくした状態で腰部通し穴の周りでのフィット具合の維持を達成することができる。変形例として、図3に示す形態のプルオン式おむつは、組立形態になると、脚部通し穴の周りでのフィット具合を維持することができ、しかも、腰部通し穴の周りでの皮膚に生じる赤マークを少なくすることができる。これは、例えば、腰部通し穴36の周りでの圧力を減少させるために腰部エラストマー材料200についてSCRF50%力の小さな材料を用いて達成できる。側部エラストマー材料124は、SCRF50%力の小さな材料を用いることができる。さらに、側部エラストマー材料124を、耳パネル6,7に接合する前に予め引っ張るのがよい。
【0103】
連続ベルト帯域38は、着用者に着用された際のプルオン式おむつ20のフィット力を動的に生じさせてプルオン式おむつ20を着用者に付けたまま維持するのに寄与する。連続ベルト帯域38により生じる高いフィット力は、プルオン式おむつについてのフィット具合の維持を得るのに好ましいが、高いフィット力を生じさせる連続ベルト帯域38は、プルオン式おむつを着用者に当てるのを困難にする。というのは、プルオン式おむつのアプリケータは、大きな力をプルオン式おむつに加えて連続ベルト帯域38を伸長させ、腰部通し穴を広くすると共に脚部通し穴を広くする必要があるからである。連続ベルト帯域38は側部エラストマー材料124及び腰部エラストマー材料200を有しているので、エラストマー材料を両方ともプルオン式おむつの引張操作の際に伸長させる必要がある。したがって、側部及び腰部エラストマー材料を含む連続ベルト帯域38の伸長性の特性は、連続伸長性腰部側特徴部60単独の伸長性の特性及び(又は)伸長性耳部46,48だけの伸長性の特性よりも重要である。ただし、連続伸長性腰部側特徴部60だけの伸長性の特性及び(又は)伸長性耳部46,48だけの伸長性の特性も依然として重要ではある。Kato氏等に1997年2月11日に付与された米国特許第5,601,547号は、一層快適なフィット感をもたらすと共に使い安さを向上させた子供のトレーニングパンツ向きの弾性率を向上させたウエスト弾性システムを開示している。しかしながら、この米国特許はウエスト弾性システムの改良に関するものであるにすぎない。
【0104】
連続ベルト帯域38は、初期伸び率(即ち、0%)から伸長範囲内で伸長可能である。伸び率は、次式、即ち、((伸長後周長−初期周長)/初期周長)×100から計算され、これは%(百分率)の単位で表される。連続ベルト帯域38の初期周長は、連続ベルト帯域38の張力の加えられていない条件における周長である。伸長後周長は、連続ベルト帯域38の伸長状態における周長である。伸長範囲を広げることにより、プルオン式おむつ20を当てることができるよう腰部通し穴を広げると共に脚部通し穴を広げることができる。伸長後周長を大きくすることにより、プルオン式おむつ20を当てることができるよう伸長後のプルオン式おむつと着用者の身体との間のスペースを広げることができる。連続ベルト帯域38の周長は、連続ベルト帯域38のウエスト境界部(即ち、連続伸長性腰部側特徴部60の腰部エッジ151,155)に沿って測定された周長である。
【0105】
プルオン式おむつを当てやすいという利点を得るために(即ち、腰部通し穴及び脚部通し穴を広くするために)、プルオン式おむつの連続ベルト帯域38の初期周長は、約220mm〜約500mmであるのがよく、プルオン式おむつの連続ベルト帯域38の伸長後周長は少なくとも約650mmである。より詳細に説明すると、体重が約7kg〜約10kgのよちよち歩きの幼児に合うよう設計されたプルオン式おむつの連続ベルト帯域38の初期周長は、約220mm〜約460mm、好ましくは約250mm〜約360mmである。体重が約9kg〜約14kgのよちよち歩きの幼児に合うよう設計されたプルオン式おむつの連続ベルト帯域38の初期周長は、約240mm〜約480mm、好ましくは約270mm〜約380mmである。体重が約13kg以上のよちよち歩きの幼児に合うよう設計されたプルオン式おむつの連続ベルト帯域38の初期周長は、約260mm〜約500mm、好ましくは約290mm〜約400mmである。体重が約7kg〜約10kgのよちよち歩きの幼児に合うよう設計されたプルオン式おむつの連続ベルト帯域38の伸長後周長は、少なくとも約650mm、好ましくは約700mmである。体重が約9kg〜約14kgのよちよち歩きの幼児に合うよう設計されたプルオン式おむつの連続ベルト帯域38の伸長後周長は、少なくとも約700mm、好ましくは約750mmである。体重が約13kg以上のよちよち歩きの幼児に合うよう設計されたプルオン式おむつの連続ベルト帯域38の伸長後周長は、少なくとも約750mm、好ましくは約800mmである。プルオン式おむつは、少なくとも約125%の伸び率、好ましくは約135%、より好ましくは約150%の伸び率範囲を有している。
【0106】
連続ベルト帯域38は又、伸長範囲内における力と伸び率の関係を表す曲線及び伸長範囲内における伸長係数を有している。力と伸び率に関する曲線は、連続ベルト帯域38を伸長させるのに必要な力と連続ベルト帯域38の伸び率との関係を表している(この曲線を、以下、「力−伸び率曲線」という)。伸長係数は、力の変化率と伸び率の変化率の割合を表しており、g/%伸び率の単位で表される。伸長係数を得る方法について以下に説明する。伸長率が高いことは、連続ベルト帯域38を伸長させる力の変化率が高いことを意味する。伸長係数が劇的に高くなると、アプリケータは、その部分を伸び率の限界として認識する。逆に、伸長係数が小さいと、連続ベルト帯域38を伸長させる力の変化率が小さいことを意味する。これにより、アプリケータは、大きな力を加えなくても連続ベルト帯域38を伸長させることができ、アプリケータは、伸び率の限界を感じることができない。したがって、連続ベルト帯域38は、プルオン式おむつを当てることができるようにするために伸長後周長の状態では小さな伸長係数を有することが好ましい。加うるに、プルオン式おむつを当てることができるようにするためには、伸長後周長までプルオン式おむつを伸長させる力が小さいことが好ましい。プルオン式おむつが当てやすいという利点を得るために(即ち、プルオン式おむつを当てやすくするために伸び率を得る力を小さくすると共にプルオン式おむつを当てるための伸び率において伸長係数を小さくするために)125%の伸び率における伸長係数が、約150g/%伸び率以下、好ましくは、約120g/%伸び率以下、より好ましくは約100g/%伸び率以下である。125%の伸び率までの伸長範囲内における伸長係数は、好ましくは約150g/%伸び率以下、より好ましくは約120g/%伸び率以下である。135%の伸び率における伸長係数は、約200g/%伸び率以下、好ましくは約175g/%伸び率以下、より好ましくは約150g/%伸び率以下である。135%の伸び率までの伸長範囲内における伸長係数は、好ましくは約200g/%伸び率以下、より好ましくは約175g/%伸び率以下である。150%の伸び率における伸長係数は、好ましくは約300g/%伸び率以下、より好ましくは約250g/%伸び率以下である。125%の伸び率を得る力は、好ましくは約5,000g以下、より好ましくは約4,500g以下である。135%の伸び率を得る力は、好ましくは約6,000g以下、より好ましくは約5,500g以下である。150%の伸び率を得る力は、好ましくは約9,000g以下、より好ましくは約8,000g以下である。
【0107】
図7は、プルオン式おむつの連続ベルト帯域38の力−伸び率曲線の好ましい一例を示している。図8は図7に示す例の伸長係数と伸び率の関係を表す曲線(以下、「伸長係数−伸び率曲線」という)を示している。連続ベルト帯域38の力−伸び率曲線及び伸長係数−伸び率曲線を得るための方法を以下に説明する。
【0108】
連続ベルト帯域の力−伸び率曲線及び伸長係数−伸び率曲線を得るための方法を以下に説明する。この方法は、力−伸び率曲線を測定するための"Sintech TestWorks" ソフトウエアパッケージに含まれた極限引張試験方法を設計変更したものである。この測定法は基本的には、0gの力から始まって10,000gの力に至るジョーに代えてInstron 力試験機及び2つの水平方向バーを用いることによりプルオン式おむつを着用者に装着する際、或いは、連続ベルト帯域に加えられた力が極限力であることを表すおむつの破断の際にアプリケータの癖をシミュレートするよう設計されている。この方法は、おむつの張力が加えられていない状態から極限引張状態までの「力−伸び率曲線」を与える。次に、上述したように生じた力と伸び率の関係を表すデータを「伸長係数伸び率」曲線に変換することができる。
【0109】
この試験方法では、以下に説明するような試料の調製が必要である。
【0110】
(1) 試験対象の試料としてのおむつを袋から取り出す必要がある。
【0111】
(2) 測定の際、おむつを延伸させない状態で巻尺を用いておむつの腰部エッジのところでのおむつの内側周長(張力の加えられていない状態のおむつ周長)を測定する。
【0112】
この試験方法では、以下に記載する機器が必要である。
【0113】
Figure 0004767419
この試験方法を以下に記載する設定で行う。
【0114】
(1) 試験方法:引張
(2) 移動速度:20インチ/分
(3) ゲージ長さ:上バーと下バーの中心間距離を以下のようにして計算する。
【0115】
(ゲージ長さ)=(張力がかけられていない状態のおむつ周長)/2−30mm(4) サイクル回数:1サイクル
(5) 破断感度:75%
(6) 荷重限度:10,000g
(7) 計算上の入力:張力がかけられていない状態のおむつ周長、500g、1,00g、2,000g、3,000g、4,000g、5,000g、6,000gでの荷重点
(8) 計算結果:0g(張力がかけられていない状態)のおむつ周長、500g、1,000g、2,000g、3,000g、4,000g、5,000g、6,000g、ピーク荷重のところでの荷重点における伸び率、ピーク荷重値、ピーク荷重時の周長。或る荷重点におけるおむつ周長を以下のようにして計算する。
【0116】
(おむつ周長)=(張力の加えられていない状態のおむつ周長)+(伸び量)×2
或る荷重点の伸び率を以下のようにして計算する。
【0117】
(伸び率)=(伸長後おむつ周長−張力がかけられていない状態のおむつ周長)/(張力がかけられていない状態のおむつ周長)
試験方法を以下のように実施する。
【0118】
(1) 試料としてのおむつを調製し、測定データを設定する
(2) Instron ロードセルをセットアップし、上述のInstron の設定に続き、ジョグ送りによりロードセルを校正する
(3) TestWorks システムにログインする
(4) 方法のリストを示すツールバーから引張試験方法を選択し、コントロールパネル、荷重計、伸び率計及びハンドセットをスクリーン上に見えるようにする
(5) 張力がかけられていない状態のおむつ周長のデータを計算入力中のゲージ長に入力する。
【0119】
(6) 上述のゲージ長の設定後にルーラを用いてゲージ長をセットアップする。
【0120】
(例:張力がかけられていない状態のおむつ周長=380mm→ゲージ長=380/2−30=160mm)
(7) 荷重計中の荷重及び伸び率計中の伸び率をリセットする
(8) 試験対象の製品を上バー上に置くことにより製品の重さを測定し、次に荷重を再びリセットする
(9) 折返し部/脚部用ゴムひもがバー上にくっついていないかどうかをチェックしながら試料としてのおむつをジョグ上に置く。
【0121】
(10)おむつをジョグ上に置いた後においては、荷重計をリセットしない。
