JP4746440B2 - フルオロアルキル基含有鎖状高分子化合物およびそれを含有する歯科用組成物 - Google Patents

フルオロアルキル基含有鎖状高分子化合物およびそれを含有する歯科用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、末端基内にフルオロアルキル基を有する鎖状高分子化合物および鎖状高分子化合物を含有する歯科用組成物に関する。本発明の鎖状高分子化合物は、例えば、歯科材料、コーティング剤、導電性付与剤、界面活性剤、粘着剤、増粘剤、洗浄剤、保湿剤、抗血栓性材料、樹脂や金属やガラスやフィラーの表面改質剤、抗ウイルス剤、化粧品等に有用であり、特に歯科用組成物の配合成分として有用である。
ホスホリルコリン基を有する重合性単量体であるメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと称する)は抗血栓性材料として広く知られている。ホスホリルコリン基には、細胞やたんぱく質の吸着を抑制する効果があることから、MPCが組み込まれた重合体は、人工血管、人工心臓、皮下埋め込みセンサー、血液透析膜、コンタクトレンズ等への抗血栓性材料としての応用が期待されている(非特許文献1参照)。
また、特許文献1には、MPCと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合ポリマーを、歯科用補綴物のコーティング材に使用して、口腔内でバイオフィルムが補綴物表面に付着し難くする技術が開示されている(特許文献1参照)。
一方、親水性基を有する単量体が重合した親水性重合体の中で、両末端がフルオロアルキル基で封鎖された、フルオロアルキル基含有の親水性重合体は、その特異な界面活性作用から、数多くの応用が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
高分子 第53巻3月号(2004年)、164〜165ページ 特開2004−194874号公報 特開平10−245419号公報
MPCを用いて、基材の表面にホスホリルコリン基を固定化しようとする現在の技術では、MPCを基材の表面にグラフト重合させたり、MPCの重合体を基材の表面に吸着させて表面処理する方法がとられているが、ホスホリルコリン基を緻密に配向させることが難しいため、ホスホリルコリン基本来の機能が十分には発揮されていないこと、基材の表面から剥離しやすいことなどの課題も指摘されている。
本発明は、上記の要望に応えるべくなされたものであって、その課題とするところの一つは、ホスホリルコリン型の化学構造を含み、かつ、該化学構造に由来する機能を効果的に発揮させることが可能であると共に、耐剥離性も改善された、新しいタイプの高分子化合物を提供することである。また本発明の他の課題は、該高分子化合物の性能が効果的に発揮される用途を提供することである。
本発明は、
〔1〕下記一般式(1):
Figure 0004746440
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数2〜12のアルキレン基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。ただし、式中の3個のRは相異なっていてもよい。)
で表される単量体単位を含む主鎖を有し、かつ、該主鎖の両末端がそれぞれフルオロアルキル基を含む末端基を有する鎖状高分子化合物、
〔2〕〔1〕に記載の鎖状高分子化合物を含有する歯科用組成物、
に関する。
本発明の鎖状高分子化合物は、分子主鎖からホスホリルコリン基またはそれに類する基が分岐していると共に、主鎖の両末端がそれぞれフルオロアルキル基を含む末端基を有している点に化学構造上の特徴がある。
本発明の鎖状高分子化合物は、細胞、たんぱく質、バイオフィルム、プラーク等に対する吸着抑制性能、基材表面に被膜を形成させた場合の被膜耐久性能に優れる。本発明の鎖状高分子化合物は、ホスホリルコリン基またはそれに類似する基による細胞、たんぱく質、バイオフィルム、プラーク等の吸着抑制作用を有するが、主鎖両末端に存在するフルオロアルキル基に起因する特異な界面活性作用の影響で、塗布された基材の表面でホスホリルコリン基またはそれに類似する基がより効果的に配向するようになるため、該吸着抑制作用が著しく増強され、同時に、被膜耐久性も大幅に改善されるものと推定される。
さらに、本発明の鎖状高分子化合物は、生体材料用途だけでなく、フッ素の撥水撥油性に由来した汚れのつきにくさに加えて、ホスホリルコリン基またはそれに類似する基が表面に緻密に配向することで油系の汚れも付着し難いという優れた防汚性も発現する。
本発明の鎖状高分子化合物は、
一般式(1):
Figure 0004746440
で表される単量体単位を主鎖中に有する。一般式(1)中のRは水素原子またはメチル基である。Rは炭素数2〜12のアルキレン基であるが、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等の炭素数2〜12の直鎖状アルキレン基が好ましく、エチレン基が特に好ましい。Rは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基であり、一般式(1)中に含まれる3個のRは同一のアルキル基であっても、相違していてもよい。ただし、3個のRは、それぞれメチル基またはエチル基であることが好ましく、いずれもメチル基であることがより好ましい。
本発明の鎖状高分子化合物を構成する一般式(1)で表される単量体単位は1種類であっても、また、2種類以上であってもよい。
本発明の鎖状高分子化合物は、主鎖の両末端に同一または異なる末端基を有するが、該末端基はその中にフルオロアルキル基を含むことが必要である。フルオロアルキル基としては、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数4〜6のフルオロシクロアルキル基等が挙げられる。なお、フルオロアルキル基は水素原子を有していてもよいが、全ての水素原子がフッ素原子で置換された構造を有するペルフルオロアルキル基が好ましい。特に好ましいフルオロアルキル基は、式−(CFF(pは1〜12の整数を示す)で表される炭素数1〜12の直鎖状のペルフルオロアルキル基である。
フルオロアルキル基はオキサフルオロアルキル基の一部として末端基中に存在していてもよい。オキサフルオロアルキル基とは、フルオロアルキル基の炭素原子鎖の途中にある炭素原子の少なくとも1個が酸素原子に置き換わった形の基として定義される。オキサフルオロアルキル基において、炭素原子間に介在する酸素原子は1個でも、2個以上でもよいが、酸素原子の両側に、それぞれ2個以上の炭素原子が存在することが好ましい。オキサフルオロアルキル基中に、フッ素原子と水素原子とが共存することは勿論差し支えないが、一般には水素原子の全てがフッ素原子で置換されていること、即ち、オキサペルフルオロアルキル基であることが好ましい。2個以上の酸素原子を有するオキサフルオロアルキル基中に含まれることのあるフルオロアルキレン基としては、式−(CF−(qは1〜12の整数を示す)で表される炭素数1〜12の直鎖状フルオロアルキレン基;以下のいずれかの式:
Figure 0004746440
で表される炭素数1〜10の分岐状フルオロアルキレン基が挙げられる。フルオロアルキル基がオキサフルオロアルキル基中に含まれる場合、該オキサフルオロアルキル基の全炭素数は3〜18であることが好ましい。
フルオロアルキル基を含む末端基の例としては、前記の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数4〜6のフルオロシクロアルキル基、炭素数3〜18のオキサフルオロアルキル基、これらの内のいずれかの基の末端に酸素原子、硫黄原子、−COO−基、−CO−基、−NH−基等の連結基が結合した構造の基等が挙げられる。
末端基としては、式−(CF2e F(eは1〜12の整数を示す)で表されるフルオロアルキル基、下記一般式(2):
Figure 0004746440
(式中、nは0〜6の整数を示す)
で表されるオキサフルオロアルキル基が、本発明の鎖状高分子化合物における所期の効果の高さ、鎖状高分子化合物の合成の容易さ(鎖状高分子化合物への導入の容易さ)、鎖状高分子化合物に導入するための原料(重合開始剤等)の入手し易さ、鎖状高分子化合物の性状の用途適合性(溶剤や重合性単量体への溶解性が高いことなど)などの点から特に好ましい。
