JP4757434B2 - 上絵付用ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、被装飾体の表面に金色系又は銀色系の貴金属による装飾体を施すための上絵付用ペーストに関する。
陶磁器、ガラス器、琺瑯器等の絶縁性器物(被装飾体)には、優美又は豪華な印象を与えるために、その表面に金色又は銀色の美しい貴金属による装飾体が施された表面装飾器物がある。
従来の表面装飾器物は、金樹脂硫化バルサムに代表される貴金属の有機化合物を含有する水金を、刷毛塗り、スプレー塗り、又は転写紙等により、上記器物表面に塗布し、その後焼き付けることにより、製造されている。
しかし、こうして製造された表面装飾器物を電子レンジにて加熱した場合、電子レンジが発生する高周波電磁波により、貴金属による装飾体の表面に火花が生じ、当該装飾体に亀裂が入ったり、当該装飾体が剥離したりして、損傷する問題があった。
このような問題を解決するための手法として、例えば、特許文献1には、有機金化合物、有機ビスマス化合物、有機ガリウム化合物およびバインダーが配合された陶磁器彩飾用ペースト金が記載されている。この発明によれば、金彩飾した陶磁器は電子レンジ中でもほとんどスパークが発生せず優れた耐久性を示す、とされている。
特開平8−12475号公報 特公平3−3481号公報 特公平8−11697号公報 特開平7−315864号公報 特開平11−335188号公報 特許第2854813号公報 特許第2967742号公報
しかしながら、このようなペーストは電子レンジ中でのスパークはある程度低減するものの、洗浄用タワシ、研磨剤を用いての洗浄や、アルカリ性の強い洗剤を用いて行われる自動食器洗い機にかけての洗浄などが繰り返されるうちに、貴金属層の絶縁性が破壊され、電子レンジで使用するとスパークが生じたり、装飾体が損傷してしまうおそれがある。
本発明の第1の目的は、電子レンジが発する高周波電磁波に晒されても装飾体が損傷しないようにすることができる上絵付用ペーストを提供することである。
本発明の第2の目的は、長期の使用によっても装飾体の絶縁性を保持しうるようにすることができる上絵付用ペーストを提供することである。
本発明の第1の視点は、焼成すると金色系又は銀色系の色調を呈する液状かつ絶縁性の上絵付用ペーストにおいて、1種類の貴金属又は合金、若しくは2種類以上の貴金属又は合金のみからなる貴金属粉末、及びスラリー形成液のみからなり、前記貴金属粉末の含有率が20重量%以上かつ50重量%未満であり、前記貴金属粉末の粒径が0.4μm以上かつ2μm以下であり、絶縁性器物上に塗布若しくは印刷して焼成すると、絶縁性器物の表面に水玉模様に分散した貴金属層が形成されることを特徴とする。
本発明の第2の視点は、焼成すると金色系又は銀色系の色調を呈する液状かつ絶縁性の上絵付用ペーストにおいて、1種類の貴金属又は合金、若しくは2種類以上の貴金属又は合金のみからなる貴金属粉末、スラリー形成液、及びガラス粉末のみからなり、前記貴金属粉末の含有率が20重量%以上かつ50重量%未満であり、前記貴金属粉末の粒径が0.4μm以上かつ2μm以下であり、絶縁性器物上に塗布若しくは印刷して焼成すると、絶縁性器物の表面に水玉模様に分散した貴金属層が形成され、ペースト中の前記ガラス粉末の含有率が0重量%より多くかつ50重量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の前記上絵付用ペーストにおいて、前記貴金属粒子の形状は、球状であることが好ましい。
本発明によれば、金色系又は銀色系の貴金属を装飾した陶磁器、ガラス器、琺瑯器等の絶縁性器物は、貴金属粉末が局在化されているので、電子レンジによる高周電磁波に晒されても、スパークして変色したり、損傷を生じることはない。