【0122】
(11)「実行」をクリックして測定を開始する。
【0123】
(12)測定が完了すると、ジョグは元の位置に戻る。
【0124】
(13)「ファイル」をクリックしてデータを保管しておむつを取り除く。
【0125】
(14)他の試料について手順(6) 〜(13)を繰り返す。
【0126】
データを以下のようにして評価する。
【0127】
(1) 全ての試料について試験を終えた後、データを適当な表計算プログラム(即ち、Microsoft Excel (登録商標))に送出する。
【0128】
(2) グラム(g)で表した力を%表示のおむつ伸び率に対してプロットすることにより「力−伸び率曲線」を得る。
【0129】
(3) データ点相互間の力の差を2つの同一の点相互間の伸び率の差で割ることにより「伸長係数」を得る。
【0130】
(4) 手順(3) で得られた伸長係数を%表示のおむつ伸び率に対してプロットすることにより「伸長係数−伸び率曲線」を得る。
【0131】
上述したように、連続ベルト帯域38は、着用者に取り付けられるとプルオン式おむつ20にフィット力を生じさせてプルオン式おむつ20が着用者に取り付けられたままの状態を維持する。
【0132】
連続ベルト帯域38は、弾性材料、例えば、側部エラストマー材料124及び腰部エラストマー材料200を有する伸長性帯域を更に有している。伸長性帯域は、脚部エラストマー材料を更に有するのがよい。脚部エラストマー材料は、図3に示すようにエラストマー材料、例えば弾性ストランド64を有している。脚部エラストマー材料は、側部エラストマー材料124又は腰部エラストマー材料200に用いられる材料から成るのがよい。本明細書で用いる「伸長性帯域」という用語は、連続平面層(孔が設けられていてもよく、或いは設けられていなくてもよい)の形態又は互いに連結されていないストランドの形態を備えたエラストマー材料によって伸長可能にされるプルオン式おむつの連続領域又は連続帯域を意味している。伸長性帯域は、実質的に連続ベルト帯域38中に皮膚接触圧力を生じさせる連続ベルト帯域38内の部分である。伸長性帯域によって得られる皮膚接触圧力は、プルオン式おむつが着用者に取り付けられたままの状態を維持する(プルオン式おむつのフィット具合の持続)の一因となる。伸長性帯域の皮膚接触圧力は、どこでも一様であるというわけではない。腰部通し穴の周りと脚部通し穴との周りとの間の伸長性帯域の皮膚接触圧力は、互いに異なる場合がある。さらに、皮膚接触圧力は、おむつの半径方向周囲又は脚部周囲の周りでは様々である場合がある。
【0133】
伸長性帯域では、皮膚を圧迫するエラストマー材料の弾性構成要素(例えば、図6に示すエラストマースクリム124の複数の第1のストランド125及び複数の第2のストランド127)は通常、伸長性帯域の領域の残部(例えば、図6に示すエラストマースクリムの複数の孔132)よりも高い皮膚接触圧力を生じさせる。したがって、皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力が低いと、そのために局所的皮膚疾病率が減少することになる。
【0134】
皮膚を圧迫するエラストマー材料(側部エラストマー材料及び(又は)腰部エラストマー材料)の皮膚接触圧力は、プルオン式おむつ20が着用者に付けられたままの状態を維持するためには、約0.1psi以上、好ましくは、約0.2psi以上、より好ましくは約0.3psi以上であることが必要である。皮膚を圧迫するエラストマー材料(側部エラストマー材料及び(又は)腰部エラストマー材料)の皮膚接触圧力は、伸長性帯域において皮膚にマークを生じさせないようにするためには、約0.75psi以下、好ましくは、約0.65psi以下、より好ましくは約0.55psi以下であることが必要である。皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力の上記範囲から選択された任意の組合せは、着用者への取付け位置から垂れ落ちたり、ずり落ちたり或いは滑り落ちる恐れが少なく、伸長性帯域において皮膚疾病の恐れが低く、しかもエラストマー材料による皮膚疾病の恐れが低いプルオン式おむつを提供する上で有効である。皮膚を圧迫するエラストマー材料(脚部エラストマー材料)の皮膚接触圧力は、プルオン式おむつ20が着用者に付けられたままの状態を維持するためには、約0.1psi以上、好ましくは、約0.2psi以上、より好ましくは約0.3psi以上であることが必要である。皮膚を圧迫するエラストマー材料(脚部エラストマー材料)の皮膚接触圧力は、伸長性帯域において皮膚にマークを生じさせないようにするためには、約0.75psi以下、好ましくは、約0.65psi以下、より好ましくは約0.55psi以下であることが必要である。皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力を得る方法について以下に説明する。
【0135】
腰部通し穴の周りでの伸長性帯域内における皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力は、腰部通し穴の周りでのプルオン式おむつのフィット具合を持続状態を提供するためには、伸長性帯域内の領域の残部のところでの皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力よりも高いのがよい。脚部通し穴の周りでの伸長性帯域内における皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力は、脚部通し穴の周りでのプルオン式おむつのフィット具合の持続状態を提供するためには、伸長性帯域内の領域の残部のところでの皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力よりも高いのがよい。腰部通し穴及び脚部通し穴の周りでの伸長性帯域内における皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力は、伸長性帯域内の領域の残部のところでの皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力よりも高いのがよい。伸長性帯域内の皮膚を圧迫するエラストマー材料の最も高い皮膚接触圧力と皮膚を圧迫するエラストマー材料の最も低い皮膚接触圧力との差は、約0.65psi以下、好ましくは約0.45psi以下、より好ましくは約0.25psi以下であるべきである。この差が0に近くなると、伸長性帯域内の皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力は、どこでも一様に近くなる。これ又、差圧を原因とする皮膚疾病率を減少させる一因となる。
【0136】
プルオン式おむつ20は、追加のエラストマー材料、例えば、内側バリヤ折返し部54の間隔保持手段58を更に有している。プルオン式おむつ20に組み込まれたこれら追加のエラストマー材料は、着用者の皮膚を圧迫する追加のエラストマー材料について約0.75psi以下の皮膚接触圧力をもたらす。好ましくは、着用者の皮膚を圧迫する追加のエラストマー材料の皮膚接触圧力は、約0.65psi、より好ましくは約0.55psi以下である。
【0137】
伸長性帯域内の皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力を測定する方法について以下に説明する。この方法は、"AMI Air-pack Type Contact Surface Pressure Measurement System" と呼ばれ、これは、軟質材料相互間に生じる表面接触圧力を測定するためにAMI Co., Ltd. によって商業的に提供されている。この方法は、おむつと着用者の身体との間の接触圧力を測定するために設計変更が施される。指定空気圧は、材料の延性によって吸収される力を差し引く元になる接触表面の力を表している。検出部は、非常に軟質の薄いフィルムで作られていてメインユニットに通じる管で構成されており、測定値は、DC出力に変換される(10mV=1gf/cm)。
【0138】
この試験方法では、以下に記載する試料の調整が必要である。
【0139】
(1) 試験対象の試料としてのおむつを袋から取り出す
(2) 50%延伸条件下でエラストマー材料の実際のエラストマー構成要素(即ち、弾性ストランド)の幅を測定し、エラストマー構成要素の面積パーセントを計算する。
【0140】
この試験方法は、"AMI Air-pack Type Contact Surface Pressure Measurement System" と呼ばれており、この方法では、以下に記載する機器が用いられる。
【0141】
Figure 0004767419
上述のこの試験機器では、以下の設定が必要である。
【0142】
(1) 出力ケーブルをメインユニットの出力コネクタに接続し、出力ケーブルの反対側をデータコレクタに接続する。
【0143】
(2) 電源を入れる
(3) 歯車装置を用いてエアシリンダのヘッドを端に向かって押して長さを最小にする。
【0144】
(4) エアパックをエアシリンダに連結する。
【0145】
(5) ピンを歯車装置の青色のヘッド内に差し込んで、ピンが端に来るまで歯車装置を回転させ、3秒間待つ。
【0146】
(6) 解除レバーを押してエアシリンダの圧力を周囲圧力と同一になるようにし、3秒間待つ。
【0147】
(7) 色がエアパックと同一の歯車装置の穴にピンを差し込んで、ピンが端に来るまで歯車装置を回転させる。
【0148】
(8) エアパックをエアシリンダから取り外し、ピンが端に来るまで歯車装置を回転させる。
【0149】
(9) メインユニットからの出力信号がほぼ0であるかどうかをチェックする。この場合の許容誤差は、5mV(0.5gf/cm)である。
【0150】
(10)エアパックをメインユニットに連結する(連結を1回の動作で行うべきである。もし連結をやり直した場合には、エアパックの内容積を変えなければならない)。
【0151】
(11)手のひら又は指でエアパックを押してエアパックから空気を全て除き、メインユニットから電送された出力信号をチェックし、これが最大測定値であること及びシステムが最大測定値を超える値を測定できないことに注意を払う。接触表面の曲り度が大きすぎる場合及びメインユニットからの出力信号が+20mV(2gf/cm)を越える場合、エアシリンダを連結して解除レバーを押す。
【0152】
(12)標準の測定を行うために少なくとも2つのエアパックを準備する。
【0153】
この方法は、図9及び図10に示す形態の標準型マネキン350を利用するが、この標準型マネキン350は、着用者が座っている姿勢の身体形状に倣って構成されている。標準型マネキン350の寸法形状は、実際のおむつのユーザから得た身体の寸法データに基づくべきである。標準型マネキン350は、上方部分352及び下方部分354を有している。上方部分352及び下方部分354は、下胴部線380によって分けられている。下胴部線380は、恥骨の上方部分を通る円周方向線である。上方部分352は、胴体部分353を含んでいる。胴体部分353は、ウエストライン357によって包囲された上面355(図11に示す)を有し、このウエストラインは、胴体部分353の腰部最上部の周りの円周方向線である。胴体部分353は、ウエストライン357と下胴部線380との間の高さによって定められた高さを有している。胴体部分353の周長は、ウエストライン357から下胴部線380に向かって次第に増大している。下方部分354は、下方部分354の後に位置した臀部356及び下方部分354の前のところで臀部356から突き出た脚部358を有している。臀部356及び脚部358は、身体の前のところの脂肪折り目に沿う股折り目線359によって分けられている。内腿364相互間に張られた角である股角度362を有している。脚部358は、脚部358の太腿の周りの円周方向線である太腿線366を有している。上面355は、直線と曲線から成るウエストライン357によって包囲された形状を有している。図11は、上面355の形状の好ましい一例を示しており、これは、実際の着用者の体の寸法に基づいて定められる。標準型マネキンは、塩化ビニルで作られている。
