JP4738603B2 - 歯ブラシ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性と植毛強度に優れた歯ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヘッド部に硬質樹脂と軟質樹脂を用いた歯ブラシは知られている(例えば、実開平6−38653号)が、硬質樹脂と軟質樹脂を2層構造にしたものは知られていない。また、歯面への毛先のフィット性を上げて歯垢除去効果を高めた歯ブラシとして、ヘッド部を部分的に可動させることはよく行なわれている。このような歯ブラシとして、例えば、ヘッド部に溝を形成してそこにTPE(熱可塑性エラストマー)を使用したもの(国際公開第98/05239号)、TPEが溝部分と側面にあるもの(特表2000−502582号)、可動部の薄いPP部分が見えないようにTPEを使用したもの(特表平11−511343号)などがあるが、軟質樹脂はヘッド部の一部に使用されているだけでヘッド部全体が硬質樹脂と軟質樹脂の2層構造にはなっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヘッド部全面またはその一部を硬質樹脂と軟質樹脂の2層構造とすることによって、ヘッド部に優れた可撓性と植毛強度を与えた歯ブラシを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は次のような手段を採用した。すなわち、本発明は、毛束を植設されたヘッド部と、これに続く首部および把持部とからなる歯ブラシにおいて、前記ヘッド部の全面またはその一部を、植毛面を覆う薄肉の硬質樹脂層と、該硬質樹脂層の背面側に位置する所定厚さの軟質樹脂層とからなる2層構造とするとともに、前記硬質樹脂層はヘッド部先端側からヘッド部基端側に向かってその厚さが直線状または階段状に徐々に厚くなるように形成し、該2層構造によってヘッド部表裏面方向に可撓性を与えたことを特徴とするものである。なお、前記ヘッド部先端側からヘッド部基端側に向かってその厚さが徐々に厚くなる硬質樹脂層の途中適宜位置に、厚さの薄い薄肉部を形成すればより望ましい。また、前記硬質樹脂層の厚みを0.4mm以上、3mm未満、曲げ弾性率を1400MPa〜1900MPa、MFRを5〜70g/10minとし 、前記軟質樹脂層のMFRを0.01〜70g/10min とすることが望ましい。
【0005】
硬質樹脂の材質としては、曲げ弾性率が1400MPaから1900MPaのものがよく、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート樹脂(CP)、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)などの素材を単独または混合して用いることができるが、成形性、コスト性の点でポリプロピレン樹脂が好ましい。また、歯ブラシ製造時の成形性を考慮すると、硬質樹脂のMFR(メルトフローレート)は5〜70g/10min (試験方法 JIS K7210、試験温度230℃、試験荷重2.16Kg/cm)のものが好ましい。
【0006】
軟質樹脂の材質としては、硬さ(JIS K6253硬さ試験、試験条件JIS A)が5〜100、好ましくは20〜60のものがよく、ポリオレフィン系TPE、ポリスチレン系TPE、ポリウレタン系TPE、ポリエステル系TPE、1,2ポリブタジエン系TPE、エチレン−酢酸ビニル系TPE、天然ゴム系TPE、フッ素系TPE、トランス−ポリイソプレン系TPEなどを用いることができる。なお、歯ブラシ製造時の成形性を考慮すると、軟質樹脂のMFR(メルトフローレート)は0.01〜70g/10min (試験方法 JIS K7210、試験温度230℃、試験荷重2.16Kg/cm)のものが好ましい。
【0007】
歯ブラシ製造に際しては、上記材料を適宜組み合わせて使用するが、歯ブラシ材料として求められる物性、価格や材質相互の相溶性の点から、ポリプロピレン樹脂(PP)とポリオレフィン系TPE、またはポリプロピレン樹脂とポリスチレン系TPEを用いることが好ましい。例えば、ポリオレフィン系TPEとしては、ゴム成分としてEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合体)を、硬成分としてはポリプロピレン樹脂をそれぞれ選び、これらをブレンドして一部あるいは全部を架橋したものが用いられる。また、TPEの代わりに、2液混合射出による熱硬化性シリコーン樹脂を使用してもよい。
