JP4740096B2 - 散乱型偏光子 - Google Patents

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Description

本発明は、輝度向上フィルム等として利用することができる散乱型偏光子、詳しくは、特定の偏光方向の光のみ透過させ、他の偏光方向の光を反射させる散乱異方性を備えた散乱型偏光子に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)の構成例として、図1に示すように、液晶セルの背面側(裏面側)に、ガラス基板、偏光フィルム、輝度向上フィルム、拡散フィルム、冷陰極管(バックライトユニット)および反射シートなどを順次積層してなる構成を例示することができる。
かかる構成において、偏光フィルムは、特定の偏光方向の光(直線偏光)のみを透過させて液晶セルに供給し、その他の偏光方向の光を吸収する役割を果たすため、偏光フィルムのみでは液晶セルに供給する光量が減少し、画像が暗くなってしまう。そこで、上記構成のように、偏光フィルムの光源側に輝度向上フィルムを配設することにより、偏光フィルムが透過する偏光方向の光量を増加させて液晶セルに供給し得る光量を増大させ、画像を明るくすることが行なわれている。
この種の輝度向上フィルムとして、散乱型偏光子を利用したものが知られている。散乱型偏光子を輝度向上フィルムとして利用すると、輝度向上フィルムを通過する光の偏光方向と偏光フィルムを通過する光の偏光方向とを合致させれば、偏光フィルムに吸収される偏光方向の光が手前側の輝度向上フィルムで光源側に反射され、輝度向上フィルムと反射シートとの間で反射及び散乱が繰り返されるうちに光の偏光方向が変化して偏光フィルムを通過するようになり、偏光フィルムを通過する光の光量が増大して画像の輝度を向上させることができる。
このような散乱型偏光子としては、例えば特許文献1に開示されているように、ポリエステル系樹脂などで構成されたフィルムを多層積層した偏光子が知られている。
また、複屈折性が異なる2種類のポリマーからなる相分離構造を有するポリマーブレンドを一軸延伸してなる散乱型偏光子が知られている。このような散乱型偏光子は、延伸方向と垂直方向で偏光の散乱度合いが異なる散乱異方性を備えているため、特定の偏光方向の光を選択的に透過し、他の偏光方向の光を選択的に反射又は散乱させることができる。例えば特許文献2には、2,6−ポリエチレンナフタレートなどからなる第1の高分子中に、ポリメチルメタクリレートやシンジオタクチックポリスチレンなどの第2の高分子が分散したシートを延伸してなるものが開示されている。
特表平9−506985号公報 特表2000−506990号公報
本発明は、2種類のポリマーで構成される相分離構造を有する散乱型偏光子において、輝度向上に負の影響をもたらす要因を究明し、かかる要因を低減することにより、輝度をさらに向上させ得る散乱型偏光子を提供せんとするものである。
本発明は、ポリエステル系樹脂(A)からなる連続相と、ポリスチレン系樹脂(B)からなる分散相とを有する散乱型偏光子であって、黄色度(YI値)が−3〜3の範囲内であることを特徴とする散乱型偏光子を提案する。
本発明者は、ポリエステル系樹脂(A)からなる連続相と、ポリスチレン系樹脂(B)からなる分散相とを有する散乱型偏光子について鋭意研究した結果、散乱型偏光子の黄色度(以下、単に「YI値」ともいう)と輝度向上率との間に相関があることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を想到したものである。
ポリエステル系樹脂(A)からなる連続相と、ポリスチレン系樹脂(B)からなる分散相とを有する散乱型偏光子において、そのYI値が−3〜3の範囲内であれば、例えば輝度向上フィルムとして液晶ディスプレイ等に組み込むことにより、画像の精彩性をより一層良好にすることができ、輝度向上率をより一層高めることができる。
なお、本発明において、散乱型偏光子の形態は特に限定するものではなく、板状、シート状、フィルム状、ペレット状その他の形態を包含する。
また、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、通常はその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品を称し、また、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものを称するが(日本工業規格JISK6900)、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
発明を実施するための形態
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」を意図し、同時に「Xより大きくYよりも小さいことが好ましい」旨の意図も包含する。
本実施形態に係る散乱型偏光子(以下「本偏光子」という。)は、ポリエステル系樹脂(A)からなる連続相と、ポリスチレン系樹脂(B)からなる分散相とを有する散乱型偏光子であって、YI値が−3〜3の範囲内であることを特徴とする散乱型偏光子である。
