JP4739575B2 - 金属中成分分析用試料の調整装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鋼時等に得られる金属中成分分析用のサンプル(試料)を、真空状態の中でアークプラズマによる表面処理を行うことにより、ガス分析装置等での金属中成分分析を可能にさせる金属中成分分析用試料の調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、製鋼時等において溶鋼中より採取したサンプルは、各種分析方法の金属中成分分析用装置に合わせた大きさと形状できれいに表面処理を施した試料に加工(調整)され、該試料の金属中成分をガス分析装置等で分析した後、この分析結果に基づいて製鋼工程内で脱酸素処理等の必要な処置を行うことにより、所定の品質の製品を製造するようにしている。
従来、上記のような試料の調整を行うにあたり、製鋼炉から取り出されたままの試料は表面に黒皮(炭素等の酸化物)や各種付着物等(以下スケール類と言う)を有しているので、このスケール類をヤスリ掛けや電解研磨等の除去手段を以て除去すると共に、表面清掃を施す等の表面処理を行った後、ガス分析等の金属中成分分析装置にかけて分析作業が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然し、上記従来のような試料の調整手段は、異物の混入(コンタミ)を防止するうえで表面処理作業に熟練を要し、1回の試料の分析に略3分程度の時間を要すると共に、1日当たりのサンプル数は多いもので50回程度にも及ぶものであるところ、分析作業に多大な時間と煩雑な労力を伴うこと、及び金属中成分の正確な分析結果を得る迄の間に、製鋼炉を長時間にわたってしばしば待機状態にしなければならないので、ランニングコストが過大になる等の欠点がある。
【0004】
これに対し、一般に金属をアークプラズマによって表面処理すると、金属表面のスケール類がアークプラズマ処理(以下アーク処理と言う)されて数秒程度で除去されることが既に知られているが、このアーク処理手段は真空中をアルゴンガス等でガス置換した雰囲気中で表面処理を行うので、このようなガス置換アーク処理方式を金属中成分分析用試料の調整にそのまま用いると、アルゴンガス等特別なガス体に要する調整コストの増大や、ガス置換工程に要する作業能率の低下を伴う等の課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記従来の問題点を解消するために本発明による金属中成分分析用試料の調整装置は、第1に、真空状態に維持可能に形成した処理室2a内に、金属中成分分析用の試料Wを上下方向に向き合う陽極部50と陰極部51との間の電極間に形成される表面処理空間Hの陰極部51上に載置してアーク処理するアーク処理部5と、試料Wのアーク処理部5への供給と取り出しを行う試料供給回収部6aと、該試料供給回収部6aから供給された試料Wをアーク処理部5で位置決めするハンドリング部7aとを設置した金属中成分分析用試料の調整装置において、上記該表面処理空間H内にアーク処理時に陰極部51上の試料Wを収容して周囲を空隙を有して囲繞するアーク処理室80を形成する耐熱性及び絶縁性を有するセラミック材よりなる処理ガイド8を設け、該処理ガイド8の上面と陰極部51の下面との間にはアーク処理室80を処理室2aに開放する開放空間83を形成し、試料Wをアーク処理室80内でアーク処理するように構成したことを特徴としている。
【0006】
第2に、陰極部51の高さを調節するアクチュエータ56を設け、処理ガイド8を陽極部50側に取付杆81を介して取付けたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1,図2において符号1は本発明に係わる表面処理方法(調整方法)によって金属中成分分析用等の金属中成分分析用の試料Wを表面処理する調整装置2を供えた試料調整機であり、図示例の試料調整機1は、キャスター付の移動可能な機体フレーム10上に、製鋼時に取り出したサンプルを適正な形状と大きさの試料Wに加工する試料成形機1aと、成形された試料Wを調整装置2に送給するロボットハンドを有する供給機1bと、供給された試料Wを真空中でアークを発生させてデスケーリング等の表面処理を行う調整装置2等をコンパクトで使用し易く配設した構成にしている。
