JP4758657B2 - N−アルキルボラジンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、N−アルキルボラジンの製造方法に関する。N−アルキルボラジンは、例えば、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層を形成するために用いられる。
情報機器の高性能化に伴い、LSIのデザインルールは、年々微細になっている。微細なデザインルールのLSI製造においては、LSIを構成する材料も高性能で、微細なLSI上でも機能を果たすものでなければならない。
例えば、LSI中の層間絶縁膜に用いられる材料に関していえば、高い誘電率は信号遅延の原因となる。微細なLSIにおいては、この信号遅延の影響が特に大きい。このため、層間絶縁膜として用いられ得る、新たな低誘電材料の開発が所望されていた。また、層間絶縁膜として使用されるためには、誘電率が低いだけでなく、耐湿性、耐熱性、機械的強度などの特性にも優れている必要がある。
かような要望に応えるものとして、分子内にボラジン環骨格を有するボラジン化合物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。ボラジン環骨格を有するボラジン化合物は分子分極率が小さいため、形成される被膜は低誘電率である。その上、形成される被膜は、耐熱性にも優れる。
特開2000−340689号公報 特開2003−119289号公報
ボラジン化合物の1つとして、ボラジン環を構成する窒素原子がアルキル基と結合しているN−アルキルボラジンがある。N−アルキルボラジンは、それ自体が半導体用層間絶縁膜などの原料として用いられうる。また、他のボラジン化合物を製造する際の中間体ともなる。例えば、N−アルキルボラジンのホウ素に結合している水素原子をアルキル基で置換することによって、ヘキサアルキルボラジンが製造される。
ところが、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応に伴い生成する水素ガスが、反応時に多量に生成する現象が生じることがあり、この現象により種々の問題が生じうる。例えば、合成反応をスケールアップすると、水素ガスの発生量も多量になるが、製造環境の安全性を確保する観点からは、水素ガスの濃度を抑制することが好ましい。また、反応容器に蒸留精製装置を取り付けておき、反応終了後にそのまま蒸留精製を行う実施形態を採用する場合には、水素ガスの噴きあがりと共に反応溶液が留出物側にまで吹き飛ばされ、精製効率を低下させる原因ともなる。
そこで、本発明の目的は、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応によりN−アルキルボラジンを製造する際に、水素ガスの発生量を制御する手段を提供することである。
本発明は、反応容器中にABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリを仕込む段階と、前記反応容器に、RNHX(Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアルキルアミン塩を徐々に供給して、溶媒中で水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させる段階とを含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
また本発明は、反応容器中にRNHX(Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアルキルアミン塩を仕込む段階と、前記反応容器に、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリを徐々に供給して、溶媒中で水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させる段階とを含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
また本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリ、およびRNHX(Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアルキルアミン塩を、反応容器に徐々に供給して、溶媒中で水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させる、N−アルキルボラジンの製造方法である。
本発明により、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応において、水素ガスの発生量が制御されうる。
従来、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応においては、それぞれが固体である両化合物を反応容器に仕込んでおき、そこに溶媒を供給して反応を進行させる製法が採用されていた。しかし、この製法においては、原料化合物の全量が反応系中に存在しているため、条件によっては多量の反応が瞬間的に進行し、多量の水素ガスが瞬間的に発生することも可能である。
そこで、本発明においては、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応により多量の水素ガスが発生することを防止するため、水素化ホウ素アルカリおよびアルキルアミン塩の一方または双方が、徐々に反応容器に供給される。これにより、多量の水素ガスが短時間に発生することを防止する。
水素化ホウ素アルカリおよびアルキルアミン塩を反応容器に供給する態様としては、以下の3態様が挙げられる。第1に、反応容器に水素化ホウ素アルカリの全量を仕込んでおき、反応容器にアルキルアミン塩を徐々に供給する態様が挙げられる。第2に、反応容器にアルキルアミン塩の全量を仕込んでおき、反応容器に水素化ホウ素アルカリを徐々に供給する態様が挙げられる。第3に、水素化ホウ素アルカリおよびアルキルアミン塩の双方を、反応容器中に徐々に供給する態様が挙げられる。
いずれの態様においても、多量の水素ガスが短時間に発生することが防止され、種々の効果が得られる。例えば、反応スケールを大きくしても、水素ガスの発生量を制御可能であるため、高い安全性を確保できる。また、反応容器に蒸留精製装置を取り付けておき、反応終了後にそのまま蒸留精製を行う実施形態を採用する場合においては、水素ガスの噴きあがりと共に反応溶液が留出物側にまで吹き飛ばされ、精製効率を低下させる現象を抑制できる。