これらの好ましい末端基の具体例としては、例えば以下の構造のものがあげられる。
−(CF
−CF(CF)O−(CF
−CF(CF)O−CFCF(CF)O−(CF
−CF(CF)O−(CFCF(CF)O)−(CF
−CF(CF)O−(CFCF(CF)O)−(CF
−CF(CF)O−(CFCF(CF)O)−(CF
本発明の鎖状高分子化合物としては、単量体単位が一般式(1)で表される単量体単位のみである重合体の他に、一般式(1)で表される単量体単位とそれ以外の単量体単位の両方を含む共重合体も包含される。このような場合、本発明の鎖状高分子化合物において、一般式(1)で表される単量体単位と一般式(1)で表される単量体単位以外の単量体単位の割合は、前者:後者のモル比において、100:0〜1:99の範囲であることが好ましい。このように一般式(1)で表される単量体単位とそれ以外の単量体単位と組み合わせて含有させることによって、本発明の鎖状高分子化合物の溶解性を適宜調節したり、本発明の鎖状高分子化合物を成形材料中に配合させた場合に該鎖状高分子化合物を溶出させにくくしたり、本発明の鎖状高分子化合物をコーティング材として用いた場合に基材との密着性を向上させることが可能となる場合がある。ただし、鎖状高分子化合物において耐汚染性、プラークの付着防止性、細菌やたんぱく質の付着防止性の効果が特に重視される場合、一般式(1)で表される単量体単位と一般式(1)で表される単量体単位以外の単量体単位の割合は、前者:後者のモル比において、100:0〜5:95の範囲であることが好ましく、100:0〜10:90の範囲であることが特に好ましい。
本発明の鎖状高分子化合物が有することのある一般式(1)で表される単量体単位以外の単量体単位の例としては、後述の単量体(C)から付加重合によって誘導される単量体単位が挙げられる。
なお、本発明の鎖状高分子化合物の主鎖中において、一般式(1)で表される単量体単位が2種以上存在する場合、または、一般式(1)で表される単量体単位とそれ以外の単量体単位の両方が存在する場合、これらの複数種の単量体単位の配列は、特に限定されるものではなく、ランダム状、ブロック状、テーパードブロック状のいずれであってもよい。
本発明の鎖状高分子化合物の数平均分子量は特に限定されないが、1000〜1000000の範囲にあることが好ましく、2000〜20000の範囲にあることがより好ましい。鎖状高分子化合物の数平均分子量が1000以上の場合、とりわけ2000以上の場合は、防汚性および被膜の耐久性が特に効果的に発現され易く、鎖状高分子化合物の数平均分子量が1000000以下の場合、より好ましくは20000以下の場合、とりわけ15000以下の場合は、一般的に鎖状高分子化合物の製造が容易である。なお、数平均分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により測定することができる。
本発明の鎖状高分子化合物のうち、主鎖の両末端部以外の部分が、実質的に、一般式(1)で表される単量体単位のみから構成される鎖状高分子化合物は、下記の一般式(3)で示される、ホスホリルコリン基またはホスホリルコリン基に化学構造が類似している基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体(以下、単量体(A)と称する)の1種以上を、下記の一般式(4)で示される重合開始剤(以下、過酸化物(B)と称する)を用いて重合させることにより合成することができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」の表記は、「メタクリル」と「アクリル」の両者を兼ねる意味で用いられる。同様に、「(メタ)アクリロイル」の表記は「メタクリロイル」と「アクリロイル」の両者を兼ねる意味で用いられ、「(メタ)アクリレート」の表記は「メタクリレート」と「アクリレート」の両者を兼ねる意味で用いられる。

下記一般式(3):
Figure 0004746440
(式中、R、RおよびRは、それぞれ前記定義のとおりである)

一般式(4):
Rf−C(=O)−O−O−C(=O)−Rf
(RfおよびRfは、それぞれ独立に、フルオロアルキル基を含む有機基を示し、通常は、所望の末端基と同じ化学構造を有する基である)
本発明の鎖状高分子化合物のうち、主鎖の両末端部以外の部分が一般式(1)で表される単量体単位と一般式(1)で表される単量体単位以外の単量体単位との両方から構成される鎖状高分子化合物は、単量体(A)を重合する際に、単量体(A)と共重合可能な単量体(A)以外の単量体(以下、単量体(C)と称する)の1種以上を共重合させる方法を取ることによって製造することができる。
かかる単量体(C)としては、単量体(A)と共重合可能であれば、公知の単量体を適宜使用することができるが、例えば、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;該カルボン酸のエステル類;(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;スチレン類等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸、そのエステル類またはそのアミド類が好適に用いられる。
(メタ)アクリル酸、そのエステル類またはそのアミド類の好ましいものとしては、例えば下記の一般式:
Figure 0004746440
〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは水素原子、メチル基、または、式:−R−Yで表される基(式中、Rは炭素数2〜20の炭化水素基を示し、Yは、水素原子、水酸基、−COOH基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基、アルコキシシリル基、または炭素数1〜20のアルコキシル基を示す)を示す〕
で表される(メタ)アクリル酸またはそのエステル類、および、
下記一般式:
Figure 0004746440
〔式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、メチル基、または、式:−R−Yで表される基(式中、Rは炭素数2〜20の炭化水素基、Yは、水素原子、水酸基、−COOH基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、四級アンモニウム塩基、アルコキシシリル基、または炭素数1〜20のアルコキシル基を示す)を示す〕
で表される(メタ)アクリル酸アミド類が挙げられる。
かかる(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、グリジジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、10−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−デカンジカルボン酸等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アミド類の具体例としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
一般式(4)で表される過酸化物(B)を重合開始剤として用いて、一般式(3)で表される単量体(A)の1種以上を重合させるか、または、単量体(A)の1種以上と単量体(C)の1種以上を重合させることで本発明の鎖状高分子化合物を製造する方法は、過酸化物を重合開始剤として用いる公知の重合方法に準じて行うことができる。例えば、ハロゲン化脂肪族炭化水素等の不活性溶媒中、常圧で0℃〜150℃の範囲で重合反応を行うことができる。このようなフルオロアルキル基を有する過酸化物を用いた重合反応は、例えば、本発明者の一人である沢田による文献(Chemical Reviews 第96巻第5号(1996年)、1779〜1808ページ)を参考にして行うこともできる。