【0008】
また機体フレーム10の下部には調整装置2に形成する中空な処理室2a内を、所定の気圧(略10Pa程度)の真空状態にする真空ポンプ1cを設置し、その側方には試料調整機1の各種の運転操作を司るコントロールボックス1dを設置している。
そして、表面処理が完了された処理済の試料Wは、試料供給取出部3を介して処理室2a外に取り出し、該試料供給取出部3から外気に曝すことなく、ガス分析装置等の金属中成分分析装置に自動的に送給する移送手段としての移送部1eに継送することにより、処理された試料Wが再び酸化や汚損されることを防止し、次工程で行われる金属中成分分析を精度よく簡単に行うことができるようにしている。
【0009】
上記試料調整機1に設置される本発明に係わる調整装置2は図3,図4で示すように、処理ケース20で形成された処理室2a内に、既述の試料供給取出部3と、真空中でのアーク処理によって試料Wの表面処理を行う処理部5と、該処理部5に試料供給取出部3から試料Wを継送して供給すると共に、処理済の試料Wを回収するホルダ6を有する試料供給回収部6aと、処理部5に供給設置された試料Wを位置決めすると共に、反転させ且つホルダ6内に回収供給するチヤック7を有するハンドリング部7a等を設置している。
【0010】
また図示例の処理ケース20は、上下左右に筒状の開口部を有するように正面視で略十字型の中空状の処理室2aに形成していると共に、各開口部を絶縁部材21を介した蓋部材22によって気密状に閉鎖した状態で、後壁側に排気管23を設けて前記真空ポンプ1cと連通せしめ、処理室2a内を後述する構成によって可及的速やかに所定の真空状態にすることができるようにしている。
【0011】
以下各部の詳細な構成について説明する。先ず図3,図6,図7を参照し試料供給取出部3及び試料供給回収部6aについて説明する。
試料供給取出部3は、供給機1bのロボットハンドに設けたホルダ6から排出供給される試料Wを、漏斗状の受部30aで受けて待機姿勢にある試料供給回収部6aのホルダ6内に供給するパイプ状の供給筒30と、該ホルダ6で回収された試料Wを漏斗状の受部31で受けて、下方の移送部1eに落下状態で継送せしめる取出筒32とから構成している。
【0012】
そして、試料供給取出部3はホルダ6の待機姿勢位置で供給筒30と取出筒32を略鉛直線上に配置させることにより、試料供給及び試料取出し作業を簡潔で廉価な構成を以て的確且つ速やかに行うことができるようにしている。
また供給筒30及び取出筒32の適所には、試料Wの通過時に自動的に開動すると共に非通過時には閉動する開閉弁33を複数介挿し、試料Wの供給取出工程において処理室2a内の真空状態を効率よく維持させるようにしている。
【0013】
上記試料供給回収部6aは、ホルダ6を先端部に開閉可能に設けた支持杆60を、蓋部22の外側に設けた進退作動アクチュエータ61によって、図3で示す実線の待機姿勢から点線の供給姿勢に、略水平方向に進退移動可能にしていると共に、後述する構成によりホルダ6を開閉アクチュエータ62の作動によって、待機姿勢及び供給姿勢において開閉可能に構成することにより、ホルダ6内に適正姿勢で保持した試料Wを速やかに排出し、取出筒32及び処理部5に選択的に供給することができるようにしている。
【0014】
図7を参照しホルダ6について説明すると、このホルダ6は、支持杆60の端部に前記開閉アクチュエータ62に連携して開閉作動するように設けた左右の作動杆65に、左右合わせ型のブロック形状でプラスチック材等からなるホルダ片63,63をそれぞれ設け、開閉アクチュエータ62の作動によって同図(B)で示す保持姿勢から、同図(C)で示す排出姿勢に切換作動するように構成している。
またホルダ片63,63は保持姿勢において試料Wを収容するホルダ穴66を、底面部を下向き円錐状に形成する円錐面67と、これの上方に連なり試料Wの外形よりもやや径大な縦穴を形成する縦壁68と、該縦壁68から上方外側に向けて拡開する漏斗部を形成する受面69とで形成している。
【0015】
