JP4761375B2 - 内燃機関用ピストンリング - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンに設けられたリング溝に装着して使用される内燃機関用ピストンリングに関し、特に耐折損性が高く、優れた耐摩耗性を有する内燃機関用ピストンリングに関する。
内燃機関に用いられるピストンリングは、エンジンのシリンダライナ内に往復自在に配置されたピストンのリング溝に、その外周面とシリンダライナ内周面とが摺接関係となるように組み込まれる。上記ピストンリングは、エンジン作動中は主に燃焼室の気密化、シリンダ表面に形成される潤滑油膜の厚さ制御、および燃焼熱をピストンからシリンダライナへ伝達することによるピストンの冷却等の働きをする。従って、ピストンリングには耐摩耗性、耐焼付性、耐熱性、保油性などの特性が高い次元で要求される。
従来より、内燃機関用のピストンリングの外周摺動面には、その耐久性を改善するため、硬質クロムめっき処理や窒化処理などの耐摩耗性の向上を目的とした表面処理が施されている。しかしながら、近年、内燃機関はますます軽量化および高出力化の方向へ向かっており、ピストンリングの摺動環境は非常に苛酷になり、上述したような表面処理では耐摩耗性等の機能を十分に満足させることができなくなってきている。最近では、さらにピストンリングの寿命を延ばすことを目的として、外周摺動面にイオンプレーティング法による硬質皮膜(窒化クロム、窒化チタン等)が形成されたピストンリングが用いられている。また、ピストンリングの耐折損性向上のために、外周摺動面のみにイオンプレーティング皮膜を形成し、上下面および内周面のみに窒化層を形成することでイオンプレーティング皮膜の下地に窒化処理を施さず、亀裂の伝播を抑制するタイプのピストンリングが用いられている。
上述したようなピストンリングは、外周摺動面上にイオンプレーティング法により硬質皮膜を形成した後に、上下面および内周面に窒化処理を施すために、窒化処理の際に上記硬質皮膜の空孔から母材の外周面にまで窒素が侵入し、母材が窒化されることにより母材と硬質皮膜との間に硬度の高い窒化層が入り込み、当該部分の耐折損性が低下してしまう場合がある。特に、外周摺動面の両端部においては、外周摺動面の中央部に比べて上記硬質皮膜の厚さが薄くなるため、窒素が侵入しやすく、耐折損性が低下する。
そこで、特許文献1においては、外周摺動面に窒化防止層を形成した後にピストンリングの窒化処理を行い、窒化処理後に上記窒化防止層を除去し、外周摺動面にイオンプレーティング法により硬質皮膜を形成することにより、外周摺動面の窒化を防止している。しかしながら上記方法では、窒化防止層の形成および除去が必要であるため製造工程の増加や生産コストの増大につながり、実用的な方法であるとは言えない。また、疲労強度向上については、クラックの伝播を防止するために窒化層を形成しない旨の記載はあるが、コーナー部(面取り部)の軸方向長さと、窒化層の厚さとの割合等に関する記載は一切ない。
特許文献2においては、外周摺動面にイオンプレーティング法による硬質皮膜を形成後、上下面および内周面に窒化処理を施し、ピストンリングの上下面を研磨加工することにより、硬質皮膜とビッカース硬度(HV)700以上の窒化層を互いに離間させ、疲労強度を向上させたことを特徴としたピストンリングの開示がある。この形成方法では、複数個のピストンリングがその軸方向に積み重ねられた状態で外周摺動面に硬質皮膜が形成される際、上記外周摺動面の端部(上下面と、外周摺動面との連結部分)は曲面的な形状を有するため、ピストンリング同士が隣接する箇所には凹んだ空間ができる。このような状態のピストンリングの外周摺動面に対して硬質皮膜を形成すると、当該凹み部分にも硬質皮膜が形成され、図3に示すように、ピストンリング1の上下面に硬質皮膜6のかぶり部70が生じる。形成された上記かぶり部70はピストンリング1毎にばらつきがあるため、このようなかぶり部70を有する母材2に窒化処理を施すと、形成される窒化層もピストンリング1毎にばらつきがあるものとなり、その後にピストンリング1上下面の研磨加工を行っても上記硬質皮膜6とビッカース硬度(HV)700以上の窒化層10との離間距離もばらつきがあるものとなり製造上好ましくない。
