JP4740087B2 - 電動式竪型射出成形機 - Google Patents

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本発明は、垂直方向に配置された固定盤と、該固定盤に対し型開閉される可動盤と、該可動盤を型開閉方向に駆動するトグル式型締装置とを備えた電動式竪型射出成形機に関し、さらに詳しくは電動モータの出力がタイミングベルトを介してボールネジに伝達され、それによって前記トグル式型締装置が作動するようになっている竪型射出成形機に関するものである。
電動式竪型射出成形機は、従来周知のように、垂直方向に配置された固定盤、この固定盤に対して型開閉される可動盤、固定盤と型締めハウジングとの間に設けられている型締装置、例えばトグル式型締装置等からなっている。固定盤には固定金型が、そして可動盤には可動金型がそれぞれ取り付けられている。また、トグル式型締装置のクロスヘッド、すなわちボールナットにはボールネジが螺合している。このボールネジは、型締めハウジングに軸方向の移動が規制された状態で回転自在に軸受けされている。一方、サーボモータの出力軸には駆動側プーリが、そしてボールネジには従動側プーリがそれぞれ取り付けられ、これらのプーリ間にタイミングベルトが掛け回されている。したがって、サーボモータを起動すると、ボールネジはタイミングベルトを介して所定の方向に回転駆動され、トグル式型締装置のクロスヘッドが伸縮し、可動金型は固定金型に対して型開閉される。これにより、従来周知のように射出成形できる。
ところで、電動式竪型射出成形機の固定盤は、基台に固定されて、その位置は保たれているが、可動盤はボールナット、ボールネジ、タイミングベルト等を介してサーボモータによりその位置が保持されている。ボールナットとボールネジとの間の摩擦抵抗は極めて小さいので、サーボモータに給電されていないときは可動盤は自重により落下する。そこで、サーボモータにはブレーキ付きのモータが適用され、あるいは間接的にブレーキが設けられ、給電されないときは自動的にブレーキがかかり、可動盤の落下が防止されるようになっている。
このように、従来の電動式竪型射出成形機のサーボモータには、ブレーキが設けられているので、可動盤の落下に対しては一応安全ではある。しかしながら、ボールネジとサーボモータとの関連が絶たれると、すなわちサーボモータの出力軸に取り付けられている駆動側プーリと、ボールネジに取り付けられている従動側プーリとの間に掛け回されているタイミングベルトが切断すると、サーボモータのブレーキは用をなさない。そこで、タイミングベルトの切断時にも可動盤が所定位置に保たれるようになっている電動式竪型射出成形機が、特許文献1〜3により提案されている。
特開2000−263619 特開2000−6222 特開2002−307515
特許文献1には、前記したような電動式竪型射出成形機において、安全用の大径のプーリと、電磁クラッチとからなる竪型射出成形機のブレーキ装置が示されている。安全用の大径のプーリは、ボールネジを回転駆動する従動側プーリと常時噛み合っている。また、電磁クラッチは、安全用の大径のプーリと一体となって回転する回転体と、射出機の基台に固定されている固定部材とから構成され、サーボモータへ通電されている時には回転体と固定部材との間の摩擦接触あるいは係合が解かれ、通電が停止されると摩擦接触するようになっている。したがって、通常の射出成形ができ、消電時には電磁クラッチの回転体が固定部材に係合して、可動盤の落下が防止される。
特許文献2には、複数段の係止部を有する係止ロッドと、この係止ロッドに係合するストッパ機構とからなる、可動盤の落下防止安全装置が示されている。係止ロッドは可動盤の移動方向に沿って可動盤の方に設けられ、ストッパ機構は固定盤の方に設けられ、エアシリンダで係止ロッドの係止部に噛み合わせるようになっている。噛み合わせることにより、可動盤の落下が防止される。また、特許文献3に示されている竪型射出成形機の安全装置によると、可動盤の方には等間隔をあけて多数の溝が設けられたストップバーが、そして固定盤の方にはストップバーの溝に係合、離脱するストッパが設けられている。したがって、エアシリンダによりストッパをストップバーの溝に噛み合わせると、可動盤の落下が防止される。
