JP4760270B2 - 配線基板の製造方法及び表示装置の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アクティブマトリクス型の薄膜トランジスタ等を含む配線基板の製造方法と、この配線基板によって構成される表示装置の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置は、アクティブマトリクス型の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)素子などの配線、例えば信号配線や電流供給配線などの配線を各々複数含む配線基板によって構成され、駆動可能な装置構成とされる。
有機ELによる従来の表示装置の要部の構成例を、図5に示す。この表示装置101では、基体103上に、陽極108とその駆動素子であるTFT素子109を有する画素110が設けられ、この画素110を区画するように、それぞれ独立して縦方向に延在する信号配線106及び電流供給配線107と、これらとは層間絶縁膜105により分離されて横方向に延在する走査配線104(破線図示)とが、それぞれ画素の配列に応じて多数設けられる。
各画素110においては、前述した陽極108上に、少なくとも有機発光材料からなる有機層111と陰極112とがこの順に積層形成され、これによって主たる発光構造が形成される。
このような表示装置101においては、陽極108の駆動が、走査配線104と、信号配線106と、電流供給配線107と、これらの配線により電流供給されるTFT素子109とによってなされ、陰極112との間の通電により、有機層111における発光がなされる。
この表示装置101における陽極108の駆動、すなわち各配線104,106及び107による画素110の発光動作について、図6に示す単位画素の等価回路を用い、走査配線104をX及びX、信号配線106をY、電流供給配線107をYとして説明する。
この等価回路は、有機ELの発光部ELと、第1のTFTトランジスタ(MOSトランジスタ)Tr1と、第2のTFTトランジスタ(MOSトランジスタ)Tr2と、容量Cとを有して成る。第2のTFTトランジスタTr2の一方の主電極(例えばソース)が信号線Y1に接続され、他方の主電極(例えばドレイン)が容量Cを介して電流供給配線Y2に接続され、ゲート電極が走査線X1に接続される。一方、発光部ELの陽極が第1のTFTトランジスタTr1を介して電流供給配線Y2に接続され、第1のTFTトランジスタTr1のゲート電極が第2のTFTトランジスタTr2と容量Cの接続中点に接続される。
この等価回路の動作は次の通りである。
電流供給配線Y2には常時電流が供給されている。走査線X1に走査パルスが印加され、信号線Y1に所要の信号が供給されると、第2のTFTトランジスタTr2がオン状態になり、容量Cに所要の信号が書き込まれる。この書き込まれた信号に基づいて第1のTFTトランジスタTr1がオン状態になり、信号量に応じた電流が電流供給部Y2を通して発光部ELに供給されて、発光部ELが発光表示される。
このようにして発光動作がなされる単位画素110が、複数個XYマトリックス状に配列されて、表示装置101が構成される。
このような表示装置等を構成する配線基板の製造においては、図7A及び図7Bに示すように、本来互いに分離して設けられる各配線、例えば信号配線106と電流供給配線107との間に、不純物やパターン誤差などによって短絡(配線短絡部112)を生じるおそれがあることから、この短絡を、新たな問題を生じることなく修正する方法が求められてきた。
従来、このような短絡に対する修正方法として、レーザ光照射により短絡箇所に位置する配線材料を除去する方法が、広く用いられてきた。
しかし、通常のレーザ光照射による場合、被加工基板となる配線基板が、前述の信号配線や電流供給配線と熱的に連結される位置に、例えば層間絶縁膜を介して下層に設けられる配線(例えば、所謂走査配線)を有する場合、前述の短絡箇所に対する修正は不可能とされている。
これは、配線短絡箇所に対するレーザ光照射で除去した場合、その加工時に発生する熱が絶縁膜や走査配線などにまで拡散してしまうため、図7Cに示すように、この熱によって下層の走査配線が損傷ないし断線してしまうおそれがあることによる。
また、通常のレーザ光に比して熱拡散が少ないとされている、例えば10ピコ秒以下のパルス幅を有する(所謂フェムト秒オーダーの)短パルス幅レーザ光によって修正を行う方法が知られている。