上記特許文献2では、硬質皮膜とビッカース硬度(HV)700以上の窒化層とを互いに離間させることにより疲労強度を向上することができるとの記載があるが、この形成方法においては、上記離間の距離のばらつきが大きく、疲労強度を安定化させることは困難である。また、特許文献2の図1および図3においては、コーナー部(面取り部)の全面にわたりビッカース硬度(HV)700以上の窒化層が形成されており、特許文献2において疲労強度の向上はあくまでも硬質皮膜とビッカース硬度(HV)700以上の窒化層とを互いに離間させることによるものであり、コーナー部(面取り部)の軸方向長さと、窒化層の厚さとの割合等に関する記載は一切ない。
特開平5−172248公報 特開2000−291800公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、クラックの伝播が生じにくく、優れた耐折損性および耐摩耗性を有する内燃機関用ピストンリングを提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、ピストンのリング溝に装着され、シリンダライナあるいはシリンダボアと摺動する内燃機関用ピストンリングであって、上記ピストンリングは外周摺動面、上下面、内周面を有し、上記上下面のみ、あるいは上記上下面および上記内周面のみに窒化層が形成され、上記外周摺動面にイオンプレーティング法により硬質皮膜が形成されており、上記上面および下面に形成された上記窒化層におけるビッカース硬度(HV)700以上の窒化層と、上記硬質皮膜とが接触している領域であるビッカース硬度(HV)700以上の窒化層接触領域のピストンリング軸方向の長さが、上記外周摺動面の上端および下端に位置する面取り部のピストンリング軸方向の長さの3〜40%の範囲内であることを特徴とする内燃機関用ピストンリングを提供する。
本発明の内燃機関用ピストンリング(以下、ピストンリングと称する場合がある)においては、上記ビッカース硬度(以下、HVとする場合がある)700以上の窒化層接触領域の長さと、上記外周摺動面の面取り部の長さとの比率が上記範囲内であり、面取り部におけるHV700以上の窒化層の占める割合が小さいため、上記面取り部の耐折損性を向上させることができる。
上記発明においては、上記HV700以上の窒化層の膜厚が15〜80μmの範囲内であることが好ましい。HV700以上の窒化層の膜厚を上記範囲にすることにより、上記HV700以上の窒化層接触領域の長さの比率が上記範囲であるピストンリングを容易に形成することができるからである。
本発明は、耐折損性が高く、優れた耐摩耗性を有する内燃機関用ピストンリングを得ることができるといった効果を奏するものである。
本発明のピストンリングは、ピストンのリング溝に装着され、シリンダライナあるいはシリンダボアと摺動する内燃機関用ピストンリングであって、上記ピストンリングは外周摺動面、上下面、内周面を有し、上記上下面のみ、あるいは上記上下面および上記内周面のみに窒化層が形成され、上記外周摺動面にイオンプレーティング法により硬質皮膜が形成されており、上記上面および下面に形成された上記窒化層におけるビッカース硬度(HV)700以上の窒化層と、上記硬質皮膜とが接触している領域であるHV700以上の窒化層接触領域のピストンリング軸方向の長さが、上記外周摺動面の上端および下端に位置する面取り部のピストンリング軸方向の長さの3〜40%の範囲内であることを特徴とするものである。
以下、本発明のピストンリングについて、図を用いて説明する。図1は、本発明のピストンリングの一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、本発明のピストンリング1の母材2の外周面には、緻密層4と、上記緻密層4上に形成された多孔質層5とから構成される硬質皮膜6が形成されている。また、ピストンリングの母材2の、上記外周摺動面3部分以外の上面7、下面8および内周面9にはHV700以上の窒化層10が形成されている。なお、本発明においては、図1中のh1をピストンリングの軸方向高さとし、a1をピストンリングの径方向幅とする。
上述したような本発明のピストンリングの外周摺動面の上端および下端には、それぞれ面取り部が形成されている。図2に、このような、外周摺動面の上端に位置する面取り部の一例の概略断面図を示す。図2(a)に例示するように、外周摺動面3の上面7側には面取り部11が形成されている。また、上面7に形成されたHV700以上の窒化層10と、外周摺動面3に形成された硬質皮膜6とが接触している領域がHV700以上の窒化層接触領域12である。本発明においては、上記面取り部11のピストンリング軸方向長さをy、上記HV700以上の窒化層接触領域12のピストンリング軸方向長さをx、上記HV700以上の窒化層のピストンリング軸方向長さ(HV700以上の窒化層の膜厚)をzとする。
