JP4744997B2 - エネルギー吸収部材の配置構造 - Google Patents

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Description

この発明は、歩行者と自動車との事故時に、該歩行者の自動車のボンネット等に対する衝突に係るエネルギーを好適に吸収するエネルギー吸収部材の配置構造に関するものである。
例えば自動車前部に歩行者が接触する場合には、該歩行者はボンネットに接触する可能性が高い。すなわち歩行者が事故時の衝突の力によって跳ね上げられ、頭部からボンネット上に落下することになる。またボンネットにおいては、近年の軽量化や意匠性の向上といった自動車に対する要求により薄肉化が進み、また該ボンネットの下にはエンジン本体やその付属装置等の構成部品、サスペンションタレット、スカットルパネルおよびヒンジ等の高剛性部品が配置されている。このため、歩行者が自動車前部に接触する事故が発生した際に受けるダメージ(衝撃)を低減させる要求が強まっている。
ところで通常の衝撃を吸収するエネルギー吸収体の性能は、それ自体の構造や素材によって確保されるエネルギー吸収能と、エネルギーを受け得る面積(以下、衝撃受面積と云う)と、更にはその厚さ(衝撃吸収に際して沈み込み得る変形(ストローク)量とに依存していると考えられる。一般的な自動車のボンネットの裏側には、エンジンルームからの騒音を低減するため設けられている防音材が、該ボンネットの略全体に亘って存在しているため衝撃受面積は充分であるが、利用目的が異なるためエネルギー吸収能の点では充分なものではなかった。
従って、このような構造を有するボンネットに対して、良好なエネルギー吸収能を与えるためには、該エネルギー吸収能の高いエネルギー吸収部材を防音材内部に配設すればよい。しかしボンネット裏の如き、そのスペースに限りがある部位では、防音材による防音性能の保持してその低下をできる限り回避することが優先されるため、エネルギー吸収部材の配置数等を必要最小限とする必要がある。また同様にその配置位置についても、レイアウト等の制約が大きく、高いエネルギー吸収能を備えるエネルギー吸収部材を好適に配置することが困難である。
この発明は、従来技術に係る問題点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、事故等に際して、常に歩行者に対して該歩行者の衝突により沈み込んで変形する被衝突面が、エネルギー吸収部材の厚さ分に至るまでに、一定以上の衝撃受面総面積を確保して、衝突位置に拘わらず一定以上のエネルギー吸収能を確保し、該歩行者が受ける衝撃を低減し得るエネルギー吸収部材の配置構造を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
車両の被衝突面の裏側に設けられるエネルギー吸収部材の配置構造であって、
隣接する前記エネルギー吸収部材における衝撃受面の中心間の距離は、該エネルギー吸収部材の厚さDを[数B]に代入して算出されるRと、該エネルギー吸収部材における円形の衝撃受面の半径であるrと、以下の[数C]で表されるαとを用いることで、以下の[数D]を満たすLとして算出され、
前記エネルギー吸収部材は、前記衝撃受面の中心が仮想三角格子の各交差点に位置するように、前記Lを満たす間隔で配置され、
人の頭部の衝突により変形する前記被衝突面の変形部位が該エネルギー吸収部材の厚さ分に至るまでに、少なくとも一つ以上の該エネルギー吸収部材の衝撃受面が該被衝突面の変形部位に重複すると共に、
前記人の頭部の衝突により変形する被衝突面の変形部位が前記エネルギー吸収部材の厚さ分に至るまでに、該被衝突面の変形部位を受けるエネルギー吸収部材における衝撃受面の衝撃受面総面積が、少なくとも1つの衝撃受面の面積分を確保するよう構成したことを特徴とする。
Figure 0004744997
Figure 0004744997
Figure 0004744997