しかし、この短パルス幅レーザ光による方法は、直接の修正対象である基板表面の配線における除去時の溶融や飛散が低減されるものの、通常用いられる短波長帯(例えば390nm)のレーザ光が絶縁膜を通過して下層の走査配線に到達してしまうために、やはり走査配線に損傷ないし断線を生じてしまう。
この問題に対し、焦点位置を基板表面とは異なる位置へと意図的に変えることにより、下地層へ透過するエネルギーを抑えて、損傷を抑制する加工方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003-1467号公報
しかしながら、特許文献1に記載された手法を用いる場合には、焦点位置が基板表面から外れているために加工精度が著しく低下してしまう。
近年、アクティブマトリクス基板をはじめとする配線基板には、実装密度の向上などを目的として更なる狭ピッチ化(高精細化)が求められていることから、特許文献1に記載の加工方法は、基板製造における修正手法として最適とは言い難い。
本発明の目的は、加工精度を損なうことなく短絡を修正することが可能な配線基板の製造方法と、この配線基板により構成される表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明に係る配線基板の製造方法は、Moを50%以上含む合金からなる第3配線上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上に、Alを50%以上含む合金からなる第1配線及び、Alを50%以上含む合金からなる第2配線を形成し、第1配線及び第2配線の少なくとも一方における短絡箇所を、短パルス幅レーザ光を用いて除去する修正工程を有する。そして、修正工程において、短パルス幅レーザ光のエネルギー密度を、第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく、かつ短絡箇所を構成する第1配線又は第2配線と同じ材料からなる材料の加工閾値より大きくする。さらに、短パルス幅レーザ光のパルス幅、波長、及び、照射エネルギーから選ばれる少なくとも1つ以上を、層間絶縁膜の厚さに基づいて選定する。
本発明に係る表示装置の製造方法は、Moを50%以上含む合金からなる第3配線上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上に、Alを50%以上含む合金からなる第1配線及び、Alを50%以上含む合金からなる第2配線を形成し、第1配線及び第2配線の少なくとも一方における短絡箇所を、短パルス幅レーザ光を用いて除去する修正工程を有する。そして、修正工程において、短パルス幅レーザ光のエネルギー密度を、第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく、かつ第1配線又は第2配線と同じ材料からなる短絡箇所を構成する材料の加工閾値より大きくする。さらに、短パルス幅レーザ光のパルス幅、波長、及び、照射エネルギーから選ばれる少なくとも1つ以上を、層間絶縁膜の厚さに基づいて選定する。
本発明に係る配線基板の製造方法によれば、第1配線及び前記第2配線の少なくとも一方における短絡箇所を除去する修正工程を有し、除去を、第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく第1配線及び第2配線の少なくとも一方を構成する材料の加工閾値より大きいエネルギー密度を有する短パルス幅レーザ光の照射によって行うことから、加工精度を損なうことなく短絡を修正することが可能となる。
本発明に係る表示装置の製造方法によれば、表示装置を構成する配線基板の製造において、第1配線及び第2配線の少なくとも一方における短絡箇所の除去を、第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく、かつ第1配線及び第2配線の少なくとも一方を構成する材料の加工閾値より大きいエネルギー密度を有する短パルス幅レーザ光の照射によって行うことから、第3配線の損傷ないし断線を回避して表示装置を製造することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明に係る製造方法を実施するのに好適な加工装置の一例の構成について説明する。
図1A及び図1Bは、それぞれ、本発明に係る配線基板の製造方法に用いて好適な加工装置の一例を示す概略構成図と、この加工装置を構成する局所排気装置の概略断面図を示す。
