JP4757457B2 - 土壌の浄化処理方法及び土壌の浄化処理装置 - Google Patents

土壌の浄化処理方法及び土壌の浄化処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、土壌中に含有されているPCBやダイオキシン類等の不揮発性の疎水性有機化合物で汚染された土壌を浄化するのに好適な汚染土壌の浄化処理方法及び土壌の浄化処理装置に関する。
従来、その毒性が認識されていなかった時代にあっては、工場等で使用された化学物質に対して現在のような完全な廃液処理が行なわれていなかった。このため、工場跡地等には、PCBやダイオキシン類等に代表される不揮発性の疎水性有機化合物(以下、PCB等と呼ぶ)で汚染された土壌が存在しており、その浄化処理が問題となってきている。これに対し、PCB等によって汚染され土壌を浄化処理する場合には、PCB等が土壌に散在し混入しているので大量の土壌と共に処理しなければならず、大掛かりな処理が必要となり、容易なことではない。現在知られている方法としては、例えば、熱分解法、アルカリ触媒化学分解法、溶融固化法等がある。しかしながら、これらは、いずれも簡便で確実な処理方法とはいえず、汚染土壌が安全基準を満たすように浄化され、しかも処理工程数が少なく、経済的に浄化を行なうことができるシステムの開発が待望されている。
これに対して、本願出願人は、既に、汚染土壌が安全基準を満たすように浄化できる簡便で確実な処理方法を提案している(特許文献1参照)。
しかしながら、本発明者らの更なる検討の結果、上記した方法では、鉄等の金属イオンを触媒として用いているため、処理後の土壌に触媒が残留し、処理後の土壌の用途によっては問題となることがあった。又、土壌の処理を行うためには、大量の触媒が必要となり、処理コストの面での問題もあった。
特開2000−80732号公報
従って、本発明の目的は、PCB等の不揮発性の疎水性有機化合物で汚染された土壌を、確実に、しかも、より経済的に処理し、更には、処理後の土壌を再利用する場合にも何らの問題もない汚染土壌の浄化処理方法、及び該方法を実際の土壌処理に応用できる土壌の浄化処理装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、土壌からPCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方酸化分解して取り除き、無害化して再利用可能にするための汚染土壌の浄化処理方法であって、汚染土壌に水を加えて混合してスラリー状とし、該スラリーのpHを4以下に調整し、過酸化水素を添加した後、該スラリーを耐圧容器内に充填して、容器内温度を150〜200℃、容器内圧力を0.5〜10MPaとした条件下で、上記PCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方水に溶解させ、触媒を使用することなく過酸化水素から生じたヒドロキシラジカルで酸化分解(酸化剤として酸素含有気体を使用して酸化分解することを除く)することを特徴とする土壌の浄化処理方法である。より好ましい形態としては、上記構成において、スラリーの、土壌と水との割合が、重量で、土壌:水=1:10〜1:2である土壌の浄化処理方法が挙げられる。
本発明の別の実施形態は、土壌からPCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方酸化分解して取り除き、無害化して再利用可能にできる汚染土壌の浄化処理装置であって、汚染土壌に水を加えて混合してスラリー状とし、該スラリーのpHを4以下に調整するためのスラリー槽と、スラリーに過酸化水素を混合するための少なくとも1のラインミキサーと、該ラインミキサーから送られてくるスラリーを充填する複数の耐圧性の反応容器とを有し、該容器は、スラリーを充填した状態で、容器内温度150〜200℃、容器内圧力0.5〜10MPaの条件下で、上記PCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方水に溶解させ、触媒を使用することなく過酸化水素から生じたヒドロキシラジカルで酸化分解(酸化剤として酸素含有気体を使用して酸化分解することを除く)できる構造をしており、複数の反応容器で多段に渡って順次上記の処理が行われるように構成されていることを特徴とする土壌の浄化処理装置である。
