しかしながら、このように枕カバーに穴や紐が外部に露出した状態で設けた場合には、この穴や紐は枕を収納した枕カバーを干す際にのみ用いるものであって、この枕カバーの本来の用途である使用者の睡眠には何ら関係するものでないことから、この枕カバーの美観を損なうものとなっている。また、枕カバーに穴を設け、この枕カバーの穴にS型フック等を掛けて枕を収納した枕カバーを吊下げる場合、この穴の内周には該S型フックが当接して枕カバーと枕の重量が掛かるために該穴の内周から破れやすくなったりほつれやすくなるため、この穴の内周にはこのような破れやほつれを防ぐための加工を施す必要がある。具体的には、この枕カバーの穴からほつれることを防ぐために、この穴の部分に金属製のハトメを嵌める等の加工をする必要がある。しかしながら、このようなハトメを嵌める等の加工をした場合、この枕カバー及び枕を用いて使用者が睡眠する際には、該枕カバーの穴の部分や該ハトメ等が使用者の頭部に直接当接することがあり、このような場合には使用者が違和感を覚えるために使用者が熟睡を妨げられるという問題が有る。同様に、枕カバーに紐を取り付け、この枕カバーの紐を用いて枕を入れた枕カバーを吊下げる場合にも、この枕カバー及び枕を用いて使用者が睡眠する際には、該紐が使用者の頭部に直接当接することがあり、このような場合には使用者が違和感を覚えるために使用者が熟睡を妨げられるという問題が有る。
そこで、本発明は、枕を内部に収納した状態で容易に干すことが可能で、しかも枕カバーの美観を損なう事が無く、また、使用者の熟睡を妨げるおそれの無い新規な枕カバーを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)に係る枕カバーは、布地により内部に枕を収納する枕収納部が形成された枕カバー本体と、この枕カバー本体内に枕を収納した状態で吊下げるフック又は物干し竿に掛止される掛止部又は掛止部材と、を備え、上記枕カバー本体の枕収納部の外側には、上記布地が2枚重ね合わせられた重ね合わせ部が形成され、上記掛止部又は掛止部材は、上記重ね合せ部内に配置されてなることを特徴とするものである。
この第1の発明の枕カバーは、枕カバー本体と、掛止部又は掛止部材とを備えており、この枕カバー本体の外側には、布地が2枚重ね合わせられた重ね合わせ部を備え、掛止部又は掛止部材は、該重ね合わせ部内に配置されてなる。枕カバー本体は、内部に枕を収納する枕収納部が形成されているが、この枕収納部は例えば枕カバー本体を袋状としたものである。また、この重ね合わせ部は、一つの端部で上記枕カバー本体の外側に固定されており、また、掛止部又は掛止部材が該重ね合わせ部内に配置できるものであれば良い。また、この重ね合わせ部の端部は、該重ね合わせ部内の掛止部又は掛止部材への操作のために、少なくとも一つの端部が開口されておれば良いが、すべての端部(三方向の端部)が開口されていても良い。また、枕には装飾のためのフリルが形成されていることがあるが、この重ね合わせ部はこのフリルと兼ねるものであっても良い。また、この掛止部としては、具体的には、収納口の近傍に掛止穴を形成してその周囲を縁かがり又はハトメにより補強しても良く、掛止穴を設けた布片、アクリル板、プラスチック板等を用いても良く、フック状に成形されたアクリル板やプラスチック板を用いても良い。また、この掛止部材としては、アクリル板やプラスチック板や紐状の部材を用いても良い。そして、この掛止部として掛止穴を形成した場合や、掛止穴を設けた布片、アクリル板、プラスチック板等を用いる場合には、該掛止穴内にフックを掛ける等により物干し竿にこの枕を入れた枕カバーを掛けて容易に干すことができる。また、上記掛止部材として紐状の部材を用いる場合でも、この紐状の部材にS型フックを掛けることにより物干し竿にこの枕カバーを掛けることができ、或いは、該紐状の部材を直接物干し竿に掛けることにより容易に該枕カバー及び枕を干すことができる。また、この掛止部材として紐状の部材を用いる場合には、特にこれをゴム紐の様に弾性を持って伸縮するものとしても良く、この掛止部材を用いる場合には該掛止部材を伸張させ、使わない場合には重ね合わせ部内に収まるものとしても良い。
