JP4766869B2 - グラン‐トムソンプリズム型の偏光子 - Google Patents

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Description

本発明は偏光子に係り、特に紫外光領域から近赤外光領域まで使用可能な偏光子に関する。
一般に紫外光用の偏光子としてローションプリズムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のローションプリズムは、四ほう酸リチウム単結晶(Li単結晶)からなるものであり、少なくとも波長190nm程度から近赤外光領域側にかけて使用することが可能である。
特開2000−329937号公報(第3頁、第2図)
例えば、半導体関連技術において紫外光の利用は拡大傾向にあり、その偏光利用は今後ますます加速すると見込まれている。しかしながら、特許文献1のようなローションプリズムは、偏光分離した2本の光線が同一方向に出射されその分離角度が小さいので、使用しない偏光光線を別途遮光する等光学系全体に制約が生じるという不都合があり、使い易さという点では十分ではなかった。
また、その他のタイプの偏光子としてグラン‐トムソンプリズムやグラン‐テーラープリズムが知られている。しかし、グラン‐トムソンプリズムは、第1のプリズムの透過光出射面と第2のプリズムの入射面間に接着剤を介在させて接合する構成であるので、この接着剤によって紫外光が吸収されてしまい、紫外光に対しては用いることが困難であった。
また、グラン‐テーラープリズムは、第1のプリズムと第2のプリズムとを空気層を介して接続する構成であり、接着剤は用いられないものの、開口が狭く使用用途が限定されるという不都合があった。例えば、α‐BBO同士を空気層を介して接合したグラン‐テーラープリズムでは、単一波長の場合でも4度程度の開口しか得られない。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、紫外光領域から近赤外光領域まで使用することが可能であり、開口が広く、且つ、高い消光比を有する直線偏光子を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、第1三角プリズムと、第2三角プリズムと、前記第1三角プリズムと第2三角プリズムとの間に介在してなる平板とを備えた波長190nmの紫外光領域から可視光、近赤外光領域まで対応可能なグラン‐トムソンプリズム型の偏光子であって、前記第1三角プリズムおよび前記第2三角プリズムは、前記平板が前記第1三角プリズムの入射面および前記第2三角プリズムの出射面に対して所定の角度をなすように形成され、前記第1三角プリズムと前記第2三角プリズムは、同一の異方性結晶材料である第1材料で形成され、前記平板は、前記第1材料とは異なる異方性結晶材料である第2材料で形成され、前記第1三角プリズム、前記第2三角プリズムおよび前記平板の光学軸は同一方向に設定され、前記第1三角プリズムの入射面と略平行かつ前記第1三角プリズムと前記平板との当接面と略平行な第1方向、または、該第1方向に対して略垂直かつ前記第1三角プリズムの入射面と略平行な第2方向に設定され、前記第1三角プリズムと前記平板,前記平板と前記第2三角プリズムは、それぞれオプティカルコンタクトにて接合され、前記第1材料はLiであり、前記第2材料はα‐SiOであることにより解決される。
このように本発明のグラン‐トムソンプリズム型の偏光子は、第1三角プリズムと第2三角プリズムとを接着剤ではなく平板を介して接合した構成のグラン‐トムソンプリズム型の偏光子である。そして、接着剤の代わりに平板を用いたことにより、第1三角プリズム,平板,第2三角プリズムをオプティカルコンタクトにて接合することができる。これにより、従来のように紫外光が接着剤で吸収等されることがないので、本発明の偏光子では、通常の可視光,近赤外光領域に使用を限定されることなく、紫外光領域まで使用範囲を拡大することができる。
また、第1三角プリズム,第2三角プリズムに使用される異方性材料(第1材料)と、平板に使用される光学材料(第2材料)とを適宜に選択することにより、開口を広くとることができると共に、高い消光比を有する偏光子とすることができる。
また、本発明のグラン‐トムソンプリズム型の偏光子は、第1三角プリズムおよび第2三角プリズムは、平板が第1三角プリズムの入射面および第2三角プリズムの出射面に対して所定の角度をなすように形成され、第1三角プリズムおよび第2三角プリズムの光学軸は、第1三角プリズムの入射面と略平行かつ第1三角プリズムと平板との当接面と略平行な第1方向、または、第1方向に対して略垂直かつ第1三角プリズムの入射面と略平行な第2方向に設定される。
