JP4765253B2 - リチウム二次電池用負極活物質、リチウム二次電池負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用負極活物質、リチウム二次電池負極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用負極活物質、リチウム二次電池負極及びリチウム二次電池に関する。詳しくは、本発明は、活物質層の薄肉化による高出力・高入力化が可能で、しかも長寿命で安全性の高い、自動車用リチウム二次電池に適したリチウム二次電池用負極活物質と、この負極活物質を用いたリチウム二次電池負極及びリチウム二次電池に関する。
従来、ノート型パソコンや、携帯電話、自動車用などの駆動用電源として、各種二次電池が開発されているが、昨今の高機能化と、特に自動車用途での加速性などの要求から、大電流を放出あるいは充電可能な、高出力・高入力性の二次電池が求められている。
即ち、電気ドリルやカッターなどのコードレス機器、電気自動車やハイブリッド自動車用の電池では、大電流によるモーター駆動が必要である。特にハイブリッド自動車用の電池は、高容量である必要はなく、エンジン動力をアシストするモーターを瞬間的に作動させるための高出力性能や自動車が停止する時のエネルギーを回生するための高入力特性が望まれている。
一方で、リチウム二次電池は、小電流で放電した際のエネルギー密度(Wh/kg)、パワー密度(W/kg)では優れているものの、高電流放電(大きいパワーでの放電)では、電池の耐久劣化までを考慮すると、ニッケル水素二次電池などに比べて、必ずしも優れた高出力特性が得られている訳ではなかった。このようなことから、リチウム二次電池には、大きな電流値による短時間の充放電サイクル特性の改善が望まれる。なお、このような性能は、従来のモバイル機器向けリチウム二次電池としての使用形態には要求されることのなかったものである。
リチウム二次電池において、個々の電池(単セル)の出力性を増すために大電流を取り出すには、単セルの極板をより薄肉化することが望まれる。単セルをより薄肉化するには、電池を構成する正極、負極等の部材を薄肉化する必要がある。従来、リチウム二次電池の活物質層は、集電体上に、リチウムを吸蔵・放出可能な活物質を、結着及び増粘効果を有する有機物と共に、水或いは有機溶媒に分散させた分散液(スラリー)を塗布、乾燥することにより形成されているが、活物質層を薄くすると、塗工量が不均一となり、充放電の繰り返しにより、リチウム金属が析出し、短絡を起こしてしまい、電池寿命及び安全性の点で問題があった。特に、自動車用途においては、安全性を確保することは極めて重要であり、大きな課題であった。
WO00/022687号には、リチウム電池用炭素材料として、特定の比表面積、アスペクト比、タッピング嵩密度を備えた黒鉛粉末であって、粒径3μm以下及び/又は53μm以上の粒子を実質的に含まない黒鉛粉末が記載されている。WO00/022687号においては、粒径53μm以上の大きな粒子の混入がセパレータを傷付ける原因となることが指摘されている。しかしながら、WO00/022687号では、粒径53μm以上の粒子は、その含有量が1重量%以下となるように分級すれば良いとされており、実施例では、270メッシュ(53μm)の篩で篩っているに過ぎず、粒径53μm未満の粒子が残留し、また、扁平な黒鉛粒子では、270メッシュの篩で数回篩っても、粒径53μm以上の粒子は、通常5体積%程度残留してしまう。
このような粗大粒子の残留する黒鉛粒子では、活物質層を薄く形成した場合の不均一性、これに起因する繰り返し充放電によるリチウム金属の析出の問題を解決することはできず、特に、50μm以下もの薄肉化された活物質層を形成した負極にあっては、この問題が顕著である。
WO00/022687号
本発明は上記従来の問題点を解決し、活物質層の薄肉化が可能なリチウム二次電池用負極活物質、即ち、活物質層を50μm以下に薄肉化した場合であっても、均一な活物質層を形成することができ、充放電を繰り返しても、リチウム金属の析出の問題のない活物質と、この活物質を用いてなる薄肉化が可能なリチウム二次電池負極と、この負極を用いてなる、高出力・高入力特性に優れ、電池寿命が長く安全性の高いリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、炭素質粉末状のリチウム二次電池用負極活物質において、該活物質粉末100gを2gのカルボキシメチルセルロースと共に200gの水に分散させてなる分散液について、JIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒が現れ始める粒子径(以下、これを、「最大分散粒子径」という)が、50μm以下であることを特徴とする。
即ち、本発明者らは、本発明の課題を解決すべく鋭意検討した結果、負極活物質の物性を選ぶことによって、活物質層を薄肉化しても繰り返し充放電によるリチウム金属の析出による短絡の問題は防止され、長寿命で安全性の高い、高出力・高入力性のリチウム二次電池を実現することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、上述のJIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒子径35μm以上50μm以下の粒が10個以下であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池負極は、集電体上に、活物質と、結着及び増粘効果を有する有機物とを含有する活物質層を形成してなるリチウム二次電池負極において、該活物質が炭素質粉末であり、該活物質層の厚さが50μm以下であり、JIS B0601に準拠して測定される算術平均粗さ(Ra)が、5μm以下であることを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、及び、電解質を有するリチウム二次電池において、該負極として、このような本発明のリチウム二次電池負極を用いたことを特徴とする。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質によれば、50μm以下の薄肉の活物質層であっても、均一で、繰り返し充放電によるリチウム金属の析出の問題のない活物質層を形成することができる。50μm以下の薄肉であっても、表面が高度に均一化された活物質層を有する本発明のリチウム二次電池負極であれば、負極の薄肉化、長寿命化、安全性の向上が可能であり、この負極を用いた本発明のリチウム二次電池によれば、高出力・高入力特性に優れ、長寿命で安全性の高いリチウム二次電池が提供される。このような本発明のリチウム二次電池は、特に高出力性が要求される自動車用リチウム二次電池等として工業的に極めて有用である
以下に本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明のリチウム二次電池用負極活物質について説明する。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、炭素質粉末状のリチウム二次電池用負極活物質であって、次の特定の物性を満たすことを必須とする。
即ち、この活物質粉末100gと、2gのカルボキシメチルセルロースと200gの水からなる分散液(以下「試料分散液」と称す場合がある。)について、JIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒が現れ始める最大分散粒子径が、50μm以下であることが必要である。
ここで、試料分散液は、活物質粉末、カルボキシメチルセルロース及び水の上記所定量を、25℃で、遊星型二軸混練機を用いて、公転780rpm、自転144rpmで30分間混合した状態の分散液とする。
本発明においては、上述の試料分散液についてJIS K5400 粒ゲージ法によって測定される、粒が現れ始める粒子径を最大分散粒子径とするが(分布図法)、測定対象の試料分散液中では、活物質及び/又はカルボキシメチルセルロースが、通常ある程度の凝集を起こしているため、粒ゲージ法による分散度の測定において、粒が線条に観察されることが多い。従って、このような場合には、線条の現れ始める粒子径を最大分散粒子径とする(線条法)。
以下に、本発明で特定される負極活物質の物性が、負極活物質層の薄肉化に有効である理由について説明する。
負極活物質層は、通常、負極活物質と、結着及び増粘効果を有する有機物(以下「結着剤」と称す場合がある。)を、水あるいは有機溶媒中に分散させたスラリー状のもの(以下「活物質スラリー」と称す場合がある。)を、金属箔などの集電体上に薄く塗布・乾燥する工程、続いて所定の厚み・密度まで圧密するプレス工程により形成される。活物質スラリーを集電体上に薄く塗布する工程では、通常、活物質スラリーをブレードなどを用いて所定の厚みですり切る方法、あるいは細くスリット状に開口部を設けたノズルから一定量のスラリーを吐出し、集電体上に均一に塗りつける方法が採用されている。