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係る枕カバーは、上記第1の発明において、前記掛止部材は、枕を前記枕収納部内に収納した状態で前記フック又は物干し竿に掛止する際に先端が外部に露出し不使用時には前記重ね合わせ部内に隠れるよう該重ね合わせ部内を移動可能に配置されてなることを特徴とするものである。
この第2の発明の枕カバーは、上記第1の発明の枕カバーと同様の枕カバー本体と掛止部材と重ね合わせ部とを備える。そして、この掛止部材は移動可能に重ね合わせ部内に配置されており、この掛止部材を使う場合、すなわち枕収納部内に枕を収納したこの枕カバーを干す場合には、該掛止部材を移動させて先端を該重ね合わせ部から外部に露出させ、この掛止部材を使わない場合、例えばこの枕カバーに枕を入れて使用者が睡眠時に使う場合には、該掛止部材を移動させて重ね合わせ部内に隠れるようにすることができる。具体的には、この掛止部材を上記重ね合わせ部から露出できる程度の長さを有するものとし、該掛止部材の一端を該重ね合わせ部内に取り付けることにより、該掛止部材の他端を該重ね合わせ部から露出させたり該重ね合わせ部内に隠したりすることができる。したがって、上記掛止部材を使用しない場合には、該掛止部材を重ね合わせ部内に隠すことができるので、この枕カバーの美観を損なうものでなく、また、使用者が睡眠時に違和感を覚えることなく熟睡を妨げるおそれが無いものとすることができる。
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る枕カバーは、上記第1又は第2の発明において、前記重ね合わせ部内には、左リング部と右リング部とが前記枕収納部に近い位置にて互いに離間して固定され、前記掛止部材は、紐状とされてなるともに一端側は上記左リング部内に挿通され他端側は上記右リング部内に挿通されてなるとともに、該掛止部材の両端には上記左リング部又は右リング部からの抜け止め用の抜止部が形成されてなることを特徴とするものである。
この第3の発明の枕カバーは、上記第1の発明の枕カバーと同様の枕カバー本体と掛止部材と重ね合わせ部に加えて、左リング部と右リング部とを重ね合わせ部内に備えている。この左リング部と右リング部は上記重ね合わせ部内にて互いに離間して固定されている。また、この第3の発明では掛止部材が紐状とされているが、この掛止部材は、一端側が上記左リング部内を挿通し、他端側は上記右リング部内を挿通する。そして、この掛止部材の両端は抜け止め用の抜止部が形成されてなる。このため、上記掛止部材の中央を把持して引っ張ることにより、該掛止部材を上記重ね合わせ部内を移動させて外部に露出させることができるとともに、このように該掛止部材を移動させる場合には、該掛止部材の左端に形成された抜止部は左リング部の左側面に当接し、該掛止部材の右端に形成された抜止部は右リング部の右側面に当接することから、該掛止部材を上記重ね合わせ部から外部に露出するように移動させることは一定の範囲内に制限される。したがって、上記掛止部材を使用しない場合には、該掛止部材を重ね合わせ部内に隠すことができるので、この枕カバーの美観を損なうものでなく、また、使用者が睡眠時に違和感を覚えることなく熟睡を妨げるおそれが無いものとすることができる。なお、この左リング部及び右リング部は、上述のように掛止部材を移動できる範囲(上記重ね合わせ部から露出できる範囲)を制限できるように取り付けることができるのであればどのようなものであっても良く、例えば、該掛止部材が挿通可能な開口が形成されたプラスチック片や金属板であっても良く、或いは、紐状部材や金属棒(針金)を該掛止部材が挿通可能な内径(しかしながら抜止部は挿通不能な内径)の環状にしたものを用いても良い。また、左リング部及び右リング部として紐状部材を用いる場合には、該紐状部材の両端を上記重ね合わせ部又は枕カバー本体に固定することにより開口を形成するものとしても良い。
