JP4762399B2 - アルコキシル化用触媒およびその製造方法並びにこの触媒を用いるアルキレンオキサイド付加物の製造方法 - Google Patents

アルコキシル化用触媒およびその製造方法並びにこの触媒を用いるアルキレンオキサイド付加物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコキシル化用触媒およびその製造方法並びにこの触媒を用いるアルキレンオキサイド付加物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性水素を有する有機化合物またはエステル類にアルキレンオキサイドを付加した化合物は、界面活性剤、溶剤などの化学品原料として広く用いられている。特に、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、アミン、アルキルフェノールなどを、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドによってポリアルコキシル化したものは、非イオン界面活性剤として広範に活用されている。
【0003】
このようなアルキレンオキサイド付加物においては、アルキレンオキサイドの付加モル分布が狭い付加物が、付加モル分布の広い付加物と比較して、起泡力が高いなど多くの利点を備えている。アルキレンオキサイド付加物を得る方法としては、ホウ素、錫、アンチモン、鉄およびアルミニウムなどの金属のハロゲン化物、燐酸、硫酸などの酸触媒を用いる方法が知られている。しかし、このような酸触媒を用いる方法では、付加モル分布が十分に狭くならず、ジオキサン、ジオキソラン、ポリエチレングリコールのような副生物が多量に生成し、しかも設備に対する腐食性が強くなる。
【0004】
そこで、下記に示すように、各種の複合金属酸化物を、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造するための固体触媒として用いることが提案されている。
【0005】
1)特開平1−164437号公報:この公報は、アルミニウムなどの金属イオンを添加した酸化マグネシウムを触媒とすることにより、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造する技術を開示する。同公報には、例えば3質量%のアルミニウムを含む酸化マグネシウム触媒が記載されている。
【0006】
2)特開平2−71841号公報:この公報は、焼成ハイドロタルサイトを触媒とすることにより、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造する技術を開示する。この焼成ハイドロタルサイトは、天然または合成のハイドロタルク石を焼成することにより得られる。
【0007】
3)特開平7−227540号公報:この公報は、亜鉛、アンチモン、錫などを含有する酸化マグネシウムを触媒とすることにより、アルキレンオキサイド付加物を製造する技術を開示する。この触媒を使用すれば、アルミニウムを添加した酸化マグネシウムを使用した場合よりも触媒活性が低下するものの、副生物(ポリアルキレングリコール)の発生を抑制できる。
【0008】
4)特開平8−268919号公報:この公報は、水酸化アルミニウム・マグネシウムを焼成したアルミニウム・マグネシウム複合酸化物を触媒とすることにより、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造する技術を開示する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような複合金属酸化物触媒を使用すれば、酸触媒を使用したときよりも狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物が得られ、ジオキサンなどの副生物の生成も抑制される。特に、マグネシウムとアルミニウムの複合酸化物は、活性も高く有用である。しかし、この触媒を用いるとポリアルキレングリコールが多量に副生するという問題があった。
【0010】
これに対して、亜鉛などを含有する酸化マグネシウムは、ポリアルキレングリコールの副生を抑制できることが報告されている(特開平7−227540号公報)。特に問題となる副生物は、分子量数万の高分子量ポリアルキレングリコールである。なぜならば、高分子量ポリアルキレングリコールは、生成が微量であっても、反応生成物からの触媒除去が困難となり、この生成物を配合した製品の安定性が損なわれるなどの問題を生じさせるからである。しかしながら、亜鉛などを含有する酸化マグネシウムは、このような高分子量ポリアルキレングリコールの副生を十分に抑制することはできなかった。また、亜鉛などを含有する酸化マグネシウムは、十分な触媒活性を有していないという問題をも有していた。
【0011】
また、アルコキシル化用触媒においては、反応組成物からの触媒回収が容易であることが要求されている。これは、触媒回収が容易であると、触媒の再利用が容易となり製造コストが低減されるからである。
