JP4741233B2 - 遺伝子解析および認証方法 - Google Patents

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Description

発明の背景
遺伝子解析は基礎研究および応用研究においても、また患者のスクリーニング、プロファイリング、遺伝子多型タイピングにも広く用いられている。臨床検査では今日300種以上の疾患についての遺伝子検査が可能であり、その中にはBRCA1およびBRCA2遺伝子、あるいはp53、N-, C-, K-RAS、シトクロムP450、CFTR、HLAクラスIおよびII、デュシェヌ(Duchenne)筋ジストロフィー、β-グロブリンの各遺伝子の変異分析が含まれる。ヒトゲノム計画の進展によって疾患の発生において決定的役割を果たす遺伝子の同定がなされ、検査メニューは今なお増加しつつある。
遺伝子検査は遺伝子および/または染色体の解析によって遺伝性またはその他の変移や染色体異常を検出し、罹患傾向を診断する方法である。さらに蛋白質レベルのモニタリングにより、疾病の進行や治療に対する応答の情報が得られる。癌の診断および追跡、個人の発癌リスクの評価にも遺伝子検査が応用されている。現在ではたとえば、ブルーム(Bloom)症候群、ファンコニ(Fanconi)虚血症、色素性乾皮症などの疾病が診断された者の家族について、それぞれの遺伝子に変異がないかどうかを検査することができる。さらに制御遺伝子p53のいくつかの変異と各種の癌の発病リスクとの間に相関が見出されており、遺伝的に変異p53を持つ者は肉腫、脳腫瘍あるいは白血病の発病リスクが高いことが知られている。
遺伝子解析に用いられる標準的な方法であるDNAタイピングおよびDNAフィンガープリンティングには、(1)可変数タンデムリピート(VNTR)解析(Nakamura et al., Science, Vol. 235, pp.1616-1622 (1987)など)、(2)ショートタンデムリピート(STR)解析(Edwards et al., Am. J. Hum. Genet. Vol. 49, pp.746-756 (1991), Ricciardone et al., Biotechniques, Vol. 23, pp.742-747 (1997) など)、(3)一塩基多型(SNP)解析(Nickerson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., Vol. 87, pp. 8923-8927 (1990), Nikiforov et al., Nucleic Acids Res., Vol. 22, pp.4167-4175 (1994), Ross et al., Anal. Chem. Vol. 69, pp.4197-4202 など)、(d)制限酵素断片長多型(RFLP)解析(Botstein et al., Am. J. Hum. Genet. Vol. 32, pp.314-331 (1980) など)、(4)ミトコンドリアDNA配列解析が含まれる。VNTRおよびSTR解析は単純または複合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用する(たとえばMullis et al., Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol., Vol. 51, pp.263-273 (1986), Mullis et al., Science, Vol. 239, pp.487-491 (1988))。RFLP解析はDNAを制限酵素で消化した後、標識プローブとのDNAハイブリダイゼーションを行う。ミトコンドリアDNA配列解析はいわゆるサイクルシーケンシングにおいてPCRとジデオキシシーケンシングとを併用する。
特定の遺伝子座におけるSTRの数の個人的変異がいくつかの一般的な遺伝子疾患に関連することが示されている。たとえば不安定なダブレットのリピートは嚢胞性線維症や結腸大腸癌などの病変に関連することが知られており、不安定なトリプレットのリピートはKennedy病、脆弱X症候群、筋緊張性ジストロフィーなどの遺伝性疾患に関連することが知られている。Huntington病は特に詳細に研究されており、遺伝子断面でのSTRのマッピングにより1.86 MbpのDNAセグメントに51個のトリプレットリピートが見出されている。テトラマーその他の高次のリピートもHuntington病や脊髄小脳性運動失調1型を含む特定の病変に関連することが知られている。
標準的な実験的方法によるDNAタイピングは検体の調製およびPCR以後の処理に多大の手数を要する。PCR以後の処理には制限酵素消化、アガロース/アクリルアミドゲルによる電気泳動、配列解析、あるいはこれらの手法の組み合わせがある。このような多段プロトコルはデータに著しい偏りをもたらす上、多大の労力と時間を要する。
DNAフィンガープリンティング(同一性検査)は、高度に多型的な遺伝子座の解析によって曖昧性のない個人識別を分子的に行おうとするものである。この目的のために利用できる多型マーカーは多数あり、制限酵素断片長多型(RFLP)、一塩基多型(SNP)、STR/マイクロサテライト、可変タンデムリピート数(VNTR)/ミニサテライトなどがこれに含まれる。RFLP解析では遺伝子DNAを消化した後ゲル電気泳動、ついで放射性標識プローブとのハイブリダイゼーションを行う。この方法は複雑なため個人識別検査法として広く利用されるには至っていない。2つの対立遺伝子が1ヶ所のみで異なるSNPはコード領域においても非コード領域においても塩基1000個につき1個の比率で存在し、ヒトゲノムのすべての多型の90%を占める(Brooker, Gene, 234: 177-186 (1999))。SNP解析は癌などの疾病に関連する遺伝子のマッピング、骨髄移植におけるドナーのタイピング、集団遺伝学における遺伝の研究などに利用されている(Kwok et al., Mol. Med. Today, 538-543 (1999))。しかし曖昧性のないDNAフィンガープリントに適したSNPの集合は開発されているものの、それらの新しいマーカーは慎重なバリデーションを必要とする。さらに所与の確率で曖昧性を除くために必要なSNPマーカーの集合は現在一般に使用されているSTRマーカーに比べて大きい。SNPもSTR多型もマーカーとして使用することは可能であるが、99.73%の除外力を得るためにはSTR多型の各々に対して7〜12個のSNPが必要である。
STRおよびVNTRは極めて情報量の多い多型マーカーである。多くの遺伝子座は短い反復配列要素(典型的な長さは3〜7塩基)から成る多型的STR領域を含んでいる。トライマーおよびテトラマーSTRは所与の配列において塩基15,000個中に1個程度存在し、親子関係の鑑定や法医学的分析に広く用いられている。排除のために多数の遺伝子座を必要とするSNPの場合と異なり、僅か9個のSTR部位があれば総合平均排除力99.73%が得られる(Alford et al., Current Opinion in Biotechnology, 29-33 (1994); Latour et al., 829-37 (2001))。タンデムリピートに隣接する領域に向けて特定のプライマー配列を使用すれば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってSTRを増幅することができる。
対立遺伝子内のリピート要素の数の差による多型としては、この外にも可変タンデムリピート数(VNTR)/ミニサテライト(9〜16塩基を含む短い配列のタンデムリピート)やマイクロサテライト(1〜5塩基を含む)がある。ミニサテライトおよびマイクロサテライトは通常VNTRのサブクラスと見なされている。ヒトゲノムには約50万個のマイクロサテライトリピートが存在すると推定されており、平均距離は7000塩基程度であるから、VNTRも個人識別検査に利用することができる。
一般的な検査方法においては、放射性または蛍光標識プライマーを用いてSTRおよびVNTRをPCRで増幅し、PCRの生成物をゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動により分離し同定する。
遺伝子検査を実施する際に、一般には検体および患者に関する情報を手作業で記録する。典型的には検体容器に貼付されたバーコードラベルに記入する操作を含む。このような作業手順は取り扱いやラベリングの誤り、検体の取り違えなどの重大な誤りの原因となるおそれがある。
したがって採取された既知の検体を、採取の時点で一義的にマーキングし識別する方法が必要とされる。このような方法を用いれば分析途中での取り扱いやラベリングの誤り、検体の取り違えなどを防止することができる。
発明の概要
本発明はSTRおよびこれに関連する反復配列要素を同時並行的に解析する方法を提供することにより検体と遺伝子検査結果および患者同定情報とを一義的に結び付けようとするものである。より具体的には本発明は、患者の遺伝的プロファイルと分子的フィンガープリントを結びつけることにより、分子同定情報(ID)の記録と遺伝子分析の実行を同時に行い、不注意による検体の取り扱いの誤りの危険を最小限に抑え、既存の、あるいは後に記録される分子同定情報との比較によって一義的な認証を行う方法を提供する。
本発明の一つの側面は、患者の検体から得られたターゲット核酸配列を解析すると同時に、患者の遺伝的フィンガープリントを作成するための組成物を提供することである。組成は、第一のプローブ集合と第二のプローブ集合からなる。第一のプローブ集合は、遺伝子検査のため患者から採取された検体とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含み、第二の集合は複数の多型マーカーとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含む。これらのマーカーとのハイブリダイゼーションにより患者の遺伝的フィンガープリントが得られる。これら2つの集合のプローブは物理的または化学的に区別し得る特性を有するビーズに付着しているため、ビーズに付着しているプローブを一義的に知ることができる。
本発明の他の一つの側面は、患者の検体から得られたターゲット核酸配列を解析すると同時に、患者の遺伝的フィンガープリントを作成する方法を提供することである。この方法は第一と第二のプローブ集合を提供することを含む。第一のプローブ集合は、遺伝子検査のため患者から採取された検体とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含み、第二の集合は複数の多型マーカーとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含む。これらのマーカーとのハイブリダイゼーションにより患者の遺伝的フィンガープリントが得られる。これら2つの集合のプローブは物理的または化学的に区別し得る特性を有するビーズに付着しているため、ビーズに付着しているプローブを一義的に知ることができる。この方法は更にターゲット配列と複数の多型マーカーを上記第一および第二のプローブ集合と接触させ、第一集合のプローブとターゲット配列とのハイブリダイゼーション、および第二集合のプローブと多型マーカーとのハイブリダイゼーションを検出することを含む。
本発明の他の一つの側面は、患者の検体から得られたターゲット核酸配列の解析方法を提供することである。この方法は配列解析と検体とを一意的に結びつける手段を提供するもので、患者の検体から得られたターゲット核酸配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含むプローブ集合を提供することを含む。これらのプローブは物理的または化学的に区別し得る特性を有するビーズに付着しているため、ビーズに付着しているプローブを一義的に知ることができる。更にこの方法はオリゴヌクレオチドプローブとターゲット核酸配列を含む溶液とを接触させてターゲット配列と対応するプローブとをハイブリダイズさせ、プローブとターゲット配列とのハイブリダイゼーションを検出することを含む。上記溶液は分子ラベルによって標識され、ターゲット溶液の一義的な同定が可能であり、したがってラベルを参照することにより患者の同定が可能である。検体へのラベルの添加は、溶液とオリゴヌクレオチドとの接触の前後いずれでも、また同時でもよい。