【0008】
毛束を構成する刷毛(フィラメント)の材料としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン6−10,ナイロン6−12,ナイロン12などのポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン、およびポリフッ化ビニリデンなどのポリハロゲン化ビニルなど、溶融紡糸できる素材が利用できるが、使用感、耐久性などの点でナイロンが好ましい。
【0009】
刷毛の横断面形状も円形が主であるが、特に限定するものではない。例えば、四角形、六角形などの横断面形状をした刷毛を用いることもできる。
【0010】
刷毛の太さとしては、5ミル(0.127mm)から14ミル(0.356mm)のものが利用され、大人用には、より好ましくは8ミル(0.203mm)から11ミル(0.279mm)、子供用にはより好ましくは6ミル(0.152mm)から8ミル(0.203mm)の刷毛が使用感がよく、また耐久性にも優れ、よく利用される。
【0011】
また、通常は毛先丸め部を除いて1本の刷毛内では同一径であるが、毛束根元部付近では上記刷毛太さであっても、毛先先端へ向かうに従って徐々に径が細くなる硬度テーパー毛の形態であってもよい。また、刷毛の先端部形状は、ヘラ状、スクレイパー状、球状などであってもよい。
【0012】
植毛穴の寸法としては、直径1.0mmから3.0mmまでの真円、長径0.5mmから3.0mm、短径0.5mmから3.0mmの楕円、長辺3.0mm、短辺1.0mmから長辺1.5mm、短辺0.5mmの長方形などを単独に20〜40穴使用したり、真円穴と楕円穴、あるいは長方形穴、多角形穴を組み合わせて使用してもよい。
【0013】
植毛穴形状は、通常の円柱形でもよいが、下方に行くに従って穴径が細くなるようにテーパーを付けたものや、段差を設けたもの、段差とテーパー部を設けたものなども使用できる。これらの形状に加えて、さらに、底部分に0.3mm程度の面取り加工をしたものがよく使用される。
【0014】
刷毛の植毛密度は、植毛穴横断面積に対する刷毛の断面積の合計の割合が65%から85%の場合に毛束とハンドル部との摩擦抵抗が大きく、毛抜けという現象が起きにくく、植毛時の衝撃による植毛穴周辺のクラックの発生がなく、植毛本数の設定条件によく利用される。
【0015】
毛束の植毛方式としては、平線式植毛法を利用することができる。さらに、平線を用いて植毛した後、高周波を当てて加熱して平線周囲のエラストマーを溶融することにより、植毛強度をさらに高めることができる。
【0016】
刷毛を固定する平線の寸法としては、幅1.0mmから1.6mm、好ましくは1.2mmから1.5mmがよく、長さは、硬質樹脂に開けられた穴径(直径1.0mmから3.0mm)よりも0.4mmから0.8mm、好ましくは0.5mmから0.7mmだけ長い長さとし、その厚みは0.1mmから0.4mm、好ましくは0.15mmから0.3mmのものがよい。平線の素材としては、アルミニウム、黄銅、洋白などが用いられるが、経済性の点で黄銅がよい。
【0017】
平線の形状としては、長方形が一般的であるが、これに限らず、クサビ形にしたり、凹面を片側もしくは両側に2〜4個持つ溝付きのものなどを使用することができる。溝付きのものを使用した場合、植毛強度をさらに高めることができる。
【0018】
また、毛束の植毛方式としては、前記平線式植毛法だけに限られるものではなく、インモールド法(特開昭61−268208号公報、特表平9−512724号公報参照)や、熱融着法(特開昭60−241404号公報参照)なども利用できるが、毛束溶融部を毛束径に対して大きくすれば植毛強度が向上する。さらに、連結した溶融部にすれば、植毛強度がより向上する。これらの方法の場合、製造工程が複雑で、金型も複雑となるので、製造コストなどの点から平線式植毛法が好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明に係る歯ブラシの第1の実施の形態を示す。
図において、1はヘッド部、2はヘッド部の植毛面に形成された植毛穴、3は首部であって、ヘッド部1の先端側半部は首部3の軸線に対してθ=15°だけ上方へ傾斜されている。なお、図示は略したが、各植毛穴2には、複数本の刷毛を束ねた毛束が平線式植毛法によってそれぞれ植毛されている。
【0020】