以上のように形成してなるホルダ6は、上方から投入される試料Wを受面69でホルダ穴66内に円滑に受け入れると共に、底面部において試料Wの外周コーナー部を、円錐面をなす円錐面67で接当規制し、同図(B)で示すように試料Wを処理部5に供給する供給姿勢と同様な水平姿勢で中心部に誘導保持するから、ホルダ6を処理部5の陰極部51の中心直上の処理位置に位置させた状態において、ホルダ片63,63を拡開させたとき、試料Wはその水平姿勢を乱して陰極部51の平坦面上で大きく跳ね返えらせたりすることなく良好に供給することができ、この分供給スピードを速くすることができると共に、後述するチヤック7による位置決め作業を簡単にする等の利点がある。
【0016】
次に図3,図8を参照し処理部5について説明する。図示例の処理部5は、棒杆状の陽極部50と陰極部51を、処理ケース20の上下の開口部を閉鎖する蓋部22,22にそれぞれ鉛直方向に各別に垂設支持した状態で、前記コントロールボックス1d側のアークプラズマ発生電源と連結せしめている。
そして陽極部50は、電源と連結している電導部材からなる管体52の下端部を閉鎖しており、その内部には図示しない給水装置に連結している給水管53を通水間隔を有して内装し、該通水間隔を介して陽極部50を冷却した水は、管体52の上部に設けた排水口55から排出するようにし、試料Wの連続処理時における陽極部50の過熱を防止するようにしている。
尚、陰極部51も上記のものと同様に図示しない冷却装置を設置している。
【0017】
一方陰極部51は、処理ケース20の下方の蓋部22に取付支持された進退作動アクチュエータ56の杆体57の上部に高さ調節可能に設け、図3の実線で示す待機姿勢から、後述する試料Wをチヤック7で把持するチヤック位置と、処理ガイド8の下面に近接させた処理位置の作業姿勢となるように昇降可能に設けている。尚、杆体57は電源に連結している。
即ち、陰極部51は、銅製或いは鉄製の円柱部材を杆体57の上部に穿設した取付孔58内にスライド可能に嵌挿すると共に、取付ネジ59によって高さ調節可能に固定するようにしているので、陽極部50の下面と陰極部51の上面との間隔を簡単な構成を以て微量調節することができ、電極の特性及び電力の大きさに適応した真空中でのアークプラズマを効率よく発生させて、陰極上でのクリーニング効果を利用して、試料Wのアーク処理を良好に行うことができる表面処理空間Hを、正確に設定することができる等の特徴がある。
【0018】
また上記表面処理空間H内には、試料Wを囲んでアーク処理を良好に行わせるアーク処理室80を形成する処理ガイド8を設けている。
即ち、処理ガイド8は、アーク発生時に充分な耐熱性及び絶縁性等を有するセラミック材等の耐アーク部材とし、試料Wよりもやや厚い板状でその中心部に、電極の径より小径で試料Wの直径の数倍程度の孔を穿設することにより、陰極部51上に試料Wの周囲を囲繞するアーク処理室80を形成している。
また処理ガイド8は、アーク処理室80の外側に複数の取付杆81を立設し、該取付杆81を前記管体52の側面に嵌挿した状態で、適宜な取付具82によって、陽極部50の下面と処理ガイド8の下面の距離が、前記表面処理空間Hと略同程度になるように取付位置調節可能に支持している。
【0019】
この構成により図8(A),(B)で示すように、試料Wを陰極部51上でアーク処理室80の中心に位置決めした状態のアーク処理時において、アーク処理室80は試料Wの外周を空隙を有して囲繞していると共に、その上方を表面処理空間H内で陽極部50の下面と処理ガイド8の上面との間に、開放空間部83を形成して処理室2a側に連通開放せしめている。
従って、電源をONして両極間に適正アーク処理時間として設定された略数秒(本実施形態では試料Wの過熱防止を考慮して略1秒程度に設定している。)程度の間アークプラズマ放電が行われるとき、アーク処理室80は陰極部51上でアークプラズマの発生範囲を絞って定めることができるので、試料Wの表面処理に好適なアークプラズマを安定よく発生させることができ、これにより試料Wの酸化皮膜や付着物等を良好に蒸発除去することができる等の特徴がある。
【0020】
このとき試料Wは、アークプラズマの大きなエネルギー並びにスケールの付着状況に伴うアーク偏負荷等によって、陰極部51上で反射的に動くことがあるが、試料Wはアーク処理室80内で陰極部51上の移動を自由にしながら、処理ガイド8によって表面処理空間H内に保持されて適正なアーク処理を受ける。