本発明の他の一つの側面は、ターゲット核酸配列中のヌクレオチドのタンデムリピートが両端で非反復的な配列と隣接していることに基づいて、タンデムリピートの数を決定する方法を提供することである。この方法はビーズに付着したオリゴヌクレオチドプローブの集合を提供することを含み、同ビーズは物理的または化学的に区別し得る特性を有するため、ビーズに付着しているプローブを一義的に知ることができる。各プローブはターゲットシーケンスにアニールすることができ、試験部位(interrogation site)を含んでいる。プローブの集合はヌクレオチドのリピート数が異なるプローブから成るように構成されている。プローブをヌクレオチドにアニールしてハイブリダイゼーション複合体を形成させたとき、各プローブの試験部位と隣接するターゲット部位はタンデムリピートの内部にあるか外部にあるかの何れかである。更にこの方法はターゲット配列とオリゴヌクレオチドプローブとを接触させ、ターゲット配列とプローブのハイブリダイゼーション複合体を形成させることを含む。ターゲット配列と集合内のプローブとの複合体を並行して試験し、プローブの試験部位がターゲットのリピートの内外いずれにあるか、およびターゲット配列内のリピート数を決定する。
本発明の更に他の一つの側面は、ターゲット核酸配列の解析において発生するアッセイ信号の配列特異的な増幅方法を提供することである。この方法は増幅信号のリアルタイムでの追跡を可能とするもので、光学的アッセイ信号のリアルタイム記録のための温度調節機能を持つ検体保持装置を提供することを含む。同方法は更に、前記装置の温度を制御するための温度調節手段を含み、また前記検体保持装置内部に試験用オリゴヌクレオチドプローブの集合を置くことを含む。これらのプローブはターゲット核酸との間にハイブリダイゼーション複合体を形成する能力を有し、ビーズに付着している。同ビーズは物理的または化学的に区別し得る特性を有するため、ビーズに付着しているプローブを識別することができる。このオリゴヌクレオチドプローブをターゲット配列に接触させて、プローブとターゲット配列とのハイブリダイゼーション複合体を形成させ、同複合体を更に、その中に含まれる試験用プローブに連結することが可能な、標識を含む第2のオリゴヌクレオチドプローブと接触させる。またこの方法は、前記第2の標識したオリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイゼーション複合体内の試験用プローブに連結し、固定されたプローブ集合からの光信号をリアルタイムで検出する手段を提供することを含む。アニーリング・連結・検出・変性のサイクルは1回またはそれ以上実行される。各サイクルは下記の手順を含み、かつサイクルごとに拡張プローブ数を増加させる。
(i)ハイブリダイゼーション複合体を形成するための第1の温度を提供する。
(ii)リガーゼにより触媒される試験用プローブと第2の標識したプローブの連結反応を行わせるための第2の温度を提供する。連結に伴い、連結したプローブが付着しているビーズの光学的シグネチャーが変化する。
(iii)プローブからの光信号を映像化及び/又は記録する。
(iv)すべてのハイブリダイゼーション複合体を変性させるための第3の温度を提供する。
発明の詳細な説明
患者の遺伝子的プロファイリングは基礎および応用臨床医学においてのみならず疾病の診断や病的素質の評価においてもますます重要な役割を担っている。安全かつ信頼性の高い遺伝子検査プロトコルは、個々の検査において患者の同定に関連するすべての情報を含むものであることが望ましい。本発明は患者の検体の分析により得られた遺伝的プロファイルを患者同定情報と結合させる方法およびそのための組成物を提供するものである。患者の遺伝的プロファイルと同定情報とのこの相関は、遺伝子検査または何らかの診断または予後検査と並行して、遺伝的フィンガープリントまたは分子的同定情報(ID)の記録に基づいて行われる。
本発明の方法は、遺伝子検査において検体の取り扱いの誤り、ラベリングの誤り、取り違えを避けるのに有用である。これらの方法は父子関係・母子関係の鑑定、入国管理や遺産相続に関する係争、双生児の接合性検査、同系交配のための検査、骨髄移植の結果の評価、遺体の身元確認、***や血液などの法医学的検査に有用である。本発明によれば、遺伝的フィンガープリントまたは分子的同定情報を、たとえば以下で説明するイメージなどの形で得られた遺伝子検査あるいはその他の検査の記録に組み入れることにより、検体の取り扱いの誤り、ラベリングの誤り、取り違えなどに基づく誤りを防止又は訂正することができ、このようにして記録と患者の同定情報とを一義的に結びつけることができる。分子的同定情報は検体の同一性を追跡および確認することにより認証の手段を提供する。本発明の方法は遺伝的同定情報(以下IDという)の作成を、遺伝子検査または他の診断または予後検査の実行と並行して行うための組成物および方法を提供する。多数の変異と広く分散したマーカーを含むCFTRのような遺伝子座を解析するに際して、本発明は遺伝子解析のために既に増幅されているターゲットの内部に存在するIDマーカーを記録する手段を提供する。遺伝子座が少数の変異しか含まない場合は、プライマーを追加して他のゲノム領域に位置するIDマーカーを増幅することもできる。
遺伝子的フィンガープリンティングに広く使用されている方法の一つは、ある遺伝子座の内部におけるいくつかの反復配列の多型の解析に基づいている。反復的多型の統合を容易にするため、本発明はSTR/VNTR解析の配列形式による識別検査の方法を提供する。本発明の方法は検体の取り扱いや処理の手順を最小限とすることにより、患者同定のためのデータベースの作成において問題となる、測定過程が結果に及ぼす影響を最小限に抑えることができる。ここに開示する遺伝子的フィンガープリンティングの方法は遺伝子的プロファイリングにおける患者の同定に特に有用であるが、その他の遺伝子解析、たとえば遺伝子型決定、ハプロタイプ分析またはHLA分子タイピングなどに関連して使用することも可能である。本発明の方法はまた遺伝子解析とは独立に行われる遺伝子的認証にも利用することができる。
更に本発明の方法は、特定の検体容器ないし検体運搬用具にIDを付与することにより、容器のIDと検体のIDとを一義的に結びつけ、検体の取り扱いの誤りの危険を最小限にするばかりでなく、アッセイ結果の確認をも可能にする。容器IDおよび遺伝子的IDはデータの確証および患者同定情報の認証のためのデータベースにリンクさせることができる。
本発明において説明するように配列が既知のDNA断片を外部ラベルとして用いることは、先行技術に比べて少なくとも2つの面で有利である。第一に、タグの決定、したがってタグ付き検体の同定と、ハイブリダイゼーション、伸張、連結などの方法による遺伝子解析と並行して行うことができる。第二に、得られた検体IDを一般に遺伝子解析で得られた画像またはデータ記録に取り込むことができ、検体IDと遺伝子解析の結果とを常にリンクしておくことが可能である。これに反して従来技術による方法では、一般にタグの同定のために、遺伝子検査自体に加えて、外部ラベルのDNA断片長を決定するための電気泳動など別個の分析操作が必要である。
ここでいう「多型」とは遺伝子内の配列の変動を指し、「変異」とはある表現型に関連する、ないしは関連すると推定される遺伝子内の配列の変動を指す。「遺伝子」とは、ゲノムのうち、機能性タンパク質形成の制御領域をコードする部分を指す。本発明において患者の同定に用いる多型マーカーはゲノムのコード領域にあっても非コード領域にあってもよい。ここでいう「患者」とは、遺伝子検査のためのターゲット核酸が得られるような検体を提供した個人を指す。
またここでは「ID」「IDマーカー」「マーカー」は同義に用いており、高度の変動によって個人の分子的同定手段として適している内部および外部マーカーを意味する。本発明の目的のためには、内部マーカー、特にDNAフィンガープリンティングのための遺伝的IDマーカーは、問題となる遺伝子の内部に存在する「内在的」マーカーでも、あるいはそれ以外の「外在的」マーカーでもよい。
内部マーカーには遺伝子座内のSNP, STR, VNTRその他の多型部位がある。外部マーカーには化学的・蛍光的・磁気的・分子的その他のタグがあり、一般に検体採取時に検体に組み込まれる。これらは遺伝子検査、または診断や予後などの他の検査の結果と患者同定情報とを一義的に結びつけるのに有効である。外部マーカーの例としては、オリゴヌクレオチド・ペプチド核酸・DNA・RNA・蛋白質・ABO血液型などから成るタグのような生物学的標識、光学活性粒子・染料などの化学的標識が挙げられる。
ある種のハイブリダイゼーションアッセイのために作成されるようなランダムなDNA配列のタグコレクションは、極めて大きなエンコード容量を持つ一群の外部マーカーを表す。たとえば最近発表された、バクテリオファージlのゲノムから誘導された配列164個のタグ(http://waldo.wi.mit.edu/publications/SBE-TAGS)では2164個の異なる組み合わせが可能である。本発明の好ましい実施態様においては、あるライブラリから選択されたDNA配列タグの各々が所与の検体中に存在するか否かを色で区別されるビーズの識別アレイを提供することにより決定される。各タイプのビーズにはアレイタグの一つに一義的に適合するオリゴヌクレオチドプローブが付着している。識別アレイ中のビーズからの一連の信号を同種のビーズごとに平均したものが患者の検体の分子的バーコードを構成する。
また別類の外部マーカーを構成するものとして、公知の方法で合成された、単一波長による励起に対して粒径によって定まる波長の光を放出する非有機的な蛍光性ナノ粒子がある。DNA解析と並行して検体の分光分析を行うことにより、ナノ粒子タグの特定の部分集合が検体中に存在するか否かを知ることができる。従来このような無機蛍光性ナノ粒子標識としては量子ドット(Q-dot)半導体粒子、共鳴光散乱(resonant light scattering, RLS)金属ナノ粒子の2種が知られている。量子ドットはセレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、砒化インジウム(InAs)などの半導体材料から作られるナノメートル(10-9 m)級の粒子で、その組成と微細な寸法により、寸法または組成を変化させることで容易にカスタマイズできる特異な光学的性質を有する。量子ドットは光を吸収し、直ちに異なった波長の光を放出する。有機染料や無機材料にもこのような性質を示すものがあるが、量子ドットは発光が明るく、褪色せず、狭く対称的な発光スペクトルを有し、単一の波長で励起される複数の分解可能な色を示す利点を持つ(Bruchez et al., “Semiconductor Nanocrystals as Fluorescent Biological Labels”, Science 281, 2013 (1998); Alivisatos, “Semiconductor Clusters, Nanocrystals, and Quantum Dots”, Science 271, 933(1996))。
共鳴光散乱法(RLS法)は、金・銀などの金属のナノサイズのコロイド粒子が単純な白色光源で照射されたとき散乱光の形でエネルギーを放出する現象に基づく。1つのRLS粒子が発生する単色光信号は最も高感度の蛍光体の104〜106倍の強度を持ち、したがって様々なバイオアッセイや検査において超高感度の生物学的標識として利用することができる(Yguerabide, J. Analytical Biochemistry, 262, 137-156 (1998); Yguerabide, J. Analytical Biochemistry, 262, 157-176 (1998))。
本発明に従って外部マーカーを使用するには、血液、痰、毛髪、骨髄などの検体を採取する際に外部マーカーを検体の一部として含める。検体が処理、分析される全過程を通じてマーカーは検体に包含され、あるいは他の何らかの形で付随している。このようなマーカーは、保因者スクリーニング、遺伝子タイピング、ハプロタイピング、あるいは血清中のサイトカイン、抗原、抗体などのプロファイリングのような蛋白質分析に関連するアッセイにおいて検体に含ませることができる。
発明の実施態様によっては1つ以上の内部マーカーの代わりに1つ以上の外部マーカーを使用することもできる。また他の実施態様においては、1つ以上の外部マーカーと1つ以上の内部マーカーを併用して検体の同定・認証の手段を増加させることもできる。更にまた外部マーカーは患者の検体の採取・保存用カートリッジ内で行われるアッセイに用いて、検体、容器、遺伝子検査の間の物理的リンクとすることも可能である。