以下、本発明の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の製造方法においては、上記いずれの態様においても、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応により、N−アルキルボラジンが合成される。
水素化ホウ素アルカリ(ABH)において、Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である。水素化ホウ素アルカリの例としては、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素リチウムが挙げられる。
アルキルアミン塩(RNHX)において、Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。アルキル基は、直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよい。アルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1個である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これら以外のアルキル基が用いられてもよい。アルキルアミン塩の例としては、モノメチルアミン塩酸塩(CHNHCl)、モノエチルアミン塩酸塩(CHCHNHCl)、モノメチルアミンシュウ酸塩(CHNHBr)、モノエチルアミンフッ酸塩(CHCHNHF)が挙げられる。
N−アルキルボラジンは、下記式で表される化合物である。
Figure 0004758657
式中、Rは、アルキルアミン塩について記載した通りであるため、ここでは説明を省略する。N−アルキルボラジンの例としては、N,N’,N”−トリメチルボラジン、N,N’,N”−トリエチルボラジン、N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(iso−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(sec−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(iso−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(tert−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(2−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(neo−ペンチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1,2−ジメチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−エチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ヘキシル)ボラジン、N,N’,N”−トリシクロヘキシルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−エチルボラジン、N,N’−ジエチル−N”−メチルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−プロピルボラジンなどが挙げられる。
使用する水素化ホウ素アルカリおよびアルキルアミン塩は、合成するN−アルキルボラジンの構造に応じて選択すればよい。例えば、ボラジン環を構成する窒素原子にメチル基が結合しているN−メチルボラジンを製造する場合には、アルキルアミン塩として、モノメチルアミン塩酸塩などの、Rがメチル基であるアルキルアミン塩を用いればよい。
水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との使用量の比は、特に限定されないが、アルキルアミン塩の使用量を1モルとした場合に、水素化ホウ素アルカリの使用量を1〜1.5モルとすることが好ましい。
水素化ホウ素アルカリとアルキルアミンとの反応は、溶媒中で進行させうる。その際に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、モノエチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)が挙げられる。
溶媒の供給態様については、特に限定されない。前記第1態様においては、水素化ホウ素アルカリの全量が仕込まれた反応容器に、アルキルアミン塩が供給されるが、アルキルアミン塩の供給前に、水素化ホウ素アルカリが仕込まれている反応容器に溶媒が供給されていてもよい。アルキルアミン塩の供給と共に、溶媒が供給されてもよい。反応容器に予め溶媒が供給され、かつ、アルキルアミン塩の供給と共に溶媒が供給されてもよい。また、アルキルアミン塩の反応容器への要求と共に溶媒を供給する場合には、アルキルアミン塩を溶媒に溶解または分散させてから供給してもよいし、別々に反応容器に投入してもよい。
前記第2態様においては、アルキルアミン塩の全量が仕込まれた反応容器に、水素化ホウ素アルカリが供給されるが、溶媒の供給態様については、第1態様と同様に、特に限定されない。
前記第3態様においても、溶媒の供給態様については、特に限定されない。水素化ホウ素アルカリおよび溶媒からなる液、アルキルアミン塩および溶媒からなる液を調製し、それらを反応容器に供給してもよい。一方のみを溶媒と混合しておき、他方は固体として反応容器に供給してもよい。溶媒を反応容器に予め供給しておき、その後、水素化ホウ素アルカリおよびアルキルアミン塩を供給してもよい。
本発明において、「徐々に供給する」とは、所定の成分を一括して供給するのではなく、少しずつ供給することを意味する。供給時間については、反応スケールや用いる化合物に応じて決定すればよい。例えば、0.5〜5時間かけて供給する。原料の反応容器への供給は、連続的であっても、間欠的であってもよい。経験則や実験により供給量を決定できるのであれば、所定の量となるように供給を制御するとよい。また、溶媒の供給は、自動であっても手動であってもよい。例えば、実験室レベルで製造を行う場合には、析出量を目視で確認して、適宜溶媒を供給してもよい。