特許文献1に示されているブレーキ装置によると、電磁クラッチにより直接ボールネジに設けられている従動側プーリの回転が阻止されるので、タイミングベルトの破損時にも安全に可動盤を停止できるという効果は認められる。しかしながら、色々な問題点あるいは改良すべき点もある。例えば、ボールネジに取り付けられている従動側プーリには、安全用の大径のプーリが常時噛み合っているので、騒音を発する恐れがある。また、実施の形態に示されているように、従動側プーリと安全用の大径のプーリとの間にアイドルプーリが設けられていると、本来ゴム系統のタイミングベルトと噛み合うよう製作されている従動側プーリが、金属製のアイドルプーリと噛み合うので、従動側プーリの歯が摩耗する可能性がある。摩耗抑制のために従動側プーリに特殊な加工処理を施すことも考えられるが、完全に摩耗を防ぐことができないばかりでなく、コストアップの要因ともなる。また、電磁クラッチは型開閉装置の下方に設けられているので、型開閉装置から落ちるグリス、潤滑油等が落下して付着し、電磁クラッチが作動しなくなる恐れもある。
特許文献2に示されている可動盤の落下防止安全装置は、複数段の係止部を有する係止ロッドと被係止体すなわちストッパ機構とからなるので、タイミングベルトの切断時にも安全に可動盤の落下を防止できるが、可動盤の位置によってはストッパが係止部に噛み合わない場合があり、最大で係止部のピッチ分だけ可動盤が落下してしまう危険がある。また、可動盤の重量を係止ロッドとストッパとで直接支える構造になっているので、ストッパにかかる力が大きくなる欠点もある。さらに、ストッパが係止部に噛み合うまでの最大ピッチ分の落下で生じる可動盤の運動エネルギーによってストッパが衝撃を受けることを考慮すると、必要な強度を得るために安全装置全体が大きくならざるを得ないという問題もある。
特許文献3に示されている竪型射出成形機の安全装置も、多数の溝が設けられたストップバーと、前記溝に係止するストッパとから構成されているので、機構的に特許文献2に記載の安全装置と同じであり、特許文献2について上記したような問題と同様の問題が生じる可能性がある。
本発明は、上記したような従来の問題点を解消した電動式竪型射出成形機を提供することを目的とし、具体的にはタイミングベルトのような動力伝達帯の切断時にも可動盤の落下を確実に防止できることは勿論のこと、油の付着による性能落ち、騒音、摩耗等の問題もなく、小型で信頼性の高い、電動式竪型射出成形機を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、トグル式型締装置を駆動するボールネジに取り付けられる従動側回転体、具体的には従動側プーリの回転を、ストッパにより直接阻止するように構成される。このとき、従動側プーリの外周部には歯車の歯の形状をした歯が設けられているので、ストッパにも同様に歯車の歯の形状をした突起すなわち歯が設けられる。また、ストッパは支え回動軸により揺動的に支持され、その突起が従動側プーリの歯に噛み合って従動側プーリの回転が阻止され、ボールネジの回転も阻止される。その支え回動軸は、ストッパの突起が従動側プーリの歯に噛み合う点における従動側プーリの接線から所定角度だけ外側に傾いた線上に位置される。これにより、ストッパの突起を従動側プーリの歯に噛み合わせる力、および噛み合わせを解く力は小さくなる。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、垂直方向に配置された固定盤と、該固定盤に対し型開閉される可動盤と、該可動盤を型開閉方向に駆動するトグル式型締装置とを備え、電動モータの出力軸に設けられ、その外周部に歯車状の歯を有している駆動側回転体と、前記トグル式型締装置のクロスヘッドを駆動するボールネジに設けられ、その外周部に歯車状の歯を有している従動側回転体と、前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に掛け回されている動力伝達帯とによって、前記電動モータを駆動すると前記ボールネジが回転駆動され、それによって前記トグル式型締装置が作動するようになっている竪型射出成形機において、前記竪型射出成形機には前記従動側回転体に対応して安全装置が設けられ、前記安全装置は、前記従動側回転体の歯と同様な形状を呈する突起を備えたストッパと、該ストッパを回動自在に支持する支え回動軸と、該ストッパを前記支え回動軸を中心として揺動的に駆動するアクチュエータとからなり、前記アクチュエータにより前記ストッパの突起を前記従動側回転体の歯に噛み合わせて前記従動側回転体の逆回転を阻止し、噛み合わせを解いてフリーにするように構成され、前記支え回動軸は、前記ストッパの突起前記従動側回転体の歯噛み合う点における前記従動側回転体の接線から所定角度だけ外側に傾いた線上に位置しており、それによって前記ストッパの突起と前記従動側回転体の歯が噛み合うときに前記ストッパにかかる力を前記支え回動軸で略支えられるように構成される。