例えば、一般式(4)の過酸化物(B)および単量体(A)を、必要に応じて単量体(C)と共に混合し、加熱することで重合を行うことができる。この時、過酸化物(B)と、全単量体(単量体(C)を併用する場合は単量体(A)および単量体(C)の全体)の仕込モル比は、通常、1:0.1〜1:100の範囲であり、特に好ましくは1:0.5〜1:20の範囲である。また、単量体(A)と単量体(C)の仕込モル比は、任意の割合が可能であるが、好ましくは、1:0〜1:100の範囲であり、特に好ましくは1:0〜1:20、より好ましくは1:0〜1:5の範囲である。
通常、過酸化物(B)の仕込みモル比を調節することにより、得られる鎖状高分子化合物の数平均分子量を調節することができる。即ち、過酸化物(B)の仕込みモル比を全単量体に対して高く設定すれば、数平均分子量の低い重合体が得られる傾向があり、仕込みモル比を低く設定すれば、数平均分子量の高い重合体を得ることができる傾向がある。さらに前記重合反応は常圧で行うことが可能であり、且つ反応温度は通常−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の範囲である。前記反応温度を−20℃以上に設定することで反応時間を短縮できる傾向にあり、150℃以下に設定することで反応操作が容易となる。さらに反応時間は通常30分〜20時間の範囲で適宜選択できるが、実用的には1〜10時間になるように条件を設定することが望ましい。
また重合反応をより円滑に行うために溶媒を用いることが好ましい場合がある。かかる溶媒としては、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、具体的には塩化メチレン、クロロホルム、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオリド、ヘキサフルオロキシレン、ペンタフルオロベンゼン等を用いることができる。特に工業的には、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、ベンゾトリフルオリド等の溶媒を単独で、または任意の割合で混合された混合溶媒〔例えば、旭硝子(株)製AK−225(1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンと、1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフルオロプロパンの1:1.35の混合溶媒)〕で使用することが好ましい。これらの溶媒を使用する場合、通常、溶媒中の過酸化物(B)の濃度は0.1〜30重量%程度であることが望ましい。
さらにより効率的に重合反応を行うためには、全単量体100重量部に対して、水を1〜90重量部添加して、単量体を溶解させて重合を行うことが、所望の鎖状高分子化合物の収率を高め、かつ重合反応所要時間を短縮できる点で、好ましい場合がある。なお、重合反応に際しては、反応系中に、公知の分散剤等の添加剤を適当な割合で添加してもよい。
上記の方法で得られた本発明の鎖状高分子化合物は、再沈澱法、カラムクロマトグラフィー、透析等の公知の方法で精製することが可能である。
かかる方法により得られる本発明の鎖状高分子化合物としては、具体的には、下記の各式で表される化合物があげられる。なお、式中、x、yおよびzは、それぞれ対応する単量体単位の重合度を示すが、x/(x+y+z)は0.01〜1であることが好ましい。また、本明細書においては、断りのない限り、「C」はペルフルオロn−プロピル基を表す。さらに、同一式中に複数種の単量体単位が含まれる場合、それらの単量体単位の配列は限定されるものではない。
Figure 0004746440
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(式中、c-C6F11はペルフルオロシクロヘキシル基を示す)
Figure 0004746440
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本発明の鎖状高分子化合物は、例えば、溶剤に溶かしてコーティング材として使用することができ、また重合性単量体と共に重合性組成物として用いられる。また、プラスチックスなどの成形材料への添加剤、界面活性剤、繊維処理剤、歯科材料として種々の用途に用いられる。
本発明の鎖状高分子化合物の好ましい用途として、歯科用組成物があげられる。本発明の鎖状高分子化合物を含有する歯科用組成物としては、本発明の鎖状高分子化合物の1種または2種以上を適当な溶剤に溶かしてなる非重合性の歯科用組成物があげられ、それは歯科用コーティング材または歯科用プライマーなどとして使用可能である。さらに好ましい別のタイプの歯科用組成物としては、本発明の鎖状高分子化合物(a)および重合性単量体(b)を含有する歯科用重合性組成物があげられる。以下、鎖状高分子化合物(a)および重合性単量体(b)を含有する歯科用重合性組成物について、詳細に説明する。
歯科用重合性組成物において、鎖状高分子化合物(a)は1種または2種以上を使用することができる。鎖状高分子化合物(a)の量は、防汚性、プラーク等の付着防止効果、硬化物の強度および耐摩耗性の観点から、重合性単量体(b)100重量部に対して、0.001〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10重量部である。
歯科用重合性組成物で用いられる重合性単量体(b)は、その種類に特に限定がなく、公知の歯科用重合性組成物において用いられているものを同様に用いることができ、代表的には、ラジカル重合性単量体およびカチオン重合性単量体に大別される。
重合性単量体(b)におけるラジカル重合性単量体の具体例としては、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはそれから誘導されるエステル類;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド誘導体;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;スチレン類などが挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系の重合性単量体の例を以下に示す。
(1)一官能性(メタ)アクリレート
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
(2)二官能性(メタ)アクリレート
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート(通称BisGMA)、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、[N,N´−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス(2−カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレートなどが挙げられる。
(3)三官能性以上の(メタ)アクリレート
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、[N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボニルオキシ)プロパン−1,3−ジオール〕]テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキサヘプタンなどが挙げられる。
なお、前記重合性単量体(b)は、いずれも、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
なお、歯質、金属、セラミックなどの基材に対する接着性を向上させる場合、歯科用重合性組成物には、これらの基材に対する接着性を向上させる機能性モノマーを重合性単量体(b)の一部として含有させることが好ましい場合がある。
機能性モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェートなどのリン酸基を有するモノマー、および11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸などのカルボン酸基を有するモノマーが、歯質や貴金属に対して優れた接着性を呈する点で好ましい。
