JP4759173B2 - 熱可塑性樹脂組成物、光ディスク基板および光ディスク - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、光ディスク基板および光ディスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク基板に用いるのに適した熱可塑性樹脂組成物、それから得られた光ディスク基板および光ディスクに関する。さらに詳しくは環境変化によるディスクの反りが少ない光ディスク基板用樹脂組成物、それから得られた基板および高記録密度光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクとは、音声情報、画像情報、或いは文字情報等の各種情報の記録媒体であり、ピットと称される物理的な凹凸形状によって記録信号が予め書き込まれてなる光ディスクや、信号記録層の相変化を利用して記録信号が書き込まれる相変化型光ディスクや、信号記録層の磁気光学効果を利用して記録信号の記録および/または再生が行われる光磁気ディスクなどの種類がある。いずれの光ディスクも透明な樹脂基板を通して記録層または反射層に光を入射し、反射光の強度変化や偏光角の変化など読み取ることで情報の記録および/または再生を行うものである。光ディスクとしては、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)、光磁気ディスク(MO)およびデジタルバーサタイルディスク(DVD)などが商品化されている。これらの光ディスクの基板には、一般に芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が用いられ、射出成形することにより製造されている。芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、機械的特性および寸法安定性等が優れていることから、光学材料として好適に用いられている。
【0003】
しかしながら、近年、さらなる光ディスクの高記録密度化を実現するため、新しい光ディスクが提案されている。例えば、DVDより記録密度を高めた光ディスクの方式として、特開平11−7658号公報には「熱可塑性樹脂からなり、0.3〜1.2mmの厚さの支持体と、上記支持体上に案内溝と、該案内溝上に、順に、少なくとも反射膜と、相変化型記録膜とからなる記録領域を有し、少なくとも上記記録領域において、3〜177μmの厚さの透明保護層が形成されて成り、上記透明保護層の、厚さムラをΔtとしたときに、再生、もしくは記録再生する光学系のN.A.および波長λとの間に、
Δt≦5.26(λ/N.A.4)(μm)(N.A.は開口数)
の関係を満たすことを特徴とする光学記録媒体」が提案され、レーザー波長およびピックアップレンズの開口数(NA)と透明保護層の厚さおよび上記式より算出さえる透明保護層の厚さむらを規定することにより、大容量化が可能な光記録媒体が提供されるとしている。この方式を具現化した光ディスクとして、デジタル・ビデオ・レコーディング(DVR)が開発されつつある。これは、DVDの4〜5倍の20〜25GBの記録容量を有する光ディスクである。上記の方式の高記録密度光ディスク基板材料には、透明保護層側より光を照射するため、その基板(支持体)にはCD、DVD基板などのような透明性は必要なくなるが、従来の光ディスクに比べ基板の反りや環境変化に対する反り変化の小さいことが以下の理由により要求される。高密度化に伴い、レーザーの短波長化およびピックアップレンズが高NA化されるため、微小な基板の反りでもコマ収差が大きくなり、フォーカスエラーやトラッキングエラーを引き起こすからである。また、高NA化によってピックアップレンズと基板との距離が接近するため、レンズと基板の接触を回避するためにも、基板の反りおよび反り変化は小さいことが望まれる。
【0004】
上記高密度光ディスク基板の反りは、基板が射出成形または射出圧縮成形で作成される過程において、成形条件を詳細に調整することによって基板の反りを小さく抑え込むことができるが、環境変化による反り変化については、温度湿度の環境変化における吸湿により基板の反り変化が生じてしまう。特に上記方式の高密度光ディスクは片面信号の光記録媒体であるため、主に反射膜のない側の表面から吸水が生じ、基板中の含水バランスが異なり、大きな吸水変形を起こす問題が生じている。特にドライブ運転中は機内温度が高く湿度も低いことから急激な変化がおこり易くディスクの変形によりフォーカスエラーが大きくなり信号が読み出せない等の問題が生じる。
【0005】
上記光ディスクの基板に一般に用いられている芳香族ポリカーボネート樹脂を基板材料に用いた場合、吸水率が高い為、基板の吸湿膨張または脱湿収縮によるディスクの反り変形が大きく、読取り時にフォーカスエラーやトラッキングエラーを生じ易いという欠点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂からなる基板上に、順に少なくとも反射膜と透明保護層とが形成され、透明保護層側から光が照射されて情報信号の記録および/または再生が行われるタイプの光ディスク(以下「表読み光ディスク」と称する場合がある。)の基板を成形するのに適した、従って基板の成形性を損なうことなく、基板の吸湿または脱湿過程における反り変形の小さな基板材料としての樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
