JP4767086B2 - 2光束干渉計の偏波依存性測定方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力光を光路長の異なる2つの光路に分岐した後、再び合波させるタイプの光干渉計(以下、2光束干渉計という)の偏波依存性を測定する場合に利用するに適する。特に、高速な位相変調信号の復調に用いるマッハツェンダ型干渉計(以下、MZIという)の偏波依存性を精密に測定するのに適する。
高速な光位相変調を復調する受信器にはMZIが広く用いられている。この目的でMZIを用いる場合には、異なるbit間で干渉を行い、かつ、また干渉強度が最大または最小となる光周波数が光位相変調信号のキャリア周波数に一致しなければならない。
ところで、光導波路の光学的な異方性を完全に無くすことは難しく、特に、PLCでは、基盤の方向によって定まる異方性が生じる。入力する光の偏波変動に伴い、干渉計の作る遅延時間が変動するため、干渉強度のピーク波長がシフトすることになる。一方、伝送路を伝播する光信号の偏波状態は、伝送路の曲げその他の原因によって容易に変化してしまう。安定した送受信を行うためには、受信器内のMZIの偏波依存性を小さくすることが極めて重要となる。
紫外線の照射により光路の複屈折率を調整し偏波依存性を小さくしたMZIの構成が特許文献1に開示されている。あるいは、偏波を回転させる光学素子をPLC内に配置し、偏波依存性をキャンセルするMZIの構成が特許文献2に開示されている。
現在のMZIでは、精度の限界または光学素子の波長依存性により、光導波路の偏波依存性を完全に無くすことは困難であるため、作成されたMZIの偏波依存性を精密に測定し、許容値以下であるか否かを判定することが必要とされる。特許文献3では、プローブ光の偏波状態をスキャンすることにより光フィルタの中心波長の偏波依存性を測定する方法が開示されている。
特許3090293号公報 特許2614365号公報 特許3255259号公報
しかしながら、偏波はポアンカレ球上のあらゆる点を取り得るため、全ての偏波状態をスキャンすることは理論上不可能である。また、後述するように、偏波変動に伴い干渉強度のピーク波長がシフトすると、同時に消光比もまた影響を受けるので、これら2つの変化を考慮して偏波依存性を測定しなければならない。
さらに、MZIの外部のパッチファイバや光コネクタに偏波依存性のロスがある場合や、測定器の感度に偏波依存性がある場合には、これらの影響を補正し、MZIそのものの光学的特性と切り分ける必要がある。
本発明の目的は、たかだか数種類の偏波状態のプローブ光を用いて、2光束干渉計、特にMZIの有する、下記の偏波依存性を測定する方法および手段を提供することにある。
・偏波変動に伴う、干渉強度のピーク波長のシフトの最大値
・偏波変動に伴う、消光比劣化の最悪値
また、本発明は、外部のパッチファイバや光コネクタに偏波依存性のロスがある場合でも、その影響を受けずに上記の偏波依存性を測定する方法および手段を提供することにある。
本発明の第一の観点は、2光束干渉計の偏波依存性を測定する方法であって、本発明の特徴とするところは、2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
Figure 0004767086

で表したときのθinをθjに設定するステップと、j>kなる整数kについて、θj−θk=nπとなったとき前記θjの値を他の値に変更するステップと、入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求めるステップと、前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得るステップと、得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求めるステップと、前記低損失側の交点の正規化損失RHと前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)から、RH/RLにより消光比の最悪値を求めるステップとを有するところにある。
あるいは、本発明の偏波依存性測定方法は、2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
Figure 0004767086

で表したときのθinをθjに設定するステップと、j>kなる整数kについて、θj−θk=nπとなったとき前記θjの値を他の値に変更するステップと、入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求めるステップと、前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得るステップと、得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求めるステップと、前記低損失側の交点の光周波数FHと、前記低損失側の交点に隣接する前記大損失側の交点の光周波数FL(ここでFH>FL)から、(FH−FL)×2によりFSR(Free
Spectrum Range)を求めるステップとを有することを特徴とする。
あるいは、本発明の偏波依存性測定方法は、2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
Figure 0004767086

で表したときのθinをθjに設定するステップと、j>kなる整数kについて、θj−θk=nπとなったとき前記θjの値を他の値に変更するステップと、入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求めるステップと、前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が0.5(−3dB)になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得るステップと、得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求めるステップと、前記低損失側の交点の正規化損失RHまたは前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)のどちらか一つを用い、
2×ΔF=FSR×Δθ/π
