JP4747481B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子および表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子(無機EL素子)や有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光する化合物を含有する発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、更に、自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
【0003】
しかしながら、今後の実用化に向けた有機EL素子には、更なる低消費電力で効率よく高輝度に発光する有機EL素子の開発が望まれている。
【0004】
例えば、スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体又はトリススチリルアリーレン誘導体に、微量の蛍光体をドープし、発光輝度の向上、素子の長寿命化を達成して(例えば、特許文献1参照。)いる。
【0005】
又、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これに微量の蛍光体をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特許文献2参照。)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これにキナクリドン系色素をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特許文献3参照。)が知られている。以上のように、蛍光量子収率の高い蛍光体をドープすることによって、従来の素子に比べて発光輝度を向上させている。
【0006】
しかし、上記のドープされる微量の蛍光体からの発光は、励起一重項からの発光であり、励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であることと、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(ηext)の限界は5%とされている。ところが、プリンストン大から励起三重項からの燐光発光を用いる有機EL素子が報告がされて(例えば、非特許文献1参照。)以来、室温で燐光を示す材料の研究が活発(例えば、非特許文献2、特許文献4参照。)になってきている。励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため、励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が最大4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られ照明用にも応用可能であり注目されている。
【0007】
しかし、これらは、緑色あるいは赤色発光素子に限定されている。これに対し、特に500nm以下に発光する有機EL素子においてはホストの最低励起三重項エネルギー準位がドーパントの最低励起三重項エネルギー準位より高いことが輝度の向上上好ましいことが記載されている(例えば、特許文献5参照。)が耐久性において不充分なものだった。
【0008】
【特許文献1】
特許第3093796号明細書
【0009】
【特許文献2】
特開昭63−264692号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平3−255190号公報
【0011】
【非特許文献1】
M.A.Baldo et al.,nature、395巻、151〜154頁(1998年)
【0012】
【非特許文献2】
M.A.Baldo et al.,nature、403巻、17号、750〜753頁(2000年)
【0013】
【特許文献4】
米国特許第6,097,147号明細書
【0014】
【特許文献5】
特開2002−100476号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、青色領域で発光し、長寿命を達成することが可能な有機EL素子、及びこれを用いた表示装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0017】
1.ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ少なくとも一方の面に少なくとも層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及び少なくとも層のSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ両面に少なくとも層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及び少なくとも層のSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ少なくとも一方の面に各々少なくとも二層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及びSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ両面に各々少なくとも二層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及びSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0018】
.プラスチック基板がポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、セルロースエステル、ノルボルネン系樹脂及び有機無機ハイブリッド樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0019】
.前記1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
【0020】
本発明を更に詳しく説明する。課題に対し発明者が検討した結果、燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、プラスチック基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子によって達成されることがわかった。
【0021】
この理由については明確ではないが、以下のように推測している。通常燐光は、たとえば溶媒中で77Kといった低温で観察される、これは、溶媒マトリックス中に燐光発光材料が整然と収まっていて分子間力により分子振動を抑えているので3重項励起状態のエネルギーが燐光として放出されず熱失活してしまうのを防いでいるためだと推測できる。
【0022】
ところが、発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高い場合、有機EL素子の発光中に有機層が強く発熱してしまい、このため有機層は膨張しようとするため、基板の応力緩和が少ないガラス基板を用いた素子の場合、分子間に整然と並んでいたマトリックス部から燐光化合物がはみ出してしまい熱失活しやすくなってしまうと考えられる。一方プラスチック基板においてはガラス基板に比べ熱膨張率が有機層の熱膨張率に近いため、燐光発光材料がホスト等の分子間に保持されたままであり燐光発光しやすい環境が保持されているためと推測している。
【0023】
