JP4738463B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、目標吸気量に合致した吸入空気量を得るようにスロットルの開度を制御することができるようにした内燃機関の制御装置に関するものである。
近年、運転者や車両側からの駆動力の要求値として、車両の制御に直接作用する物理量である内燃機関(以下、エンジンと称する)の出力軸トルクを用い、この出力軸トルクをエンジンの出力目標値として、エンジンの制御量である空気量、燃料量及び点火時期を決定することにより、車両の良好な走行性能を得ることができるようにした内燃機関の制御装置が提案されている。
一般に、エンジンの制御量のうち、エンジンの出力軸トルクに最も影響の大きい制御量であるのが吸入空気量であることは一般に知られている。この吸入空気量を高精度に制御するために、目標吸入空気流量と大気圧と吸気管内の圧力(以下、「インマニ圧」と称する)と吸気温度とに基づいてエンジンの吸気系の目標有効開口面積を算出し、吸気系の有効開口面積とスロットルの開度との対応を予め記憶した対応マップから前記算出した目標有効開口面積に対応する目標スロットル開度を出力し、スロットル開度をこの目標スロットル開度に追従させるように制御する内燃機関の制御装置は、本願の出願人により既に提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に示された内燃機関の制御装置の場合、個々のスロットルボディの製造ばらつき等により、同じスロットル開度であっても実際のスロットル開口面積や流量係数にばらつきが発生するため、スロットルボディ毎に吸入空気流量は異なることがあり、又、インマニ圧や大気圧や吸気温度を測定するセンサのばらつき、又は推定方法の持つ誤差により、算出される目標有効開口面積にもばらつきが発生することがあり、目標吸入空気流量に対する実際の吸入空気流量にばらつきが発生することがあった。
そこで、本願の出願人は、目標吸気空気流量を得るためのスロットル開度を算出する際、スロットルボディ及び各種センサ等のばらつきや各種推定誤差に対して、良好に目標吸入空気流量が達成できるように有効開口面積とスロットル開度の関係を学習補正するスロットル開度学習手段を備えた内燃機関の制御装置を既に提案している。
従来の内燃機関の制御装置は、目標スロットル開度に追従するように実スロットル開度は変化するため、目標スロットル開度に於ける学習すべき基本学習値を、実有効開口面積でのスロットル開度と目標有効開口面積でのスロットル開度との偏差と見なして学習を行うものであり、スロットル開度学習値は、下記の式に基づいて算出されたスロットル開度学習値を積算している。
実スロットル開度A−(実有効開口面積のスロットル開度B
+実有効開口面積のロングタイム学習値C)=基本学習値D
基本学習値D×スロットル開度学習ゲイン=スロットル開度学習値
図9は、従来の内燃機関の制御装置に於ける制御内容を説明する説明図で、(a)は、目標有効開口面積とスロットル開度との関係を示す補正後対応マップ(実線)の傾きが、実際の有効開口面積とスロットル開度との関係(二点鎖線)の傾きにほぼ等しい場合を示し、(b)は、目標有効開口面積とスロットル開度との関係を示す補正後対応マップ(実線)の傾きが、実際の有効開口面積とスロットル開度との関係(二点鎖線)の傾きと異なる場合を示している。尚、図9に於いて、Aは実スロットル開度、Bは実有効開口面積のスロットル開度、Cは実有効開口面積のロングタイム学習値、Dは基本学習値、ΔXは目標有効開口面積に於いて学習すべきスロットル開度の偏差を夫々示している。
特開2007−239650号公報
従来の内燃機関の制御装置の場合、目標有効開口面積に於いて学習すべきスロットル開度の偏差ΔXが同等で、補正後対応マップの(実線)の傾きが、図9の(a)と(b)に示すように異なると、基本学習値Dは、(a)と(b)との場合で異なることとなる。スロットル開度の学習は、前述の偏差ΔXにスロットル開度学習ゲインを乗算したものを順次積分して得ているため、スロットル開度学習の収束時間はこの偏差ΔXに依存し、補正後対応マップ(実線)の傾きによっては、吸入空気量のハンチングの発生や収束時間が増加する等の課題があった。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたものであり、目標吸気量を得るためのスロットル開度を算出する際に、スロットルボディ及び各種センサ等のばらつきや各種推定誤差に対して、良好に目標吸気量が達成できるように有効開口面積とスロットル開度との関係を学習補正し、吸入空気量のハンチングの発生や収束時間が増加することを防止することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