(ただし、Δθ=cos-1(2×RH−1)=cos-1(−2×RL+1))
から、入力光の偏波変動に伴う干渉強度のピークのシフト量の最悪値2×ΔFを求めるステップとを有することを特徴とする。
また、前記交点を求めるステップは、N種類の前記正規化損失スペクトルが1つの交点で交わらないときには、N種類の前記正規化損失スペクトルからいずれか2つを選択し、その交点の光周波数と損失とを求める作業を複数の異なる正規化損失スペクトルの組み合わせについてそれぞれ実行し、得られた各光周波数および損失の平均値から前記RH、RL、FH、FLをそれぞれ求めるステップを含むことができる。
あるいは、前記交点を求めるステップは、先に求めた前記N種類の正規化損失スペクトルの交点から前記RHまたはRLのうちの片方のみを求め、他の一つは、数式
|Eout(FH)|2=1/2{1+cos(2πΔτ・FH)}≡RH
|Eout(FL)|2=1/2{1−cos(2πΔτ・FL)}≡RL
(ただし、Eout(FH)は、F=FHにおける2光束干渉計の出力の電場、Eout(FL)は、F=Fにおける2光束干渉計の出力の電場、Δτは光周波数Fに依存しない定数)
の対称性を利用して計算により求めるステップを含むことができる。
また、前記測定するステップは、測定データに、数式
|Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
(ただし、ΔF≡Δτ×F/τAvg、FSR=1/τAvg、τAvgは光周波数Fに依存しない定数)
をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完するステップを含むことができる。
あるいは、前記測定するステップは、数式
|Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
におけるΔFを光周波数Fに依存しない定数とみなして、測定データに当該数式をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完するステップを含むことができる。
また、前記θinをθjに設定するステップは、異なるj、kについて、
θj=θk+2nπ+π/2(nは整数)
なる組み合わせが1つ以上存在するようにθjを設定するステップを含むことができる。
本発明の第二の観点は、プローブ光発生手段と、このプローブ光発生手段から出射されたプローブ光の偏波を変更する偏波変更手段と、この偏波変更手段から出射されたプローブ光が入射される測定対象の2光束干渉計と、この2光束干渉計からの出射光の損失スペクトルを測定する損失スペクトル測定手段とを備え、前記2光束干渉計の偏波依存性を測定する偏波依存性測定装置である。
ここで、本発明の特徴とするところは、前記偏波変更手段は、2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
Figure 0004767086

で表したときのθinをθjに設定する手段と、j>kなる整数kについて、θj−θk=nπとなったとき前記θjの値を他の値に変更する手段とを備え、前記損失スペクトル測定手段は、入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求める手段と、前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得る手段と、得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求める手段と、前記低損失側の交点の正規化損失RHと前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)から、RH/RLにより消光比の最悪値を求める手段とを含むところにある。
あるいは、本発明の偏波依存性測定装置は、前記偏波変更手段は、2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
Figure 0004767086

で表したときのθinをθjに設定する手段と、j>kなる整数kについて、θj−θk=nπとなったとき前記θjの値を他の値に変更する手段とを備え、損失スペクトル測定手段は、入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求める手段と、前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得る手段と、得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求める手段と、前記低損失側の交点の光周波数FHと、前記低損失側の交点に隣接する前記大損失側の交点の光周波数FL(ここでFH>FL)から、(FH−FL)×2によりFSRを求める手段とを含むことを特徴とする。
あるいは、本発明の偏波依存性測定装置は、前記偏波変更手段は、2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
Figure 0004767086

で表したときのθinをθjに設定する手段と、j>kなる整数kについて、θj−θk=nπとなったとき前記θjの値を他の値に変更する手段とを備え、前記損失スペクトル測定手段は、入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求める手段と、前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が0.5(−3dB)になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得る手段と、得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求める手段と、前記低損失側の交点の正規化損失RHまたは前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)のどちらか一つを用い、
2×ΔF=FSR×Δθ/π
(ただし、Δθ=cos-1(2×RH−1)=cos-1(−2×RL+1))
から、干渉強度のピークのシフト量の最悪値2×ΔFを求める手段とを含むことを特徴とする。