また、本発明によれば、ガラス粉末の添加により、装飾部の保証性(耐化学性、耐摩耗性)を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、焼成後の表面装飾器物の装飾体の色調についても、金色系又は銀色系で光沢のある明るい装飾体を形成できる。
本発明の実施形態1について説明する。実施形態1に係る上絵付用ペーストは、焼成すると金色系又は銀色系の色調を呈する液状かつ絶縁性のペーストである。この上絵付用ペーストは、貴金属粉末及びスラリー形成液を含む。そして、上絵付用ペーストは、絶縁性器物上に塗布若しくは印刷して焼成すると、絶縁性器物の表面で高周波電磁波に晒されてもスパークしない状態に分散(局在化)した(不連続な)貴金属層を形成することができる。また、上絵付用ペーストは、絶縁性器物上に塗布若しくは印刷して焼成すると、2端子法で測定したときに非導電性を示す貴金属層を形成することができる。ここで、分散とは、絶縁性器物上に塗布若しくは印刷した領域内において貴金属層が分布して配された状態をいい、言い換えると、その領域内において貴金属層以外の部分が網目状になった状態をいう(例えば、図3の「磨耗前」の写真を参照)。なお、上絵付用ペーストには、ガラス粉末等の非導電性要素を含んでいてもよいが、貴金属粉末以外の導電性要素を含まない。
貴金属粉末には、金、銀、白金、パラジウム等の貴金属、又はこれを含む合金の粉末を用いることができる。貴金属粉末は、1種類のみの貴金属又は合金を用いてもよく、また、金色系又は銀色系の発色を調整するために2種類以上の貴金属又は合金を混合して用いてもよい。合金として、例えば、Au/Ag=8/2の合金粉を用いることができる。
上絵付用ペーストにおける貴金属粉末の含有率は、例えば、20重量%以上かつ50重量%未満であり、好ましくは25〜45重量%であり、より好ましくは30〜40重量%である。上絵付用ペーストにおける貴金属粉末の含有率を20重量%以上にすることで金色系又は銀色系の発色がよくなる。一方、50重量%以上では、焼成した装飾体を電子レンジで加熱するとスパークするおそれがある。50重量%未満では、通電しない。
また、貴金属粉末の形状について、フレーク状、板状、球状等、特に限定されるものではないが、その中でも球状であることが好ましい。貴金属粉末の形状を球状とすることで、焼成後の色調がよく、磨き込むとさらに明るい金色系又は銀色系の色調にすることができるからである。焼成前に係る貴金属粉末の形状の例を図2に示す。
また、貴金属粉末の粒径は、例えば、金の場合0.4〜2.0μm、白金の場合0.4〜1.0μm、パラジウムの場合0.4〜1.0μmとすることが好ましい。
貴金属粉末を2種類以上の貴金属と混合して用いる場合の金色系の重量比の例を挙げると、以下の通りとなる。
Au/Ag=7/3〜10/0
Au/Pt=5/5〜10/0
Au/Pd=5/5〜10/0
銀色系に関しては、最初の金と白金、金とバラジウムの組成が若干異なるのみで、同様の方法で行うことができる。金色系の重量比の例を挙げると、以下の通りとなる。添加比率を5/5から1/9にすることで金色から銀色になる。
Au/Pt=1/9〜5/5
Au/Pd=1/9〜5/5
スラリー形成液は、従来使用されていたものをそのまま使用しても構わず、主に樹脂溶液及び溶剤を成分とする。すなわち、実施形態1に係る上絵付用ペーストは、貴金属粉末が上述の範囲内である限りにおいて、他の組成に関しては従来の技術に従えばよい。最も一般的には、アクリル樹脂と石油系溶剤が選択され、重量比で概ね50:50程度の割合で混合されたものが好ましい。
実施形態1に係る上絵付用ペーストの製造方法について説明する。貴金属粉末を、例えば、石川式撹雷潰機にてスラリー形成液に混ぜあわせる。粉体を十分に分散させることにより、上絵付用ペーストを作ることができる。