ところで、負極活物質層の形成に用いられる活物質スラリーには、負極活物質としての炭素質粉末の製造過程で種々の原因により持ち込まれたり、また、活物質層形成工程における塗布条件下で凝集ないし粗大化することにより生じた粗大粒子が含まれているが、活物質スラリー中にこのような粗大粒子が存在すると、これがブレードの間隙やノズル開口部に滞留し、その後にスラリーが十分供給されなくなるため、この滞留部位に相当する集電体上の活物質スラリーの塗布量が不充分となり、その後、乾燥、プレスして形成される活物質層の厚みに著しい不均一を生じる。このように粗大粒子が、すり切り用ブレードや吐出ノズルに滞留しない場合でも、活物質層中の粗大粒子は、プレス後も負極極板上の突起物として存在し、表面均一性を著しく妨げる原因となる。
負極活物質層が不均一である、あるいは負極極板上に凹凸や突起物のある負極を電池に用いた場合、そうした表面不均一性のある部位を中心に、電流密度に疎密が生じ、長期間の充放電を経ることで、電流の集中した部位にリチウム金属が析出し、ひいては発火事故等の原因ともなる。従って、活物質層の均一性は、電流密度が大きい電池ほど、或いは瞬間的に大電流を流すパルス充放電用の電池ほど、高精度に求められる。
前述のWO00/022687号には、セパレータの傷付きを防ぐために活物質中の粗大粒子を排除することが記載されているが、負極極板上の活物質層は、単にセパレータを傷付けない、即ち、セパレータ厚みを突き破らない程度の均一性では不十分であり、長期間の充放電サイクルを経ても、電流密度の均一性を保ち得るだけの高精度な均一性が必要である。
本発明者らは、このような要求性能を満たす極板を得るためには、活物質中の粗大粒子を、単なる篩分けにより除去するのではなく、特定の条件で予め除去しておくことが重要であることを見出した。そして、この粗大粒子を排除する条件について検討する過程において、本発明者らは、黒鉛粉末などの炭素質粉末は、通常は必ずしも真球ではなく、単純な粒径の値で、その活物質層塗布形成時の活物質スラリーにおける挙動を捕らえることができないことに着目した。そして、所定の水分散液中での粗大粒子の挙動を個々の粒で観測することで、活物質粉体中の、希少ではあるが、活物質層に本質的な影響を及ぼす粗大粒子、即ち、単にセパレータの傷付きの有無に影響するものではなく、前述の電流密度の疎密化やリチウム金属の析出等の原因となる粗大粒子の存在を確認し、いかなる粉体特性を満たせば、十分な性能を得ることができるか、その評価手法と取得手法を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明では、粗大粒子を排除する条件として、前述の試料分散液について、JIS K5400による粒ゲージ測定により最大分散粒子径を測定し、この最大分散粒子径を基準とし、この値が50μm以下となるような粗大粒子を含まない負極活物質とする。
このように、試料分散液をJIS K5400 粒ゲージ法で測定することによって、炭素質粉末状の負極活物質の製造過程で種々の原因により持ち込まれたり、また、活物質層形成工程における塗布条件で凝集ないし粗大化することにより生じる粗大粒子を検知ないし予測することができる。本発明においては、この測定によって、粒が現れ始める粒子径が50μm以下となる炭素質粉末状の負極活物質を用いることにより、形成される活物質層表面の厚みムラを防止し、高度に均一なものとして電流密度の疎密を抑制する。特に、本発明においては、このような条件で粗大粒子のない活物質とすることにより、50μm以下というような極めて薄肉に形成した活物質層においても、該粗大粒子が活物質層中で、充放電の繰り返しによりリチウム金属が析出する際のある種の核として作用することを抑制し、後述する実施例によって説明されるような優れた電池特性を得ることができるものと推定される。
本発明において、上記最大分散粒子径の上限は50μm以下、好ましくは35μm以下、更に好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下であり、下限は5μm以上、好ましくは10μm以上である。最大分散粒子径が50μmを超えるような活物質では、形成される活物質層内において、前述の粗大粒子が充放電の繰り返しによりリチウム金属が析出するある種の核として作用し、リチウム金属の析出が進み、短絡を起こす原因となるものと考えられるため、最大分散粒子径は50μm以下とする。最大分散粒子径の好ましい上限は、負極集電体上に形成される活物質層の厚みとその均一性により、50μm以下の範囲で適宜決定される。一方、最大分散粒子径の好ましい下限は、これが小さすぎると充填性を損ないやすくなることによるものであり、通常、5μm以上とする。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質はまた、前記試料分散液について、JIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒子径35μm以上50μm以下の粒(以下「35〜50μm粒数」と称す。)が10個以下であることが好ましい。この35〜50μm粒数の上限は、より好ましくは8個以下、特に好ましくは5個以下である。下限については、少なければ少ないほど良いが、2個程度であれば、差し支えない。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質はまた、前記試料分散液について、JIS K5400粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される線条痕の占める割合が、ゲージ幅方向に50%以上に達する粒子径(以下、これを、「平均分散粒子径」と称す。)が、通常40μm以下、好ましくは35μm以下、更に好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下であることが好ましい。即ち、前述の試料分散液におけるJIS K5400に準拠した粒ゲージ測定方法では、通常、粗大粒子が線条痕として記録される。この粗大粒子が活物質に含まれる割合を示す指標として、線条痕がゲージ幅に占める割合が50%以上に達する粒子径を採用した。
なお、上記のJIS K5400粒ゲージ測定において、測定される粒子径は必ずしも、活物質粉末の粒子径ではなく、試料分散液中の分散粒子の粒子径であり、活物質粉末及び/又はカルボキシメチルセルロースが凝集してなる凝集粒子の粒子径なども含まれる。
本発明のリチウム二次電池用負極活物質はまた、レーザー回折式粒径分布計により測定された活物質粉末としての平均粒子径(D50)及び最大粒子径(Dmax)が次のような値であることが好ましい。
[活物質粉末の平均粒子径(D50)]
平均粒子径(D50)は、レーザー回折式粒径分布計において、体積基準粒子径分布のメジアン径(50%粒子径)である。本発明の負極活物質の炭素質粉末において、この(D50)は、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、更に好ましくは13μm以下、特に好ましくは10〜13μmである。
即ち、前述のJIS K5400粒ゲージ法による粒子径は、実際に活物質層を形成した場合、活物質層内に存在し得る粗大粒子の最大粒子径に対応するのに対して、レーザー回折式粒径分布径で測定される活物質の平均粒子径は、活物質粒子の平均的な大きさを示す。従って、レーザー回折式粒径分布計で得られる値は、電極厚みとの相関を示す指標ではなく、電池性能との相関を図る上で重要な指標となる。
活物質の平均粒子径(D50)が上記上限を超えると活物質内へのリチウムイオンの拡散性が悪化し、電池の入出力特性が低下する。この平均粒子径(D50)の下限は通常5μm以上、好ましくは7μm以上である。平均粒子径(D50)が5μm未満の活物質を用いると、活物質の充填性が悪化するため、平均粒子径(D50)は5μm以上が好ましい。
[活物質の最大粒子径(Dmax)]
レーザー回折式粒径分布計による最大粒子径(Dmax)の上限は、通常70μm以下、好ましくは60μm以下、更に好ましくは52μm以下、特に好ましくは45μm以下、中でも特に好ましくは45〜52μmであり、下限値は通常20μm以上である。最大粒子径(Dmax)が20μ未満の活物質を用いると、活物質の充填性が悪化するばかりでなく、電池電極内の空隙構造が細分化され、リチウムイオンの移動が妨げられ、電池出力が低下する。そのため、最大粒子径(Dmax)は20μm以上が好ましい。