この発明による内燃機関の制御装置は、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて前記内燃機関への吸気量を可変制御するスロットル開度制御手段を備えた内燃機関の制御装置であって、 前記スロットルの実スロットル開度を検出する手段と、前記内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出手段と、前記スロットルの大気側の圧力を大気圧として検出する大気圧検出手段と、前記スロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気管内圧として検出する吸気管内圧検出手段と、前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出手段と、前記内燃機関の運転状態に基づいて目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、前記算出された目標吸気量と前記検出された大気圧と前記検出された吸気管内圧と前記検出された吸気温とのうちの少なくとも何れかに基づいて前記スロットル開度制御手段に於ける目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、前記吸気通路の有効開口面積と前記スロットルのスロットル開度との対応関係が予め適合された対応マップを用いて、前記算出した目標有効開口面積から目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手
段と、前記検出された吸気量と前記検出された大気圧と前記検出された吸気管内圧と前記検出された吸気温とのうちの少なくとも何れかに基づいて前記スロットル開度制御手段に於ける実有効開口面積を算出する実有効開口面積算出手段と、前記対応マップを用いて、前記算出した実有効開口面積から学習用スロットル開度を算出する学習用スロットル開度算出手段と、前記算出したスロットル開度学習値に基づいて前記対応マップに於ける前記有効開口面積とスロットル開度との対応関係が補正された補正後対応マップと前記検出された実スロットル開度とによりゲイン補正用開口面積を算出すると共に、前記ゲイン補正用開口面積と前記実有効開口面積との間に於ける、前記対応マップの傾きと前記補正後対応マップの傾きとの傾き比に基づいて算出されたゲイン補正係数により補正されたスロットル学習ゲインを算出するスロットル学習ゲイン算出手段と、前記検出した実スロットル開度又は前記算出した目標スロットル開度と前記算出した学習用スロットル開度との偏差に、前記算出したスロットル学習ゲインを乗算して積分し又はフィルタ処理を施して、スロットル開度学習値を算出する処理手段と、前記算出されたスロットル開度学習値に基づいて補正用スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出手段と、前記算出された補正用スロットル開度学習値と前記算出された目標スロットル開度とに基づいて学習補正後目標スロットル開度を算出する学習補正後目標開度算出手段とを備え、前記スロットル開度制御手段は、前記算出された学習補正後目標スロットル開度に基づいて前記スロットルのスロットル開度を制御するようにしたものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、対応マップに於ける有効開口面積とスロットル開度との対応関係が補正された補正後対応マップと検出された実スロットル開度とによりゲイン補正用開口面積を算出すると共に、ゲイン補正用開口面積と実有効開口面積との間に於ける、対応マップの傾きと補正後対応マップの傾きとの傾き比に基づいて算出されたゲイン補正係数により補正されたスロットル学習ゲインを算出するスロットル学習ゲイン算出手段と、検出した実スロットル開度又は算出した目標スロットル開度と算出した学習用スロットル開度との偏差に、算出したスロットル学習ゲインを乗算して積分し又はフィルタ処理を施して、スロットル開度学習値を算出する処理手段と、算出されたスロットル開度学習値に基づいて補正用スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出手段と、算出された補正用スロットル開度学習値と算出された目標スロットル開度とに基づいて学習補正後目標スロットル開度を算出する学習補正後目標開度算出手段とを備え、スロットル開度制御手段は、算出された学習補正後目標スロットル開度に基づいてスロットルのスロットル開度を制御するようにしたので、スロットル学習の影響による吸入空気量のハンチングの発生や収束時間が増加すること防止し、正確に吸気量が目標吸気量と一致するようにスロットル開度を制御することができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置を概略的に示す構成図、図2は、この発明の実施の形態1に係るエンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。
図1に於いて、エンジン1の吸気系を構成する吸気通路の上流側には、エンジン1への吸入空気流量(以下、「吸気量」と称する)Qaを測定するエアフローセンサ2と、吸入空気温度(以下、「吸気温」と称する)Toを直接測定する吸気温センサ3とが設けられている。尚、吸気温センサ3は、エアフローセンサ2と一体に構成されてもよく、或いはエアフローセンサ2とは別体に構成されてもよい。又、吸気温Toを直接測定する吸気温センサ3に代えて、他のセンサ情報から吸気温Toを推定演算する手段を用いてもよい。