この第1の実施の形態は、ヘッド部1の植毛面側に、曲げ弾性率1600MPaのポリプロピレン樹脂(PP)からなる薄い硬質樹脂層4が植毛面の全面を覆うように形成されているとともに、この硬質樹脂層4の背面側に、ポリオレフィン系TPEからなる軟質樹脂層5が重ね合わされており、ヘッド部1の全体を硬質樹脂層4と軟質樹脂層5によって2層構造としたものである。なお、硬質樹脂層4は傾斜面6を介して首部3に一体形成されており、さらに首部3は図示を略した把持部へとつながっている。
【0021】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端縁から後端側(首部3寄り)植毛穴2までの長さ22.05mm、ヘッド幅10.00mm、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側厚み0.50mm、後端側(首部3寄り)厚み0.80mm、首部3の厚み5.00mmであり、2色成形法によって硬質樹脂層4と軟質樹脂層5を射出成形したものである。
【0022】
また、植毛穴2の穴数28個、穴径1.70mmφ、穴深さ3.80mmであり、各植毛穴2に、8ミル(0.203mm)径の刷毛(フィラメント)を1穴22本ずつ、平線式植毛法(平線の材質:黄銅、平線の厚み0.25mm、幅1.5mm、長さ2.2mm)で植毛した。
【0023】
上記構造になる歯ブラシは、ヘッド部1の全体が薄い硬質樹脂層4と厚い軟質樹脂層5の2層構造とされているため、ヘッド部全体がヘッド部表裏面方向に可撓性を有する。このため、ヘッド部1がヘッド部表裏面方向へスムーズに可動することができ、歯面とのフィット性が向上し、歯や歯肉への当たり心地がよくなるとともに、細かい歯間や歯頸部にも毛先が入りやすくなり、歯間や歯頸部の歯垢除去効果が向上する。また、植毛穴2を軟質樹脂層5内まで達する穴深さとしているので、十分な植毛強度を確保することができる。実測によれば、17[N]の植毛強度を得ることができた。
【0024】
図2に、本発明に係る歯ブラシの第2の実施の形態を示す。
この第2の実施の形態は、前記第1の実施の形態とほぼ同じ形状になるものであって、第1の実施の形態と異なる点は、硬質樹脂層4を垂直面7を介して首部3に連結した点、各部の寸法が若干異なる点だけである。なお、第1の実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0025】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端側傾斜角度θ=15°、ヘッド部1の先端縁から後端側(首部3寄り)植毛穴2までの長さ22.53mm、ヘッド幅10.00mm、ヘッド部1の先端側厚み3.00mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側厚み0.50mm、後端側(首部3寄り)厚み0.80mm、首部3の厚み4.00mm、植毛穴2の穴径1.70mmφ、ヘッド部先端側の穴深さ2.24mm、後端側(首部3寄り)の穴深さ2.75mmである。
【0026】
図3に、本発明に係る歯ブラシの第3の実施の形態を示す。
この第3の実施の形態は、ヘッド部1をストレート形状とするとともに、硬質樹脂層4の厚みを首部3側に向かうに従って段階的に厚くしたものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0027】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端縁から後端側(首部3寄り)植毛穴2までの長さ22.53mm、ヘッド幅10.00mm、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側第1段目の厚み0.80mm、第2段目の厚み1.10mm、第3段目の厚み1.40mm、第4段目の厚み1.70mm、首部3の厚み5.00mm、植毛穴2の穴径1.70mmφである。
【0028】
図4に、本発明に係る歯ブラシの第4の実施の形態を示す。
この第4の実施の形態は、前記第3の実施の形態と同様な形状において、硬質樹脂層4の厚みを首部3側に向かって連続的にテーパー状に厚くなるように形成したものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0029】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端縁から後端側(首部3寄り)植毛穴2までの長さ22.53mm、ヘッド幅10.00mm、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側厚み0.50mm、中間位置厚み1.10mm、後端側(首部3寄り)厚み1.70mm、首部3の厚み5.00mm、植毛穴2の穴径1.70mmφである。