外周摺動面はシリンダの内壁面と摺動する面であるため、その一部である上記面取り部には高い耐折損性が要求されるが、従来のピストンリングにおいては耐摩耗性を向上させるためにその上下面に硬度の高い窒化層が形成され、その窒化層の端部が上記面取り部にも達するため、当該部分が面取り部の耐折損性の低下の原因となっていた。しかしながら、本発明のピストンリングにおいては、上記面取り部長さyに対する上記HV700以上の窒化層接触領域長さxの比率が上記範囲内であり、面取り部におけるHV700以上の窒化層の占める割合が小さい。そのため、上記面取り部の極一部に形成されたHV700以上の窒化層が耐折損性に与える影響は小さく、結果として面取り部の耐折損性を向上させることができる。また、上記面取り部が上下面と隣接する部分においては上記HV700以上の窒化層が形成されているため、ピストンリング上下面の耐摩耗性も維持することができる。
以下、このような本発明のピストンリングの各構成および製造方法についてそれぞれ詳細に説明する。
1.窒化層
本発明のピストンリングにおいては、上記母材の上下面のみ、または上下面および内周面に窒化層が形成される。窒化層を形成することにより、ピストンリング上下面の、ピストンリング溝の上下面との叩かれに対する耐摩耗性を向上することができるからである。このような窒化層は、一般的な方法でピストンリングの表面から母材内に窒素を侵入および拡散させた場合、窒素濃度は母材の表面で高く、母材の表面から母材内部に入るにつれて窒素濃度が低くなるため、母材の表面近くには硬度の高い窒化層が形成され、その内側にはより硬度の低い窒化層が形成される。本発明においては、「HV700以上の窒化層と、外周摺動面に形成された硬質皮膜とが接触している領域」とは、上述したような窒化層のうち、母材の表面に形成されたビッカース硬度(HV)700以上の硬度を有する領域と、上記硬質皮膜とが接触している領域をいうものとする。なお、本発明においてビッカース硬度(HV)700以上とは、ビッカース硬度試験機の試験荷重を0.9807N(100gf)としたときに得られる値が700以上であるものを意味するものとする。
本発明のピストンリングの上下面に形成されるHV700以上の窒化層は、上述したように上記面取り部のピストンリング軸方向長さをy、上記HV700以上の窒化層接触領域のピストンリング軸方向長さをxとした場合(図2参照)に、HV700以上の窒化層接触領域長さxが面取り部長さyの3〜40%の範囲内、好ましくは5〜20%の範囲内、になるように形成される。HV700以上の窒化層接触領域長さxと面取り部長さyとの比率が上記範囲に満たないとHV700以上の窒化層接触領域が小さすぎ、均一に形成できない場合がある。一方、上記比率が上記範囲を超えると、面取り部の耐折損性向上効果が充分に得られない場合がある。この際のHV700以上の窒化層接触領域長さxの実測値は、用いられるピストンリングや形成される面取り部の寸法により大きく異なるものではあるが、通常は5〜80μmの範囲内、好ましくは7〜30μmの範囲内で形成される。
本発明において、上記HV700以上の窒化層は任意の形態に形成することができ、例えば図2(a)に例示するようにHV700以上の窒化層10の膜厚(深さ)方向の全域において、HV700以上の窒化層10と硬質皮膜6とが接触しておらず、母材2の上面7の最外周においてのみ接触していてもよい。また、図2(b)に例示するように、HV700以上の窒化層10と上記硬質皮膜6とは、HV700以上の窒化層10の膜厚方向の全域において接触していてもよい。この場合は、上記HV700以上の窒化層接触領域12長さxとHV700以上の窒化層10の膜厚(深さ)zは同じ長さになる。なお、外周摺動面の下端に位置する下面側の面取り部についても同様である。
このようなHV700以上の窒化層の膜厚は特に限定されるものではないが、15〜80μmの範囲内、中でも20〜70μmの範囲内であることが好ましい。膜厚を上記範囲内にすることにより、上述したようなHV700以上の窒化層接触領域長さxの比率を有するHV700以上の窒化層を容易に形成することができるからである。
2.硬質皮膜