また、前記交点を求める手段は、N種類の前記正規化損失スペクトルが1つの交点で交わらないときには、N種類の前記正規化損失スペクトルからいずれか2つを選択し、その交点の光周波数と損失とを求める作業を複数の異なる正規化損失スペクトルの組み合わせについてそれぞれ実行し、得られた各光周波数および損失の平均値から前記RH、RL、FH、FLをそれぞれ求める手段を含むことができる。
あるいは、前記交点を求める手段は、先に求めた前記N種類の正規化損失スペクトルの交点から前記RHまたはRLのうちの片方のみを求め、他の一つは、数式
|Eout(FH)|2=1/2{1+cos(2πΔτ・FH)}≡RH
|Eout(FL)|2=1/2{1−cos(2πΔτ・FL)}≡RL
(ただし、Eout(FH)は、F=FHにおける2光束干渉計の出力の電場、Eout(FL)は、F=Fにおける2光束干渉計の出力の電場、Δτは光周波数Fに依存しない定数)
の対称性を利用して計算により求める手段を含むことができる。
また、前記損失スペクトル測定手段は、測定データに、数式
|Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
(ただし、ΔF≡Δτ×F/τAvg、FSR=1/τAvg、τAvgは光周波数Fに依存しない定数)
をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完する手段を含むことができる。
あるいは、前記損失スペクトル測定手段は、数式
|Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
におけるΔFを光周波数Fに依存しない定数とみなして、測定データに当該数式をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完する手段を含むことができる。
また、前記θinをθjに設定する手段は、異なるj、kについて、
θj=θk+2nπ+π/2(nは整数)
なる組み合わせが1つ以上存在するようにθjを設定する手段を含むことができる。
例えば、前記プローブ光発生手段は、ASE光源であり、前記偏波変更手段は、回転式ポラライザである。あるいは、前記プローブ光発生手段は、波長可変光源であり、前記偏波変更手段は、偏波コントローラである。あるいは、前記損失スペクトル測定装置は、光スペクトルアナライザである。あるいは、前記損失スペクトル測定手段は、光パワメータと波長計とにより構成される。このときには、 前記光パワメータと前記波長計とは、前記2光束干渉計の有する2つの出力ポートのそれぞれに接続される。
また、前記プローブ光発生手段と、前記偏波変更手段と、前記2光束干渉計と、前記損失スペクトル測定手段とは、相互に光導波路により接続され、この光導波路は、偏波保持ファイバであることにより、振動による実験系への光ファイバ出力の偏波状態の変動を避けることができる。
あるいは、前記プローブ光発生手段は単一波長光源であり、前記損失スペクトル測定手段はパワメータおよび光路長調整手段からなり、前記損失スペクトル測定手段は2光束干渉計の有する光導波路の長さを連続的に変更することによって損失スペクトルの測定を行うことにより、プローブ光の光源のキャビティ長その他を変更する必要がないので、安定した誤差の少ない測定が可能になる。
以下では、本発明の作用について説明する。まず、干渉計外部の各光学パーツを省略した簡単な状態について説明する。図1に、2光束干渉計の模式図を示す。2つの光導波路は、紙面に垂直な方向がslow軸、紙面に水平な方向がfast軸であるとする。ここでは簡単のため、分岐から合波に至るまで、fast軸は常に平行であると仮定している。第1の光導波路の光路長をslow軸に並行な成分の位相速度で割った値をτ1s、第1の光導波路の光路長をfast軸に並行な成分の位相速度で割った値をτ1fと定義する。第2の光導波路についても同様に、τ2s、τ2fを定義する。合波、分波に伴う位相の変動はこれら遅延時間に含まれるものとする。パワの分岐・合波は50%対50%と仮定している。入力光がキャリア周波数Fであるとき、その電場は、
Figure 0004767086

で表すことができる。光の強度は電場の内積に比例するが、ここでは内積が1となるように正規化してある。Einの第1行はfast軸に平行な電場成分であり、第2行はslow軸に平行な電場成分である。θinやφinは入力光の偏波状態を表す。出力時の電場は、
Figure 0004767086

であり、出力時の光の強度は、
|Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(τ1s−τ2s)F)+sin2θin・cos(2π(τ1f−τ2f)F} …(式3)
となる。ここで、(τ1s−τ2s)と(τ1f−τ2f)の平均値をτAvgとして
τ2s−τ1s=τAvg+Δτ
τ2f−τ2f=τAvg−Δτ …(式4)
τAvg×FH=n(nは整数)
τAvg×FL=1/2+m(mは整数) …(式5)
を満たすΔτおよびFL、FHを考える。
cos(2π(τ1s−τ2s)FH)=cos(2π(τ1f−τ2f)FH)=cos(2π・Δτ・FH) …(式6)
cos(2π(τ1s−τ2s)FL)=cos(2π(τ1f−τ2f)FL)=−cos(2π・Δτ・FL) …(式7)
であるから、式3より、F=FLおよびF=FHにおいて光出力強度は、
|Eout2=1/2{1+cos(2π・Δτ・FH)}≡RH …(式8)
|Eout2=1/2{1−cos(2π・Δτ・FL)}≡RL …(式9)
となる。このとき出力光の強度はθinやφinに依存しない。
以上の結果から、以下のことが分る。
(a)入力がθin=0またはθin=π/2の直線偏波であるとき、干渉強度の山(または谷)が1(または0)となる。
(b)入力がθin=0のとき、干渉強度のピークは最も低周波数側にシフトし、入力がθin=π/2のとき、干渉強度のピークは最も高周波数側にシフトする。
(c)入力偏波がいかなる状態であろうと、光周波数がF=FLおよびF=FHであるとき干渉強度は各々RL、RHとなる。
(d)入力偏波のθinがπ/2変化すると、干渉強度の山(または谷)はFL(またはFH)を挟んで対称的な位置に移動する。
(e)入力偏波のθinを固定して光周波数Fを変更したとき、干渉強度は0.5を中心として変動する。