PCB等の不揮発性の疎水性有機化合物で汚染された土壌を、確実に、しかも、より経済的に処理でき、更に、処理後の土壌を何らの問題もなく使用できる汚染土壌の浄化処理方法が提供される。
以下、発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、汚染土壌に水を加えて混合してスラリー状とし、該スラリーを、加温及び加圧下で、触媒を使用することなく酸化剤、特に、過酸化水素によって酸化分解処理すれば、土壌中のPCB等が良好に分解できることを知見して本発明に至った。
過酸化水素等の分解反応で生じるOHラジカル(ヒドロキシラジカル)は、常温および加温(40〜60℃程度)条件でも生成するが、生成効率は低い。このため、通常は、金属触媒を併用することが行われている。これに対して、本発明者らの検討によれば、加温・加圧することで分解効率は著しく向上し、触媒を用いることなくOHラジカル生成効率を向上させることができることがわかった。更に、酸化剤として過酸化水素を用いる系で、PCB等の不揮発性の疎水性有機化合物で汚染された土壌に対する浄化処理を行うことについて検討した結果、容器内温度を100〜250℃、容器内圧力を0.5〜10MPaとした条件下で処理すれば、触媒を用いることなく過酸化水素で、土壌中のPCB等が分解できることを見いだした。本発明者らは、この理由は、以下のようであると考えている。
湿式酸化ラジカル法は、加温・加圧下で水中に溶出してくる有害化学物質をOHラジカルの強力な酸化力を利用して分解する技術である。水を加温・加圧させると、図1に示すように、温度の上昇と共に誘電率が低下する。この誘電率は水の極性と相関関係があり、誘電率が低下するに従って水の極性も低下し、水は溶剤に類似した性質を示すことが知られている。水は200℃ではメタノール、250℃ではエタノール、300℃ではアセトンの性質に近い状態になっており、常温の水に比較して有機物に対する溶解度が向上する。本発明での温度領域である100〜250℃では、メタノール及びエタノールと同等の有機物溶解度になっている。
ここで、土壌スラリーを加温・加圧すると、水の有機物溶解度が向上し、水中に有機物が溶解してくる。汚染物質がPCBやダイオキシン類の場合、汚染濃度が比較的低いときには土壌表面に吸着しているPCB等は水中に溶解してくる。一方、土壌中の有機物成分は、主に生物死骸、生物代謝生成物及び腐植物質といった高分子化合物から構成されているため、100〜250℃の温度領域においてはその一部は水に溶解してくるが、殆どは溶解せずにそのままの状態で存在している。
ここで、OHラジカルは極めて高い反応性を持つラジカルであるが、反応基質濃度にもよるがその寿命は数10ns、拡散距離は数10nmである。又、OHラジカルは反応選択性が低く、ほとんどの物質と即座に反応する。このため、水中に溶解している物質と優先的に反応すると考えられる。以上のことから、100〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度領域では、土壌中の有機物成分に邪魔されることなく、OHラジカルによって土壌中の有害化学物質(水に溶解してくる)が優先的に分解されることになる。
上記の結果、本発明に規定する条件とすれば、水とOHラジカルの特性を利用した湿式酸化ラジカル法によって、土壌中に微量含有しているPCB等を極低濃度まで除去することが可能となるものと考えられる。
これに対して、処理温度を250℃よりも高くすると、加熱エネルギーが高くなり、経済的でないことに加えて、例えば、処理温度を300℃にすると、水の有機物溶解度がアセトンと同等程度になるため、土壌中の有機物もかなり水中に溶解してきてしまい、これにより殆どのOHラジカルは、水中に大量に存在する土壌有機物の分解反応に消費されることになる。従って、この場合には、土壌中に微量含有しているPCB、ダイオキシン類の除去率は著しく低下することになる。
PCB等による汚染土壌の浄化処理では、上記した条件で、下記のような一連の処理方法を行うことが有効である。図2に、加温加圧下で酸化剤による酸化分解によって土壌の浄化処理を行う、本発明の土壌の浄化処理方法を実現するためのシステムを模式的に示した。先ず、浄化処理に先立ち、処理対象となる土壌に対して必要に応じて前処理を行なうことが好ましい。前処理としては、掘削された土壌に一緒に含まれる石やコンクリート塊や岩等を砕いた後、篩や土砂分離機を用いてゴミ等の夾雑物や小石や砂を除去して土だけにすることが好ましい。前処理するための装置としては、土壌に含まれる石やコンクリート塊等を砕くための、例えば、ハリケーン(商品名、新六精機(株)製)を好適に用いることができる。かかる装置を用いれば、石等を、その用途に応じて、解砕・解膠・摩砕等することができるため、土壌から分離されるこれらの材料の有効利用が図れる。更に、上記のようにして夾雑物等を取り除いた後、土を75μm以下に細粒化しておくことも好ましい。このようにすれば、PCB等の分解効率をより向上させることができる。