前述の如く、JIS K5400粒ゲージ法による最大分散粒子径は、スラリー状の活物質が実際に集電体上に塗布される状況に即した値であるのに対し、レーザー回折式粒径分布径による最大粒子径(Dmax)は、個々の粒子を球換算した粒子径分布に従って算出された最大粒子径(100%粒子径)である。即ち、JIS K5400粒ゲージ法の最大分散粒子径は、均一な極板を得るのに障害となる粗大粒子の大きさと個数を示す。更にこの最大分散粒子径では、例えば扁平な異方性を有する粒子であれば、測定時にその長軸方向をゲージ面と平行にして測定される確率が高いため、レーザー回折式粒径分布径で測定される最大粒子径(Dmax)よりも低い値が得られる場合がある。
更に、本発明のリチウム二次電池用負極活物質は、窒素ガス吸着法によるBET法比表面積の上限が通常13m/g以下、好ましくは8m/g以下、更に好ましくは5m/g以下、特に好ましくは2.5〜4.5m/gであり、下限が通常1m/g以上、好ましくは2m/g以上、更に好ましくは2.5m/g以上であることが好ましい。この値が上記上限を超えると、保存耐久性が悪化しやすくなり、下限を下回ると、入出力特性が悪化しやすくなる。
次に、本発明のリチウム二次電池用負極活物質を構成する炭素質粉末材料について説明する。
活物質の「炭素質」とは、リチウムを吸蔵及び放出し得る炭素質材料を含むものであれば特に限定されないが、その具体例としては、黒鉛質、非晶質、黒鉛質・非晶質の複合系があり、本発明ではいずれのものであっても良い。
黒鉛質とは、人造黒鉛、天然黒鉛、メソフェーズピッチ系黒鉛、黒鉛化炭素繊維、これらの高純度精製品、これらの再加熱処理品、或いはこれらの混合物から選ばれる黒鉛質炭素であって、その形態として、例えば、異なる種類の黒鉛質炭素粒子が混在した混合粒子や、黒鉛質炭素微粒子が等方的に多数結合した造粒粒子が挙げられる。また、以下の粉末状態にあるものが好適に用いられる。
即ち、結晶面(002)の面間隔d002が0.348nm以下、且つ積層層の厚さLcが10nm以上である黒鉛粉体を用いることが好ましい。結晶面(002)の面間隔d002が0.338nm以下、且つ積層層の厚さLcが20nm以上のであるものは更に好ましく、結晶面(002)の面間隔d002が0.337nm以下、且つ積層層の厚さLcが40nm以上であるものは最も好ましい。
また、リチウムイオンが黒鉛層間に格納されて生成する層間化合物であるC6Liを基準にした炭素1gあたりの容量理論値は372mAhである。このようにして選定した黒鉛質は、充放電レートを0.2mA/cm2とした、リチウム金属対極を用いた半電池による電気容量測定において、比容量が320mAH/g以上、より好ましくは340mAh/g以上、更に好ましくは350mAH/g以上と、上記理論に近ければ近いほど好適に用いられる。
非晶質とは、その結晶面(002)の面間隔d002が0.349nm以上、且つ積層層の厚さLcが10nm未満である炭素質粉体を用いることが好ましい。結晶面(002)の面間隔d002が0.349nm以上0.355nm以下、且つC軸方向の結晶子の厚さLcが7nm以下であるものは更に好ましく、特にLcについては、1.5〜10nm、更には1.5〜5nmであるものが最も好ましい。
非晶質は、その形態として、例えば、異なる種類の非晶質炭素粒子が混在した混合粒子や、非晶質炭素微粒子が多数結合した造粒粒子が挙げられる。
黒鉛質・非晶質の複合系としては、前記した黒鉛質材料及び非晶質材料を含む形態に特に制限はないが、例えば、黒鉛質粉末を非晶質材料で一部又は全部被覆したもの、黒鉛質粉末と非晶質材料の混合体、黒鉛微粒子が非晶質あるいはその黒鉛化物を介して、少なくとも一部が等方的に多数結合した人造黒鉛等が挙げられる。これらの中でも、黒鉛質粉末を非晶質材料で一部又は全部被覆したものが、高容量、高出力特性と大電流によるパルスサイクル耐久性の性能が得られる点で、特に大型駆動電源、電気自動車、ハイブリッド自動車の用途において好適に用いられる。
これら黒鉛質、非晶質等を含めて、本発明の炭素質粉末状負極活物質の物性としては、波長514.3nmのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトルにおいて、その1580〜1620cm-1の範囲に現れるピーク強度をIA、そのピークの半値幅をΔν、1350〜1370cm-1の範囲に現れるピーク強度をIBとしたときの、ピーク強度比R(=IB/IA)の上限が0.7以下であるものが好ましく、0.5以下であるものはより好ましく、0.3以下であるものは更に好ましい。また、このピーク強度比Rの下限が0.01以上であるものが好ましい。更に、前記半値幅Δνの上限が60cm-1以下、好ましくは40cm-1以下、より好ましくは30cm-1以下、特に好ましくは24cm-1以下であるものが好ましい。この半値幅Δνの下限は、狭いほど好ましいが、通常は14cm-1以上である。
本発明の活物質に適用される炭素質材料の製法は特に限定されるものではないが、例えば以下に述べる炭素前駆体から、適宜、焼成条件を変えることによって、炭化、又は黒鉛化することにより得ることができる。
この場合、液相で炭素化を進行させる炭素前駆体としては、軟ピッチから硬ピッチまでのコールタールピッチ、或いは乾留液化油などの石炭系重質油、常圧残油、減圧残油の直流系重質油、原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等分解系石油重質油、更にアセナフチレン、デカシクレン、アントラセン、フェナントレンなどの芳香族炭化水素、フェナジンやアクリジンなどのN環化合物、チオフェン、ビチオフェンなどのS環化合物、ビフェニル、テルフェニルなどのポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、これらのものの不溶化処理品、含窒素性のポリアクニロニトリル、ポリピロールなどの有機高分子、含硫黄性のポリチオフェン、ポリスチレンなどの有機高分子、セルロース、リグニン、マンナン、ポリガラクトウロン酸、キトサン、サッカロースに代表される多糖類などの天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂等の熱硬化性樹脂、以上のものとベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、n−へキサンなどの低分子有機溶媒の混合品、などから選ばれる一種以上の炭素化可能な有機化合物が用いられる。
以下に、炭素質粉末状のリチウム二次電池用負極活物質を得るための一般的手法を説明する。
炭素質粉末状負極活物質を製造するには、まず、黒鉛質粉末及び/又は非晶質粉末を、粉砕、分級する。黒鉛質粉末、非晶質粉末の粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミルなど)や、各種ボールミル(転動式、振動式、遊星式など)、攪拌ミル(ビーズミルなど)、スクリーンミル、ターボミル、ジェットミル等、好ましい粒径域に粉砕できるものであれば、あらゆる粉砕機が使用できる。また、粉砕は湿式でも乾式でも実施可能である。
得られた粉末を所定の粒径範囲とするための分級操作は、粒子の分離が可能であれば何れでも良く、乾式でも湿式でも実施可能である。湿式あるいは乾式の篩法や強制渦流式遠心分級機(ミクロンセパレータ、ターボプレックス、ターボクラシファイアー、スーパーセパレータ)、慣性分級機(エルボジェットなど)等の気流式分級機、更に湿式の沈降分離法や遠心分級法も採用できる。
また、本発明では、黒鉛質として、異なる種類の黒鉛質炭素粒子が混在した混合粒子を用いる場合には、適宜複数種の黒鉛質炭素粒子を所望の種類及び比率で混合すればよい。また、黒鉛質として、黒鉛質炭素微粒子が等方的に多数結合した造粒粒子を用いる場合の製法としては、例えば、一種あるいは2種以上の黒鉛質炭素微粒子と炭素前駆体とを、更に必要に応じて溶媒(通常、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の有機溶媒等)と共に混合機或いは混練機を用いて混合し、黒鉛質炭素微粒子と同等の結晶構造となるまで、通常2800℃以上、中でも2900℃以上、通常3500℃以下、中でも3100℃以下程度の温度下で、通常、前記混合物が酸化し難い条件で加熱処理することが好ましく、例えば真空中、混合物や、加熱処理の過程で原料に由来して発生する揮発ガス雰囲気中、窒素等の不活性ガス雰囲気下で焼成、その後、適宜、粉砕、分級し所望の粒度に調整する方法が挙げられる。この際、黒鉛質炭素微粒子と炭素前駆体と必要に応じて溶媒を混合し、一旦、通常、ブロック状、棒状等の形状に成形して加熱、焼成処理を行う。なお、ここで用いる混合機としては、高速剪断ミキサー、ビーズミル、ヘンシェルキミサー、内部にシャフトとシャフトに固定された攪拌翼が位相を変えて複数配置された混合槽を具備したミキサー等の縦型あるいは横型の混合機が挙げられる。また、混練機としては、混合槽の側面に沿ってシグマ型等の攪拌翼が回転するいわゆるニーダー形式の装置や、通常樹脂加工等にも用いられる一軸あるいは二軸の混練機等の混練機が挙げられる。