本発明者らは、この目的を達成する為に鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂と飽和吸水率が0.05重量%以下の熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーを特定の割合で混合して得られた樹脂組成物が、基板の成形性を損なうことなく、吸湿または脱湿過程のディスクの反り変形が低減された、表読み光ディスクの基板材料として好適な組成物であるということを見出し、本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、熱可塑性樹脂からなる基板上に、順に少なくとも反射膜および透明保護層とが形成され、透明保護層側から光が照射されて情報信号の記録および/または再生が行われる高記録密度光ディスクの基板用の樹脂組成物であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)99.5〜65重量%および飽和吸水率が0.05重量%以下の熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー(B成分)0.5〜35重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物により達成される。
【0009】
本発明におけるポリカーボネート樹脂(A成分)は、通常芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを溶液重合法または溶融重合法等で反応させて得られるものである。ここで使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホキシド、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン等が挙げられる。中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、が好ましく、殊に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、“ビスフェノ−ルA”と略記する場合がある)が好ましい。また、これらの化合物は1種類または2種類以上混合して用いることができる。
【0010】
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、そのポリマー0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した比粘度が0.2〜0.5のものが好ましく、0.25〜0.4の範囲のものがより好ましい。比粘度が0.2未満では成形品が脆くなり、0.5より高くなると溶融流動性が悪く、成形不良を生じ、光学的に良好な成形品が得難くなる。
【0011】
本発明の光ディスク基板に用いるのに適した樹脂組成物を形成する芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)は、二次転移温度(Tg)が120℃〜180℃であることが好ましい。特に130℃〜170℃が好適である。さらに好ましくは135℃〜160℃の範囲である。Tgが120℃未満では、成形したディスク基板の熱変形温度が低くなり、高温高湿環境下でディスクが変形してしまう可能性がある。また、Tgが180℃を越えると、溶融粘度が非常に高くなる為、射出成形が困難となる。
【0012】
一方、本発明に用いる熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー(B成分)は、特開平3−14882号や特開平3−122137号、特開平4−63807号などで公知の熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーである。熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーとしては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(共重合を含む)の水素添加物、およびノルボルネン系モノマーと、エチレンおよび/またはα―オレフィンなどのオレフィン系モノマーの共重合体を挙げることができ、実質的に不飽和結合を有さないものである。
【0013】
B成分の重合に使用されるノルボルネン系モノマーもそれ自体公知のものであり、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネン等;ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3−シクロペンタジエノナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエノアントラセン等;シクロペンタジエンの多量体である多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等;等が挙げられる。ノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体(共重合を含む)の水素添加物は公知の開環重合および水素化によって得ることができる。また、ノルボルネン系モノマーと、エチレンおよび/またはα―オレフィンなどのオレフィン系モノマーの共重合体についても公知の重合法で製造できる。
かかる熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーとして好ましいものとしては、日本ゼオン製のZEONEXシリーズ、ZEONORシリーズ 三井化学製のAPELシリーズ、Hoechst社製のTOPASシリーズなどの市販品が具体例として挙げられる。
【0015】
本発明に使用する熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーは、23℃の純水に浸漬した場合の飽和吸水率が0.05重量%以下が好ましく、0.01重量%以下がさらに好ましい。飽和吸水率が高いと得られる樹脂組成物の飽和吸水率を低減ができず、基板の吸湿または脱湿過程における反り変形が大きくなってしまう。
【0016】