本偏光子のYI値は−3〜3の範囲内、特に−2〜2の範囲内であるのが好ましい。前述したように、ポリエステル系樹脂(A)からなる連続相と、ポリスチレン系樹脂(B)からなる分散相とを有する散乱型偏光子において、YI値が−3〜3の範囲内であれば、例えば輝度向上フィルムとして液晶ディスプレイ等に組み込むことにより、画像の精彩性をより一層良好にすることができ、輝度向上率をより一層高めることができる。
本偏光子は、例えば、連続相を構成するポリエステル系樹脂(A)と、分散相を構成するポリスチレン系樹脂(B)とを含有する組成物をシート状に製膜し、得られたシートを延伸することにより得ることができる。
この際、本偏光子のYI値は、例えば、原料である組成物の主成分樹脂、すなわちポリエステル系樹脂(A)及びポリスチレン系樹脂(B)の種類や、相溶化剤の種類、シートに含有される不純物、例えば結晶核剤(シリカ)や金属等の種類や量などによって調整したり、ブルーイング剤等の添加によって調整したりすることが可能であるが、中でも、ポリエステル系樹脂(A)および/またはポリスチレン系樹脂(B)のYI値、特にポリエステル系樹脂(A)のYI値を選択することによって本偏光子のYI値を調整するのが好ましい。
具体的には、ポリエステル系樹脂(A)および/またはポリスチレン系樹脂(B)のYI値、特にポリエステル系樹脂(A)のYI値が−10〜10の範囲内、特に−3〜3の範囲内であるものを用いるのが好ましい。かかるYI値のポリエステル系樹脂(A)および/またはポリスチレン系樹脂(B)、特にポリエステル系樹脂(A)を用いることにより、本偏光子のYI値を有効に調整することができる。
また、ポリエステル系樹脂(A)、ポリスチレン系樹脂(B)が各々混合物からなる場合には、各樹脂ともにYI値が−10〜10の範囲内であることが好ましい。
本偏光子において、連続相を構成し得るポリエステル系樹脂(A)としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またはそのエステルと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1.4シクロヘキサンジメタノール、などのグリコールとを重縮合して得られる芳香族ポリエステル樹脂、ポリε−カプロラクタム等、ラクトンを開環重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等、二塩基酸とジオールとを重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール等ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステル樹脂、前記脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部、例えば全エステル結合の50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステルなどを挙げることができる。
中でも好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)など、芳香族分子を含む結晶性ポリエステルを挙げることができる。これらのうち2種類以上の組合せからなるポリマーブレンド或いはコポリマー(共重合体)も好ましいものと言える。
その中でも特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、或いは、これらのコポリマーは好ましいものである。
そして、上記のポリエステル系樹脂の中から、YI値が−10〜10の範囲内、特に−3〜3の範囲内であるものを選択して用いるのが好ましい。
ポリエチレンナフタレート(PEN)の場合であれば、例えばテオネックスTN8065S(ポリエチレンナフタレートのホモポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.71)、テオネックスTN8065SC(ポリエチレンナフタレートのホモポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.55)、テオネックスTN8756C(ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートのコポリマー、帝人化成(株)製、固有粘度0.65)などを好ましい例として挙げることができる。
他方、分散相を構成し得るポリスチレン系樹脂(B)は、スチレンを有するポリマーであって、スチレン単量体のホモポリマー或いはコポリマー或いはこれらのポリマーブレンドであればよく、例えばポリスチレン、スチレン−アクロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。さらに、ポリスチレンとして、立体化学構造がアタクチック構造のポリスチレン、アイソタクチック構造のポリスチレン、シンジオタクチック構造のポリスチレンなどを挙げることができ、これらの中で、アタクチック構造のポリスチレン(単に「ポリスチレン」或いは「PS」ともいう)、シンジオタクチック構造のポリスチレン(以下、「sPS」ともいう)が好ましく、その中でも特にsPSが好ましい。