本発明の汚染土壌の浄化処理方法においては、先ず、図2に示したように、スラリー槽4を用いて、必要に応じて上記したような前処理がされた土壌に水を加えて攪拌機6で混合撹拌して、スラリー状にする。この際の土壌と水との割合は、重量で、土壌:水=1:10〜1:2とすることが好ましい。この際、エタノールやメタノール等の水溶性の有機溶剤を添加してもよい。このようにすれば、その後に行なうPCB等の酸化分解効率をより向上させることができる。
更に、本発明の汚染土壌の浄化処理方法では、上記のようにして水を加えてスラリー状とした土壌SのpHを4以下、より好ましくはpH3以下に調整し、この状態で酸化剤による酸化処理を行う。この際に使用するpH調整剤としては、硫酸、硝酸等を用いることが好ましい。
次に、上記のようにして調整したスラリーSを、図中の1で示した内部を加圧状態にすることが可能な耐圧容器からなる反応槽内に充填して、該反応槽1の容器内の温度を100〜250℃、圧力を0.5〜10MPaとした条件下で、土壌中のPCB等を、触媒を使用することなく酸化剤で酸化分解する。酸化分解は、下記のようにして行う。
本発明では、スラリーSを100〜250℃に加温し、且つ0.5〜10MPaの加圧条件下で処理を行う。反応槽1の形状或いは容量は、処理する土壌の量等に応じて適宜に決定すればよい。図中の2は、該反応槽1の内部を加温するためのヒーターである。スラリーが充填されている反応槽1内部を、該ヒーター2によって加温することで、反応槽1内は加圧状態となる。この際、反応槽1内の温度を反応槽1に設けた温度計で測定することで、温度条件及び加圧条件を制御する。
本発明においては、上記のようにして反応槽1内の温度(より具体的にはスラリーの温度)を、100℃〜250℃、より好ましくは、150〜200℃として処理する。更に、反応槽1を構成している耐圧容器内の圧力を、0.5〜10MPaの範囲、より好ましくは、1.0〜2.5MPaの範囲の加圧状態にして処理を行う。又、反応槽1内には、酸化剤3を添加し、攪拌機で反応槽1内に充填したスラリーSを撹拌しながら処理を行うことが好ましい。
本発明において、酸化処理において使用する酸化剤としては、従来公知の化学酸化方法において使用されている酸化剤、例えば、過酸化水素、過酸化カルシウム、過硫酸アンモニウム、アルキルヒドロペルオキシド、過酸化エステル、過酸化ジアルキル又はジアシル等を使用することが可能であるが、コストや副生物等の点からみて過酸化水素が最も好ましい。過酸化水素等の酸化剤の使用量は、特に限定されず、処理するスラリーの性状によって変化するが、好ましい使用量としては、土壌1g(dry)に対して30%過酸化水素で0.05〜1.0gの範囲である。以下過酸化水素を代表例として説明する。
過酸化水素等の酸化剤3は、スラリーSが反応槽1に入る直前にスラリーに添加するようにすることが好ましい。添加方法としてはポンプを使用し、スラリーへの混合は、ラインミキサー5を使用することで、酸化剤3をスラリーS全体に満遍なく混合させるとよい。
本発明においては、浄化処理を100〜250℃の範囲で行うが、処理温度が100℃未満である場合には、触媒を用いない酸化条件においては、酸化に時間がかかり、効率が不十分で且つ過酸化水素の利用効率も不十分である。又、250℃を超える温度の場合は、加熱エネルギー消費が大になると同時に、先に述べたような理由によってPCB等に対する処理効率が低下するため、経済的で効果的な処理が行えなくなる。酸化反応時間は、反応槽1の温度及び圧力、ラインミキサー5の性能等によって異なるが、例えば、スラリー(固形分約28.5質量%)Sを、温度150℃、圧力0.5〜2.0MPaの条件下で、酸化剤の充分な混合が行われた場合には、約15〜30分間の反応時間で充分である。本発明者らの検討によれば、汚染濃度によっても異なるが、このような条件で、PCB等の汚染物質の95質量%以上を分解することができることがわかった。