また、第4の発明(請求項4記載の発明)に係る枕カバーは、布地により内部に枕を収納する枕収納部が形成された枕カバー本体と、この枕カバー本体内に枕を収納した状態で吊下げるフック又は物干し竿に掛止される掛止部と、を備え、上記枕収納部には、枕を出し入れする収納口が、該枕収納部を形成する布地が一部重ね合わせられた状態で形成され、上記掛止部は、この重ね合わせられた内側の布地であって外側の布地により被覆される部位に形成されてなることを特徴とするものである。
この第4の発明の枕カバーは、枕カバー本体と、掛止部とを備えており、この枕カバー本体には内部に枕を収納する枕収納部が形成されている。この枕収納部内へは収納口を介して枕を収納できるものなっており、また、この収納口は、該収納口を形成する布地が一部重ね合わせられた状態で形成されているが、このような収納口が形成されている枕カバーは、該枕カバーの一面の中途部に収納口が形成されている上述した従来の枕カバーの収納口と構成が似たものである。しかしながら、このような収納口は枕カバーの端部に形成されていても良いものであって、この第4の発明の枕カバーでは、この布地が一部重ね合わせられた内側の布地であって外側の布地により被覆される部位に掛止部が形成されている。このため、この掛止部は外側の布地により被覆されていることから、枕カバー本体の枕収納部内に枕を収納してこの枕を睡眠時に使用する場合には、該掛止部が外部に露出しない。また、上記収納口の重ね合わせられた内側の布地上から外側の布地をめくることにより、上記掛止部を外部に露出させることができる。また、この掛止部としては、具体的には、収納口の近傍に掛止穴を形成してその周囲を縁かがり又はハトメにより補強しても良く、掛止穴を設けた布片、アクリル板、プラスチック板等を用いても良く、フック状に成形されたアクリル板やプラスチック板を用いても良い。そして、この掛止部として掛止穴を形成した場合や、掛止穴を設けた布片、アクリル板、プラスチック板等を用いる場合には、該掛止穴内にフックを掛ける等により物干し竿にこの枕を入れた枕カバーを掛けることができ、枕を内部に収納した状態で容易に干すことができる。また、上記掛止部を使用しない場合には、該掛止部を収納口の重ね合わせられた内側に隠すことができるので、この枕カバーの美観を損なうものでなく、また、使用者が睡眠時に違和感を覚えることなく熟睡を妨げるおそれが無いものとすることができる。
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る枕カバーは、掛止部又は掛止部材により枕を枕カバー本体内に収納した状態でフック又は物干し竿に掛止させて干すことが容易にできる。また、枕を入れたこの枕カバーを干す以外の場合、例えば睡眠時に使用する場合や片付ける場合には、この掛止部又は掛止部材を重ね合わせ部内に収めることができる。このため、この掛止部又は掛止部材は外部から見えないことから、この枕カバーの美観を損なうことは無い。また、上述のように従来の枕カバーでは、掛止穴を設けた布片等や紐を吊下げ部に用いる際にこの吊下げ部が睡眠時の使用者の頭部に当接するという問題が有ったが、この掛止部又は掛止部材は重ね合わせ部内に配置されてなることから、掛止部又は掛止部材は使用者の頭部に直接当接するものではなく、重ね合わせ部を介して使用者の頭部に当接し、睡眠時に違和感を覚えて使用者の熟睡を妨げられることがなくなる。
上記第2の発明(請求項2記載の発明)に係る枕カバーは、より容易に掛止部材により枕を枕カバー本体内に収納した状態でフック又は物干し竿に掛止させて干すことができる。すなわち、この第2の発明に係る枕カバーでは、枕を枕カバー本体内に収納した状態でフック又は物干し竿に掛止する際には、先端を外部に露出させることができることから、より容易にこの枕カバーの掛止部材を直接物干し竿に掛止することができ、また、この掛止部材は物干し竿に掛止させやすい大きさのものとなる。また、掛止部材の不使用時には、該掛止部材を重ね合わせ部内に隠れるよう該重ね合わせ部内を移動可能に配置されてなることから、睡眠時に違和感を覚えて使用者の熟睡を妨げられることがなくなる。