機能性モノマーとしては、例えば、10−メルカプトデシル(メタ)アクリレート、6−[3−(4−ビニルベンジル)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオン、特開平10−1473号公報に記載のチオウラシル誘導体や特開平11−92461号公報に記載の硫黄原子を有する化合物が、貴金属に対して優れた接着性を呈する点で好ましい。
さらに、機能性モノマーとしては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が、セラミックス、陶材、歯科用コンポジットレジンへの接着に効果的である点で好ましい。
機能性モノマーの量は、基材に対する接着力や接着耐久性の観点から、全重合性単量体(b)100重量部に対して、0.1〜80重量部であることが好ましい。
歯科用重合性組成物には、重合開始剤(c)をあらかじめ添加し、重合硬化を容易にさせておくことが好ましい。
上記のラジカル重合性単量体と組合せて使用される重合開始剤(c)としては、加熱重合開始剤、常温重合開始剤、光重合開始剤などの公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
加熱重合型開始剤としては、40〜100℃に使用温度範囲を有する過酸化物、アゾ化合物などの重合開始剤が挙げられる。加熱重合型開始剤の例としては、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類などの有機過酸化物が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイドなどが挙げられる。
パーオキシエステル類としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
パーオキシケタール類としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
ケトンパーオキサイド類としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイドなどが挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
常温重合開始剤としては、例えば、酸化剤(重合開始剤)と還元剤(促進剤)とからなるレドックス系の重合開始剤系を好適に用いることができる。この場合、例えば、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド、促進剤としてジエタノールトルイジンなどの芳香族第3級アミンや芳香族スルフィン酸塩などを用いることができる。
レドックス系の重合開始剤を用いる場合、歯科用重合性組成物は、2分割以上の包装形態をとることが好ましい。レドックス系の重合開始剤系における酸化剤としては、例えば、前記ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類などの有機過酸化物が好ましい。
還元剤としては、例えば、芳香族第3級アミン、脂肪族第3級アミンおよびスルフィン酸またはその塩などが好ましい。
芳香族第3級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジイソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸2−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
脂肪族第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレートなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
スルフィン酸またはその塩としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、トルエンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸カリウム、トルエンスルフィン酸カルシウム、トルエンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウムなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
光重合開始剤としては、特殊な光照射装置(例えば、紫外線照射装置)を必要としないで、従来から広範に使用されている可視光領域の光照射装置を使用することができることから、波長350〜700nmの光で励起される光重合開始剤が好ましい。
波長350〜700nmの光で励起される光重合開始剤としては、例えば、α−ジケトン類、ケタール類、チオキサントン類、アシルホスフィンオキサイド類、クマリン類、ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体などが挙げられる。
上記α−ジケトン類の例としては、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオンなどが挙げられる。
上記ケタール類の例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールなどが挙げられる。
上記チオキサントン類の例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
上記アシルホスフィンオキサイド類の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルビス(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイドおよび特公平3−57916号公報に開示されている水溶性のアシルホスフィンオキサイド化合物などが挙げられる。
上記クマリン類の例としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チエノイルクマリンなどの特開平10−245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。
上記ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体の例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの特開平10−245525号公報に記載されている化合物などが挙げられる。
光重合開始剤は、いずれも、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記のラジカル重合開始剤の量は、重合性単量体(b)100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。
なお、光重合開始剤を用いる場合、光硬化性を促進させるために、光重合開始剤と還元剤とを併用することが好ましい。
還元剤としては、主として、第3級アミン類、アルデヒド類、チオール基を有する化合物などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第3級アミン類の例としては、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
アルデヒド類の例としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。
チオール基を有する化合物の例としては、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸などが挙げられる。
還元剤の量は、重合性単量体(b)100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部である。
歯科用重合性組成物は、上述のようなラジカル重合性単量体を含む(好ましくは、さらにラジカル重合開始剤を含む)ラジカル重合性組成物であることができるが、重合性単量体(b)としてカチオン重合性単量体を含む(好ましくは、さらに重合開始剤(c)としてカチオン重合開始剤を含む)カチオン重合性組成物であってもよい。かかるカチオン重合性単量体としては、例えば、カチオン重合性ビニル化合物、ラクトン類、環状エーテル類などが挙げられる。