本発明の有機EL素子はホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く,好ましくはホスト材料の最低励起三重項エネルギー準位が、前記燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギー準位の1.05倍以上1.50倍以下である。
【0024】
ホスト化合物および燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーは、材料の燐光スペクトルを測定し,その立ち上がり波長から見積もることが出来る。
【0025】
本発明において前記燐光性ドーパントしては、例えば以下の化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0026】
【化1】
Figure 0004747481
【0027】
【化2】
Figure 0004747481
【0028】
本発明においてホスト材料としては例えば以下の化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0029】
【化3】
Figure 0004747481
【0030】
本発明において樹脂基材としては、特に限定はなく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン類、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、有機無機ハイブリッド樹脂等をあげることが出来る。有機無機ハイブリッド樹脂としては、例えば特開2000−22038号に記載の有機樹脂とゾルゲル反応を組み合わせて得られるものが挙げられる。樹脂基材としては特にアートン(商品名JSR(株)製)或いはアペル(商品名三井化学(株)製)といったシクロオレフィン系樹脂が好ましい。
【0031】
本発明において、樹脂基材の片面または両面に下引き層を有していてもよく、下引き層の具体例としてはゾルーゲル法により形成されたシリカ層、ポリマーの塗布等により形成された有機層等があげられる。有機層としてはたとえば重合性基を有する有機材料膜に紫外線照射や加熱等の手段で後処理を施した膜を含む。また、樹脂基材の片面または両面にバリア層を有するのが好ましい。バリア層は水分や酸素などが素子内に入ることを抑止する機能を有していればよく、具体的にはSiO、SiO2、TiO2、CaO、BaO、ITO、IZO等の金属酸化物、Si34等の金属窒化物、SiOxyで表されるような金属酸窒素化物、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン等の重合体が挙げられる。バリア層は、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法、塗布法、インクジェット法、印刷法等の任意の方法で形成することが出来る。基材の厚さとしては、10μm以上1cm以下であることが素子の生産上好ましい。
【0032】
本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明これに限定されるものではない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
【0033】
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10〜1000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
【0034】
次に、本発明において、注入層、正孔輸送層、電子輸送層等について説明する。
【0035】
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び、陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
【0036】
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
【0037】
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
【0038】
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
【0039】
上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
【0040】
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば特開平11−204258号、同11−204359号、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
【0041】
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
【0042】
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層であり、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
【0043】
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。
【0044】
正孔輸送層、電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
本発明の有機EL素子においては、発光層のホスト、発光層に隣接する正孔輸送層、発光層に隣接する電子輸送層すべての材料の蛍光極大波長が415nm以下であることが好ましい。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0046】
以下の実施例では無アルカリガラス板とポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホンを0.1Paの減圧下100℃24時間乾燥したものをもちいた。
【0047】
比較例1
透明な基板として無アルカリガラス板を用いて酸化珪素膜を有する面側にスパッタリングターゲットとして酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物(Inの原子比In/(In+Zn)=0.80)からなる焼結体をもちい、DCマグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜であるIZO(Indium Zinc Oxide)膜を形成した。即ち、スパッタリング装置の真空装置内を1×10-3Pa以下にまで減圧し、アルゴンガスと酸素ガスとの体積比で1000:2.8の混合ガスを真空装置内が1×10-1Paになるまで真空装置内に導入した後、ターゲット印加電圧420V、基板温度60℃でDCマグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜であるIZO膜を厚さ250nm形成した。このIZO膜に、パターニングを行いアノード(陽極)とした後、この透明導電膜を設けた透明支持基板をi−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
【0048】
この透明導電膜上に穴あきマスクを介して真空蒸着法により、有機EL層として、α−NPD層(膜厚25nm)、H−1とIr−2の蒸着速度の比が100:6の共蒸着層(膜厚35nm)、BC層(膜厚10nm)、Alq3層(膜厚40nm)、フッ化リチウム層(膜厚0.5nm)を順次積層した、さらに別のパターンが形成されたマスクを介して、膜厚100nmのアルミニウムからなるカソード(陰極)を形成しOLED−1とした。
【0049】
【化4】
Figure 0004747481
【0050】
実施例1