本発明において、外周摺動面に形成される硬質皮膜は特に限定されるものではなく、所望の耐折損性が得られる公知のものを用いることができる。中でも、本発明において、上記硬質皮膜は、ピストンリング母材の外周面上に形成された、金属および/またはセラミックスから成る緻密層と、上記緻密層上に形成された多孔質層とから構成されていることが好ましい。上記緻密層を設けることにより、その後に母材の窒化処理を行った場合でも、母材の外周面の窒化を防止することができる。また、上記緻密層との密着性がよく、耐折損性の高い多孔質層を上記緻密層上に形成することにより、外周摺動面の耐折損性を向上させることができる。
以下、このような緻密層と、多孔質層とについて詳細に説明する。
(a)緻密層
本発明において、ピストンリングの母材の外周面の表面には、イオンプレーティング法により、金属および/またはセラミックスから成る緻密な層である緻密層が1〜5μmの範囲内、中でも2〜4μmの範囲内の膜厚で形成されることが好ましい。緻密層の膜厚が上記範囲に満たないと、窒素の侵入防止機能が不十分であり、上記緻密層の下に窒化層が形成されてしまう場合がある。一方、緻密層の膜厚が上記範囲を超える、不必要に厚い緻密層は形成に時間を要するため製造効率上望ましくなく、材料コストの観点からも望ましくない。
上記緻密層の形成に用いられる金属は、窒素の侵入を防止することができる緻密な層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、通常は単金属、または複数の金属を含有する合金が用いられる。本発明においては、ピストンリングの母材との密着性、熱膨張率、柔軟性等の観点からCr、Cr系合金、Ti、Ti系合金等、中でもCr、Cr系合金(Cr−B合金、Cr−V−B合金、Cr−B−Si合金等)が好適に用いられる。このような、上記母材と、多孔質層との中間の特性を有する金属を用いて緻密層を形成することにより、両者の密着性を向上させることができ、母材と、多孔質層との間の熱膨張率の違い等による剥離を防止することができる。
また、上記緻密層がセラミックスからなる場合も上記金属からなる場合と同様の膜厚において形成することができる。このようなセラミックスからなる緻密層は、例えばイオンプレーティング装置の炉内に窒素を導入することにより、緻密なCrN層をイオンプレーティング皮膜として形成することができる。
上記緻密層は金属のみから成る層でも、セラミックスのみから成る層でも、金属およびセラミックスから成る層でもよい。また、上記緻密層は、例えば金属のみから成る層の上にセラミックスのみからなる層が形成された、多層構造を有するものでもよい。
上記緻密層の緻密の程度は、窒化処理の際に当該緻密層の下層の母材への窒素の侵入を阻害し、上記母材の窒化を防止することができる程度のものであれば特に限定されるものではない。本発明においては窒素の侵入を効果的に阻害するため、上記緻密層の空孔率が0〜0.4%の範囲内であることが好ましい。
(b)多孔質層
本発明においては上述した緻密層上に、イオンプレーティング法により多孔質層が形成されることが好ましい。上記多孔質層は、応力を吸収する空孔を有する層であるため、ピストンリングの外周摺動面にこのような多孔質層を形成することにより、外周摺動面の耐折損性を向上させることができる。
本発明に用いられる多孔質層の空孔率は、0.5〜20.0%の範囲内、中でも1.0〜10.0%の範囲内において形成されることが好ましい。多孔質層の空孔率が上記範囲に満たない場合は、応力を吸収する空孔の量が十分でなく、好ましい耐折損性が得られない場合がある。一方、空孔率が上記範囲を越えると、空孔が多すぎて多孔質層の強度が低下してしまう可能性がある。
上記多孔質層を形成する材料は、上述したような空孔率を有する層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的には金属窒化物等の無機材料が用いられる。中でも、上記緻密層を形成する金属の窒化物、例えば、Cr−N系、Cr−B−N系、Cr−B−Si−N系、またはTi−N系等の材料が好適に用いられ、特にCrN、CrN、CrNとCrNとの混合物、CrとCrNとの混合物、CrとCrNとの混合物、CrとCrNとCrNとの混合物、またはTiN等が好適に用いられる。このような材料を用いて多孔質層を形成することにより上記緻密層に近い特性を有する多孔質層を形成することができるため、緻密層との密着性を向上させることができ、緻密層との熱膨張率の違い等による剥離を防止することができる。
上記多孔質層の膜厚は、所望の耐折損性を得られるものであれば特に限定されるものではなく、通常は5〜80μmの範囲内、好ましくは10〜50μmの範囲内の膜厚で形成される。
3.母材