水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応の際に、反応溶液の温度を、好ましくは50〜150℃、より好ましくは70〜130℃、さらに好ましくは80〜120℃に制御する。反応溶液の温度を上記範囲に制御することによって、短時間に水素ガスが多量に生成することを抑制できる。なお、反応温度は、K熱電対などの温度センサーを用いて測定されうる。
なお、「水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応の際の反応溶液の温度」とは、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応が進行する際の温度を意味する。水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させた場合、中間体を経て、最終的にN−アルキルボラジンが合成されると考えられる。ここでの「反応溶液の温度」とは、全反応を通じての温度ではなく、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応を進行させる際の温度を意味する。
反応溶液の温度は、反応を通じて一定でなくてもよく、変化させてもよい。例えば、反応の当初は、反応溶液を低温に制御して、N−アルキルシクロボラザンがN−アルキルボラジンへ変化することを防止する。そして、原料の大部分がN−アルキルシクロボラザンになったら、反応溶液の温度を上昇させ、N−アルキルボラジンの合成を完了させる。このように、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応が実質的に終了した後に、中間体をN−アルキルボラジンに変化させるために、反応溶液の温度を上昇させて熟成する態様を採用する場合には、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応が実質的に終了するまでの温度が、「水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応の際の反応溶液の温度」に該当する。
反応溶液の温度を制御することによって、水素ガスの発生量を制御できるメカニズムについては、定かではないが、N−アルキルシクロボラザンがN−アルキルボラジンへと変化する反応が、比較的高い温度において進行する反応であるためと推測される。つまり、N−アルキルボラジンの合成においては、中間体として、下記式に示した一般構造を有するN−アルキルシクロボラザンがまず生成し、N−アルキルシクロボラザンから水素(3H)が離脱することによって、N−アルキルボラジンが生成していると推測される。そして、この反応は比較的高い温度で進行すると考えられる。このため、上記温度範囲に反応溶液の温度を制御することによって、反応の大部分をN−アルキルシクロボラザンで一旦停止させることができ、短時間に水素ガスが多量に生成することを防止できる。なお、上記メカニズムは、単なる推定であり、本発明の技術的範囲が上記メカニズムによって限定されるわけではない。
Figure 0004758657
N−アルキルボラジンを得たら、N−アルキルボラジンを精製することが好ましい。N−アルキルボラジンの精製方法としては、例えば、蒸留精製が用いられる。精製によりN−アルキルボラジン中の不純物が除去される。精製により用途に適した純度にまで、純度を高めることが好ましい。
蒸留精製装置の大きさや種類は、環境や規模に応じて決定されればよい。例えば、大量のN−アルキルボラジンを処理するのであれば、工業的規模の蒸留塔が用いられうる。少量のN−アルキルボラジンを処理するのであれば、蒸留管を用いた蒸留精製が用いられうる。例えば、少量のN−アルキルボラジンを処理する蒸留装置の具体例としては、3つ口フラスコにクライゼン型の連結管でリービッヒ冷却管を取り付けた蒸留装置が用いられうる。ただし、このような蒸留装置を用いる実施形態に、本発明の技術的範囲が限定されるわけではない。
蒸留精製は、場合によっては、2回以上行ってもよい。蒸留精製を2回以上行ったり、多段蒸留塔を用いたりして、不純物を好ましい量にまで減少させる。
製造されたN−アルキルボラジンは、特に限定されないが、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層などの形成に用いられうる。その際には、N−アルキルボラジンが用いられてもよいし、N−アルキルボラジンに改変を加えた化合物が用いられてもよい。N−アルキルボラジンまたはN−アルキルボラジンの誘導体を重合させた重合体を、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層の原料として用いてもよい。
続いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層を形成する方法について説明する。なお、以下の説明においては、「N−アルキルボラジン」、「N−アルキルボラジンの誘導体」および「これらに起因する重合体」をまとめて、「ボラジン環含有化合物」と称する。
ボラジン環含有化合物を用いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層を形成するには、ボラジン環含有化合物を含む溶液状またはスラリー状の組成物を調製し、これを塗布することによって、塗膜を形成する手法が用いられうる。その際に用いられる、ボラジン環含有化合物を溶解または分散させる溶媒は、ボラジン環含有化合物や、必要に応じて添加される他の成分を溶解し得るものであれば特に制限されない。溶媒としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジグライム、テトラグライムなどが用いられ得る。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いてもよい。スピンコーティングを用いて成膜する場合には、ジグライムが好ましい。ジグライムまたはその誘導体を溶媒として用いると、製造される膜の均一性が向上する。また、膜の白濁が防止されうる。ボラジン環含有化合物を溶解または分散させる溶媒の使用量は、特に制限されるべきものではなく、低誘電材料の製造手段に応じて決定すればよい。例えば、スピンコーティングにより成膜する場合には、スピンコーティングに適した粘度になるよう、溶媒および溶媒量を決定すればよい。
