JP4762539B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば内燃機関の排気ガス中の酸素など、被測定ガス中の特定のガスを検出するためのガスセンサに関する。
従来から、ガスセンサの一つとして、先端部が閉じた中空軸状で内外面に電極層を有するガス検出素子を備えた酸素センサが知られている。このような酸素センサでは、基準ガスとしての大気を酸素検出素子の内側に導入し、外側に被測定ガスを接触させ、内外の酸素濃度差に応じて生じる酸素濃淡電池起電力を測定することによって、酸素濃度を検出する。
ところで、上記の酸素センサでは、温度が低い場合は固体電解質部材で構成された酸素検出素子の活性が充分でない。このため、発熱部を有するヒータを酸素検出素子の中空部に挿入したものがある。
さらに、ヒータの中心軸線が酸素検出素子中空部の中心軸線に対して偏心して配置されるとともに、ヒータの酸素検出素子との接触部分に高温発熱部を配した構成の酸素センサも知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。このような酸素センサでは、発熱部が酸素検出素子の必要部位に対して効率的に加熱を行い、酸素検出素子の局部的な昇温を効率良く短時間で行うことができる。これによって、酸素検出素子を早期に活性化し、早期に酸素濃度を検出することができる。
特開2000−266718号公報 特開2001−74687号公報
しかしながら、上述したヒータの中心軸線が酸素検出素子中空部の中心軸線に対して偏心して配置されるとともに、ヒータと酸素検出素子の接触位置に高温発熱部を配した構成の酸素センサでは、次のような課題があることが判明した。すなわち、このような酸素センサでは、接触位置のヒータ発熱を大きくし過ぎると、ヒータ内部の発熱体とヒータ表面の温度差が大きくなり、ヒータ表面部において、周方向の引張応力が高くなり、軸方向クラックが発生する可能性が高くなるという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。本発明は、ガス検出素子の局部的な昇温を効率良く短時間で行うことができ、ガス検出素子を早期に活性化して、早期にガス濃度の検出を可能とすることができるとともに、クラックの発生等を抑制して寿命の長期化を図ることのできるガスセンサを提供することを目的とする。
(請求項1)
上記目的を達成するために、本発明のガスセンサは、先端部が閉じた有底筒状で内外面に電極層を有するガス検出素子と、前記ガス検出素子の中空部に挿入され、その先端部に発熱部を有する棒状のヒータとを備え、前記ヒータの中心軸線が前記ガス検出素子の中空部の中心軸線に対して片側に寄るように偏心して配置されたガスセンサであって、前記ヒータは、セラミック基体と、該セラミック基体の内部に周方向に沿って埋設された発熱体とを具備し、前記ヒータの発熱部は、前記ガス検出素子の内壁に接触する接触部位に対応して設けられた高温発熱部と当該高温発熱部以外の発熱部とを有し、前記高温発熱部における前記発熱体の単位長さ当たりの最高抵抗値をRcとし、前記高温発熱部以外の発熱部における前記発熱体の単位長さ当たりの最低抵抗値をRsとしたとき、Rc/Rsが1.5〜3.0であり、且つ、前記発熱体は前記セラミック基体の厚さ方向中央より外側の位置に周方向に沿って埋設され、前記ヒータの外側表面と前記発熱体までの距離をd、前記ヒータの半径をRとしたとき、dが、5μm<d<250μm、2Rが1〜5mm、d/Rが0.16以下であることを特徴とする。
上記構成の本発明のガスセンサによれば、ヒータ各部の発生熱量とガス検出素子への伝熱量がバランスして、ヒータ各部に大きな温度差が生じないようにすることによって、クラックの発生を抑制し、寿命の長期化を図ることができる。
(請求項2)
また、本発明のガスセンサでは、前記ヒータの発熱部は、軸方向に沿って延び、周方向に列設された複数の本体部と、複数の該本体部のそれぞれについて、隣り合う本体部の端部を連結する接続部と、により一本に連なる前記発熱体が前記セラミック基体の内部に周方向に沿って埋設され、前記高温発熱部が、前記複数の本体部のうち中央に配設された本体部にあることを特徴とする。高温発熱部を発熱体の本体部のうち中央部に形成することで、ガス検出素子との接触位置を正確に形成することができる。
本発明によれば、ガス検出素子の局部的な昇温を効率良く短時間で行うことができ、ガス検出素子を早期に活性化して、早期にガス濃度の検出を可能とすることができるとともに、クラックの発生等を抑制して寿命の長期化を図ることのできるガスセンサを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る酸素センサの概略構成を示すものである。