本発明において用いられるピストンリングの母材の外周面には、面取り部が形成されている。このような面取り部を設けることにより外周摺動面の耐折損性を向上することができる。上記面取り部の大きさ等は特に限定されるものではないが、耐折損性向上の観点からピストンリング軸方向の長さ(図2におけるy)が、ピストンリングの軸方向高さ(図1におけるh1)の5〜30%の範囲内、中でも5〜20%の範囲内で形成されることが好ましい。
また、本発明のピストンリングに用いる母材は、外周面における最大高さ粗さRzが1.0〜4.0μmの範囲内、中でも1.5〜2.5μmの範囲内のものが用いられることが好ましい。母材の外周面の最大高さ粗さRzが上記範囲に満たないと、母材の表面積が小さ過ぎ、その上に形成される緻密層との密着性が悪くなってしまう場合がある。一方、上記最大高さ粗さRzが上記範囲を超えると、イオンプレーティング法により緻密層を形成する場合に緻密層を均一な膜厚で形成することが困難になり、局所的に緻密層の膜厚が薄い、または形成されない可能性がある。このような場合は、窒化処理の際に緻密層の膜厚が薄い、または形成されていない箇所から窒素が侵入し、緻密層の下の母材に窒化層が形成され、上記緻密層を形成した効果が十分に得られないため好ましくない。
ここで最大高さ粗さRzとは、JIS B 0601:2001に基づく基準長さにおける輪郭曲線(粗さ曲線)の山高さZpの最大値と、谷深さZvの最大値との和であり、この値をマイクロメートル(μm)で表したものをいうものとする。
上記母材の材質は、上述したような最大高さ粗さRzを有するものであれば特に限定されるものではなく、ピストンリングに一般的に用いられる材料を用いることができる。例えば、SUS440BやDINX90に代表されるマルテンサイト系ステンレス鋼や、SUS410材、SUS440材、10Cr鋼(質量%でCr:9〜11%)、およびオーステナイト系ステンレス鋼等を用いることができる。
なお、上記以外の母材の形状や寸法等も特に限定されるものではなく、ピストンリングの用途に合わせて適宜調整することができる。
4.製造方法
本発明のピストンリングの製造方法は上述した構成を有するピストンリングを得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えばピストンリングの母材の外周面にイオンプレーティング法により上記緻密層および多孔質層から構成される硬質皮膜を形成し、ピストンリングの上下面を研磨加工し、窒化処理を施してHV700以上の窒化層を形成することにより製造することができる。以下、このようなピストンリングの製造方法の各工程について説明する。
(a)イオンプレーティング法による硬質皮膜の形成
本工程においては、以下の方法によりピストンリングの母材の外周面に上記緻密層と多孔質層とから構成される硬質皮膜を形成することができる。
ます、緻密層の形成に先立って、上記母材を8×10−5Torr以下の真空度に設定されたアークイオンプレーティング装置の炉内ヒーターで300〜660℃の範囲内で加熱することにより母材に吸着しているガスを放出させる。その後、上記母材に−1000〜−600Vの範囲内のバイアス電圧を印加し、陰極の金属ターゲットと陽極との間でアーク放電を発生させて上記ターゲットの金属を蒸気化、イオン化し、窒素ガスまたはアルゴンガスを導入してイオンボンバードをすることにより母材表面のクリーニングを行った。この際の上記陰極のターゲットとしては、緻密層を形成する金属のターゲットを用いる。
上記クリーニングを行った後の、アーク放電が発生している上記炉内へ、4×10−3〜4×10−2Torrの範囲内になるまでアルゴンガスを導入し、−10〜−50Vの範囲内のバイアス電圧を印加して母材の外周面上に緻密層を形成する。さらに、4×10−3〜4×10−2Torrの範囲内になるまで窒素ガスを導入し、−10〜−50Vの範囲内のバイアス電圧を印加することにより上記緻密層上に多孔質層を形成することができる。
(b)研磨加工
上記方法により硬質皮膜を形成した場合、母材の上面や下面などの外周面以外の箇所にも上記硬質皮膜が形成される場合がある。母材の上下面に硬質皮膜が形成された場合、当該硬質皮膜が窒素の母材への侵入を阻害し、後の窒化処理の際に母材の上下面に均一にHV700以上の窒化層を形成することができなくなる可能性があるため、上記硬質皮膜の形成後に母材の上面と下面とをそれぞれ10〜20μmの範囲内、中でも10〜15μmの範囲内で研磨加工を行うことが好ましい。このような研磨加工を行って上下面に形成された硬質皮膜のかぶり部を除去することにより母材の上下面に均一かつ安定的にHV700以上の窒化層を形成することができる。