上記第3の発明(請求項3記載の発明)に係る枕カバーは、紐状とされた掛止部材が前記重ね合わせ部内であって前記枕収納部に近い位置に固定された左リング部及び右リング部を挿通するとともに、該掛止部材の両端には該左リング部及び右リング部からの抜け止め用の抜止部が形成されている。このため、この掛止部材の中央を把持して引っ張り上記重ね合わせ部から露出させ、フックや物干し竿に掛止することが容易であるとともに、この掛止部材を該重ね合わせ部から引き出すことができる長さは、抜止部により一定の範囲内に制限され、また、この枕カバー内に枕を収納してフックや物干し竿に掛止した場合でも、該抜止部によりこの掛止した状態を維持する。また、逆にこの掛止部材を上記重ね合わせ部内に押し込むことにより、該掛止部材を容易に重ね合わせ部内に隠すこともできる。したがって、上記掛止部材を使用しない場合には、該掛止部材を重ね合わせ部内に隠すことができるので、使用者の熟睡を妨げるおそれが無いものとすることができる。
上記第4の発明(請求項4記載の発明)に係る枕カバーは、枕を出し入れする収納口が、枕を収納する枕収納部を形成する布地が一部重ねあわされた状態で形成されており、掛止部がこの重ね合わせられた内側の布地であって外側の布地により被覆される部位に形成されていることから、該外側の布地をめくることにより該内側の布地に形成された掛止部を露出させることができ、また、枕を枕カバー本体内に収納した状態でこの掛止部にフック又は物干し竿に掛止させて干すことが容易にできる。また、枕を入れたこの枕カバーを干す以外の場合、例えば睡眠時に使用する場合や片付ける場合には、この掛止部を上記外側の布地により被覆させることができる。このため、この掛止部は外部から見えないことから、この枕カバーの美観を損なうことは無い。また、上述のように従来の枕カバーでは、掛止穴を設けた布片等や紐を吊下げ部に用いる際にこの吊下げ部が睡眠時の使用者の頭部に当接するという問題が有ったが、この掛止部は上記外側の布地により被覆されてなることから、掛止部は該外側の布地を介して使用者の頭部に当接するものとなって、直接当接することを防ぐことができる。このため、睡眠時に違和感を覚えて使用者の熟睡を妨げられることがなくなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態に係る枕カバーについて図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る枕カバー1は、図1ないし図4に示すような形状とされている。すなわち、この枕カバー1は、図2又は図3に示す袋状とされて内部に枕Pを収納する枕カバー本体11と、この枕カバー本体11の一端及び他端にそれぞれ固定された2枚の布片が重ね合わせられた重ね合わせ部である飾り布13,14,15,16と、上記一端に固定された2枚の飾り布13,14の間に配置された掛止部材である吊下げ紐18と、この吊下げ紐18が挿通される布地の左のリング部である20及び右のリング部22とから構成されている。
この枕カバー本体11は、内部には枕Pを収納する枕収納部24が形成されており、該枕カバー本体11の枕収納部24内に枕Pを収納することで該枕カバー本体11は図2及び図3に示すように略直方体状に膨出される。また、上記枕カバー本体11の外周の四辺のうち一つの短辺26には、この短辺26とほぼ同じ長さの飾り布13,14が取り付けられている。上述の通り、従来の多くの枕カバーでも端部に装飾のために布片からなる飾り布が取り付けられているが、この飾り布13,14は、この従来の枕カバーの端部に取り付けられている飾り布と同様な構成となっている。なお、この飾り布13,14は、縫い目17の部分が縫われており袋状となっている。また、この枕カバーの飾り布としては従来からフリル状の布片を用いることが多いが、この枕カバー1の飾り布13,14もこの従来の枕カバーと同様に、一定間隔に山谷の折り目を入れてフリル状のものとしても良い(図示は省略する)。