またアーク処理室80内で連続的に生ずるアーク発生熱及び蒸発するガスや除去されたスケール類の微細粒子等(以下これらを発散物と言う)は、表面処理空間H内に封じ込めることなく、前記開放空間部83から処理室2aの広い空間部側に自由に排出されるので、上記発散物を試料Wに再付着させることなく、所定時間内における連続的なアーク処理を十分に行うことができ、スケール類をきれいに除去した金属光沢のある金属成分分析に好適な処理済試料Wを、能率よく簡単に得ることができる等の特徴がある。
【0021】
次に図3,図4,図5を参照しハンドリング部7aについて説明する。ハンドリング部7aは、チヤック7を先端部に開閉可能に設けた支持杆70を、蓋部22の外側に設けた回転作動アクチュエータ71によって反転回動可能に支持すると共に、支持杆70の外側端部に設けた開閉アクチュエータ72の作動によって、チヤック7の左右の爪を図4の実線で示すチヤック7が開動した待機姿勢から、閉動した点線の位置決め挟持姿勢に開閉可能に設けている。
これにより、チヤック7はホルダ6によって陰極部51上に載置された試料Wを、図10で示すように両側から一時的に把持することにより適正処理位置に正確に位置決めすることができ、位置決めした後はチヤック7はその場で開動させることで処理部5から速やかに退避するので、試料Wを陰極部51上で精度よく表面処理することができる。
尚、図8の点線で示すように、開放空間部83を気密室8aで覆うと共に、該気密室8aをクリーナー付の真空ポンプ1cに連結すると、発散物の吸引除去をさらに確実に行うことができる。
【0022】
そして、試料Wが図11で示すように表側(片面)の表面処理(以下一次表面処理と言う)を完了した後、陰極部51が昇降作動アクチュエータ56の作動によってチヤック位置に下降すると、チヤック7は再び閉動して試料Wを挟持すると共に、挟持姿勢のまま回転作動アクチュエータ72の作動によって半回転するので、試料Wは裏側(他面)を陽極部50側にした状態で、チヤック7の開動に伴い再び陰極部51上に位置決め載置され、前記一次表面処理時と同様な二次表面処理を適切に行うようにしている。
【0023】
またチヤック7が反転回動するときは、陰極部51はチヤック位置から待機位置に下降するので反転回動を妨げることなく、チヤック7は二次表面処理が完了された試料Wを陰極部51上で再び挟持し、この状態でチヤック位置に下降した陰極部51上にホルダ6が進動する。
次いでチヤック7は、ホルダ6が図12で示す試料Wの供給姿勢と同様な回収姿勢になった状態において開動し、ホルダ6のホルダ穴66内に試料Wを投入する。
そしてこの後、ホルダ6は試料供給取出部3側に退動復帰し、ホルダ片63,63を開動し収容した試料Wを取出筒62に向けて投入する。
【0024】
次に以上のように構成した調整装置2による試料Wの表面処理方法及び表面処理の態様等について説明する。
先ず、この実施形態で処理する試料Wは、溶鋼中に採取した材料を金属中成分分析装置としてのガス分析装置に適合する、厚さが略3ミリ程度で直径が略6ミリ程度の打ち抜きピースとしており、試料成形機1aで所定の形状と大きさに形成した試料Wは、供給機1bのロボットハンドのホルダ6によって、調整装置2に設置される試料供給取出部3の受部30a内に投入されると、試料Wは供給筒30から、図3,図7(B)で示す待機姿勢にあるホルダ6のホルダ穴66内に自動的に収容される。
【0025】
このとき、真空ポンプ1cは運転を開始されており、処理室2a内は所定の真空状態に設定され、次いでホルダ6が図3の点線及び図9で示すように横方向に進動し、待機姿勢にある陰極部51上に試料Wを排出して載置する。
そして、ホルダ6が元の待機姿勢に退動するに伴い、チヤック7が試料Wを陰極部51上で位置決めし(図10)、この後開動退避し陰極部51上を開放状態にする。
次いで、図11で示すように陰極部51が処理位置に上昇停止し、陽極部50との間に表面処理空間Hを形成維持すると共に、処理部5の電源がONされて陽極部50と陰極部51及び該陰極部51に接触している試料W間にアークプラズマを発生させる。
【0026】
これにより試料Wは表側の一次表面処理が行われ、次いで陰極部51がチヤック位置に下降し、この位置でチヤック7による試料Wの反転回動がなされて、陰極部51上における試料Wの他面の位置決めが行われ、この後陰極部51は再び処理位置に上昇し、一次表面処理と同様に裏側の二次表面処理が行われる。