このように設定すると、入射面から入射した入射光は、第1三角プリズムと平板との境界面において、常光屈折率または異常光屈折率に差があることに起因して、境界面への入射角度に応じて常光線または異常光線を全反射させることができると共に、他の一方の異常光線または常光線を第2三角プリズム側へ透過させることができる。これにより、常光線または異常光線を分離して透過させることが可能である
本発明のグラン‐トムソンプリズム型の偏光子は、第1三角プリズムと第2三角プリズムとを接着剤を用いずに、平板を介して、または直接にオプティカルコンタクトで接合している。これにより、従来のように接着剤で紫外光が吸収等されてしまうことがないので、使用波長帯域を可視光、近赤外光領域から紫外光領域へ拡大することができる。また、第1三角プリズム,第2三角プリズムおよび平板に使用する光学材料を適宜に選択することにより、開口が広く、且つ、高い消光比を有する偏光子を提供することができる。
本発明の一実施形態及び参考例について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する構成等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図は本発明の一実施形態及び参考例に係るものであり、図1は偏光子の構成を表す説明図、図2は実施例1及び参考例1に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフ、図3は実施例1及び参考例1に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフ、図4は参考例2に係る偏光子の構成を表す説明図、図5は参考例2に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフ、図6は参考例2に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフ、図7は参考例3に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフ、図8は参考例3に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフ、図9は参考例4に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフ、図10は参考例4に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフ、図11は参考例5に係る偏光子の構成を表す説明図である。
本実施形態の偏光子1は、紫外光領域から可視光、近赤外光領域まで対応可能なグラン‐トムソンプリズム型の直線偏光子である。図1に示すように、本実施形態の偏光子1は、第1三角プリズム10と第2三角プリズム20とを平板30を介して接合した構成である。第1三角プリズム10と第2三角プリズム20は、略同一の楔角A(°)を有する断面三角形状のプリズムであり、これらは同一の異方性結晶材料(第1材料)で構成されている。
第1三角プリズム10は、入射面11と、入射面11に対して所定の角度(90°−A)を有する出射面12を有している。また、第2三角プリズム20は、出射面22と、出射面22に対して所定の角度(90°−A)を有する入射面21を有する。
また、平板30は、略平行な入射面31,出射面32を有する薄板状の部材であり、第1三角プリズム10と第2三角プリズム20とは異なる異方性結晶材料で構成されている。
偏光子1は、第1三角プリズム10の出射面12に平板30の入射面31が接合され、平板30の出射面32に第2三角プリズム20の入射面21が接合されて構成されている。これらは、接着剤を用いずにオプティカルコンタクトによって接合されている。そして、第1三角プリズム10の入射面11と第2三角プリズム20の出射面22は、略平行で光軸Lに対して垂直となっている。
本実施形態では、第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸は、入射面11および出射面22と略平行(光軸Lに対して垂直)であって、紙面に対して垂直な方向(第1方向)もしくは紙面に平行(第2方向)に設定されている。また、平板30が光学軸を有する場合は、入射面11および出射面22と略平行(光軸Lに対して垂直)であって、紙面に対して垂直な方向(第1方向)もしくは紙面に平行(第2方向)に設定されている。
入射光は、第1三角プリズム10の入射面11に対して所定の内部入射角許容幅(開口)で入射可能である。図1に示すように入射面11に対して垂直な光軸に対して「−」側(平板30に対する入射角が浅くなる方向)から「+」側(平板30に対する入射角が深くなる方向)の所定角度幅において入射光を入射させることができる。