【0030】
図5に、本発明に係る歯ブラシの第5の実施の形態を示す。
この第5の実施の形態は、植毛穴の穴形状を場所によって変えたもので、ヘッド部先端側の3列の植毛穴2aを直径1.70mmφの円形穴とするとともに、後端側(首部3寄り)の5列の植毛穴2bを長軸1.70mm、短軸1.00mmの楕円形穴としたものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0031】
図6に、本発明に係る歯ブラシの第6の実施の形態を示す。
この第6の実施の形態は、前記第5の実施の形態と同じく、植毛穴の穴形状を場所によって変えたもので、ヘッド部先端側の3列の植毛穴2aを直径1.70mmφの円形穴とするとともに、後端側(首部3寄り)の5列の植毛穴2bを長辺1.80mm、短辺1.40mmの長方形穴としたものである。
【0032】
図7に、本発明に係る歯ブラシの第7の実施の形態を示す。
この第7の実施の形態は、ヘッド部1をストレート形状とするとともに、硬質樹脂層4の厚みをヘッド部先端寄り中間位置で最も薄くなるようにしたものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0033】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側第1段目の厚み0.80mm、第2段目の厚み0.50mm、第3段目の厚み1.40mm、第4段目の厚み1.70mm、首部3の厚み5.00mmである。
【0034】
図8に、本発明に係る歯ブラシの第8の実施の形態を示す。
この第8の実施の形態は、前記第7の実施の形態と同じく、ヘッド部1をストレート形状とするとともに、硬質樹脂層4の厚みをヘッド部中央付近で最も薄くなるようにしたものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側第1段目の厚み0.80mm、第2段目の厚み0.50mm、第3段目の厚み1.40mm、第4段目の厚み1.70mm、首部3の厚み5.00mmである。
【0036】
図9に、本発明に係る歯ブラシの第9の実施の形態を示す。
この第9の実施の形態は、前記第7および第8の実施の形態と同じく、ヘッド部1をストレート形状とするとともに、硬質樹脂層4の厚みをヘッド部後端側(首部3寄り)が最も薄くなるようにしたものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0037】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側厚み0.80mm、後端側(首部3寄り)厚み0.50mm、首部3の厚み5.00mmである。
【0038】
図10に、本発明に係る歯ブラシの第10の実施の形態を示す。
この第10の実施の形態は、ヘッド部1の先端側半部を薄い硬質樹脂層4としたものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0039】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端側傾斜角度θ=15°、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側厚み0.50mm、ヘッド部中央付近の厚み0.65mm、首部3の厚み5.00mm、植毛穴2の穴深さ3.80mmである。
【0040】
図11に、本発明に係る歯ブラシの第11の実施の形態を示す。
この第11の実施の形態は、本発明の歯ブラシをインモールド法によって製作した場合の例を示すもので、毛束8の基端部に形成された溶塊部9を軟質樹脂層5内に埋め込んだものである。なお、前述した各実施の形態と同一もしくは同等部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0041】
各部の具体的な寸法を挙げると、ヘッド部1の先端側傾斜角度θ=15°、ヘッド部1の先端側厚み4.50mm、硬質樹脂層4のヘッド部先端側厚み0.50mm、後端側(首部3寄り)厚み0.80mm、首部3の厚み5.00mmである。
【0042】