カチオン重合性ビニル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、4−ビニルエーテルスチレン、アリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類やスチレン類が挙げられる。
ラクトン類としては、γ−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトンが挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、スピロオルソエステル類、ビシクロオルソエステル類、環状カーボナート類などが挙げられる。これらの中では、脂環式エポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
脂環式エポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔ユニオンカーバイト社製、商品名:UVR6105(低粘度品)およびUVR6110(低粘度品)、ダイセル化学(株)製、商品名:CELLOXIDE2021など〕、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート〔ユニオンカーバイト社製、商品名:UVR6128〕、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド〔ダイセル化学(株)製、商品名:CELOXIDE2000〕、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔ダイセル化学(株)製、商品名:CELOXIDE2081〕、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン〔ダイセル化学(株)製、商品名:CELOXIDE3000〕などが挙げられる。
オキセタン化合物の例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタンなどのオキセタン類が挙げられる。これらの化合物は、例えば、東亞合成化学(株)から容易に入手することができる。なお、オキセタン化合物は、前記脂環式エポキシ化合物と併用した場合には、さらに硬化性を向上させることができる場合がある。
カチオン重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤が好適である。光カチオン重合開始剤の例としては、公知のスルホニウム塩、アンモニウム塩などの他、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、特開平6−298912号公報、特開平8−143806号公報および特開平8−283320号公報などに記載のものから適宜選択して使用することができる。
また、光カチオン重合開始剤として、市販品をそのまま使用することもできる。市販品の代表例としては、日本曹達(株)製、商品名:CI−1370、CI−2064、CI−2397、CI−2624、CI−2639、CI−2734、CI−2758、CI−2823、CI−2855、CI−5102など、ローディア社製、商品名:PHOTOINITIATOR2047など、ユニオンカーバイト社製、商品名:UVI−6974、UVI−6990などが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
カチオン重合開始剤の使用量は、その種類、使用されるカチオン重合性単量体の種類および量比、使用条件などによって異なるが、硬化性を向上させる観点および保存安定性を高める観点から、カチオン重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
また、歯科用重合性組成物として、特表平10−508067号公報、特表2001−520758号公報、特表2001−520759号公報などに記載のエポキシ化合物、水酸基含有化合物、および、ヨードニウム塩(重合開始剤)と可視光線増感剤(促進剤)からなる光重合触媒を含有するカチオン重合性組成物を本発明の鎖状高分子化合物(a)と組み合わせた系も、包含される。
より好ましい歯科用重合性組成物の態様は、鎖状高分子化合物(a)、重合性単量体(b)および重合開始剤(c)に、さらに溶剤(d)が添加されてなる組成物である。
本明細書にいう溶剤(d)とは、常圧での沸点が40〜180℃の範囲内にある液体で、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系;クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;エーテル系などが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
歯科用重合性組成物において、このように溶剤(d)を用いることの利点は、鎖状高分子化合物(a)の歯科用重合性組成物中での溶解性を向上させること、そしてさらには、歯科用重合性組成物を基材に塗布した後、溶剤が蒸発する過程で鎖状高分子化合物(a)を濃縮物の表面(気液界面)に局在化させることができるようになり、硬化後、硬化物の表面に鎖状高分子化合物(a)の層が密に形成され、該表面がより高い防汚性などを示すようになることにある。これらの観点から、鎖状高分子化合物(a)との相溶性がよく、塗布後に比較的容易に蒸発させることができる溶剤、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトンなどが好ましい。
溶剤(d)の量は、重合性単量体(b)100重量部に対して、通常、30〜1000重量部、好ましくは50〜500重量部、より好ましくは100〜300重量部である。
また、歯科用重合性組成物における各成分(a)〜(d)の好適な組成割合について一括して示すと、重合性単量体(b)100重量部に対し、鎖状高分子化合物(a)の量は0.001〜30重量部(より好ましくは0.01〜10重量部)、重合開始剤(c)の量は0.05〜10重量部(より好ましくは0.1〜5重量部)、溶剤(d)の量は30〜1000重量部(より好ましくは50〜500重量部)である。
歯科用重合性組成物は、溶解した状態で互いに相互作用を及ぼす構成成分が使用されてる場合には、常温付近での保存安定性を高めるために、あらかじめ互いに相互作用を及ぼす構成成分をそれぞれ分割して包装しておき、使用直前に、それらを混合して重合させるという方法を採ることができる。特に、重合開始剤系として、過酸化物と還元剤とからなるレドックス重合触媒を用いる場合は、過酸化物と還元剤とを別々に包装し、使用直前に両者を計量し、混合することにより、重合、硬化させることが好ましい。
一方、重合開始剤として、光重合開始剤を用いる場合には、これを含む歯科用重合性組成物を十分に遮光された容器中で保存することにより、保存安定性を高めることができることから、すべての構成成分が溶解した液体の状態(いわゆる「一液型」の状態)でユーザーに供給することができる。そして、ユーザーは、容器内の組成物を直接、歯や修復材料に適用することができるので、その操作が簡便であるという利点がある。この利点を生かした使用形態としては、例えば、歯科用重合性組成物が1つの包装にまとまった一液型の歯科用コーティング材が挙げられる。
上述のように、歯科用重合性組成物の一成分として溶剤(d)を用いる場合、鎖状高分子化合物(a)を硬化物の表面に局在化させる観点から、重合性単量体(b)として、鎖状高分子化合物(a)が溶解しない重合性単量体を選び、溶剤(d)が配合された状態では鎖状高分子化合物(a)が均一に溶解するように、重合性単量体(b)と溶剤(d)のそれぞれの種類および量を調整することが好ましい。このような組み合わせを選ぶことにより、コーティング材を塗布後に溶剤が蒸散するに従って、鎖状高分子化合物(a)が重合性組成物由来の濃縮物の表面部に析出してくる作用も加わることで、硬化物の表面により緻密な鎖状高分子化合物(a)の層を形成することができる。
このように硬化物の表面により緻密な鎖状高分子化合物(a)の層を形成させる方法としては、例えば、本発明の鎖状高分子化合物(a)を含有する歯科用重合性組成物を歯または歯科用修復材料の表面に塗布し、該重合性組成物に含まれている溶剤を蒸発させた後、重合性組成物由来の濃縮物を重合硬化させる方法が挙げられ、操作の簡便性の観点から、光照射による重合硬化が好ましい。