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の成形機において、前記支え回動軸は、前記ストッパの突起が前記従動側回転体の歯との噛み合う点における前記従動側回転体の基準円の接線に対して、前記噛み合い点から前記従動側回転体の略基準圧力角だけ傾いた直線の略延長線上に配置され、請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の成形機において、前記電動モータの動作が停止するとき、および前記動力伝達帯が破損したとき、前記アクチュエータの作用により前記ストッパの突起が前記従動側回転体の歯に噛み合うように、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載の成形機において、前記ストッパには複数個の突起が形成され、これらの複数個の突起が前記従動側回転体の複数個の歯に同時に噛み合うように、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載の成形機において、前記駆動側および従動側回転体が、その外周部に歯車状の複数個の歯が形成されているプーリで、前記動力伝達帯がタイミングベルトであるように、請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載の成形機において、前記電動モータがブレーキ内蔵型のサーボモータで、前記アクチュエータがバネ内蔵型のエアシリンダであるように構成される。
以上のように、本発明によると、ボールネジに取り付けられている従動側回転体の回転を阻止して可動盤の落下を防ぐので、動力伝達帯の切断時にも安全に可動盤の落下を防ぐことができる。特に、本発明によると、従動側回転体に対応して安全装置が設けられ、その安全装置が、支え回動軸により回動自在に設けられているストッパと、該ストッパを前記支え回動軸を中心として揺動的に駆動するアクチュエータとからなり、前記アクチュエータにより前記ストッパの突起を前記従動側回転体の歯に噛み合わせて前記従動側回転体の回転を阻止し、噛み合わせを解いてフリーにするようになっており、前記ストッパの突起は、前記従動側回転体の歯車状の歯と同様な形状を呈していると共に、前記支え回動軸は、前記ストッパの突起が前記従動側回転体の歯に噛み合う点における前記従動側回転体の接線から所定角度だけ外側に傾いた線上に位置しているので、従動側回転体の歯からストッパに伝わる力は、略支え回動軸で支えられる。これにより、ストッパの突起を従動側回転体の歯に噛み合わせる力および噛み合いを解く力は、共に小さくてすむ。したがって、本発明によると、小さなアクチュエータでストッパを駆動することができ、コンパクトで安全な竪型射出成形機を安価に提供できるという、本発明に特有の効果が得られる。
また、本発明によると、ストッパの突起を従動側回転体の歯に噛み合わせて従動側回転体の逆回転を阻止し、噛み合いを解いてフリーなるようになっているので、すなわち、通常はストッパは従動側回転体と接触しないので、従動側回転体の歯の摩耗の問題はない。さらには、従来のように電磁クラッチ等の機構がないので、グリスや油の付着による制動力の低下の問題もない。また、従動側回転体の歯のピッチは一般に小さい。したがって、実質的に微量の可動盤位置で停止できる。これにより、可動盤の落下により発生する運動エネルギーが無視できるほど小さいうちに、微量の位置で可動盤の落下を防止できる。また、可動盤の落下を阻止することから生じる衝撃は小さくなる。
