JP4746440B2 - フルオロアルキル基含有鎖状高分子化合物およびそれを含有する歯科用組成物 - Google Patents
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Description
高分子 第53巻3月号(2004年)、164〜165ページ
一般式(1):
で表される単量体単位を主鎖中に有する。一般式(1)中のR1は水素原子またはメチル基である。R2は炭素数2〜12のアルキレン基であるが、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等の炭素数2〜12の直鎖状アルキレン基が好ましく、エチレン基が特に好ましい。R3は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基であり、一般式(1)中に含まれる3個のR3は同一のアルキル基であっても、相違していてもよい。ただし、3個のR3は、それぞれメチル基またはエチル基であることが好ましく、いずれもメチル基であることがより好ましい。
で表される炭素数1〜10の分岐状フルオロアルキレン基が挙げられる。フルオロアルキル基がオキサフルオロアルキル基中に含まれる場合、該オキサフルオロアルキル基の全炭素数は3〜18であることが好ましい。
(式中、nは0〜6の整数を示す)
で表されるオキサフルオロアルキル基が、本発明の鎖状高分子化合物における所期の効果の高さ、鎖状高分子化合物の合成の容易さ(鎖状高分子化合物への導入の容易さ)、鎖状高分子化合物に導入するための原料(重合開始剤等)の入手し易さ、鎖状高分子化合物の性状の用途適合性(溶剤や重合性単量体への溶解性が高いことなど)などの点から特に好ましい。
−(CF2)3F
−CF(CF3)O−(CF2)3F
−CF(CF3)O−CF2CF(CF3)O−(CF2)3F
−CF(CF3)O−(CF2CF(CF3)O)2−(CF2)3F
−CF(CF3)O−(CF2CF(CF3)O)3−(CF2)3F
−CF(CF3)O−(CF2CF(CF3)O)6−(CF2)3F
下記一般式(3):
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ前記定義のとおりである)
一般式(4):
Rf1−C(=O)−O−O−C(=O)−Rf2
(Rf1およびRf2は、それぞれ独立に、フルオロアルキル基を含む有機基を示し、通常は、所望の末端基と同じ化学構造を有する基である)
〔式中、R4は水素原子またはメチル基を示し、X1は水素原子、メチル基、または、式:−Ra−Y1で表される基(式中、Raは炭素数2〜20の炭化水素基を示し、Y1は、水素原子、水酸基、−COOH基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基、アルコキシシリル基、または炭素数1〜20のアルコキシル基を示す)を示す〕
で表される(メタ)アクリル酸またはそのエステル類、および、
下記一般式:
〔式中、R5は水素原子またはメチル基を示し、X2およびX3はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、または、式:−Rb−Y2で表される基(式中、Rbは炭素数2〜20の炭化水素基、Y2は、水素原子、水酸基、−COOH基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基、アルコキシシリル基、または炭素数1〜20のアルコキシル基を示す)を示す〕
で表される(メタ)アクリル酸アミド類が挙げられる。
(1)一官能性(メタ)アクリレート
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(通称BisGMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、[N,N´−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレートなどが挙げられる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、[N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボニルオキシ)プロパン−1,3−ジオール〕]テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキサヘプタンなどが挙げられる。
過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225(旭硝子社製)[CF3CF2CHCl2とCHFClCF2CF2Clの1:1の混合溶媒]34g中に、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)を水(1.8g)に溶解してなる水溶液を加えた。この混合液を、45℃、6時間窒素気流下で攪拌して重合反応を行った。反応後、溶媒を減圧留去して、残った残渣にメタノールを加え、不溶物をろ過により取り除いた。ろ液にヘキサンを加えて再沈殿し、析出した固体を採取した。得られた固体(粉末状)をヘキサンで洗浄して精製することで、目的物である下記化合物(化1(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.35g得られた。
数平均分子量(GPC):2800
IR: ν(cm-1):1635(C=O),1325(CF3),1230(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.1〜1.72(CH2),δ1.60(CH3),δ3.28(NCH3),δ3.52(NCH2),δ4.0〜4.4(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.0〜−10.5ppm(16F),
δ−54.4ppm(6F)
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル(2.2mmol;2.2g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化2(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.33gの収量で得られた。
数平均分子量(GPC):3200
IR: ν(cm-1):1640(C=O),1322(CF3),1236(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.05〜1.71(CH2),δ1.61(CH3),δ3.30(NCH3),δ3.51(NCH2),δ4.0〜4.5(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.2〜−8.8ppm(26F),
δ−54.9ppm(6F),δ−70.7ppm(2F)
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5、8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカノイル(2.2mmol;2.9g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化3(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.4gの収量で得られた。
数平均分子量(GPC):4800