かかる歯科用重合性組成物の用途の具体例としては、歯科用複合充填材料、歯冠用材料、合着用材料、人工歯、インプラント材料、義歯床用レジン、フィッシャーシーラント、歯面や歯科補綴物へのコーティング材、表面滑沢材、表面ステイン、歯科用マニキュアなどがあげられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、得られた鎖状高分子化合物の数平均分子量は、展開溶媒としてテトラヒドロフランを使用してGPC分析を行い、標準ポリスチレンの校正曲線に基づき算出した。GPC分析では、カラム、検出器、ポンプとして、それぞれ昭和電工(株)製の商品名「Shodex GPC KF-802.5」、「Shodex RI-71」、「Shodex DS-4」を用いた。
実施例1
過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225(旭硝子社製)[CFCFCHClとCHFClCFCFClの1:1の混合溶媒]34g中に、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)を水(1.8g)に溶解してなる水溶液を加えた。この混合液を、45℃、6時間窒素気流下で攪拌して重合反応を行った。反応後、溶媒を減圧留去して、残った残渣にメタノールを加え、不溶物をろ過により取り除いた。ろ液にヘキサンを加えて再沈殿し、析出した固体を採取した。得られた固体(粉末状)をヘキサンで洗浄して精製することで、目的物である下記化合物(化1(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.35g得られた。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC):2800
IR: ν(cm-1):1635(C=O),1325(CF),1230(CF
H−NMR(DO):δ1.1〜1.72(CH),δ1.60(CH),δ3.28(NCH),δ3.52(NCH),δ4.0〜4.4(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.0〜−10.5ppm(16F),
δ−54.4ppm(6F)
実施例2
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル(2.2mmol;2.2g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化2(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.33gの収量で得られた。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC):3200
IR: ν(cm-1):1640(C=O),1322(CF),1236(CF
H−NMR(DO):δ1.05〜1.71(CH),δ1.61(CH),δ3.30(NCH),δ3.51(NCH),δ4.0〜4.5(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.2〜−8.8ppm(26F),
δ−54.9ppm(6F),δ−70.7ppm(2F)
実施例3
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5、8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカノイル(2.2mmol;2.9g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化3(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.4gの収量で得られた。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC):4800
IR: ν(cm-1):1637(C=O),1350(CF),1258(CF
H−NMR(DO):δ1.01〜1.74(CH),δ1.58(CH3),δ3.27(NCH),δ3.48(NCH),δ4.0〜4.5(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.5〜−9.8ppm(36F),
δ−59.0ppm(6F),δ−71.1ppm(4F)
実施例4
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5,8,11−テトラメチル−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカノイル(2.2mmol;3.6g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化4(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.44gの収量で得られた。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC):3800
IR: ν(cm-1):1650(C=O),1342(CF),1242(CF
H−NMR(DO):δ1.13〜1.73(CH),δ1.59(CH),δ3.29(NCH),δ3.5(NCH),δ4.0〜4.4(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−4.4〜−9.9ppm(46F),
δ−53.6ppm(6F),δ−70.5ppm(6F)
実施例5
実施例1において、過酸化物として、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、過酸化ペルフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキサドデカノイル(2.2mmol;2.8g)を用いた以外、実施例1と同様な方法により重合、再沈殿等の操作を行ったところ、下記化合物(化5(xはMPC由来の単量体単位の重合度を示す))が0.3gの収量で得られた。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC): 5600
IR: ν(cm-1):1680(C=O),1332(CF),1248(CF
H−NMR(DO):δ1.13〜1.73(CH),δ1.60(CH),δ3.28(NCH),δ3.48(NCH),δ4.05〜4.5(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.5〜−10.5ppm(38F),
δ−56.6ppm(6F),δ−71.5ppm(2F)
実施例6
過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225(旭硝子社製)[CFCFCHClとCHFClCFCFClの1:1の混合溶媒]34g中に、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)を水(1.8g)に溶解してなる水溶液と、ジメチルアクリルアミド(10.8mmol;1.07)を加えた。この混合液にさらにAK−225を50g加えて、45℃、5時間窒素気流下で攪拌して重合反応を行った。反応後、溶媒を減圧留去し、残った残渣にメタノールを加え、不溶物をろ過により取り除いた。ろ液にヘキサンを加えて再沈殿し、析出した固体を採取した。得られた固体(粉末状)をヘキサンで洗浄して精製した。さらに得られた精製物を50℃、真空下で2日間乾燥させたところ、下記化合物(化7)が0.7gの収量で得られた。H−NMRの分析の結果、x:y=38:62(モル比)であった。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC): 5900
IR: ν(cm-1):1700(C=O),1320(CF),1240(CF
H−NMR(DO):δ1.05〜1.73(CH),δ1.58(CH),δ2.1(CH),δ2.8〜3.1(NCH),δ3.30(NCH),δ3.45(NCH),δ4.0〜4.45(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.5〜−11.5ppm(16F),