【0012】
そこで、本発明は、高い触媒活性を有し、高分子量ポリアルキレングリコールの副生を抑制しながら、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造することができ、尚且つ、反応組成物からの回収が容易なアルコキシル化用触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、マンガン化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物とを含有する原料水溶液と、沈殿剤水溶液とを混合することにより、前記金属を含む沈殿物を生成させ、前記沈殿物を噴霧乾燥して球状粒子とした後、前記沈殿物を焼成するアルコキシル化触媒の製造方法であって、
前記沈殿剤水溶液が、炭酸塩を含むアルカリ性水溶液であり、
前記沈殿物が、さらに炭酸イオンを含み、
前記沈殿物に含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)が、0.3〜0.5であり、
前記原料水溶液および前記沈殿剤水溶液を1バッチ当たり15〜60分間で滴下して混合し、
前記噴霧乾燥が、200〜450℃の温度範囲で行われ、
前記焼成が、600〜900℃の温度範囲で1〜5時間、不活性ガス雰囲気下で行われ、
前記噴霧乾燥後の沈殿物球状粒子の平均粒径が30〜110μmであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のアルコキシル化用触媒は、アルコキシル化用触媒の製造方法により製造されたアルコキシル化用触媒である。
【0015】
また、本発明のアルキレンオキサイド付加物の製造方法は、本発明のアルコキシル化用触媒を用いて、有機化合物にアルキレンオキサイドを付加するアルキレンオキサイド付加物の製造方法である。
【発明の実施の形態】
【0016】
本発明のアルコキシル化用触媒の製造方法について説明する。
【0017】
まず、マンガン化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物とを含有する原料水溶液と、沈殿剤水溶液とを混合することにより、前記金属を含む沈殿物を生成させる。この工程は、例えば、バッチ方式で実施することができる。
【0018】
前記原料水溶液は、マンガン化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物とを含有する。後述するような好ましい組成の触媒が得られるからである。
【0019】
前記原料水溶液が含有する前記金属の化合物としては、好ましくは、前記金属の硝酸塩、前記金属の硫酸塩、前記金属の酢酸塩、前記金属の炭酸塩および前記金属の塩化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することができる。
【0020】
また、前記沈殿剤水溶液としては、炭酸塩を含むアルカリ性水溶液を使用する。更に好ましくは、アルカリ金属の炭酸塩と、アンモニアおよびアルカリ金属水酸化物から選ばれる少なくとも1種とを含む水溶液を使用することができる。
【0021】
前記原料水溶液と前記沈殿剤水溶液との混合比率は、特に限定するものではないが、例えば、前記沈殿物に含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比が、CO3 2-/Alにより表示した場合、0.3〜0.5となるように調整する。このモル比は、0.35〜0.4が好ましい。CO3 2-/Alを0.3〜0.5とすることにより、触媒の粒径および比表面積をより好ましい範囲に調整でき、更に高い触媒活性を達成し、且つ、高分子量ポリアルキレングリコールの生成を更に十分に抑制することができる。
【0022】
前記沈殿物を生成させる工程をバッチ方式で実施する場合、前記原料水溶液と前記沈殿剤水溶液との混合は、前記両水溶液を1バッチ当たり15〜60分間の滴下時間で滴下することにより実施される。前記滴下時間は、前記両水溶液の滴下を開始してから終了するまでの時間である。これを、バッチのスケールに関わらず15〜60分間とすることにより、触媒の粒径および比表面積をより好ましい範囲に調整でき、更に高い触媒活性を達成し、且つ、高分子量ポリアルキレングリコールの生成を更に十分に抑制することができる。
【0023】
また、前記混合水溶液と前記沈殿剤水溶液との混合は、前記両水溶液の混合液のpHを、好ましくは7〜11、更に好ましくは8〜10に保ちながら実施される。pHを7〜11とすることにより、触媒の粒径および比表面積をより好ましい範囲に調整できることに加えて、金属の溶出を抑制して、好ましい触媒組成および結晶構造を有する酸化物触媒とすることができる。
【0024】
続いて、前記沈殿物を乾燥すると同時に、前述したような特定の平均粒径を有する球状粒子に造粒する(以下、乾燥および造粒された沈殿物を「触媒前駆体」という。)。なお、乾燥に先立って、沈殿物の熟成、水洗による水溶性塩の除去などの工程を適宜実施してもよい。