本発明における光ディスク基板用樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂99.5〜65重量%と、熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー0.5〜35重量%よりなる。混合する熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー量が0.5重量%よりも少ない場合、ディスクの吸湿および脱湿過程における反り変形の低減効果が得られ難い。一方、混合する熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーの量が35重量%より多いと、樹脂組成物の成形基板に筋状の転写異常箇所が発生してしまうため、光ディスク基板としての使用は困難となる。好ましい組成は、ポリカーボネート樹脂99〜70重量%と熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー1〜30重量%よりなる。
【0017】
本発明の光ディスク基板用樹脂組成物には、前記ポリカーボネート樹脂および熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーの他に、熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸およびこれらのエステル並びに縮合燐酸よりなる群から選択された少なくとも1種のリン化合物を、樹脂組成物に対して適当な割合で配合することができる。このリン化合物を配合することにより、かかる光ディスク用樹脂組成物の熱安定性が向上し、成形時における分子量の低下や色相の悪化が防止される。
【0018】
かかる熱安定剤の配合量は、樹脂組成物に対して通常0.0001〜0.05重量%であり、0.0005〜0.02重量%が好ましく、0.001〜0.01重量%が特に好ましい。配合量が0.0001重量%未満では上記効果が得られ難く、0.05重量%を超えると、逆に該樹脂組成物の熱安定性に悪影響を与えることがあり、また樹脂によっては耐加水分解性も低下するので好ましくない。
本発明の光ディスク基板用樹脂組成物には、酸化防止の目的のため通常知られた酸化防止剤を添加することができる。その例としてはフェノール系酸化防止剤を示すことができる。これら酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は樹脂組成物に対して、0.0001〜0.05重量%である。
【0019】
さらに本発明の光ディスク基板用樹脂組成物には、必要に応じて一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを加えることもできる。この一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステルを配合することにより、前記樹脂組成物の成形時の金型からの離型性が改良され、ディスク基板の成形においては、離型荷重が少なく離型不良によるディスク基板の変形、ピットおよび/またはグルーブずれを防止できる。また、該樹脂組成物の溶融流動性が改善される利点もある。
【0020】
かかるアルコールと高級脂肪酸とのエステルの配合量は、樹脂組成物に対して0.01〜2重量%であり、0.015〜0.5重量%が好ましく、0.02〜0.2重量%がより好ましい。配合量が0.01重量%未満では上記効果が得られず、2重量%を越えると成形の際に金型表面の汚れの原因ともなる。
本発明の光ディスク基板用樹脂組成物には、さらに他の熱可塑性樹脂、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤などの添加剤を、成形性、ならびに成形したディスクの吸湿および脱湿過程における反りの低減効果を損なわない範囲で加えることができる。
【0021】
本発明の組成物の調製において、ポリカーボネート樹脂と熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーとの混合は、ポリマー溶液、粉粒体またはペレット等の成形品の段階が考えられるが、特に規制されるわけではない。また混合の方法については、ポリマー溶液の段階では、例えば、攪拌機付き容器が主として考えられ、また、粉粒体およびペレット等の成形品の段階では、例えばタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機などで混合する方法が用いられる。
【0022】
樹脂組成物の調製において、ポリカーボネート樹脂および熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーを溶液にて混合する場合は、ポリカーボネート樹脂ならびに熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーが共に可溶な溶媒を用いることが好ましい。この場合、溶液状態において濾過処理を行い未反応成分等の不純物や異物を除去することが好ましい。さらに射出成形に供する為のペレット状樹脂組成物を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態のときに濾過精度50μm以下の焼結金属フィルター等を通すなどして異物を除去することが好ましい。必要により、例えばリン系等の酸化防止剤などの添加剤を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。
【0023】
本発明における樹脂組成物は、23℃の純水に浸漬した場合の飽和吸水率0.33重量%以下であることが好ましい。飽和吸水率が0.33重量%を超えると、成形される光ディスク基板の表面上に金属膜を形成させた光ディスクが吸湿および脱湿過程における反り変形を生じ易くなり、フォーカスエラーやトラッキングエラーを起こし易くなるので好ましくない。