そして、上記のポリスチレン系樹脂の中から、YI値が−10〜10の範囲内、特に−3〜3の範囲内であるものを選択して用いるのが好ましい。
ポリエステル系樹脂(A)とポリスチレン系樹脂(B)との好ましい組合せとしては、上記の樹脂の中から、延伸後にある1方向Xにおける屈折率がほぼ同じ、つまり屈折率差が0.05以内、好ましくは0.01以内であり、且つ、前記方向Xと垂直な方向Yにおける屈折率差が大きい、例えば屈折率差が0.1以上、好ましくは0.3以上である組合せを選択して用いるのが好ましい。かかる観点から、ポリエチレンナフタレート(PEN)とシンジオタクチックポリスチレン(sPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)とポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)とシンジオタクチックポリスチレン(sPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリスチレン(PS)の組合せを好ましい例として挙げることができる。
この中でも特に、ポリエチレンナフタレート(PEN)/ポリエチレンテレフタレート(PET)のブレンドと、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)との組合せが好ましい。PENは正の複屈折が大きく(Δn=0.32)、sPSは負の複屈折が大きく(Δn=−0.10)、屈折率の大小はPEN(1.64)>PET(1.59)≒sPS(1.59)となっている。このため、PENとsPSをブレンドすると、海島構造を形成し延伸したとき、方向XにはPENとsPSの屈折率差が大きくなり、光のX方向成分は大きく反射させることができる一方で、方向YにはPENとsPSの屈折率差がより0に近くなり光のY方向成分をほぼ透過させることができる。PENにPETを適量ブレンドすることにより、方向Yにおける屈折率を下げ、sPSとの屈折率差をより0に近づけることができるのである。
ポリエステル系樹脂(A)とポリスチレン系樹脂(B)との配合割合は、質量割合で(A):(B)=95:5〜50:50、特に75:25〜50:50の範囲で調整するのが好ましい。配合比が、50:50に近いほど界面数を多くすることが可能になり、ポリスチレン系樹脂(B)の割合が5質量部未満、又は50質量部を越えると2成分間の屈折率の差が不十分となりやすい。
また、分散相の分散性を向上させる目的で、必要に応じて相溶化剤(C)などの添加物を添加してもよい。
相溶化剤(C)としては、連続相および分散相の種類に応じて慣用の相溶化剤から選択することができ、例えばポリカーボネート、エステル系樹脂、エポキシ基を持つ樹脂、オキサゾリン環を持つ樹脂、アズラクトン基を持つ樹脂から選ばれた少なくとも1つの樹脂と、スチレン系樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリアミドから選ばれた少なくとも1つの樹脂とからなるブロックコポリマー、あるいはグラフトコポリマーを挙げることができる。中でも、分散性向上の点で、エポキシ基やオキサゾリン基を持つ樹脂などが特に好ましく、特にエポキシ変性のものが好ましい。
市販されている相溶化剤、例えば「レゼダ」(東亞合成社製)、「エポクロス」(日本触媒社製)、及び、「モディパー」(日本油脂社製)等を用いることもできる。中でもエポキシ変性ポリスチレンである「レゼダ」や、オキサゾリン基含有ポリマーである「エポクロス」は好ましく、特に「レゼダ」が優位に使用できる。
相溶化剤の配合割合は、例えば、ポリエステル系樹脂(A)及びポリスチレン系樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、特に0.2〜10質量部、さらに好ましくは1〜10質量部とするのが好ましい。
(製膜方法)
ポリエステル系樹脂(A)とポリスチレン系樹脂(B)とを含有する組成物は、溶融してシート状に製膜すればよい。例えば、該組成物を乾燥させ、押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。そして、溶融した組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシート(未延伸状態)を形成すればよい。但し、このような製膜法に限定するものではない。
(延伸方法)
製膜したシートは、実質的に一軸延伸するのが好ましい。ここで、「実質的に一軸延伸」とは、積極的に一方向のみに行う延伸を意味するものであり、例えば製膜、熱処理或いは巻き取りなどの過程で、前記一方向とは異なる方向に自然に延伸されるような場合も包含する意である。客観的には、一方向の延伸倍率が、これと直交する方向の延伸倍率の4倍以上である場合である。
このように実質的に一軸延伸することにより、連続相中に分散相をほぼ一定方向に配列させて固定させることができ、異方性散乱機能を発揮させることができる。すなわち、連続相を構成するポリエステル系樹脂(A)の延伸方向での屈折率は著しく増大し、非延伸方向の屈折率は低下する。分散相を構成するポリスチレン系樹脂(B)は延伸方向の屈折率は著しく減少し、非延伸方向の屈折率は増加する。一軸延伸によって、連続相と分散相との屈折率は延伸方向に大きく相異し、延伸方向に対して垂直な方向はほぼ一致するようになり、屈折率がほぼ同じ方向の偏光はほぼ透過し、屈折率が異なる方向の偏光は散乱する特性を備えた散乱型偏光素子を作製することができる。