【0025】
沈殿物の乾燥は、沈殿物を含むスラリーを熱風中に噴霧分散させることにより実施されること、すなわち噴霧乾燥によって実施されることが好ましい。触媒前駆体を乾燥と同時に容易に造粒することができるからである。特に、前記スラリーを回転円板(ディスク)上に供給して遠心力によって分散させる、いわゆるディスク式の噴霧乾燥が好ましい。
【0026】
このときの乾燥条件によって、触媒前駆体の平均粒径、延いては触媒の平均粒径を調整することができる。例えば、平均粒径を小さくするためには、スラリー濃度を低くしたり、スラリーの供給流量を少なくしたり、ディスクの回転速度を速くすればよい。
【0027】
また、乾燥温度は、例えば150〜500℃、好ましくは200〜450℃、更に好ましくは350〜450℃である。
【0028】
続いて、前記触媒前駆体を焼成して触媒を得る。焼成温度は、例えば300〜1000℃、好ましくは600〜900℃、更に好ましくは700〜900℃である。焼成温度を300〜1000℃とすることにより、比表面積の低下を抑制しながら、触媒中の活性点を十分に変化させて、更に高い触媒活性を得ることができる。また、焼成時間は、例えば0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間、更に好ましくは2〜4時間である。また、焼成は、不活性ガス雰囲気で実施されることが好ましく、窒素雰囲気で実施されることが更に好ましい。
【0029】
このようにして本発明のアルコキシル化用触媒が製造される。
【0030】
前記のように、本発明の製造方法によれば、後述の本発明のアルコキシル化用触媒を製造することができる。また、この製造方法においては、焼成前の沈殿物が球状粒子であり、その安息角が小さいことから、焼成時に沈殿物を連続フィードするような焼成装置(例えば、ロータリーキルンなど)を使用できるため、品質的に均一な触媒を効率良く製造することができる。
【0031】
本発明のアルコキシル化用触媒は、球状の金属酸化物粒子であって、平均粒径が20〜150μmであり、真球度が0.9〜1.0であるのが好ましい
【0032】
ここで、「平均粒径」とは数平均粒径である。また、「真球度」とは、粒子の長径(DL)と短径(DS)との比(DS/DL)で表される値である。なお、「長径」は粒子の最長径であり、「短径」は前記長径に対して垂直な方向の径である。
【0033】
このような触媒は、金属酸化物で構成されているため、酸触媒と比較して、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造することができる。また、特定の平均粒径を有する球状粒子であるため、不定形粒子である場合と比較して、高い触媒活性を達成しながら、高分子量ポリアルキレングリコールの副生を抑制することができ、尚且つ、反応組成物からの回収が容易であるという利点をも有する。
【0034】
ここで、平均粒径を20〜150μmとしたのは、20μm未満であると、精製工程における濾過性が著しく低下するほか、触媒のリサイクルを行う際の沈降分離が困難になるからである。また、150μmを超えると、ロータリーキルンを用いて焼成を行う際の滞留時間が保てないことにより、所望の触媒特性が得られなくなるほか、攪拌式の反応を行う際の反応槽内での分散性が悪くなるからである。
【0035】
また、前記触媒の平均粒径は、好ましくは25〜100μmであり、更に好ましくは40〜90μmである。
【0036】
前記触媒の比表面積は、好ましくは50〜400m2/g、更に好ましくは50〜300m2/g、最も好ましくは60〜250m2/gである。比表面積を50〜400m2/gとすることにより、更に高い触媒活性を得ることができる。なお、「比表面積」とは、気体吸着によるBET法で測定された表面積を、単位質量当たりで表した値である。
【0037】
また、前記沈殿物球状粒子の平均粒径は、好ましくは25〜165μm、更に好ましくは30〜110μm、最も好ましくは45〜100μmである。
【0038】
ここで、沈殿物球状粒子の平均粒径を22〜165μmとしたのは、22μm未満であると、この沈殿物を焼成して得られる触媒の使用時、精製工程における濾過性が著しく低下するほか、触媒のリサイクルを行う際の沈降分離が困難になるからである。また、165μmを超えると、ロータリーキルンを用いて焼成を行う際の滞留時間が保てないことにより、所望の触媒特性が得られなくなるほか、攪拌式の反応を行う際の反応槽内での分散性が悪くなるからである。
【0039】
次に、本発明のアルキレンオキサイド付加物の製造方法は、本発明のアルコキシル化用触媒を用いて、有機化合物にアルキレンオキサイドを付加することを特徴とする。
【0040】
本発明のアルコキシル化用触媒は、アルコキシル化活性を発現し得るものであれば、その組成を特に限定するものではないが、マンガンと、マグネシウムと、アルミニウムとを含有することが好ましい。