実施形態1に係る表面装飾器物の製造方法について説明する。まず、実施形態1に係る上絵付用ペーストを、ガラス器、陶磁器、琺瑯器等の絶縁性器物(被装飾体)の表面に刷毛、スプレー、或いは転写紙を用いて塗布若しくは印刷し、約600〜900℃程度で焼成する。焼成によって形成された磨耗前の貴金属層(金膜)の例を図1上段に示す。
次に、貴金属層の表面を紙で磨く。磨耗後の貴金属層(金膜)の状態の例を図1下段に示す。
その後、任意ではあるが、前記貴金属層による装飾体を含む絶縁性器物の表面全体を覆うように、フリット液を刷毛塗りにより塗布するか、或いはペースト状にして、直接印刷又は転写紙の形でフリット層を形成する。焼き付けは、一般に約500〜900℃程度で行われる。ここでのフリットは、公知のフリットを用いることができ、例えば、特開平8−183682号公報に示されたフリットを用いることができる。フリット層を形成すると、装飾部の保証性(耐化学性、耐摩耗性)を向上させることができる。
次に、貴金属層について説明する。焼成後の貴金属層は、例えば、図1に示すように、絶縁性器物の表面で局在化しており、水玉模様状に不連続である。このような貴金属層を2端子法で測定すると、導電性を示さない。また、1000倍のSEM写真で、絶縁性器物の表面における連続した1つ当たりの貴金属層(最大連続層)の被覆率が30%以上になると電子レンジでスパークが生ずる(図4参照)。したがって、電子レンジでのスパークを防止するためには、絶縁性器物の表面における連続した1つ当たりの貴金属層の被覆率が30%未満、すなわち、連続した1つ当たりの前記貴金属層の面積が2.9×10−3mm未満でなければならない。
以上により、絶縁性器物の表面に局在化した貴金属層が形成され、明るいマット系金色又は銀色の表面装飾器物を得ることができる。そして、当該表面装飾器物を電子レンジによる高周電磁波に晒さしても、局在化した貴金属層では連続性がなく導電性がないので、スパークして変色したり、損傷を生じない。
本発明の実施形態2について説明する。実施形態2に係る上絵付用ペーストも、焼成すると金色系又は銀色系の色調を呈する液状かつ絶縁性のペーストである。この上絵付用ペーストは、被装飾体上に塗布若しくは印刷して焼成すると局在化した(不連続な)貴金属層を形成し、導電性を示さず、さらに、焼成後の耐磨耗性を付与できるペーストであり、貴金属粉末、ガラス粉末、及びスラリー形成液を含む。貴金属粉末については、実施形態1における貴金属粉末と同様である。ガラス粉末を添加しているのは、主に貴金属粉末の接着を強化するためであり、さらには焼成後の貴金属層による装飾体を含む絶縁性器物の表面全体を覆うフリット層の接着を強化するためである。
ガラス粉末には、公知のガラス粉末を用いることができるが、貴金属粉末の色調を活かすことが必要であるため、焼成後のガラス層の透明度は重要な要件である。また、ガラス粉末の焼成後のガラス層は、沸騰アルカリ溶液などの化学薬品に対する耐性及び機械的摩耗に対する強度が必要であるため、均一かつ緻密な層でなければならない。さらに、ガラス粉末は、被装飾体である絶縁性器物の素地又は釉の熔融軟化温度以下で焼成することが必要であるため、例えば、陶磁器では700〜900℃程度、ガラス器では450〜600℃程度、琺瑯器では750〜850℃程度となるように組成を調製することが必要である。
また、ガラス粉末の粒径は、例えば、1.0〜20μm(メジアン径5.4μm程度)であればよい。また、上絵付用ペーストにおけるガラス粉末の含有率は、例えば、0〜50重量%であり、好ましくは20〜45重量%であり、より好ましくは25〜40重量%である。ガラス粉末の含有率が50重量%より多くなると、貴金属粉末の色調が損なわれるおそれがある。なお、ガラス粉末の含有率が20重量%以上であれば、耐摩耗性や、耐酸、耐アルカリ等の耐化学性がよくなる。