遺伝子検査、遺伝子フィンガープリンティングのためのターゲット配列またはターゲット核酸は、遺伝子、制御配列、ゲノムDNA、cDNA、RNA(mRNAおよびrRNAを含む)のいずれの一部であってもよい。ゲノムDNA検体は通常プローブと接触させる以前に増幅する。ゲノムDNAは任意の組織あるいは循環細胞(純粋な赤血球を除く)から採取できる。たとえば便利なゲノムDNA採取源としては全血、***、唾液、涙液、尿、糞便、汗、口腔細胞、皮膚、毛髪などがある。多型部位を含むゲノムDNAの増幅すると、検体採取源の個人が多型部位においてホモであれば1種、ヘテロであれば2種のターゲット核酸分子が生ずる。RNA検体もしばしば増幅に使用されるが、この場合は増幅に先立って逆転写を行うことが多い。発現したすべてのmRNAの増幅はたとえば、ここに参照のため全体を引用するWO 96/14839およびWO 97/01603に記述されている方法によって実行することができる。二倍体の検体から得られたRNA検体は、検体提供者が発現したRNA内部でホモであれば2種のターゲット分子を生じ、RNAの種に対して他のスプライシングが可能ならば更に他種のターゲット分子が生ずる可能性がある。増幅は公知のPCR法によって行うことができる。増幅の過程で1種またはそれ以上の標識した核酸を増幅混合物に加えることにより、ターゲット検体の核酸を標識することができる。増幅の後に増幅生成物に標識を付加することも(たとえばエンドラベリング法により)可能である。増幅生成物は増幅反応に用いた酵素および基質によってRNAまたはDNAである。
ショートタンデムリピート(STR)などのタンデムリピートは遺伝子的IDマーカーとして利用することができる。遺伝子タイピングその他の遺伝子検査に用いられる遺伝子座の多くは反復要素を含み、同要素を構成する多数の反復配列要素は個人ごとに大きく変動する。本発明のタンデムリピートをマーカーとする態様においては、ターゲット核酸配列内のタンデムリピートの数を以下に述べる並行試験法によって決定することができる。
一つの好ましい実施態様においては、遺伝子検査において変異を記録するため、可変的ターゲット部位の各々に対してプローブ対を設計する。対に属する両プローブはいずれもターゲット核酸配列に対して相補的であるが、変異の部位においてのみはいずれか一方のみが相補的となる可能性がある。プローブの長さはターゲットとのハイブリダイゼーションが可能な程度であることを要し、望ましくは10〜50塩基、更に望ましくは10〜20塩基である。プローブはリンカーによって固体支持体に付着させることもできる。変異の解析は1つ以上のターゲット配列の試験を含み、高効率スクリーニングを容易にするため多重化方式により実施することもできる。たとえば別途説明するようなエンコードしたビーズにプローブを付着させ、異なったターゲット配列のためのプローブ群を平面上にランダムなアレイに配列することができる。別の例としては、同一基板(たとえばシリコン電極)上に種々のサブアレイを形成することもできる。この場合各ビーズの持つプローブの識別情報はビーズのエンコードとビーズのサブアレイの位置とを利用して提供される。反復配列の解析の場合と同様に、並行試験もターゲットと配列に敏感なプローブとのハイブリダイゼーションを含む。一つの望ましい実施態様においては、プローブを伸張し、たとえば伸張とオンチップ温度サイクルを組み合わせた方法によって蛍光標識したdNTPを組み込むことで、伸張産物を直接標識の手段とする。標識した伸張産物は別途説明するイメージング法によって検出することができる。
本発明の一つの望ましい実施態様においては、伸張反応のプライミングが可能な伸張プローブの集合を、同一性を保持し得るように固相キャリアに固定化し、伸張産物の同定の曖昧さを低減させる。これはたとえば異なるプローブを空間的に分離し、あるいはプローブの同一性を化学的にエンコードすることで達成される。
プローブとターゲット鎖とを、ハイブリダイゼーション複合体が生成し得る条件で接触させると、各プローブの3’末端またはその近傍に存在する試験部位が一般に2つの配置、すなわち「リピート内配置」と「リピート外配置」をとってターゲットと整列する。前者においては試験部位がターゲットの反復配列内部の部位に隣接し、後者においてはターゲットの先導配列内部の部位に隣接する。
プローブは通常、目的とするゲノム領域に対して補完的な先導配列および後続配列を伴って設計される。汎用的な先導および後続配列を得るため、増幅産物の一部となる配列を含むハイブリッドプライマーを設計することができる。たとえば順行および逆行PCRプライマーを、それぞれの5’末端にGCリッチのタグを持つように設計することができる。ゲノムDNAのPCR増幅において、このタグが生成物の5’末端に導入される(図13)。ついでオリゴヌクレオチドプローブを、プライマーのタグに相補的なアンカー配列を持つように設計する。この設計の柔軟性により増幅されたターゲットへのプローブの整列が容易になり、スリップ(いくつかの異なった箇所でハイブリダイゼーションが生ずること)が最小限に抑えられ、アッセイの識別力が向上する。たとえば後続配列を反復配列内に存在しないヌクレオチド(ジヌクレオチドおよびトリヌクレオチドの反復に対して)で開始されるように設計すれば、1塩基の伸張で検出することができる。
種々の反復数を含む試験用プローブを用いてターゲットの反復配列の試験を行う工程は、各プローブに対して、この2つの配置に対応する2つの値の一方、すなわち一致(数値的には1で表す)か不一致(数値的には0で表す)のいずれかを付与するように設計される。反復配列の多型に対して一群のプローブによるこの二進法的試験を繰り返せば、その多型の内部でのターゲットの反復数が求められる。別途多数の例を用いて説明するように、プローブの構成法や検出法には多数の変形が可能であり、たとえば直接ハイブリダイゼーションと蛍光エネルギー移動による検出、テンプレートを介した1塩基のプローブ伸張あるいは連結などがある。これらは例示のために挙げたもので発明を限定するものではない。
実施態様によっては、オフセット配列を含むようにプローブ配列を構成してもよい。すなわち、ターゲットの反復の最初の、または最初の数個の(しかし全部ではない)ヌクレオチドに一致するオフセット配列を第1のプローブの反復部の5’側に持たせる。オフセットを含むプローブをターゲットに完全に整列させてアニールすれば、同じく2つの可能な配置のいずれかを持つハイブリダイゼーション複合体が得られる。第1の配置ではプローブの反復部とターゲットの反復部とは、プローブの3’方向のオフセットの大きさだけ互いにずれており、したがってプローブ配列の3’末端はターゲットの反復部の一つの内部に位置することになる。第2の配置では、プローブ配列の3’末端は先導配列内の位置に整列し、その位置はオフセットの大きさによって定まる。
対象とする反復配列多型に対して、同一の(任意的)アンカー配列および同一の(任意的)オフセット配列を有するプローブの集合を構成し、かつその反復数が順次増加して、別途説明するようにプローブの集合の反復数がターゲットの反復数の予想される範囲を覆うようにすることができる。一つの実施態様においては、ターゲットの先導配列および後続配列と相補的な5’および3’アンカー配列を持つようなプローブを構成することにより、プローブとターゲットの望ましい整列を安定化する。公知のPCR法によって患者のDNAを増幅する際に所望の組成を有する先導配列および後続配列を導入することができる(Innis et al., Academic Press, San Diego, CA (1990); Mattila et al., Nucleic Acid Research, 4967 (1991))。先導配列と後続配列を入れ替えて相補DNA鎖の反復数を決定することもできる。
別の実施態様においては、5’側にも3’側にもアンカー配列を持たないオリゴヌクレオチドプローブを用いて競合的ハイブリダイゼーションを行う。そのような実施態様の一つにおいては、まず標識または無標識ターゲットと、ターゲットの予想される最大反復数を超える多数の反復を含むように設計されたブロッキングDNA鎖との間にハイブリダイゼーション複合体を形成させる。このハイブリダイゼーション複合体ではしたがってターゲットの反復部はすべて二重配置となる。次にこの「ブロックされた」ターゲットを、反復数の異なるプローブを付着させたエンコードされているビーズのアレイに接触させる。反応混合物をインキュベートすると、プローブとブロッキング鎖とがターゲットの反復部に競争的に結合する。この方法においては、ターゲットの反復数に等しいかこれより大きい数の反復を含むプローブのみがターゲットからブロッキング鎖(の一部)を排除し、アッセイ信号を取得する。洗浄の強度を高め、あるいは別途説明するようにアニール温度を高めることにより、弁別レベルを高めることができる。
別の好ましい実施態様においては、温度の上昇に伴ってアッセイイメージを記録し、信号を上昇する温度の関数として記録する。プローブとターゲットのハイブリダイゼーション複合体すべてに対する強度対温度曲線に順次現れるピークはそれぞれの融解温度を示す。ターゲットの反復数に等しいかこれより大きい数の反復を含むプローブが高い融解温度を示す。同一反応内において種々の色で標識されたターゲットを解析することができる。
固定化プローブとの間にハイブリダイゼーション複合体を形成したターゲットは前述の方法で可視化することができる。たとえば標識したdNTPを用いてターゲット鎖にアニールされたプローブを伸張し、その際にターゲット内の反復数と完全に一致したプローブのみが伸張されるようにすることができる。正のアッセイ信号を発生させるその他の方法も容易に考案することができる。
配列に特異的なプローブ一般について述べたように、反復配列の並行試験のためのプローブも公知のリンカー成分を介して固体支持体に固定化することができる。一般にプローブは無関係なDNAターゲット鎖にアニールしないために、十分な長さを持たなければならない。プローブの長さは約10〜50塩基、好ましくは約15〜25塩基、さらに好ましくは18〜20塩基である。多重化アッセイでは次に、溶液中に保持した1種以上のターゲットを、アニールおよび伸張反応が起こる条件のもとで複数の固定化プローブに接触させる。すなわち本発明は、高速作業に不適当な方法であるゲル電気泳動に基づく従来の反復配列多型解析法に比べて利点を有する。
本発明はまた、単一ヌクレオチド多型や一部位変異の並行試験、あるいは多重(二重、三重など)ヌクレオチド多型その他の変異や多型の検出、一般的に見られ遺伝子検査に有用な小規模の挿入や欠落の検出に用いられる方法をも包含する。
解析に必要な労力、資材、時間を最小限にするため、単一の反応で複数の遺伝子座を増幅し解析することが望ましい。多重化増幅法は特にDuchene筋ジストロフィー、Lesch-Nyhan症候群、嚢胞性線維症などの遺伝病の解析に適している。またいくつかの自己免疫疾患(糖尿病など)がヒト白血球抗原(HLA)系の多型に関係づけられている。HLA複合体の多型部位は著しい連鎖不均衡を示し、染色体上に特定のハプロタイプが予測以上の頻度で共起する。インスリン依存性糖尿病(IDDM)への罹患性はDQ部位によってエンコードされる特定のクラスII対立遺伝子に関係することが見出されている。DQα部位は分子タイピングに利用されており、疾患シーケンシングと分子タイピングを含む同時解析に使用することができる。
別の例として遺伝子的に規定されるミトコンドリア性疾患がある。これらは多くの場合ミトコンドリアDNA(mtDNA)内の変異によって生ずるものである。平均的なヒト細胞は数千個のmtDNA分子を含む。mtDNA分子は16,586個のヌクレオチド対から成る閉じた環状の分子で、それらのヌクレオチド対は37の遺伝子、13の酸化的燐酸化(OXPHOS)ポリペプチド、rRNA、22のtRNAをコードしている。mDNAの変異率は核ゲノムのそれよりはるかに大きい。
mtDNAの変異には、脳、心臓、骨格筋、腎臓の退行性疾患に関係づけられているものがある(図8)。ミトコンドリア性脳筋肉疾患は、酸化的燐酸化の障害に起因する、遺伝学には不均一な疾患群である。患者は筋力減退、失明、退行性脳障害など多彩な臨床症状を示し、現状では治療法が存在しない。ミトコンドリアのゲノムに生ずる塩基の置換・再配列による変異は眼筋症、Kearn-Sayre症候群、Pearson症候群、成人の糖尿病との間に相関がある。ミトコンドリア性疾患は女性生殖系列の変異、または後天的変異によって生ずる。ATPシンターゼ内の塩基置換変異は筋力減退、運動失調、網膜色素変性症(NARP)、Leigh症候群、中心視力喪失(LHON)ジストニー、MELASと関係づけられている。3つのmtDNA変異がAlzheimer病、Parkinson病と関係していることが確認されている。