【0041】
このような特定の金属組成とすることで、触媒の活性点構造が、優れた反応特異性を達成し得るような構造となる。従って、この活性点構造による効果と、前述した触媒粒子の形状による効果とが同時に得られるため、更に高い触媒活性が得られ、且つ、高分子量ポリアルキレングリコールの生成を更に十分に抑制することができる。
【0042】
また、前記触媒においては、前記第3成分が、クロム、モリブデン、マンガン、テクネチウム、鉄、コバルト、ニッケルおよびルテニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。これらのなかで、クロム、マンガンおよび鉄が好ましく、マンガンが特に好ましい。
【0043】
また、前記触媒においては、マグネシウムとアルミニウムとの原子比が、Al/(Mg+Al)により表示した場合、0.1〜0.7であることが好ましく、0.3〜0.6であることが更に好ましく、0.4〜0.5であることが最も好ましい。前記原子比を0.1〜0.7とすることにより、更に高い触媒活性を得ることができる。
【0044】
また、前記触媒においては、マンガン量が、全金属原子に対する原子比で表示した場合、0.05〜0.4であることが好ましく、0.1〜0.25であることが更に好ましく、0.1〜0.18であることが最も好ましい。前記原子比を0.05〜0.4とすることにより、更に高い触媒活性が得られ、且つ、高分子量ポリアルキレングリコールの生成を更に十分に抑制することができる。
【0045】
次に、本発明のアルキレンオキサイド付加物の製造方法の一例について説明する。本発明のアルキレンオキサイド付加物の製造方法は、本発明のアルコキシル化用触媒の存在下において、有機化合物とアルキレンオキサイドとを反応させることにより実施される。
【0046】
有機化合物としては、アルコキシル化され得るものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、活性水素を有する有機化合物およびその誘導体などが挙げられる。例えば、アルコール類、フェノール類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類、ポリオール類およびこれらの混合物が挙げられる。これらのなかで、アルコール類、脂肪酸エステル類、脂肪族アミン類が好ましく、アルコール類が特に好ましい。
【0047】
アルコール類としては、例えば、炭素数が1〜30、好ましくは6〜24、更に好ましくは12〜18の飽和または不飽和アルコールなどが挙げられる。特に、第一級および第二級アルコールが好ましく、第一級アルコールが更に好ましい。また、アルコール類は、1種を単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0048】
フェノール類としては、例えば、モノ、ジまたはトリアルキルフェノールが挙げられる。特に、炭素数4〜12のアルキル基を有するモノ、ジまたはトリアルキルフェノールが好ましい。
【0049】
脂肪酸類としては、例えば、炭素数が8〜22、好ましくは10〜20、更に好ましくは12〜18の飽和または不飽和の直鎖脂肪酸およびその混合物などが挙げられる。特に、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、オレイン酸、ステアリン酸およびその混合物が好ましい。このような脂肪酸は、例えば、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、ひまわり油、菜種油、魚脂油の分解により得ることができる。また、脂肪酸エステル類としては、例えば、前記脂肪酸を炭素数1〜4のアルキル基でエステル化したものが挙げられる。
【0050】
脂肪アミン類としては、例えば、炭素数が8〜44、好ましくは10〜22、更に好ましくは12〜18の飽和または不飽和のアルキル基を有する脂肪族アミンなどが挙げられる。特に、第一級脂肪族アミンが好ましい。また、脂肪酸アミド類としては、例えば、炭素数が8〜22、好ましくは10〜20、更に好ましくは12〜18の飽和または不飽和のアシル基を有する脂肪酸アミドなどが挙げられる。特に、第一級または第二級脂肪酸アミドが好ましい。
【0051】
ポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールなどが好ましい。ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールの場合、その平均重合度は、例えば2〜2000、好ましくは4〜500、更に好ましくは10〜200である。
【0052】
有機化合物と反応させるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜8のアルキレンオキサイドを使用することが好ましい。特に、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、すなわちエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレンオキサイドが好ましい。