さらに、ガラス粉末の組成は、被装飾体の熱膨張係数に近いものを選択することも、貫入等の欠陥発生を防止する為に重要な要素である。尚、この目的の達成には、上記熱膨張係数だけではなく、ガラスの弾性及び引っ張り強度も関与する。ガラス粉末は、ガラス形成酸化物であるSiO、B及びAlを主とし、これにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物を適宜加えた組成とする。更に、PbOを加えると、光沢が著しくよくなり、透光性も良く、色調の良い貴金属色を得ることができる。
貴金属粉末をガラス粉末と混合して用いる場合の金色系の重量比の例を挙げると、Au/ガラス=2/8〜10/0となる。なお、Au/ガラス=5/5以下では、金の色調が赤くなり発色が悪くなるおそれがある。
スラリー形成液は、実施形態1におけるスラリー形成液と同様のものでよいが、作業性の面において、良好な粘性を有するように、上絵付用ペーストにおけるスラリー形成液の含有率を調整することがある。
実施形態2に係る上絵付用ペーストの製造方法について説明する。貴金属粉末及びガラス粉末を、例えば、石川式撹雷潰機にてスラリー形成液に混ぜあわせる。粉体を十分に分散させることにより、上絵付用ペーストを作ることができる。
実施形態2に係る表面装飾器物の製造方法は、実施形態1に係る表面装飾器物の製造方法と同様である。なお、実施形態2に係る表面装飾器物では、フリット層を形成しなくても、装飾部の保証性(耐化学性、耐摩耗性)がある。
以上により、絶縁性器物の表面に局在化された貴金属層が形成され、明るいマット系金色又は銀色の表面装飾器物を得ることができる。そして、当該表面装飾器物を電子レンジによる高周電磁波に晒さしても、局在化した貴金属層では導電性がないので、スパークして変色したり、損傷を生じない。さらに、貴金属が露出していても、装飾部の保証性(耐化学性、耐摩耗性)を向上させることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。但し、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、特にことわらない限り、%は重量%を表わす。
(貴金属粉末)
実施例及び比較例に係る上絵付用ペーストにおいて用いた貴金属粉末の条件は以下の通りである。貴金属粉末の成分は、純度がほぼ100%のAu、Pt、Pd、Agである。貴金属粉末の形状は、フレーク状(図2上段参照)、球状(図2下段参照)である。貴金属粉末の平均粒径は、球状粉末については1μm程度である。貴金属粉末の含有率は、10、20、25、30、35、40、45、50、55、60重量%である。
(ガラス粉末)
実施例及び比較例に係る上絵付用ペーストにおいて用いたガラス粉末の条件は、以下の通りである。ガラス粉末は、SiO、B、LiOを主成分とする市販のBone用無鉛絵具用フリット(例えば、SiO:52wt%、B:14wt%、LiO:12wt%)、又はPorcelain用無鉛絵具用フリット(例えば、SiO:52wt%、B:19wt%、LiO:9wt%)である。ガラス粉末の粒径は、メジアン径4.5μm程度である。ガラス粉末の含有率は、0、10、20、30、40重量%である。
(スラリー形成液)
実施例及び比較例に係る上絵付用ペーストにおいて用いたスラリー形成液の条件は以下の通りである。スラリー形成液は、絵具に使用される市販のスラリー形成液であり、アクリル系樹脂及び石油系溶剤よりなる。スラリー形成液の混合比は、アクリル系樹脂:石油系溶剤=50:50である。上絵付用ペーストにおけるスラリー形成液の含有率は、上絵付用ペースト100重量%から貴金属粉末の含有率、及びガラス粉末の含有率を引いた値となる。
(上絵付用ペーストの調製)
上絵付用ペーストを調製するに当たっては、貴金属粉末のみ、又は貴金属粉末及びガラス粉末を石川式撹雷潰機にてスラリー形成液に混ぜ合わせた。
(装飾体の製法)