この内部入射角許容幅内で入射面11に入射した入射光のうち常光線または異常光線のいずれかが、第1三角プリズム10と平板30との境界において第1三角プリズム10の側面へ向けて全反射される。一方、全反射されなかった異常光線または常光線は、平板30および第2三角プリズム20を通過して出射面22から外部へ出射する。これにより、偏光子1へ入射した入射光の異常光線または常光線の一方のみを通過させることができる。
以下に示す実施例では、第1材料および第2材料を適切に選択することにより、50dB以上の消光比を得ることができた。また、90%程度の高い透過率を得られることが確かめられた。また、本実施形態の偏光子1は、接着剤を用いることなく190nm〜1600nm程度において透明な光学材料同士(方解石は除く)をオプティカルコンタクトにて接合しているので、紫外光領域から近赤外光領域にわたる波長帯域において使用することができる。
(実施例1及び参考例1
実施例1及び参考例1は、第1材料,第2材料にそれぞれ異方性結晶材料であるLi,α‐SiO(水晶)を用いた例である。図1に実施例1及び参考例1における偏光子1の構成を示す。
図1(A)に示す実施例1Aでは、第1三角プリズム10,第2三角プリズム20および平板30の光学軸は、紙面に対して略垂直(入射面11および出射面12の幅方向と略平行)に設定されている。また、楔角Aは、12.5°に設定されている。
図1(B)に示す参考例1Bでは、第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸は紙面に対して略垂直(入射面11および出射面12の幅方向と略平行)に設定され、平板30の光学軸は紙面上下方向(入射面11の上下方向)と略平行(第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸と垂直)に設定されている。また、楔角Aは、12°に設定されている。
図1(C)に示す実施例1Cでは、第1三角プリズム10,第2三角プリズム20および平板30の光学軸は、紙面上下方向(入射面11の上下方向)と略平行に設定されている。また、楔角Aは、12.5°に設定されている。
図1(D)に示す参考例1Dでは、第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸は紙面上下方向(入射面11の上下方向)と略平行に設定され、平板30の光学軸は紙面に対して略垂直(入射面11および出射面12の幅方向と略平行、第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸と垂直)に設定されている。また、楔角Aは、12°に設定されている。
表1に実施例1A,1C及び参考例1B,1Dの楔角Aとプリズム内開口を示す。
Figure 0004766869
図2に第1材料(Li)と第2材料(α‐SiO)の波長と屈折率の関係を示す。図2から本実施例では、紫外光領域から近赤外光領域にわたって、屈折率が大きい順に第1材料の常光屈折率n1O、第1材料の異常光屈折率n1eおよび第2材料の第2材料の異常光屈折率n2e、常光屈折率n2Oとなっていることが分かる。なお、第1材料の異常光屈折率n1eおよび第2材料の異常光屈折率n2eは、紫外光領域から近赤外光領域にわたって略一致している。
図3(A)は波長300nmにおける実施例1A,参考例1Bの偏光子1の入射角と反射率の関係、図3(B)は実施例1C,参考例1Dの偏光子1の入射角と反射率の関係を表している。なお、ここでいう入射角は、第1三角プリズム10から平板30への入射角を指す。a1,a2は実施例1A、b1,b2は参考例1B、c1,c2は実施例1C、d1,d2は参考例1Dの関係を表す。
実施例1A,1C及び参考例1B,1Dでは、第1三角プリズム10へ入射した入射光は、第1三角プリズム10と平板30との境界面において、第1三角プリズム10の光学軸と垂直な振動面を有する常光線が全反射されるように楔角Aが設定されている。一方、第1三角プリズム10の光学軸と平行な振動面を有する異常光線は、境界面を透過して平板30および第2三角プリズム20へ入射し、第2三角プリズム20の出射面22から外部へ出射する。したがって、偏光子1の入射面11へ入射した入射光のうち、常光線は偏光子1の側面から外部へ向けて全反射され、異常光線のみが直進して出射面22から出射するようになっている。