【0154】
体重が約7.0kg〜約10.0kgの着用者に合うように設計されたおむつの標準型マネキンに関する実際の寸法は以下に示されている。
【0155】
ウエストラインのところの周長: 460mm
下胴部線のところの周長: 470mm
股折り目線のところの周長: 310mm
太腿線のところの周長: 275mm
胴体の高さ: 75mm
股角度: 約60°
体重が約9.0kg〜約14.0kgの着用者に合うように設計されたおむつの標準型マネキンに関する実際の寸法は以下に示されている。
【0156】
ウエストラインのところの周長: 495mm
下胴部線のところの周長: 505mm
股折り目線のところの周長: 330mm
太腿線のところの周長: 290mm
胴体の高さ: 80mm
股角度: 約60°
体重が約13.0kg以上の着用者に合うように設計されたおむつの標準型マネキンに関する実際の寸法は以下に示されている。
【0157】
ウエストラインのところの周長: 520mm
下胴部線のところの周長: 530mm
股折り目線のところの周長: 350mm
太腿線のところの周長: 305mm
胴体の高さ: 85mm
股角度: 約60°
腰部エラストマー材料及び側部エラストマー材料の測定点は、以下のようにして定められる。
【0158】
点P1は、胴体部分の右側のところの腰部の最小曲率半径の点である。点P2は、胴体部分の左側のところの腰部の最小曲率半径の点である。点P3は、胴体部分の後部の中心に位置する点である。点P4は、胴体部分の前部の中心のところに位置する点である。測定点P1,P2,P3,P4は、ウエストラインの下約10mmのところに位置し且つ試料おむつの腰部材料に完全に含まれるべきである。点P5は、右脚部の前部のところに位置する点であり、P6は左脚部の前部のところに位置する点である。測定点P5,P6についてのエアパックは、マネキンの脚部に接触するエラストマー材料の真下に設けられるべきである。
【0159】
脚部エラストマー材料の測定点は、エラストマー材料が標準型マネキンの皮膚に圧力を及ぼす点である。
【0160】
この方法を以下のように実施する。
【0161】
(1) 上述の設定を行った後、圧力測定システムをセットアップする。
【0162】
(2) 試料としてのおむつを準備し、これらのおむつを標準型マネキンに取り付ける。
【0163】
(3) 2つのエアパックを点P1,P2のところに配置し、圧力を測定する。
【0164】
(4) 圧力測定データを記録し、圧力信号が許容誤差5mV(0.5gf/cm)でほぼ0に戻っているかどうかをチェックする。
【0165】
(5) 2つのエアパックを点P3,P4のところに配置し、圧力を測定する。
【0166】
(6) 圧力測定データを記録し、圧力信号が許容誤差5mV(0.5gf/cm)でほぼ0に戻っているかどうかをチェックする。
【0167】
(7) 2つのエアパックを点P5,P6のところに配置し、圧力を測定する。
【0168】
(8) 圧力測定データを記録し、圧力信号が許容誤差5mV(0.5gf/cm)でほぼ0に戻っているかどうかをチェックする。
【0169】
(9) 一つの試料おむつにつき手順2〜8を繰り返す。
【0170】
データを以下のようにして評価する。
【0171】
(1) 測定した電圧をpsiに変換することにより(10mV=1gm/cm)「伸長性帯域内の局所平均皮膚接触圧力」を得る。
【0172】
(2) 次に、上記手順で得られた「伸長性帯域内の局所平均皮膚接触圧力」をエラストマー構成要素の面積パーセントで割ることにより「皮膚を圧迫するエラストマー材料の皮膚接触圧力」をpsi単位で得る。
【0173】
現在市販されている使い捨ておむつ、プルオン式おむつ及びこれらに類似した使い捨て吸収性物品を製造する際に用いられる材料は一般に、これらの皮膚向き表面上において約0.15〜約0.23の静摩擦係数を有している。静摩擦係数の値が比較的低ければ、おむつを着用者の身体に装着しやすくなるが、このように静摩擦係数の値が低いと、おむつの内面と着用者の身体との間の皮膚接触圧力が比較的高いことにもなる。これは約1psi台である。皮膚接触圧力のこのレベルは、ウエストバンド領域においては、おむつを最適の効率が得られるその望ましい着用位置に維持する上で特に有利である。着用者の皮膚に赤マークの付く原因は、このように皮膚接触圧力が比較的高いことにある。このように皮膚に赤マークが付くことは、圧力を誘起するマークが付くことと擦過傷を引き起こすマークが付くことの両方である場合があり、後者は、着用者が体を動かす際におむつの表面が着用者の皮膚に対して動く場合に生じる。
【0174】
本発明によれば、着用者の皮膚に対する使い捨ておむつの接触圧力を減少させることにより、着用者の快適感が向上する。さらに、おむつと皮膚の相互接触圧力を減少させることにより、着用者の皮膚の圧力により誘起される赤マーク及び擦過傷を引き起こす赤マークが減少する。しかしながら、特におむつのウエストバンド領域においておむつの皮膚接触圧力を過度に減少させると、その結果として、おむつが着用者の身体上で滑る場合があり、その結果、望ましくないおむつの垂れ落ち又はずり落ちが生じることになる。皮膚接触圧力の減少によるかかる望ましくない結果は、おむつの内部の選択された領域の静摩擦係数を大きくすることにより解決できるということが判明した。「内部」という用語は、着用者の皮膚に接触するおむつの表面を意味している。
【0175】
使い捨ておむつの皮膚に向いた表面の静摩擦係数の増大をおむつの内側の皮膚に向いた表面上の目的に適う領域に選択的に行うことにより、有利な結果を得ることができる。図1及び図3を参照すると、プルオン式おむつ20は、1対の保持帯域400,402を有し(図1には、これらのうち1つしか見えない)、ウエストバンド領域の内部で、且つおむつを着用した際の着用者の臀部骨の実質的に上の位置でおむつの各側に一つずつ設けられている。保持帯域400,402は、トップシート24の身体向き表面、前側伸長性耳部46の身体向き表面又は後側伸長性耳部48の身体向き表面、おむつの内部身体向き表面の主要部分を一緒になって構成するおむつ内面の静摩擦係数よりも高い静摩擦係数を有する材料によって構成されたものであるのがよい。
【0176】
保持帯域を実質的にウエストバンド57,59の内面の臀部接触領域のところに設けることにより、衣料品の着用者が体を動かした時に作用しはじめる滑り力の皮膚擦過効果が最小限に抑えられる。その点に関し、おむつの臀部接触領域のところでは、おむつを着用者との間の相当大きな相対運動が生じる場合のあるおむつの他の幾つかの領域、例えば、腹部接触領域と比較して、おむつの内面と着用者の皮膚との間の相対運動は小さい。加うるに、おむつの臀部接触表面は一般に、おむつを装着している際にウエストバンドの周囲を拡大するよう掴まれて互いに間隔を広げられる表面なので、保持帯域をこれらの領域に位置決めすることは、衣料品を着用者の身体に装着している時に保持帯域と着用者の皮膚との接触を最小限に抑えるのに役立つ。かくして、おむつの摩擦の大きな臀部接触表面は、おむつを装着して際、着用者の身体から遠ざけられた状態に保持され、その結果、これらの領域における高い静摩擦係数は、おむつの着用操作を損なうようには作用しない。
【0177】
おむつの臀部接触表面に加えて、局所的に高い静摩擦係数を有する場合のあるおむつの他の内側皮膚に向いた表面は、ウエストバンド59の背部接触領域を含むのがよい。その表面の静摩擦係数が高いと、おむつの位置保持特性が一層向上し、それにより、使用中、おむつが下に滑る恐れが最小限に抑えられる。図3に示すように、かかる背部保持帯域404を、摩擦係数の高い材料から成る細長い矩形ストリップとしてウエストバンド59の内面上に設けるのがよい。変形例として、保持帯域404を、おむつのウエストバンドの内面に沿って設けられた一連の幅の狭い互いに間隔を置いた実質的に平行なストリップ又は一連の互いに間隔を置いたスポットで構成してもよい。かかる背部保持帯域404を、所望ならば臀部接触保持帯域400,402に加えて用いると有利である。しかしながら、おむつの内部及び臀部接触表面から間隔を置いた箇所で静摩擦係数の高い他の表面の寸法及び位置決め状態を注意深く選択してこれらの臀部に接触しない表面がおむつを装着する操作を甚だしくは損なわないようにしなければならない。
【0178】
臀部接触領域保持帯域400,402は好ましくは、衣料品の総費用を減少させる一方、依然として本発明の利点を発揮させるために、これらおむつ位置保持目的に適うようできるだけ小さな面積を有している。この点に関し、臀部接触領域保持帯域400,402はそれぞれ、片面につき約0.01平方インチ〜約16平方インチ、好ましくは片面につき約0.25平方インチ〜約10平方インチ、最も好ましくは片面につき約1平方インチ〜約3.5平方インチの合計面積を有するのがよい(なお、1平方インチは、約6.45cmである)。また、静摩擦係数の比較的高い一体の連続領域である臀部接触保持帯域、例えば、図1に示すような全体として矩形の形態をした保持帯域400,402に加えて、変形例として、それぞれの保持帯域を、高い静摩擦係数を示さない介在領域を設けた状態で、幾つかの薄い実質的に互いに平行なストリップ(図20参照)又は任意の都合のよい幾何学的形態、例えば、円、矩形、長円形等のものであるのがよい密に間隔を置いたスポットの形態で設けてもよい。
【0179】
互いに間隔を置いたスポットの形態で設けられる場合、スポットの設けられた面積の合計は、臀部接触領域内であるにせよウエスト接触領域内であるにせよ、臀部接触領域については片面につき好ましくは約3.5平方インチ、腰部接触領域については好ましくは約3.5平方インチであるが、個々の静摩擦係数の高いスポットの合計面積は好ましくは、上述の特定した範囲内にあるべきである。さらに、別法として、保持帯域400,402は、おむつの横方向中心線と実質的に平行な長軸を備えた1以上の薄い細長い領域の形態をしていてもよく、或いは、おむつの長手方向中心線と実質的に平行な長軸を備えた1以上の薄い細長い領域であってもよい。
【0180】
摩擦係数を所望通りに増大させるよう使用できる保持帯域を提供する適当な方法としては、静摩擦係数の比較的高い材料で作られた被膜又はパッチが挙げられる。被膜としては、感圧性材料又は粘着性材料から成る被膜が挙げられるが、これらには限定されない。パッチは、衣料品の臀部接触領域と後側腰部領域のいずれか一方又は両方のウエストバンドの内面にくっつけられ又は他の方法で連結される薄いフィルム等の形態であるのがよい。適当な被覆材料の例は、ポリマー材料、例えば、冷えると可撓性を示すホットメルト再密封性接着剤、ゴム系材料(固形ゴム及びゴム系フォームを含む)、及び使用中着用者の身体上の定位置におむつを保持するのに十分な摩擦特性を備えた任意のラテックス又はホットメルト材料である。具体的には、以下に記載する材料から作られた被膜が適している。
【0181】
エチレンビニルアセテートコポリマー(これは、ホットメルト又は水性被膜として被着できる。最適候補物質は、少なくとも20%ビニルアセテートを含む。)