同図に示すように、酸素センサ1は、酸素検出素子2と、ヒータ3とを備えている。酸素検出素子2は、ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質部材から構成され、先端が閉じた有底筒状に形成されている。酸素検出素子2の外面及び内面には、そのほぼ全面を覆うように、例えばPtあるいはPt合金により多孔質に形成された外側電極層20と内側電極層21とが設けられている。また、ヒータ3は、酸素検出素子2の中空部分に挿入されている。
上記酸素検出素子2の鍔部22付近の周囲を取り囲むSUS430製の主体金具5が設けられている。この主体金具5には、酸素センサ1を排気管等の取付部に取付けるためのねじ部51と、排気管の取付部への取付時に取付金具をあてがう六角部52と、ねじ部51と六角部52との間に突出部53を有している。なお、突出部53の先端面には、ガスケット7が設けられている。そして、主体金具5の内周面には、先端部に向かって縮径する金具側段部54が設けられており、この金具側段部54にパッキン55を介して後述するインシュレータ9を支持している。
主体金具5と酸素検出素子2との間には、絶縁性セラミックから形成されたインシュレータ8、9が設けられており、これらのインシュレータ8、9の間に、圧縮された状態で滑石(タルク)等の粉末層10が配置されている。この粉末層10によって、酸素検出素子2と主体金具5との間が封止され、気密性が確保されるようになっている。また、インシュレータ8の後端側には、環状リング57が設けられている。
また、主体金具5の先端側には、酸素検出素子2の先端側(検知部)を覆うように、プロテクタ11が取り付けられている。このプロテクタ11には、被測定ガスを導入して酸素検出素子2の先端側(検知部)と接触させるための複数のガス透過口12が設けられている。
そして、主体金具5の後端側には、主体金具5の後端部に設けられた加締め部56によって固定されるSUS304L製の内筒部材23が取付けられている。内筒部材23は略中間位置にて後端側に向かって径小となる段部24を有し、段部24よりも後端側に基準ガスをガス検出素子内部に取り込むガス導入孔25が周方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、内筒部材23の段部24よりも先端側にてSUS304L製の外筒部材26と加締められ、固定されている。この外筒部材26にもガス導入孔25に対応する位置に複数の補助ガス導入孔27が設けられている。そしてこのガス導入孔25と補助ガス導入孔27との間には、ガス導入孔25を覆うフィルタ13が形成されている。このフィルタ13は、外筒部材26の補助ガス導入孔27の先端側及び後端側を加締めることで固定されている。
また、内筒部材23の内側には、セラミックセパレータ15が形成されている。このセラミックセパレータ15は、外側電極と接続する外側電極接続金具19、内側電極と接続する内側電極接続金具18及びヒータ3と接続するヒータ接続端子28を、それぞれに対応するリード線16,17,29と接続するようにして内装する。また、リード線16,17,29は、外筒部材26の後端側に固定されたゴム製のグロメット14を貫通して外部と接続する。
内側電極接続金具18は、先端側に形成されたヒータ把持部181の内面でヒータ3の外面を把持する。また、金具本体部182の外面と酸素検出素子2の内面との接触により、内側電極接続金具18及びヒータ3を軸方向の所定位置に固定する役割を果たす。さらに、金具本体部182の周方向の一部が図中上方に延在するようにして引出し線部183が構成され、この引出し線部183のさらに上方にコネクタ184が設けられている。ヒータ把持部181は、ヒータ3の周囲を包囲するC字状の横断面形状を有している。そして、ヒータ3の挿入にともない拡径して弾性的にヒータ3を把持する。
金具本体部182は、左右両側の縁に鋸刃状の接触部185がそれぞれ複数形成された板状部分を円筒状に曲げ加工することにより、ヒータ3を包囲する形態で形成されている。そして、金具本体部182の外周面及び接触部185と酸素検出素子2の内壁面(内側電極層21内面)との間の摩擦力によって内側電極接続金具18及びヒータ3を酸素検出素子2に対し軸線方向に位置決めする役割を果たすとともに、複数の接触部185の各先端部において内側電極層21内面と接触・導通するようになっている。