延伸方法は、自由幅一軸延伸、一定幅一軸延伸のいずれでもよく、また、引っ張り延伸法、ロール間延伸法、ロール圧延法、その他の方法のいずれを採用してもよい。
延伸温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)程度から(Tg+50℃)の範囲内の温度とするのが好ましく、特に128℃以下とするのが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時に破断することなく安定して延伸を行うことができる。
延伸倍率は、特に限定するものではないが、例えば、TD又はMDに4倍以上、好ましくはTD又はMDに4〜5倍、特にTD又はMDに4〜4.5倍とするのが好ましい。
延伸したシートは、耐熱性及び寸法安定性を付与するべく、熱処理するのが好ましい。この際、熱処理温度は180〜230℃とするのが好ましく、180〜200℃とするのがさらに好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。
なお、このように延伸後に熱処理を行う場合には、延伸装置には延伸後に熱処理ができるテンター延伸装置を使用するのが好ましい。
本偏光子の厚みは、特に限定するものではない。例えば輝度向上フィルムに用いる場合には、100μm〜250μm、特に100μm〜200μmとするのが好ましい。
(本偏光子)
上記構成の本偏光子は、例えばバックライトユニットに積層して測定すると、本偏光子を積層しない場合に比べて、輝度を1.3倍以上、特に好ましくは1.4倍以上に向上させることができる。
よって、本偏光子を輝度向上フィルムとして利用し、輝度向上フィルムを通過する光の偏光方向と偏光フィルムを通過する光の偏光方向とを合致させるように調整した上で、例えば図1に示すように、液晶セルの背面側(裏面側)に、ガラス基板、偏光フィルム、輝度向上フィルム、拡散フィルム、冷陰極管(バックライトユニット)、反射シートなどを順次積層して液晶表示装置(LCD)を構成すれば、前記輝度向上フィルムを積層しない場合に比べて、画像の輝度を1.3倍以上、特に好ましくは1.4倍以上に向上させることができる。
この際、光源である冷陰極管(バックライト)から発せられた光が、一方の偏光方向の光とこれと直交する偏光方向の光とで表されるとすると、輝度向上フィルムに入射した光は、散乱しない方向の偏光はそのまま通過するが、これに直角なもう一方の偏光方向の光は光源側に反射され、輝度向上フィルム、反射シート間で散乱及び反射が繰り返されて輝度向上フィルムに再入射し、散乱しない偏光方向の光に変化していれば通過し、そうでなければ再び光源側に反射され、これが繰り返される。このように光源から発せられた光の殆どをやがて液晶セルに供給させることができるから、液晶セルに供給する光量を高めることができ、画像の輝度を向上させることができる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
ここで、シート乃至フィルムを製造する際のシート乃至フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(1) 黄色度(YI値)
黄色度は、分光測色計(スガ試験機(株)製「SC−T」)を用いて、JIS K−7103に基づき、黄色度(YI値)を測定した。
なお、原料樹脂の黄色度(YI値)は、シート成形した場合とペレット状の場合のそれぞれについて、上記同様に測定した。その際、シート成形は、後述する実施例1と同じ製造条件で130μmの厚みの延伸シートを成形して黄色度(YI値)を測定した。
(2)輝度評価
バックライトユニット(シャープ製「アクオス」13インチ、型番:LC−13S4−S)に、サンプル(輝度向上フィルム)及び偏光フィルムを順次積層して固定し、50cm離れたその画面の中央輝度を輝度計(ミノルタ社製、型式:LS−100)によって測定した。
試料シートを組み込まないときの輝度(基準)を測定し、この輝度に対する割合を輝度向上率として算出した(下記式(1)参照)。この値が大きいほど、高輝度である。
式(1):輝度向上率=(試料シート組み込済時の輝度/試料シート組み込前の輝度)
(3)色度評価
輝度評価と同じ光学系で色度x、yを評価した。なお、色度はJIS K 7103に定義されているものである。
評価は、バックライトに試料フィルムを挿入しないとき(基準)との差がx、yともに0.015以内であるものを○とし、少なくとも、x、yのどちらかの差が0.015以上となったものを×とした。なお、試料シートを組み込まないときの色度は、x=0.2642、y=0.2364であった。
<実施例1>