IR: ν(cm-1):1637(C=O),1350(CF3),1258(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.01〜1.74(CH2),δ1.58(CH3),δ3.27(NCH3),δ3.48(NCH2),δ4.0〜4.5(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.5〜−9.8ppm(36F),
δ−59.0ppm(6F),δ−71.1ppm(4F)
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカノイル(2.2mmol;3.6g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化4(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.44gの収量で得られた。
数平均分子量(GPC):3800
IR: ν(cm-1):1650(C=O),1342(CF3),1242(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.13〜1.73(CH2),δ1.59(CH3),δ3.29(NCH3),δ3.5(NCH2),δ4.0〜4.4(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−4.4〜−9.9ppm(46F),
δ−53.6ppm(6F),δ−70.5ppm(6F)
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサドデカノイル(2.2mmol;2.8g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化5(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.3gの収量で得られた。
数平均分子量(GPC): 5600
IR: ν(cm-1):1680(C=O),1332(CF3),1248(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.13〜1.73(CH2),δ1.60(CH3),δ3.28(NCH3),δ3.48(NCH2),δ4.05〜4.5(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.5〜−10.5ppm(38F),
δ−56.6ppm(6F),δ−71.5ppm(2F)
過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225(旭硝子社製)[CF3CF2CHCl2とCHFClCF2CF2Clの1:1の混合溶媒]34g中に、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)を水(1.8g)に溶解してなる水溶液と、ジメチルアクリルアミド(10.8mmol;1.07)を加えた。この混合液にさらにAK−225を50g加えて、45℃、5時間窒素気流下で攪拌して重合反応を行った。反応後、溶媒を減圧留去し、残った残渣にメタノールを加え、不溶物をろ過により取り除いた。ろ液にヘキサンを加えて再沈殿し、析出した固体を採取した。得られた固体(粉末状)をヘキサンで洗浄して精製した。さらに得られた精製物を50℃、真空下で2日間乾燥させたところ、下記化合物(化7)が0.7gの収量で得られた。1H−NMRの分析の結果、x:y=38:62(モル比)であった。
数平均分子量(GPC): 5900
IR: ν(cm-1):1700(C=O),1320(CF3),1240(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.05〜1.73(CH2),δ1.58(CH3),δ2.1(CH),δ2.8〜3.1(NCH3),δ3.30(NCH3),δ3.45(NCH2),δ4.0〜4.45(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.5〜−11.5ppm(16F),
δ−54.1ppm(6F)
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)とアクリル酸(15mmol;1.08g)に水(1.8g)をAK−225(旭硝子社製)[CF3CF2CHCl2とCHFClCF2CF2Clの1:1の混合溶媒]に加えてなる混合溶液25g中に、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225溶液40gを加え、窒素気流下で45 ℃、5時間重合反応させた。反応後、得られた反応混合物中の白色粉末を吸引ろ過で採取し、さらに回収物をヘキサンで充分に洗浄し、精製を行った。さらに得られた精製物を50℃、真空下で2日間乾燥させたところ、下記化合物(化8)が0.5gの収量で得られた。1H−NMRの分析の結果、x:y=20:80(モル比)であった。
数平均分子量(GPC): 7800
IR: ν(cm-1):1705(C=O),1335(CF3),1255(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.0〜1.75(CH2),δ1.59(CH3),δ2.1(CH),δ3.31(NCH3),δ3.44(NCH2),δ4.0〜4.44(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.5〜−9.6ppm(16F),
δ−55.2ppm(6F)
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)、n−ブチルアクリレート(20mmol;2.56g)、水(1.8g)およびAK−225(旭硝子社製)[CF3CF2CHCl2とCHFClCF2CF2Clの1:1の混合溶媒]からなる混合溶液25g中に、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225溶液40gを加え、窒素気流下で45 ℃、5時間重合反応させた。反応後、得られた反応混合物中の白色粉末を吸引ろ過で採取し、さらに回収物をヘキサンで充分に洗浄し、精製を行った。さらに得られた精製物を50℃、真空下で2日間乾燥させたところ、下記化合物(化9)が0.45gの収量で得られた。1H−NMRの分析の結果、x:y=27:73(モル比)であった。
数平均分子量(GPC): 4500
IR: ν(cm-1):1685(C=O),1350(CF3),1236(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.0〜1.8(CH2),δ1.35(CH3),δ1.59(CH3),δ2.1(CH),δ3.31(NCH3),δ3.44(NCH2),δ4.0〜4.44(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−4.9〜−8.6ppm(16F),
δ−54.5ppm(6F)
実施例7において、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、ビス(ペルフルオロシクロヘキサンカルボニル)ペルオキサイドを用いた以外は実施例7と同様にして重合反応、ろ過、精製等の操作を行ったところ、下記の化合物(化14)が得られた。1H−NMRの分析の結果、x:y=17:83であった。
数平均分子量(GPC): 9100