実施例1Aでは、図3(A)から分かるように、第1三角プリズム10から平板30への入射角が約73°以上で常光線が全反射するようになる(a1)。また、入射角が約88°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(a2)。このように、実施例1Aでは、入射角73°〜88°(−4.5°〜+10.5°)において使用することが可能であり、約15°の広い開口を有する。
また、参考例1Bでは、入射角が約74°以上で常光線が全反射するようになり(b1)、約82°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(b2)。このように、参考例1Bでは、入射角74°〜82°(−4°〜+4°)において使用することが可能である。このように参考例1Bでは、約8°の広い開口を有する。
また、実施例1Cでは、実施例1Aと同様に、入射角が約73°以上で常光線が全反射するようになり(c1)、約88°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(c2)。このように、実施例1Cでは、入射角73°〜88°(−4.5°〜+10.5°)において使用することが可能である。このように実施例1Cでは、約15°の広い開口を有する。
また、参考例1Dでは、参考例1Bと同様に、入射角が約74°以上で常光線が全反射するようになり(d1)、約82°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(d2)。このように、参考例1Dでは、入射角74°〜82°(−4°〜+4°)において使用することが可能である。このように実施例1Dでは、約8°の広い開口を有する。
このように、実施例1A,1Cの偏光子1では、第1材料にLi、第2材料にα‐SiOを選択することによって、広い開口を有すると共に紫外光領域においても使用することができる。
参考例2)
参考例2は、第1材料,第2材料にそれぞれ異方性結晶材料であるMgF,LiCAF(LiCaAlF)を用いた例である。
図4(A)に示す参考例2Aでは、第1三角プリズム10,第2三角プリズム20および平板30の光学軸は、紙面に対して略垂直に設定されている。また、楔角Aは、3°に設定されている。
図4(B)に示す参考例2Bでは、第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸は紙面に対して略垂直に設定され、平板30の光学軸は紙面および入射面11と略平行(第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸と垂直)に設定されている。また、楔角Aは、2.5°に設定されている。
図4(C)に示す参考例2Cでは、第1三角プリズム10,第2三角プリズム20および平板30の光学軸は、紙面および入射面11と略平行に設定されている。また、楔角Aは、3°に設定されている。
図4(D)に示す参考例2Dでは、第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸は紙面および入射面11と略平行に設定され、平板30の光学軸は紙面に対して略垂直(第1三角プリズム10および第2三角プリズム20の光学軸と垂直)に設定されている。また、楔角Aは、2.5°に設定されている。
表2に参考例2A〜2Dの楔角Aとプリズム内開口を示す。
Figure 0004766869
図5に第1材料(MgF)と第2材料(LiCAF)の波長と屈折率の関係を示す。図5から本参考例では、紫外光領域から近赤外光領域にわたって、屈折率が大きい順に第1材料の異常光屈折率n1e、第2材料の常光屈折率n2O、第2材料の異常光屈折率n2e、第1材料の常光屈折率n1Oとなっていることが分かる。また、本例では、第1材料の屈折率と第2材料の屈折率の大きさが非常に近いため、楔角Aが小さくかつ開口が狭くなっている。
図6(A)は波長300nmにおける参考例2A,2Bの偏光子1の入射角と反射率の関係、図6(B)は参考例2C,2Dの偏光子1の入射角と反射率の関係を表している。a1,a2は参考例2A、b1,b2は参考例2B、c1,c2は参考例2C、d1,d2は参考例2Dの関係を表す。
参考例2A〜2Dでは、第1三角プリズム10へ入射した入射光は、第1三角プリズム10と平板30との境界面において、第1三角プリズム10の光学軸と平行な振動面を有する異常光線が全反射されるように楔角Aが設定されている。一方、第1三角プリズム10の光学軸と垂直な振動面を有する常光線は、境界面を透過して平板30および第2三角プリズム20へ入射し、第2三角プリズム20の出射面22から外部へ出射する。したがって、偏光子1の入射面11へ入射した入射光のうち、異常光線は偏光子1の側面から外部へ向けて全反射され、常光線のみが直進して出射面22から出射するようになっている。