また、ストッパに複数個の突起が形成され、これらの複数個の突起が従動側回転体の複数個の歯に同時に噛み合う発明によると、上記のような効果に加えて、個々の歯にかかる力が小さくなり、従動側回転体すなわち従動側プーリの歯およびストッパの突起に対する負荷が小さく、これらの摩耗を防ぐ効果がさらに得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係わる電動式竪型射出成形機を示す図で、一点鎖線CLの左側は、トグル式型締装置のリンクが縮んで型開きされている状態で、そして一点鎖線CLの右側は伸びて型締めされている状態でそれぞれ示す正面図である。本実施の形態に係わる竪型射出成形機は、図1にも示されているように、従来周知のように垂直方向に配置されている固定盤1、この固定盤1に対して型開閉される可動盤2、この可動盤2を型開閉するトグル式型締装置10等からなっている。
可動盤2は、固定盤1の上方に配置され、かつ垂直方向に上下動可能となるように、固定盤2を貫通する4本のタイバー6、6、…によって型締ハウジング5に結合されている。タイバー6、6、…の下端部は、ネジ機構からなる型厚調整装置7、7、…が設けられている。この型厚調整装置7、7、…により型厚を調整する時以外は可動盤2と型締ハウジング5は、一体となって上下動される。このように構成されている固定盤1には固定金型4が、そして可動盤2には可動金型3がそれぞれ取り付けられている。
トグル式型締装置10は、従来周知のように1個のクロスヘッド11と、一対の上リンク12、12と、一対の下リンク13、13と、一対のクロスリンク14、14とからなっている。これらのリンク12、13,14の一端部は、リンクピン16、16によって回転自在に結合され、上リンク12、12の他の端部は固定盤1のブラケットにリンクピン17、17により、下リンク13,13の他の端部は型締ハウジング5のブラケットにリンクピン18、18より、そしてクロスリンク14、14の他の端部はクロスヘッド11の両端にリンクピン19、19により、それぞれ回転自在に結合されている。また、クロスリンク14が結合されているクロスヘッド11は、ボールナット15と一体化されている。
上記のトグル式型締装置10を駆動する動力源には、本実施の形態ではブレーキ内蔵型のサーボモータ20が適用されている。このブレーキ20’は、通常は制動状態にあり、サーボモータ20に通電されると解除される。サーボモータ20は、図1において型締ハウジング5の左端に取り付けられており、その出力軸に駆動側プーリ21が設けられている。一方、トグル式型締装置10のボールナット15にはボールネジ22が螺合している。このボールネジ22は、竪型射出成形機の中央に配置され、その下方部は型締ハウジング5に設けられているスラスト荷重も受ける回転軸受23によって軸方向の移動が規制されて軸受けされている。ボールネジ22の下端部には、従動側プーリ25が取り付けられている。この従動側プーリ25と、前述した駆動側プーリ21の外周部には、インボリュート歯形、サイクロイド歯形等の歯形をした複数個の歯が切られている。そして、これらのプーリ21、25の間にタイミングベルト26が掛け回されている。したがって、サーボモータ20により駆動側プーリ21を所定方向に回転駆動すると、従動側プーリ25が所定方向に回転駆動され、ボールネジ22が所定方向に回転駆動される。ボールネジ22は、軸方向の移動が規制されているので、これに螺合しているボールナット15したがってクロスヘッド11が上下方向に駆動されることになる。これによって、トグル式型締装置10が作動し可動盤2が上下方向に駆動され、従来周知のように型開閉される。
次に、本実施の形態に係る可動盤落下防止装置30について説明する。図2は、竪型射出成形機の下方部分を拡大して示す正面図で、図3は竪型射出成形機を下方から見た下面図である。これらの図、特に図2に示されているように、型締ハウジング5からは支持部材31が従動側プーリ25の方へ延び、この支持部材31の取付板32に可動盤落下防止装置30が設けられる。可動盤落下防止装置30は、図3に示されているように、タイミングベルト26の内側に配置され、そのストッパ35が詳しくは後述するが、前述した従動側プーリ25の歯に必要時に噛み合うようになっている。