ボラジン環含有化合物を含む組成物は、所望する部位に供給され、乾燥されて、固化する。例えば、半導体用層間絶縁膜を形成するには、スピンコーティングにより、基板上に塗布し、乾燥させればよい。一度のコーティングおよび乾燥では所望する厚さの被膜が得られない場合には、コーティングおよび乾燥を、所望の厚さになるまで繰り返しても良い。スピンコーターの回転数、乾燥温度および乾燥時間などの成膜条件は、特に限定されない。
基板への塗布は、スピンコーティング以外の手法を用いてもよい。例えば、スプレーコーティング、ディップコーティングなどが用いられ得る。
その後、塗膜を乾燥する。塗膜の乾燥温度は、通常、100〜250℃程度である。ここでいう乾燥温度とは、乾燥処理をする際の温度の最高温度を意味する。例えば、乾燥温度を徐々に上昇させ、100℃で30分維持し、その後、冷却した場合の乾燥温度は100℃である。焼成温度は熱電対を用いて測定されうる。塗膜の乾燥時間については、特に限定されない。得られる低誘電材料についての、誘電率、耐湿性等の特性を考慮して、適宜決定すればよい。
(実施例1)
冷却管を備えた反応容器に、窒素置換をしながら、水素化ホウ素アルカリとして水素化ホウ素リチウム12.1g、および溶媒としてテトラグライム187.3gを仕込み、130℃まで昇温させた。反応溶液を130℃に保持しながら、アルキルアミン塩として、脱水処理したエチルアミン塩酸塩40.5gを1時間かけて供給し、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させた。その後、2時間かけて200℃まで反応溶液を昇温させて、さらに200℃で2時間熟成した。反応過程で、反応溶液の突沸状態は確認されなかった。
(実施例2)
冷却管を備えた反応容器に、窒素置換をしながら、アルキルアミン塩として、脱水処理したメチルアミン塩酸塩33.5g、および溶媒としてトリグライム98.6gを仕込み、100℃まで昇温させた。100℃に保持しながら、水素化ホウ素アルカリである水素化ホウ素ナトリウム21.0gと、溶媒であるトリグライム88.7gとの混合液を1時間かけて供給し、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させた。その後、2時間かけて200℃まで反応溶液を昇温させて、さらに200℃で2時間熟成した。反応過程で、反応溶液の突沸状態は確認されなかった。
(実施例3)
冷却管を備えた反応容器に、窒素置換をしながら、溶媒としてテトラグライム32.0gを仕込み、70℃まで昇温させた。70℃に保持しながら、水素化ホウ素アルカリである水素化ホウ素ナトリウム21.0g、および溶媒であるテトラグライム88.7gの混合液、ならびにアルキルアミン塩である、脱水処理したエチルアミン塩酸塩33.5g、および溶媒であるテトラグライム67.6gの混合液を、1時間かけて供給した。その後、2時間かけて200℃まで反応溶液を昇温させて、さらに200℃で2時間熟成した。反応過程で、反応溶液の突沸状態は確認されなかった。
(比較例1)
冷却管を備えた反応容器に、窒素置換をしながら、水素化ホウ素アルカリとして水素化ホウ素ナトリウム21.0g、およびアルキルアミン塩として、脱水処理したメチルアミン塩酸塩33.5gを仕込んだ。さらに、3分かけて、溶媒としてテトラグライム187.3gを供給した。その後、1時間かけて100℃まで反応溶液を昇温させたが、反応溶液の突沸状態が確認されたため、反応溶液を冷却して反応を停止させた。
Figure 0004758657
上述のように、本発明により、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応を制御することが可能であり、水素ガスが短時間に多量に発生することを防止できる。

Claims (4)

  1. 反応容器中にABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリを仕込む段階と、
    前記反応容器に、RNHX(Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアルキルアミン塩を徐々に供給して、溶媒中で水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させる段階と、
    を含む、N−アルキルボラジンの製造方法であって、
    前記溶媒が、モノグライム、ジグライム、トリグライム、およびテトラグライムからなる群から選択され、
    反応溶液の温度を50〜150℃に制御して前記反応を行った後、前記反応溶液の温度をさらに上昇させて熟成することを特徴とする、N−アルキルボラジンの製造方法。
  2. 反応容器中にRNHX(Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアルキルアミン塩を仕込む段階と、
    前記反応容器に、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリを徐々に供給して、溶媒中で水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させる段階と、
    を含む、N−アルキルボラジンの製造方法であって、
    前記溶媒が、モノグライム、ジグライム、トリグライム、およびテトラグライムからなる群から選択され、
    反応溶液の温度を50〜150℃に制御して前記反応を行った後、前記反応溶液の温度をさらに上昇させて熟成することを特徴とする、N−アルキルボラジンの製造方法。
  3. ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリ、およびRNHX(Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアルキルアミン塩を、反応容器に徐々に供給して、溶媒中で水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩とを反応させる、N−アルキルボラジンの製造方法であって、
    前記溶媒が、モノグライム、ジグライム、トリグライム、およびテトラグライムからなる群から選択され、
    反応溶液の温度を50〜150℃に制御して前記反応を行った後、前記反応溶液の温度をさらに上昇させて熟成することを特徴とする、N−アルキルボラジンの製造方法。
  4. 前記反応溶液の温度を150〜200℃に制御して前記熟成を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のN−アルキルボラジンの製造方法。
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