従って、上記のように構成し作動される調整装置2は、処理室2a内に簡潔で廉価な構成を以て設置された一つの処理部5によって、試料Wの全面の表面処理を能率よく的確に完了することができる等の特徴がある。
【0027】
このような試料調整作業において調整装置2は、真空状態に維持可能に形成した処理室2a内に、陽極部50と陰極部51との間に表面処理空間Hを設けるアーク処理部5を設置し、該表面処理空間H内に金属中成分分析用の試料Wを収容可能なアーク処理室80を形成する処理ガイド8を設け、試料Wをアーク処理室80内でアーク処理をするように構成しているので、図8(A),(B)で示すように、試料Wを陰極部51上でアーク処理室80の中心に位置決めした状態のアーク処理時にアークプラズマ放電が行われるとき、アーク処理室80内で試料Wの表面処理に好適なアークプラズマを安定よく発生させることができ、酸化皮膜や付着物等を良好に除去することができる。
【0028】
またこのときのアークプラズマのエネルギーによって、試料Wが陰極部51上で動いても、試料Wはアーク処理室80内で表面処理空間H内に保持されながら、陰極部51上を自由に移動するので、適正なアーク処理を均一的に受ける。
そして、アーク処理室80内で連続的に生ずる前記発散物は、表面処理空間H内に封じ込められることなく、処理ガイド8と陽極部50間に形成した開放空間部83から、処理室2aの広い空間部側に自由に排出され、これらは都度自動的に作動する真空ポンプ1cによっても吸引されるので、上記発散物を試料Wに再付着させることなく連続的なアーク処理を良好に行うことができ、スケール類を除去した金属光沢のある好適な処理済試料Wを、ガス置換を要することなく能率よく簡単に提供することができ、以後のガス分析装置による金属成分分析を精度よく行うことができる等の特徴がある。
【0029】
このようにして試料Wの表面処理工程を完了したのちは、チヤック7が陰極部51上の試料Wを再び挟持した状態で、陰極部51は待機姿勢に下降し、次いでホルダ6が進動し、図12で示す試料Wの供給姿勢と同様な回収姿勢になったとき、チヤック7は開動してホルダ6内に試料Wを投入する。
次いで、試料Wを収容したホルダ6は待機姿勢に退動復帰した状態で開動し、試料Wを試料供給取出部3の取出筒62内に投入して、その下端から真空雰囲気又はアルゴンガス等を封入した不活性ガス雰囲気の気密状態で、ガス分析装置等に向けて移送する移送部1eに継送するから、試料Wを処理室2aから取り出した後も、コンタミや再酸化等を確実に防止しながら、一連の試料調整作業並びに成分分析作業を能率よく簡単に完了することができる。
【0030】
このような試料調整作業を行うことができる調整装置2は、真空状態に維持可能に形成した処理室2a内で、試料Wの全面を電極間で自動的にアーク処理するための各機器を処理ケース20に設置構成するに、該処理ケース20を正面視で略十字型の中空状の処理室2aに形成し、その上下左右に筒状の開口部を設け、各開口部を気密状に閉鎖する蓋部22を利用して、上記各機器を処理室2a内に設置する取付部材に兼用したことによって、装置をコンパクトに纏めながら簡潔で廉価な構成にすると共に、アーク処理を損なうことなく可及的に小容量な処理室2aを形成して真空ポンプ1cによる真空状態の形成を速やかにすると共に、装置のランニングコストを低減することができるようにしている。
【0031】
即ち、処理ケース20の上下の蓋部22には、処理室2a内に処理部5を構成する陽極部50と陰極部51を表面処理空間Hを調節可能に設けると共に、該処理部5にホルダ6を近接位置させるように、試料供給取出部3の供給筒30と取出筒62を取付支持し、また左方の蓋部22にはホルダ6を既述のように作動させる試料供給回収部6aを設置し、右方の蓋部22にはチヤック7を開閉及び回動させるハンドリング部7aを気密構造を以て安定よく設置している。
【0032】
また各蓋部22は開閉可能であること、及び処理ケース20には図示しないメンテナンス作業用の開閉口を設置していることにより、各機器の調整修理並びに処理室2a内の清掃等のメンテナンス作業を簡単に行うことができる等の特徴がある。