mtDNAにはいくつかの多型マーカーが見出されており、集団遺伝学研究に広く利用されている。これらのマーカーの大部分は病原性変異を含む遺伝子の内部に位置し、これと同時に増幅することができる。特にtRNA遺伝子内の32の配列多型は個人IDマーカーに適しており、変異プロファイルに組み込むことができる(Garboczi et al., Mol. Cell BioChem. 107: 21-19 (1991))。
本発明の方法はターゲット核酸配列と遺伝的IDマーカーの並行試験を含む。これは2つ以上の核酸プローブの集合、たとえば単鎖または二重鎖DNAまたはRNA、あるいはペプチド核酸のような合成骨格上の核酸類似配列を用いることにより実施できる。本発明によれば、第一のプローブ集合は対象とするターゲット核酸配列と相補的に設計され、第二のプローブ集合は1つ以上の所定のIDマーカーに相補的に設計される。この両プローブ集合はチップ、ウェハー、スライド、膜、粒子、ビーズなどの固相キャリア、あるいはアッセイに使用できる任意の表面に付着させることができる。
ここで「ビーズ」「微小球」「微小粒子」「粒子」は同義に用いられている。ビーズの組成としてはプラスチック、セラミック、ガラス、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリル系構高分子、常磁性体、炭素、黒鉛、酸化チタン、ラテックス、セファロースなどの架橋デキストラン、セルロース、ナイロン、架橋ミセル、ポリテトラフルオロエチレンなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
ビーズには物理的または化学的に識別可能な特性を付与することができる。たとえば1つ以上の発色団または蛍光発光原子団を含み、励起波長、発光波長、励起状態の寿命、あるいは発光強度によって区別できる染料のような、光学的に識別可能な一群のタグによってビーズを染色することができる。光学的に識別可能な染料を一定のモル比で混合したものでビーズを染色することは公知の方法によって実施することができる。なお参考までに、国際出願PCT/US98/10719には外面および内面の組み合わせカラーコードが開示されている。物理的または化学的に識別可能な特性によって区別し得るビーズは「エンコードされている」という。
ビーズ群の化学的または物理的に識別可能な特性の検出、およびそのようなビーズを用いて行われる遺伝子検査ないしその他の検査(診断または予後検査など)の過程で生成されるビーズ上の光学的シグネチャーの同定は、ビーズの集合またはアレイのデコード用イメージとアッセイイメージを記録し比較することによって行うことができる。たとえば実施態様によってはイメージ検出器と電算化したイメージ記録・分析装置を用いることができる。デコード用イメージはビーズ面上に付着しているプローブを一義的に決定する化学的または物理的特性の決定に用いる。このようにしてアレイ内の各粒子上のプローブが特性を通じて決定できる。アレイのアッセイイメージは以下に説明するようにアッセイ中に生成された光学的シグネチャーを検出するのに用いる。
特定のオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを有するビーズは、エンコードするほかに、ビーズの所在位置がビーズに関する、したがってプローブやプライマーに関する情報を提供するように、空間的に分離することもできる。一つの例として、ビーズを2つ以上の空間的に分離されたサブアレイに置くことによって、空間的エンコーディングが提供される。
本発明の一つの好ましい実施態様においては、デコーディングおよび解析に先立ってビーズを基板上の平面的アレイに配列する。ビーズのアレイは、ここで参照のために全体を引用するPCT/US01/20179に開示されている方法で作成することができる。またビーズのアレイを、ここで参照のために全体を引用する米国特許No.6,251,691に記載の方法で形成することもできる。たとえば米国特許No.6,251,691に記載されているLEAPSと呼ばれる方法により、光制御された動電学的な力を用いてビーズのアレイを作成することができる。別の方法として、常磁性ビーズを使用する場合は、基板面に垂直な方向の磁場をかけることによってアレイを形成することができる。またビーズを基板表面上の拘束的構造(たとえば凹部)のアレイに機械的に落とし込むことによっても、ビーズのアレイが形成できる。実施態様によっては、ビーズアレイをその形成後に物理的手段によって、たとえばゲル内に埋め込んでゲル粒子フィルムを形成することによって、固定化することができる。
エンコードされたビーズのランダムなアレイを用いる多重化分子解析の一例は、ABO(およびRH)血液型の遺伝子解析および検査である。この実施態様においては、エンコードされたビーズのアレイを所与のチップ上の別の位置に配置し、遺伝子解析と検査を同時並行的に行う。この分析では、エンコードされたビーズ上にABO血液型およびRH因子に対応する個々の抗原を付着させ、これらのビーズを集めたアレイを用いて多重化イムノアッセイにおいて患者の血清の抗体プロファイルを決定する。
ABO血液型のタイピングは、ヒトおよび大部分の脊椎動物が、ある種の膜蛋白質のセリン側鎖に複合オリゴ糖を持つ事実に基づく。酸素で結合したオリゴ糖複合体はしばしばヒト細胞の外面に露出しており、それを持つ細胞が同じ細胞表面抗原を持たない人に注射されると特有の免疫反応を引き起こす。このように不適合の個人に対する逆免疫反応はABO血液型分類の基礎であり、同じ血液型の人同士は相互に輸血可能であるが、異なる血液型の間では輸血は不可能である。さらにRh因子との適合・不適合に基づく別の血液型が定義されており、血液型と個人の遺伝的フィンガープリントを関係づけるのに利用されている。
血液型はA型およびB型血液を決定する2つの遺伝子の発現の反映である。A遺伝子はN-アセチルガラクトサミン(Gal Nac)末端残基の中心多糖への付加を触媒するグリコシルトランスフェラーゼをコードし、B遺伝子は同じ部位へのガラクトース(Gal)残基の付加を触媒する類似の酵素をコードする。A, B両遺伝子が存在するときは両構造が共に見出されるが、O遺伝子のみが存在するときはオリゴ糖上の前記部位は露出したままである。AAまたはAOの保持者の細胞はA抗原を、BBまたはBOの保持者の細胞はB抗原を、またABの保持者の細胞はA, B両抗原をそれぞれ有するが、OOの保持者の細胞はいずれの抗原をも持たない。
このように、患者の医学的記録の一部をなす生化学的マーカー、たとえば血液型を定義する細胞表面抗原の組を、遺伝的プロファイルと患者同定情報とを結びつけるために利用することができる。この情報をオンチップ遺伝子検査で得て、同時に記録された生化学的IDマーカーと結びつけることができ、またIDマーカーは既存の患者レコードと照合することにより真実性を保証することができる。
本発明の方法によれば、ターゲット核酸配列と遺伝的フィンガープリントの同時試験を次のように実施することができる。まず遺伝的IDマーカー(複数でもよい)を、実施例に示すように同定し、次に複数のオリゴヌクレオチドプローブを設計する。第一の集合はターゲット核酸配列を、第二の集合は前記マーカーをそれぞれ対象とするものである。すなわち第一のプローブ集合は遺伝子検査ないしプロファイリングのためのアッセイに用い、第二のプローブ集合は遺伝子検査と並行して分子的フィンガープリントを決定するために用いる。内部マーカーを用いるときはこれをターゲット配列内の所与の多型の変異と共に増幅する。外部マーカーを用いるときは、同時に別の増幅を行なうために別のプライマー集合が必要な場合がある。
遺伝子プロファイリングのための増幅された、多型部位を含むターゲット核酸配列と、遺伝子的IDマーカーとの試験では、ターゲットとエンコードされた配列特異性オリゴヌクレオチドプローブとをアニールし、プローブとターゲット断片との配列の相補性の程度を決定する。
ターゲット遺伝子およびマーカーの試験は、本発明の枠内において様々の方法で行うことができる。たとえば一つの実施態様(以下「直接ハイブリダイゼーション」と称する)においては、蛍光標識したターゲット断片を用いて、ハイブリダイズされたプローブ・ターゲット複合体に検出可能な光学的シグネチャー、たとえば蛍光性を付与することができる。標識したターゲットは、予め標識したプライマーと共にターゲットを増幅することにより容易に作成できる。他の実施態様として、直接ハイブリダイゼーションに標識した検出プローブを用いることも可能である。たとえば実施例に示すように、蛍光エネルギー移動を用いて、三成分のハイブリダイゼーション複合体の形成によって検出可能な光学的シグネチャーを作成することができる。さらに別の実施態様においては、酵素に仲介された連結および伸張反応をプローブ集合に適用したときの信号パターンによって、ターゲット配列の組成を決定する。伸張による検出では、ポリメラーゼに仲介される伸張反応により、プライマーとして働くように設計された配列特異性プローブの伸張を反映する信号パターンを発生させる。これらの方法のいずれにおいても発生する信号パターンは、フィンガープリントと並んで一義的な個人の遺伝子型を含んでいる。
ここでは「ハイブリダイゼーション」とは、第一の核酸分子と、特定の第二の核酸分子との優先的な結合、アニール、二重化またはハイブリッド形成を指す。ハイブリダイゼーション複合体の安定度は配列の組成、長さ、外部条件により異なる。ハイブリダイゼーションの方法には、反応条件の苛酷さを制御して、混合物中に生成したハイブリダイゼーション複合体の一部のみを不安定化させる方法が含まれる。これらの方法を用いて、ハイブリダイゼーション複合体を形成しているプローブとターゲット配列との相補性が完全なものと不完全なものとを区別することができる。
検出を容易にするため、ハイブリダイゼーション複合体を修飾して1つ以上の標識を含ませてもよい。この標識の組み込みには、公知の多くの方法のうちいずれを用いてもよい。本発明での使用に適した検出可能な標識としては、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的あるいは化学的に検出可能な任意の組成物を用いることができる。本発明において便利な標識としては、標識したストレプタビジンまたはその抱合体による染色のためのビオチンのような高親和性標識、磁性ビーズ、蛍光染料(たとえばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光蛋白質など)、放射性標識(たとえば3H, 125I, 35S, 14C, 32P)、酵素(たとえばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼその他の一般にELISAに使用される酵素)、エピトープ標識、比色標識(金コロイド、ガラスまたはプラスチック(ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)製着色ビーズなど)がある。これらの標識を検出する手段は公知である。たとえば放射性標識は写真フィルムあるいはシンチレーションカウンターを用いて、また蛍光マーカーは放射光検出用の光検知器によって検出することができる。酵素ラベルの検出法としては、酵素を基質と共に使用し、酵素の作用による反応の生成物を基質上に検出する方法が一般的である。比色標識は簡単に着色した標識を可視化することにより検出できる。一例としては金コロイドを標識として用い、金による散乱光を測定する方法がある。ハイブリダイゼーションの前または後に、標識を増幅産物に添加することもできる。
「直接標識」とは、ハイブリダイゼーションに先立って核酸に直接付着または包含させる検出可能な標識を指す。これに対して「間接標識」とは、ハイブリダイゼーションの後にハイブリダイゼーション複合体に付着または包含させる標識を指す。ハイブリダイゼーションに先立って増幅した核酸に付着させた結合成分に間接標識を付着させることもしばしば行われる。たとえば増幅した核酸をハイブリダイゼーション前にビオチニル化し、ハイブリダイゼーション後にビオチンを含むハイブリッド複合体にアビジンまたはストレプタビジンを抱合させた蛍光発色団を結合させることにより、容易に検出できる標識が得られる。
