JP4745525B2 - 角膜治療用培養上皮細胞シート及びその製造方法 - Google Patents

角膜治療用培養上皮細胞シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は患者眼の角膜治療に利用される角膜治療用培養上皮細胞シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、角膜炎、結膜炎等の炎症や、角膜上皮損傷のような角膜疾患に対して、点眼剤や軟膏剤が利用されている。この点眼剤や軟膏剤のみによる治療は、比較的軽度の角膜疾患に適用している。
【0003】
これに対し、中度〜重度の角膜疾患、例えば瘢痕性角結膜症では、角結膜上皮下瘢痕組織を除去した後、露出した強膜又は角膜実質上に羊膜組織を逢着することによる治療が知られている。同様の術式による対象疾患としては、Stevens-Johnson症候群、眼類天庖蒼、化学傷・熱傷、翼状片等が考えられる。
【0004】
また、近年では、角膜上皮細胞を培養する技術も確立されつつある。この技術により作製される培養角膜上皮細胞が、上記疾患の治療に利用されることも考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、羊膜組織の逢着による治療では、羊膜組織が入手困難であるだけでなく、十分な量の組織を確保することが困難であり、さらに、免疫拒絶反応に対する考慮が必要であるという問題がある。
【0006】
一方、培養角膜上皮細胞を用いた治療では、採取可能な角膜上皮細胞の量が極めて少ないため、十分な量の組織を確保することが困難であるという問題がある。また、角膜上皮細胞の培養に関しても、基となる細胞数が少ないことから培養によって細胞を大量に得ることも困難であった。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み、角膜の治療に有効であり且つ容易に作製可能な角膜治療用培養上皮細胞シート及びその製造方法を提供することを技術課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の角膜治療用培養上皮細胞シートは、口腔粘膜上皮細胞である、角膜上皮細胞以外の上皮細胞に由来する培養上皮細胞の層を有し、角膜上皮性疾患に対して利用されることを特徴としている。
このような培養上皮細胞シートは、角膜上皮細胞以外の上皮細胞の層を有しているので、角膜上皮性疾患の治療を目的として角膜へ移植した場合には、培養上皮細胞から生理活性物質が周囲の角膜上皮細胞に向けて産生される。これにより、角膜上皮細胞の再生が促進され、効率的な角膜治療を行うことができる。
【0009】
また、このような培養上皮細胞シートは、口腔粘膜上皮細胞由来の上皮細胞で構成されているので、免疫原性が低いという口腔粘膜上皮細胞の特性を培養上皮細胞シートについても保持することができる。これにより、免疫原性の低い培養上皮細胞シートとすることができ、拒絶反応を起こり難くすることができる。
さらに、本発明の培養上皮細胞シートの上皮細胞層は、少なくとも一層あればよいが、二層以上に重層化させた多層構成となっていることが好ましい。
【0010】
本発明の角膜治療用培養上皮細胞シートの製造方法は、支持細胞上に又は支持細胞と共に、角膜上皮細胞以外の上皮細胞を播種する播種工程と、該細胞を前記支持細胞の存在下でシート状に培養する培養工程と、を具備することを特徴としている。
この方法によれば、角膜細胞以外の上皮細胞が支持細胞と共に培養されるので、支持細胞が産生する産生物質の影響を受けて重層化された上皮細胞シートを容易に作製できる。また支持細胞の存在によって上皮細胞の重層化が容易に行われ、充分な量の生理活性物質の産生も可能となる。これにより、角膜治療に有効な上皮細胞シートを効率よく作製することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の角膜治療用培養上皮細胞シートは、口腔粘膜上皮細胞である、角膜上皮細胞以外の上皮細胞に由来する培養上皮細胞の層を少なくとも一層有するシート状の角膜治療用培養上皮細胞シートである。
このような角膜治療用の培養上皮細胞シートは、角膜上皮細胞以外の上皮細胞から構成されているので、角膜上皮細胞よりも充分な量の細胞数を確保することができ、治療に必要な細胞シートを培養することによって早期に且つ容易に提供することができる。また、角膜に移植した後に、接触している角膜に対しEGF(上皮細胞増殖因子)等の生理活性物質を放出するので、移植部における角膜上皮細胞の再生を促すことができ、これにより角膜障害や角膜疾患を効率的に治療することができるという利点も有する。また、患者自身から上皮細胞を得た場合(自家)には、免疫拒絶反応を回避することができ、より長期間に亘り角膜上皮細胞と一体化できるため、同部位における治癒促進作用が期待できる。以下に本培養上皮細胞シートについて説明する。