図2に、式3によって得られた干渉強度の計算結果を示す。ここでは、FSRを50GHz、偏波変動によるピークのシフトが10GHzであるとしている。(b)に記したように、入力偏波によらず、出力光のスペクトルのカーブは光周波数FLおよび光周波数FHで1点に交わる。以下、これらの交点を「不動点」と呼ぶ。不動点の位置は、高々数種類のθinを選んで干渉計の出力光のスペクトルを測定し、各スペクトルの交点を求めることによって直ちに求めることができる。
Free Spectrum Rangと不動点との関係を説明するため、式3を変形する。
ΔF≡Δτ×F/τAvg、FSR≡1/τAvg
と定義し、式4を用いて、
|Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
ただし、ΔF≡Δτ×F/τAvg、FSR≡1/τAvg …(式10)
を得る。FSRはFree Spectrum Rangの周波数表記に相当し、2×ΔFは、偏波変動に伴う干渉強度のピークのシフト量の最大値に相当する(図2参照)。式10と測定された不動点の位置から、干渉計の光学特性に関して、以下の情報を得ることができる。
(f)消光比の最悪値は、RH/RLである(図2のθin=π/4のカーブ参照)。
(g)隣接するFH、FLから、FSR=(FH−FL)×2が求まる。
(h)ピークのシフト量の最悪値は2×ΔF=FSR×Δθ/πである。
ただし、Δθ=cos-1(2×RH−1)=cos-1(−2×RL+1)
次に、干渉計内外の光学パーツの光損失や、測定器の偏波依存性が無視できないという、より現実的な状態について説明する。実験によって得られる干渉強度は、光学パーツのデッドロスその他の原因により、入力光の強度より必ず小さくなる。また、出力光の強度を測定する測定器の感度や、パッチファイバの損失に偏波依存性があると、図2に示した不動点に誤差が生じる。
例として、θin=π/2では無損失だがθin=0では約3dBの偏波依存性損失(PDL)がある場合は、図2の結果がどう変化するかを図3に実線で示す。併せて、干渉計外部のPDLが存在しない場合の損失スペクトルを破線で示す。干渉計外部の損失は干渉計の周波数特性とは無関係であるから、θin=0における干渉強度は全ての光周波数で一様に減少し、前述の(e)の性質が失われ、干渉強度の平均値は0.5より小さくなる。このため、正しい不動点とずれたところに交点ができる。
θin=0における干渉強度の平均値が0.5となるよう補正係数を掛けてやれば、PDLが無いときの損失スペクトル(破線)を求めることができ、不動点を正しく求めることができる。補正係数は、
補正係数
=1/(干渉強度の最大値+干渉強度の最小値)
=1/(損失スペクトルの最大値+損失スペクトルの最小値)…(式11)
となる。一例として、あるθinにおいて、損失スペクトルの最大値が0.553(約−3dB)、最小値が0.0527(約−13dB)であったならば、補正係数は1/(0.553+0.0527)=1.65となる。補正後の損失スペクトルは、最大値が0.553×1.65=0.912、最小値が0.0527×1.65=0.087であり、平均値は0.5に正規化される。ここでは干渉計外部のPDLについて説明したが、測定器の感度の偏波依存性や、コネクタのデッドロスなど偏波に無依存な干渉計外部の損失についても同様の手順で補正することができる。
本発明によれば、たかだか数種類の偏波状態のプローブ光を用いて、2光束干渉計、特にMZIの有する偏波依存性を測定することが可能であるという、顕著な効果がある。また、本発明は、外部のパッチファイバや光コネクタに偏波依存性のロスがある場合でも、その影響を受けずに偏波依存性を測定することが可能であるという顕著な効果がある。
(基本構成)
図4に、本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定手段の基本構成を示す。プローブ光発生手段1は、複数の波長の光を出力することができる。これら複数の光は同時に出力してもよいし、あるいは、別々に出力してもよい。
偏波変更手段2は、式1で記したEinのθinを変更することができる。このとき、θinとφinの両者が変更されてもよい。DUT(Device
Under Test)3は、測定対象となる2光束干渉計である。損失スペクトル測定手段4は、DUT3の光損失の光周波数依存性を測定する機能を有する。各デバイスは空間系あるいは光導波路により図4のごとく接続されている。
図5に、本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定方法の基本的な手順を示す。スペクトルの測定は2回以上行う。偏波変更手段2によりθinをθj(1≦j≦Nの整数)に設定する(S1)。異なる整数j、kおよび0を含む整数nについて、θj−θk≠nπであるものとする。
以下、図5に示した手順で偏波依存性を求める。すなわち、θin=θjにおける損失スペクトルを求める(S2)。(式11)によりθin=θjにおける補正係数を求める(S3)。θin=θjにおける損失スペクトルに補正係数をかけてθin=θjにおける正規化損失スペクトルを求める(S4)。ステップS1〜S4の手順は、j=1からNまで繰り返される。
続いて、N種の正規化損失スペクトルの交点から、低損失側の不動点(FH、RH)または大損失側の不動点(FL、RL)の少なくともどちらか一方を求める(S5)。前述した(f)、(g)、(h)を用いてDUT3の光学特性の偏波依存性を得る(S6)。
測定誤差その他の理由で、N種の正規化損失スペクトルが1つの交点で交わらない場合は、任意の2つの正規化損失スペクトルがつくる交点の座標(光周波数、損失)を求め、これらの平均から不動点を求めてもよい。損失スペクトルは、FSRとほぼ等しい光周波数領域にわたって測定することが望ましい。
FSRが既知でなく、測定した損失スペクトルの範囲がFSRに比べて狭過ぎる場合は、式11に記した最大値と最小値とを求めることができず、また、不動点が測定範囲外に出てしまう。このような場合には、測定データに式10をフィッティングし、測定領域外の損失スペクトルを計算によって求めてもよい。また、FSRが既知である場合は、低(または大)損失側の不動点のみを求め、式8と式9との対称性を利用して大(または低)損失側の位置を求めてもよい。
(第一の実施形態)
