JP4739910B2 - 電動工具におけるバッテリーパックの装着構造 - Google Patents
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Description
このような充電式電動工具において、インパクトドライバ等、使用時に振動が生じるものにあっては、バッテリーパックが振動によってがたつきを起こすと、接触する端子間にチャタリングを生じさせ、端子寿命を低下させたりする。そこで、このようながたつき防止策としては、例えば特許文献1に示すように、バッテリーパックを振動方向と同じ方向で電動工具のハウジング内に収容すると共に、その振動方向と直交する方向で端子同士を接触させ、さらにバッテリーパックを端子間の押圧方向へ板バネによって付勢する構造が考えられる。
一方、板バネの付勢力はバッテリーパックの着脱方向と直交方向に働くため、これがバッテリーパック着脱の際に大きな抵抗となり、使用感を損なうことにもなる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、バッテリーパックが、その一部を装着部に差し込んで装着させる構造にあって、好適な転動体を配置するために、転動体をローラとし、バッテリーパックの装着状態ではバッテリーパックを装着部への差込方向と直交する方向へ押圧する構成としたものである。
なお、本発明のバッテリーパックの装着構造は、バッテリーパックの一部を電動工具のハウジングに挿入等する形態は勿論、バッテリーパック全体をハウジングに設けた装着部内に収容する形態も含む。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、差込形態において転動体を好適な位置に配置可能となる。
《形態1》
図1は、電動工具の一例であるインパクトドライバ1にバッテリーパック20を装着した状態を示す説明図で、まずインパクトドライバ1は、下方にハンドル3を延設して左右2分割の半割同士をネジで組み付けてなるハウジング2の上方に、モータ4と、スピンドル6及びハンマー7、コイルバネ8等を備えた打撃機構5とを内設して、ハンマー7を、ハウジング2の前方(図1の右側を前方とする。以下同じ)に突設したアンビル9のアーム10に係止させる周知の構造となっている。すなわち、モータ4が駆動すると、スピンドル6と共にハンマー7が回転してアンビル9を回転させ、アンビル9への負荷が高まると、ハンマー7が後退して一旦アーム10,10から外れ、コイルバネ8の付勢により再び前進しながらアーム10,10に係止する動作を繰り返すことで、アンビル9に回転方向で間欠的な打撃を加えるものである。11はハンドル3内に設けられたスイッチ、12は押し込み操作によってスイッチ11をONさせるトリガーで、スイッチ11には、下方に正負の端子金具14,14を備えたバッテリーホルダ13が連結されている。この電動工具側の端子となる端子金具14,14は、ハンドル3の下方で下端を開口するように形成されたバッテリーパック20の装着部15内に突出するものである。
よって、バッテリーパック20を、差込部22を上にしてハンドル3の下方から装着部15へ差し込み、係止部16にフックボタン24が係止するまで装着部15内に差し込むと、差込部22を含むバッテリーパック20の略上半分が装着部15内に嵌合状態で収容されると共に、左右の電極板23,23がバッテリーホルダ13の端子金具14,14に挟まれる格好で保持されて電気的接続される。
また、バッテリーパック20の装着時にはローラ17の転動によって抵抗が軽減されるため、着脱時の使用感を損なうこともない。
特にこの形態では、転動体にローラ17を採用し、バッテリーパック20の装着状態ではバッテリーパック20を装着部15への差込方向と直交する方向へ押圧する構造としているから、差込形態において転動体を好適な位置に配置可能となっている。
《形態2》
図2に示すバッテリーパック20の装着構造では、左右方向のピン30,30を上下に二本平行に設けて、両ピン30,30の間にウレタン製で幅広のローラ31を長円状に張設させたいわゆるキャタピラ(登録商標)状としたものである。この場合もバッテリーパック20の装着時にはローラ31が段部25と当接して転動し、バッテリーパック20に負荷を掛けることなくその進入を許容する一方、バッテリーパック20の装着状態ではバッテリーパック20を前方へ押圧してがたつきを防止することになる。よって、バッテリーパック20の摩耗防止やチャタリング防止、使用感の維持といった上記形態1と同じ効果が得られるが、特にここでは、ローラ31を長円状に張設したことで、バッテリーパック20への接触面積が形態1に比較して大きくなり、がたつき防止にはより有効と言える。
図3に示すバッテリーパック20の装着構造では、半割のハンドル3の内面には、ネジの取付位置となる筒状のボス32が設けられることから、このボス32の外周に、ローラ33を外装させたものである。この場合もバッテリーパック20の装着時にはローラ33が転動して小さな負荷でバッテリーパック20の進入を許容すると共に、バッテリーパック20の装着状態ではバッテリーパック20を前方へ押圧してがたつきを防止することになる。よって、バッテリーパック20の摩耗防止やチャタリング防止、使用感の維持といった上記形態1と同じ効果が得られるが、特にここでは、既存のボス32を利用してローラ33を取り付けるため、形態1,2のようなピンが不要となり、部品点数が少ない合理的な構造となってコスト面に優れる。