従って、請求項1に係る発明によれば、配置スペースに制約が大きく、かつ防音材による防音性能を保持するためにエネルギー吸収部材を被衝突面の全域に配置しない場合であっても、歩行者の衝突により変形する被衝突面がエネルギー吸収部材の厚さ分に至るまでに、少なくとも一つ以上のエネルギー吸収部材が被衝突面の変形部位に重複するので、一定以上のエネルギー吸収能を確保して、歩行者の被衝突面への衝突位置に拘わらず衝撃を好適に低減し得るエネルギー吸収部材の配置構造となし得る。また、エネルギー吸収部材の厚さに拘わらず、効率的にエネルギー吸収部材の配置をすることができる。更に、エネルギー吸収部材における被衝突面を受ける衝撃受面を円形とすることで、歩行者が被衝突面に衝突した際の衝撃の低減を均質化し得る。そして、エネルギー吸収部材の配置構造によれば、その衝突部位に拘わらず一定以上の衝撃を低減し得る。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項に記載の発明は、
車両の被衝突面の裏側に設けられるエネルギー吸収部材の配置構造であって、
前記エネルギー吸収部材を、人の頭部の衝突により変形する前記被衝突面を受ける衝撃受面が直径25mm以上の円形となる円柱状または円錐台形状に形成し、
隣接する前記エネルギー吸収部材における衝撃受面の中心間の距離は、該エネルギー吸収部材の厚さDを[数B]に代入して算出されるRと、該エネルギー吸収部材における円形の衝撃受面の半径であるrと、以下の[数C]で表されるαとを用いることで、以下の[数D]を満たすLとして算出され、
前記エネルギー吸収部材は、前記衝撃受面の中心が仮想三角格子の各交差点に位置するように、前記Lを満たす間隔で配置され、
前記人の頭部の衝突により変形する被衝突面の変形部位が前記エネルギー吸収部材の厚さ分に至るまでに、該被衝突面の変形部位を受けるエネルギー吸収部材における衝撃受面の衝撃受面総面積が、少なくとも1つの衝撃受面の面積分を確保するよう構成したことを特徴とする
Figure 0004744997
Figure 0004744997
Figure 0004744997
従って、請求項に係る発明によれば、配置スペースに制約が大きく、かつ防音材による防音性能を保持するためにエネルギー吸収部材を被衝突面の全域に配置しない場合であっても、歩行者の衝突により変形する被衝突面がエネルギー吸収部材の厚さ分に至るまでに、少なくとも一つ以上のエネルギー吸収部材が被衝突面の変形部位に重複するので、一定以上のエネルギー吸収能を確保して、歩行者の被衝突面への衝突位置に拘わらず衝撃を好適に低減し得るエネルギー吸収部材の配置構造となし得る。また、エネルギー吸収部材の厚さに拘わらず、効率的にエネルギー吸収部材の配置をすることができる。更に、エネルギー吸収部材における被衝突面を受ける衝撃受面を円形とすることで、歩行者が被衝突面に衝突した際の衝撃の低減を均質化し得る。そして、エネルギー吸収部材の配置構造によれば、その衝突部位に拘わらず一定以上の衝撃を低減し得る。
請求項に記載の発明は、前記仮想三角格子を形成する個々の三角形は、正三角形であることを要旨とする。従って、請求項に係る発明によれば、エネルギー吸収部材を被衝突面に対して規則正しく配置し得るので、防音材との組み合わせが容易になる等、その配置に係る手間等を低減し得る。
従って、請求項7に係る発明によれば、その衝突位置に拘わらず好適に衝撃を吸収するエネルギー吸収部材の配置を計算し得る。
以上に説明した如く、本発明のエネルギー吸収部材の配置構造によれば、被衝突面における歩行者の衝突位置に拘わらず、常に一定以上のエネルギー吸収能を確保し得る。
次に、本発明に係るエネルギー吸収部材の配置構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願発明者は、エネルギー吸収部材を、仮想三角格子の各交差点に位置するように配置することで、歩行者が自動車のボンネット等に衝突した際に、より少ないエネルギー吸収部材で、その衝突位置に拘わらず歩行者が受ける衝撃を低減し得るエネルギー吸収部材の配置構造を見出したものである。また前記エネルギー吸収部材の配置については、そのエネルギー吸収部材間の長さをエネルギー吸収部材の厚さから算出することで、配置されるエネルギー吸収部材がどのような厚さであっても好適に対応し得る。なおエネルギー吸収部材が仮想三角格子の各交差点に位置することで、互いに隣接する3つの該エネルギー吸収部材が仮想三角形の各頂点に配置されることになる。