【0012】
本発明の培養上皮細胞シートを構成する上皮細胞には、角膜上皮細胞以外の上皮細胞、すなわち、口腔粘膜上皮細胞が利用できる口腔粘膜上皮細胞は、容易に採取可能であり、また更に例えば表皮細胞と比較して細胞の増殖速度が速く免疫原性も低いという特性も備えているため、特に好ましい。殊に、口腔粘膜上皮細胞の1種で、歯肉溝の一部を形成する口腔内縁粘膜上皮細胞は、通常の口腔粘膜上皮細胞と比べても***能が高く、拒絶反応が起こり難いので、更に好ましい。
【0013】
これらの粘膜上皮細胞は、適当な生体から採取することができる。
例えば、口腔粘膜細胞は、粘膜下組織ごと健常者の口腔内から採取することができる。採取された粘膜組織には粘膜細胞以外に結合組織などが含まれているため、粘膜細胞を単離する必要がある。粘膜細胞の単離では、採取された粘膜組織から結合組織や真皮を除去するために、適当な酵素、例えばディスパーゼ、トリプシンなどが用いられる。また、ナイロンメッシュなどを用いてデブリスなどを除去する。
【0014】
また、口腔粘膜上皮細胞は、角膜治療を行う患者自身から直接採取することが可能である。このような患者自身から直接採取された上皮細胞は、免疫拒絶反応を回避することができるため、好ましい。
【0015】
本発明の培養上皮細胞シートは、上記のような上皮細胞の層を少なくとも一層有している。この上皮細胞層は、少なくとも一層あればよいが、二層以上に重層化させた多層構成となっていることが、培養細胞シートの移植操作時に適度な強度を付与する観点から好ましい。また培養上皮細胞シートは、培養上皮細胞シートに対して何ら影響を与えない上皮細胞層以外の層を有することもできるが、他種の層を含めたものは作製に手間がかかるため、効率よく培養上皮細胞シートを作製する観点から、培養上皮細胞層のみを含むことが好ましい。
【0016】
次に本発明の角膜治療用培養上皮細胞シートの製造方法について説明する。
本発明の角膜治療用培養上皮細胞シートは、支持細胞上に又は支持細胞と共に、上記上皮細胞を播種する播種工程と、播種された上皮細胞をシート状に培養する培養工程とを含む方法により製造される。
【0017】
本発明では、導入細胞である粘膜上皮細胞を層状に且つ高効率で成育させるために、支持細胞を用いる。支持細胞には、例えば線維芽細胞、例えばマウスNIH3T3細胞、3T3J2、スイス3T3が含まれ、得られる導入細胞の層の厚みや支持細胞上での導入細胞の増殖速度の観点から、3T3J2細胞が好ましい。支持細胞は、導入細胞の成育を干渉しないように増殖能が消失される。増殖能の消失は、当技術分野において周知の方法、例えば、マイトマイシンCによる処理や放射線照射によって行うことができる。また、培養は、通常のプラスチックディッシュのような培養容器を用いて行う。
【0018】
上皮細胞は、先に支持細胞を播種し、ディッシュ底面に接着させた後に播種してもよく、支持細胞と共に播種してもよい。このとき、上皮細胞は、1×103個/cm2以上、好ましくは1×104個/cm2〜1×105個/cm2の細胞密度で播種することができる。一方、支持細胞は、1×103個/cm2〜1×104個/cm3以上で播種することができる。支持細胞が、これよりも少ないと支持細胞としての役割を十分に果たすことができず、またこれよりも多いと上皮細胞の増殖の妨げとなるため好ましくない。また、上皮細胞が、この範囲よりも少ない又は多いと効率よく増殖することができないため、好ましくない。
【0019】
本発明において、上皮細胞を支持細胞の存在下でシート状に成育させるために成育培地が用いられる。この目的に用いられる成育培地には、当業界で既知の種々の培地から選択することができる。成育培地中での培養によって、上皮細胞は容易に層を形成し、シート状となる。一方、支持細胞は、上皮細胞の成育を支持するのみで死滅し、上皮細胞がシートを形成したときには、もはや培養系には存在しない。
【0020】
成育培地には、シート形成能がある上皮シート形成培地(EFM)を用いることが好ましい。EFMは、通常、表皮細胞を層状に成育させるために用いられている培地であり、DMEMとハムF−12培地の3:1混合液で構成され、5%FBS、5μg/mlのインシュリン、5μg/mlのトランスフェリン、2×10-9Mのトリヨードサイロニン、1×10-9Mのコレラ毒素、0.4μg/mlのハイドロコルチゾン、100U/mlのペニシリン、0.1μg/mlのカナマイシン、0.25μg/mlのアンホテリチンB及び10ng/mlのヒト リコンビナント上皮細胞増殖因子(EGF)等を補充することができる。
【0021】