一方、外側電極接続金具19は、円筒状の金具本体部191を有する。この金具本体部191の周方向の一部が図中上方に延在するようにして引出し線部192が構成され、この引出し線部192のさらに上方にコネクタ193が設けられている。金具本体部191は、酸素検出素子2の周囲を包囲するC字状の横断面形状を有している。そして、酸素検出素子2の挿入にともない拡径して弾性的に酸素検出素子2を把持する。
この酸素センサ1は、ねじ部51より先端側(図1において下側)が排気管内等に位置し、それより後端側(図1において上側)が外部の大気中に位置した状態で使用される。そして、基準ガスとしての大気が酸素検出素子2の内側に導入される。一方、酸素検出素子2の外側にはプロテクタ11のガス透過口12を介して導入された排気ガスが接触し、酸素検出素子2には、その内外面の酸素濃度差に応じて酸素濃淡電池起電力が生じる。そして、この酸素濃淡電池起電力を、排気ガス中の酸素濃度の検出信号として内側電極層21、内側電極接続金具18、リード線17、及び外側電極層20、外側電極接続金具19、リード線16を介して取り出すことにより、排気ガス中の酸素濃度を検出できる。
ヒータ3は、図2にも示すように、ヒータ3の発熱部33表面を酸素検出素子2の内壁面に側方から押し付ける、いわゆる横当て接触方式において、発熱部33表面の先端部のみが内壁面に接触する状態となっている。この横当て接触方式では、接触位置を介した熱伝導により、また接触位置近傍での熱輻射により、発熱部33の接触位置の部分からは大量の熱が酸素検出素子2の内壁面へ熱伝達される。
ヒータ3は、図2に示すように、円筒状のセラミック基体30内に抵抗発熱体31及びリード部314(図4参照)を埋設して構成されている。このヒータ3は、例えば、図3に示すように、セラミックス粉末をバインダとともに板状に成形した粉末成形体301の板面に、抵抗発熱体31及びリード部314の原料粉末を含有するペーストを用いて、抵抗発熱体及びリード部のパターン311を印刷し、粉末成形体301と同様に作製された粉末成形体303を積層し、別途形成された円筒状の筒状成形体302の外周面に対し粉末成形体303が内側となるように巻き付け、これを焼成する方法等により製造される。
抵抗発熱体31は高融点金属を主体に構成されており、使用可能な高融点金属としては、Wが代表的であるがMo、Re、Pt、Ir、Rh、RuあるいはMoSi2 、Mo(Si、Al)3C、TiC、TiN、TiB等の化合物も使用可能であり、これらは単独で用いても複合させて用いてもいずれでもよい。また、セラミック基体30は、熱伝導性と高温強度及び高温耐食性に優れていることからAl2 3 を主体に構成できるが、このほかにもムライト、コージェライト、スピネル等のAl2 3 成分を含有したセラミックを使用することができる。なお、セラミック基体中には、SiO2 、MgO、CaO、B2 5 等の1種又は2種以上からなる焼結助剤成分が、合計で15重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
図4は、抵抗発熱体31の印刷パターンを展開して示す模式図である。抵抗発熱体31は、セラミック基体30の軸線方向に沿って延びる複数の本体部312が、周方向に間隔を設けて配置されるとともに、隣接する本体部312が、両端部において接続部313により順次連結された、つづら折れ状の一本の連続形態に形成されている。そして、抵抗発熱体31の後端側の両端には、電源接続用の2つのリード部314が一体化されて形成されている。
そして、酸素検出素子2の内壁面と接触する位置(素子接触部)Tがほぼ中央にあり、各本体部312は、素子接触部Tに近い中央のものほどその線幅W(断面積S)が段階的に小さくなるものとされている。図中に示す中央部の本体部312の線幅はWcであり、最外側の本体部312の線幅はWsである。
抵抗発熱体31の線幅Wの大・小関係は、単位長さ当たりの電気抵抗値の大・小関係に反比例する。したがって、抵抗発熱体31の線幅Wの大・小関係は、発熱量の大・小関係に反比例する。すなわち、他の部分に較べて最も線幅が小さな中央部の線幅Wcの部分は、他の部分に較べて電気抵抗値及び発熱量が最大となっており、この部分が高温発熱部となっている。また、この高温発熱部以外の部分では、最も線幅が大きな最外側の線幅Wsの部分の電気抵抗値が最小となっている。
そして、本実施形態において、中央部の線幅Wcの部分の単位長さ当たりの抵抗値(最高抵抗値)Rcは、単位長さ当たりの抵抗値が最低となっている線幅Wsの部分の抵抗値(最低抵抗値)Rsに対する比(Rc/Rs)が1.5〜3.0となるように設定されている。