【0053】
本発明のアルキレンオキサイド付加物の製造方法における反応条件は、特に限定されるものではなく、例えば、慣用の反応条件により実施することができる。以下、好ましい反応条件について説明する。反応温度は、例えば80〜230℃、好ましくは120〜200℃、更に好ましくは160〜180℃である。反応圧力は、反応温度により適宜決定されるが、例えば0〜2MPa、好ましくは0〜1MPa、更に好ましくは0.2〜0.8MPaである。また、触媒の使用量は、反応に供される有機化合物とアルキレンオキサイドとの比率などにより適宜決定されるが、有機化合物100質量部に対して、例えば0.005〜20質量部、好ましくは0.01〜10質量部、更に好ましくは0.03〜5質量部である。
【0054】
次に、具体的な反応操作の一例を説明する。まず、オートクレーブ内に出発原料である有機化合物と触媒とを仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、所定の温度および圧力条件下でアルキレンオキサイドを導入して反応させる。反応終了後、反応組成物に水などの濾過助剤を必要に応じて添加し、反応組成物から触媒を濾別する。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
硝酸マグネシウム6水和物423.31g、硝酸アルミニウム9水和物383.17g、硝酸マンガン6水和物85.23gを、880mLの脱イオン水に溶解し、原料水溶液(溶液A)を調製した。一方、炭酸ナトリウム40.6g、水酸化ナトリウム240gを、880mLの脱イオン水に溶解し、沈殿剤水溶液(溶液B)を調製した。
前記溶液Aと前記溶液Bとを、予め2240gの脱イオン水を仕込んだ触媒調製槽に、0.1mol/LのNaOHでpHを9に保ち、温度を60℃に保ちながら45分間で滴下し、滴下終了後1時間熟成させた。溶液より沈殿物を濾別し、これを12リットルの脱イオン水で洗浄した。これを、ディスク式の噴霧乾燥機により250℃で乾燥し、245gの複合金属水酸化物を得た。
この複合水酸化物は、平均粒径83μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、窒素雰囲気下、800℃で3時間焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.34:0.10)を144g得た。
【0056】
(実施例2)
硝酸マグネシウム6水和物423.31g、硝酸アルミニウム9水和物296.29g、硝酸マンガン6水和物151.71gを、880mLの脱イオン水に溶解し、溶液Aを調製した。一方、炭酸ナトリウム31.39g、水酸化ナトリウム240gを880mLの脱イオン水に溶解し、溶液Bを調製した。
この溶液Aおよび溶液Bを用いて、実施例1と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径90μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を147g得た。
【0057】
(実施例3)
硝酸マグネシウム6水和物423.31g、硝酸アルミニウム9水和物247.28g、硝酸マンガン6水和物189.21gを、880mLの脱イオン水に溶解し、溶液Aを調製した。一方、炭酸ナトリウム26.20g、水酸化ナトリウム240gを880mLの脱イオン水に溶解し、溶液Bを調製した。
この溶液Aおよび溶液Bを用いて、実施例1と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径80μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.22:0.22)を151g得た。
【0058】
(実施例4)
マンガン塩として、酢酸マンガン4水和物129.49gを用いたこと以外は実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径76μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を147g得た。
【0059】
(実施例5)
マンガン塩として、塩化マンガン4水和物104.59gを用いたこと以外は実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径45μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を149g得た。
【0060】
参考例6)
硝酸マグネシウム6水和物380.67g、硝酸アルミニウム9水和物334.16g、硝酸クロム9水和物237.63gを、880mLの脱イオン水に溶解し、原料水溶液(溶液A)を調製した。一方、炭酸ナトリウム35.41g、水酸化ナトリウム240gを、880mLの脱イオン水に溶解し、沈殿剤水溶液(溶液B)を調製した。