ポリビニルアセテート(これは通常、水性エマルションの状態で用いられる。)
スチレン(これは、ブタジエン−エマルション又はホットメルトとして被着される。)
セルロースアセテートブチレート(これは通常、ホットメルト被膜である。)
エチルセルロース(これは通常、可塑剤及び樹脂とブレンドされ、ホットメルトとして被着される。)
アクリル樹脂(これは、通常、ブレンドされていないエマルション系である。)
合成ゴムホットメルト(これは、エラストマー及びスチレンブロック、ゴム、樹脂及び可塑剤配合物を有するKraton(登録商標)ブロックコポリマーである。)
他のホットメルト(これは、ポリエチレン(単独又はブレンド状態)、ポリアミド等である。)
適当な代表的な被膜組成物は、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、メタクリル酸のアクリルターポリマー、アクリルコポリマー、エチレン−ビニルアセテート/樹脂ラテックスエマルション、エチレン−ビニルアセテートホットメルト接着剤、合成ゴム(エラストマー及びスチレン成分とのブロックコポリマー)ホットメルト接着剤、及びポリビニルアセテート/樹脂エマルションである。かかる材料は、とりわけH. B. Fuller Company、E. I. DuPont及びFindley Adhesives から入手でき、不織物及び(又は)紙のためのバリヤ被膜のホットメルト及び水性被膜として用いられている。当業者であれば、他の被覆材料も又、使い捨ておむつの内面の静摩擦係数を局所的に大きくするのに利用できることは理解されよう。
【0182】
かかる材料は、被膜として被着されると、好ましくは、おむつのウエストバンドの一部の最も内側に位置する皮膚に向いた表面の上に位置すると共に上述の大きさの面積を備えた実質的に一様な厚さの被膜を生じるように被着される。加うるに、着用者に対する快適さを一段と増すという観点から、本発明の保持帯域を形成するのに用いられる被膜は好ましくは呼吸性であり、或いは、被覆された保持帯域全体にわたり複数の小さな間隔を置いた状態の孔を設けることにより多孔性のものとされる。
【0183】
当業者に知られている多くの方法を用いて静摩擦係数の高い被覆材料を被着させることができる。被覆方法としては、押出し被覆法、スロット被覆法、グラビア印刷法及びスクリーン印刷法が挙げられるが、これらには限定されない。さらに、公知の被着方法を用いると、所望領域内に高い静摩擦係数を示す材料をばらばらの繊維の形態で被着させることができる。適当な材料の例としては、上述の繊維質ポリマー材料のうちの任意の繊維のメルトブロー法又はスパンボンド法による被着が挙げられる。
【0184】
被膜を原料供給業者の工場(即ち、おむつのウエストバンド又は側部パネル内に入れられる不織布の供給業者)のところで被着させてもよく、或いは、おむつの製造中にオンライン方式で被着させてもよい。また、被膜をウエストバンド又は側部パネル構造の一部を形成する弾性積層材料の活性化前又は後に被着させてもよい。
【0185】
保持帯域400,402を別々に形成し、しかる後、おむつの内部ウエストバンド又は側部パネルに適当に固定されるパッチの形態で設けてもよい。パッチとして被着する場合、保持帯域を、薄く且つ可撓性であり、おむつのウエストバンド又は側部パネルの最も内側に位置する皮膚に向いた表面にくっつけることができ又は他の方法でしっかりと取り付けることができる多数の異種材料で作るのがよい。かかるパッチの構成材料の例としては、ポリマーフィルム、例えばポリ塩化ビニリデン、有孔ポリマーフィルム、繊維不織布、スクリム、スクリムネット又は繊維フロック加工物質が挙げられ、これらは、下に位置する基材の静摩擦係数を大きくするための表面塗布型粘着付与剤が添加される場合と添加されない場合がある。パッチは好ましくは多孔性又は呼吸性であり、これらを、1976年11月2日にSisson氏に付与された米国特許第3,989,867号(発明の名称:Absorptive Devices Having Porous Backsheet)に開示された形式の多孔性フィルムから作るのがよく、かかる米国特許の内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0186】
不織ウェブで形成されたパッチは、エラストマーの崩壊又は分解、融点及び可撓性を制御するよう設けられる他のポリマーで重合又はこれと配合されたエラストマー成分、例えば天然ゴム及びイソブチレンを含む任意のゴム状組成物であってよい。不織ウェブは、A−B−A′ブロックコポリマーの重量を基準として少なくとも約10%を占めるミクロ繊維を含むのがよく、ここで、A及びA′はそれぞれ、スチレン部分を含む熱可塑性末端ブロックであり、Dは、エラストマーポリ(エチレンブチレン)中間ブロックであって、ポリオレフィンの重量を基準として0%〜約90%であり、オレフィンは、A−B−A′ブロックコポリマーと配合され、高温及び高圧条件の組み合わせの作用を受けると、A−B−A′ブロックコポリマーと共に配合形態で押し出されるようになっている。ポリオレフィン材料を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブタンコポリマー及びこれら材料のうち少なくとも2つの配合物から成る群から選択するのがよい。米国特許第4,663,220号、第4,692,371号、第4,741,949号、第4,789,699号及び第4,803,117号は、押出し可能な組成物及びかかる組成物、特に、エラストマー不織ウェブを形成する方法を記載しており、これら米国特許の内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0187】
さらに、不織布のパッチは、ポリブタジエン又はポリアセテート中間ブロック及びポリスチレン末端ブロックとのA−B−A′ブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチレンブチレン−ポリスチレンブロックコポリマー樹脂及びかかる樹脂とこれらの可撓性及び崩壊又は分解を制御する物質との配合物を含むのがよい。かかる組成物は押出しが容易であり、容易に繊維ウェブの状態に形成できる必要があることは注目されるべきである。
【0188】
本明細書で説明する保持帯域を提供する際、衣料品のこれら保持帯域のところでの高い静摩擦係数は好ましくは、おむつの身体向き表面の主要部分の摩擦係数よりも少なくとも約500%ほど大きいものである。これら身体向き表面の中には、トップシート24及び弾性的に伸長可能な側部パネルの主要部分、例えば前側伸長性耳部46の身体向き表面及び後側伸長性耳部48の身体向き表面が含まれ、これらは各々、おむつの内側の皮膚に向いた表面を形成している。有利には、保持帯域のところの高い静摩擦係数は、約0.3〜約4.0、好ましくは約0.4〜約2.0、最も好ましくは約0.7〜約1.5の範囲にわたるのがよい。かかる保持帯域をかかる衣料品中に設けると、衣料品を着用者の身体上の実質的にその最初に装着された位置に維持するのに必要なウエストバンドフープ応力を著しく減少させることができる。この点に関し、使い捨てプルオン式吸収性衣料品が着用者の身体上の所望の位置に装着されたままの状態を維持するための着用者の皮膚に対する衣料品の内面の通常の圧力範囲は、約0.05psi〜約0.8psiである。かかる圧力レベルが高くなると、着用者の中には、体のサイズがおむつのサイズに対して大きいので着用者の身体に対するウエストバンドの締り具合に鑑みて、ウエスト領域の周りに赤マークが生じる人がいる。
【0189】
静摩擦係数の高いウエストバンド保持帯域の内側の皮膚向き領域のところに設けることにより、ウエストバンドのフープ応力、及びその結果としてのウエストバンドが皮膚に及ぼす圧力を減少させることができる。静摩擦係数の高い表面を設けることにより、おむつの重量が身体の廃棄物の吸収により増大しても、それほど赤マークを生じさせずにおむつを実質的にその最初の装着されたままの位置に保持することができる。
【0190】
所与の静摩擦係数の値は、Heidon 14DR 表面特性試験機を利用する試験手順に基づいている。試験は、25℃、50%の相対湿度で行われ、標準の400やすり磨き(JIS)鋼板を、静摩擦係数が検査される材料が置かれる基板として用いた。試料としての材料を30mm×30mm圧子に取り付けてこれがその主要面のうちの1つを完全に覆うようにした。検査対象の材料が延伸可能な場合、試験をHeidon 14DR 試験機の可動ベースの移動方向に垂直に配置された延伸方向で行った。単一の移動モードを、600mm/分の移動速度で採用した。種々の垂直荷重を加え、圧子上に取り付けられた試料と標準鋼板との間の静摩擦係数を供給業者の提供した解析プログラムを用いて求めた。
【0191】
静摩擦係数の増大した材料のパッチを達成できる例示の方法は、熱接着した2つの互いにはっきりと異なる材料の積層品を提供することにある。材料のうち一方は、取扱いが容易な程度の本体を有するのがよく、他方は、単独で取り扱うのが難しいが、比較的高い摩擦係数を有するものである。かかる静摩擦係数の高い材料は、弾性ネット材料の形態をしたエラストマースクリム、例えば、構造が図6に示されているエラストマースクリム124として上述したものであるのがよい。エラストマースクリムは代表的には、約3.0台の比較的高い静摩擦係数を有している。かかるエラストマースクリム材料の1つは、ミネソタ州ミネアポリス所在のConwed Plastics Company からXO2514として入手できる。Conwedエラストマースクリム材料は、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー材料から作られたネットである。このスクリムは、複数の互いに間隔を置いた実質的に平行な第1のストランド及び複数の互いに間隔を置いた実質的に平行な第2のストランドの形態をしており、ここで第1及び第2のストランドは、互いに実質的に直角に配置されている。さらに、第1のストランド及び第2のストランドは、凝集性のエラストマーウェブを構成するよう互いに接合され、この凝集性エラストマーウェブは、それぞれ互いに結合された第1及び第2のストランドによって境界づけられると共に構成される複数の実質的に矩形の解放領域を有している。Conwedスクリムの厚さは、約0.5〜約1.5mmであり、解放面積は約80%、基本重量は約120gsmであり、かかるConwedスクリムは、側部エラストマー材料124について上述した伸長特性と符合している。
【0192】
エラストマースクリムは、薄い非常に可撓性のシートの形態をしており、かかるシートは、可撓性が高いので、高速生産条件ではそれ自体取り扱うことが困難である。したがって、エラストマースクリムは好ましくは、可撓性の低いベース材料のシートと結合され、取り扱いが容易であって所望の弾性を備え、しかも、その一方のフェース上の摩擦係数が所望程度に高いパッチが提供される。適当なベース材料もまた、少なくとも一方向においては伸長可能であることが必要であり、このベース材料は、これは接合されるエラストマースクリムと一緒に伸長可能であり、それにより、パッチが接触するようになった身体表面の輪郭に合致することができるようになっている。パッチ積層品に用いられる適当な不織布は、日本のNisseki Corporation から“MID MILIFE”として入手できる。不織布としてのMILIFEの基本重量は20gsmであり、これは、スパンボンド法を用いてポリエステル(PET)繊維から作られ、このスパンボンド法は、機械の横方向の極限伸びが200%以上の機械の流れ方向への配向度の高い繊維ウェブをもたらす。