参考例2Aでは、図6(A)から分かるように、第1三角プリズム10から平板30への入射角が約86°以上で異常光線が全反射するようになる(a1)。また、入射角が約87°以上で常光線が10%以上反射するようになる(a2)。このように、参考例2Aでは、入射角86°〜87°(−1.0°〜±0°)において使用することが可能である。
また、参考例2Bでは、入射角が約87°以上で異常光線が全反射するようになり(b1)、約87°以上で常光線が10%以上反射するようになる(b2)。このように、参考例2Bでは、入射角87°(−0.5°)において使用することが可能である。
また、参考例2Cでは、参考例2Aと同様に、入射角が約86°以上で異常光線が全反射するようになり(c1)、約87°以上で常光線が10%以上反射するようになる(c2)。このように、参考例2Cでは、入射角86°〜87°(−1.0°〜±0°)において使用することが可能である。
また、参考例2Dでは、参考例2Bと同様に、入射角が約87°以上で異常光線が全反射するようになり(d1)、約87°以上で常光線が10%以上反射するようになる(d2)。このように、参考例2Dでは、入射角87°(−0.5°)において使用することが可能である。
このように、参考例2の偏光子1では、第1材料にMgF、第2材料にLiCAFを選択することによって、紫外光領域においても使用できる。なお、参考例2では、第1材料と第2材料の屈折率の大きさが近いため内部入射角許容幅が小さくなっている。
参考例3)
参考例3は、第1材料,第2材料にそれぞれ異方性結晶材料であるα‐BBO(α‐BaB),α‐SiO(水晶)を用いた例である。
参考例3A〜3Dの偏光子1は、それぞれ図1に示した実施例1A,1C及び参考例1B,1Dの構成と同様である。また、楔角Aは、参考例3A,3Cでは14.5°、参考例3B,3Dでは14°に設定されている。
表3に参考例3A〜3Dの楔角Aとプリズム内開口を示す。
Figure 0004766869
図7に第1材料(α‐BBO)と第2材料(α‐SiO)の波長と屈折率の関係を示す。図7から本参考例では、波長290nm程度から近赤外光領域にわたって、屈折率が大きい順に第1材料の常光屈折率n1O、第2材料の異常光屈折率n2e、第2材料の常光屈折率n2O、第1材料の異常光屈折率n1eとなっていることが分かる。なお、波長200nm〜240nm程度においては、大きい順にn1O、n1e、n2e、n2Oとなっている。また、波長240nm〜290nm程度においては、大きい順にn1O、n2e、n1e、n2Oとなっている。
図8(A)は波長300nmにおける参考例3A,3Bの偏光子1の入射角と反射率の関係、図8(B)は参考例3C,3Dの偏光子1の入射角と反射率の関係を表している。a1,a2は参考例3A、b1,b2は参考例3B、c1,c2は参考例3C、d1,d2は参考例3Dの関係を表す。
参考例3A〜3Dでは、第1三角プリズム10へ入射した入射光は、第1三角プリズム10と平板30との境界面において、第1三角プリズム10の光学軸と垂直な振動面を有する常光線が全反射されるように楔角Aが設定されている。一方、第1三角プリズム10の光学軸と平行な振動面を有する異常光線は、境界面を透過して平板30および第2三角プリズム20へ入射し、第2三角プリズム20の出射面22から外部へ出射する。したがって、偏光子1の入射面11へ入射した入射光のうち、常光線は偏光子1の側面から外部へ向けて全反射され、異常光線のみが直進して出射面22から出射するようになっている。
参考例3Aでは、図8(A)から分かるように、第1三角プリズム10から平板30への入射角が約65.5°以上で常光線が全反射するようになる(a1)。また、入射角が約86°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(a2)。このように、参考例3Aでは、入射角65.5°〜86°(−10.0°〜+10.5°)において使用することが可能であり、約20.5°の広い開口を有する。
また、参考例3Bでは、入射角が約66.5°以上で常光線が全反射するようになり(b1)、約88°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(b2)。このように、参考例3Bでは、入射角66.5°〜88°(−9.5°〜+12°)において使用することが可能である。このように参考例3Bでは、約21.5°の広い開口を有する。
また、参考例3Cでは、参考例3Aと同様に、入射角が約65.5°以上で常光線が全反射するようになり(c1)、約86°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(c2)。このように、参考例3Cでは、入射角65.5°〜86°(−10°〜+10.5°)において使用することが可能である。このように参考例3Cでは、約20.5°の広い開口を有する。