実施例に係るエネルギー吸収部材の配置構造を理解に資するため、先ず歩行者と自動車との衝突時に、該歩行者が受ける衝撃を測定・評価する1つの方法である「歩行者頭部保護性能試験」について説明する。性能試験は、自動車が一定の速度で歩行者Hをはね、この歩行者Hの頭部が自動車のボンネットおよびフロントウィンドウ等に衝突したことを想定して、図1に示す如く、大人または子供(歩行者H)の頭部を模擬したダミー(頭部インパクタ)を試験機から該ボンネット等に発射させ、該ダミーが受ける衝撃を測定、頭部傷害値(HIC)として評価するものである。ダミーの発射速度は、時速32km(自動車の歩行者Hに対する衝突速度は時速40km相当)に設定されている。ここで前記ダミーとしては、直径(2T):165mm(重量、大人用:4.5kg、子供用:3.5kg)の諸元を有するものが使用されている(図1(b)参照)。なおこのような背景から、以下の説明で歩行者と自動車とが衝突するに際しては、歩行者の表現は、広義にはその頭部を指しているものとする。
実施例に係る複数のエネルギー吸収部材12は、図2に示す如く、歩行者Hが自動車との事故の際に衝突するボンネット等(以下、被衝突面Bと云う)の裏に所要のパターンで配置され、自身の構造を破壊等して衝突に係るエネルギー吸収をなし、歩行者Hが受ける衝撃を低減する部材である。本実施例でこのエネルギー吸収部材12は、図3に示す如く、歩行者Hの衝突を受ける衝撃受面12a(表面)の形状が直径(2r):25mmの円形とされた円柱状物である。そしてその素材として、その形状(ここでは発泡体骨格)が破壊されることでエネルギー吸収をなす構造を備える硬質ポリウレタン発泡体とが採用され、ボンネット裏に防音材と共に配置されている。なお本発明において、エネルギー吸収部材12の衝撃受面12aであって、インパクタ(歩行者Hの頭部)が飛来する方向から見て、該インパクタと重複する部分を、対応部分と呼称する。またこの対応部分、すなわち歩行者H(インパクタ)の衝撃を受け止め得る部分の総面積を衝撃受面総面積と呼称する。
ここで衝撃受面12aの大きさは、前述の如く、直径(2r):25mmの円形とされている。その形状が円形とされることで、後述([0023])する配置寸法が好適に決定される。その大きさについては、直径(2r):25mm程度であれば、ボンネット等においても防音材等に影響を与えることがなく好適な配置が可能となるが、その大きさの拡大に伴ってエネルギー吸収能等は向上するため、配置位置の他部材等の配置環境が許容する範囲内でできる限り大きい方がよいことは云うまでもない。
またその形状については、所要の一点から、平面的に全方向への広がりが確保されている円形が好ましいが、楕円形その他の形状であってもよい。そしてエネルギー吸収部材12,12間(エネルギー吸収部材12の中心間)の距離(L)は、後述([0025])される107.7mm以下(エネルギー吸収部材12の厚さ(D)を20mmとした本実施例の場合)とされている。これはエネルギー吸収部材12,12間の距離(L)が、ダミーが被衝突面Bに衝突した際に、該ダミーが被衝突面B上に形成する円(衝突領域(後述[0024]))の直径(2R)以下になることを意味し、この条件下であれば、如何なる位置に歩行者H(の頭部)が接触した場合であっても、歩行者Hが受ける衝撃を低減し得る。
また複数のエネルギー吸収部材12は、歩行者Hを、すなわち飛来するダミーを衝撃受面12aで受け得るように配置されている。そして図2および図4に示す如く、前記エネルギー吸収部材12が、仮想三角格子の交差点に位置するようになされている。また隣接する3つのエネルギー吸収部材12,12,12を結んだ想像線が、正三角形の三角格子を形成し、その一辺の長さ、すなわちエネルギー吸収部材12,12間の距離(L)は、前述の如く、107.7mm以下とされている。このように複数のエネルギー吸収部材12を前述した配置とすることで、他の配置構造に較べて、少ないエネルギー吸収部材12によって効率的に一定の領域を覆うことが可能となっている。