さらに本発明の樹脂組成物は、好ましくはASTM D−648により1.82MPa荷重下で測定された荷重たわみ温度が105℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは110℃以上である。上記の荷重たわみ温度を満足する場合には、光ディスク基板材料として良好な樹脂組成物の達成が可能となる。
【0024】
上記光ディスク用樹脂組成物より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているもので良いが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューと樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
【0025】
本発明における光ディスク基板用樹脂組成物は、射出成形または射出圧縮成形の際に、転写性の良好となる十分な流動性を有していることが好ましい。スタンパーとしては記録形式および記録密度に対応して適宜選択される。本発明の樹脂組成物は通常の記録密度から高い記録密度まで幅広く対応することが出来る。
【0026】
本発明の光ディスク基板は、その片面に少なくとも反射膜を形成させることにより光ディスクとなる。この材料としては、金属元素を単独で、あるいは複合させて用いることができる。そのうちAlおよびAuを単独で使用するか、もしくは0.5重量%以上10重量%以下、特に好ましくは3.0重量%以上10重量%以下のTiを含有するAl合金、0.5重量%以上10重量%以下のCrを含有するAl合金を使用するのが好ましい。また該反射膜は、イオンビームスパッタ法、DCスパッタ法またはRFスパッタ法などの手段で形成させることができる。
【0027】
通常この金属薄膜の他に、記録方式に応じて相変化膜、染料または光磁気膜などの記録形成層を設けた上に、保護層としての機能を有する透明層が形成されて本発明の光ディスクとなる。
【0028】
かかる相変化膜の記録材料層としては、例えば単体のカルコゲンやカルコゲン化合物が用いられる。具体的には、Te、Seの各単体、Ge−Sb−Te,Ge−Te,In−Sb−Te,In−Se−Te−Ag,In−Se,In−Se−Tl−Co,In−Sb−Se,Bi2Te3,BiSe,Sb2Se3,Sb2Te3等のカルコゲナイト系材料が使用される。
また、光磁気膜の記録層には、Tb−Fe−Co等の非晶質合金薄膜等の、カー効果やファラデー効果等の磁気光学特性を有する垂直磁化膜等が用いられる。
【0029】
また、透明保護層としては、ポリカーボネートやノルボルネン系樹脂などの熱可塑性樹脂や、各種熱硬化性樹脂や紫外線効果樹脂等からなる薄層が挙げられる。透明保護層を形成する手段は、例えば、記録層上にポリカーボネートやノルボルネン系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるシートを貼り合わせる方法、また紫外線硬化樹脂をスピンコート等の手法によって塗布し、紫外線照射することによって形成する方法が挙げられる。
【0030】
上記金属薄膜その他をディスク基板の片面に形成した光ディスクは、外部環境の湿度が変化した場合、基板の金属薄膜側と金属薄膜を形成していない側との吸湿および脱湿速度が異なることから、基板の厚み方向に含水率の勾配が生じ、樹脂の膨張量および収縮量の勾配が起こる為、ディスクの反り変形が生じる。この反り変形量は外部環境の湿度が変化した後、数時間〜数日でピークに達し、ディスク内の含水率の勾配が均一になると元の状態に戻る。
【0031】
本発明の光ディスクとしては、基板上に、順に、少なくとも反射膜、記録層および透明保護層とが形成され、透明保護層側から光が照射されて情報信号の記録および/または再生が行われるDVRなどの光ディスクを指す。これらの光ディスクにおいては、直径12cmのディスクの片面で20GBを越える記録容量を持つものも開発されているが、本発明の光ディスク基板はこれらのものにも十分に適応できる特性を有する。
【0032】
本発明の光ディスクに用いるのに適した樹脂組成物は、それを用いて形成した基板厚み1.2mmt、直径120mm、片側に金属膜(例えば厚み約100nmのアルミニウムからなる金属膜)を形成させたディスク基板を基準として用いた反り変形試験により、その好適性を判別することが出来る。すなわち、上記基板を、30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置して湿気を十分浸透させた後、このディスク基板を23℃、湿度50%RHの環境下に移して湿気を放散させ、その放散過程のディスク基板の反り変形量の最大値(ΔR−tiltmax)が、0.85度以下であることが好ましい。特に0.83度以下であればなお良い。ΔR−tiltmaxが0.85度を越えると、光ディスクにおけるフォーカスエラーやトラッキングエラーを起こし易くなるので好ましくない。
【0033】
上記光ディスク基板は、DVRのように、基板上に形成された透明保護層側から信号の記録および/または再生が行われるタイプの光ディスク基板材料として用いられる為、不透明であっても何ら差し支えない。
本発明の「高記録密度光ディスク」とは、0.7μm以下のトラックピッチを有する光ディスクのことを指す。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。なお実施例中の部は重量部である。なお、評価は下記の方法によった。
(1)ガラス転移温度(Tg)
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定した。
(2)飽和吸水率
23℃の純水に浸漬し、20日後における変化量を測定した。
(3)荷重たわみ温度
ASTM D−648に従って、荷重1.82MPaにて測定した。
【0035】
(4)初期機械特性(初期R−tilt)