また、上記吊下げ紐18は、両端に本発明の抜止部である結び目30,31が形成され、上記短辺26の長さよりやや短い長さとされた紐状の部材であって、上記の2枚の飾り布13,14の間に配置されている。そして、この吊下げ紐18は、中途部の二箇所において上記左右のリング部20,22により枕カバー本体11に取り付けられている。これら左右のリング部20,22は長方形状の布片であって、上記の2枚の飾り布13,14の間に配置されており、両端は上記枕カバー本体11の短辺26に固定され、環状に形成されている。このため、これら左右のリング部20,22は、環状の中途部が上記短辺26より突出するものとなっており、上記吊下げ紐18は環状となった該左右のリング部20,22内に挿通されるとともに、挿通後の吊下げ紐18の両端には結び目30,31が形成され、左右のリング部20,22内を通ることができないことため、図2及び図4に示すように、この吊下げ紐18を引き出して先端を外部に露出させられる長さが制限されている。また、上記枕カバー本体11の短辺26の反対側の短辺28には、上記飾り布15,16が取り付けられている(図3参照)。この飾り布15,16は、上記飾り布13,14と同様に短辺28とほぼ同じ長さのものとされており、また、図示は省略するが該飾り布13,14と同様にフリル状の布片を用いても良い。なお、上記枕カバー本体11の短辺28の部位であって、この飾り布15,16の間には、図3に示すように、枕Pを出し入れするための出し入れ口としてファスナー33が取り付けられている。このため、このファスナー33を開けることにより、上記枕収納部24内に枕Pを収納することができる。
次に、この枕カバー1に枕Pを入れた状態で干す方法について説明する。前記枕カバー本体11内に枕を入れた状態で干す場合には、図2に示すように、先ずこの枕カバー1の吊下げ紐18の中途部を引き出し、該吊下げ紐18の中途部先端側を外部に露出させる。そして、図4に示すように、この吊下げ紐18の引き出した中途部にS型フックSを掛ける。そして、このS型フックSを更に物干し竿(図示は省略する。)に掛けることにより、枕Pを入れた状態で上記枕カバー1を干すことができる。なお、このようにこの枕カバー1を吊下げ紐18により吊下げて干す際には、上記吊下げ紐18の結び目30は上記左のリング部20の左側面に当接し、また、上記吊下げ紐18の結び目31は上記右のリング部22の右側面に当接することから、該枕カバー1はこのように吊下げられた状態を維持する。なお、この図4に示すとおりS型フック28を介して物干し竿に吊るしても良いが、上記吊下げ紐18を物干し竿(図示は省略する。)に直接掛けてこの枕カバー1を吊るすものとしても良い。また、このように枕カバー1を干した後に使用者が睡眠時に使用する場合には、再度図1に示すように、この吊下げ紐18を上記飾り布13,14の間の位置に隠れるように移動させて戻す。
このように、この枕カバー1では、枕Pを入れたままの状態で吊下げ紐18で吊下げて干すことが容易にできる。また、枕Pを入れたこの枕カバー1を睡眠時に用いる等の場合には、この吊下げ紐18を飾り布13,14の内側に隠れるように移動させて収めることができることから、該枕カバー1の美観を損なうことは無いとともに、吊下げ紐18は、飾り布13,14を介して使用者の頭部に当接するので、頭部が吊下げ紐18に直接当接することを防ぎ、このため、使用者がこの吊下げ紐18に違和感を覚えて熟睡を妨げられることがなくなる。
このように、上記の枕カバー1は、上記吊下げ紐18を上記飾り布13,14の内側から移動させて外部に露出させるとともに、該吊下げ紐18が移動できる範囲を両端の結び目30,31と左右のリング部20,22により制限させ、この外部に露出させた吊下げ紐18にS型フックSを掛けることによりこの枕カバー1を干す構成となっているが、この発明の枕カバーはこの枕カバー1のような構成に限定されるものでは無い。