図4の(イ)、(ロ)に、可動盤落下防止装置30の実施の形態の詳細が示されている。可動盤落下防止装置30は、略方形を呈する板状のストッパ35と、このストッパ35を駆動するバネ内蔵型のエアシリンダ40とから次のように構成されている。すなわち、前述した支持部材31に取付板32が取付けボルト34、34により固定され、この取付板32にストッパ35のコーナ部が支え回動軸36により回転自在に取り付けられている。また、取付板32には、エアシリンダ40の後端部が回動軸41により回転自在に取り付けられ、そのピストンロッド42に作動レバー43が連結されている。作動レバー43の先端部は、回動軸44によりストッパ35に回動自在に連結されている。この回動軸44と前記支え回動軸36は、略方形を呈するストッパ35の対角線上に位置している。エアシリンダ40には、エア配管45により、図に示されないエア供給装置が接続され、作用の項で説明するようにエアが給排されるようになっている。
このように構成されているストッパ35の、従動側プーリ25に面した側のコーナ部は略凹弧状に切り落とされ、この切り落とされた部分に従動側プーリ25の複数個の歯25a、25a、…と略同形状の複数個の突起35a、35a、…が形成されている。制動時に、これらの複数個の突起35a、35a、…が、従動側プーリの歯25a、25a、…に噛み合うことになる。本実施の形態によると、図4の(イ)、(ロ)に示されているように、作動レバー43の回動軸44は従動側プーリ25寄りに位置し、ストッパ35の支え回動軸36は、より離れた位置に位置している。すなわち、従動側プーリ25の中心点Oと支え回動軸36との間の間隔Rは、従動側プーリ25の半径rよりも大きい。したがって、より小さな力でストッパ35の突起35a、35a、…を従動側プーリ25に押しつけ、その歯25a、25a、…に噛み合わせることができ、また小さな力で噛み合いを解くことができるが、その理由を図5により説明する。
図5の(イ)には、従動側プーリ25の歯25aと、ストッパ35の突起35aの一部が拡大して模式的に示されている。ストッパ35により従動側プーリ25の逆回転を止めるとき、ストッパ35の突起35aが、点P近傍で従動側プーリ25の歯25aと噛み合う。この時、回転しようとする従動側プーリ25によって、ストッパ35に対して力Fが作用する。この力Fの方向は、点Pにおける歯面に対して法線方向となるため、図5の(イ)において一点鎖線で示されている従動側プーリ25の基準円Cの接線方向から、前記歯25aの基準圧力角αだけ傾いた方向となる。この力Fの接線方向の分力Frが従動側プーリ25の回転を止めるために必要なトルクを生じさせる力であり、半径外方の分力Fhがストッパ35を従動側プーリ25から押し出そうとする力となる。すなわち、噛み合いを解こうとする力となる。このとき、ストッパ35の支え回動軸36が、ちょうど点Pから延長した力Fの方向にあるとき、力Fと向きが反対で大きさが等しい反力F’が支え回動軸36に生じ、力Fと半力F’とは同一線上で作用する。これにより、ストッパ35に発生する支え回動軸36の周りのモーメントMはゼロになる。このため、ストッパ35を押し出そうとする力が働かなくなる。なお、図5の(イ)では反力F’およびモーメントMは示されていない。
理論的には、上記のようにモーメントはゼロになるが、従動側プーリ25の歯25aとストッパ35の突起35aとの噛み合いによって、摩擦係数μによる摩擦力μ・Fが生じるので、ストッパ35の歯35aを従動側プーリ25の歯25aに噛み合わせるために押し込んだり、噛み合いを解くために引き出すための力はゼロにはならない。しかし、これらの操作に必要な力は小さくなる。これにより、バネ内蔵型のエアシリンダ40に小出力のものを採用することができ、したがって可動盤落下防止装置30を小型化できる。
実際には、ストッパ35には複数個の歯35a、35a、…が形成されている。そして、従動側プーリ25の複数個の歯25a、25a、…に実質的に同時に噛み合う。このとき、ストッパ35が従動側プーリ25の複数個の歯25a、25a、…から受ける力は、図5の(ロ)に示されているように、合力Ftとなる。この合力Ftが作用する点P’は、ストッパ35の突起35a、35a、…と従動側プーリ25の歯25a、25a、…とが噛み合う範囲の中間近傍であり、点P’から合力Ftの方向に延ばした直線上にストッパ35の支え回動軸36が配置されると、上記したような効果が得られる。