アレイ中のプローブとハイブリダイズした標識核酸の検出手段は公知である。たとえば比色標識を用いた場合は単純な可視化のみで十分であり、放射性標識プローブを用いた場合は、放射線の検出(たとえば写真フィルムまたは固体検出器)で十分である。蛍光標識したターゲット核酸の検出には蛍光顕微鏡を用いることができる。ハイブリダイゼーション複合体のアレイを、選択した特定の蛍光標識の励起波長を持つ光源で励起する。励起用光源としてはたとえば蛍光標識の励起に適したレーザーが用いられる。
好ましい実施態様においては、試験工程はターゲットにアニールされたプローブの伸張を含む。この反応はポリメラーゼによって触媒され、プローブ配列に1つ以上の燐酸化ヌクレオシドを、既存のハイブリダイゼーション複合体中のターゲット配列の組成を反映した順序で付加することにより、伸張ハイブリダイゼーション複合体を形成する。この伸張反応が進行するためには、プローブの長さは末端伸張開始(TEI)配列を含まなければならない。TEI配列はプライマー配列内に、望ましくは3’末端に一致するが、3’末端から3〜4塩基離れていてもよい試験部位を含む。試験部位の組成が所定のターゲット部位の組成と一致すれば伸張反応が進行する。
二重鎖DNAの外部に出ていない3’末端を伸張させるため、いくつかの三燐酸デオキシヌクレオシド(dNTP)を添加して相補的な鎖のうち突出している1本をコピーし、反応の特異性を決定する方法が報告されている(Wu, Proc. Natl. Acad. Sci., 57 (1):170-71 (1967); Wu, J. Mol. Biol. 14:35(3):523-37 (1968))。同著者らは1つの位置にdNTPを最大4個まで1個ずつ添加し、放射性標識したdNTPを使用して組み込みを確認している。
本発明は従来技術と異なり、部位特異性の試験用プローブとターゲットとによって形成された二重鎖DNAの複数のコピーですべての伸張反応が同時に起こるような反復配列の並行解析の方法を提供する。実施態様によっては、伸張の検出を容易にするため、伸張反応によって生成した光学的シグネチャーをイメージ化する。
本発明の一つの実施態様においては、所定の部位の試験に2つ以上のプローブを用い、両プローブを試験部位の多型または変異、および所定多型部位の近傍の一定範囲の所定外の多型を予想して構成する。好ましい実施態様においては、伸張を確実にするため、これら複数のプローブ配列の少なくとも1つは一定範囲のすべての部位で所定のターゲット配列に一致するものを用いる。
さらにある種の実施態様においては、被覆プローブ集合を使用する。被覆プローブ集合(ここに参照のために全体を引用する米国特許出願公開60/364,416に記述されている)は核酸配列内の所定の複数の多型部位の並行試験を可能とするプローブを含み、その中に各部位に対してターゲットとのアニールが可能なものが少なくとも1つ存在し、伸張反応により当該部位での「一致」(伸張)または「不一致」(伸張せず)のいずれかの値を取り得るようにする。
所定の各部位に対する被覆プローブ集合は1つ以上の部位の異なる2つ以上のプローブを含むことができる。ある種の実施態様においては、プローブ配列にDNA中の任意のヌクレオチドと塩基対を形成し得る汎用的ヌクレオチドを含めることができる。またある種の実施態様においては、エンコードされた微小粒子にプローブを付着させることができ、特に被覆プローブ集合内の2つ以上の異なったプローブを同種の微小粒子に付着させることができる。2つ以上の異なるプローブをビーズに付着させることを「プローブプーリング」と呼ぶ。
TEI領域内の1つの部位における不一致、または二重アンカー(DA)領域(すなわちアニーリングによる部分配列)における3つ以上の部位における不一致があれば、伸張は阻害される。したがってそのような組成の異なる2つのプローブが共に伸張すれば一般に明瞭な伸張パターンが得られる。そのようなプローブはすべて、分離されている(すなわち個別にエンコードされている)限り、多重化して並行的に伸張反応を行わせることができる。
同一のTEI部分配列を有し、DA部分配列が2ヶ所以下で異なるプローブの伸張反応速度(したがって信号強度)は一般に完全一致の場合と同等またはそれ以下である。不一致の許容度を示す前者の場合においては、プローブが一致した対立遺伝子の集合はDA領域内で許容される不一致配列を持つ対立遺伝子をも含むことになる。部分的許容度を示す後者の場合については、対立遺伝子の一致パターンを説明するため3つのアプローチを述べる。第一のアプローチでは、DA領域に1〜2ヶ所のヌクレオチド多型を持つプローブを被覆集合に含め、集合内の各プローブから発生する信号の強度を定量的に比較してターゲット配列に関する情報を得る。第二のアプローチでは、別個のTEI領域とDA領域を連結鎖で接続したプローブを用いて、DA領域とTEI領域を更に引き離し、ターゲットの多型を避ける。第三のアプローチでは、一致した対立遺伝子の集合の拡張が僅かにとどまるような場合にプローブをプールする。
所定外の多型部位を処理ないし同定するこの方法は、配列特異性プローブの多重化伸張に関して特に有用であり、またミニシーケンシング反応(たとえばPastinen et al., Genome Res. 7:606-614 (1997)を参照)にも用いることができる。
ある種の実施態様においては、プライマーの伸張を触媒するポリメラーゼは3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼである。このようなポリメラーゼの例としてはT7 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、ThermoSequenase、Taqポリメラーゼなどがある。ターゲットがRNA配列を含む場合には逆転写酵素を用いることもできる。ポリメラーゼの他に三燐酸化ヌクレオシドを添加することもできる。この場合は4つの塩基すべての添加が望ましい。たとえばdNTPまたはそのアナログが添加できる。他の実施態様においてはddNTPを添加する。
プローブの伸張に成功したことを、伸張したプライマーの固相キャリアの光学的シグネチャーの変化によって示すようにすることができる。このためには公知の直接または間接標識方法が利用できる(拡散の標識、および標識を含むハイブリダイズした核酸の検出については Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Vol. 24, P. Tigson Ed., Elsevier, NY (1993)を参照)。
直接標識法においては、伸張反応により対応する光学的シグネチャーを持つ生成物を得る。ある種の実施態様においては、発色団または蛍光発色団を持つ染料を1つ以上のヌクレオチドに付着させて伸張反応中に添加することにより、伸張したプライマーに特徴的な光学的シグネチャーを付与する。標識した三燐酸化ヌクレオシド(dNTP)、たとえばCyc3-dUTPや三燐酸化ジデオキシヌクレオシド(ddNTP)を用いた伸張の検出法は既に報告されている(Wu, 1968, 前掲)。
間接標識法においては、伸張反応に続く別の工程で光学的シグネチャーを生成させる。本発明は伸張反応の成功を検出するための光学的シグネチャーの作成についても新規な方法を提供するものである。この方法は標識dNTPまたはddNTPを必要とせず、したがってdNTPまたはddNTPが標識されていた場合にその処理のためにポリメラーゼの効率が低下することを避け得る利点を有する。
本発明の方法は更に、三成分ハイブリダイゼーション複合体の形成、およびそのタンデムリピートの並行的試験への適用を含む。連結反応とオンチップ温度サイクルを組み合わせた方法はその一例であるが、これに限定されるものではない。
本発明の一つの実施態様においては、試験工程で三成分ハイブリダイゼーション複合体の形成を利用する。この複合体はターゲットおよび試験用プローブの他に、試験用プローブと隣接してターゲットにアニールされる修飾プローブを含む。この修飾プローブは試験用プローブに連結してもよい。
一つの実施態様においては、試験用プローブと蛍光エネルギー移動対として設計された読み出しプローブとを含む三成分ハイブリダイゼーション複合体を形成する。読み出しプローブの配列はターゲットの選択された部分配列と一致し、ターゲットにアニールされた試験用プローブの3’末端に隣接する1つ以上のリピートを被覆する。換言すれば三成分ハイブリダイゼーション複合体は、試験用プローブの3’末端がターゲットの反復配列多型の部位に整列したときにのみ形成される。三成分ハイブリダイゼーション複合体内の試験用プローブと読み出しプローブに蛍光エネルギー移動対を形成させるため、試験用プローブは3’末端近傍に第一の蛍光発色団(ドナー)を含むように、また読み出しプローブは5’末端近傍に第二の蛍光発色団(アクセプター)を含むように構成する。ドナーとアクセプターがターゲットにアニールされると、両者は通常ヌクレオシド3〜4個以下のギャップで隔てられる。この条件下で三成分ハイブリダイゼーション複合体が形成されると蛍光エネルギー移動が起こり、形成されなければエネルギー移動は起こらない。
蛍光エネルギー移動の一例を図15aおよび図15bに示す。オリゴヌクレオチドプローブの2つの集合を、増幅産物の反復配列の直前の配列に相補的となるように設計する。この設計により、三成分ハイブリダイゼーション複合体は、正しい反復数を含む試験用プローブのみが読み出しプローブの直近に来てドナーからアクセプターへの蛍光エネルギー移動が可能になるように形成される。
このようにして、二重の色検出を用いる並行試験アッセイにおいて、試験用プローブとターゲットとで形成されるハイブリダイゼーション複合体の「リピート内末端配置」と「リピート外末端配置」が容易に区別できる。前者の場合は酸性文ハイブリダイゼーション複合体の形成が可能であり、したがって蛍光エネルギー移動も可能であるから、ドナーの励起波長の光を照射すれば、アクセプターの発光波長の蛍光が発生する。これに対して後者の場合は三成分ハイブリダイゼーション複合体が形成されず、したがってドナーの励起波長の光を照射すると、ドナーの発光波長の蛍光が発生する。
ターゲット中の複数の反復配列を覆う読み出しプローブを使用するこの試験方法は、1回反復の分解能を必要としない長い反復配列多型の解析に特に有用である。一例として、蛋白質をコードする配列の開始部にCAGの三塩基反復の多型部分を有するHuntington遺伝子が挙げられる。この遺伝子のコピーの一つにおいて前記反復部が異常に拡張されているときHuntington病が発症する。本発明は患者の検体内の反復部の拡大を検出するのに利用することができる。
他の実施態様では、試験用プローブと読み出しプローブとの間にギャップが存在しない三成分ハイブリダイゼーション複合体を第一の温度T1で形成させる。読み出しプローブは3’末端またはその近傍に蛍光染料を含む。三成分ハイブリダイゼーション複合体を形成させた後、第二の温度T2で読み出しプローブを試験用プローブに連結し、ハイブリダイゼーション複合体を第三の温度T3 > Tm(Tmは融解温度)で変性させて、読み出しプローブの末端が元のハイブリダイゼーション複合体の反復部内にあることを示す蛍光性鎖のみを残す。この方法を一般化すれば、異なった蛍光染料を含む第二の読み出しプローブを反復配列多型の外の領域にある配列にアニールする、二重色検出法(図19)となる。
この試験方法は温度T1, T2. T3の間でのサイクルを繰り返してオンチップ線形増幅を行うことができ、各ターゲットが連結体形成のテンプレートとして働く。
本発明に開示されているSTR解析方法は、核酸中の反復配列要素やその他の多型を解析するための一般性を有する方法であり、したがってヒト以外のDNAの解析にも利用することができる。
たとえば微生物(細菌など)のDNAを、薬物耐性株などの菌株のタイピングやそれに基づく抗生物質の選択などの目的のために解析することができる。制限酵素断片長多型(RFLP)や多型タンデムリピート(STR, VNTR)のようなDNAマーカーは細菌や酵母菌の株の同定に利用されている。この方法は株が形態的または生化学的マーカーのみによっては識別できない場合に特に有用である。具体的応用例の一つは、知られている限り最も単一構造的な細菌であるBacillus anthrax(炭疽菌)の菌株タイピングであり、vrrA遺伝子の可変領域におけるタンデムリピートの数に基づいて5種の株が識別された。