上記酸化処理が終了したスラリーは、圧搾機等によって水を絞り、その後、水酸化ナトリウム等のアルカリを加えてpH6.5〜7.5にして中和し、掘削した場所に埋戻せばよい。中和した後、再度、水を絞ってもよい。圧搾機により絞り出された水は、再度、土壌の浄化処理に用いればよい。
図3は、上記で説明した基本的な処理からなる本発明にかかる土壌の浄化処理方法を、実際の土壌処理に応用する場合の本発明にかかる土壌の浄化処理装置の概略図である。図に示したように、実際の処理においては、反応槽1を、複数の耐圧容器からなる反応容器1aの群で構成し、これらの反応容器1aで多段に渡って順次、スラリー中の不揮発性の疎水性有機性化合物を酸化分解処理できる構成とする。具体的に説明すると、先ず、土壌をスラリー槽4でスラリー状にする。この時、スラリー槽にpH調整剤を入れて、スラリーSのpHを4以下に調整する。スラリー槽4から、ポンプによって反応槽1へとスラリーSを送り、その途中の反応容器1aの入口近傍にラインミキサー5を設けておき、ここで、過酸化水素等の酸化剤とスラリーSとを混合する。反応容器1aの温度及び圧力は、温度調節機能を有するヒーター2によって、適宜に調整する。1の反応容器1aで酸化分解反応を行った後、スラリーSは次の反応容器1aへと送られるが、その際に、過酸化水素等の酸化剤を、上記したと同様にして添加する。
こうして、多段にわたる処理が行われた後のスラリーは、パイプラインで放出槽へと送られて、最終処理がなされる。その際に、スラリー槽4内をパイプラインが通過するように構成すれば、反応槽1で加熱された土壌の温度を下げることができると同時に、処理するスラリーの温度を上昇させることができ、処理に使用する熱エネルギーを有効に利用することができる。上記のようにしてパイプラインで放出槽へと送られた処理済のスラリーは、ガス分は、活性炭吸着による処理をした後、放出される。その他は、沈澱槽へと送られ、上澄み水は、pHを調整した後、処理水として放出される。又、沈澱した固形分は、処理済の土壌として埋戻し等される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
<実施例1>
PCBで汚染された土壌を細粒化して粒径が75μm以下となるように前処理した後、汚染土壌1.2kg(dry)に対して水3.0リットルを加えて10分間、混合撹拌してスラリーとした。使用した土壌中のPCBをGC−ECDによって測定したところ、汚染濃度は、乾燥土壌1kg当り22.73mgであった。
このスラリーを硫酸でpHを2.5に調整した後、図2に示したような装置を用いて加温加圧下、過酸化水素を用いて浄化処理を行った。耐圧容器に水1Lを入れた後密閉し、ヒーターで容器内温度を150℃まで昇温させた。次に、上記スラリーを耐圧容器からなる反応槽1内にポンプを使用して連続注入し、150〜200℃の範囲で処理した。過酸化水素はスラリーが耐圧容器に入る直前に薬注ポンプで添加し、ラインミキサーでスラリーと過酸化水素を混合した。反応時の容器内の圧力を測定したところ、0.5〜2.0MPaであった。過酸化水素としては30%のものを使用した。その使用量は、100%過酸化水素換算で、スラリー中の固形分量に対して4%となるように添加した(100g土壌(dry)に対して100%過酸化水素を4gを添加することを意味する)。この条件で30分間反応させた。上記のようにして酸化処理されたスラリーのPCB濃度は、乾燥乾物換算で1.25mg/kgに減少していた。更に溶出試験を実施して溶出液中のPCB濃度を測定したところ、PCBは検出されなかった。
<実施例2>
実施例1と同様の前処理をしたPCB汚染土壌の浄化処理を行なった。使用した土壌のPCB濃度は95.64mg/kgであった。処理条件は実施例1と同様とし、この処理を土壌に対して3回繰り返した。処理後のスラリーのPCB濃度は、乾燥乾物換算で0.23mg/kgに減少していた。更に溶出試験を実施して溶出液中のPCB濃度を測定した結果、PCBは検出されなかった。
参考
実施例1で処理したと同様のPCB汚染土壌について、容器内温度を100〜150℃の温度範囲で処理する以外は実施例1と同様にして行った。この結果、処理後のPCB濃度は、乾燥乾物換算で2.15mg/kgに減少していた。
参考
実施例1で処理したと同様のPCB汚染土壌について、容器内温度を200〜250℃の温度範囲で処理する以外は実施例1と同様にして行った。この結果、処理後のPCB濃度は、乾燥乾物換算で1.42mg/kgに減少していた。