この溶液Aおよび溶液Bを用いて、実施例1と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径22μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Crを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Cr(原子比)=0.50:0.30:0.20)を185g得た。
【0061】
参考例7)
硝酸マグネシウム6水和物423.31g、硝酸アルミニウム9水和物296.29g、塩化第一鉄4水和物105.08gを、880mLの脱イオン水に溶解し、原料水溶液(溶液A)を調製した。一方、炭酸ナトリウム31.39g、水酸化ナトリウム240gを880mLの脱イオン水に溶解し、沈殿剤水溶液(溶液B)を調製した。
この溶液Aおよび溶液Bを用いて、実施例1と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径52μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Feを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Fe(原子比)=0.56:0.27:0.18)を185g得た。
【0062】
(実施例8)
溶液Aと溶液Bとを触媒調製槽に15分間で滴下したこと以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径83μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を146g得た。
【0063】
(実施例9)
溶液Aと溶液Bとを触媒調製槽に60分間で滴下したこと以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径83μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を142g得た。
【0064】
(実施例10)
炭酸ナトリウムを33.49g使用すること以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径66μmの球状粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.400であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を142g得た。
【0065】
(比較例1)
2.5MgO・Al23・mH2Oの組成式で表される水酸化マグネシウム・アルミニウムゲル(協和化学社製;キョーワード300(商品名))25gを、窒素雰囲気下、800℃で3時間焼成し、Mg、Alを含む複合金属酸化物触媒16gを得た。
【0066】
(比較例2)
溶液Aと溶液Bとを触媒調製槽に180分間で滴下したこと以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物の平均粒径は10μmであり、その形状は不定形の微粉であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を130g得た。
【0067】
(比較例3)
炭酸ナトリウムを16.74g使用すること以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物の平均粒径は19μmであり、その形状は球状の微粉であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.200であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を得た。
【0068】
(比較例4)
炭酸ナトリウムを167.43g使用すること以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物の平均粒径は8μmであり、その形状は不定形の微粉であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、2.000であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を120g得た。
【0069】
(比較例5)
沈殿物の乾燥に静置型乾燥機を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物は、平均粒径が21μmであり、不定形粗大粒子と不定形微粉との混合物であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.27:0.18)を140g得た。
【0070】
(比較例6)