例えば、図5に示す第2の実施の形態の枕カバー41のような構成としても良い。この枕カバー41は、上記枕カバー1と同じ枕カバー本体11、飾り布13,14、縫い目17,17、枕収納部24等を備えて構成されるものである(これらの同じ構成については、枕カバー41についての説明でも同じ符号を用いる。)が、上記第1の実施の形態に係る吊下げ紐18及び左右のリング部20,22に替えて吊下げ部42を用いたものである。この吊下げ部42はプラスチック製の部材であって、幅が広い長方形状の板材43の中央上端に略円形の板材44が連続する形状とされており、また、この略円形の板材44には掛止穴45が開口されている。そして、この吊下げ部42は、飾り布13,14内に収容されるとともに、板材43の上端部が、縫い目17,17の上方部に当接して図6に示すように掛止することができるものである。なお、この吊下げ部42は、本発明を構成する掛止部である。
この枕カバー41も、上記第1の実施の形態に係る枕カバー1と同様な方法で干すことができる。すなわち、図5又は図6に示す吊下げ部42は、上記枕カバー1の吊下げ紐18と同様に上記飾り布13,14の間に配置されており、該吊下げ部42は不使用時には図5に示すように該飾り布13,14の間に隠すことができる。そして、この枕カバー本体11内に枕Pを入れた状態で干す場合には、図6に示すように先ず上記吊下げ部42を引き出し、該吊下げ部42の略円形の板材44の部分を外部に露出させる。そして、図6に示すように、この吊下げ部42の略円形の板材44に形成された掛止穴45にS型フックSを掛ける。そして、このS型フックSを更に物干し竿(図示は省略する。)に掛けることにより、枕Pを入れた状態で上記枕カバー41を干すことができる。なお、このようにこの枕カバー41を吊下げ部42により吊下げて干す際には、上記吊下げ部42の板材43の上端は上記縫い目17,17の上方部に当接することから、該枕カバー41はこのように吊下げられた状態を維持する。そして、このように枕カバー1を干した後に使用者が睡眠時に使用する場合には、再度図5に示すように、この吊下げ部42を上記飾り布13,14の間の位置に隠れるように移動させて戻す。
このように、この枕カバー41では、枕Pを入れたままの状態で吊下げ部42で吊下げて干すことが容易にできる。また、枕Pを入れたこの枕カバー41を睡眠時に用いる等の場合には、この吊下げ部42を飾り布13,14の内側に隠れるように移動させて収めることができることから、該枕カバー41の美観を損なうことは無いとともに、吊下げ部42は、飾り布13,14を介して使用者の頭部に当接するので、頭部が吊下げ部42に直接当接することを防ぎ、このため、使用者がこの吊下げ部42に違和感を覚えて熟睡を妨げられることがなくなる。
また、本発明に係る枕カバーは上記の枕カバー1,41のような構成のみに限定されるものではなく、図7に示す第3の実施の形態の枕カバー51のような構成のものとしても良い。この枕カバー51は、図7に示すような形状とされており、袋状とされて内部に図示しない枕を収納する枕カバー本体52と、この枕カバー本体52の一端に固定された2枚の布片からなる飾り布53,54と、この2枚の飾り布53,54の間に配置された吊下げ紐55とから構成されている。
この枕カバー本体52は、上記枕カバー本体11と同様な構成であって、内部には図示しない枕を収納する枕収納部56が形成されている。また、上記枕カバー本体52の外周の四辺のうち一つの辺(図7に示す短辺57)には、この短辺57とほぼ同じ長さの飾り布53,54が取り付けられているが、この飾り布53,54は上記第1の実施の形態に係る飾り布13,14と同様な構成となっている。なお、この飾り布53,54は、左右両端近傍が縫い目58,58により縫われている。また、この枕カバー51の飾り布53,54も上記従来の枕カバーと同様に、一定間隔に山谷の折り目を入れてフリル状のものとしても良く(図示は省略する)、また、この飾り布53,54は、本発明を構成する重ね合わせ部である。また、上記吊下げ紐55は、二つ折りにされて上記短辺57の長さよりやや短い長さとされた紐状の部材であって、左右の両端は上記縫い目58により飾り布53,54に固定され、該飾り布53,54の間に配置されている。なお、この吊下げ紐55は、本発明を構成する掛止部材である。