なお、図5の(ロ)において、点P’から合力Ftの方向に延ばした直線Xより左側、つまり従動側プーリ25の歯車から離れた点Aに、ストッパ35の支え回動軸36を配置すると、従動側プーリ25の歯25a、25a、…とストッパ35の突起35a、35a、…が噛み合うときにストッパ35に時計回りのモーメントが発生し、ストッパ35を巻き込む力が生じる。この場合は、噛み合わせの状態を解くための、バネ内蔵型のエアシリンダ40の出力は若干大きくなるが、ストッパ35を押し込む時には、前記の摩擦力μ・Fをほとんど受けず、より小さいバネ力でストッパ35の突起35a、35a、…を従動側プーリ25の歯25a、25a、…に噛み合わせることができる。
逆に、点P’から合力Ftの方向に延ばした直線X上より右側、つまりB点に、ストッパ35の支え回動軸36が配置されると、ストッパ35に反時計回りのモーメントが発生し、ストッパ35を押し出そうとする力が生じる。この場合は、バネ内蔵型のエアシリンダ40のバネ力には、ストッパ35の突起35a、35a、…を従動側プーリ25の歯25a、25a、…に噛み合わせるため、前記押し出し力に勝る若干強い力が必要となるが、噛み合わせを解くためのエアシリンダの力は小さくて済む。
以上のように、本実施の形態によると、ストッパ35の支え回動軸36の位置を適宜選択することにより、ストッパ35の押し込み力を小さくすることも、ストッパ35と従動側プーリ25との噛み合わせを解く力を小することもできる。
次に、上記実施の形態の作用について説明する。ブレーキ内蔵型のサーボモータ20に通電する。通電により、サーボモータ20のブレーキ20’は解除される。また、エアシリンダ40には圧縮空気が供給され、バネは圧縮される。ストッパ35は従動側プーリ25から離間して、従動側プーリ25は解放される。この状態が、図4の(イ)に示されている。ボールネジ22は、タイミングベルト26を介して所定方向に回転駆動される。ボールネジ22に螺合しているボールナット15したがってクロスヘッド11が駆動され、可動盤2が固定盤1に対して型開閉される。従来周知のようにして射出成形する。
ブレーキ内蔵型のサーボモータ20への通電を停止すると、ブレーキ20’が自動的にかかる。駆動側プーリ21と従動側プーリ25は、タイミングベルト26によりつながっているので、ボールネジ22は逆回転しない。すなわち、可動盤2は自重により落下しない。これにより安全が保たれる。または、サーボモータ20への通電を停止すると、エアシリンダ40のエアを抜く。エアにより圧縮状態にあったバネが復元して、ストッパ35は従動側プーリ25の方へ押される。ストッパ35の突起35a、35a、…が従動側プーリ25の歯25a、25a、…と噛み合い、従動側プーリ25の逆転が阻止される。噛み合っている状態が、図4の(ロ)に示されている。これにより、例えタイミングベルト26が破損していても可動盤2は落下しない。また、タイミングベルト26の破損を検知する別の装置を付加することで、より安全な射出成形機を提供できる。
本実施例によると、バネ内蔵型のエアシリンダ34が採用されているので、停電時等エアが供給されない時には、バネの復元力で自動的に可動盤落下防止装置30が作動して可動盤2の落下が防止され、エアが供給されると可動盤落下防止装置30の作動が解除されるようになっているので、危険防止のフェイルセーフ効果が得られる。また、本実施の形態によると、ブレーキ内蔵型のサーボモータ20が採用されいるので、二重に安全になっている。
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できることは明らかである。例えば、バネを適宜組み合わせて使用することにより、バネ内蔵型のエアシリンダ34に代えて単なるエアシリンダ、電磁ソレノイド等のアクチュエータでも実施できる。また、上記実施の形態ではタイミングベルト26が採用されているが、チェーンで実施できることは明らかである。チェーンが掛け回されているチェーンホイールの歯形もインボリュート歯形等に準じた歯形になっているので、前記したような効果が得られることは明らかである。さらには、上記実施の形態では、ストッパ35は従動側プーリ25に噛み合うようになっているが、ストッパ35が噛み合う専用の歯車をボールネジに設けることもできる。このとき、従動側プーリ25を2個設け、一方を専用の歯車とすることもできる。このように実施すると、ストッパの配置に融通性が得られる。