エンジン1の吸気系に於いて、エアフローセンサ2の下流のエンジン1側には、電子的に開閉制御されて吸気量Qaを調整するためのスロットル4が設けられている。スロットル4には、スロットル開度TPを測定するためのスロットルポジションセンサ5が設けられている。スロットル4の下流のエンジン1側には、吸気管内の圧力を均一化するサージタンク6と、サージタンク6内の圧力をインマニ圧Peとして直接測定するインマニ圧センサ7とが設けられている。
サージタンク6には、エンジン1の排気管と連通したEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス還流システム)管を開閉するためのEGRバルブ8が接続されている。尚、
インマニ圧Peを直接測定するインマニ圧センサ7に代えて、他のセンサ情報からインマニ圧Peを推定演算する手段を用いてもよい。
エアフローセンサ2からの吸気量Qa、スロットル4の大気側の吸気温度である吸気温センサ3からの吸気温To、スロットルポジションセンサ5からのスロットル開度TP、及び、インマニ圧センサ7からのインマニ圧Peは、図示していない他のセンサからの検出信号と共に、エンジン1の運転状態を示す情報として、電子制御ユニット(以下、「ECU」と称する)9に入力される。
ECU9は、エンジン1の運転状態に基づく演算結果に応じて、スロットル4のスロットル開度TPを制御して吸気量Qaを調整すると共に、エンジン1の燃料噴射装置及び点
火装置(図示せず)を所要タイミングで駆動制御し、EGRバルブ8を開閉制御してエンジン1の燃焼状態を改善する。
次に、エンジン制御部の構成を示す図2に於いて、ECU9は、入力インタフェース(以下、「入力I/F」と称する)9aと、演算処理部9bと、出力インタフェース(以下、「出力I/F」という)9cとを備えている。入力I/F9aには、エアフローセンサ2、吸気温センサ3、スロットルポジションセンサ5、インマニ圧センサ7、スロットル4の大気圧側の圧力である大気圧Poを直接検出する大気圧センサ10、の各出力端子が接続され、夫々のセンサが検出した吸気量Qa、吸気温To、スロットル開度Tp、インマニ圧Pe、大気圧Poを取り込み、演算処理部9bに入力する。尚、大気圧Poを直接測定する大気圧センサ10に代えて、他のセンサ情報から大気圧Poを推定演算する手段を用いてもよい。
ECU9内の演算処理部9bは、スロットル4のスロットル開度TPを制御する後述するスロットル開度制御手段を含み、このスロットル開度制御手段によりスロットル4のスロットル開度TPを制御することにより、吸気通路の有効開口面積を変化させて、エンジン1への吸気量Qaを可変制御する。
演算処理部9bは、スロットル4のスロットル開度TPを制御するために、先ず、入力されたエンジン1の運転状態を示す前述の吸気量Qa、吸気温To、スロットル開度Tp、インマニ圧Pe、大気圧Poに基づいて、エンジン1の目標トルクを算出し、この算出した目標トルクを達成するための目標吸気量Qa*を算出する。
続いて、演算処理部9bは、目標吸気量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出すると共に、この目標有効開口面積CAt*を達成するための目標スロットル開度(以下、「目標開度」と称する)TP*を算出する。
更に、演算処理部9bは、EGRバルブ8に対する制御指令値、スロットルバルブ4に対する制御指令値、並びにエンジン1の燃焼室に設けられた燃料噴射装置のインジェクタ及び点火装置の点火コイル等に対する制御指令値を算出する。これらの算出された制御指令値は、出力I/F9cを介して、各種アクチュエータ40に含まれるEGRバルブ8、スロットル4、インジェクタ(図示せず)、点火装置の点火コイル(図示せ)等を駆動する夫々のアクチュエータ若しくは駆動装置に入力される。
これにより、EGRバルブ、スロットル4、インジェクタ、点火コイル等は、夫々の制御指令値と一致するように夫々のアクチュエータ若しくは駆動装置により駆動される。スロットル4について云えば、後述するようにスロットル開度TPが目標開度TP*と一致するようにそのスロットル開度が制御される。
図3は、ECU9内の演算処理部9bに設けられたこの発明の実施の形態1に係るスロットル開度制御手段の一部を示す機能ブロック図であって、目標吸気量Qa*を達成するための目標開度TP*の演算処理を実行する場合の機能ブロックを示している。図3に於いて、ECU9内の演算処理部9bは、目標吸気量算出手段90と、目標有効開口面積算出手段11と、音速算出手段12と、圧力比算出手段13と、無次元流量算出手段14と、目標開度算出手段15とを備えている。
目標吸気量算出手段90は、エアフローセンサ2からの吸気量Qaに基づいてエンジン1の運転状態に応じた目標トルクを達成するための目標吸気量Qa*を算出して目標吸気量Qa*を目標有効開口面積算出手段11に入力する。音速算出手段12は、吸気温センサ3からの吸気温Toに基づき大気中の音速aoを算出して目標有効開口面積算出手段1
1に入力する。
圧力比算出手段13は、インマニ圧センサ7からのインマニ圧Peと大気圧センサ10からの大気圧Poとの圧力比Pe/Poを算出する除算器からなり、算出した圧力比Pe/Poを無次元流量算出手段14に入力する。無次元流量算出手段14は、圧力比算出手段13からの圧力比Pe/Poに基づき、無次元流量σを算出して目標有効開口面積算出手段11に入力する。