ここでエネルギー吸収部材12が配置される寸法、すなわちエネルギー吸収部材12,12間の距離(L)は、被衝突面Bに歩行者H(の頭部)が衝突するに際して、該歩行者Hの衝突により沈み込み変形する被衝突面Bが、エネルギー吸収部材12の厚さ(D)分に至るまでに、歩行者Hが受ける衝撃(衝突に係るエネルギー)を好適に低減し得るように決定される。一方、被衝突面Bにおける歩行者Hとエネルギー吸収部材12との関係は、図5に示す何れかの形態となる。具体的には、1つのエネルギー吸収部材12だけに歩行者Hが衝突する場合(図5(a)参照)、2つのエネルギー吸収部材12に歩行者Hが衝突する場合(図5(b)参照)または3つのエネルギー吸収部材12に歩行者Hが衝突する場合(図5(c)参照)である。なお図5において斜線が施されている部分は、被衝突面B(ボンネット)を介して衝突してエネルギー吸収部材12の厚さ(D)分、凹み変形して沈み込んだ状態となった歩行者Hと、衝撃受面12aとか重複する対応部分、すなわち歩行者Hと被衝突面Bとが接触した衝撃を直接的に吸収し得る部分を指している。この3つの典型的な3つパターンにおいて、最も歩行者H(の頭部)の被衝突面Bが、三角格子を形成する3つのエネルギー吸収部材12から最も外れ易い形態は、歩行者H(の頭部)の中心が三角格子を形成する3つのエネルギー吸収部材12から最も離間する状態である。
従って歩行者H(の頭部)の中心が、図5(c)に示す3つのエネルギー吸収部材12(衝撃受面12a)の中心を頂点として形成される領域((正)三角形)の外心(外接円中心)に位置する場合において、歩行者H(の頭部)がエネルギー吸収部材12の厚さ(D)分、凹み変形して沈み込んだ(ストローク)時、エネルギー吸収部材12と必ず重複する対応部分を備えるようにエネルギー吸収部材12の配置寸法が決定される。一方、歩行者H(の頭部)が被衝突面Bに衝突した際の接触(衝突)領域は、エネルギー吸収部材12の厚さ(D)を一般的なボンネット等における数値である20mmと仮定し、図6に示す如く、該被衝突面Bがこの厚さ分、衝突による衝撃で凹んだ(変形した)場合、すなわち歩行者H(の頭部)の衝突によって凹み変形する被衝突面Bが、エネルギー吸収部材12の厚さ(D)分沈み込んだ(ストロークした)場合を想定して決定されている。その結果、直径165mmの頭部(ダミー)の被衝突面Bとの衝突領域は円形をなし、その直径(2R)は下記の[数A]から算出されて107.7mmとなる。
Figure 0004744997
そしてこれらの条件から、正三角形の一辺の長さ(エネルギー吸収部材12,12間の距離(L))は、直径(2R):107.7mmの円が、図5(c)に示す3つのエネルギー吸収部材12,12,12を各頂点として形成される正三角形の外心に位置した場合に、衝撃受面12aが、確実に対応部分を有するように決定される。具体的には、前述した如く、少なくとも107.7mm以下とされる。この場合、歩行者Hとの接触によって被衝突面Bが凹み変形し、歩行者Hが受ける衝撃はエネルギー吸収部材12の厚さ(D)分沈み込む(ストロークする)までに必然的にエネルギー吸収部材12に吸収されることになる。従って、歩行者Hが被衝突面Bの何れの位置に衝突した場合であっても、常にその衝突に係るエネルギーは吸収され、歩行者Hが受ける衝撃は低減される。
また2つのエネルギー吸収部材12,12の間の距離(L)は、最も大きい場合で[数A]から算出される数値とされるが、これ以下であっても問題はない。殊に図5で説明した3つの典型的ないずれの場合であっても、その衝撃受面総面積として、少なくとも一つのエネルギー吸収部材12によって提供される衝撃受面12aの面積分が確保されることが望ましい。このように被衝突面Bに対して歩行者Hが衝突した際、歩行者Hと1つのエネルギー吸収部材12との重複(対応部分の)面積は、以下の[数1]によって算出される。
Figure 0004744997
ここでRは以下の[数B]によって、αは以下の[数C]で定義される。
Figure 0004744997
Figure 0004744997
また一つ分の衝撃受面12aの面積は、その半径がr(本実施例では2r=25mmより、r=12.5mm)であるためπrから算出される。従って、以下の[数D]が導出される。