上記で製造した上絵付用ペーストを用いてスクリーン印刷により転写紙を作成し、転写パターンを絶縁性器物(被装飾体)に貼り付けた。ここで、絶縁性器物の素地には、ハードポースレン(硬磁器)、ボーンチャイナ(骨灰磁器)、又はビトリファイドホテルウェアーを用いた。その後、800〜880℃で焼成し、被装飾体の表面に装飾体が形成された表面装飾器物を得た。なお、ここでの実施例及び比較例に係る表面装飾器物では、磨き工程、フリット層の形成は行っていない。
また、上記製法によって得られた実施例及び比較例に係る表面装飾器物について、更に詳しくその特性のテスト及びその評価を行なった。テストは、導電性テスト、耐電子レンジテスト、化学的耐久性テスト、及び耐摩耗性テストについて行なった。
(導電性テスト)
前記表面装飾器物について、電流テスターを用いて2端子法による導電性テストを行なった。ここでは、各テストを行っていない装飾体と、耐磨耗性テストの後の装飾体と、について導電テストを行った。そして、導電が無い場合を合格(OK)、導電があった場合を不合格(NG)と判定した。
(電子レンジ耐久性テスト)
前記表面装飾器物を電子レンジに入れてテストした。ここでは、電子レンジ内の縁及び中央に、前記表面装飾器物を角度1゜、3゜、5゜に傾けて置いた。この角度は、マイクロ波の死角を防ぐために、電子レンジの底面に対する前記表面装飾器物の底面の角度に変化をつけた。次いで、出力500Wにて、高周波電磁波(1240MHz)を1分間照射し、その後、前記表面装飾器物における装飾体の損傷の有無も目視により点数化した。点数化は、装飾体に損傷が無い場合を「0」、12.5%損傷した場合を「0.5」、25%損傷した場合を「1」、50%損傷した場合を「2」、75%損傷した場合を「3」、全部損傷した場合を「4」とした。そして、損傷が無い場合を合格(OK)、損傷が観られた場合を不合格(NG)と判定した。
(化学的耐久性テスト)
前記表面装飾器物の化学的耐久性をテストした。ここでは、酸、アルカリ、洗剤、熱湯に対する耐性について、表1に示すような条件下で、各薬品中に前記表面装飾器物を浸漬し、その後、前記表面装飾器物における装飾体の損傷の有無を目視により点数化した。点数化は、装飾体に損傷が無い場合を「0」、12.5%損傷した場合を「0.5」、25%損傷した場合を「1」、50%損傷した場合を「2」、75%損傷した場合を「3」、全部損傷した場合を「4」とした。そして、この損傷に関する各溶液の評価点数すべてが、表1に示す判定基準以下である場合を合格(OK)と判定した。一方、各評価点数の内1項目でも判定基準を越えた場合を不合格(NG)と判定した。
Figure 0004757434
(摩耗耐久性テスト)
摩耗耐久性テストでは、摩耗試験機に装着されたゴム砥石(#250、硬度75゜)を用いて、荷重500g、回転数55rpmの条件で、各表面装飾器物における装飾体を研磨した。その後、前記表面装飾器物における装飾体の損傷の有無を目視により点数化した。点数化は、装飾体に損傷が無い場合を「0」、12.5%損傷した場合を「0.5」、25%損傷した場合を「1」、50%損傷した場合を「2」、75%損傷した場合を「3」、全部損傷した場合を「4」とした。そして、100回以上研磨しても損傷が見られない場合を合格(OK)、100回未満の研磨で損傷した場合を不合格(NG)と判定した。
表2〜4に各実施例(参考例を含む)及び各比較例に係る表面装飾器物についての上絵付用ペーストの条件、絶縁性器物の素地、及び各テスト結果を示す。表2は、ガラス粉末を含まない上絵付用ペーストにおける貴金属粉末の含有率を変えて比較したものに関する。表3は、上絵付用ペーストにおける貴金属粉末の形状を変えて比較したものに関する。表4は、貴金属/ガラス比を変えて比較したものに関する。
Figure 0004757434
Figure 0004757434
Figure 0004757434