また、本発明では、非晶質として、異なる種類の非晶質炭素粒子が混在した混合粒子を用いる場合には、適宜複数種の非晶質炭素粒子を所望の種類及び比率で混合すればよい。また、非晶質として、非晶質炭素微粒子が多数結合した造粒粒子を用いる場合の製法としては、例えば、1種あるいは2種以上の非晶質炭素微粒子と炭素前駆体とを、更に必要に応じて溶媒(通常、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素系溶媒等の有機溶媒等)と共に混合機或いは混練機を用いて混合し、炭素前駆体が黒鉛構造には成長しない温度、通常700℃以上、好ましくは800℃以上、中でも1000℃以上、通常2800℃以下、中でも2000℃以下、特に1500℃以下程度の温度下で、通常、前記混合物が酸化し難い条件で加熱処理することが好ましく、例えば真空中、混合物や加熱処理の過程で原料に由来して発生する揮発ガス雰囲気中、窒素等の不活性ガス雰囲気下で焼成、その後、適宜、粉砕、分級し所望の粒度に調整することが挙げられる。ここで用いる混合機としては、高速剪断ミキサー、ビーズミル、ヘンシェルキミサー、内部にシャフトとシャフトに固定された攪拌翼が位相を変えて複数配置された混合槽を具備したミキサー等の縦型あるいは横型の混合機が挙げられる。また、混練機としては、混合槽の側面に沿ってシグマ型等の攪拌翼が回転するいわゆるニーダー形式の装置や、通常樹脂加工等にも用いられる一軸あるいは二軸の混練機等の混練機が挙げられる。
本発明では、電池の用途に応じて、黒鉛質粉体と非晶質粉体を任意の量比で混合して用いることもできる。この場合、黒鉛質粉体と非晶質粉体の混合割合は、如何なる量比でも使用可能であるが、黒鉛質粉体と非晶質粉体の合計量に対する黒鉛質粉体の重量比は、好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上である。黒鉛質粉体と非晶質粉体の合計量に対する非晶質粉体の割合が多いと非晶質に特徴的な不可逆容量の影響が大きくなるので、通常、40%以下とするのが良い。
更に、本発明では、黒鉛質粉体を母剤として、非晶質炭素を複合化した粉体も活物質として使用可能である。この場合、母剤としての黒鉛質粉体は、前述の黒鉛質炭素の要件を満たすと共に、以下の粒径及び比表面積の要件を満たすものから選択可能である。一方、複合化される非晶質としては、前述の非晶質炭素の要件を満たすものから選択可能である。
母剤となる黒鉛質粉体の好ましい粒径と比表面積は、次の通りである。レーザー回折式粒径分布計において、平均粒子径(D50)が、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、更に好ましくは13μm以下、特に好ましくは8〜13μm。BET比表面積は、15m/g以下、好ましくは2m/g以上13m/g以下、更に好ましくは3m/g以上12m/g以下、最も好ましくは、8m/g以上12m/g以下である。
黒鉛質と非晶質の複合化は、非晶質を得るための炭素前駆体をそのまま用いて炭素前駆体と黒鉛質粉体との混合物を加熱処理し、その後粉砕処理して複合粉体を得る方法、前述の非晶質粉体を予め作成しておき、黒鉛質粉体と混合し、加熱処理して複合化する方法、前述の非晶質粉体を予め作成しておき、黒鉛質粉体と非晶質粉体と炭素前駆体とを混合し、加熱処理して複合化する方法などが採用可能である。なお、後二者の予め非晶質粉体を用意しておく方法では、平均粒子径が黒鉛質粒子の平均粒径の10分の1以下の非晶質粒子を用いることが好ましい。
通常、かかる黒鉛質粒子、あるいは黒鉛質粒子と非晶質粒子の混合物と炭素前駆体を混合したものを加熱し中間物質を得て、その後炭化焼成、粉砕することにより、最終的に黒鉛粒子に非晶質物を複合化させた黒鉛非晶質複合粉末を得ることができるが、このような黒鉛非晶質複合粉末中の非晶質物の割合は50重量%以下、好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下で、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは2重量%以上となるように調整するのがよい。
かかる黒鉛非晶質複合粉末を得るための製造工程は、通常、以下の4工程に分けられる。
第1工程:黒鉛質粒子あるいは黒鉛質粒子と非晶質粒子の混合粉体と炭素前駆体、更に必要に応じて溶媒とを種々の市販の混合機や混練機等を用いて混合し、混合物を得る。
第2工程:必要に応じ前記混合物を攪拌しながら加熱し、溶媒を除去した中間物質を得る。
第3工程:前記混合物又は中間物質を、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で700℃以上2800℃以下に加熱し、黒鉛非晶質複合物質を得る。
第4工程:前記複合物質を必要に応じて粉砕、解砕、分級処理など粉体加工する。
これらの工程中、第2工程及び第4工程は場合によっては省略可能であり、第4工程は第3工程の前に行っても良い。
また、第3工程の加熱処理条件としては、熱履歴温度条件が重要である。その温度下限は炭素前駆体の種類、その熱履歴によっても若干異なるが通常700℃以上、好ましくは900℃以上である。一方、上限温度は基本的に黒鉛粒子核の結晶構造を上回る構造秩序を有しない温度まで上げることができる。従って熱処理の上限温度としては、通常2800℃以下、好ましくは2000℃以下、更に好ましくは1500℃以下が好ましい範囲である。このような熱処理条件において、昇温速度、冷却速度、熱処理時間などは目的に応じて任意に設定することができる。また、比較的低温領域で熱処理した後、所定の温度に昇温することもできる。なお、本工程に用いる反応機は回分式でも連続式でも又、一基でも複数基でも良い。
このようにして得られた黒鉛質に非晶質を複合させた材料は、ラマンスペクトル分析によるピーク強度比R値や、1580cm-1の付近のピークの半値幅Δν、X線広角回折の回折図において得られるd002、Lcの値において、黒鉛質材料の結晶化度を上回らないこと、即ちR値は黒鉛質のその値以上で、半値幅Δνは黒鉛質のその値以上、d002値は黒鉛質のその値以上で、Lcは黒鉛質のその値以下であることが好ましい。具体的な黒鉛非晶質複合粉末材料のR値としては、0.01以上1.0以下、好ましくは0.05以上0.8以下、より好ましくは0.2以上0.7以下、更に好ましくは0.3以上0.5以下の範囲で、かつ、母剤となる黒鉛質の値以上であることが挙げられる。
このような黒鉛非晶質複合粉末材料は、黒鉛質炭素に特徴的な低電位な充放電曲線を有することから発現する高出力な性質と、非晶質炭素に特徴的な優れたリチウム受け入れ性とを兼ね備えているため、高出力でかつ高パルス耐久性な性能が得られることから、本発明の活物質としてより好適であり、このことは、大型駆動電源、電気自動車、特にハイブリッド自動車の用途においてより顕著である。
以下に、上述のようにして製造される炭素質粉末状であって、前述の特定の最大分散粒子径、更には35〜50μm粒数、平均分散粒子径等の条件を満たす、本発明のリチウム二次電池用負極活物質を調製する方法について説明する。
従来、リチウム二次電池用負極活物質は、黒鉛質粉末、非晶質粉末、黒鉛質・非晶質の複合化粉末を粉砕、分級して用いられていたが、従来の通常の分級では、篩の目開きを選択しても、扁平な粒子などは篩を通ってしまい、このような粗大粒子が、一度混入してしまうと取り除くことができず、この粗大粒子が、セパレータを傷付けることはなくても、活物質層内でリチウム金属の析出の核になるなど、電池性能に悪影響を及ぼしていた。
本発明では、前述の特定の最大分散粒子径、更には35〜50μm粒数、平均分散粒子径等の条件を満たす活物質を得るために、例えば、次のような技術的工夫をする。
(1) 篩分け操作を繰り返すことにより、粗大粒子を確実に除去する。通常、ASTM400メッシュ以下の篩で、2回以上、好ましくは4回以上篩分けを繰り返すことで、扁平な粒子の篩分けを行って粗大粒子を確実に除去する。
(2) 湿式篩を用いて、分級効率を上げる。
例えば、媒体として、水、エタノール等のアルコール類等の活物質粉末との反応性のない液体、あるいはその混合液を用い、篩上で、固形分濃度として、通常1重量%以上、中でも5重量%以上で、通常20重量%以下、中でも10重量%以下程度に維持されるようにするのが良い。この固形分濃度が20重量%を超えると、活物質粉末が目詰まりを起こしやすく生産性が低下しやすくなる。また、粗大粒子が篩上の媒体液面方向に移行することでより分離が確実になるが、固形分濃度が20重量%を超えると粗大粒子が媒体液面方向に移行しにくい傾向がある。一方、固形分濃度が1重量%を下回ると、生産性が低下し、かえって扁平な粗大粒子が回転して篩の目開きを通過してしまう機会が増えやすくなる。