Figure 0004744997
そしてこの[数D]を満たすよう算出されるLをエネルギー吸収部材12,12間の距離とすれば、図5で説明した3つの典型的ないずれの場合であっても、歩行者Hの衝突位置に対応する該エネルギー吸収部材12における衝撃受面総面積として、少なくとも一つ分の衝撃受面12aの面積分は確保される。なおここでRは、被衝突面Bに衝突した際のダミーが、エネルギー吸収部材12の厚さ(D)分沈み込んだ(ストロークした)時に被衝突面B上に形成する円の半径であり、[数A]を用いることで算出され、本実施例においては約53.85mmである。
実際に本実施例の条件において、[数D]からLを算出すると、L≦98.13mmとなる。すなわちエネルギー吸収部材12,12間の距離(L)が107.7mmの場合には、図7に示す如く、衝撃受面総面積(S)は、一つ分の衝撃受面12aの面積(E)の約30%程度であるが(図7(a)参照)、Lを小さくして隣接するエネルギー吸収部材12,12を近づけて98.13mmとなった段階でS=Eとなり(図7(b)参照)、98.13mmを下回るとS≧Eとなる(図7(c)参照)。
また[数D]は、エネルギー吸収部材12,12間の距離(L)が一定値を下回ると計算値が狂い、以下の[数E]を用いることが必要となるが、S=Eまでであれば全て[数D]の適用で足りるため、詳細な説明は割愛する。
Figure 0004744997
なお[数D]および[数E]において、角度はDegreeで表示されている。
ここではエネルギー吸収部材12の厚さ(D)を20mmとしている。しかし[数B]および[数D]では何れも変数であるため、例えば車種の違い、具体的には一般的なセダンや、SUV等の違いによって配置し得るエネルギー吸収部材12の厚さ(D)が異なる場合であっても、好適なエネルギー吸収部材12,12間の距離(L)を算出し得る。例えばエネルギー吸収部材12の厚さ(D)を35mmとした場合、エネルギー吸収部材12,12間の距離(L)は134.9mm([数A]参照)以下とされ、好適には121.80mm([数D]参照)以下とされる。
またエネルギー吸収部材12は、ボンネット等の全域に配置する必要がないので、これまで該ボンネット等に付与されていた遮音等の作用を奏する遮音材等の配置や、該ボンネット自体のデザイン性等を阻害することがない。このように本実施例は、ボンネット等の被衝突面Bの一部についての部材付与によって容易に実施可能であるため、既に使用されている自動車に対しても容易に実施可能であり、更に製造コストや取付コストも抑制し得る。
(変更例)
この他、前述の実施例では、被衝突面Bにおいて3つのエネルギー吸収部材12,12,12が正三角形の頂点に位置するように配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図8に示す如ように配置されているエネルギー吸収部材12の配置位置をずらし、一部の2つのエネルギー吸収部材12,12間の距離を107.7mm以下(ここでは約86mm)とするようにしてもよい。更に3つのエネルギー吸収部材12,12,12が形成する領域(三角形)の各辺の長さを全て異なる長さとしてもよい。
また前述の実施例では、エネルギー吸収部材12における衝撃受面12aの大きさは、直径25mm以上とされているが、その直径(2r)が小さくても、一つのエネルギー吸収部材12のエネルギー吸収能が充分にあれば、直径25mm以下でもよい。この場合でも、[数C]および[数D]において、rは変数のため、好適な配置に係る計算は可能である。
(別の実施例)
前述の実施例においてはエネルギー吸収部材12として、その形状が破壊されることでエネルギー吸収をなす構造を備える硬質ポリウレタン発泡体を素材とした場合を説明しているが、衝撃に係るエネルギーの吸収能を発現する素材および構造であれば如何なるものでも採用し得る。例えば一定の厚みを有するプラスチック製板材を、円柱状や、下方に開口した円錐台形、逆角錐台形、円錐球形または半球形(何れも内部は空洞)等の立体形状に加工してこれを使用するようにしてもよい。この場合、この円柱状物の立体構造が歩行者の衝突により破壊されることで、歩行者Hの衝突に係るエネルギーを吸収することになる。