<実施例5>
実施例1と同様の前処理をしたダイオキシン類模擬汚染土壌の浄化処理を行なった。模擬汚染土壌は、ダイオキシン類を溶解したヘキサンを土壌に混合した後、2日間常温で乾燥、更に2週間以上ステンレス容器に保存した土壌を使用した。使用した土壌のダイオキシン類濃度は4,000ng/g(注;TEQではなく含有量)であった。処理条件は実施例1と同様とし、この処理を土壌に対して2回繰り返した。処理後のダイオキシン類濃度は、乾燥乾物換算で11ng/gに減少していた。
<比較例1>
実施例1で処理したと同様のPCB汚染土壌について、鉄触媒をスラリーに添加する以外は実施例1と同様にして行なった。鉄触媒として、試験開始当初のスラリー中の鉄イオン濃度が1,000mg/lになるようにFe(OH)3を添加した。上記のようにして酸化処理されたスラリーのPCB濃度は、乾燥乾物換算で0.94mg/kgに減少していた。更に、溶出試験を実施して溶出液中のPCB濃度を測定したところ、PCBは検出されなかった。本比較例と、実施例を比較した結果、本発明にかかる方法は、触媒を用いていないにもかかわらず、触媒を用いる従来の方法と同程度の処理が可能であることが確認できた。
<比較例2>
反応時の容器内の温度を90℃とした以外は、実施例1と同様にして汚染土壌の浄化処理を行った。この結果、処理後のPCB濃度は、乾燥乾物換算で17.63mg/kgであり、充分には浄化が行われていなかった。
<比較例3>
反応時の容器内の温度を280〜300℃とした以外は、実施例1と同様にして汚染土壌の浄化処理を行った。この結果、処理後のPCB濃度は、乾燥乾物換算で9.82mg/kgであり、充分には浄化が行われていなかった。
以上の如き本発明によれば、PCB等で汚染された土壌からPCB等の汚染物質を効率よく、経済的に取り除き、無害化することができる汚染土壌の浄化処理方法が提供される。
水の温度上昇と誘電率の変化の関係を示す図である。 本発明の土壌の浄化処理方法を説明するための模式的なシステム図である。 本発明にかかる土壌の浄化処理方法を、実際の土壌処理に応用する場合の装置の概略図である。
符号の説明
1:反応槽
1a:反応容器
2:ヒーター
3:酸化剤
4:スラリー槽
5:ラインミキサー
6:攪拌機
S:土壌(スラリー)

Claims (3)

  1. 土壌からPCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方酸化分解して取り除き、無害化して再利用可能にするための汚染土壌の浄化処理方法であって、汚染土壌に水を加えて混合してスラリー状とし、該スラリーのpHを4以下に調整し、過酸化水素を添加した後、該スラリーを耐圧容器内に充填して、容器内温度を150〜200℃、容器内圧力を0.5〜10MPaとした条件下で、上記PCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方水に溶解させ、触媒を使用することなく過酸化水素から生じたヒドロキシラジカルで酸化分解(酸化剤として酸素含有気体を使用して酸化分解することを除く)することを特徴とする土壌の浄化処理方法。
  2. スラリーの、土壌と水との割合が、重量で、土壌:水=1:10〜1:2である請求項1に記載の土壌の浄化処理方法。
  3. 土壌からPCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方酸化分解して取り除き、無害化して再利用可能にできる汚染土壌の浄化処理装置であって、汚染土壌に水を加えて混合してスラリー状とし、該スラリーのpHを4以下に調整するためのスラリー槽と、スラリーに過酸化水素を混合するための少なくとも1のラインミキサーと、該ラインミキサーから送られてくるスラリーを充填する複数の耐圧性の反応容器とを有し、該容器は、スラリーを充填した状態で、容器内温度150〜200℃、容器内圧力0.5〜10MPaの条件下で、上記PCBおよびダイオキシン類の少なくとも一方水に溶解させ、触媒を使用することなく過酸化水素から生じたヒドロキシラジカルで酸化分解(酸化剤として酸素含有気体を使用して酸化分解することを除く)できる構造をしており、複数の反応容器で多段に渡って順次上記の処理が行われるように構成されていることを特徴とする土壌の浄化処理装置。
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