IR: ν(cm-1):1700(C=O),1340(CF3),1232(CF2)
1H−NMR(D2O):δ1.2〜2.1(CH2),δ1.59(CH3),δ2.4(CH),δ3.27(NCH3),δ3.40(NCH2),δ4.03〜4.41(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ5.7〜−7.98(2F),−40〜44.7(4F),−46.0〜−51.1(6F),−56.5〜60.1(4F),−62〜71.7(6F),−107.2〜112(2F)
実施例8において、MPCおよびn−ブチルアクリレートの使用割合を、6.5mmolおよび20mmolから、13.5mmolおよび14.5mmol(実施例10)、または1.5mmolおよび25mmol(実施例11)に変更した以外は実施例8と同様にして重合、ろ過、精製等の操作を行ったところ、それぞれ、実施例8で得られた化合物と同様の末端基、単量体単位を有する化合物(化9)が0.42g(実施例10)または0.38g(実施例11)得られた。ただし、2種の単量体単位の含有割合および数平均分子量は実施例8のものとは相違しており、実施例10で得られた化合物は、実施例8で示した化合物の式においてx:y=50:50(モル比)であり、かつ数平均分子量は3700であった。また、実施例11で得られた化合物は、実施例8で示した化合物の式においてx:y=5:95(モル比)であり、かつ数平均分子量は5800であった。
実施例7において、MPCのかわりに、10−メタクリロイルオキシデシルホスホリルコリン(6.5mmol)を用いた以外は実施例7と同様にして重合反応、ろ過、精製等の操作を行ったところ、下記の化合物(化16)が0.34g得られた。1H−NMRの分析の結果、x:y=23:77であった。
数平均分子量(GPC): 4400
IR: ν(cm-1):1710(C=O),1337(CF3),1258(CF2)
1H−NMR(D2O):δ0.90〜1.97(CH2),δ1.61(CH3),δ2.1(CH),δ2.5〜2.8(CH2),δ3.33(NCH3),δ3.41(NCH2),δ4.1〜4.51(OCH2)
19F−NMR(D2O溶媒、CF3COOH内部標準):δ−5.45〜−9.35ppm(16F),δ−55.0ppm(6F)
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の応用例として、以下の組成を持つ歯科用光重合性コーティング組成物を調製した。即ち、重合性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名DPE−6A、共栄社化学製、以下DPA6と略する)35重量部およびメチルメタクリレート(以下MMAと略する)15重量部を用い、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(以下TMDPOと略する)1重量部を用いて、これらを均一に溶解させた。実施例8で得られた鎖状高分子化合物0.2重量部を、溶剤であるエタノール(99%)50重量部に混合して均一に溶解させた。上記の重合性単量体含有溶液50重量部と、鎖状高分子化合物含有エタノール溶液50重量部を混合して歯科用光重合性コーティング組成物を得た。以下に示す方法で、得られた歯科用光重合性コーティング組成物を基材の上に塗布し、次いで重合硬化させた後、コーティング表面の耐汚染性を評価した。
基材としてガラス平板を用い、ターメリック色素による着色試験を行った。この方法は口腔内での歯科材料の耐汚染性を模擬的に簡便に評価する手段として、鷹股等により日本補綴歯科学会雑誌第35巻(1991年)542−555ページに発表された評価方法を参考にしたものである。
実施例8で得られた鎖状高分子化合物を省略した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られたコーティング組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は68.4であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりに、n−ブチルアクリレートとMPCの75:25(モル比)の共重合体であるが主鎖末端基中にフルオロアルキル基を持たない鎖状高分子化合物(n−ブチルアクリレートとMPCのモル比75:25の混合物を、過酸化ベンゾイルを重合開始剤として重合させて合成したもの)を配合した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られた組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は59.7であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりに、n−ブチルアクリレートとアクリル酸の75:25(モル比)の共重合体であるが主鎖末端基中にフルオロアルキル基を持たない鎖状高分子化合物(n−ブチルアクリレートとアクリル酸のモル比75:25の混合物を、過酸化ベンゾイルを重合開始剤として重合させて合成したもの)を配合した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られた組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は57.0であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりに、n−ブチルアクリレートと2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの75:25(モル比)の共重合体であるが主鎖末端基中にフルオロアルキル基を持たない鎖状高分子化合物(n−ブチルアクリレートと2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物を、過酸化ベンゾイルを重合開始剤として重合させて合成したもの)を配合した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られた組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は55.1であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりにそれぞれの実施例10、11、1、7、2、6または12で得られた鎖状高分子化合物を配合した以外は実施例13と同様にして、それぞれ歯科用光重合性コーティング組成物を調製した(順に実施例14〜20)。
上記実施例13〜20でそれぞれ得られた歯科用光重合性コーティング組成物について、以下の試験により、重合硬化後のプラーク付着防止性能を評価した。
歯冠用硬質レジン「エプリコード」(クラレメディカル(株)製)をステンレス製の金型(4×4×2mm)に充填して光照射により重合硬化させて、4×4×2mmの試験片を作製した。該試験片の片方の面について#1000研磨を行い、この面に対して、実施例13〜20でそれぞれ得られた歯科用光重合性コーティング組成物を塗布し、実施例13と同様の方法で光照射して重合・硬化させることにより、硬化したコーティング面を有する試験片を作製した。コーティング面硬化終了時点で、コーティング面の色度を、色差計を用いて実施例13と同様に測定した。この試験片を、健常者の口腔内に8時間装着してプラークの付着性を評価した。
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