このような湿式篩を、2回以上、更には4回以上通過させる処理を行うのが好ましい。なお、後述する、風力式分級機と湿式分級機とを組み合わせて用いることもできる。
(3) 風力式分級を通常2回以上、好ましくは4回以上繰り返すことによって、粗大粒子を確実に除去する。通常、この上限回数としては、対象とする活物質の性状により異なり一概に言えないが、10回以下、中でも8回以下程度である。
用いる風力式分級機の風量が大きすぎると、粗大粒子が含まれたまま活物質粉末が取り出されてしまう。また、処理する活物質粉末の供給量が多すぎると、粒子あたりの気流から受けるエネルギーが小さく、分級点の調整が困難で、目的とする活物質粉末が製造しにくい。更に、扁平な活物質粒子の風力分級においては、粗大粒子であるほど気流の当たる方向によって抵抗の差が大きくなりやすいため、より制御上の工夫を要する。
風力分級をより確実にするためには、粗大粒子が気流によって小粒子に同伴して浮遊し混入してしまうことがないようにするために、処理量を少なくして、粗大粒子の落下がスムーズに行われるようにすると良い。また、粗粉を含まない粉体を効率良く分級するためには、原料供給量を低減させることが有効である。因みに、その低減の程度は、一般的な粗大粒子を含む従来条件に対して4分の1〜3分の1の粉体供給量が好ましい。
また、粉体の分級室の、気流導入位置から目的とする粉体を含有する気流の抜き出し口までの気流空間を縦方向に長めにとるなどの工夫も大切である。
風力式分級の具体的条件としては、平均粒子径(D50)が20μm以下の粉体の風力式分級について、工業的な分級機としては、通常、下限としては5m/分以上、中でも10m/分以上、上限としては80m/分以下、中でも50m/分以下の、活物質粉体に反応性のない気体流、通常は、空気を供給することにより、下限としては、通常0.5kg/分以上、中でも1kg/分以上、上限としては、通常10kg/分以下、中でも8kg/分以下の処理速度で粉体を分級するのが良い。
次に、本発明のリチウム二次電池負極について説明する。
本発明のリチウム二次電池負極は、集電体上に、負極活物質と、結着及び増粘効果を有する有機物とを含有する活物質層(以下「負極合剤層」と称す場合がある。)を形成してなるものであり、活物質層の厚さが50μm以下であり、JIS B0601に準拠して測定される算術平均粗さ(Ra)が5μm以下であることを特徴とする。このように活物質層を薄肉化しても、表面が高度に均一化された活物質層であれば、後述する実施例に示すように、パルス充放電の長期サイクル特性に優れたリチウム二次電池を実現することができる。
なお、この表面粗さ(Ra)は、レーザー顕微鏡を用い、JIS B0601に従って、中心線平均粗さ(Ra)をレーザー回折式粒径分布計で計測される前述の平均粒子径(D50)の10倍を目安にした測定区間内で算出することにより行われる。活物質粉体の粒子径にもよるが、通常この測定区間は100μmで実施するのが適当である。
この活物質層の表面粗さ(Ra)の上限は5μm以下、好ましくは2μm以下であり、下限は小さいほど良いが、0.1μm程度であればリチウム金属の析出を確実に防止することができる。
通常、活物質層は集電体の両面に設けられることが多いが、本発明のリチウム二次電池負極によれば、活物質層1層(片側)の厚さを、100μm以下、中でも80μm以下、その中でも50μm以下、特に40μm以下、例えば30〜40μmに薄肉化することもできる。
このような本発明のリチウム二次電池負極の活物質層は、前述の本発明のリチウム二次電池用負極活物質を活物質として用いることにより実現することができる。
負極活物質層(負極合剤層)は、前述の如く、通常、負極活物質と結着及び増粘効果を有する有機物を水系溶媒あるいは有機溶媒中に分散させたスラリー状のものを、金属箔などの集電体上に薄く塗布・乾燥する工程、続いて所定の厚み・密度まで圧密するプレス工程により形成される。負極活物質層(負極合剤層)の密度は、通常0.9g/cm以上、中でも1.2g/cm以上、特に1.5g/cm以上であり、通常2.2g/cm以下、中でも1.9g/cm以下、特に1.7g/cm以下であることが好ましい。
負極活物質層の形成に用いられる、結着及び増粘効果を有する有機物としては、特に制限はないが、通常、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明において好ましいものとして結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体を挙げることができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。これらの材料の中でより好ましい材料は、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−アクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体である。
負極活物質層には、必要に応じて、負極用導電剤を用いることもできる。負極用導電剤は、電子伝導性材料で、活物質層の均一性を損なわないものであれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類及びポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラック、炭素繊維が特に好ましい。通常、導電剤は、平均粒径が、3μm以下、中でも1μm以下の粒径のものを用いることが極板での粗大粒子の形成を抑える点でより効果的である。導電剤の平均粒径の下限は、数nm程度であれば、極板の性能上特に支障はない。
負極活物質層には、上記導電剤の他、更にフィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤及びその他の各種添加剤を配合することができる。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。
活物質スラリーの調製には、水系溶媒又は有機溶媒が分散媒として用いられる。
水系溶媒としては、通常、水が用いられるが、これにエタノール等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の環状アミド類等の添加剤を水に対して、30重量%以下程度まで添加することもできる。
また、有機溶媒としては、通常、N−メチルピロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類、アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類が挙げられ、中でも、N−メチルピロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類等が好ましい。
活物質、結着剤である結着及び増粘効果を有する有機物、及び必要に応じて配合される負極用導電剤、その他フィラー等をこれらの溶媒に混合して活物質スラリーを調製し、これを負極用集電体に所定の厚みとなるように塗布することにより負極活物質層が形成される。
なお、この活物質スラリー中の活物質の濃度の上限は通常70重量%以下、好ましくは55重量%以下であり、下限は通常30重量%以上、好ましくは40重量%以上である。活物質の濃度がこの上限を超えると活物質スラリー中の活物質が凝集しやすくなり、下限を下回ると活物質スラリーの保存中に活物質が沈降しやすくなる。
また、活物質スラリー中の結着剤の濃度の上限は通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下であり、下限は通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量以上である。結着剤の濃度がこの上限を超えると電極の内部抵抗が大きくなり、下限を下回ると得られた電極と電極粉体の結着性に劣るものとなる。
更に、活物質スラリー中の前述の負極用導電剤の濃度は0〜5重量%であることが好ましく、その他のフィラー等の濃度は0〜30重量%であることが好ましい。
負極用集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でも良い。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケルあるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。このような負極集電体の厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