STR解析法のいま一つの応用は、所望の特徴を示す特定の遺伝的変種の同定と選択である。たとえば特性づけられていない遺伝的因子によって決定される興味ある特徴と、密接に結合した明確な多型部位によって特徴づけるために、これらの遺伝子マーカーが利用できる。マーカー利用選抜(MAS)、植物変種の同定と保護、植物交配、フィンガープリンティングなどの用途に利用されているDNAマーカーとして、各種の一部位変異(SNPなど)や一部位および多部位反復マーカー(VNTR, STR, 単純配列反復(SSR)など)がある。
本発明は以下に示す実施例により一層よく理解されるであろう。ただしここに示す具体的な方法や結果は、後掲の特許請求項によって示される本発明を説明するための事例にすぎないことは当業者の容易に理解し得るところである。
実施例
実施例1:埋め込み遺伝的フィンガープリントによる嚢胞性線維症変異プロファイル
本実施例においては、埋め込み遺伝子標識パネルを内部マーカーとして、遺伝子プロファイル作成のためにCFTR遺伝子の変異を解析した(図1)。問題となるCF変異の大部分はエクソン3〜21に位置している(図2、表1)。CFTR遺伝子内の多型マーカーの頻度はCF患者においても全人口と比べて大きくは異ならないので、これらのマーカーの試験によっても変異染色体と正常染色体との比較分析の結果に偏りは生じない。
適切なプライマーを選択することにより、続くハイブリダイゼーションにおいてCFTR遺伝子内の配列多型とプローブされる所定の変異との同時増幅が確実に行われる。エンコードされたビーズのアレイを使用する好ましい実施態様においては、ビーズの1つの集合を対象CFTR変異に相補的なプローブで修飾し、ビーズの別の集合を選択された多型ID内部マーカーに相補的なプローブで修飾する。このように構成されたビーズのアレイに(増幅された)患者検体の一定量を置き、遺伝的IDの埋め込まれた遺伝子プロファイルを1段階で形成させ記録する。エンコードされたビーズのランダムなアレイを使用する好ましい実施態様においては、下記のアッセイ条件が典型的である。
2種の蛍光染料の異なる組み合わせで染色したビーズをNeutraAvidinおよびビオチニル化オリゴヌクレオチドプローブで官能基化した。後者の操作はTBS(10 mM TrisHCl, 0.5 M NaCl w/v)中、室温で45分間行った。ターゲットはCy5で5’標識した順方向プライマーと燐酸基で修飾した逆方向プライマーを用いて増幅した。プライマーの配列は個々のエクソンに隣接するイントロン配列、またはあるエクソンの始点または終点をマークする配列に相同となるように設計した。このようなプライマーを使用することによりターゲット遺伝子とプライマーで区切られた部位にある多型マーカーとのPCR増幅を同時並行的に行うことができる。
エクソン7多型:3つのCF変異(334W, 347P, 1078T)を含むエクソン7をその末端に隣接するプライマーと共に増幅すると、dbSNP 100083 C/T, dbSNP 100094 C/G, dbSNP 100085 A/G, dbSNP 1799834 C/G, dbSNP 1800086 C/G, dbSNP 1800087 A/Gの各部位の配列多型も同時に増幅される(図3、図4)。これらの多型は、ランダムなアレイをなすエンコードされたビーズ上の対応する一群のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによる試験を受ける内部マーカーである。
エクソン10多型:最も普通なCF変異であるd508はエクソン10上に位置している。エクソン10に存在する、dbSNP 100089 C/T, dbSNP 100090 C/T, dbSNP 213950 A/G, dbSNP 100092 C/G, dbSNP 1801178 A/G, dbSNP 180093 G/T, dbSNP 180094 A/G, dbSNP 1900095 G/TなどのSNP(図5)が変異と共に増幅され、ランダムなアレイをなすエンコードされたビーズ上の対応する一群のオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによる試験を受ける
患者検体から抽出されたゲノムDNAを、一群のプライマーを用いて多重PCR(mPCR)反応により増幅した。嚢胞性線維症の解析のためのmPCRの好ましい実施方法(L. McCurdy, Thesis, Mount Sinai School of Medicine, 2000, 参考のため全体を引用)は次のとおりである。融解温度の範囲を限定するために各々の5’末端を汎用配列でタグ付けしたキメラプライマーを用いて多重PCRを行う。PCR用プライマーは5’末端にCy5またはCy55 (Amersham)を含むように合成する。Perkin Elmer 9600サーマルサイクラーを用いて28回の増幅サイクルを実行する。各サイクルは48秒間のランプに続く94°Cで10秒間の変性工程、36秒間の第二のランプに続く60°Cで10秒間のアニール工程、38秒間のランプに続く72°Cで40秒間の伸張工程から成る。50 mLの反応混合物は500 ngのゲノムDNA、1XのPCR緩衝液(10 mM TrisHCl, 50 mM KCl, 0.1% Triton X-100)、1.5 mMのMgCl2、各200 mMのPCRグレードdNTP、5単位のTaq DNAポリメラーゼを含む。各プライマー対に対して最適濃度を決定した。
増幅に続いてその産物を精製してすべての試薬を除去し、分光分析でDNA濃度を決定した。単鎖ターゲットを生成させるため、PCR産物200 ngを(l)エクソヌクレアーゼ2.5単位と共に1X緩衝液中で37°Cで20分インキュベートし、75°Cで10分不活化した。この条件では二重鎖DNAの一方の鎖が酵素によって5’燐酸化末端から消化され、5’-ホスホモノヌクレオチドを生成する(図6)。生成物は直接ハイブリダイゼーション混合物(2.25 M TMAC, 0.15% SDS, 0.15% 3 mM EDTA)に使用した。
各ハイブリダイゼーション反応では、オリゴヌクレオチドプローブを付着させた、エンコードされたビーズのアレイを担持するシリコンチップ上にハイブリダイゼーション混合物5 mLを置き、チップを蓋付き容器に入れてインキュベーターの振動面(約200 rpm)に載せ、55°Cで15分間保持した。ついで1XのTMAC緩衝液でAREIを3回フラッシュして洗浄した後、蛍光顕微鏡、CCDカメラ、画像解析ソフトウェアを用いてアレイ内の各ビーズからのCy5の蛍光信号を記録・解析して変異プロファイルを決定した。
実施例2:埋め込み遺伝子フィンガープリントによるDuchene筋ジストロフィー変異のプロファイル
本実施例はDuchene筋ジストロフィー(DMD)に対する遺伝子IDの設計を例示するものである。DMDは主として男子に見られるX連鎖劣性遺伝形質であり、筋力の進行的減退を特徴とする。筋肉中のDMD蛋白質(ジストロフィン)の分析は正確な診断方法であるが、侵襲的であり、コストもリスクも高い。またDMD蛋白質は羊水や絨毛膜絨毛組織には発現しないため、この方法は出生前診断には不適である。一方DMD遺伝子はクローニングされており、10種のcDNAプローブとのハイブリダイゼーションを要するサザンブロット法(Kunkel et al., Nature, 322: 73-77 (1986))により、いくつかの欠損が見出されている(図7)。
これらの遺伝子欠損を同時解析するための多重PCRプロトコルが報告されている(Monaco et al., Nature, 323: 646-650 (1986))。DMD遺伝子に存在する多くのジヌクレオチド反復多型数個の集合から内在的な遺伝子IDを導くことができる。DMD遺伝子内の遺伝子欠損と多型IDマーカーの解析プロトコルを図7に示す。PCRプライマーはエクソン配列に隣接し、相手配列内に欠損が存在するとターゲットの増幅が妨げられ以後の試験での応答がゼロとなるように設計する。
実施例3:遺伝子プロファイルと遺伝子フィンガープリント記録との照合
DNAフィンガープリンティングの既知の手法、たとえば新生児検診の一環として行なわれる方法や特定集団全体(軍隊、囚人など)に適用される方法によって記録された遺伝子フィンガープリントが与えられたとき、本発明の方法は遺伝子検査と同時に遺伝子フィンガープリントを認証する方法を提供する。たとえば父子関係の鑑定や法医学検査のために記録されたSTRなどのマーカーを利用することができ、またSNP遺伝子タイピングまたはハプロタイピングで得られたマーカーも利用することができる。したがって遺伝子IDの照合により、埋め込み遺伝子IDを持つ遺伝子プロファイルを特定の患者レコードに一義的に結びつけることができる。たとえばある人物の遺伝子フィンガープリントを、本発明による他の遺伝的データと共にデータベースに記録しておき、その人物が次に何らかの遺伝子検査(たとえば遺伝病検査、ハプロタイピングなど)、第1回と第2回の検査それぞれの遺伝子フィンガープリントを比較することにより、第2回検査の結果を一義的に証明することができる。
実施例4:TH01におけるSTR鎖長多型のオンチップ同定
HUMTH01遺伝子座にはチロシンヒドロキシラーゼ遺伝子のテトラヌクレオチド反復(CATT)が含まれている。このSTR多型の長さを決定するため、ターゲットの後続配列に相補的な、6つのヌクレオチドから成る5’アンカー配列、およびターゲットの先導配列に相補的な、6つのヌクレオチドから成る3’アンカー配列有する次のようなオリゴヌクレオチドプローブを設計した。

Figure 0004741233
ターゲット中の反復配列の長さを決定するため、一群のオリゴヌクレオチドプローブの集合を作成し、ターゲットの相補的な配列に予想される反復数に長さにおいて、したがってCATT配列要素の反復数において一致するプローブを含める。テトラマー反復の正確な数を含むプローブのみが、5’アンカーと3’アンカーがターゲットの後続配列および先導配列にそれぞれ整列して、ターゲットとハイブリダイゼーション複合体を形成することができ、またそのように正確に整列したプローブのみが伸張により陽性の信号を発することができる。
企業(Synthegen, TX)への発注により、17個のヌクレオチドを含み5’末端に12Cスペーサーを介してビオチン標識(ビオチン-TEG)を付加したオリゴヌクレオチドプローブを作成し(図9a)、又、逆相HPLCを用いて精製した。エンコードしたビーズにストレプタビジンを被覆し、シリコンチップ上に平面アレイとして配列し、ビオチン成分を利用してプローブを付着させた。CATT渇6個を有する単鎖ターゲット1 mMを含むハイブリダイゼーション混合物(10 mM TrisHCl (pH 7.4), 1 mM EDTA, 0.2 M NaCl, 0.1% Triton X-100)をエンコードしたビーズのランダムアレイに接触させ、50°Cで20分間インキュベートした。ついでThermoSequenase (Amersham Pharmacia Biotech, NJ) 3単位、1X酵素緩衝液、TAMRA標識ジデオキシヌクレオチド(ddNTP)アナログ(NEN Life Sciences)を含む混合物でハイブリダイゼーション混合物を置換し、60°Cで3分間プローブの伸張を行った。ddNTPまたはdNTPを混合物に添加し2つの温度で反応を行わせれば、アニールと伸張を1段階で行うことができる。ついでビーズアレイを蒸留水で15分間洗浄し、アレイ中の各ビーズからの蛍光信号を含むイメージを蛍光顕微鏡とCCDカメラで記録し、イメージの解析により伸張した(したがって蛍光性の)プローブを同定した。図9bに示すように、最大の信号はテトラマー6個を含むプローブST-6によるものであり、このプローブがターゲットの反復部に正しく一致する反復数を含んでいることを示す。
実施例5:3’アンカー(フック)配列を有するプローブを用いるSTR鎖長多型のオンチップ同定
短い3’アンカー(フック)配列を含む(しかし5’アンカー配列を含まない)ように設計されたオリゴヌクレオチドをエンコードされたビーズに付着させた(図10a)。さらに具体的には、テトラマー6個に隣接して5’先導配列と3’後続配列を持つターゲット断片の試験のため、テトラマー反復をそれぞれ3個、4個、6個含むプローブを設計した。
この設計ではすべてのプローブがターゲットとハイブリダイゼーション複合体を形成し、プローブの3’アンカー配列がターゲットの先導配列と正しく整列する。しかしアッセイ温度を最長以外のプローブの融解温度より高く設定することによって、最長プローブのみが残って伸張し、陽性のアッセイ信号を与えるようにすることができる。