図6に、本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定手段の第一の実施形態を示す。この例では、プローブ光発生手段としてASE光源11を用い、偏波変更手段として回転式ポラライザ12を用い、損失スペクトル測定手段として光スペクトルアナライザ14を用いる。また、DUTはMZI13である。
ASE光はブロードなスペクトルを有するため、広い波長領域でDUTの透過特性を求めることができる。パワ密度の波長依存性は、予め光スペクトルアナライザ14で測定しておくものとする。ASEはランダムな偏光を有するが、回転式ポラライザ12で特定の偏波のみを切り出す。
回転式ポラライザ12は、回転可能なポラライザであり、任意の方向の直線偏波を取り出すことができる。各光学デバイスは光ファイバで接続される。光ファイバは、測定開始から終了までの間、動くことの無いよう固定する。
回転式ポラライザ12の出力の電場E、MZI13の入力の電場Einとする。Eは直線偏波となるから
Figure 0004767086

で表される。光ファイバは一般に偏波を保持しないため、E0が直線偏波であっても出力時には位相のずれφinが発生する。また、座標軸の取り方によってはθinとθ0とは異なる。しかし、θ0がΔθ変化すると、θinもまたΔθ変化する。
回転式ポラライザ12の出力は試験対象であるMZI13に入力される。通常、MZI13は2ポート入力、2ポート出力であるが、多重反射による悪影響を除くため、使用していないポートは終端器で終端することが望ましい。MZI13の出力は光ファイバで光スペクトルアナライザ14に入力される。
測定の手順は図5に示したフローチャートに従う。正確さを期すために、Nは3回以上測定することが望ましい。異なるj、kについて、θj=θk+2nπ+π/2(nは整数)なる組み合わせが1つ以上存在することが望ましい。このとき、前述した(d)の性質により、θjおよびθkにおける2つの正規化損失スペクトルは各々のピークが不動点を挟むため、不動点をより正確に求め易くなる。
この実施形態では、プローブ光が連続したスペクトルを有するので、光スペクトルアナライザ14の分解能が測定精度の上限を定めることになる。予想される2×ΔFの値よりも小さな分解能を有する光スペクトルアナライザ14を使用する必要がある。
PLC(Planar Light wave Circuit)タイプのMZI13を使って実際に測定を行った例を図7に示す。4種類の正規化損失スペクトルが全て同一の不動点で交わっていることが分る。RH=0.900、FH=192.7930THz、RL=0.102、FL=192.7672THzが得られた。前述の(f)〜(h)を使って、FSR=51.6GHz、2×ΔF=10.68GHz、消光比の最悪値9.54dBが求まる。
(第二の実施形態)
図8に、本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定手段の第二の実施形態を示す。この例ではプローブ光発生手段として波長可変光源21を用い、偏波偏光手段として偏波コントローラ22を用い、損失スペクトル測定手段としてパワメータ23および波長計24を用いる。
損失スペクトルを測定するために波長可変光源21の波長を数回変更する必要があるが、波長可変光源21の線幅が測定精度を決めるので、第一の実施形態よりも精度良くΔFを求めることができる。波長可変光源21は通常、単一の偏波を有するので、ポラライザを用いる必要はない。偏波コントローラ22は、波長板を回転する構成でもよいが、光ファイバにストレスを加えて偏波を変更する構成でもよい。
MZI13の2つの出力ポートのうち、一つをパワメータ23へ、他方を波長計24に接続しているが、第一の実施形態同様、光スペクトルアナライザを用いてもよい。光ファイバは通常のものでもよいが、振動による実験系への光ファイバ出力の偏波状態の変動を避けるため、パンダファイバを用いてもよい。パンダファイバは、応力付与部に対称な直線偏波が入力されると出力の偏波も入力と同じ直線偏波に固定されてしまうが、応力付与部に対称な直線偏波以外の偏波状態を有する光を入力する場合には、出力は楕円偏波となり、その長軸は入力時の偏波を変更することにより制御可能である。
測定の手順は第一の実施形態と同様であるが、損失スペクトルの測定に当たっては波長可変光源21の波長を数回変更し、式10を使ってフィッティングを行う必要がある。実用的なMZI13では、光周波数はL帯で10^14Hzのオーダに対し、ΔFは10^9Hzのオーダであるが、このような場合はΔFの光周波数依存性を無視して定数として扱ってもよい。
第一の実施形態で用いたものとは異なるMZIを使って実際に測定を行った例を図9に示す。縦軸は正規化損失ではなく、光損失の実測値とフィッティングの結果である。異なる偏波状態は異なるシンボルで表現されている。正規化損失の図示は省略するが、前述の(f)〜(h)を使って、FSR=42.96GHz、2×ΔF=0.95GHz、消光比の最悪値29.2dBが求まる。
(第三の実施形態)
図10に、本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定手段の第三の実施形態を示す。第一および第二の実施形態では、2光束干渉計の有する2つの光路の長さは各々一定であるものとして説明を行ってきた。しかし、現実の2光束干渉計は、光学特性を可変にするために、2つの光路長の微調整手段を持たせるのが一般的である。2本の光路長の差をdとすると、干渉強度は、プローブ光の波長λとdとの比率によって定まる。
第一および第二の実施形態では、dを一定とし、波長λを変化させることにより損失スペクトルを求めていた。しかし、前述のように、干渉強度はλとdとの比率で決まるものであるから、波長λを一定とし、代わりに光路長の差dを変更しても、損失スペクトルを測定することが可能である。
図10に示したMZI33は、第一および第二の実施形態同様、2つの長さの異なる光導波路を有しているが、この実施形態では、片方の光導波路はヒータ34により長さを変更することが可能である。これは一般的なMZIで広く用いられている構成である。また、偏波コントローラ32は、第二の実施形態における偏波コントローラ22と同様である。
光路長調整手段35によりヒータ電圧は連続的に制御され、干渉強度の変化をパワメータ36で記録することにより、損失スペクトルを得る。不動点の算出については前述の実施形態と同様である。
この実施形態は、単一波長光源31をプローブ光の光源とし、プローブ光の光源のキャビティ長その他を変更する必要がないので、より安定した誤差の少ない測定が可能になるという利点を有する。