導電性テストの結果、実施例1〜10まで(参考例を除く)の表面装飾器物の装飾体は、全く導電性がなかった(貴金属層の状態について図3の実施例1、2を参照)。一方、比較例1に係る表面装飾器物の装飾体では、導電性が認められた。なお、参考例に係る磨耗後の表面装飾器物の装飾体は導電性があるので比較例となるものであるが(参考例の磨耗「後」の貴金属層の状態について図3における50重量%の磨耗後の欄を参照)、参考例に係る磨耗「前」の表面装飾器物の装飾体は導電性がなく、かつ、電子レンジ耐久性があるので実施例に準ずるものとした(参考例の磨耗前の貴金属層の状態について図3における50重量%の焼成後の欄を参照)。上絵付用ペーストにおける貴金属粉末の含有率が50重量%付近で導電性の臨界点が存在すると考えられる。
電子レンジ耐久性テストの結果、実施例1〜10まで(参考例を除く)の表面装飾器物の装飾体は、電子レンジが発する高周電磁波に晒されても火花を発生することはなく、ひび割れ、剥離も生じなかった。また、装飾体の色調は、変化すること無く、依然として明るい金色又は銀色を維持した。一方、比較例1に係る表面装飾器物の装飾体では、高周電磁波に晒されて火花が発生し全面的に損傷した。なお、参考例に係る磨耗後の表面装飾器物の装飾体は、高周電磁波に晒されて部分的に火花が発生し50%程度の損傷があったが、参考例に係る磨耗前の表面装飾器物の装飾体は、電子レンジ耐久性があった。
化学的耐久性テストの結果、実施例(参考例を含む)及び比較例に係る表面装飾器物の装飾体についてはすべて合格であった。
磨耗強度テストの結果、実施例4〜10及び比較例1に係る表面装飾器物の装飾体については、100回以上研磨しても損傷は見られなかった。一方、実施例1、2、及び参考例に係る表面装飾器物の装飾体については、磨耗耐久性については不合格であるが、局在化した貴金属層(装飾体)の表面にフリット層を形成することで、耐磨耗性を付与することができる。
その他、貴金属粉末の形状が球状であると、表面を磨くことによりさらに光沢が出てきた。また、Au/ガラス比が1〜3で色調、耐化学性、耐磨耗性が良好であった。さらに、素地、焼成温度によらず、実施例(参考例を除く)に係る表面装飾器物の装飾体は、色調、耐化学性、耐摩耗性が良好であった。
本発明の実施形態1に係る上絵付用ペーストを塗布して焼成した表面装飾器物の表面を拡大した写真である。 本発明の実施形態1に係る上絵付用ペーストにおける貴金属粉末を拡大した写真である。 本発明の実施例、及び比較例に係る上絵付用ペーストを塗布して焼成した表面装飾器物の表面を拡大した写真である。 本発明の実施形態1に係る上絵付用ペーストを塗布して焼成した表面装飾器物の表面の被覆率とスパークの関係を説明するための図である。

Claims (3)

  1. 1種類の貴金属又は合金、若しくは2種類以上の貴金属又は合金のみからなる貴金属粉末、及びスラリー形成液のみからなり、前記貴金属粉末の含有率が20重量%以上かつ50重量%未満であり、前記貴金属粉末の粒径が0.4μm以上かつ2μm以下であり、
    絶縁性器物上に塗布若しくは印刷して焼成すると、絶縁性器物の表面に水玉模様に分散した貴金属層が形成されることを特徴とする上絵付用ペースト。
  2. 1種類の貴金属又は合金、若しくは2種類以上の貴金属又は合金のみからなる貴金属粉末、スラリー形成液、及びガラス粉末のみからなり、前記貴金属粉末の含有率が20重量%以上かつ50重量%未満であり、前記貴金属粉末の粒径が0.4μm以上かつ2μm以下であり、
    絶縁性器物上に塗布若しくは印刷して焼成すると、絶縁性器物の表面に水玉模様に分散した貴金属層が形成され、
    ペースト中の前記ガラス粉末の含有率が0重量%より多くかつ50重量%以下であることを特徴とする上絵付用ペースト。
  3. 前記貴金属粒子の形状は、球状であることを特徴とする請求項1又は2記載の上絵付用ペースト。
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