なお、本発明においては、前述の負極活物質層の表面平均粗さ(Ra)5μm以下を満たすために、活物質、結着剤、必要に応じてその他の成分を溶媒中に配合してなる活物質スラリーを、集電体上への塗布に先立ち、篩による濾過を行っても良い。この場合、通常、ASTM270メッシュ(目開き53μm)以下、好ましくはASTM325メッシュ以下(目開き43μm)、更に好ましくはASTM400メッシュ以下(目開き35μm)の篩を用いて、通常1回以上、好ましくは2回以上、濾過操作を行うことが好ましい。この濾過操作における温度条件の下限は、通常5℃以上、特に10℃以上であり、上限は50℃以下、特に30℃以下とするのが好ましい。この温度条件が、上記上限を超えると分散媒が蒸発しやすくなり、下限を下回ると分散媒の粘度が上昇しやすくなる。
また、この濾過操作において、篩目の下側は、濾過が進行するに従い、大気圧よりも加圧されてくるため、定期的に大気開放して圧力を大気圧に戻すのが好ましい。更に、篩下側を減圧状態にしても良い。このときの減圧条件としては10〜30kPa程度の減圧が好ましい。また、篩上側には、スクレパーを取り付け、分散液が篩目に常に均一に接するように、塗り付けるように攪拌することも好ましい。
次に、リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、及び、電解質を有し、負極として、このような本発明のリチウム二次電池負極を用いた、本発明のリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池における正極極板も、負極極板と同様に集電体上に、正極活物質と、結着及び増粘効果を有する有機物(結着剤)を含有する活物質層(以下「正極合剤層」と称す場合がある。)を形成してなり、負極活物質層と同様、正極活物質層も、通常、正極活物質と結着及び増粘効果を有する有機物を水あるいは有機溶媒中に分散させたスラリー状のものを、金属箔などの集電体上に薄く塗布・乾燥する工程、続いて所定の厚み・密度まで圧密するプレス工程により形成される。
正極活物質材料には、リチウムを吸蔵・放出できる機能を有している限り特に制限はないが、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。
リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yz、LixMn24、LixMn2-yy4(M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも一種。x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3)が挙げられる。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。更にCo、Ni、Mnの一部を他の遷移金属などの元素で置き換えたものを使用することもできる。ただし、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物及びそのリチウム化合物、ニオブ酸化物及びそのリチウム化合物、有機導電性物質を用いた共役系ポリマー、シェブレル相化合物等の他の正極材料を用いることも可能である。また、複数の異なった正極材料を混合して用いることも可能である。正極活物質粒子の平均粒径は、特に限定はされないが、1〜30μmであることが好ましい。
正極活物質層には、正極用導電剤を用いることができる。正極用導電剤は、用いる正極材料の充放電電位において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でも良い。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラックが特に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、正極材料に対して1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が特に好ましい。
正極活物質層の形成に用いられる結着及び増粘効果を有する有機物としては、特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであっても良い。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体又は前記材料の(Na)イオン架橋体を挙げることができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。これらの材料の中でより好ましい材料はポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
正極活物質層には、上記導電剤の他、更にフィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤及びその他の各種添加剤を配合することができる。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、活物質層中の含有量として0〜30重量%が好ましい。
正極活物質スラリーの調製には、負極活物質スラリーの分散媒として前述したものと同様の水系溶媒又は有機溶媒が用いられる。
活物質、結着剤である結着及び増粘効果を有する有機物及び必要に応じて配合される正極用導電剤、その他フィラー等をこれらの溶媒に混合して活物質スラリーを調製し、これを正極用集電体に所定の厚みとなるように塗布することにより正極活物質層が形成される。
なお、この活物質スラリー中の活物質の濃度の上限は通常70重量%以下、好ましくは55重量%以下であり、下限は通常30重量%以上、好ましくは40重量%以上である。活物質の濃度がこの上限を超えると活物質スラリー中の活物質が凝集しやすくなり、下限を下回ると活物質スラリーの保存中に活物質が沈降しやすくなる。
また、活物質スラリー中の結着剤の濃度の上限は通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下であり、下限は通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量以上である。結着剤の濃度がこの上限を超えると電極の内部抵抗が大きくなり、下限を下回ると得られた電極と電極粉体の結着性に劣るものとなる。
正極用集電体としては、用いる正極材料の充放電電位において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でも良い。例えば、材料としてステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボンあるいはチタンを処理させたものが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などが用いられる。このような正極集電体の厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
本発明のリチウム二次電池において、負極板と正極板の構成は、少なくとも正極活物質層面の対向面に負極活物質層面が存在していることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池に用いられる電解質としては、非水溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成される非水電解液が挙げられる。
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合系、または環状カーボネートと鎖状カーボネート及び脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい。
これらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、たとえばLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO22、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、イミド類等を挙げることができ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6を含ませることがより好ましい。
本発明における特に好ましい非水電解液は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを少なくとも含み、支持塩としてLiPF6を含む電解液である。