本発明の実施の形態に係る電動式竪型射出成形機を示す図で、一点鎖線CLの左側は型開状態で、そして右側は型閉状態でそれぞれ示す正面図である。 本実施の形態に係る電動式竪型射出成形機の下方部分の詳細を示す正面図である。 本実施の形態に係る電動式竪型射出成形機を底面から見た下面図である。 本発明の実施の形態に係る可動盤落下防止装置を示す図で、その(イ)はストッパが解除されている状態で、そしてその(ロ)はストッパが作動している状態でそれぞれ示す拡大平面図である。 本実施の形態に係る可動盤落下防止装置の作動原理を説明するための図で、その(イ)は従動側プーリの歯の一部と、ストッパの突起の一部とが噛み合っている状態を拡大して示す模式的平面図で、その(ロ)はストッパの複数個の突起が歯従動側プーリの複数の歯と噛み合っている状態を拡大して示す模式的平面図である。
符号の説明
1 固定盤 2 可動盤
10 トグル式型締装置 11 クロスヘッド
15 ボールナット 20 ブレーキ内蔵型のサーボモータ 21 駆動側プーリ 22 ボールネジ
25 従動側プーリ 26 タイミングベルト
30 可動盤落下防止装置 35 ストッパ
36 支え回動軸 40 バネ内蔵型のエアシリンダ

Claims (6)

  1. 垂直方向に配置された固定盤と、該固定盤に対し型開閉される可動盤と、該可動盤を型開閉方向に駆動するトグル式型締装置とを備え、
    電動モータの出力軸に設けられ、その外周部に歯車状の歯を有している駆動側回転体と、前記トグル式型締装置のクロスヘッドを駆動するボールネジに設けられ、その外周部に歯車状の歯を有している従動側回転体と、前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に掛け回されている動力伝達帯とによって、前記電動モータを駆動すると前記ボールネジが回転駆動され、それによって前記トグル式型締装置が作動するようになっている竪型射出成形機において、
    前記竪型射出成形機には前記従動側回転体に対応して安全装置が設けられ、
    前記安全装置は、前記従動側回転体の歯と同様な形状を呈する突起を備えたストッパと、該ストッパを回動自在に支持する支え回動軸と、該ストッパを前記支え回動軸を中心として揺動的に駆動するアクチュエータとからなり、前記アクチュエータにより前記ストッパの突起を前記従動側回転体の歯に噛み合わせて前記従動側回転体の逆回転を阻止し、噛み合わせを解いてフリーにするように構成され、
    前記支え回動軸は、前記ストッパの突起前記従動側回転体の歯噛み合う点における前記従動側回転体の接線から所定角度だけ外側に傾いた線上に位置しており、それによって前記ストッパの突起と前記従動側回転体の歯が噛み合うときに前記ストッパにかかる力を前記支え回動軸で略支えられるようになっていることを特徴とする電動式竪型射出成形機。
  2. 請求項1に記載の成形機において、前記支え回動軸は、前記ストッパの突起が前記従動側回転体の歯との噛み合う点における前記従動側回転体の基準円の接線に対して、前記噛み合い点から前記従動側回転体の略基準圧力角だけ傾いた直線の略延長線上に配置されている、ことを特徴とする電動式竪型射出成形機。
  3. 請求項1または2に記載の成形機において、前記電動モータの動作が停止するとき、および前記動力伝達帯が破損したとき、前記アクチュエータの作用により前記ストッパの突起が前記従動側回転体の歯に噛み合うようになっている、ことを特徴とする電動式竪型射出成形機。
  4. 請求項1〜のいずれかの項に記載の成形機において、前記ストッパには複数個の突起が形成され、これらの複数個の突起が前記従動側回転体の複数個の歯に同時に噛み合うようになっている、ことを特徴とする電動式竪型射出成形機
  5. 請求項1〜のいずれかの項に記載の成形機において、前記駆動側および従動側回転体が、その外周部に歯車状の複数個の歯が形成されているプーリで、前記動力伝達帯がタイミングベルトである、ことを特徴とする電動式竪型射出成形機。
  6. 請求項1〜のいずれかの項に記載の成形機において、前記電動モータがブレーキ内蔵型のサーボモータで、前記アクチュエータがバネ内蔵型のエアシリンダである、ことを特徴とする電動式竪型射出成形機。
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