【0193】
高い静摩擦係数のパッチを形成するには、例えば全体を図15に示すような装置を用いることによりスクリムとベース不織布を互いに接合するのがよい。スクリム500は、不織布502の表面上に置かれ、スクリム及び不織布は、一対の互いに反対側に位置した平らな加熱式圧力板506,508相互間に配置される。スクリム500は、圧力板506,508によって不織布502の表面504内へ押し込められてこれに結合され、ついには、スクリムが、不織布の表面内に永続的に取り付けられると共にこの中に埋め込まれるようになる。
【0194】
パッチを形成する積層法における幾つかの手順又は工程が、図16〜図18に示されている。まず最初に、圧力板506,508の向かい合った平らな表面を図16に示すように互いに間隔を置いて配置し、約90℃〜約100℃台の温度まで加熱し、この温度は、不織布502の高融点PET繊維を溶融させないほど低いが、不織布の繊維をそのままの状態に維持し、そして又、この温度は、スクリム500を十分に軟化させて粘着性となり、これを不織布の表面内に押し込んでこれにくっつけることができるほど高い。スクリム500及び不織布502を、互いに重ね合わせた関係で圧力板506,508相互間に配置する。
【0195】
図17に示すように、圧力板506,508を互いに近づけてスクリム500及び不織布502を加圧してこれらを密接した関係にする。接触圧力、圧力板温度及び滞留時間は、スクリムが不織布の表面内に押し込まれることができ、そしてこの中に少なくとも部分的に埋め込まれるのに十分軟化するように選択される。次に、圧力板506,508を図18に示すように引っ込め、積層されたスクリムと不織布複合材510を取り出して使用のために放冷する。図18に示すように、複合材510の一方の面は、埋め込まれた状態のスクリム材料を有し、スクリム構成要素の一部は、不織構成要素の表面上に僅かに延びている。スクリムが埋め込まれた複合材510の表面の静摩擦係数は、約2.8〜約3.0である。
【0196】
複合材510を、図1に使い捨てパンティー物品20の一部として示されたウエストバンド帯域37として使い捨てプルオン式吸収性パンティー物品に組み込むことができる。この複合材は、着用者の身体への好ましい着用位置での物品の保持性の向上という観点から物品の性能を向上させた滑り止めの向上を物品20にもたらす。
【0197】
図19は、ウエストバンド帯域37の断面図であり、その好ましい構造的配置関係を示している。ウエストバンド帯域37の最も外側の層は、不織布(例えば、Fiberweb HEC不織布)のバックシート層520によって構成されている。バックシート層520の内側には、不織布(例えば、MILIFE不織布)の中間層522が設けられ、中間層522の内側には、着用者の身体に向いた静摩擦係数の高い表面を有する複合材510のベルト状層が設けられている。
【0198】
着用者の腹部及び背部に接触し、吸収性心材25の終端する領域上に位置決めされるウエストバンド37の選択された身体向き部分を、静摩擦係数の比較的低い材料で構成するのがよい。この点に関し、ストリップの形態をした圧密化不織布(例えば、FiberwebのDAPP)の矩形層524を、ウエストバンド37の背部及び腹部のところで複合材層510の部分に対し上に位置してこれを被覆する関係に設けるのがよい。層524を上述の種類の適当な接着剤によってウエストバンドに接着するのがよい。その目的は、物品の側部パネル上に配置され、着用者の臀部の上に位置するウエストバンドの部分だけを着用者の皮膚に当てることができるようにすることにある。その結果、図20に示すように、ウエストバンド37の臀部接触部分は、所望程度の滑り止めをもたらす静摩擦係数の高い露出したスクリム材料を含む複合材層510を有する。
【0199】
図19及び図20に示すウエストバンド構造を用いると、衣料品を着用した時に通常ウエストバンド内で生じるフープ応力を減少させることができる。滑り止めの度合を好ましいウエストバンド構造を用いて向上させると、吸収性物品を最も効果的に機能を発揮させるためにその所望の着用位置に保持する上で同一の引張度がウエストバンド内には必要とされない。本発明の利点をもたらすため、保持帯域を含むウエストバンド37の周囲全体の部分は、好ましくはウエストバンド37の各臀部接触部分のところで、約100%、好ましくは約10%〜約60%、最も好ましくは約25%〜約35%であるのがよい。上述の百分率は、衣料品を着用者に着用させる前のウエストバンドがその弛緩して延ばされていない状態にあるときのウエストバンドについてのものである。
【0200】
所望ならば、着用時の物品の保持性を向上させるため使い捨て吸収性物品のウエストバンド帯域内に保持帯域を設けることに加えて、或いはこれに代えて、構造体の耳又は側部パネルは、衣料品の滑り止めの度合を向上させる保持帯域を備えるのがよい。この関係で、静摩擦係数の大きな上述の積層品を衣料品のウエストバンド帯域内に用いることと関連して、かかる積層品を用いて耳又は側部パネル要素の領域の少なくとも一部を形成するのがよい。例えば、図20を参照すると、図示のおむつの各側の耳部46,48の内部皮膚向き表面は、上述中の構造を備えた静摩擦係数の大きな複合材510によって構成される1又は2以上の領域を有するのがよい。おむつ構造のこれら要素の皮膚接触面積が大きいと、大きな面積の保持帯域が得られ、それにより、おむつをその所望の着用位置に維持しやすいようになると共におむつが着用者の身体に対して下にずり落ちる傾向を減少させるのに役立つ。この点に関し、おむつの両側の耳部46,48上のかかる保持帯域の皮膚接触面積の合計は、約13平方インチ、好ましくは約3.5平方インチ〜約11平方インチ、最も好ましくは約5平方インチ〜約6.5平方インチである。
【0201】
おむつの耳部のところにおける皮膚接触面積はウエストバンド領域のところにおける皮膚接触面積と比べて潜在的に大きいので、耳パネル中に、上述の複合材料510の静摩擦係数よりも幾分低い静摩擦係数の材料を用いることができる。この点に関し、静摩擦係数を保持帯域の面積に基づいて選択することができ、即ち、皮膚接触面積が大きければ大きいほど、実質的に同一の保持力又は滑り止めの度合を得るのに必要な材料の静摩擦係数がそれだけ一層低くなる。かくして、露出したエラストマースクリムの静摩擦係数よりも幾分低い静摩擦係数のパネルを設けることができる。ベース不織布、例えばHEC、即ち、サウスカロライナ州シンプソンビル所在のFiberweb Corporationから入手できる高伸び率カーディング加工不織布を、例えば熱圧延法によりEVAとKratonメルトブロー法処理繊維の配合物の層と結合する。繊維によって構成される表面の静摩擦係数は、約0.7であり、これは、市販の不織布の静摩擦係数の2倍以上である。このようにして形成されたパネルを、吸収性物品の側部パネル、例えば図2に示す物品の耳パネル10,11の皮膚向き表面として用いることができる。好ましくは、側部パネルに含まれるかかる高静摩擦係数の保持帯域の面積は、約13平方インチ、より好ましくは、約3.5平方インチ〜約11平方インチ、最も好ましくは約5平方インチ〜約6.5平方インチである。
【0202】
約1,500gmのおむつと皮膚との間の滑り抵抗力をもたらす保持帯域は一般に、おむつの過度の垂れ落ち又はずり落ちを防止すると共に着用者の皮膚に赤マークが付く傾向を最小限に抑えるのに有効である。好ましくは、滑り止めの度合は、少なくとも約1,000gm、より好ましくは少なくとも約1,500gm、最も好ましくは約2,100gmである。
【0203】
使い捨ておむつの滑り止めの度合を、図11に示す横断面を有するが、脚部を備えていないマネキンタイプの要部プロフィールを準備することにより測定することができる。このプロフィールは、110mmの高さ、492mmの周長を有し、スチロフォームで作られている。人間の皮膚を真似た材料が、マネキンの外面に被着されている。好ましい材料は、BIOSKIN と呼ばれる製品であり、これは、日本のBeaulax Company から入手できるポリウレタン材料であり、これを、日本国東京のCemedine KKから入手できる接着剤、例えばCemedine EP002によってマネキンに取り付けることができる。BIOSKIN 材料は、次の物理的特性を備えている。
【0204】
寸法−195mm×130mm×5mm
剛性−25℃においては0〜5のショアAスケール硬さ
引張強さ−23℃においては18〜20kg/cm
引裂強さ−23℃においては3〜5kg/cm以上
増大範囲−450〜500%
変態温度−90℃
滑り止め試験方法を実施する際、穴をマネキンを中心に開け、このマネキンを、架台に取り付け、Instron 試験機の一方のプレートに連結する。次に、おむつを、Instron ロードセルに接続し、マネキン上の着用位置に取り付ける。おむつが5分間の間にマネキン上で弛緩するようにする。ロードセルを、1分間につきマネキンに対して20cm軸方向上方に動くようプログラムし、荷重(gmf)を変位量(cm)の関数として注目する。ピーク荷重(gmf)を、種々の市販のおむつについて求める。滑り止めの度合は、おむつの周囲のところでのピーク荷重(gmf)である。製品の各々について製品着用力(腰部周長が492mmの場合)を求め、製品着用力及び滑り止めの度合を用いて正規化された製品滑り止めの度合を求める。
【0205】
現在市販の使い捨て吸収性物品に含まれる通常の皮膚接触材料よりも静摩擦係数の著しく高い保持帯域を提供することに加えて、本発明は、かかる構造の選択された皮膚接触領域のところに静摩擦係数の低い滑り帯域を設けることも又、提案している。静摩擦係数が約0.2以下のかかる滑り帯域又は摩擦係数の低い帯域を設けることによりかかる物品の着用者の身体への着脱が容易になる。この点に関し、図2を参照すると、一般に物品の着脱を容易にすることに対して比較的高い抵抗を示すかかる物品の帯域としては、脚部側縁153,156,158、前側ウエストバンド領域6及び脚部通し穴に隣接した衣料品の内面、例えば、脚部フラップパネル4が挙げられる。これらの領域の静摩擦係数を約0.15以下のレベルに減少させることにより、着用者の身体の特定の領域、例えば、前側腰部領域及びおむつの脚部通し穴によって包囲された太腿領域のところで受ける抵抗力を著しく減少させることができ、これらの領域では、脚部側折返し部及び脚部通し穴のところでの弾性により、皮膚に対するおむつ構造の比較的高い圧力又は皮膚に対する大きな擦過力がかかる衣料品の着脱中に生じる場合がある。かかる摩擦係数の減少を生じさせる適当な材料としては、パッチ形態の材料、例えば、絹及びポリエチレンから作られたメルトブロー又はスパンボンド繊維を含むシート材料が挙げられる。
【0206】
別の利点として、使い捨て吸収性物品の着脱を容易にすることに加え、物品の皮膚接触面上に、比較的静摩擦係数の高い帯域及び比較的低い静摩擦係数の帯域を選択的に設けることによっても、物品を着用した期間中における物品の快適性及び機能性が向上する場合がある。かくして、物品の皮膚接触面のところに、着用者の身体の運動中着用者の皮膚に対して動く滑り帯域を設けることにより、皮膚の擦過傷を減少させることができると共に、その結果として赤マークが付くのを減少させることができる。かかる相対運動の度合の高い帯域としては、物品の前側腰部、より具体的には、着用者の腹部の上に位置する領域及び静摩擦係数の低い表面を生じさせるのが有利な脚部側折返し部のエッジが挙げられる。物品を最適の機能性が発揮される位置に保持するのに役立つよう静摩擦係数の高い表面を、物品の相対運動の度合の低い帯域、例えば、脚部の折りじわ、臀部接触側部、及び股の折りじわのところに設けるのがよい。相対運動の度合の低い帯域のところに静摩擦係数の大きな表面を、そして相対運動の度合の比較的高い帯域のところに静摩擦係数の低い表面を巧妙に設けることにより、物品は事実、着用中に着用者の身体に対して自動調整可能となり、それにより、物品を着用者の身体上のその好ましい位置に維持し、皮膚の擦過傷を最小限に抑え、しかも、物品のフィット具合と物品の重要な機能要素、例えば吸収性心材及び脚部側折返し部の着用中における位置決めの両方に対して大きな制御の度合いが得られる。