(c)窒化処理
本発明においては、母材の外周面に上記硬質皮膜が形成されたピストンリングを窒化処理することにより、上記ピストンリングの上下面、または、上下面および内周面にHV700以上の窒化層を形成することができる。上記窒化処理の方法は、上述したようなHV700以上の窒化層を形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、ガス窒化法(550〜600℃において60〜300分)、塩浴窒化(タフトライド)法(570〜590℃において10〜300分)等公知の方法により行うことができる。形成されたビッカース硬度(HV)700以上の窒化層は、ピストンリングの切断面を研磨および仕上げ加工により鏡面に仕上げ、4%ナイタル液によりエッチングを行うことにより確認することができる。また、形成された窒化層の詳細な硬度分布は、断面硬度の測定をJIS G 0562:1993に基づく方法により確認することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1〜14]
直径φが90mm、径方向幅(図1に示すa1)が2.7mm、軸方向高さ(図1に示すh1)が1.0mmのピストンリング母材(SUS410材相当、C:0.65質量%、Si:0.40質量%、Mn:0.35質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03質量%以下、Cr:13.5質量%、Mo:0.3質量%、残部:Fe)を用い、各ピストンリングの面取り部長さ(図2に示すy)は下記表1に示す長さとした。これらのピストンリングに対し、上記「4.製造方法」に記載された方法により硬質皮膜の形成、研磨加工、窒化処理を行うことにより、母材の外周面に緻密層および多孔質層が形成され、上下面および内周面に窒化層が形成されたピストンリングを製造した。その際の、アークイオンプレーティング装置の陰極としてはCrターゲットを用いた。形成された緻密層はCrから成り、膜厚は5μmであり、空孔率は0〜0.2%であった。また、上記緻密層上に形成された多孔質層はCrとCrNとCrNとの混合物から成り、膜厚は20μm、空孔率は1〜7%であった。さらに、上記多孔質層形成後には上記ピストンリングの上下面をそれぞれ15μm研磨加工し、その後窒化処理を行った。
上記窒化処理は、塩浴軟窒化法またはガス窒化法により、HV700以上の窒化層の膜厚が20μm、40μmまたは70μmを目標として行った。上記塩浴軟窒化法については、公知の塩浴を用い580℃において、HV700以上の窒化層の膜厚が20μmのもの(実施例1〜3)については0.33時間、HV700以上の窒化層の膜厚が70μmのもの(実施例8〜10)については3時間窒化処理を行った。また、上記ガス窒化法については、550℃において、HV700以上の窒化層の膜厚が40μmのもの(実施例4〜7)については60分、HV700以上の窒化層の膜厚が70μmのもの(実施例11〜14)については3時間窒化処理を行った。下記表1にそれぞれの実施例における窒化処理の方法、形成されたHV700以上の窒化層膜厚の実測値、面取り部の長さy、および面取り部長さyに対するHV700以上の窒化層接触領域長さxの比率(%)を示す。
なお、形成された窒化層については、上記「4.製造方法の(c)窒化処理」に記載された方法により確認および断面硬度の測定を行い、HV700以上の窒化層接触領域長さxを求めた。
[比較例1]
上記実施例と同様の方法で硬質皮膜の形成、研磨加工、窒化処理を行うことにより、母材の外周面に緻密層および多孔質層が形成され、上下面および内周面に窒化層が形成されたピストンリングを製造した。窒化層の形成の際は、ガス窒化法により550℃において5時間窒化処理を行った。下記表1に形成されたHV700以上の窒化層膜厚の実測値、面取り部の長さy、および面取り部長さyに対するHV700以上の窒化層接触領域長さxの比率(%)を示す。
[比較例2]
上記実施例と同様の方法で硬質皮膜の形成、研磨加工、窒化処理を行うことにより、母材の外周面に緻密層および多孔質層が形成され、上下面および内周面に窒化層が形成されたピストンリングを製造した。窒化層の形成の際は、塩浴軟窒化法により580℃において0.25時間窒化処理を行った。下記表1に形成されたHV700以上の窒化層膜厚の実測値、面取り部の長さy、および面取り部長さyに対するHV700以上の窒化層接触領域長さxの比率(%)を示す。