本発明によれば、たかだか数種類の偏波状態のプローブ光を用いて、2光束干渉計、特にMZIの有する偏波依存性を測定することが可能であり、また、外部のパッチファイバや光コネクタに偏波依存性のロスがある場合でも、その影響を受けずに偏波依存性を測定することが可能であるので、光デバイスの研究開発あるいは光デバイスの設定調整の効率を高めることに寄与することができる。
2光束干渉計の模式図。 式3によって得られた干渉強度の計算結果を示す図。 偏波依存性損失がある場合の図2の結果の変化を示す図。 本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定装置の基本構成を示す図。 本発明の2光束干渉計の偏波依存性測定方法を示すフローチャート。 本発明の第一の実施形態を示す図。 PLCタイプのMZIを使って実際に測定を行った例を示す図。 本発明の第二の実施形態を示す図。 第一の実施形態で用いたものとは異なるMZIを使って実際に測定を行った例を示す図。 本発明の第三の実施形態を示す図。
符号の説明
1 プローブ光発生手段
2 偏波変更手段
3 DUT
4 損失スペクトル測定手段
11 ASE光源
12 回転式ポラライザ
13、33 MZI
14 光スペクトルアナライザ
21 波長可変光源
22、32 偏波コントローラ
23、36 パワメータ
24 波長計
31 単一波長光源
34 ヒータ
35 光路長調整手段

Claims (23)

  1. 2光束干渉計の偏波依存性を測定する方法であって、
    2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、
    測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
    Figure 0004767086
    で表したときのθin、jと異なる整数kについてθ j −θ k ≠nπであるθjに設定するステップと、
    力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求めるステップと、
    前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得るステップと、
    得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求めるステップと、
    前記低損失側の交点の正規化損失RHと前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)から、RH/RLにより消光比の最悪値を求めるステップと
    を有することを特徴とする2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  2. 2光束干渉計の偏波依存性を測定する方法であって、
    2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、
    測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
    Figure 0004767086
    で表したときのθin、jと異なる整数kについてθ j −θ k ≠nπであるθjに設定するステップと、
    力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求めるステップと、
    前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得るステップと、
    得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求めるステップと、
    前記低損失側の交点の光周波数FHと、前記低損失側の交点に隣接する前記大損失側の交点の光周波数FL(ここでFH>FL)から、(FH−FL)×2によりFSR(Free Spectrum Range)を求めるステップと
    を有することを特徴とする2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  3. 2光束干渉計の偏波依存性を測定する方法であって、
    2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、
    測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
    Figure 0004767086
    で表したときのθin、jと異なる整数kについてθ j −θ k ≠nπであるθjに設定するステップと、
    力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求めるステップと、
    前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が0.5(−3dB)になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得るステップと、
    得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求めるステップと、
    前記低損失側の交点の正規化損失RHまたは前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)のどちらか一つを用い、
    2×ΔF=FSR×Δθ/π
    (ただし、Δθ=cos-1(2×RH−1)=cos-1(−2×RL+1))
    から、入力光の偏波変動に伴う干渉強度のピークのシフト量の最悪値2×ΔFを求めるステップと
    を有することを特徴とする2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  4. 前記交点を求めるステップは、N種類の前記正規化損失スペクトルが1つの交点で交わらないときには、N種類の前記正規化損失スペクトルからいずれか2つを選択し、その交点の光周波数と損失とを求める作業を複数の異なる正規化損失スペクトルの組み合わせについてそれぞれ実行し、得られた各光周波数および損失の平均値から前記RH、RL、FH、FLをそれぞれ求めるステップを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  5. 前記交点を求めるステップは、先に求めた前記N種類の正規化損失スペクトルの交点から前記RHまたはRLのうちの片方のみを求め、他の一つは、数式