沈殿物の乾燥にドラムドライヤーを用いたこと以外は、実施例2と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物の平均粒径は107μmであり、その形状は板状粗大粒子であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.375であった。
前記複合金属水酸化物を、実施例1と同様の操作により焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.26:0.18)を140g得た。
【0071】
(比較例7)
炭酸ナトリウムを81.2g使用し、溶液Aと溶液Bとを触媒調製槽に120分間で滴下したこと以外は、実施例1と同様の操作により、複合金属水酸化物を得た。この複合金属水酸化物の平均粒径は221μmであり、その形状は球形であった。また、含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)は、0.750であった。
前記複合金属水酸化物を、窒素雰囲気下、900℃で0.5時間焼成して、Mg、Al、Mnを含む複合金属酸化物触媒(Mg:Al:Mn(原子比)=0.56:0.34:0.10)を得た。
【0072】
実施例1〜5、8〜10、参考例6および7、ならびに比較例1〜7で得られた触媒の真球度、平均粒径および比表面積を測定した。結果を、表1に示す。なお、各値の測定方法は下記の通りである。また、実施例2および9、比較例1、2、4、5および6で得られた触媒の外観を走査型電子顕微鏡で観察した。実施例2を図1に、実施例9を図2に、比較例1を図3に、比較例2を図4に、比較例4を図5に、比較例5を図6に、比較例6を図7にそれぞれ示す。
【0073】
なお、上記実施例および比較例において、触媒前駆体(すなわち、複合金属水酸化物)の平均粒径は、触媒の平均粒径と同様の方法で測定し、その形状は走査型電子顕微鏡で観察することにより評価した。
【0074】
[平均粒径]
レーザー散乱光による粒度分布測定装置(東日コンピュータアプリケーションズ社製LDSA−1400A(商品名))を使用し、ロジン−ラムラー分布関数を用いて算出される粒径分布から数平均粒子径を求めた。
【0075】
[比表面積]
窒素吸着法による表面積測定装置(柴田化学器械工業社製SA−1000(商品名))を使用し、BET法により測定した。
【0076】
[真球度]
走査型電子顕微鏡(日立社製S−2380N(商品名))で得られた写真像から、粒子の長径および短径を、スケールを用いて測定した。得られた測定値より、長径(DL)と短径(DS)との比(DS/DL)を算出した。
【0077】
【表1】
Figure 0004762399
【0078】
表1に示すように、実施例1〜5、8〜10の触媒は、平均粒径20〜150μmであり、真球度0.9〜1.0の球状粒子であった。また、その比表面積は50〜400m2/gであった。
【0079】
これに対して、比較例2〜5および7の触媒は、平均粒径および真球度が前記範囲から逸脱していた。また、比較例1および6の触媒は、平均粒径は前記範囲に属しているものの、真球度が0.9未満であった。
【0080】
実施例1〜5、8〜10、参考例6および7、ならびに比較例1〜7で得られた触媒を用いて、下記反応方法Iによりアルキレンオキサイド付加反応を実施した(反応例1〜10および14〜20)。また、実施例2および比較例1で得られた触媒を用いて、下記反応方法IIによりアルキレンオキサイド付加反応を実施した(反応例21および22)。各反応例において、触媒活性および副生高分子量ポリエチレングリコール(PEG)量を評価した。結果を表2および3に示す。なお、反応方法および評価方法は、下記の通りである。
【0081】
[反応方法I]
4Lのオートクレーブ内にラウリルアルコール400gおよび触媒0.4gを仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。次いで、オートクレーブ内を180℃、0.3MPaに維持しながら、エチレンオキサイド(EO)663g(ラウリルアルコール1モル当たり7モル)を導入し、ラウリルアルコールとEOとを反応させた。
【0082】
[反応方法II]
4Lのオートクレーブ内に、ラウリン酸メチル400g、触媒0.4gおよび40質量%KOH水溶液0.12gを仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。次いで、オートクレーブ内を180℃、0.3MPaに維持しながら、エチレンオキサイド(EO)494g(ラウリン酸メチル1モル当たり6モル)を導入し、ラウリン酸メチルとEOとを反応させた。
【0083】
[触媒活性の評価方法]
前記反応方法IまたはIIにより付加反応を行い、オートクレーブ内が定温(180℃)、定圧(0.3MPa)になった時点からのEO供給速度(g−EO/min)を、単位触媒量あたりに換算し、触媒活性の評価尺度とした(単位:g−EO/(min・g−cat))。EO供給速度は、定温定圧下における単位時間当たりのEO消費量に相当する。なお、この測定の際には、化学反応速度支配下での触媒活性が正しく評価できる程度に触媒濃度が小さくなるように調整した。