δ−54.1ppm(6F)
実施例7
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)とアクリル酸(15mmol;1.08g)に水(1.8g)をAK−225(旭硝子社製)[CFCFCHClとCHFClCFCFClの1:1の混合溶媒]に加えてなる混合溶液25g中に、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225溶液40gを加え、窒素気流下で45 ℃、5時間重合反応させた。反応後、得られた反応混合物中の白色粉末を吸引ろ過で採取し、さらに回収物をヘキサンで充分に洗浄し、精製を行った。さらに得られた精製物を50℃、真空下で2日間乾燥させたところ、下記化合物(化8)が0.5gの収量で得られた。H−NMRの分析の結果、x:y=20:80(モル比)であった。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC): 7800
IR: ν(cm-1):1705(C=O),1335(CF),1255(CF
H−NMR(DO):δ1.0〜1.75(CH),δ1.59(CH),δ2.1(CH),δ3.31(NCH),δ3.44(NCH),δ4.0〜4.44(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.5〜−9.6ppm(16F),
δ−55.2ppm(6F)
実施例8
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(6.5mmol;1.92g)、n−ブチルアクリレート(20mmol;2.56g)、水(1.8g)およびAK−225(旭硝子社製)[CFCFCHClとCHFClCFCFClの1:1の混合溶媒]からなる混合溶液25g中に、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイル(2.2mmol;1.45g)を含むAK−225溶液40gを加え、窒素気流下で45 ℃、5時間重合反応させた。反応後、得られた反応混合物中の白色粉末を吸引ろ過で採取し、さらに回収物をヘキサンで充分に洗浄し、精製を行った。さらに得られた精製物を50℃、真空下で2日間乾燥させたところ、下記化合物(化9)が0.45gの収量で得られた。H−NMRの分析の結果、x:y=27:73(モル比)であった。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC): 4500
IR: ν(cm-1):1685(C=O),1350(CF),1236(CF
H−NMR(DO):δ1.0〜1.8(CH),δ1.35(CH),δ1.59(CH),δ2.1(CH),δ3.31(NCH),δ3.44(NCH),δ4.0〜4.44(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−4.9〜−8.6ppm(16F),
δ−54.5ppm(6F)
実施例9
実施例7において、過酸化ペルフルオロ−2−メチル−3−オキサヘキサノイルの代わりに、ビス(ペルフルオロシクロヘキサンカルボニル)ペルオキサイドを用いた以外は実施例7と同様にして重合反応、ろ過、精製等の操作を行ったところ、下記の化合物(化14)が得られた。H−NMRの分析の結果、x:y=17:83であった。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC): 9100
IR: ν(cm-1):1700(C=O),1340(CF),1232(CF
H−NMR(DO):δ1.2〜2.1(CH),δ1.59(CH),δ2.4(CH),δ3.27(NCH),δ3.40(NCH),δ4.03〜4.41(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ5.7〜−7.98(2F),−40〜44.7(4F),−46.0〜−51.1(6F),−56.5〜60.1(4F),−62〜71.7(6F),−107.2〜112(2F)
実施例10〜11
実施例8において、MPCおよびn−ブチルアクリレートの使用割合を、6.5mmolおよび20mmolから、13.5mmolおよび14.5mmol(実施例10)、または1.5mmolおよび25mmol(実施例11)に変更した以外は実施例8と同様にして重合、ろ過、精製等の操作を行ったところ、それぞれ、実施例8で得られた化合物と同様の末端基、単量体単位を有する化合物(化9)が0.42g(実施例10)または0.38g(実施例11)得られた。ただし、2種の単量体単位の含有割合および数平均分子量は実施例8のものとは相違しており、実施例10で得られた化合物は、実施例8で示した化合物の式においてx:y=50:50(モル比)であり、かつ数平均分子量は3700であった。また、実施例11で得られた化合物は、実施例8で示した化合物の式においてx:y=5:95(モル比)であり、かつ数平均分子量は5800であった。
実施例12
実施例7において、MPCのかわりに、10−メタクリロイルオキシデシルホスホリルコリン(6.5mmol)を用いた以外は実施例7と同様にして重合反応、ろ過、精製等の操作を行ったところ、下記の化合物(化16)が0.34g得られた。H−NMRの分析の結果、x:y=23:77であった。
Figure 0004746440
数平均分子量(GPC): 4400
IR: ν(cm-1):1710(C=O),1337(CF),1258(CF
H−NMR(DO):δ0.90〜1.97(CH),δ1.61(CH),δ2.1(CH),δ2.5〜2.8(CH),δ3.33(NCH),δ3.41(NCH),δ4.1〜4.51(OCH
19F−NMR(DO溶媒、CFCOOH内部標準):δ−5.45〜−9.35ppm(16F),δ−55.0ppm(6F)
実施例13
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の応用例として、以下の組成を持つ歯科用光重合性コーティング組成物を調製した。即ち、重合性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名DPE−6A、共栄社化学製、以下DPA6と略する)35重量部およびメチルメタクリレート(以下MMAと略する)15重量部を用い、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(以下TMDPOと略する)1重量部を用いて、これらを均一に溶解させた。実施例8で得られた鎖状高分子化合物0.2重量部を、溶剤であるエタノール(99%)50重量部に混合して均一に溶解させた。上記の重合性単量体含有溶液50重量部と、鎖状高分子化合物含有エタノール溶液50重量部を混合して歯科用光重合性コーティング組成物を得た。以下に示す方法で、得られた歯科用光重合性コーティング組成物を基材の上に塗布し、次いで重合硬化させた後、コーティング表面の耐汚染性を評価した。
耐汚染性試験
基材としてガラス平板を用い、ターメリック色素による着色試験を行った。この方法は口腔内での歯科材料の耐汚染性を模擬的に簡便に評価する手段として、鷹股等により日本補綴歯科学会雑誌第35巻(1991年)542−555ページに発表された評価方法を参考にしたものである。
厚さ1mmで、20mm×15mmの大きさのガラス平板の表面を#1000シリコンカーバイド紙で平滑に研磨し、該表面に、上記光重合性コーティング組成物を一層塗布し、揮発成分をゆっくり蒸散させた後、歯科用光照射器(モリタ社製、商品名「JETLITE3000」)を用いて、表面の未重合層が無くなるまで光照射を行い重合硬化させた。
重合硬化後のコーティング層の防汚性を評価するため、食用色素のターメリックを用いた着色性試験を行った。即ち、ターメリック色素を1重量%含む水懸濁液中に、作製した試験片を、コーティング面を上にして静置し、37℃で暗所に保管した。1週間後に試験片を取り出し、水洗後、試験片の色度を色差計(日本電色製Σ90型、C光源、測色視野2度)で測定した。変色の程度は、浸漬前の試験片の色度と浸漬後の色度を比較し、それぞれの色度の差をΔE*で表したところ、ΔE*の値は15.6であった。ΔE*の数値が小さい程、着色が少なく、耐汚染性に優れることを意味する。