次に、この枕カバー51に図示しない枕を入れた状態で干す方法について説明する。図7に示す枕カバー本体52内に枕を入れた状態で干す場合には、先ずこの枕カバー51の吊下げ紐55の中途部を引き出し、該吊下げ紐55の先端を外部に露出させる。そして、この吊下げ紐55に図示を省略するS型フックを掛ける。そして、このS型フックを更に物干し竿(図示は省略する。)に掛けることにより、枕を入れた状態で前記枕カバー51を干すことができる。また、このように枕カバー51を干した後に使用者が睡眠時に使用する場合には、再度図7に示すように、この吊下げ紐55を上記飾り布53,54の間の位置に隠れるように移動させて戻す。このように、この枕カバー51でも、枕を入れたままの状態で吊下げ紐55で吊下げて干すことが容易にできる。また、枕を入れたこの枕カバー51を睡眠時に用いる等の場合には、この吊下げ紐55を飾り布53,54の内側に隠れるように移動させて収めることができることから、該枕カバー51の美観を損なうことは無いとともに、吊下げ紐55は、飾り布53,54を介して使用者の頭部に当接するので、頭部が吊下げ紐55に直接当接することを防ぎ、このため、使用者がこの吊下げ紐55に違和感を覚えて熟睡を妨げられることがなくなる。
また、上述した枕カバー1,41,51は、何れも吊下げるために掛止部材である吊下げ紐18,55或いは吊下げ部42を構成要素としており、これらは何れも掛止の際に枕カバー本体11,52に対して動かすことができるものとされているが、この発明に係る枕カバーは、このような掛止部材を備える構成に限定されるものではなく、枕カバー本体又は飾り布に対して固定された掛止部を構成要素とするものとしても良い。
すなわち、図8に示す第4の実施の形態の枕カバー61のような構成のものとしても良い。この図8では、この枕カバー61をS型フックSにより吊下げた状態を示しており、この枕カバー61は、図8に示すように、袋状とされて内部に図示しない枕を収納する枕カバー本体62と、この枕カバー本体62の一端に固定された2枚の布片からなる飾り布63,64と、この2枚の飾り布63,64の間に配置された吊下げ部65とから構成されている。
上記枕カバー本体62は、上記第1ないし第3の実施の形態に係る枕カバー本体11と同様な構成であって、内部には図示しない枕を収納する枕収納部66が形成されている。また、上記枕カバー本体62の外周の四辺のうち一つの辺(図8に示す短辺67)には、この短辺67とほぼ同じ長さの飾り布63,64が取り付けられているが、この飾り布63,64は上記第1ないし第3の実施の形態に係る飾り布13,14と同様な構成となっている。なお、この枕カバー61の飾り布63,64も上記従来の枕カバーと同様に、一定間隔に山谷の折り目を入れてフリル状のものとしても良く(図示は省略する)、また、この飾り布63,64は、本発明を構成する重ね合わせ部である。また、上記吊下げ部65は、上記飾り布63,64の間に配置されてなる布片であって、中央には開口(符号は省略する)が形成されており、図示下端が上記短辺67に固定され、該飾り布63,64の間に配置されている。そして、この吊下げ部65には、前記開口の周囲に掛止穴68が形成されたハトメ69が嵌め込まれている。なお、この吊下げ部65は、本発明を構成する掛止部材である。