このような電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極材料や負極材料の量や電池のサイズによって必要量を用いることができる。支持電解質であるリチウム塩の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5mol/lとすることがより好ましい。
また、電解質としては、上述のような電解液の他に次の様な固体電解質も用いることができる。固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでもLi4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1-x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが有効である。有機固体電解質では、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体、混合物、複合体などのポリマー材料が有効である。
更に、放電や充放電特性を改良する目的で、他の化合物を電解質に添加することも有効である。このような添加剤としては、例えば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。
本発明に用いられるセパレータとしては、大きなイオン透過度と、所定の機械的強度を有する、絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、このセパレータは一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎水性の面から、セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの単独又は組み合わせたオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などからつくられたシートや不織布または織布が用いられる。セパレータの孔径は、電極より脱離した正負極材料、結着剤、導電剤が透過しない範囲であることが望ましく、例えば、0.01〜1μmであるものが望ましい。セパレータの厚みは、一般的には、10〜300μmが用いられる。また、空孔率は、電子やイオンの透過性と素材や膜厚に応じて決定されるが、一般的には30〜80%であることが望ましい。
また、ポリマー材料に、溶媒とその溶媒に溶解するリチウム塩とから構成される有機電解液を吸収保持させたものを正極合剤、負極合剤に含ませ、更に有機電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性のセパレータを正極、負極と一体化した電池を構成することも可能である。このポリマー材料としては、有機電解液を吸収保持できるものであれば良いが、特にフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体が好ましい。
このようなセパレータの厚みの上限は通常60μm以下、好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下であり、下限は通常10μm以上、好ましくは15μm以上である。セパレータの厚みが上記上限を超えると電池の内部抵抗が上昇しやすくなり、下限を下回ると正負極が短絡しやすくなる。
本発明のリチウム二次電池の形状は特に制限されず、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型のいずれでも良く、また、小型のリチウム二次電池に限らず、電気自動車等に用いる大型のものなどいずれのタイプのものにも適用することができる。
本発明のリチウム二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いることができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
本発明によれば、JIS K5400粒ゲージ測定による最大分散粒子径が50μm以下の負極活物質を用いることにより、パルスサイクルにおける内部抵抗上昇、負極表面上のリチウム金属析出を有効に抑制することができ、例えば、10C(電池容量の10倍の電気量を1時間でながす電流値)10秒パルス(10C電流を10秒続ける)充放電を10万サイクル実施した場合に、その内部抵抗の上昇(換言すれば出力の低下)を10%以内に収めることができ、リチウム二次電池の高電流値におけるパルス充放電サイクル特性を大幅に改善することができる。
従って、本発明によれば、例えば、リチウム二次電池として、10Cの高負荷電流条件でパルス充放電サイクル試験を実施したときに、20万サイクルを経ても安定して充放電を繰り返し、70%以上の電池容量回復率を示す、高出力・高入力性のリチウム二次電池が提供される。このような高出力・高入力特性を示す本発明のリチウム二次電池は、上述の幅広いリチウム二次電池の用途のうち、特に、高出力・高入力性が要求される電気ドリルやカッターなどの大型駆動電源や、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等、とりわけ、ハイブリッド自動車用のリチウム二次電池として好適である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
表1における実施例4に記載される、市販の天然黒鉛粉末と、ナフサ熱分解時に得られる石油系重質油を混合し、不活性ガス中で900℃の炭化処理を施し、しかる後に焼結物を粉砕・分級処理することにより、黒鉛粒子表面が非晶質炭素で被覆された非晶質被覆黒鉛を得た。分級処理に際しては、粗大粒子の混入を防ぐため、ASTM400メッシュの篩いを5回繰り返して非晶質被覆黒鉛よりなる負極活物質粉末を得た。残炭率から、得られた負極活物質粉末は、黒鉛100重量部に対して2重量部の非晶質炭素で被覆されていることが確認された。
この活物質粉末に対し、以下の手法に従って、X線測定、ラマン測定、レーザー回折式粒径分布測定、比表面積測定、JIS K5400 粒ゲージ測定による各種分析を行った。その結果を表1に記載する。
(1)X線回折
試料に対して約15重量%のX線標準高純度シリコン粉末を加えて混合し、試料セルに詰め、グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法によって、広角X線回折曲線を測定した。測定により得られた広角X線回折曲線を学振法に基づき、(002)面の面間隔(d002)及びC軸方向の結晶子の大きさ(Lc)を測定した。
(2)ラマン測定
波長514.5nmのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm-1のピーク強度IAとその半値幅Δν、1350〜1370cm-1のピーク強度IBを測定し、その強度の比R=IB/IAを測定した。試料の調製にあたっては、粉末状態のものを自然落下によりセルに充填し、セル内のサンプル表面にレーザー光を照射しながら、セルをレーザー光と垂直な面内で回転させて測定を行った。
(3)体積基準平均粒子径・最大粒子径測定
界面活性剤にポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの2体積%水溶液を約1cc用い、これを予め活物質粉末に混合し、しかる後にイオン交換水を分散媒として、レーザー回折式粒度分布計にて、体積基準平均粒子径(D50)と最大粒子径(Dmax)を測定した。
(4)比表面積測定
予備乾燥として350℃に加熱し、15分間窒素ガスを流した後、窒素ガス吸着による相対圧0.3におけるBET1点法によって測定した。
(5)粒ゲージ測定
活物質粉末100gとカルボキシメチルセルロース2gと水200gを0.8Lの遊星運動式二軸混練機を用いて、公転780rpm、自転144回転、温度25℃で、30分間混合した。次に得られた分散液について、JIS K5400に準拠した粒ゲージ試験器を使用して、粒が現れ始める最大分散粒子径と、粗大粒子が作る線条痕の本数から、35〜50μm粒数を測定した。また、線条痕の占める割合が、ゲージ幅方向に50%以上に達する平均分散粒子径を測定した。
次に得られた非晶質被覆黒鉛粉末を負極活物質として、以下の手順で電池を作製し、以下の手法に従って、負極極板の表面粗さ測定と電池性能評価を行い、結果を表1に示した。
[正極の作製]
正極活物質としてのニッケル酸リチウム(LiNiO)90重量%と、導電剤としてのアセチレンブラック5重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した後、厚さ20μmのアルミ箔の両面に塗布して乾燥し、更にプレス機で70μmの厚さとなるように圧延した。これを幅52mm、長さ830mmに切り出し、正極とした。