ポリエチレンナフタレート(PEN、 屈折率:1.64、固有粘度:0.71、Tg:120℃、ペレットのYI:0)と、ポリエチレンテレフタレート(PET、 屈折率:1.58、Tg:80℃、ペレットのYI:0)と、シンジオタクチックポリスチレン(sPS, 屈折率:1.59、Tg:98℃、ペレットのYI:−3)と、相溶化剤としての、ポリスチレンをグラフト重合したエポキシ変性ポリスチレン(エポキシ変性PS-graft-PS、 屈折率:1.58、ペレットのYI:7.5)とを、PEN:PET:sPS:PS-graft-PS=50:10:40:2の質量比で配合し、十分混合した後、定質量フィーダーにて供給しながら、二軸押出機にて樹脂温290℃で押出混練し、冷却固化して厚さ450μmのシートを形成した。
得られたシートを、小型テンター装置(京都機械株式会社製)を使用して120℃でTDに4.5倍一軸延伸し、180℃で1分間熱処理し、厚み120μmのシート状の散乱型偏光子を得た。
<実施例2>
ポリエチレンナフタレートの種類を、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートとのコポリマー(質量比でPEN:PET=95/5〜90/10、屈折率:1.63、固有粘度0.65、Tg:118℃、ペレットのYI:0)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシート状の散乱型偏光子を得た。
<比較例1>
ポリエチレンナフタレートの種類を、ポリエチレンナフタレート(PEN、屈折率:1.65、固有粘度0.95、Tg:120℃、ペレットのYI:−15)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシート状の散乱型偏光子を得た。
<比較例2>
ポリエチレンナフタレートの種類を、ポリエチレンナフタレート(PEN、屈折率:1.65、固有粘度0.85、Tg:120℃、ペレットのYI:4)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシート状の散乱型偏光子を得た。
<比較例3>
ポリエチレンナフタレートの種類を、ポリエチレンナフタレート(PEN、屈折率:1.65、固有粘度0.65、Tg:120℃、ペレットのYI:13)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシート状の散乱型偏光子を得た。
<比較例4>
ポリエチレンナフタレートの種類を、ポリエチレンナフタレート(PEN、屈折率:1.65、固有粘度0.45、Tg:120℃、ペレットのYI:16)に変えた以外は、実施例1と同様にしてシート状の散乱型偏光子を得た。
表1から明らかなように、実施例1、2の散乱型偏光子は、比較例1〜4の散乱型偏光子に比較して、輝度向上率、色度の点で優れたものであった。特に実施例1の態様は、輝度向上率の点から実施例2の態様よりも優れたものであった。
Figure 0004740096
液晶ディスプレイ(LCD)の一般的な構成の一例を示した断面図である。

Claims (6)

  1. ポリエステル系樹脂(A)からなる連続相と、ポリスチレン系樹脂(B)からなる分散相とを有する散乱型偏光子であって、
    前記ポリエステル系樹脂(A)は、JIS K 7103に準拠して測定されるペレット状の黄色度(YI値)が−3〜3の範囲内にあるポリエチレンナフタレートを含む樹脂であり、
    JIS K 7103に準拠して測定される、厚み120μmでの散乱型偏光子の黄色度(YI値)が−3〜3の範囲内であることを特徴とする散乱型偏光子。
  2. JIS K 7103に準拠して測定される散乱型偏光子の黄色度(YI値)は、ポリエステル系樹脂(A)及びポリスチレン系樹脂(B)を含有する組成物を二軸押出機にて樹脂温290℃で押出混練し、冷却固化して厚さ450μmのシートを形成し、得られたシートを、小型テンター装置(京都機械株式会社製)を使用して120℃でTDに4.5倍一軸延伸し、180℃で1分間熱処理し、厚み120μmの厚みのシート状に成形した際に、JIS K 7103に準拠して測定される黄色度(YI値)であることを特徴とする請求項1記載の散乱型偏光子。
  3. ポリスチレン系樹脂(B)の黄色度(YI値)が−10〜10の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2記載の散乱型偏光子。
  4. 連続相を構成するポリエステル系樹脂(A)と、分散相を構成するポリスチレン系樹脂(B)とを含有する組成物を製膜し、得られたシートを延伸してなる散乱型偏光子であって、前記の組成物は、ポリエステル系樹脂(A)95〜50質量部とポリスチレン系樹脂(B)5〜50質量部とを含み、かつポリエステル系樹脂(A)及びポリスチレン系樹脂(B)の合計100質量部に対して0.2〜10質量部の相溶化剤(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の散乱型偏光子。
  5. 輝度向上率が1.3以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の散乱型偏光子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の散乱型偏光子を備えてなる液晶表示装置。
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