本実施形態では、抵抗発熱体31が同一の材料から構成され、各部における単位断面積、の単位長さ当たりの抵抗が同一となっている。なお、抵抗発熱体31とリード部314との抵抗が3.7Ωとなっている。したがって、線幅の比の逆数が、抵抗値の比になっている。以下、本実施形態において、上記の比(Rc/Rs)を1.5〜3.0としている理由について説明する。
Rc/Rsの値が、耐クラック性に与える影響を次のようにしての評価した。まず、ヒータ3と酸素検出素子2を組み付けたものを用いて、ヒータ3に18Vの電圧を10秒印加したオンの状態と、電圧を印加しない120秒のオフ(空冷)の状態を1サイクルとして、このサイクルを100サイクル繰り返した。この後、酸素検出素子2からヒータ3を抜き取り、ヒータ3表面のクラック発生の有無を、拡大鏡にて観察することによって耐クラック性を評価した。各サンプル数は20本である。表1は、Rc/Rsの値が、耐クラック性に与える影響を評価した結果を示すものである。
Figure 0004762539
表1に示すように、Rc/Rsが1.5未満の場合、発熱体中央に周方向クラックが発生し、クラック発生率はRc/Rs=1.0の場合100%(比較例1)、Rc/Rs=1.3の場合75%であった(比較例2)。
また、Rc/Rsが3.0より大きい場合、発熱体中央部表面に軸方向クラックが発生し、クラック発生率はRc/Rs=3.2の場合80%(比較例3)、Rc/Rs=4.2の場合100%であった(比較例4)。
これに対して、Rc/Rsが1.5〜3.0の場合、クラック発生率は0%であった (実施例1〜5)。この結果から明らかなように、Rc/Rsを1.5〜3.0とすることにより、クラックの発生を抑制し、酸素センサの寿命の長期化を図ることができる。
上記のように、Rc/Rsを1.5〜3.0とすることにより、クラックの発生を抑制できるのは、以下のような理由によるものと推測される。
すなわち、前述したとおり、ヒータ3の高温発熱部は、酸素検出素子2の内壁部に横当て接触方式により接触しているので、この接触位置や接触位置の近傍からは大量の熱が奪われる。一方、高温発熱部以外の部分では、ヒータ3により発生した熱は熱輻射により酸素検出素子2の内壁に伝えられるので、伝熱量は、接触位置及びその近傍に較べて低くなる。
このため、例えば、Rc/Rsが1.5より小さな場合は、酸素検出素子2に対して効率良くヒータ3の熱を伝えられず、ヒータ3内部の温度が接触部のヒータ3表面温度より高くなり、ヒータ3内部の温度差により周方向のクラックが発生してしまう。
また、Rc/Rsが3.0より大きくなると、発熱量が抵抗発熱体31中央部に集中してしまうため、昇温時におけるヒータ3内部の抵抗発熱体31中央とヒータ3表面の温度勾配が大きくなり、ヒータ3表面部において周方向の引張応力が高くなり、軸方向クラックが発生してしまう。
そして、Rc/Rsを1.5〜3.0とすることにより、ヒータ3各部の発生熱量と酸素検出素子2への伝熱量がバランスしてヒータ3各部に大きな温度差が生じないので、クラックの発生を抑制できる。
また、本実施形態では、図5に示されるように、抵抗発熱体31はセラミック基体30の厚さ方向中央より外側の位置に周方向に沿って埋設されている。そして、ヒータ3の外側表面と抵抗発熱体31までの距離d、ヒータ3の半径をRとしたとき、dが5μmより大、2Rが1〜5mmであり、且つ、d/Rが0.16以下とされている。これは、以下ような理由による。
すなわち、表2は、上記のd/Rの値が、耐クラック性に与える影響を評価した結果を示すものである。耐クラック性の評価は、まずヒータ3と酸素検出素子2を組み付けたものを用いて、ヒータ3に20Vの電圧を10秒印加したオンの状態と、電圧を印加しない120秒のオフ(空冷)の状態を1サイクルとして、このサイクルを100サイクル繰り返した後、酸素検出素子2からヒータ3を抜き取り、ヒータ3表面のクラック発生の有無を、拡大鏡にて観察することによって行った。各サンプル数は20本である。
ヒータ3の外表面から埋設した抵抗発熱体31までの距離dは、ヒータ3のセラミック基体30を構成する筒状成形体302に巻き付ける抵抗発熱体31を形成したシートの厚さを調整することによって行った。また、ヒータ3の半径R、ヒータ3の外表面から抵抗発熱体31までの距離dは、ヒータ3の抵抗発熱体31中央を切断し、断面をデジタルマイクロスコープで観察して測定した。
Figure 0004762539