本実施形態に係る加工装置1は、所謂レーザリペア装置であり、液晶や有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示装置の製造において、短絡箇所をレーザ光照射で除去することによって、所謂欠陥となるおそれのある箇所を修正するために用いられるものである。
本実施形態において、加工装置1は、少なくとも図1Aに示すように、パルスレーザ光源部2と、レーザ光による主たる被照射部(加工部)となる局所排気部3を規定する局所排気装置4と、局所排気装置4と共通のチャンバー内に設けられ、かつ被加工基板(配線基板;本実施形態においてはアクティブマトリクス型のTFT素子を含む配線基板)6の配置部となる支持台5とを有する。
局所排気装置4には、圧縮した窒素を支持台5に向けて噴射することによって局所排気装置4を静圧浮上させる圧縮ガス供給手段9と、支持台5に向けて噴射された圧縮ガスをリング状の排気流路(吸引溝)15から排気する排気手段10と、局所排気部3にパージガス流路16からパージガスを供給するパージガス供給手段11と、局所排気部3におけるレーザCVDの原料ガスとなる材料ガスを流路17から供給する供給手段12とが設けられる。
圧縮ガス供給手段11からの圧縮ガスは、供給路及び通気孔を構成するリング状の圧縮ガス供給路14及びその開口部に配置された多孔質通気膜13により、局所排気装置4に対向する支持台5に向けて出射され、所謂静圧浮上パッド構成による浮上がなされる。
一方、局所排気部3は、図1Bに示すように、排気流路15の端部を構成する吸引溝によって囲まれた領域内で、透明窓18と配線基板6の配置部との間に規定される。この局所排気部3は、局所排気装置4内の透明窓18から支持台5上に載置された配線基板6までの間で、吸引溝15が形成する同心環に比して内側に、略円筒状空間として形成されると考えられる。
また、局所排気部3には主に、材料ガス供給手段12による原料ガスのほか、パージガス供給手段11によるパージガスが導入され、このパージガスを導入する圧力、速度、位置、角度等を選定することにより、透明窓18の表面における、配線基板6で除去された材料の飛散に伴う付着を抑制することなどが可能となる。
この局所排気装置4は、支持台5上の配線基板6に対して相対的に変位可能とされ、材料ガス供給手段12と、パージガス供給手段11と、排気手段10とによって、浮上剛性の向上が図られる。
なお、ここで浮上剛性とは、局所排気装置4と配線基板6との間の吸着力であり、この浮上剛性が十分でない場合には、局所排気装置4の配線基板6に対する高さ(ギャップ)の安定性が不十分となるとか、局所排気装置4の機械的もしくは力学的な安定性が不十分になるなどの問題が生じることから、配線基板6の短絡修正作業を通じて浮上剛性を十分に確保しておくことが望ましい。
次に、本実施形態に係る配線基板の製造方法について、前述の加工装置1を用いて説明する。
まず、支持台5上に、パルスレーザ光源部2からのレーザ光Lの照射対象となる配線基板6を載置した後、局所排気装置4の下へと移動させる。
このとき、予め圧縮ガス供給手段9によって、所要の圧力、例えば0.2MPaの圧縮窒素を圧縮ガス供給路14及び多孔質通気膜13を経て噴射するとともに、排気手段10からの排気を開始して、局所排気装置4を十分安定して静圧浮上させることによって、移動してきた配線基板6との衝突回避を図ることが好ましい。
続いて、パージガス供給手段11からアルゴンガスを、所要の流量、例えば50ccm導入するとともに、排気手段10と局所排気部4の主たる圧力調整手段となる局所排気手段(図示せず)によって、最終的に行うレーザ光Lの照射における被照射部となる配線基板6の所定位置の雰囲気、すなわち局所排気部3の雰囲気を十分減圧する。同時に、局所排気部3以外すなわち周辺部の圧力の調整を行って、局所排気装置4と配線基板6との間の高さ及び剛性を確保する。最適な高さは、配線基板6の厚さにもよるが、例えば10μm程度に選定することができる。
続いて、局所排気装置4の透明窓18を通してレーザ照射部を観察しながら、支持台5を移動させて、配線基板6を所望の位置に移動させる。その後、局所排気手段による局所排気部3に対する局所排気を継続しながら、パルスレーザ光源部2から短パルス幅レーザ光Lを出射する。