図4に示すバッテリーパック20の装着構造では、ピン34及びローラ35は、ハンドル3下方の開口際でなく、装着部15内の上方に設けられて、バッテリーパック20の差込部22を後方から押圧可能としている。特にローラ35は、先の形態のように軸方向に同径としたものではなく、下側に示すB−B線断面図のように、差込部22の後面の円形状に合わせて、中央が最も小径となるように周面が湾曲した形状となっている。なお、36,36は差込部22内に収容される蓄電池である。
この形態においても、バッテリーパック20の装着時にはローラ35が差込部22の周面と当接して転動し、小さな負荷でバッテリーパック20の進入を許容する一方、バッテリーパック20の装着状態では、差込部22を前方へ押圧してハンドル3の前側の内面に押し付け、がたつきを防止することになる。よって、バッテリーパック20の摩耗防止やチャタリング防止、使用感の維持といった上記形態1と同じ効果が得られるが、特にここでは、差込部22の形状に合わせた湾曲形状によって、前後方向のみならず左右方向でも差込部22の移動規制が働くため、がたつき防止効果がより向上する。また、端子金具14と電極板23との接触位置に近い差込部22を押圧しているので、チャタリングが効果的に防止される利点もある。
上記形態1〜4では、差込部を備えたバッテリーパックをハンドルの下方から差し込んで装着する構造となっているが、図5に示すバッテリーパック40の装着構造では、バッテリーパック40の上面に前後方向で突設した図示しない一対のスライドレールを、ハンドル3の左右端に同じく前後方向へ形成した一対のガイドレール41,41間に抱持させる周知の形態となっている。よって、バッテリーパック40を、スライドレールをガイドレール41,41間に合わせて前側から差し込み、バッテリーパック40の前端で上方に突設したストッパ42がガイドレール41の前端に当接するまでスライドさせれば、バッテリーパック40の装着が完了することになる。バッテリーパック40の上面には、当該上面から出没可能且つ上方への突出位置へ付勢されるフック43が設けられて、ハンドル3への装着状態では、突出したフック43がハンドル3に設けた凹部44に係止してバッテリーパック40の前方への抜け止めを行うようになっている。
上記形態1〜5では、ハンドル側にローラを設けてバッテリーパックのがたつき防止を図っているが、図6に示すように、バッテリーパック側に設けることもできる。ここでは、バッテリーパック20のケース21内で段部25の後方に、ローラ48を外装させたピン47を左右方向に支持させて、段部25の後面にローラ48の周面が突出するようにしている。この場合、ハンドル3内に、バッテリーパック20の装着状態でローラ48が当接する当接部(例えば壁部やリブ等)を設ければ、バッテリーパック20の差込時には当接部との当接でローラ48が転動して小さな負荷での差込を許容し、バッテリーパック20の装着状態では、ローラ48が当接部を押圧することでバッテリーパック20を前方へ押圧することになる。よって、上記各形態と同様に、ハンドル3側で当接部には摩耗を生じさせず、ローラ48自体も長期に亘って弾性を維持でき、信頼性の高いがたつき防止が可能となる。また、ローラ48の転動による着脱時の使用感も維持できるのである。
一つのピンに設けるローラは、一つであっても良いし複数であっても良い。複数の場合は軸方向に所定間隔をおいて配置することも可能である。
また、このようなピンとローラとのセットは一カ所に設けるものに限らず、バッテリーパックのがたつきを防止可能であれば、例えば装着部の前後に夫々設けたり、装着部の同じ側で上下に並列させたりして複数箇所に設けても良い。勿論ウレタン製に限らず、他の合成樹脂やゴム製とすることも可能である。
さらに、転動体としてはローラに限らず、ハンドル(バッテリーパックではケース)に凹設した収容部に一部が突出するように収容されるボールを採用しても同様の効果が期待できる。複数箇所の場合はローラとボールとを併用することも考えられる。
また、形態2で説明した二本のピン間に張設される長円状のローラを、形態5や形態6のローラに適用したり、ボスを利用した形態3を形態5に適用したり等、各形態間での設計変更も可能である。
さらに、充電式電動工具も上記形態のインパクトドライバに限らず、オイルパルス発生器を用いたソフトインパクトドライバやドライバドリル等、他の種類でも本発明が適用できるのは当然である。
Claims (2)
- 電動工具のハウジングに形成した装着部に、バッテリーパックを着脱可能に装着して、前記装着部とバッテリーパックとに夫々設けた端子同士を電気的接続させる電動工具におけるバッテリーパックの装着構造であって、
前記装着部又は前記バッテリーパックに、弾性を有して前記バッテリーパックの装着動作に伴って前記バッテリーパックの外面又は前記装着部の内面と当接して転動し、前記バッテリーパックの装着状態で前記バッテリーパックの外面又は前記装着部の内面を弾性的に押圧する転動体を設けたことを特徴とする電動工具におけるバッテリーパックの装着構造。 - バッテリーパックが、その一部を装着部に差し込んで装着させる構造であって、転動体をローラとし、前記バッテリーパックの装着状態では前記バッテリーパックを前記装着部への差込方向と直交する方向へ押圧するものとした請求項1に記載の電動工具におけるバッテリーパックの装着構造。
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