【0084】
[副生高分子量PEG量の評価方法]
前記反応方法IまたはIIにより付加反応を行い、反応組成物中に存在する高分子量PEG量を、HPLC法により定量分析し、質量%で表した。
【0085】
【表2】
Figure 0004762399
【0086】
【表3】
Figure 0004762399
【0087】
表2および表3に示すように、実施例1〜5、8〜10の触媒によれば、高い触媒活性を維持しながら、高分子量ポリエチレングリコールの副生を抑制できることが確認できた。これに対して、比較例1〜7の触媒では、高分子量ポリエチレングリコールの副生を十分に抑制できなかった。
【0088】
また、反応例2および反応例14において、得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル分布を測定した。結果を、図8およびに示す。また、比較のため、KOH触媒を用いること以外は前記反応方法Iと同様にして、ラウリルアルコールとエチレンオキサイドとを反応させ、得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル分布を測定した。結果を、図10に示す。なお、エチレンオキサイド付加モル分布の測定は、HPLC法により実施した。
【0089】
8〜10に示すように、実施例2の触媒を用いることにより、KOH触媒を用いた場合よりも狭く、比較例1の触媒を用いた場合と比べても同程度に狭い付加モル分布が得られることが確認できた。
【0090】
また、実施例1〜5、8〜10の触媒を用いた反応例においては、比較例1〜7の触媒を用いた場合と比較して、反応組成物からの触媒の回収が容易であった。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法により得られたアルコキシル化用触媒は、球状の金属酸化物粒子であって、平均粒径が20〜150μmであり、真球度が0.9〜1であるため、狭い付加モル分布を有するアルキレンオキサイド付加物を製造することができ、且つ、その製造において高い触媒活性を示しながら、高分子量ポリアルキレングリコールの副生を抑制することができる。また、このアルコキシル化用触媒は、反応組成物からの回収が容易であるという利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】 実施例9の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】 比較例1の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図4】 比較例2の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】 比較例4の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】 比較例5の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】 比較例6の触媒の外観を観察した走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】 反応例2で得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル分布を示す図である。
【図9】 反応例14で得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル分布を示す図である。
【図10】 KOH触媒を用いた反応例で得られたエチレンオキサイド付加物の付加モル分布を示す図である。

Claims (1)

  1. マンガン化合物と、マグネシウム化合物と、アルミニウム化合物とを含有する原料水溶液と、沈殿剤水溶液とを混合することにより、前記金属を含む沈殿物を生成させ、前記沈殿物を噴霧乾燥して球状粒子とした後、前記沈殿物を焼成するアルコキシル化触媒の製造方法であって、
    前記沈殿剤水溶液が、炭酸塩を含むアルカリ性水溶液であり、
    前記沈殿物が、さらに炭酸イオンを含み、
    前記沈殿物に含まれるアルミニウムと炭酸イオンとのモル比(CO3 2-/Al)が、0.3〜0.5であり、
    前記原料水溶液および前記沈殿剤水溶液を1バッチ当たり15〜60分間で滴下して混合し、
    前記噴霧乾燥が、200〜450℃の温度範囲で行われ、
    前記焼成が、600〜900℃の温度範囲で1〜5時間、不活性ガス雰囲気下で行われ、
    前記噴霧乾燥後の沈殿物球状粒子の平均粒径が30〜110μmであるアルコキシル化用触媒の製造方法。
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