[負極の作製]
負極活物質94重量部にカルボキシメチルセルロースとスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を固形分で各々3重量部となるように加え、蒸留水を分散媒として攪拌混合し、負極活物質スラリーとした。得られたスラリーは、通常既に均一に混合されているが、必要に応じてASTM325メッシュ(目開き43μm)の篩で3回濾過(裏ごし)を行った。裏ごしにより、スラリー中にまれに残留している活物質粉体の凝集物を破砕除去することができる。厚さ18μmの銅箔上にこの負極活物質スラリーを均一に塗布、乾燥後、更にプレス機で厚み40μmに圧延したものを、幅56mm、長さ850mmに切り出し、負極とした。これらの作業は25℃の環境下で行った。
[電解液の調製]
乾燥アルゴン雰囲気下で、精製したエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)の体積比3:3:4の混合溶媒に、1mol/リットルの濃度で、充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を電解質として溶解させ、電解液とした。
[電池の組立]
正極と負極は、多孔質ポリエチレンシートのセパレータ(厚さ25μm)をはさんで捲回して電極群とし、電池缶に封入した。その後、電極群を装填した電池缶に上記電解液を5ミリリットル注入し、電極に充分浸透させ、かしめ成形を行って18650型円筒電池を作成した。
(6)負極板の表面粗さ測定
作製した負極について、レーザー顕微鏡を使用して、表面粗さ測定を実施した。レーザー回折式粒径分布計で計測される負極活物質の平均粒子径(D50)の10倍の区間範囲を目安に測定を行い、これを5回繰り返した。実施例1では、100μmの区間で測定した。それぞれの測定データに対して、JIS B0601Bに準拠して、算術平均粗さ(Ra)の算出し、それらの平均値を表面粗さ(Ra)とした。
(7)電池性能の評価
1)初期充放電
25℃の室温環境下で充放電(容量確認)を行い、この結果を基にそれぞれのリチウム二次電池の充電状態を50%に調整した。
2)初期出力評価
25℃の室温環境下で、1)の状態の電池を、1/4C、1/2C、1.0C、1.5C、2.5C、3.0C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)の各電流値で10秒間定電流放電させ、各条件での放電における10秒後の電圧降下を測定した。それらの測定値から放電下限電圧を3.0Vとした際に、10秒間流すことのできる電流値Iを算出し、3.0×I(W)という式で計算される値をそれぞれの電池の初期出力とした。表1には、後述の比較例電池1の出力を100%としたときの出力比を示す。
3)高温サイクル試験
高温サイクル試験は、リチウム二次電池の実使用上限温度と目される60℃の高温環境下にて行った。2)で出力評価の終了した電池に対し、充電上限電圧4.1Vまで2Cの定電流定電圧法で充電した後、放電終止電圧3.0Vまで2Cの定電流で放電する充放電サイクルを1サイクルとし、このサイクルを500サイクルまで繰り返した。このときの1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を容量維持率とした。
4)パルスサイクル試験
パルスサイクル試験は、室温環境下25℃で行った。2)で出力評価の終了した電池を充電状態50%に調整し、その電圧を中心に、10Cの高負荷電流を充電方向、放電方向ともに約10秒通電し、休止時間も含め1サイクル15秒の試験を連続的に繰り返した。10万サイクル時点で電池を取り出し、次の手順でパルスサイクル後の回復率を算出した。1/2Cの電流値で、3.0Vまで放電した後、4.1Vまで充電し、再び3.0Vまで放電した時の放電容量を分子とし、1)の初期充放電での放電容量を分母として、回復率とした。
実施例2
黒鉛100重量部に対して、非晶質炭素8重量部の非晶質被覆黒鉛粉末を製造したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質粉末を調製し、同様に各種評価を行って、結果を表1に示した。
実施例3
黒鉛100重量部に対して、非晶質炭素18重量部の非晶質被覆黒鉛粉末を製造したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質粉末を調製し、同様に各種評価を行って、結果を表1に示した。
実施例4
市販の天然黒鉛粉末を分級処理したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質粉末を調製し、同様に各種評価を行って、結果を表1に示した。
実施例5
後述の比較例1で調製した粒子径が全体に大きい非晶質被覆黒鉛粉末をASTM400メッシュの篩に5回通過させて、粗大粒子の除去を精密に行ったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質粉末を調製し、同様に各種評価を行って、結果を表1に示した。
実施例6
後述の比較例2に記載の、多数の黒鉛微粒子がバインダーピッチの黒鉛化物を介して等方的に結合した人造黒鉛粉末をASTM400メッシュの篩に5回通過させて、粗大粒子の除去を精密に行ったこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質粉末を調製し、同様に各種評価を行って、結果を表1に示した。
実施例7
市販の非晶質炭素粉末を分級処理したこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質粉末を調製し、同様に各種評価を行って、結果を表1に示した。
比較例1
粒子径が全体に大きい非晶質被覆黒鉛粉末を負極活物質に使用すること以外は、実施例1と同様にして各種評価を行い、結果を表1に示した。
なお、この際、負極活物質スラリーの塗布に先立ち、裏ごし作業を実施したが、篩上には多数の粗大粒子が残留した。しかし、こうした作業だけでは、粗大粒子の除去は十分でなく、粒ゲージ試験では、多数の線条痕がゲージ上に残る結果となった。
得られた電池は、初期出力が低い値を示した。更にパルスサイクル試験においては、20万サイクルに到達する前に、測定中に電池電圧が3V以下に低下し、サイクル測定を中断する結果とった。電圧異常の原因は、電池素子内の局部短絡によるものと推定された。
比較例2
バインダーピッチ中に黒鉛微粒子を多数分散させ、黒鉛化と粉体加工処理を施し、黒鉛化物がバインダーピッチの黒鉛化物を介して等方的に結合した人造黒鉛粉末を作成した。この人造黒鉛粉末を負極活物質粉末としたこと以外は、実施例1と同様にして各種評価を行い、結果を表1に示した。
得られた電池は、比較例1と同様に、パルスサイクル試験が途中中断する結果となった。
比較例3
比較例1に記載の粒子径が全体に大きい非晶質被覆黒鉛粉末をASTM400メッシュの篩に1回通過させたものを負極活物質粉末としたこと以外は、実施例1と同様にして各種評価を行い、結果を表1に示した。
得られた電池は、比較例1と同様に、パルスサイクル試験が途中中断する結果となった。
Figure 0004765253

Claims (4)

  1. 炭素質粉末状のリチウム二次電池用負極活物質において、
    該活物質粉末100gを2gのカルボキシメチルセルロースと共に200gの水に分散させてなる分散液について、JIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒が現れ始める粒子径が、50μm以下であることを特徴とするリチウム二次電池用負極活物質。
  2. 請求項1において、前記JIS K5400 粒ゲージ法による分散度に準拠して測定される、粒子径35μm以上50μm以下の粒が10個以下であることを特徴とするリチウム二次電池用負極活物質。
  3. 集電体上に、活物質と、結着及び増粘効果を有する有機物とを含有する活物質層を形成してなるリチウム二次電池負極において、
    該活物質が炭素質粉末であり、該活物質層の厚さが50μm以下であり、JIS B0601に準拠して測定される算術平均粗さ(Ra)が5μm以下であることを特徴とするリチウム二次電池負極。
  4. リチウムを吸蔵・放出可能な正極、リチウムを吸蔵・放出可能な負極、及び、電解質を有するリチウム二次電池において、
    該負極として、請求項3に記載のリチウム二次電池負極を用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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