パルスレーザ光源部2からの短パルス幅レーザ光を、光路を規定するミラー7、レンズ8、及び透過孔19内の透明窓18を介し、局所排気部3に導入して配線基板6上の短絡箇所に照射することにより、この短絡箇所を除去する修正工程を行う。なお、短パルス幅レーザ光のパルス幅は、後述するように、被照射箇所における熱拡散が進行するよりも短くなる間隔として、一般にフェムト秒オーダーとされる10ピコ秒(ps)以下とすることが好ましい。
ここで、本実施形態に係る配線基板6は、表示装置の要部を構成する、アクティブマトリクス型のTFT素子を含む配線基板である。本実施形態においては、図2に示すように、例えばガラスによる基体21上に、例えば厚さ100nmのMo(モリブデン)による走査配線22と、例えば厚さ100nmのSi(シリコンナイトライド)による層間絶縁膜23がこの順に積層形成され、この層間絶縁膜23上に、走査配線22とは分離されて、例えば厚さ500nmのAl(アルミニウム)による信号配線24及び電流供給配線25が、それぞれ独立に形成された構成を有する。すなわち、本実施形態においては、配線基板を構成する信号配線(第1配線)24及び電流供給配線25(第2配線)と、走査配線(第3配線)22とが、層間絶縁膜23によって分離されている。
この配線基板6の表面に生じた、信号配線24から電流供給配線25に渡る配線短絡部(短絡箇所)26に対し、前述した修正工程を行って、配線短絡部26を除去することにより、信号配線24と電流供給配線25の間の電気的短絡を解消することができる。
そして、本実施形態に係る配線基板の製造方法においては、後述するように、短パルス幅レーザ光の照射を、少なくとも被照射箇所において、信号配線24及び電流供給配25による第1配線及び第2配線を構成する材料(Al)の加工閾値より大きく、走査配線22による第3配線を構成する材料(Mo)の加工閾値より小さいエネルギー密度を選定して行うことにより、第3配線(走査配線)22の損傷ないし断線を回避することが可能となる。
次に、この短パルス幅レーザ光のエネルギー密度の選定と、その検討結果について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、パルス幅3ピコ秒の短パルス幅レーザの照射における、アルミニウムとモリブデンの、加工閾値の波長依存性を測定した結果である。図中、点で示したものがアルミニウムの測定結果、破線で示したものがモリブデンの測定結果である。
この測定結果から、アルミニウムの場合はレーザ光の波長が長くなるにしたがって加工閾値エネルギーが低下しているのに対し、モリブデンの場合は閾値が0.02J/cmと略一定で、レーザ光の波長の変化による閾値変動が殆ど生じていないことが確認できる。
したがって、アルミニウムにおいてのみ、レーザ光吸収が長波長化に伴って増加することから、少なくとも配線短絡部26が信号配線24及び電流供給配線25の少なくとも一方と同じ材料で構成される場合、短パルス幅レーザ光の波長が700nm未満では、層間絶縁膜23を透過して走査配線22に至るレーザ光によって、走査配線22に損傷ないし断線が生じてしまう。
すなわち、本実施形態におけるように、信号配線24及び電流供給配線25をアルミニウムによって構成し、これらとは層間絶縁膜23によって分離される走査配線22をモリブデンによって構成する場合には、短パルス幅レーザ光の波長を700nm以上とすることによって、0.02J/cm以下のエネルギー密度とし、下層の走査配線22を構成する材料の変質を抑制することが可能となる。
図4は、信号配線24及び電流供給配線25を構成するアルミニウムの薄膜の、パルスレーザ照射に対する、溶融厚さのパルス幅依存性を測定した結果である。溶融温度は、アルミニウムの融点に相当する600℃とした。
この測定結果から、レーザ光のパルス幅が35ピコ秒より長い場合に溶融厚さが155nmとなってしまうことが確認できる。また、レーザ光のパルス幅が0.25ピコ秒の場合には略20nm程度であることも確認できる。
一般的に、層間絶縁膜23は100nm以上の厚さで形成されるため、層間絶縁膜23の下層にあたる走査配線22に、層間絶縁膜23の上側における溶融の影響が及ぼされないためには、溶融厚さを100nm以下に抑制する必要がある。
したがって、図4の測定結果からは、短パルス幅レーザ光のパルス幅を10ピコ秒以下とすることが好ましいと考えられる。