前述と同様にDNAポリメラーゼとddGTPの存在下で1塩基の伸張を行った。予想どおりテトラマー6個を含むプローブを持つビーズからの信号が最強であった(図10b)。この結果は本発明による組成物および方法の弁別レベルが高いことを示している。
実施例6:二重色検出を用いるSTR鎖長多型のオンチップ同定
実施例4と同様なオリゴヌクレオチドを設計した。ただし単塩基伸張反応は、それぞれTAMRA(緑色)とフルオレセイン(橙色)で標識した2種のddNTP (NEN Life Sciences)の存在下で行った(図11a)。アニールされたプローブの末端が反復配列の外部にあれば緑色ddNTPを用い(外部マーカー)、アニールされたプローブの末端が反復配列の内部にあれば橙色ddNTPを用いた(内部マーカー)。テトラマー6個の反復を持つターゲットを溶液に加え、前述の方法でアッセイおよび分析を行った。緑色チャンネルでは前述の場合と同じく、テトラマー6個の反復を含むプローブST-6の伸張で生じた信号が最強であり、このプローブが正しい反復数を持つことが示された。しかし橙色チャンネルではテトラマー3個のプローブST3およびテトラマー4個のプローブST4の伸張によって生じた信号が強く、これらのプローブの末端が反復配列内部に位置し、反復数が正しくないことを示している(図11b)。この二重色検出方式は集合中のすべてのプローブに対して陽性信号を発することにより、アッセイ結果の確認を更に確実なものとしている。
実施例7:プローブのスリップに対するアンカー長の影響
テトラマー3, 4, 5個の反復に加えて、それぞれヌクレオチド6個、11個の5’アンカー配列を有する次のような2つのオリゴヌクレオチド集合を合成した。

Figure 0004741233
前述の場合と同様5’アンカーはターゲットの反復に隣接した後続配列に相補的に設計した。ターゲット中の反復の長さを決定するため、ターゲットの相補的な配列に予想される反復数に長さにおいて、したがってCATT配列要素の反復数において一致する1つのプローブを含めた。
前述(実施例4)の反応条件を用いたとき、長い5’アンカー配列を含むプローブは短い5’アンカー配列を含むプローブよりも高いレベルの信号を発し、長いプローブから生じたハイブリダイゼーション複合体が安定であることが示された(図12)。アンカー配列は実験目的に応じて変更することができる。
実施例8:STR多型解析の特定性に対するアニール温度の影響
実施例5と同様のオリゴヌクレオチドプローブを設計し単塩基伸張を行った。ただしアニール温度を37°Cと50°Cの二通りとした。50°Cで得られた結果のイメージ解析では、正しい反復数を含むST-6プローブと、反復数の正しくない他のプローブとの間に明確な区別が可能であるのに対して、37°Cで得られた結果のイメージ解析では実質的にほとんど差が見られなかった(図14)。すなわちアッセイ温度の正しい選択によって検出の特定性を著しく改善することができる。
実施例9:センスおよびアンチセンスプローブ
本実施例は3’アンカー配列も5’アンカー配列も含まないオリゴヌクレオチドプローブを用いてセンス、アンチセンス両DNA鎖の解析を行う方法を例示する。別の実施態様においては、センス・アンチセンス両DNA鎖の後続配列および先導配列に相補的なそれらのアンカー配列を含むオリゴヌクレオチドプローブを使用することも可能である。2つのプローブ集合をそれぞれ別個に、同一チップキャリアに担持した2つのシリコンチップ上に形成したエンコードされたビーズのアレイに付着させた。ターゲットは各々6個の反復と3’後続配列および5’先導配列を持つ2つのプライマー集合によって増幅した。実施例5と同様にDNAポリメラーゼとddNTPの存在下で単塩基伸張を行った。この場合ターゲットの反復数に一致する正しい反復数を持つプローブのみが伸張した。
実施例10:Poly Tの識別
CFTR遺伝子のイントロン8のポリチミジン(Poly T)領域の変種(5T, 7T, 9T)を識別するためのオリゴヌクレオチドプローブを設計した。各プローブは企業(IDT)への発注により、12Cスペーサー(ビオチンTEG)を介して5’末端にビオチン標識を含むように、逆相HPLCで合成した。このプローブは、ターゲットの3’後続配列に一致する5’アンカー配列と、ターゲットの5’先導配列に一致する3’アンカー配列(フック)を含むように設計されている。アンカー配列の長さは4〜10塩基の範囲で変化させたが、更に長いアンカー配列も可能である(図16)。前述と同様に、反復数の異なるいくつかのプローブをエンコードされたビーズに固定化した。
この設計においては、ターゲット配列に整列しターゲットの反復数に一致するプローブのみがDNAポリメラーゼの存在下で伸張する。伸張工程でdNTPを添加し、少なくとも1つの蛍光標識dNTPによって蛍光標識された伸張産物を形成するか、または1つ以上の標識ddNTPによって前述と同様に単塩基伸張を行うかの何れかとする。信号は別途説明したようにアレイの即時イメージングによって記録する。長さの異なるPoly T変種を含むターゲットを用いた実験の結果により、それぞれの変種の識別が可能であることが示される。
実施例11:CFTR遺伝子のPoly T変種の識別
nT変種を含むハイブリダイゼーション複合体の融解温度Tm (n)は、変種の長さと共にプローブとターゲットの不一致の程度をも反映する。したがって、ターゲットのPoly T配列と一致するかそれより長いプローブを含むハイブリダイゼーション複合体のみを残して他のすべてのハイブリダイゼーション複合体を不安定化するようなアッセイ温度を選ぶことにより、高い弁別能力を得ることができる。たとえば7T変種を含むターゲットはアッセイ温度Tを、Tm (5) < T < Tm (7), Tm (9)を満たすように選択することにより容易に識別することができる。
アッセイの実行では、10 mMのTrisHCl、1 mMのEDTA、0.2 MのNaCl、0.1%のTriton X-100 、3単位のThermSequenase (Amersham Pharmacia Biotech, NJ)を含むアニール・伸張反応混合物に1 mMのターゲットとTAMRA標識ジデオキシヌクレオチド(ddNTP)アナログ(NEN Life Sciences)を添加した。
アニール・伸張反応の後ビーズアレイを蒸留水で15分間洗浄し、アレイ内の各ビーズからの蛍光信号を蛍光顕微鏡とCCDカメラで記録し、イメージを解析して伸張したプライマーの各々を同定した。図17に示す結果から、本発明の組成物と方法によりターゲット中のPoly T変種が適切に同定されることがわかる。
実施例12:長い反復の解析のための階層的プローブ設計
本実施例は、多くの遺伝病に共通するターゲットの長い反復配列を解析するためのプローブの設計方法を示すものである。この方法は「ベース・オフセット型」と呼ばれる構造に基づくものである。「ベースプローブ」は1N, 2N, 3N...個(N > 1)の反復を含み、それぞれエンコードされたビーズに付着させる。第二の集合である「オフセットプローブ」はN + n個(n < N)の反復を含むように作成する。ここで必要なコードの数を最小限にするため、同一オフセットを含むプローブは同種のエンコードを施したビーズに付着させる。図18は5’アンカー配列などの共通因子を持つ2つの異なったプローブの設計を示す。
この方法は診断のために反復1個の分解能が必要とされない場合に特に有用である。たとえばある種の病変(たとえばHuntington病)への素質の診断においては、反復1個の精度が必要なのは、病変の確率を決定する、反復数35〜41の範囲のみである。すなわち41個を超える反復を持つ患者は発症し、35個未満の患者は発症せず、35〜41個の間で発病の可能性が次第に増加する。
たとえばターゲットの反復42個までを分解能7(すなわちN = 7)で決定するには、反復数7, 14, 21,...42個を含む6つのベースプローブを作成し、エンコードされたビーズに付着させる。前実施例に示したアッセイ条件で、ターゲットの反復数と一致するかまたはそれ以上の反復数を含むもの以外のプローブを含むハイブリダイゼーション複合体はすべて不安定化される。たとえばアッセイ温度TをTm (35)を超える値(アッセイに先立ち正確に決定できる)に設定すれば、ターゲット反復数32の検体は反復数35および42のベースプローブに対してのみ信号を発生し、ターゲット反復数39の検体は反復数42のベースプローブに対してのみ信号を発生する。前者の場合はそれ以上の解析は不要である。後者の場合はターゲットの反復数が少なくとも35であることが決定され、正確な数を決定するためにオフセットプローブの集合を使用する。ここではオフセットはn < 7、すなわち1〜6の範囲で変化する。同一のオフセット数を持つプローブはグループ化する。すなわち0 + 1, 7 + 1, 14 + 1,...35 + 1個の反復を持つプローブ、0 + 2, 7 + 2, 14 + 2,...35 + 2個の反復を持つプローブ、以下同様に0 + 6, 1 + 6, 14 + 6,...35 + 6個の反復を持つプローブまでをそれぞれグループ化(プール)し、同種のエンコードされたビーズに付着させる。前述のアッセイ条件では39個の反復を含む検体はn = 4, 5, 6のオフセットプローブに対しては信号を発生するが、n = 1, 2, 3のオフセットプローブに対しては信号を発生しない。なぜなら前者の3つのグループは反復数35 + 4, 35 + 5, 35 + 6のプローブを含むのに対して、後者の3つのグループでは最大の反復数35 + 3でもターゲット反復数と一致またはこれを超えることがないからである。この一組のアッセイ結果からターゲットの正確な反復数を決定することができる。
これに関連した別の設計では、2組のベースプローブを使用し、第二の集合を第一の集合に対してシフトしたものとする。上の例では第二のベースプローブ集合をD = 3だけシフトしたとすれば、反復数0 + 3, 7 + 3, 14 + 3,...35 + 3のプローブが含まれることになる。これらを各々エンコードされたビーズに付着させる。反復数39の患者検体に対しては、第一のベースプローブ集合は反復数42のベースプローブに対してのみ信号を発生し、したがってターゲット反復数は> 35であることがわかる。第二のベースプローブ集合は信号を発生せず、したがってターゲットの反復数は> 38であることが示される。このようにシフトを伴う複数のオフセットプローブを使用する方法は、ターゲットの反復数の範囲を限定するのに特に有用である。
実施例13:連結反応とオンチップサイクリングによる多型反復の同定
本実施例では、TH01位置の反復数を決定する実験において、標識した検出プローブとそれに隣接する固定化した捕捉プローブとを連結し、両プローブとターゲットを含む三元ハイブリダイゼーション複合体を形成する。
検出プローブはターゲットの先導配列と相補的であり(実施例1と同様)、かつ反復配列の一部とも相補的であるように設計される。第一の温度T1においてターゲットを固定化した捕捉プローブにアニールし、同じ温度、好ましくはこれより高い第二の温度T2 > T1において検出プローブを加え、ターゲットの先導配列にアニールすると、ターゲットの反復数に正しく一致する反復数のプローブのみが連結される。接合されていない三成分ハイブリダイゼーション複合体を不安定化するような第三の温度T3 > T1, T2においては、接合された検出プローブを含むビーズからの信号のみが残る(図19a)。これらのビーズによって正しい反復数を持つプローブが同定される。
この設計の変形として、T1 < T2 < T3のサイクルを繰り返すアッセイによって、ターゲットの各単鎖に多重連結反応を行わせる方法がある。捕捉および検出プローブが過剰に存在する条件でサイクルを実行すると線形の信号増幅が行われる。このアッセイは各温度で直ちにイメージングを行うことのできる携帯型サーモサイクラーで実行できる。
本発明の目的、特徴および効果は以下の詳細な説明および附属の図面を参照することにより一層明瞭に理解することができよう。ただし説明は単なる例示と解さるべきものである。