なお、上述した各実施の形態では、植毛穴の形状を単純な円柱状穴としたが、これに限られるものではなく、他に、例えば図12に示すように、穴径に段差を設けたもの(図12(a))、下方に行くに従って穴径が細くなるようにテーパーを付けたもの(図12(b))、段差とテーパーを付けたもの(図12(c))なども採用できる。
【0043】
〔実験例〕
硬質樹脂層4と軟質樹脂層5の2層構造になる歯ブラシにおいて、硬質樹脂層4の厚さの違いが植毛強度や歯面へのフィット感にどのような影響を与えるかを知るために、実験を行なった。
【0044】
すなわち、硬質樹脂としてポリプロピレン樹脂(PP)を、軟質樹脂としてポリオレフィン系TPEを用い、硬質樹脂層4の厚みを0.2mmから1.4mmまで種々変えた場合において、各厚さにおける植毛適性と植毛強度を評価した。
その結果を表1に示す。
【0045】
表1の実験条件は以下の通りである。
Figure 0004738603
【0046】
(2)植毛強度の測定方法
「JIS S3016−1955 歯ブラシ」の項に記載の通り、引っ張り試験機によって引っ張り得た最大引張力を測定する。なお、JIS規格では、植毛強度(JISでは「毛止め強度」)は、8[N]以上と規定されている。
【0047】
(3)テスト者総数N=10名(成人)
【0048】
(4)評価の基準
(i) 可動性
×* :歯磨き中にヘッド部がくねくねして使用しにくい。
×**:歯磨き中にヘッド部の可動が感じられない。
△ :歯磨き中にヘッド部の可動がわずかに感じられる。
○ :歯磨き中にヘッド部の可動が感じられる。
(ii) 歯面へのフィット性
×:歯面へのフィット性が感じられない。
△:歯面へのフィット性がわずかに感じられる。
○:歯面へのフィット性が感じられる。
【0049】
【表1】
Figure 0004738603
【0050】
表1から明らかなように、硬質樹脂の厚みが0.4mm以上あると、歯ブラシとしての機能に支障はない。0.4mm未満では、歯磨き中に毛束が容易に抜け落ちてしまう可能性があるので好ましくはない。ヘッド部の硬質樹脂の厚さが3mmを超える場合、軟質樹脂との2層構造としても可撓性が失われ、歯面へのフィット性が不足する。また、JISに規定されている植毛強度値は8[N]以上であるが、表1に示されるように、PPの厚みが0.4mmあれば、平線式植毛法で植毛した場合でも植毛強度を十分に確保することができ、まったく問題のないことが確認された。
【0051】
【実施例】
図1に示した形状ならびに寸法からなる本発明の歯ブラシ(本発明品)と、図13に示すような硬質樹脂のみからなる従来の歯ブラシ(従来品)とを用いて、ヘッド部の可動性、歯面へのフィット性、歯間部の磨きやすさ、歯間部への毛の入りやすさ、歯頸部の磨きやすさを比較した。その結果を表2に示す。この表から明らかなように、従来品に比べて本発明品の方がいずれの評価においても優れていることが確認された。なお、表2のテスト条件と評価基準は下記の通りである。
【0052】
(1)テスト条件
テスト者総数N :50名(成人)
歯ブラシ使用期間:1週間
【0053】
(2)テストに使用した歯ブラシ
(i) 本発明品
硬質樹脂:ポリプロピレン樹脂(PP)
軟質樹脂:ポリオレフィン系TPE
(ii) 従来品
硬質樹脂:ポリプロピレン樹脂(PP)
なお、本発明品、従来品ともに、植毛穴径1.70mmφ、植毛穴数28個、刷毛太さ8ミル(0.203mm)、刷毛の植毛本数22本/1穴とした。
【0054】
(3)評価方法
下記の7段階相対評価による。
(i) 可動性、フィット性の評価基準
7:非常に感じる
6:かなり感じる
5:やや感じる
4:どちらともいえない
3:やや感じない
2:かなり感じない
1:非常に感じない
(ii) 歯間部、歯頸部の磨きやすさの評価基準
7:非常に磨きやすい
6:かなり磨きやすい
5:やや磨きやすい
4:どちらともいえない
3:やや磨きにくい
2:かなり磨きにくい
1:非常に磨きにくい
(iii) 歯間部への毛の入りやすさの評価基準
7:非常に入りやすい
6:かなり入りやすい
5:やや入りやすい
4:どちらともいえない
3:やや入りにくい
2:かなり入りにくい
1:非常に入りにくい
【0055】
【表2】
Figure 0004738603