以上説明したように、本実施形態に係る配線基板の製造方法によれば、少なくとも第1配線及び第2配線と、層間絶縁膜によって第1配線及び第2配線とは分離された第3配線とを有する配線基板の製造において、第1配線及び前記第2配線の少なくとも一方における短絡箇所を除去する修正工程における除去を、第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく第1配線及び第2配線の少なくとも一方を構成する材料の加工閾値より大きいエネルギー密度を有する短パルス幅レーザ光の照射によって行うことから、加工精度を損なうことなく短絡を修正することが可能となる。
更に、本実施形態に係る製造方法によって得られる配線基板によって表示を構成した場合には、第3配線の損傷ないし断線を回避して、画質などの品質の高い表示装置を、歩留まり良く製造することが可能となるものである。
なお、本発明に係る配線基板の製造方法においては、短パルス幅レーザ光のパルス幅と、波長と、照射エネルギーとのうち、少なくとも1つを、層間絶縁膜の厚さに基づいて選定することが好ましい。これは、前述の溶融厚さをはじめ、層間絶縁膜上へのレーザ光照射による熱的影響が、下層の第3配線(本実施形態では走査配線)に及ぼされる程度が、層間絶縁膜の材料よりも、特にその厚さによって変動するためである。
また、短パルス幅レーザ光の波長については、層間絶縁膜を構成する材料の吸収波長帯に基づいて選定することが好ましい。これは、レーザ光自体が層間絶縁膜に吸収されてしまうと、層間絶縁膜が変質ないし除去されてしまうために、層間絶縁膜によって上下に分離されていた第1配線及び第2配線と第3配線との間で新たに短絡が生じてしまうおそれが生じるためである。
<実施例>
本発明の実施例を説明する。
波長780nm、パルス幅3ピコ秒のレーザ光の加工エネルギーを、アルミニウムの加工閾値である0.015J/cm以下になるようにアッテネーターを設定し、加工サイズを10μm□として、スリット位置を配線短絡部に合わせ、所定の条件で複数回レーザー光のパルス照射を行ったところ、モリブデンによる下層の走査配線に影響を生じることなく、層間絶縁膜上の配線短絡部のみを除去して完全に修復することができた。
これに対し比較例として、波長390nm、パルス幅3ピコ秒のレーザ光の加工エネルギーをアルミニウムの加工閾値である0.04J/cmになるようにアッテネーターを設定し、加工サイズを10μm□として、所定の条件で同様に配線短絡部に対して複数回レーザー光のパルス照射を行ったところ、従来技術による場合(図7C)と同様に、アルミニウムによる配線短絡部だけでなく、層間絶縁膜及び走査配線まで除去され、走査配線が断線してしまうことが確認された。
以上、本発明に係る配線基板の製造方法及び表示装置の、製造方法の実施の形態及び実施例を説明したが、以上の実施の形態の説明で挙げた使用材料及びその量、処理時間及び寸法などの数値的条件は好適例に過ぎず、説明に用いた各図における寸法形状及び配置関係も概略的なものである。すなわち、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
例えば、第3配線は必ずしも配線短絡部の直下に存在する必要はなく、配線短絡部から層間絶縁膜を介して熱的に連結される位置にあれば本発明を適用することが可能である。
また、例えば信号配線と電流供給配線は互いに異なる材料で構成されても良く、この場合には、配線短絡部の除去が可能である限り、少なくとも一方を構成する材料の加工閾値より大きいエネルギー密度のレーザ光を照射すれば良い。
また、第1配線〜第3配線を構成する各材料もアルミニウムやモリブデンに限られず、各配線の構成についても、例えばアルミニウムやモリブデンを50%以上含むものをはじめとして、合金や積層構造による構成とすることもできる。
また、例えば加工装置1について、ミラー7などの配置を選定しながら、例えばCW(Continuous Wave;連続発振)レーザ光源を有する装置構成とすることにより、レーザCVD(Chemical Vapor Deposition)による修正と併せた配線基板の製造を行うことも可能となるなど、本発明に係る製造方法は、種々の変形及び変更をなされうる。