図1は埋め込み遺伝子IDを作成するプロトコルを示す図である。 図2はCFTR領域の制限マップを示す図(XはSNPマーカー、D7S122およびD7S8はSTR、METはメチオニン、NOT1は制限部位、IRPは遺伝子)である。 図3はCFTR遺伝子のエクソン内部の変異を示す図である。 図4はCFTR遺伝子のエクソン7内部の多型マーカーを示すDNA配列である(大文字は既知の多型を示す)。 図5aはCFTR遺伝子のエクソン10内部の多型マーカーを示すDNA配列である。 図5bはCFTR遺伝子のエクソン10内部のSNPを同定するためのプローブを示す図である。 図6は燐酸化プライマーを用いたPCR解析のプロトコルを示す図である。 図7はジストロフィン遺伝子の欠損の解析プロトコルを示す図である。大部分の多型マーカーはこの遺伝子内の欠損である。この欠損の生じているエクソンの隣接する配列を増幅するためのプライマーを設計することができ、欠損している配列と多型マーカーを同時に同定することも可能である。 図8はミトコンドリアのゲノムを示す図であり、円の外側に遺伝子、内側に変異や多型を生ずる種々の疾患が示されている。 図9aは標識ddNTPをアンカー配列とするSTR鎖長多型プローブの設計を示す図である。 図9bはSTR多型を用いて得られたTHO1遺伝子座に対する結果を示す図である。 図10aはアンカー配列を持たないSTR鎖長多型プローブの設計を示す図である。 図10bはアンカーを持たないプローブを用いて得られたTHO1遺伝子座に対する結果を示す図である。 図11aは2つの異なった標識ddNTPを持つオンチップSTR鎖長多型を示す図である。この場合ddNTPは異なった色により区別される。 図11bは2つの異なった標識ddNTPにより得られた結果を示す図である。ここで緑色のddNTPは正しいマッチングに、赤色ddNTPはプローブ末端がリピート内部にある場合に対応する。 図12は6塩基および11塩基のアンカーを用いてSTR多型解析を行ったときの、SBEに対するアンカー長の影響を示す図である。 図13はSTR多型解析のためのハイブリッドプライマーを示す図である。 図14はSTR多型解析におけるSBEに対するアニール温度の影響を示す図である。 図15aは内部試験用プローブにおける蛍光エネルギー移動を示す図である。 図15bは外部試験用プローブにおける蛍光エネルギー移動を示す図である。 図16はCRTR遺伝子のイントロン8内のポリT変異形を同定するためのプローブ配列の設計を示す図である。 図17はCRTR遺伝子のイントロン8内のポリT変異形を用いて種々のターゲットを同定した結果を示す図である。 図18はより長いリピート、たとえば10〜数百塩基のリピートを同定するためのプローブ配列の設計を示す図である。 図19aは試験用プローブの連結反応によるリピート配列の同定を示す図である(T1は初期アッセイ温度、T2は最終アッセイ温度でありT2はT1より高い)。 図19bは連結反応およびオンチップサイクリングによりリピート配列の同定を示す図である(T1, T2, T3は3つの異なるアッセイ温度を示し、T3 > T2 > T1である)。

Claims (28)

  1. 患者の遺伝子サンプルから得られた又は起因した一又はそれ以上の核酸配列を解析し、前記サンプルを用いて前記患者を同定する組成物であって、前記組成物が:
    患者のサンプルから得られた又は起因した前記一又はそれ以上の核酸配列を同定するための第一の集合に属するオリゴヌクレオチドと
    マーカー配列を同定するための第二の集合に属するオリゴヌクレオチドと
    を具え、前記マーカー配列が前記患者のサンプルの部分配列から起因したものであり、前記部分配列が、各々少なくとも一つの多型マーカーを含んでおり、前記マーカー配列の同定が前記患者の同定であり、前記組成物中に含まれる前記第一および第二の集合に属するオリゴヌクレオチドがビーズに付着しており、前記ビーズが平面状アレイに配列されており、前記ビーズが前記ビーズに付着したオリゴヌクレオチドを同定する化学的又は物理的に識別可能な特性を伴うことを特徴とする組成物。
  2. 前記ビーズアレイが、前記第二の集合に属するオリゴヌクレオチドと前記第一の集合に属するオリゴヌクレオチドが異なるサブアレイに配置されているサブアレイを具えることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記多型マーカーが単塩基多型であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記多型マーカーがショートタンデムリピート部位であることを特徴する請求項1に記載の組成物。
  5. 前記化学的識別可能な特性が、前記ビーズに付着したオリゴヌクレオチドを同定する光学的に検出可能な標識であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記一又はそれ以上の核酸配列が、任意の配列が変位を含むか否かを決定するよう解析され、前記核酸と前記多型マーカーが同一遺伝子内に位置することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記一又はそれ以上の核酸配列が、任意の配列が変位を含むか否かを決定するよう解析され、前記一又はそれ以上の核酸配列と多型マーカーが異なる遺伝子内に位置することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 前記一又はそれ以上の核酸配列と前記マーカー配列が、患者の遺伝子サンプル内の一又はそれ以上の核酸部分配列を増幅することにより患者の遺伝子サンプルから起因したものであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記増幅がポリメラーゼ連鎖反応を用いて行われることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
  10. 前記第一の集合に属するオリゴヌクレオチドのメンバが、前記一又はそれ以上の核酸配列にアニーリング可能であり、第二の集合に属するオリゴヌクレオチドのメンバが、前記マーカー配列にアニーリング可能であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  11. 一又はそれ以上の種類のデオキシリボヌクレオチド三燐酸又はジデオキシリボヌクレオチド三燐酸を組み込むことによって、前記第一の集団に属するオリゴヌクレオチドのメンバ、又は前記第二の集団に属するオリゴヌクレオチドのメンバ、又は前記第一及び前記第二の集合双方のメンバが、アニーリングに続く伸長が可能であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  12. 前記デオキシリボヌクレオチド三燐酸又は前記ジデオキシリボヌクレオチド三燐酸が標識化され、前記伸長されたオリゴヌクレオチド内で光学的に検出可能であることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 前記標識が光学的に識別可能であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
  14. 患者の遺伝子サンプルから得られた又は起因した一又はそれ以上の核酸配列を解析し、かつ前記サンプルを提供する前記患者を同定する方法において、当該方法が:
    (a)前記患者サンプルから得られた又は起因した前記一又はそれ以上の核酸配列を同定するための第一の集合に属するオリゴヌクレオチドを提供するステップと:
    (b)マーカー配列を同定するための第二の集合に属するオリゴヌクレオチドを提供するステップで、前記第一及び第二の集合に属するオリゴヌクレオチドとを含む組成物が提供され、前記マーカー配列が患者の遺伝子サンプルにおける部分配列に起因しており、前記部分配列は各々が少なくとも一つの多型マーカーを含み、前記マーカー配列の同定が前記患者を同定するためのものであり、前記組成物中に含まれる前記第一及び第二の集合に属するオリゴヌクレオチドがビーズに付着しており、前記ビーズが平面状アレイに配列されており、前記ビーズは、前記ビーズに付着したオリゴヌクレオチドを一義的に同定する化学的又は物理的に識別可能な特性を伴うステップと;
    (c)前記オリゴヌクレオチドのアニーリング又はアニーリングに続いてアニーリングしたオリゴヌクレオチドが伸長する条件下で、前記一又はそれ以上の核酸配列と複数のマーカー配列を前記第一及び第二の集合に属するオリゴヌクレオチドと接触させるステップと;
    (d)前記一又はそれ以上の核酸配列に対する前記第一の集合に属するオリゴヌクレオチドと、前記マーカー配列を伴う前記第二の集合に属するオリゴヌクレオチド間でのアニーリング又はアニーリングに続く伸長を検出し、前記方法がこれによって前記一又はそれ以上の核酸配列の解析と前記患者の同定の分析を提供するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  15. 前記ビーズアレイがサブアレイを具え、前記第二の集合に属するオリゴヌクレオチドと第一の集合に属するオリゴヌクレオチドが異なるサブアレイに位置するサブアレイを具えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記多型マーカーが単塩基多型であることを特徴する請求項14に記載の方法。
  17. 前記多型マーカーがショートタンデムリピート部位であることを特徴する請求項14に記載の方法。
  18. 前記平面状ビーズアレイを電極上に配置したことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  19. 前記ビーズが前記ビーズに付着したオリゴヌクレオチドを一義的に同定する化学的標識を伴うことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  20. 前記化学的標識が蛍光染料であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記一又はそれ以上の核酸配列が、それが変位を含むか否かを決定するよう解析され、前記核酸と前記多型マーカーが同一遺伝子内に位置することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  22. 前記一又はそれ以上の核酸配列と前記マーカー配列が、前記患者の遺伝子サンプル中の一又はそれ以上の核酸部分配列を増幅することにより患者の遺伝子サンプルから取り出したものであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  23. 前記増幅がポリメラーゼ連鎖反応を用いて行われることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記第一の集合に属するオリゴヌクレオチドのメンバが前記一又はそれ以上の核酸配列にアニーリング可能であり、前記第二の集合に属するオリゴヌクレオチドのメンバがマーカー配列にアニーリング可能であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  25. 前記第一の集合に属するオリゴヌクオチド又は前記第二の集合に属するオリゴヌクレオチド又は前記第一と第二の集合双方が、一又はそれ以上の種類のデオキシリボヌクレオチド三燐酸又はジデオキシリボヌクレオチド三燐酸を組み込むことによってアニーリングに続く伸長が可能なメンバを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  26. 前記デオキシリボヌクレオチド三燐酸又はジデオキシリボヌクレオチド三燐酸が標識化されていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記一又はそれ以上の核酸配列が変異部位を含み、前記第一の集合に属するオリゴヌクレオチドが、前記変異部位を含む前記配列中、又は前記変異部位に近接する領域内にある部分配列にアニーリング可能なメンバを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  28. 前記マーカー配列が多型部位を含み、前記第二の集合に属するオリゴヌクレオチドが、前記多型部位を含む前記マーカー配列中、又は多型部位又は多型部位に近接した領域内にある部分配列にアニーリング可能なメンバを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
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