比較例1
実施例8で得られた鎖状高分子化合物を省略した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られたコーティング組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は68.4であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
比較例2
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりに、n−ブチルアクリレートとMPCの75:25(モル比)の共重合体であるが主鎖末端基中にフルオロアルキル基を持たない鎖状高分子化合物(n−ブチルアクリレートとMPCのモル比75:25の混合物を、過酸化ベンゾイルを重合開始剤として重合させて合成したもの)を配合した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られた組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は59.7であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
比較例3
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりに、n−ブチルアクリレートとアクリル酸の75:25(モル比)の共重合体であるが主鎖末端基中にフルオロアルキル基を持たない鎖状高分子化合物(n−ブチルアクリレートとアクリル酸のモル比75:25の混合物を、過酸化ベンゾイルを重合開始剤として重合させて合成したもの)を配合した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られた組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は57.0であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
比較例4
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりに、n−ブチルアクリレートと2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの75:25(モル比)の共重合体であるが主鎖末端基中にフルオロアルキル基を持たない鎖状高分子化合物(n−ブチルアクリレートと2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドの混合物を、過酸化ベンゾイルを重合開始剤として重合させて合成したもの)を配合した以外は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。さらに、得られた組成物について、実施例13と同様にしてガラス基板上のコーティング被膜の耐汚染性を評価したところ、ΔE*の値は55.1であり、実施例13で得られたコーティング組成物に比べて耐汚染性が劣っていることが判明した。
実施例14〜20
実施例8で得られた鎖状高分子化合物の代わりにそれぞれの実施例10、11、1、7、2、6または12で得られた鎖状高分子化合物を配合した以外は実施例13と同様にして、それぞれ歯科用光重合性コーティング組成物を調製した(順に実施例14〜20)。
参考例
上記実施例13〜20でそれぞれ得られた歯科用光重合性コーティング組成物について、以下の試験により、重合硬化後のプラーク付着防止性能を評価した。
プラークの付着試験
歯冠用硬質レジン「エプリコード」(クラレメディカル(株)製)をステンレス製の金型(4×4×2mm)に充填して光照射により重合硬化させて、4×4×2mmの試験片を作製した。該試験片の片方の面について#1000研磨を行い、この面に対して、実施例13〜20でそれぞれ得られた歯科用光重合性コーティング組成物を塗布し、実施例13と同様の方法で光照射して重合・硬化させることにより、硬化したコーティング面を有する試験片を作製した。コーティング面硬化終了時点で、コーティング面の色度を、色差計を用いて実施例13と同様に測定した。この試験片を、健常者の口腔内に8時間装着してプラークの付着性を評価した。
即ち、試験片のコーティング面を表にして、健常者の上顎第一大臼歯の頬側面に、試験片を貼り付けた。口腔内に8時間装着後、試験片を剥がして口腔内から取り出し、水道水の流水中で軽く水洗した。この試験片を、プラークテスター(歯垢染色液、ライオン社製)に3分間浸漬して、付着したプラークを染色した。コーティング面の色度を再び測定して、口腔内装着前(コーティング面硬化終了時)の色度と比較し、その色差を記録した。各コーティング組成物について3枚の試験片を作製することにより、3回のプラーク付着試験を行い、3回の試験で得られた色差の平均値をΔE*で表した。得られた結果を表1に示す。ΔE*の値が小さいほど、プラークの付着が少ないこと(プラークに対する付着防止性能が高いこと)を示す。
なお、表1には、上記実施例13〜20でそれぞれ得られた歯科用光重合性コーティング組成物におけるΔE*の他、それらに対する比較例として、本発明の鎖状高分子化合物の代りに他の高分子化合物を使用した以外は実施例13と同様にして調製したコーティング組成物(比較例5〜7)におけるΔE*を併記している。
Figure 0004746440
Figure 0004746440
Figure 0004746440
表1から明らかなように、末端基中にフルオロアルキル基を含有すると共に、主鎖中にホスホリルコリン型の分岐鎖を有する単量体単位を含有する本発明の鎖状高分子化合物は、歯科用重合性組成物として使用した場合(実施例13〜20)、他の鎖状高分子化合物(比較例5〜7)と比較して、格段に優れたプラーク付着防止効果を示す。
本発明の鎖状高分子化合物は、コーティング剤、導電性付与剤、界面活性剤、抗血栓性材料、粘着剤、増粘剤、洗浄剤、保湿剤、樹脂や金属やガラスやフィラーの表面改質剤、抗ウイルス剤、化粧品、繊維処理剤、歯科材料等に有用である。
特に、本発明の鎖状高分子化合物は、歯科材料の分野において、歯科用重合性組成物の一成分として使用することで、歯科用複合充填材料、歯冠用材料、合着用材料等の歯科用コンポジットレジン、また歯列矯正用接着剤、窩洞塗布用接着剤および歯牙裂溝封鎖材等の歯科用接着剤、義歯床用材料、義歯床用粘膜調整材、フィッシャーシーラント、歯面や歯科用補綴物へのコーティング材、表面滑沢材などとして有利に使用される。これらの中でも、各種のコーティング用途、例えば、フィッシャーシーラント、歯面や歯科用補綴物へのコーティング材や表面ステインや表面滑沢材、知覚過敏抑制材、歯科用マニキュアとして使用した場合には、本発明の鎖状高分子化合物から形成された表面が、口腔内においてバイオフィルムやプラークの付着を防止するという、本発明の鎖状高分子化合物の特長が最大限に発揮される。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0004746440
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数2〜12のアルキレン基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。ただし、式中の3個のRは相異なっていてもよい。)
    で表される単量体単位を含む主鎖を有し、かつ、該主鎖の両末端がそれぞれフルオロアルキル基を含む末端基を有する鎖状高分子化合物。
  2. 末端基が、下記一般式(2):
    Figure 0004746440
    (式中、nは0〜6の整数を示す)
    で表される、請求項1記載の鎖状高分子化合物。
  3. 数平均分子量が1000〜100000である、請求項1または2記載の鎖状高分子化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の鎖状高分子化合物を含有する歯科用組成物。
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