【0207】
静摩擦係数の比較的高い材料でできたパッチの形態で保持帯域を設けることに加えて、本発明は、例えば図12及び図13に示すような保持材料の内側バンド450の形態をした保持帯域を設けることを特徴としている。バンド450は、図示のように、着用者に向いて着用者の皮膚に接触するようになった外側フェース452及びウエストバンド458の内面456に向いた内側フェース454を備えた細長い全体として矩形のパネルであるのがよい。内側フェース454の一部が、シーム領域460に沿っておむつのウエストバンド458の内面に固定されている。シーム領域は、バンド450とウエストバンド458との間に、接着剤、ヒートシール又は当業者に知られている他の公知の連結手段により行うことができる連結部を定めることができる。
【0208】
バンド450は、軟らかくて非刺激性の材料でできた薄い可撓性シート、例えばポリマーシート、不織布等であってもよい。好ましくは、バンド材料は、不織ベース材料及び不織布の表面内に押し込まれるスクリムを有する上述したパッチ材料から作られる。バンド450の非取付け部分は、シーム領域460の最も下に位置する縁464の回りに回動できるフラップ462を構成する。
【0209】
バンド450の外側フェース452は好ましくは、約0.2〜約0.3程度の比較的低い静摩擦係数を有し、したがって、おむつを着用者の脚部上を引き上げて胴体の下部に取り付けると、静摩擦係数により、おむつの着用を、着用者の皮膚に対するおむつのウエストの内面の摺動運動に対して過度の抵抗を生じないで行うことができる。かかる比較的低い静摩擦係数を、バンド材料の適当な選択により得ることができ、或いは、摩擦の少ない適当な表面をバンドの外側フェース上に被着させることにより得ることができる。適当な低摩擦表面の例としては、絹、スパンボンドポリエチレン繊維の層、或いは、サウスカロライナ州シンプソンビル所在のFiberweb Corporationから入手できる高伸び率カーディング加工不織布、例えばHECが挙げられる。
【0210】
外側フェース452の静摩擦係数は比較的低いが、内側フェース454の静摩擦係数は好ましくは、比較的高い。静摩擦係数が比較的高いことが望ましいが、その理由は、もしおむつが着用者の身体に対して下方に滑ると、着用者の皮膚に対するバンド450の摺動運動に起因して摩擦力が制限され、それにより、フラップ462が縁464の回りに回動し、縁が事実上、ヒンジ又はピボット軸線として作用するようになるからである。したがって、おむつがその最初の当てられたままの位置から下方にずり落ち始めると、フラップ462を縁464の回りに回動させてフラップ462の内側フェース454が着用者の皮膚に接触するようにする。したがって、内側フェース454上に比較的高い静摩擦係数をもたらしておむつのその所期位置からのそれ以上の下方運動を阻止するようにする。この点に関し、内側フェース454の静摩擦係数の好ましい範囲は、約0.3〜約4.0、より好ましくは、約0.4〜約2.0、最も好ましくは約0.7〜約1.5である。外側フェース452の好ましい静摩擦係数は、約0.2以下、より好ましくは約0.15以下である。かくして、バンド450は、おむつ20の着用に対する補助手段として役立つと同時におむつ20をその好ましい着用位置に配置した後においてはおむつ20の保持のための補助手段としても役立つ。
【0211】
上に位置したままの使い捨て吸収性物品、例えば使い捨ておむつを提供することを含む本発明の利点はまた、特定の材料をパッチ又は被覆形態で追加しなくて達成できる。かくして、静摩擦係数の高い互いに別々の領域を有する使い捨ておむつもまた、おむつの構造全体と一体の構造的配置状態で提供することができ、即ち、専用の互いに明確に区分された別々の静摩擦係数の高い材料を別途必要とすることがないおむつを提供することができる。この点に関し、使い捨ておむつと関連して上述した基本的なウエストバンド構造を設計変更して、おむつのウエストバンド内部に配置される弾性材料が選択的に露出されるようにしてもよい。かかるウエストバンド構造内に通常設けられる弾性材料は代表的には、おむつの内側の身体向き表面を構成する他の材料よりも静摩擦係数が高い。弾性材料は、選択された時期に、しかもおむつをその好ましい着用位置に保持するのが必要な場合又はそのようにすることが望ましい場合、露出させられて着用者の皮膚に直接接触するようになる。
【0212】
かかる設計変更が施されたウエストバンド構造の一形態が、図21に示されている。ウエストバンド600は、着用者の身体から遠ざかる方向に向いた外側表面材層602及び着用者の身体に向いた内側表面材層604を有する連続周囲構造部材である。層602,604は、少なくとも1つの中間層606で互いに分離された状態でこれに接合されており、この中間層606は、内側表面材層604よりも静摩擦係数の高い弾性材料の層を構成するか、或いは有している。ウエストバンド構造のそれぞれの層を互いに接合することは、上述の接着剤のうちの1つである適当な接着剤、或いは変形例として、熱接着、又は他の適当な接合構造を用いて行うことができる。
【0213】
設計変更が施されたウエストバンド構造は内側表面材層604を有し、この内側表面材層は、内側表面材層604の最も下に位置する縁又はエッジ610から上方に延び、最も下に位置するエッジ610と最も上に位置する縁又はエッジ612との間で終端する複数の実質的に直線状の切欠き608を有している。切欠き608は、内側層604を完全に貫通した切れ目又はスリットの形態であるのがよく、これら切欠きをウエストバンド600の内周部の周りに所定の円周方向位置のところに配置するのがよい。対をなす隣り合う切欠き608相互間の内側層604の領域は、中間層606の弾性材料には完全には接合されておらず、その代わり、図22に誇張した形態で示すようにだらりと垂れ下がることができるようになっている。一対の互いに間隔を置いた切欠き608相互間の内側層604の非接合部分613は、それぞれ回動自在なカバーフラップ614を構成し、カバーフラップ614は、これらが図22に示す位置にあるとき、中間層606の弾性材料の隣接したその下に位置する領域615の上に位置した状態でこれを覆っている。
【0214】
おむつがその最初に当てられたままの好ましい着用位置からずり下がり始めると、カバーフラップ614は、中間層606の弾性材料の領域614を露出させるよう回動し又は持ち上げられるようになっている。中間層606に対するフラップの回動又は持ち上げは、着用者の身体に対するウエストバンド600の下方運動中に行われ、その結果、引張力がカバーフラップ614に加わり、これにより、フラップは、内側層604と中間層606との間の接合領域の最も下に位置するエッジによって構成可能なピボット線616の回りに回動するようになっている。
【0215】
おむつが着用者の身体に沿って十分な距離下方に動いた後、カバーフラップ614はピボット線616の回りに回動して弾性部材の領域615を開くと共にこれが着用者の皮膚に対して露出するようにする。露出した弾性材料は、中間層606の一部を構成し又は形成しており、かかる弾性材料は、内側層606の身体向き表面よりも著しく高い静摩擦係数を有しており、少なくとも約1.5、好ましくは約2.0台以上である。弾性材料が着用者の皮膚に接触すると、弾性材料の露出領域と着用者の皮膚との接触により生じる摩擦抵抗力は、おむつのそれ以上の下方運動が生じにくいようにし、おむつを有効に機能を発揮する位置に保持するのに役立つ。
【0216】
カバーフラップ614の形態の非接合領域を、ウエストバンドの臀部接触部分に設けておむつ構造の各側で互いに反対側に位置した内面の一方又は両方に臀部接触カバーフラップを構成するようにしてもよい。さらに、背部に接触するカバーフラップの形態をした1以上の非接合領域を、臀部接触カバーフラップに加えて或いは臀部接触カバーフラップに代えて着用者の背部に接触するおむつのウエストバンド構造の部分に隣接して設けてもよい。個々のカバーフラップは、各々の周長が約0.5インチ〜約12インチ、好ましくは約1インチ〜約2インチの複数の隣り合う又は間隔を置いたカバーフラップであってよく、或いは、これらは、比較的大きな一体の円周方向カバーフラップであってもよい。この点に関し、カバーフラップは、ウエストバンドの内周の約75%、好ましくは約50%、最も好ましくは約20%を占めるのがよい。もし複数の周長が比較的短いカバーフラップを設ける場合、好ましくは、個々のフラップの周長は、約0.1インチ〜約5インチ、より好ましくは約0.25インチ〜約3インチ、最も好ましくは、約0.5インチ〜約1インチである。(なお、1インチは、2.54cmに相当する。)
1以上の回動自在な別々のカバーフラップを有するウエストバンドの構造は、図21及び図22に示すようなものであるのがよい。ウエストバンド材料の内側層604及び外側層602はそれぞれ、上述のものの性状を備えた不織布であるのがよい。内側層602と外側層604との間の中間層606の一部を形成する弾性材料は、弾性スクリム、例えば上述すると共に図6及び図15に示すエラストマースクリムであるのがよい。さらに、弾性材料は、複数の円周方向に設けられたバンドの形態をしているのがよい。さらに、弾性ウエストバンド材料を利用する代わりに、上述したこれよりも静摩擦係数の高い材料を所望ならば用いてもよい。
【0217】
2以上の一体形の円周方向に間隔を置いた回動自在なフラップの代わりに又はこれに加えて、これよりも小さい複数のフラップを設けてもよい。図22Aに示すように、内側表面材層604は、複数のフラップ618を有するのがよく、この場合、各フラップ618の小さい方の寸法は、おむつの構造の長手方向中心線100に平行な方向に向いている(図3参照)。図22Aに示す小さなフラップ構造は、図22に示す一体形の大きなフラップで得られるおむつ位置を保持する上での利点と類似したおむつの位置を保持する利点を発揮するが、フラップの寸法が小さいので、着用者の身体に対するおむつの下方の滑りは小さいものであるようになっている。かくして、図22Aに示すフラップ寸法hを小さくすることにより、保持特徴は、おむつの下方への滑りが始まるといっそう迅速に効果を発揮する。
【0218】
構造上の別の変形例として、おむつのウエストバンドの弾性材料は、図23に示すように多孔性の肉眼で見えるほどに拡張させた3次元エラストマーウェブ630の形態をしていてもよい。エラストマーウェブ630は、ウェブの外方に向いた表面を構成するよう互いに間隔を置いた不連続の外面632と不連続の内面634を有している。好ましくは、ウェブ630は成形フィルムであり、これは、少なくとも2つのポリマー層を有するのがよく、これら層のうち少なくとも一方は、外側のエラストマー層636であり、他方の層のうち少なくとも1つは、実質的に可撓性の低い内側層638である。
【0219】