表2に示されるように、d/Rの値が0.28の場合クラック発生率が75%(比較例5)、d/Rの値が0.21の場合クラック発生率が30%(比較例6)、d/Rの値が0.18の場合クラック発生率が20%であった(比較例7)。また、d=5μmとして、d/Rの値を0.01未満とした場合クラック発生率が20%となるとともに、酸素検出素子2へのリーク電流が生じ、酸素検出素子2の起電力測定ができなくなった(比較例8)。なお、この比較例8の場合は、助剤成分のマイグレーション(助剤成分の移動)により体積膨張してクラックが発生したものと推測される。
一方、dが5μmより大きい範囲で、d/Rを0.16以下とすると、クラック発生率を0%とすることができた(実施例6〜13)。また、ヒータ3は、酸素検出素子2の内部に挿入するものであるため、その実用的な直径の範囲は、直径2Rが1〜5mmの範囲(半径Rが0.5〜2.5mmの範囲)である。また、表2に示されるように、半径Rが1.41mm程度の場合、ヒータ3の外側表面と抵抗発熱体31までの距離dは、5μm<d<250μmの範囲とすることが好ましい。
上記のように、dが5μmより大、2Rが1〜5mmであり、且つ、d/Rが0.16以下とすることにより、クラックの発生を抑制することができる。また、半径Rが1.41mm程度の場合、5μm<d<250μmの範囲とすることにより、クラックの発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態は、抵抗発熱体31の組成、厚さ等を変化させること無く、さらに、中央部の線幅Wcと最外部の線幅Wsを軸方向に略同一にすることで、最高抵抗値Rcと最低抵抗値Rsを特定したが、これに限らず、素子接触部Tの部分の単位長さ当たりの抵抗値が最高抵抗値Rcになっており、素子接触部T以外の部分に単位長さ当たりの抵抗値が最低抵抗値Rsとなっていればよい。つまり、素子接触部Tの部分と素子接触部T以外の部分の抵抗発熱体31の膜厚の調整、素子接触部Tの部分と素子接触部T以外の部分の抵抗発熱体31の材料の調整等を行うことができる。線幅に関しても、軸方向に略同一にするのではなく、素子接触部Tの線幅を最も狭くすることができる。
本発明の一実施形態に係る酸素センサの断面概略構成を示す図。 図1の酸素センサの要部断面概略構成を拡大して示す図。 図1の酸素センサのヒータの製造工程の例を説明するための図。 図1の酸素センサのヒータの抵抗発熱パターンの構成を説明するための図。 図1の酸素センサのヒータの断面構成を示す図。
符号の説明
1……酸素センサ、2……酸素検出素子、3……ヒータ、5……主体金具、31……抵抗発熱体、312……本体部、313……接続部、314……リード部。

Claims (2)

  1. 先端部が閉じた有底筒状で内外面に電極層を有するガス検出素子と、
    前記ガス検出素子の中空部に挿入され、その先端部に発熱部を有する棒状のヒータとを備え、
    前記ヒータの中心軸線が前記ガス検出素子の中空部の中心軸線に対して片側に寄るように偏心して配置されたガスセンサであって、
    前記ヒータは、セラミック基体と、該セラミック基体の内部に周方向に沿って埋設された発熱体とを具備し、
    前記ヒータの発熱部は、前記ガス検出素子の内壁に接触する接触部位に対応して設けられた高温発熱部と当該高温発熱部以外の発熱部とを有し、
    前記高温発熱部における前記発熱体の単位長さ当たりの最高抵抗値をRcとし、
    前記高温発熱部以外の発熱部における前記発熱体の単位長さ当たりの最低抵抗値をRsとしたとき、
    Rc/Rsが1.5〜3.0であり、且つ、
    前記発熱体は前記セラミック基体の厚さ方向中央より外側の位置に周方向に沿って埋設され、前記ヒータの外側表面と前記発熱体までの距離をd、前記ヒータの半径をRとしたとき、dが、5μm<d<250μm、2Rが1〜5mm、d/Rが0.16以下であることを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1記載のガスセンサにおいて、
    前記ヒータの発熱部は、軸方向に沿って延び、周方向に列設された複数の本体部と、複数の該本体部のそれぞれについて、隣り合う本体部の端部連結する接続部と、により一本に連なる前記発熱体が前記セラミック基体の内部に周方向に沿って埋設され、
    前記高温発熱部が、前記複数の本体部のうち中央に配設された本体部にあることを特徴とするガスセンサ。
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