また、参考例3Dでは、参考例3Bと同様に、入射角が約66.5°以上で常光線が全反射するようになり(d1)、約88°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(d2)。このように、参考例3Dでは、入射角66.5°〜88°(−9.5°〜+12°)において使用することが可能である。このように参考Dでは、約21.5°の広い開口を有する。
このように、参考例3の偏光子1では、第1材料にα‐BBO、第2材料にα‐SiOを選択することによって、紫外光領域においても使用できると共に、広い開口を有する。特に、この第1材料,第2材料の組合せでは、屈折率の差が非常に大きい。このため楔角Aを大きく設定でき偏光子1の全長を短く設定することが可能となると共に、広い開口を得ることができる。
参考例4)
参考例4は、第1材料,第2材料にそれぞれ異方性結晶材料である方解石CaCO,α‐SiO(水晶)を用いた例である。方解石は、異常光屈折率と常光屈折率との差が非常に大きな光学材料である。
参考例4A〜4Dの偏光子1は、それぞれ図1に示した実施例1A,1C及び参考例1B,1Dの構成と同様である。また、楔角Aは、参考例4A〜4Dでは17°に設定されている。
表4に参考例4A〜4Dの楔角Aとプリズム内開口を示す。
Figure 0004766869
図9に第1材料(方解石)と第2材料(α‐SiO)の波長と屈折率の関係を示す。図9から本参考例では、波長250nm程度から近赤外光領域にわたって、屈折率が大きい順に第1材料の常光屈折率n1O、第2材料の異常光屈折率n2e、第2材料の常光屈折率n2O、第1材料の異常光屈折率n1eとなっていることが分かる。なお、方解石は波長250nm以下の光線については透過しない。
図10(A)は波長300nmにおける参考例4A,4Bの偏光子1の入射角と反射率の関係、図10(B)は参考例4C,4Dの偏光子1の入射角と反射率の関係を表している。a1,a2は参考例4A、b1,b2は参考例4B、c1,c2は参考例4C、d1,d2は参考例4Dの関係を表す。
参考例4A〜4Dでは、第1三角プリズム10へ入射した入射光は、第1三角プリズム10と平板30との境界面において、第1三角プリズム10の光学軸と垂直な振動面を有する常光線が全反射されるように楔角Aが設定されている。一方、第1三角プリズム10の光学軸と平行な振動面を有する異常光線は、境界面を透過して平板30および第2三角プリズム20へ入射し、第2三角プリズム20の出射面22から外部へ出射する。したがって、偏光子1の入射面11へ入射した入射光のうち、常光線は偏光子1の側面から外部へ向けて全反射され、異常光線のみが直進して出射面22から出射するようになっている。
参考例4Aでは、図10(A)から分かるように、第1三角プリズム10から平板30への入射角が約65.5°以上で常光線が全反射するようになる(a1)。また、入射角が約79°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(a2)。このように、参考例4Aでは、入射角65.5°〜79°(−7.5°〜+6°)において使用することが可能であり、約13.5°の広い開口を有する。
また、参考例4Bでは、入射角が約66.5°以上で常光線が全反射するようになり(b1)、約80°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(b2)。このように、参考例4Bでは、入射角66.5°〜80°(−6.5°〜+7°)において使用することが可能である。このように参考例4Bでは、約13.5°の広い開口を有する。
また、参考例4Cでは、入射角が約65.5°以上で常光線が全反射するようになり(c1)、約80.5°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(c2)。このように、参考例4Cでは、入射角65.5°〜80.5°(−7.5°〜+7.5°)において使用することが可能である。このように参考例4Cでは、約15°の広い開口を有する。
また、参考例4Dでは、入射角が約66.5°以上で常光線が全反射するようになり(d1)、約81°以上で異常光線が10%以上反射するようになる(d2)。このように、参考例4Dでは、入射角66.5°〜81°(−6.5°〜+8°)において使用することが可能である。このように参考例4Dでは、約14.5°の広い開口を有する。
このように、参考例4の偏光子1では、第1材料に方解石、第2材料にα‐SiOを選択することによって、紫外光領域(波長250nm以上)においても使用できると共に、広い開口を有する。