エラストマーウェブ630は、外面632に多数の孔640を有している。孔640は、外面632の平面内に位置し、相互連結部材642から成る連続網状構造によって境界付けられている。各相互連結部材642は、外面632から内面634までその長さに沿って内方に広がる断面を備えている。相互連結部材642は、ウェブ630の内面634の平面内に位置する内側孔644を構成するよう内面634のところで終端している。かかるエラストマーウェブ構造の細部及びこれを製造することができる方法が、1997年3月14日に出願された米国特許出願第08/816,106号に開示されており、かかる米国特許出願の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。好ましい多孔性エラストマー材料は、バージニア州リッチモンド所在のTredegar Industries. Inc. からX−25007という商品名で入手できる。
【0220】
外側孔640は、任意所望の形状のものであってよい。しかしながら、好ましくは外側孔640は、互いに垂直な長軸と短軸を有する形状、例えば、長円形又は楕円形のものである。好ましくは、長軸は、おむつの着用期間中、エラストマーウェブに及ぼされる歪み誘起応力にほぼ直交して差し向けられている。
【0221】
本発明のおむつウエストバンド構造の別の変形例が、図23A及び図23Bに示されている。これらの図は各々、ウエストバンドの身体向き表面を構成し、静摩擦係数の比較的高い材料の上に位置した設計変更が施されたウエストバンド内側層604Aを示している。層604Aは、伸長性材料、例えば、上述の形式の不織布で作られたものであるのがよいが、連続していて構造が途切れていない伸長性層604Aに代えて、互いに間隔を置くと共に層604Aを構成する材料を完全に貫通した複数の比較的短く実質的に直線状の切れ目又はスリット650を有している。
【0222】
図23Aに示すように、スリット650は、おむつ構造の長手方向中心線100(図3参照)の方向に延びている。全体として整列したスリット650から成る複数の互いに間隔を置いた実質的に平行な列652が設けられ、隣り合う列652のスリットは互いに長手方向にずれている。その結果、層604Aをおむつ上のウエストバンドの円周方向と一致した長手方向中心線100に対して横断方向に張力を受けた状態で配置すると、スリット650の縁は、互いに離れて複数の互いに間隔を置いた開口部654を形成する。かくして、開口部が層604A内に形成されると、静摩擦係数の比較的高い材料で作られた下に位置する層は部分的に着用者の皮膚に露出されることになり、それにより、おむつを着用している際のおむつの下方の滑りに対して所望の抵抗をもたらす。図23Bに誇張した形態で示すように、開口部654は、実質的にダイヤモンドの形状をとり、各開口部の面積は、スリットの長さ、材料の伸長性及び層604A上に加わる引張応力(両方向を示す矢印656で表されている)で決まる。
【0223】
スリット650の長さは、約2mm〜約5mm、好ましくは約2mm〜約3mmであるのがよく、所与の列の隣り合うスリット相互間の長手方向間隔は、約2mm〜約5mmであるのがよい。さらに、スリットの隣り合う列652相互間の横方向間隔は、約2mm〜約5mm台のものであるのがよい。材料のシートを当業者には知られた形式の回転切断装置に通すことによりスリットを入れることができる。
【0224】
層604Aを、弾性材料の下に位置する層、例えば、開口部654の形成時に露出する静摩擦係数の比較的高いエラストマースクリムに接着剤で固定するのがよい。変形例として、層604Aをウエストバンド材料の下に位置する構造層に固定するのに用いられる接着剤層もまた、静摩擦係数の比較的高い材料であってよく、これは、張力を受けた状態で配置されると、層604Aに開口部654を形成したときに接着剤を露出させることになる。接着剤を下に位置する材料層に吹き付けてもよく、或いは、これを、接着剤の付いた領域と接着剤の付いていない領域から成るパターン、例えば、螺旋パターン等をなして塗布してもよい。
【0225】
静摩擦係数の高い領域を構成するスクリムを被覆したり露出させる1以上の回動自在なフラップを備えた1以上の別々の帯域を設けることに加えて、所望ならば、永続的に露出したスクリムの領域を設けてもよい。この場合、ウエストバンドの皮膚向き表面の所定の領域上に延びる静摩擦係数が実質的に一様な露出スクリムの介在領域をもうけた状態でウエストバンドの内周部の1以上の部分を適当な被覆材料、例えば、本明細書において説明しているタイプの不織布で被覆する。
【0226】
静摩擦係数の高い領域をベース材料、例えば不織布の上に位置する材料によって構成する場合、静摩擦係数を所与の領域にわたり比較的高い値から比較的低い値に変えるような仕方でその材料を被着させるのがよい。かくして、おむつの内面に付加された材料を、所定の領域で密度の高いパターンで被着して高い静摩擦係数を生じさせ、被着した材料の密度が、ウエストバンドの円周方向に減少することができるようにし、したがって、静摩擦係数が所定領域にわたって比較的高い静摩擦係数の値から比較的低い値に変わるようにしてもよい。具体的に説明すると、メルトブロー材料の繊維を被着させることによりおむつの内面の一部の静摩擦係数を増大させると、繊維の被着密度を高い静摩擦係数をもたらす高い繊維密度から低い繊維密度に次第に変化させることができ、したがって、静摩擦係数が実質的に一様に減少するようになる。
【0227】
変形例として、静摩擦係数を次第に変化させる代わりに、摩擦増大材料をおむつの内面上の別々の箇所に特定の密度で被着させて静摩擦係数の高い帯域、静摩擦係数の中程度の領域及び静摩擦係数の低い帯域を構成してもよい。これら領域は各々、所与の帯域の領域内で静摩擦係数の比較的一様な値を有するのがよく、或いは、静摩擦係数が次第に変化するようにしてもよい。図24に示すように、プルオン式おむつ20Bのウエストバンド37は、ウエストバンドの互いに反対側に位置した臀部接触領域のところに静摩擦係数の高い帯域550を有している。帯域550は、上述したような領域を有し、その静摩擦係数は約1.5〜約3.0である。ウエストバンド37は、1以上の静摩擦係数の中程度の帯域552をさらに有し、各帯域552の面積は約1平方インチ〜約4平方インチであり、かかる帯域は、約1平方インチ〜約4平方インチの面積及び約0.2〜約1.5の静摩擦係数を有し、少なくとも1つの静摩擦係数の低い帯域554が、約1平方インチ〜約4平方インチの面積を有すると共に約0.05〜約0.20の静摩擦係数を有している。図24に示すように、静摩擦係数の高い帯域550を、おむつのウエストバンド37の側部の臀部接触部分の各々に設けると共に、さらに任意的に、ウエストバンドの背部接触部分にも設けるのがよい。静摩擦係数の低い帯域554を、一般に着用者の皮膚上での相対運動が、臀部接触領域及び背部接触領域の場合よりも一般に大きいウエストバンドの腹部接触領域に設けると有利である。静摩擦係数の中程度の帯域552を、臀部と背部のところの静摩擦係数の高い帯域550相互間に設けると共に臀部接触領域のところの静摩擦係数の高い帯域550と腹部接触領域のところの静摩擦係数の低い帯域554との間にも設けるのがよい。かくして、図24に示すウエストバンド37の内面は、ウエストバンドの静摩擦係数に円周方向に変化をつけるよう互いに異なる静摩擦係数を有する複数の別々の帯域を有することができる。
【0228】
静摩擦係数の異なるウエストバンド帯域を円周方向に分布して配置することに加えて、おむつは、内側ウエストバンド領域の外部に位置する静摩擦係数の変化する領域をさらに有するのがよい。例えば、図2を参照すると、摩擦係数が変化する帯域を、例えばウエストバンド6,7と股領域30との間に延びる中央パネル8,9及び右パネル10,11のような領域の皮膚接触面にも設けるのがよい。
【0229】
図25を参照すると、おむつ20cは、ウエストバンドの内面に沿っておむつの各側に設けられた静摩擦係数の高い臀部接触帯域550及び静摩擦係数の高い帯域550の各側に設けられた静摩擦係数の中程度の帯域560を有している。静摩擦係数の中程度の帯域560は、ウエストバンド37から脚部のエッジ553,556まで延びている。この点に関し、これら静摩擦係数の中程度の領域を構成するパネル46,48の内部の身体接触表面はそれぞれ、約0.2〜約1.5の静摩擦係数が中程度の値をもたらす内側被膜又は別々に被着された材料を備えるのがよい。また、トップシート24の内面によって構成される前側及び後側パネルは、静摩擦係数が約0.05〜約0.20という低い静摩擦係数の材料を有するのがよい。というのは、これらの領域は、着用者が動き回ると着用者の皮膚に対して相当大きな度合の運動を生じるからであり、それにより、着用者の快適感が増すと共に皮膚とおむつの内面との間の大きな相対運動を行うこれらの領域における皮膚の刺激の度合が減少する一因となる。
【0230】
本明細書においては、本発明を主として、入手した時点で直ぐに着用できる状態にあり、おむつを着用者の身体に当てる人が特定の構造要素の相互取付けを行う必要のない予め組み立てられた状態のプルオン式おむつについて説明した。かかるプルオン式おむつの一例は、1997年11月11日にKenneth B. Buele氏等に付与された米国特許第5,685,874号(発明の名称:Disposable Pull-On Pant )に開示された構造である。
【0231】
本発明を用いると有利なおむつ構造の別の形態は、着用者の身体に当てられ、おむつを当てる人がおむつを着用者の身体上の着用位置に保持するよう例えばテープタイプの締結具の取扱い及び取り付けによって締結要素を連結することが必要な比較的平らなおむつ構造である。入手した際に実質的に平らな状態のかかる非組立て状態のおむつ構造の一例は、1992年9月29日にKenneth B. Buele氏等に付与された米国特許第5,151,092号(発明の名称:Absorbent Article with Dynamic Elastic Waist)に開示されている。Buele 氏等に付与された上述の米国特許の各々の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0232】
本発明を予備成形されたプルオン式おむつと関連して上述したが、静摩擦係数の選択的に異なる領域を設けることを特徴とする本発明は又、着用される他の吸収性物品にも利用できる。プルオン式おむつ及び平らなおむつ構造に加えて、本発明を、一般に「コンバーチブルおむつ」又は「コンバーチブルベルト付きおむつ」と呼ばれている使い捨て吸収性物品にも使用できる。かかるいわゆるコンバーチブル構造は、互いに異なるやり方としての組立て及び着脱を可能にする締結システムを有している。これら変形例により、コンバーチブル構造を、予め組み立てられたプルオン式形態又は予め組み立てられた状態ではない平らな形態のいずれにも用いることができ、それにより、おむつの着脱を行う人が、物品を着用者の身体にどのように装着したりこれから取り外すかを選択することができる。例えば、コンバーチブルおむつを、おむつを着用者の脚部に沿って上又は下に引くことにより当てたり取り外したりすることができ、或いは、おむつを着用者の胴体に巻き付けて締結システムを利用してこれを着用位置に保持することにより当てることができ、そして、締結システムを外し、おむつを開いて着用者から外すことにより取り外すことができる。したがって、コンバーチブルおむつ構造は、予め組み立てられた状態のプルオン式おむつと従来型の平らな予め組み立てられていない状態のおむつとの選択を可能にする締結システムを有している。締結システムは、おむつの着脱を容易にするだけでなく着用中、汚れているかどうかの点検のためにおむつを開きやすくする。かかるコンバーチブルおむつ構造の一形態が、1997年8月5日に公開された米国法定発明登録第H1674号(発明の名称:Convertible Belted Diaper ;発明者:Kathleen Q. Ames氏等)に開示されており、かかる法定発明登録の開示内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0233】