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヘッド部の全面またはその一部を、植毛面を覆う薄肉の硬質樹脂層と、該硬質樹脂層の背面側に位置する所定厚さの軟質樹脂層とからなる2層構造とするとともに、前記硬質樹脂層はヘッド部先端側からヘッド部基端側に向かってその厚さが直線状または階段状に徐々に厚くなるように形成し、該2層構造によってヘッド部表裏面方向に可撓性を持たせたので、ヘッド部全体またはその一部をヘッド部表裏方向にスムーズに可撓することができる。このため、歯面とのフィット性が向上し、歯や歯肉への当たり心地と使用感に優れ、細かい歯間や歯頸部に毛先が入りやすくなり、歯間や歯頸部の歯垢除去効果が向上する。また、特定の部分に荷重が集中することがなく、刷毛部の耐久性が向上するとともに植毛強度も向上し、使用中に刷毛が抜けるようなこともなくなる。また、下側の軟質樹脂層に達する深さまで毛束を埋め込んで植毛すれば、植毛強度も十分に確保することができ、ブラッシング中に刷毛が抜け出るようなこともなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯ブラシの第1の実施の形態を示すもので、(a)はヘッド部の略示平面図、(b)はその縦断面図、(c)は植毛穴の拡大断面図である。
【図2】本発明に係る歯ブラシの第2の実施の形態を示すもので、(a)はヘッド部の略示平面図、(b)はその縦断面図である。
【図3】本発明に係る歯ブラシの第3の実施の形態を示すもので、(a)はヘッド部の略示平面図、(b)はその縦断面図である。
【図4】本発明に係る歯ブラシの第4の実施の形態を示すもので、(a)はヘッド部の略示平面図、(b)はその縦断面図である。
【図5】本発明に係る歯ブラシの第5の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示平面図である。
【図6】本発明に係る歯ブラシの第6の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示平面図である。
【図7】本発明に係る歯ブラシの第7の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示縦断面図である。
【図8】本発明に係る歯ブラシの第8の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示縦断面図である。
【図9】本発明に係る歯ブラシの第9の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示縦断面図である。
【図10】本発明に係る歯ブラシの第10の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示縦断面図である。
【図11】本発明に係る歯ブラシの第11の実施の形態を示すもので、ヘッド部の略示縦断面図である。
【図12】(a)〜(c)は植毛穴の他の形状例を示す図である。
【図13】従来の歯ブラシの形状例を示すもので、(a)はヘッド部の略示平面図、(b)はその縦断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッド部
2、2a、2b 植毛穴
3 首部
4 硬質樹脂層
5 軟質樹脂層
6 傾斜面
7 垂直面
8 毛束
9 溶塊部

Claims (3)

  1. 毛束を植設されたヘッド部と、これに続く首部および把持部とからなる歯ブラシにおいて、
    前記ヘッド部の全面またはその一部を、植毛面を覆う薄肉の硬質樹脂層と、該硬質樹脂層の背面側に位置する所定厚さの軟質樹脂層とからなる2層構造とするとともに、前記硬質樹脂層はヘッド部先端側からヘッド部基端側に向かってその厚さが直線状または階段状に徐々に厚くなるように形成し、該2層構造によってヘッド部表裏面方向に可撓性を与えたことを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記ヘッド部先端側からヘッド部基端側に向かってその厚さが徐々に厚くなる硬質樹脂層の途中適宜位置に、厚さの薄い薄肉部を形成したことを特徴とする請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記硬質樹脂層の厚みが0.4mm以上、3mm未満、曲げ弾性率が1400MPa〜1900MPa、MFR(メルトフローレート)が5〜70g/10minであり 、前記軟質樹脂層のMFRが0.01〜70g/10min であることを特徴とする請求項1または2記載の歯ブラシ。
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