次に、枕を入れた状態で前記枕カバー61を干す方法について説明する。図8に示す枕カバー本体62内に枕を入れた状態で干す場合には、先ずこの枕カバー61の飾り布63,64を開いて上記吊下げ部65を外部に露出させる。そして、この吊下げ部65の掛止穴68にS型フックSを掛ける。そして、このS型フックSを更に物干し竿(図示は省略する。)に掛けることにより、枕を入れた状態で前記枕カバー61を干すことができる。また、このように枕カバー61を干した後に使用者が睡眠時に使用する場合には、再度図6に示すように、この吊下げ部65を上記飾り布63,64の間の位置に隠れるように戻す。このように、この枕カバー61でも、枕を入れたままの状態で、吊下げ部65で吊下げて干すことが容易にできる。また、枕を入れたこの枕カバー61を睡眠時に用いる等の場合には、この吊下げ部65を飾り布63,64の内側に隠れるように移動させて収めることができることから、該枕カバー61の美観を損なうことは無いとともに、吊下げ部65及びハトメ69は、飾り布63,64を介して使用者の頭部に当接するので、頭部がハトメ69に直接当接することを防ぎ、このため、使用者がこの吊下げ部65に違和感を覚えて熟睡を妨げられることがなくなる。
また、本発明に係る枕カバーは上述した枕カバー1,41,51,61のようなものに限定されるものでは無い。すなわち、これら枕カバー1,41,51,61は何れも枕カバー本体の端部に形成された飾り布13,14,15,16,53,54,63,64の内に吊下げ紐18,55又は吊下げ部42,65を配置してこれを隠す構成とされているが、枕カバー本体の枕収納部内に枕を出し入れする収納口の周辺に掛止部が形成されるものとしても良い。
すなわち、図9に示す第5の実施の形態の枕カバー91のような構成のものとしても良い。この枕カバー91は、図9に示すような形状とされており、袋状とされて内部に枕Pを収納する枕カバー本体92と、この枕カバー本体92上に設けられた掛止穴93とから構成されている。なお、この枕カバー91は、上述した従来から用いられている枕カバーであって、一面の中途部に枕を出し入れする収納口が形成されているものと同様な構成のものである。すなわち、この枕カバー本体92の内部は枕Pを収納する枕収納部94とされており、また、この枕収納部94に枕Pを入れる際には該枕カバー本体92の一面の中途部に形成された収納口95を介して枕Pを出し入れするものであって、この収納口95は、この枕収納部94を形成する布地が一部重ね合わせられた状態で形成されている。そして、上記掛止穴93は、この枕収納口95を形成する一部重ね合わせられた部分の外側の布地96と内側の布地97の内、この内側の布地97上に、ハトメ98が嵌めこまれ、このハトメ98の中心部に形成されている。このため、この掛止穴93は、枕収納口95を形成する外側の布地96により被覆される。そして、この枕カバー91の枕カバー本体92内の枕収納部94内に枕Pを収納する場合には、この外側の布地96をめくることにより該枕収納部94内に枕Pを収納することができる。なお、上記掛止穴93は本発明を構成する掛止部である。
次に、枕カバー91に枕Pを入れた状態で干す方法について説明する。図9に示す枕カバー本体92内に枕を入れた状態で干す場合には、先ずこの枕カバー91の枕カバー本体92の外側の布地96をめくって上記掛止穴93を外部に露出させる。そして、図10に示すように、この掛止穴93にS型フックSを掛ける。そして、このS型フックSを更に物干し竿(図示は省略する。)に掛けることにより、この枕カバー91を枕を入れた状態で干すことができる。なお、このようにS型フックSを掛止穴93に掛けた場合には、上記外側の布地96が該S型フックSによりめくられた状態となっている。また、このように枕カバー61を干した後に使用者が睡眠時に使用する場合には、再度図9に示すように、めくられていた上記外側の布地96により掛止穴93を被覆させ、該掛止穴93が該外側の布地96により隠れるように戻す。このように、この枕カバー91によれば、枕Pを入れたままの状態で掛止穴93によりS型フックSで吊下げて干すことが容易にできる。また、枕Pを入れたこの枕カバー91を睡眠時に用いる等の場合には、上記掛止穴93は上記外側の布地96により被覆されることから、該枕カバー61の美観を損なうことは無いとともに、ハトメ98は、外側の布地96を介して使用者の頭部に当接するので、頭部がハトメ98に直接当接することを防ぎ、このため、使用者がこのハトメ98に違和感を覚えて熟睡を妨げられることがなくなる。