従って、製鋼中途に頻繁に行われる試料調整作業を能率よく簡単に行うことを可能にし、精度のよい分析結果を速やかに得ることができ、これに基づく品質の向上を図ることができると共に、製鋼時のランニングコストを大幅に低減することができる等の利点がある。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上のような金属中成分分析用試料の調整装置にしたことにより次のような効果を奏する。
真空状態に維持可能に形成した処理室内に、金属中成分分析用の試料を電極間でアーク処理するアーク処理部と、試料のアーク処理部への供給と取り出しを行う試料供給回収部と、該試料供給回収部から供給された試料をアーク処理部で位置決めするハンドリング部とを設置構成したことにより、真空中の処理室内で試料の表面処理を確実に行うと共に、試料の供給及び取り出しをコンタミや酸化等を防止しながら能率よく簡単に行うことができる。
【0034】
真空状態に維持可能に形成した処理室内に、陽極部と陰極部との間に表面処理空間を設けるアーク処理部を設置すると共に、該表面処理空間内に金属中成分分析用の試料を収容可能なアーク処理室を形成する処理ガイドを設け、試料をアーク処理室内でアーク処理するように構成したことにより、両極間の表面処理空間内でアークプラズマの発生範囲を絞って安定よく発生させることができ、試料の酸化皮膜や付着物等を蒸発除去することができる。
また試料がアークプラズマによって動いても処理ガイドによってアーク処理室内に保持されるから、アーク処理を適正に受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調整装置を備えた試料調整機を示す正面図。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 図1の調整装置2の構成を示す正断面図。
【図4】 図3の要部の構成を示す平断面図。
【図5】 チヤックとホルダとの関係を示す平面図。
【図6】 調整装置に設置した試料供給取出部と試料供給回収部の構成を示す正面図。
【図7】 (A)はホルダの平面図。(B)は(A)のホルダ片を閉動した状態を示す断面図。(C)は(A)のホルダ片を開動した状態を示す断面図。
【図8】 (A)は処理部の構成を示す断面図。(B)は(A)の処理ガイドの平面図。
【図9】 処理部における試料の供給状態を示す作用図。
【図10】 処理部における試料の位置決め状態を示す作用図。
【図11】 処理部における試料の表面処理状態を示す作用図。
【図12】 処理部における試料の回収状態を示す作用図。
【符号の説明】
1 試料調整機
1c 真空ポンプ
2 調整装置
2a 処理室
3 試料供給取出部
5 アーク処理部(アークプラズマ処理部)
6 ホルダ
6a 試料供給回収部
7 チヤック
7a ハンドリング部
8 処理ガイド
20 処理ケース
22 蓋部
23 排気管
50 陽極部
51 陰極部
80 アーク処理室
H 表面処理空間
W 試料

Claims (2)

  1. 真空状態に維持可能に形成した処理室(2a)内に、金属中成分分析用の試料(W)を上下方向に向き合う陽極部(50)と陰極部(51)との間の電極間に形成される表面処理空間(H)の陰極部(51)上に載置してアーク処理するアーク処理部(5)と、試料(W)のアーク処理部(5)への供給と取り出しを行う試料供給回収部(6a)と、該試料供給回収部(6a)から供給された試料(W)をアーク処理部(5)で位置決めするハンドリング部(7a)とを設置した金属中成分分析用試料の調整装置において、上記該表面処理空間(H)内にアーク処理時に陰極部(51)上の試料(W)を収容して周囲を空隙を有して囲繞するアーク処理室(80)を形成する耐熱性及び絶縁性を有するセラミック材よりなる処理ガイド(8)を設け、該処理ガイド(8)の上面と陰極部(51)の下面との間にはアーク処理室(80)を処理室(2a)に開放する開放空間(83)を形成し、試料(W)をアーク処理室(80)内でアーク処理するように構成した金属中成分分析用試料の調整装置。
  2. 陰極部(51)の高さを調節するアクチュエータ(56)を設け、処理ガイド(8)を陽極部(50)側に取付杆(81)を介して取付けた請求項1に記載の金属中成分分析用試料の調整装置。
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