シート状の培養上皮細胞は、シート状を維持したまま培養容器から分離される。この分離は、当業界において既知の方法によって行うことができ、例えばディスパーゼなどの適当な酵素を用いて基底層の接着を阻害することにより容易に行うことができる。
【0022】
本発明の培養上皮細胞シートは、角膜治療に用いられる。
本発明の培養上皮細胞シートの使用に適した角膜障害及び疾患には、瘢痕性角結膜症、Stevens-Johnson症候群、眼類天庖蒼、化学傷・熱傷、翼状片等の角膜上皮性疾患である。
このような角膜障害及び疾患に本発明の培養上皮細胞シートを使用する場合には、角膜欠損部分に培養上皮細胞シートを移植する。移植は、欠損部分の全面を覆うように培養上皮細胞シートを被覆すればよい。なお移植部分の保護や乾燥防止の観点から、移植部分をコンタクトレンズなどで被覆することが好ましい。
【0023】
本発明の培養上皮細胞シートは、角膜治療のために移植された後、角膜の欠損部と接触する。この際、培養上皮細胞シートは欠損部に対して生理活性物質を放出し、角膜の上皮化を促進させることができるので、角膜を効率よく再生させることによって角膜の治療を行うことができる。なお培養上皮細胞シートは、治療対象となる角膜の再生に必要な時期に存在していればよく、その後、脱落してもよい。
【0024】
【実施例】
以下、本発明について培養細胞として口腔粘膜上皮細胞を利用したものを一実施例として挙げ、図面に基づいて説明する。但し、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
播種細胞となる口腔粘膜上皮細胞は、患者の了解を得て健康な口腔粘膜から採取した。採取された口腔粘膜組織を、粘膜下組織を鋏で除去した後、小片に刻んだ。粘膜組織の小片を、1000U/mlのペニシリン、1mg/mlのカナマイシン及び2.5μgのアンホテリシンBを含有するリン酸緩衝液(PBS)で、30分間37℃で2回浸漬した。次いで、1000PU/mlのディスパーゼ(合同酒精株式会社製)を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に16時間4℃で、組織を浸漬し、その後、30分間室温で0.25%トリプシンで酵素処理して、細胞を分離した。酵素活性は10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEMで洗浄することにより停止させた。その後、10%FBSを含有するDMEMで30分間攪拌してから、50μmのナイロンガーゼでデブリスをろ過して、口腔粘膜上皮細胞を単離した。1×104細胞/mlの細胞密度となるように細胞懸濁液を調整した。
【0026】
支持細胞として選択された3T3−J2細胞を、血清を含有しないDMEM中4μg/mlのマイトマイシンCにより処理し、不活性化させた。2時間後に、PBS(−)で数回洗浄(リンス)してマイトマイシンCを除去し、トリプシン処理した後、1×104細胞/mlの細胞懸濁液を調整した。
【0027】
1×104細胞/mlの細胞密度に調整した口腔粘膜上皮細胞の懸濁液と、1×104細胞/mlの細胞密度で調整した支持細胞懸濁液とを、35mmディッシュに1mlずつ添加して、EFM培地(上皮シート形成培地)中で培養した。2−3日毎に培地を、新鮮なEFM選択培地と交換した。上皮細胞を播種してから約10日ほど培養すると、使用可能な粘膜上皮細胞シートが形成された。一方、支持細胞の増殖能は消失しているので、支持細胞は口腔粘膜上皮細胞の培養期間中に死滅し、粘膜上皮細胞シートが形成されるときには、培養系から除去されていた。
【0028】
培養口腔粘膜上皮細胞シートを切断し、ヘマトキシリン−エオジン染色剤により染色処理を行い、染色断面像を得た。この染色断面像を観察すると、形成された粘膜上皮細胞シートは、口腔粘膜上皮細胞から構成されていた。この粘膜上皮細胞シートを使用する際には、上皮細胞シートをディスパーゼ(400PU/ml)でディッシュから剥離し、PBSで数回洗浄してから使用に供する。
【0029】
前述の方法にて作製された培養口腔粘膜上皮細胞シートを角膜欠損層に移植する目的にて、以下の移植を実施した。5週齢雄日本白色家兎角膜に水酸化ナトリウムを用いて角膜化学傷を作製した(図1(a)参照)。すなわち直径8mmの濾紙に0.1N水酸化ナトリウム溶液を浸潰し、兎角膜上に90秒間接触させ、角膜を傷害した。その後、フローレス染色液およびブラックライトを用いて、角膜表面部に直径8mm以上の上皮欠損が存在することを確認した(図1(c)参照)。
【0030】