    |Eout(FH)|2=1/2{1+cos(2πΔτ・FH)}≡RH
    |Eout(FL)|2=1/2{1−cos(2πΔτ・FL)}≡RL
    (ただし、Eout(FH)は、F=FHにおける2光束干渉計の出力の電場、Eout(FL)は、F=Fにおける2光束干渉計の出力の電場、Δτは光周波数Fに依存しない定数)
    の対称性を利用して計算により求めるステップを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  6. 前記測定するステップは、測定データに、数式
    |Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
    (ただし、ΔF≡Δτ×F/τAvg、FSR=1/τAvg、τAvgは光周波数Fに依存しない定数)
    をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完するステップを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  7. 前記測定するステップは、数式
    |Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
    におけるΔFを光周波数Fに依存しない定数とみなして、測定データに当該数式をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完するステップを含む請求項6記載の2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  8. 前記θinをθjに設定するステップは、異なるj、kについて、
    θj=θk+2nπ+π/2(nは整数)
    なる組み合わせが1つ以上存在するようにθjを設定するステップを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定方法。
  9. プローブ光発生手段と、
    このプローブ光発生手段から出射されたプローブ光の偏波を変更して測定対象の2光束干渉計に入射させる偏波変更手段と
    前記2光束干渉計からの出射光の損失スペクトルを測定する損失スペクトル測定手段と
    を備えた、2光束干渉計の偏波依存性を測定する偏波依存性測定装置であって、
    前記偏波変更手段は、
    2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、
    測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
    Figure 0004767086
    で表したときのθin、jと異なる整数kについてθ j −θ k ≠nπであるθjに設定する手段を備え、
    前記損失スペクトル測定手段は、
    入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求める手段と、
    前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得る手段と、
    得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求める手段と、
    前記低損失側の交点の正規化損失RHと前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)から、RH/RLにより消光比の最悪値を求める手段と
    を含むことを特徴とする2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  10. プローブ光発生手段と、
    このプローブ光発生手段から出射されたプローブ光の偏波を変更して測定対象の2光束干渉計に入射させる偏波変更手段と
    前記2光束干渉計からの出射光の損失スペクトルを測定する損失スペクトル測定手段と
    を備えた、2光束干渉計の偏波依存性を測定する偏波依存性測定装置であって、
    前記偏波変更手段は、
    2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、
    測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
    Figure 0004767086
    で表したときのθin、jと異なる整数kについてθ j −θ k ≠nπであるθjに設定する手段を備え、
    損失スペクトル測定手段は、
    入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求める手段と、
    前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が所定の定数になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得る手段と、
    得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求める手段と、
    前記低損失側の交点の光周波数FHと、前記低損失側の交点に隣接する前記大損失側の交点の光周波数FL(ここでFH>FL)から、(FH−FL)×2によりFSR(Free Spectrum Range)を求める手段と
    を含むことを特徴とする2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  11. プローブ光発生手段と、
    このプローブ光発生手段から出射されたプローブ光の偏波を変更して測定対象の2光束干渉計に入射させる偏波変更手段と、
    前記2光束干渉計からの出射光の損失スペクトルを測定する損失スペクトル測定手段と
    を備えた、2光束干渉計の偏波依存性を測定する偏波依存性測定装置であって、