本発明の好適な実施例に係るエネルギー吸収部材を評価する歩行者頭部保護性能試験およびこの試験で使用されるダミーの寸法等を示した説明図である。 実施例に係るエネルギー吸収部材の配置構造を示す概略図である。 実施例に係るエネルギー吸収部材を示す概略図である。 被衝突面におけるエネルギー吸収部材の配置構造を詳細に示す説明図である。 歩行者が被衝突面に衝突した際の、該歩行者とエネルギー吸収部材との位置関係を示す概略図である。 歩行者が被衝突面に衝突した場合の、該歩行者(の頭部)による被衝突面の変形の状態と、その際の該歩行者(の頭部)と被衝突面との衝突領域を示す状態図である。 エネルギー吸収部材間の距離の変化による、衝撃受面総面積の変化を示す概略図である。 変更例に係る被衝突面におけるエネルギー吸収部材の配置構造を詳細に示す説明図である。
符号の説明
12 エネルギー吸収部材、12a 衝撃受面、B 被衝突面、H 歩行者

Claims (3)

  1. 車両の被衝突面(B)の裏側に設けられるエネルギー吸収部材の配置構造であって、
    隣接する前記エネルギー吸収部材(12,12)における衝撃受面(12a,12a)の中心間の距離は、該エネルギー吸収部材(12)の厚さDを[数B]に代入して算出されるRと、該エネルギー吸収部材(12)における円形の衝撃受面(12a)の半径であるrと、以下の[数C]で表されるαとを用いることで、以下の[数D]を満たすLとして算出され、
    前記エネルギー吸収部材(12)は、前記衝撃受面(12a)の中心が仮想三角格子の各交差点に位置するように、前記Lを満たす間隔で配置され、
    人の頭部の衝突により変形する前記被衝突面(B)の変形部位が該エネルギー吸収部材(12)の厚さ分に至るまでに、少なくとも一つ以上の該エネルギー吸収部材(12)の衝撃受面(12a)が該被衝突面(B)の変形部位に重複すると共に、
    前記人の頭部の衝突により変形する被衝突面(B)の変形部位が前記エネルギー吸収部材(12)の厚さ分に至るまでに、該被衝突面(B)の変形部位を受けるエネルギー吸収部材(12)における衝撃受面(12a)の衝撃受面総面積が、少なくとも1つの衝撃受面(12a)の面積分を確保するよう構成した
    ことを特徴とするエネルギー吸収部材の配置構造。
    Figure 0004744997
    Figure 0004744997
    Figure 0004744997
  2. 車両の被衝突面(B)の裏側に設けられるエネルギー吸収部材の配置構造であって、
    前記エネルギー吸収部材(12)を、人の頭部の衝突により変形する前記被衝突面(B)を受ける衝撃受面(12a)が直径25mm以上の円形となる円柱状または円錐台形状に形成し、
    隣接する前記エネルギー吸収部材(12,12)における衝撃受面(12a,12a)の中心間の距離は、該エネルギー吸収部材(12)の厚さDを[数B]に代入して算出されるRと、該エネルギー吸収部材(12)における円形の衝撃受面(12a)の半径であるrと、以下の[数C]で表されるαとを用いることで、以下の[数D]を満たすLとして算出され、
    前記エネルギー吸収部材(12)は、前記衝撃受面(12a)の中心が仮想三角格子の各交差点に位置するように、前記Lを満たす間隔で配置され、
    前記人の頭部の衝突により変形する被衝突面(B)の変形部位が前記エネルギー吸収部材(12)の厚さ分に至るまでに、該被衝突面(B)の変形部位を受けるエネルギー吸収部材(12)における衝撃受面(12a)の衝撃受面総面積が、少なくとも1つの衝撃受面(12a)の面積分を確保するよう構成した
    ことを特徴とするエネルギー吸収部材の配置構造。
    Figure 0004744997
    Figure 0004744997
    Figure 0004744997
  3. 前記仮想三角格子を形成する個々の三角形は、正三角形である請求項1または2記載のエネルギー吸収部材の配置構造。
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