同部に、あらかじめ作製したヒト口腔粘膜を用いた培養口腔粘膜上皮細胞シート、および当該兎の口腔粘膜細胞(自家細胞)を用いた培養口腔粘膜上皮細胞シートを市販のソフトコンタクトレンズをキャリアとして(図1(b)参照)、それぞれ移植(上皮欠損全面を覆うように培養口腔粘膜上皮細胞シートで被覆)し(図1(d)参照)、ディスポーザブルコンタクトレンズにて移植部の保護を行った。その後、用いたコンタクトレンズが脱落しないように移植眼の上下眼瞼を3−0絹糸にて縫合し、移植を終了した。移植後、創部の感染を予防する目的にて抗生剤の注射投与を行った。
【0031】
移植後5日目に縫合固定した上下眼瞼を解除し、移植部を観察した。移植則の角膜表面には、移植された培養口腔粘膜上皮シートが、肉眼的に凹凸を認める表面不正な形態として観察できた(図2(c)参照)。一方、非移植群にはこれらの所見はなかった(図2(b)参照)。図2(a)には、比較対象として正常角膜の観察像を示した。また両者をフローレス染色液にて染色し、上皮化の程度について観察した結果、移植側は染色部位がほとんどなく、実験的に作製した上皮欠損部位が、周囲からの上皮化または移植した培養口腔粘膜上皮シートが生着している所見であった。これに対して、非移植群ではフローレス染色陽性を示し、周囲からの上皮化を認めるものの明らかな上皮欠損を認めた。この所見は、ヒト口腔粘膜細胞および当該兎口腔粘膜細胞(自家)について違いはほとんどみられなかった。
【0032】
さらに、図3にヘマトキシリン−エオジン染色剤による染色断面像を示す。図3(c)に示す移植側の角膜上皮層は、図3(a)に示す正常角膜の染色断面像と比較しても分かるように、十分な厚さを有していることが観察できる。これに対して、図3(b)に示す非移植側の角膜上皮層は、薄い状態のままであることが観察できる。
【0033】
移植後7日目には、移植した培養口腔粘膜上皮シートの角膜上を占める面積が減少し、口腔粘膜細胞から速やかに表面滑沢な角膜上皮細胞に置き換わっていることが示唆された。移植10日目には移植した培養口腔粘膜由来の表面不正部分は認められず、移植部はすべて角膜由来細胞にて置き換わっていた。一方、非移植群では移植後10日目にて点状に角膜欠損を認め、角膜上皮化が遅れていた。
【0034】
移植7日目について、移植部をヘマトキシリン−エオジン染色し、組織学的に観察した。その結果、移植された培養口腔粘膜上皮シートと移植部周囲の角膜上皮の境界においては、培養口腔粘膜上皮シートを除去する方向に宿主の角膜細胞が中心部に向かって進展している像がみられ、同部における角膜細胞の増殖が示唆された。以上の所見については、ヒト口腔粘膜由来細胞および自家細胞ともに同様な所見であった。また、これらの所見は非移植群では認めなかった。
【0035】
上記のように本実施例の培養上皮細胞シートは、培養の基となる口腔粘膜上皮細胞を容易に収集することができるので、容易に作製することができる。
【0036】
また、本培養上皮細胞シートは、手術後には、患者眼角膜と接触し、その細胞層から種々の生理活性物質(特に各種細胞成長因子)を放出するので、患者眼角膜の上皮化を促進させ、治癒能力を向上させることができる。また、自家組織を利用した場合には、移植後の免疫拒絶反応が惹起されることないので、その後の角膜治療形態にも有利に働くと考えられる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、角膜の治療に有効であり且つ容易に作製可能な角膜治療用培養上皮細胞シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における移植術の様子であって、(a)はウサギ角膜を水酸化ナトリウムで処理している様子、(b)はソフトコンタクトレンズをキャリアとして用いた培養口腔粘膜上皮細胞シート、(c)は移植前の角膜上皮欠損、(d)は培養口腔粘膜上皮細胞シートを移植している様子、をそれぞれ示す図である。
【図2】 (a)は正常角膜組織の観察像、(b)は非移植の角膜組織の観察像、(c)は移植5日後の角膜組織の観察像である。
【図3】 それぞれ、(a)正常角膜組織、(b)非移植側の角膜組織及び、(c)移植5日後の移植側の角膜組織のヘマトキシリン−エオジン染色剤による染色断面像を示す図である。

Claims (3)

  1. 角膜上皮疾患に対して利用される細胞シートであって、口腔粘膜上皮細胞に由来する培養上皮細胞の層を少なくとも一層有する、角膜治療用培養上皮細胞シート。
  2. 前記培養上皮細胞の層が重層化されている、請求項1に記載の角膜治療用培養上皮細胞シート。
  3. 支持細胞上に又は支持細胞と共に、口腔粘膜上皮細胞を播種する播種工程と、該細胞を該支持細胞の存在下でシート状に培養する培養工程と、を具備することを特徴とする角膜上皮疾患に対して利用される、角膜治療用培養上皮細胞シートの製造方法。
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