参考例5)
参考例5は、実施例1と同様に、異方性結晶材料であるLi,α‐SiO(水晶)を用いた例であるが、実施例1と相違する点は、実施例5の偏光子1が平板30を用いない点と、第1三角プリズム10にLi,第2三角プリズム20にα‐SiOを用いてこれらを出射面12と入射面21でオプティカルコンタクトにて接合した点である。
図11(A)に示す参考例5Aでは、第1三角プリズム10,第2三角プリズム20の光学軸は、紙面に対して略垂直(第1方向)に設定されている。また、楔角Aは、12.5°に設定されている。
図11(B)に示す参考例5Bでは、第1三角プリズム10,第2三角プリズム20の光学軸は、紙面および入射面11と略平行(第2方向)に設定されている。また、楔角Aは、12°に設定されている。
図2に示したように、第1材料(Li)の異常光屈折率n1eと第2材料(α‐SiO)の異常光屈折率n2eは広い波長範囲で略一致している。このため、本例の偏光子1は、図11(A),(B)のように平板30を用いなくとも、第2三角プリズム20の出射面22からの出射光線が、第1三角プリズム10の入射面11に入射する入射光線と平行となり、偏光素子として実用に耐える特性を有する。ただし、本例の偏光子1は、第1三角プリズム10側から光線を入射する必要があり、入射光の方向性を有する。このように構成した偏光子1は、実施例1の偏光子1と略同等の開口広さおよび消光比を有する。
なお、参考例5は、第1三角プリズム10の異常光屈折率n1eと第2三角プリズム20の異常光屈折率n2eが所定波長帯域で略一致している例であるが、これに限らず、第1三角プリズム10の常光屈折率n1Oと第2三角プリズム20の常光屈折率n2Oが所定波長帯域で略一致するように光学材料を選択することができる。
本発明の一実施形態及び参考例に係る偏光子の構成を表す説明図である。 実施例1及び参考例1に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフである。 実施例1及び参考例1に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフである。 参考例2に係る偏光子の構成を表す説明図である。 参考例2に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフである。 参考例2に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフである。 参考例3に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフである。 参考例3に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフである。 参考例4に係る偏光子の波長と屈折率との関係を表すグラフである。 参考例4に係る偏光子の入射角と反射率との関係を表すグラフである。 参考例5に係る偏光子の構成を表す説明図である。
1 偏光子
10 第1三角プリズム
11 入射面
12 出射面
20 第2三角プリズム
21 入射面
22 出射面
30 平板
31 入射面
32 出射面
L 光軸

Claims (1)

  1. 第1三角プリズムと、第2三角プリズムと、前記第1三角プリズムと第2三角プリズムとの間に介在してなる平板とを備えた波長190nmの紫外光領域から可視光、近赤外光領域まで対応可能なグラン‐トムソンプリズム型の偏光子であって、
    前記第1三角プリズムおよび前記第2三角プリズムは、前記平板が前記第1三角プリズムの入射面および前記第2三角プリズムの出射面に対して所定の角度をなすように形成され、
    前記第1三角プリズムと前記第2三角プリズムは、同一の異方性結晶材料である第1材料で形成され、
    前記平板は、前記第1材料とは異なる異方性結晶材料である第2材料で形成され、
    前記第1三角プリズム、前記第2三角プリズムおよび前記平板の光学軸は同一方向に設定され、前記第1三角プリズムの入射面と略平行かつ前記第1三角プリズムと前記平板との当接面と略平行な第1方向、または、該第1方向に対して略垂直かつ前記第1三角プリズムの入射面と略平行な第2方向に設定され、
    前記第1三角プリズムと前記平板,前記平板と前記第2三角プリズムは、それぞれオプティカルコンタクトにて接合され、
    前記第1材料はLiであり、前記第2材料はα‐SiOであることを特徴とするグラン‐トムソンプリズム型の偏光子。
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