[比較例3〜6]
上記実施例と同一の寸法および材質であるピストンリング母材の全面(外周面、内周面、上面および下面)の窒化処理を行った。上記窒化処理は、塩浴軟窒化法またはガス窒化法により、HV700以上の窒化層の膜厚が40μmまたは70μmを目標として上記実施例と同様に行った。上記窒化処理により母材の最表面に形成された化合物層(白層)を薬品により除去した後に外周摺動面に上記実施例における多孔質層と同様にCrとCrNとCrNとの混合物から成る膜厚20μmの層を硬質皮膜として形成した。下記表1にそれぞれの比較例における窒化処理の方法、形成されたHV700以上の窒化層膜厚の実測値、および面取り部の長さyを示す。なお、比較例3〜6については、外周摺動面の上記硬質皮膜の下層にもHV700以上の窒化層が形成されているため、HV700以上の窒化層接触領域長さxを特定することができない。
[耐折損性試験]
上記実施例および比較例において製造されたピストンリングの耐折損性試験を行った。耐折損性試験には、ピストンリングに当接し押圧変形させる押し治具を有する、特開2001−208650公報の図1に開示されている第1の実施の形態によるピストンリングの性能評価装置を用いた。この際、上記性能評価装置の押圧部は先細り状のテーパ面(テーパ角度:7.5°)をなすものを用い、ピストンリングが折損するまで上記押し治具を往復運動することにより耐折損性を測定した。上記性能評価装置の押し治具による荷重負荷の変位が正弦波で30Hzとなるように上記押し治具を往復移動させ、試験を行った。ピストンリングの折損の検出は、ピストンリングによってシールされた部分に9.8MPaのエアーを流し、シールされた部分のエアー圧変化をレコーダーに記録させ、圧力変化が生じたところで試験機を停止させた。
下記表1に耐折損性試験の結果を示す。なお、下記表1中の耐折損性指数は、比較例1のピストンリングの疲労強度を100としたときの、それぞれのピストンリングの疲労強度を指数化し、耐折損性を示す値とした。
Figure 0004761375
上記表1から、実施例1〜14のピストンリングは、耐折損性に優れていることが分かる。比較例1、および3〜6のピストンリングは、耐折損性の点において上記実施例に劣るものであった。また、比較例2のピストンリングについては、良好な耐折損性は得られたが、HV700以上の窒化層接触領域が均一に形成されていなかった。
本発明の内燃機関用ピストンリングの一例を示す概略断面図である。 本発明の内燃機関用ピストンリングの面取り部の一例を示す概略断面図である。 従来の製造方法により製造された内燃機関用ピストンリングの外周摺動面の端部を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 内燃機関用ピストンリング
2 … 母材
3 … 外周摺動面
4 … 緻密層
5 … 多孔質層
6 … 硬質皮膜
7 … 上面
8 … 下面
9 … 内周面
10 … HV700以上の窒化層
11 … 面取り部
12 … HV700以上の窒化層接触領域

Claims (2)

  1. ピストンのリング溝に装着され、シリンダライナあるいはシリンダボアと摺動する内燃機関用ピストンリングであって、
    前記ピストンリングは外周摺動面、上下面、内周面を有し、前記上下面のみ、あるいは前記上下面および前記内周面のみに窒化層が形成され、前記外周摺動面にイオンプレーティング法により硬質皮膜が形成されており、
    前記上面および下面に形成された前記窒化層におけるビッカース硬度(HV)700以上の窒化層と、前記硬質皮膜とが接触している領域であるビッカース硬度(HV)700以上の窒化層接触領域のピストンリング軸方向の長さ(x)が、前記外周摺動面の上端および下端に位置する面取り部のピストンリング軸方向の長さ(y)の3〜40%の範囲内であり、
    前記窒化層接触領域のピストンリング軸方向の長さ(x)が、前記HV700以上の窒化層の膜厚(z)の16.4〜44.4%の範囲内であることを特徴とする内燃機関用ピストンリング。
  2. 前記ビッカース硬度(HV)700以上の窒化層の膜厚が15〜80μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストンリング。
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