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート基板に図1のようにCHC層とSiO2層を積層した。CHC層は塗布乾燥した後の組成が
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 70質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 15質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 15質量部
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2質量部
でドライ膜厚100nmとなるように塗布乾燥し、紫外線を200mJ/cm2で照射して硬化させた。
【0051】
SiO2層は特開2002−228803号実施例の図1に示すプラズマ放電処理装置を用い電源はハイデン研究所製インパルス電源PHF−6Kで連続周波数を100kHz、放電密度を120W・min/m2に設定し、低屈折率層形成用反応ガスと同じ組成のガスを用いて厚さ100nmとなるように形成した。
【0052】
OLED−1において基板を上記CHC層とSiO2層を形成したポリエチレンテレフタレート基板に代えた有機EL素子を作製し、OLED−2とした。
【0053】
実施例2
OLED−1において基板を実施例1と同様にCHC層とSiO2層を形成した厚さ100μmのポリエーテルスルホン基板に代えた有機EL素子を作製し、OLED−3とした。
【0054】
比較例2
OLED−1においてホスト化合物をH−3に代えた物を作製し、OLED−4とした。
【0055】
実施例3
OLED−2においてホスト化合物をH−3に代えた物を作製し、OLED−5とした。
【0056】
実施例4
OLED−3においてホスト化合物をH−3に代えた物を作製し、OLED−6とした。
【0057】
温度23度乾燥窒素ガス雰囲気下でOLED−1〜6を8mAで低電流駆動し、OLED−1の輝度が半減する時間を100として相対評価した。
【0058】
各材料の最低励起3重項エネルギー(T1)は燐光スペクトルから求めた。燐光スペクトルの短波長側の立ち上がり波長からT1準位を求めた。Ir−2のT1は、267.9kJ/molだった。
【0059】
【表1】
Figure 0004747481
【0060】
最大極大波長が500nm以下であり、且つホスト材料の最低励起エネルギー準位が前記発光材料の最低励起三重項エネルギー準位より高い有機EL素子においてプラスチックエネルギー準位が、前記燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギー準位の1.05倍以上1.50倍以下である水準においてより長寿命であり好ましいことがわかった。
【0061】
実施例5
実施例2において、燐光発光化合物をIr−2からIr−7またはIr−13に代えた以外はOLED−2、3、5、6と同様に有機EL素子OLED−R1〜R4、OLED−G1〜G4を作製した。燐光発光化合物としてIr−9を使用したOLED−R1〜R4からは高輝度な赤色発光、燐光発光化合物としてIr−1を使用したOLED−G1〜G4からは高輝度な緑色の発光が得られた。
【0062】
本発明の素子構成にすることにより、発光層のホスト化合物は、青、緑、赤と共通の材料が使用できる。
【0063】
実施例6
実施例4で作製したそれぞれ赤色、緑色、青色発光有機EL素子を同一基板上に並置し、図2に示すアクティブマトリクス方式フルカラー表示装置を作製した。
【0064】
図2には作製したフルカラー表示装置の表示部Aの模式図のみを示した。即ち同一基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、並置した複数の画素3(発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有し、配線部の走査線5及び複数のデータ線6は、それぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6を格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。前記複数画素3は、それぞれの発光色に対応した有機EL素子、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタと駆動トランジスタそれぞれが設けられたアクティブマトリクス方式で駆動されており、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。この様に各赤、緑、青の画像を適宜並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
【0065】
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度の高い鮮明なフルカラー動画表示が得られた。
【0066】
【発明の効果】
本発明により、青色領域で発光し、長寿命を達成することが可能な有機エレクトロルミネッセンス素子、及びこれを用いた表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CHC層とSiO2層を形成したプラスチック基板の断面図である。
【図2】多色表示装置の表示部の模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 配線部
3 画素
5 走査線
6 データ線

Claims (6)

  1. ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ少なくとも一方の面に少なくとも層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及び少なくとも層のSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ両面に少なくとも層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及び少なくとも層のSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ少なくとも一方の面に各々少なくとも二層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及びSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. ホスト化合物と燐光性ドーパントを含有する発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該燐光性ドーパントの発光極大発光波長が380nm以上500nm以下であり、かつ該ホスト化合物の最低励起三重項エネルギーが該燐光性ドーパントの最低励起三重項エネルギーよりも高く、かつ両面に各々少なくとも二層の重合性アクリレートと重合開始剤を含有する塗布液を塗布、乾燥した後、UV照射により硬化させたポリマー層及びSiO層からなるバリア層を有するプラスチック基板を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. プラスチック基板がポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、セルロースエステル、ノルボルネン系樹脂及び有機無機ハイブリッド樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
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