射出成形機(名機製作所 M35B−D−DM)とキャビティ厚1.2mmt、直径120mmの金型およびグルーブ深さ43nm、グルーブピッチ0.6μmの溝が刻まれた22.5GBの容量を有するスタンパーを用いて、シリンダー設定温度320℃、金型温度125℃、型締め力15トン、冷却時間15秒でディスク基板を成形した。その後、射出成形により得られたディスク基板の信号面側に厚み約100nmのアルミニウム膜をスパッタ蒸着させた後、さらにその上にUV硬化樹脂をスピンコートし、UVを照射することでディスクを作成した。続いて、ディスクが互いに接触しないようスペーサーを挟み、温度23℃、湿度50%RH環境に2日間以上放置した。熱収縮および環境変化に対するTiltの変化が安定した時点でジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000UによりTiltの評価を行い、初期機械特性とした。
【0036】
(5)反り変形量の最大値(ΔR−tiltmax)
初期機械特性を評価した基板を30℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に72hr放置した後、このディスクを23℃、湿度50%RHの環境下に移し、その後のディスクの反り変形量の最大値(ΔR−tiltmax)をジャパン・イー・エム(株)製3次元形状測定器DLD−3000Uにより評価した。
(6)転写性
機械特性を評価した基板と同様の方法で基板を成形し、アルミニウム膜やUV硬化樹脂を成膜しない状態で、このディスク基板の半径55mm部分における溝部の深さを原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ SPI3700)にて測定し、溝形状の再現率(=100×ディスクの溝深さ/スタンパーの溝深さ(%))を求めた。
【0037】
実施例1
ポリマー成分Aとして帝人化成(株)製のポリカーボネート(パンライトAD−5503)のペレット100部と、ポリマー成分Bとして熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーである日本ゼオン(株)ZEONEX E48R のペレット11.1部を混合させた。続いて、ベント付きφ30mm二軸押出機を用いて押出すことにより、樹脂組成物のペレットを作成した。この樹脂組成物ペレットを名機製作所(株)製M35B−D−DMを用いて120mmφ、1.2mm厚みのディスク基板に射出成形した。このディスク基板を用いて、上記初期R−tilt、ΔR−tiltmaxおよび転写性を評価した。結果を表1に示す。
【0038】
比較例1
帝人化成(株)製のポリカーボネート(パンライトAD−5503)を名機製作所(株)製M35B−D−DMを用いて120mmφ、1.2mm厚みのディスク基板に射出成形した。このディスク基板を用いて上記初期R−tilt、ΔR−tiltmaxおよび転写性を評価した。結果を表1に示す。
【0039】
比較例2
ポリマー成分Aとして帝人化成(株)製のポリカーボネート(パンライトAD−5503)のペレット100部と、ポリマー成分Bとして熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーである日本ゼオン(株)ZEONEX E48R のペレット66.7部を混合させた。続いて、ベント付きφ30mm二軸押出機を用いて押出すことにより、樹脂組成物のペレットを作成した。この樹脂組成物ペレットを名機製作所(株)製M35B−D−DMを用いて120mmφ、1.2mm厚みのディスク基板に射出成形した。このディスク基板を用いて、上記初期R−tilt、ΔR−tiltmaxおよび転写性評価した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004759173
【0041】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、基板の成形性を損なうことなく、該樹脂組成物を用いて成形した光ディスクは、吸湿および脱湿過程の反り変形が小さい。この為、光ディスク基板、特に高記録密度光ディスク基板用の材料として好適に用いられ、その奏する工業的効果は格別なものである。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂からなる基板上に、順に少なくとも反射膜および透明保護層とが形成され、透明保護層側から光が照射されて情報信号の記録および/また再生が行われる高記録密度光ディスクの基板用の樹脂組成物であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)99.5〜65重量%および飽和吸水率が0.05重量%以下の熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマー(B成分)0.5〜35重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 上記芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)が主として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをジヒドロキシ成分とする芳香族ポリカーボネートである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を用いて成形した、エンボスピットまたは案内溝が設けられた0.3〜1.2mm厚さの高密度光ディスク基板。
  4. 請求項に記載の基板上に、順に少なくとも反射膜および透明保護層とが形成され、透明保護層側から光が照射されて情報信号の記録および/または再生がおこなわれるタイプの光ディスク。
  5. 反射層と透明保護層との間に記録膜を有する請求項記載の光ディスク。
  6. 記録膜および/または反射層と、透明保護層が複数積層される、多層構造であることを特徴とする請求項または記載の光ディスク。
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