本発明の特定の実施形態を説明したが、当業者であれば本発明の精神から逸脱することなく種々の改造例及び設計変更例を想到できることは明らかである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の範囲に属するかかる改造例及び設計変更例を全て包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の使い捨て吸収性プルオン式衣料品を組み立てた形態で且ついつでも使用できる状態で示す側方から見た斜視図である。
【図2】 図1の使い捨て衣料品をその平らで引き締めておらず且つ継ぎ合わしていない状態で示す平面図であり、衣料品の幾つかの部分を定める種々のパネル及びエッジを示す図である。
【図3】 図1に示す衣料品を、これが平らで引き締めておらず且つ継ぎ合わしていない状態にあるときで示す平面図であり、衣料品の幾つかの構造的構成要素の相対位置を示す図である。
【図4】 図3の4−4線矢視断面図である。
【図5】 図3の5−5線矢視断面図である。
【図6】 衣料品の弾性構成要素の構造示す分解拡大部分斜視図である。
【図7】 本発明の衣料品の連続ベルト帯域に関し、伸び率に対して力をプロットした状態のグラフ図である。
【図8】 図7に示すデータと一致した伸び率に対して伸長性係数をプロットした状態のグラフ図である。
【図9】 皮膚接触圧力を測定するのに用いられる標準型マネキンの斜視図である。
【図10】 図9に示す標準型マネキンの側面図である。
【図11】 図9に示す標準型マネキンの平面図である。
【図12】 腰部領域のところでの図1に示す衣料品の内部の拡大部分図であり、内側フラップ部材を示す図である。
【図13】 図12の13−13線矢視断面図である。
【図14】 幾つかの内側フラップ部材を含む図1の衣料品の腰部領域の部分斜視図である。
【図15】 静摩擦係数の高い複合材を作るための材料及び装置の分解斜視図である。
【図16】 接合作業の開始のための位置にある図15の材料及び装置の側面図である。
【図17】 接合作業の実施中における図15の材料及び装置の側面図である。
【図18】 材料を接合した後の図15の材料及び装置の側面図である。
【図19】 静摩擦係数の増大したウエストバンド領域を含む図1に示す物品のウエストバンド領域の平面図である。
【図20】 ウエストバンド位置決め保持帯域を有する吸収性プルオン式おむつの斜視図である。
【図21】 回動可能な内側フラップを有する吸収性プルオン式おむつの内側ウエストバンド領域の部分斜視図である。
【図22】 図21の22−22線矢視断面図であり、一体形の回動自在なフラップを示す図である。
【図22A】 図22の断面図と類似した図であるが、複数の短い互いに平行なフラップを示す図である。
【図23】 多孔性エラストマーウェブの部分斜視図である。
【図23A】 複数の互いに間隔を置いたスリット又は切れ目を有するウエストバンド材料の内側の身体に向いた層の部分平面図である。
【図23B】 図23Aに示す材料に引張力を及ぼした後の材料の部分平面図である。
【図24】 本発明のプルオン式おむつの別の実施形態の斜視図である。
【図25】 本発明のプルオン式おむつの更に別の実施形態の斜視図である。

Claims (12)

  1. 着用者の下胴部に着用されるようになった使い捨てプルオン式衣料品(20)であって、
    a.身体に向いた表面と、外部に向いた表面と、中央パネル(8)、ウエストバンドパネル(6)、耳パネル(10)及びシームパネル(12)を有する前側領域(26)と、中央パネル(9)、ウエストバンドパネル(7)、耳パネル(11)及びシームパネル(12)を有する後側領域(28)と、前側領域(26)と後側領域(28)との間に位置した股領域(30)と、側部エッジと、端部エッジとを有するシャシ(41)を有し、前記前側領域(26)のウエストバンドパネル(6)と後側領域(28)のウエストバンドパネル(7)は、ウエストバンドを構成し、前記シャシ(41)は、トップシート(24)と、トップシート(24)に接合されたバックシート(22)と、トップシート(24)とバックシート(22)との間に設けられた吸収性心材(25)と、伸長性の腰部側特徴部を構成するよう前記ウエストバンドに接合された腰部弾性部材(80)と、伸長性耳部(46,48)を形成するよう前記前側領域(26)及び前記後側領域(28)の前記耳パネルの各々の中に接合された側部弾性部材とを有し、
    b.1対の側方に間隔を置いた脚部通し穴(34)及び腰部通し穴(36)を形成するよう前側領域(26)のシームパネルの部分を後側領域(28)のそれぞれ対応関係にあるシームパネルの部分に接合する1対の側部シームを有し、
    c.ウエストバンドの一部を構成していて、腰部通し穴(36)に隣接して身体向き内面上に位置した少なくとも1つの保持帯域を有し、
    前記ウエストバンドは、回動すると保持帯域を露出させるように保持帯域を覆っている回動式フラップ(462)を有し、
    前記保持帯域は、衣料品(20)を着用者の身体上の所望の着用位置に保持するのに役立つよう身体向き内面上ではウエストバンドの他の帯域の静摩擦係数よりも少なくとも200%高い静摩擦係数を有していることを特徴とする使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  2. 前記衣料品(20)は、a)衣料品(20)を着用すると、着用者の臀部に接触するよう前記側部シームの各々に隣接して配置された保持帯域、及び(又は)、b)背部接触領域のところで前記後側領域(28)の中央パネル(9)に隣接して前記衣料品(20)のウエストバンド上に設けられた保持帯域を有していることを特徴とする請求項1記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  3. 前記ウエストバンドは、その弛緩していて且つ非伸長状態にあるとき、ウエストバンドの内周の約10〜100%にわたりその上に位置する1又は複数の保持帯域を有し、保持帯域は、ウエストバンドの内周の25%〜30%にわたりその上に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  4. 各々が第1の静摩擦係数を有する複数の第1の保持帯域と、第1の保持帯域相互間に介在して位置する第2の保持帯域とを更に有し、第2の保持帯域は各々、第1の静摩擦係数とは異なる第2の静摩擦係数を有し、第2の静摩擦係数は、第1の静摩擦係数よりも低いことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  5. 身体向き表面上に設けられた滑り帯域を更に有し、滑り帯域は、0.20未満の静摩擦係数を有し、滑り帯域は、脚部通し穴に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  6. a)保持帯域は、腰部側特徴部の一部を形成していて、フラップ(462)がその回動されていない位置にあるときに、フラップ(462)に向くと共にその下に位置する弾性材料を有し、或いは、b)保持帯域は、フラップ(462)の内面上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  7. フラップ(462)は、第1の静摩擦係数を備えた第1の身体向き表面と、最初は着用者の身体から遠ざかる方向に向き、第1の表面の静摩擦係数とは異なる第2の静摩擦係数を備えた第2の表面を有し、第1の静摩擦係数は、第2の静摩擦係数よりも小さく、第1の静摩擦係数は、0.2未満、第2の静摩擦係数は、少なくとも0.5であることを特徴とする請求項6記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  8. 少なくとも1つの保持帯域は、a)ウエストバンドの一部の上に位置していて、ポリマー材料、感圧接着剤、ゴムを主成分とする材料及びこれらの組み合わせから成る群から選択された被膜を有し、b)保持帯域は、ウエストバンドに取り付けられた薄いポリマーフィルムで構成され、或いは、c)保持帯域は、不織繊維ポリマー材料で構成され、不織繊維ポリマー材料は、衣料品の身体に向いた表面の一部に被着されたメルトブローポリマー繊維を有していることを特徴とする請求項1〜7のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  9. 保持帯域の静摩擦係数は、0.3〜4.0であることを特徴とする請求項1〜8のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  10. 少なくとも1つの保持帯域は、少なくとも1,000gmの表面滑り抵抗力を有していることを特徴とする請求項1〜9のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
  11. ウエストバンドは、
    a.柔らかくて布のような肌触り及び外観の不織布から成る伸長性外側層(602)と、
    b.柔らかくて布のような肌触り及び外観の不織布から成る伸長性内側層(604)と、
    c.ウエストバンドを構成するよう内側不織布層と外側不織布層の各々の間に配置された静摩擦係数の高い材料を含む伸長性中間層(606)とを有し、中間層は、接合領域及び非接合領域を形成するよう内側不織布層に少なくとも部分的に結合され、静摩擦係数の高い材料は、ウエストバンドの円周方向に弾性的に伸長可能であり、
    d.前記ウエストバンドは、少なくとも1つの円周方向フラップ部材を形成するよう内側不織布層を貫通してその下縁から、下縁とその上縁との間の箇所まで延びる複数の互いに間隔を置いた切れ目を更に有し、少なくとも1つのフラップ部材は、内側不織布層と中間層との間の非接合領域の上に位置していて、ウエストバンドをユーザの皮膚上で、内側層の内面に実質的に平行であり且つウエストバンドの円周方向延伸方向に実質的に垂直な方向に動かすと、フラップ部材が1対の互いに間隔を置いて連続的に配置された切れ目を相互に連結する円周方向ピボット線の回りに回動して静摩擦係数の高い材料を露出させるようになっていることを特徴とする請求項1〜10のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品。
  12. ウエストバンドは、
    a.柔らかくて布のような肌触り及び外観の不織布から成る伸長性外側層(602)と、
    b.柔らかくて布のような肌触り及び外観の不織布から成る伸長性内側層(604)と、
    c.ウエストバンドを構成するよう内側不織布層と外側不織布層の各々の間に配置された静摩擦係数の高い材料を含む伸長性中間層(606)とを有し、中間層(606)は、接合領域及び非接合領域を形成するよう内側不織布層(604)に少なくとも部分的に結合され、静摩擦係数の高い材料は、ウエストバンドの円周方向に弾性的に伸長可能であり、
    d.伸長性内側層(604)は、対応関係にある非接合領域に重なる複数の円周方向に延びる回動式フラップ(614)を有し、フラップ(614)は、それぞれのピボット軸線の回りに回動可能であり、ウエストバンドに対して円周方向に延びていることを特徴とする請求項1〜11のうち何れか一に記載の使い捨てプルオン式衣料品(20)。
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