A,B それぞれ、本発明に係る配線基板の製造方法に用いて好適な加工装置の一例を示す概略構成図と、この加工装置を構成する局所排気装置の概略断面図である。 本発明に係る配線基板の製造方法の、一例の説明に供する配線基板の概略断面図である。 本発明に係る配線基板の製造方法の一例における、第1配線及び第2配線と第3配線とを構成する材料の、加工閾値の波長依存性の測定結果を示す模式図である。 本発明に係る配線基板の製造方法の一例における、第1配線及び第2配線を構成する材料の、溶融厚さのパルス幅依存性を測定した結果を示す模式図である。 従来の表示装置の要部の構成例を示す模式的斜視図である。 従来の表示装置の画素における駆動及び発光動作の説明に供する回路図である。 A,B,C それぞれ、従来の表示装置を構成する配線基板における短絡の説明に供する模式的斜視図と、配線基板における短絡の説明に供する概略断面図と、従来の製造方法による短絡修正手法の説明に供する概略断面図である。
符号の説明
1・・・加工装置、2・・・パルスレーザ光源部、3・・・局所排気部、4・・・局所排気装置、5・・・支持台、6・・・配線基板(被加工基板)、7・・・ミラー、8・・・レンズ、9・・・圧縮ガス供給手段、10・・・排気手段、11・・・パージガス供給手段、12・・・材料ガス供給手段、13・・・多孔質通気膜、14・・・圧縮ガス供給路、15・・・排気流路(吸引溝)、16・・・パージガス流路、17・・・材料ガス流路、18・・・透明窓、19・・・透過孔、21・・・基体、22・・・走査配線、23・・・層間絶縁膜、24・・・信号配線、25・・・電流供給配線、26・・・配線短絡部、101・・・従来の表示装置、102・・・従来の配線基板、103・・・基体、104・・・走査配線、105・・・層間絶縁膜、106・・・信号配線、107・・・電流供給配線、108・・・陽極、109・・・TFT素子、110・・・画素、111・・・有機層、112・・・陰極、113・・・配線短絡部

Claims (7)

  1. Moを50%以上含む合金からなる第3配線上に層間絶縁膜を形成し、前記層間絶縁膜上に、Alを50%以上含む合金からなる第1配線及び、Alを50%以上含む合金からなる第2配線を形成し、前記第1配線及び前記第2配線の少なくとも一方における短絡箇所を、短パルス幅レーザ光を用いて除去する修正工程を有し、
    前記修正工程において、前記短パルス幅レーザ光のエネルギー密度を、前記第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく、かつ前記第1配線又は前記第2配線と同じ材料からなる前記短絡箇所を構成する材料の加工閾値より大きくし、
    前記短パルス幅レーザ光のパルス幅、波長、及び、照射エネルギーから選ばれる少なくとも1つ以上を、前記層間絶縁膜の厚さに基づいて選定する
    配線基板の製造方法。
  2. 前記配線基板が、アクティブマトリクス型の薄膜トランジスタを含む請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記第1配線が信号配線であり、前記第2配線が電流供給配線であり、前記第3配線が走査配線である請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記第1配線及び前記第2配線を構成する材料がアルミニウムである請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記第3配線を構成する材料がモリブデンである請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  6. 前記短パルス幅レーザ光の照射エネルギーが、被照射箇所において0.02J/cm以下である請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  7. Moを50%以上含む合金からなる第3配線上に層間絶縁膜を形成し、前記層間絶縁膜上に、Alを50%以上含む合金からなる第1配線及び、Alを50%以上含む合金からなる第2配線を形成し、前記第1配線及び前記第2配線の少なくとも一方における短絡箇所を、短パルス幅レーザ光を用いて除去する修正工程を有し、
    前記修正工程において、前記短パルス幅レーザ光のエネルギー密度を、前記第3配線を構成する材料の加工閾値より小さく、かつ前記第1配線又は前記第2配線と同じ材料からなる前記短絡箇所を構成する材料の加工閾値より大きくし、
    前記短パルス幅レーザ光のパルス幅、波長、及び、照射エネルギーから選ばれる少なくとも1つ以上を、前記層間絶縁膜の厚さに基づいて選定する
    表示装置の製造方法。
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