    前記偏波変更手段は、
    2以上の整数Nと、1≦j≦Nなる整数jと、0を含む整数nについて、
    測定対象の2光束干渉計の入力の偏波状態を
    Figure 0004767086
    で表したときのθin、jと異なる整数kについてθ j −θ k ≠nπであるθjに設定する手段を備え、
    前記損失スペクトル測定手段は、
    入力光の偏波がθin=θjにおける、前記2光束干渉計の損失スペクトルを求める手段と、
    前記損失スペクトルの正弦波状のカーブの最大値と最小値との平均が0.5(−3dB)になるよう、損失スペクトルに補正係数を掛けて、θin=θjにおける正規化損失スペクトルを得る手段と、
    得られたN種類の前記正規化損失スペクトルが、干渉強度が最小となる光周波数近傍で作る大損失側の交点または干渉強度が最大となる光周波数近傍で作る低損失側の交点を求める手段と、
    前記低損失側の交点の正規化損失RHまたは前記大損失側の交点の正規化損失RL(ここで1≧RH>RL≧0)のどちらか一つを用い、
    2×ΔF=FSR×Δθ/π
    (ただし、Δθ=cos-1(2×RH−1)=cos-1(−2×RL+1))
    から、干渉強度のピークのシフト量の最悪値2×ΔFを求める手段と
    を含むことを特徴とする2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  12. 前記交点を求める手段は、N種類の前記正規化損失スペクトルが1つの交点で交わらないときには、N種類の前記正規化損失スペクトルからいずれか2つを選択し、その交点の光周波数と損失とを求める作業を複数の異なる正規化損失スペクトルの組み合わせについてそれぞれ実行し、得られた各光周波数および損失の平均値から前記RH、RL、FH、FLをそれぞれ求める手段を含む請求項9ないし11のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  13. 前記交点を求める手段は、先に求めた前記N種類の正規化損失スペクトルの交点から前記RHまたはRLのうちの片方のみを求め、他の一つは、数式
    |Eout(FH)|2=1/2{1+cos(2πΔτ・FH)}≡RH
    |Eout(FL)|2=1/2{1−cos(2πΔτ・FL)}≡RL
    (ただし、Eout(FH)は、F=FHにおける2光束干渉計の出力の電場、Eout(FL)は、F=Fにおける2光束干渉計の出力の電場、Δτは光周波数Fに依存しない定数)
    の対称性を利用して計算により求める手段を含む請求項9ないし11のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  14. 前記損失スペクトル測定手段は、測定データに、数式
    |Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
    (ただし、ΔF≡Δτ×F/τAvg、FSR=1/τAvg、τAvgは光周波数Fに依存しない定数)
    をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完する手段を含む請求項9ないし11のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  15. 前記損失スペクトル測定手段は、数式
    |Eout2=1/2{1+cos2θin・cos(2π(F+ΔF)/FSR)+sin2θin・cos(2π(F−ΔF)/FSR)}
    におけるΔFを光周波数Fに依存しない定数とみなして、測定データに当該数式をフィッティングすることにより、測定領域外または各測定値間の間隙を補完する手段を含む請求項14記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  16. 前記θinをθjに設定する手段は、異なるj、kについて、
    θj=θk+2nπ+π/2(nは整数)
    なる組み合わせが1つ以上存在するようにθjを設定する手段を含む請求項9ないし11のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  17. 前記プローブ光発生手段は、ASE光源であり、前記偏波変更手段は、回転式ポラライザである請求項9ないし16のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  18. 前記プローブ光発生手段は、波長可変光源であり、前記偏波変更手段は、偏波コントローラである請求項9ないし16のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  19. 前記損失スペクトル測定装置は、光スペクトルアナライザである請求項9ないし16のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  20. 前記損失スペクトル測定手段は、光パワメータと波長計とにより構成される請求項9ないし16のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  21. 前記光パワメータと前記波長計とは、前記2光束干渉計の有する2つの出力ポートのそれぞれに接続される請求項20記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  22. 前記プローブ光発生手段と、前記偏波変更手段と、前記2光束干渉計と、前記損失スペクトル測定手段とは、相互に光導波路により接続され、
    この光導波路は、偏波保持ファイバである
    請求項9ないし21のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
  23. 前記プローブ光発生手段は単一波長光源であり、前記損失スペクトル測定手段はパワメータおよび光路長調整手段からなり、前記損失スペクトル測定手段は2光束干渉計の有する光導波路の長さを連続的に変更することによって損失スペクトルの測定を行う請求項9ないし16のいずれかに記載の2光束干渉計の偏波依存性測定装置。
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