目標有効開口面積算出手段11は、目標吸気量算出手段90からの目標吸気量Qa*と、音速算出手段12からの音速aと、無次元流量算出手段14からの無次元流量σとを入力情報として、スロットル4の目標有効開口面積CAt*を算出して目標開度算出手段15に入力する。
目標開度算出手段15は、有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの対応関係が予め適合された対応マップ(以下、「CAt−TPマップ」と称する)を用いて、目標有効開口面積算出手段11からの目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出する。目標開度TP*の算出値は、学習基本値算出手段21及び後述する学習補正後目標スロットル開度算出手段23に入力される。
次に、図3に示す前述の夫々の目標有効開口面積算出手段11、音速算出手段12、圧力比算出手段13、、無次元流量算出手段14、及び目標開度算出手段15の具体的な算出処理機能について説明する。一般に、絞り式流量計の体積流量算出式は、吸気量Qa(体積流量)と、大気中の音速aと、流量係数Cと、スロットル4の開口面積Atと、インマニ圧Peと、大気圧Poと、比熱比kとを用いて、下記の式(1)で表される。
Figure 0004738463
ここで、無次元流量算出手段14により算出される無次元流量σを、下記の式(2)のように定義する。
Figure 0004738463
式(2)を式(1)に代入すると、吸気量Qaは、下記の式(3)のように表すことができる。
Figure 0004738463
尚、大気中の音速aは、ガス定数R、及び吸気温Toを用いると、下記の式(4)で表される。
Figure 0004738463
又、式(3)を変形すると、流量係数Cとスロットル4の開口面積Atとの積で表される有効開口面積CAtは、目標トルクを達成するために必要な吸気量Qaと、大気中の音速aと、無次元流量σとが与えられた場合に、下記の式(5)により算出することができる。
Figure 0004738463
従がって、式(5)に於いて、吸気量Qaを目標吸気量Qa*、有効開口面積CAtを目標有効開口面積CAt*とすれば、ECU9内の目標有効開口面積算出手段11は、大気中の音速a及び無次元流量σに基づき、式(5)を用いて、目標吸気量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出することができる。
このように、式(1)で表される絞り式流量計の体積流量算出式に基づいて、目標有効開口面積CAt*を算出することにより、環境条件の変化やEGRバルブ8の開放によるEGR導入等に起因してエンジン1の運転状態が変化した場合に於いても、良好に目標吸気量Qa*を達成するための目標有効開口面積CAt*を算出することができる。
ところで、目標有効開口面積CAt*の算出に必要な大気中の音速aを、ECU9内で式(4)を用いて演算することは、演算負荷が膨大となるので実用的ではない。そこで、ECU9内での演算負荷を抑えるために、音速算出手段12は、予め大気中の音速aの理論値を算出して、吸気温Toに対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段11での演算処理前に、吸気温Toを用いて大気中の音速aを算出している。
同様に、目標有効開口面積CAt*の演算に必要な無次元流量σを、ECU9内で式(2)を用いて演算することも、演算負荷が膨大となるので実用的ではない。そこで、ECU9内での演算負荷を抑えるために、無次元流量算出手段14は、予め無次元流量σの理論値を算出して、インマニ圧Peと大気圧Poとの圧力比に対するマップデータとして記憶しておき、目標有効開口面積算出手段11での演算処理前に、圧力比算出手段13で算出されたインマニ圧Peと大気圧Poとの圧力比Pe/Poを用いて無次元流量σを算出している。
一般に、圧力比Pe/Poが所定値(空気の場合、約0.528)以下の場合、スロットル4を通過する空気流量が飽和(所謂、チョーク)することが知られている。このようなチョークが生じた場合には、式(2)で算出される無次元流量σは、一定値になることも知られている。そこで、圧力比算出手段13は、圧力比固定手段(図示せず)を含み、圧力比Pe/Poが前述の第4の所定値以下の場合には、圧力比Pe/Poをその第4の所定値に固定設定することにより、チョークが生じた場合にも対応できるように構成されている。
尚、圧力比算出手段13に於いて、圧力比Pe/Poを前述の第4の所定値に固定設定する代わりに、無次元流量算出手段14に於ける圧力比Pe/Poに対応した無次元流量σのマップ値を、圧力比Pe/Poが前述の第4の所定値以下の領域では、その第4の所定値に対応した無次元流量σのマップ値と同一値に設定してもよい。
一方、圧力比Pe/Poが或る程度以上に大きくなると、エアフローセンサ2及びインマニ圧センサ7に於いて吸入空気の脈動の影響を受けるので、吸気量Qaの測定値が実際の吸気量に対して誤差を生じる可能性があるうえ、無次元流量σの算出に対しても、吸入空気の脈動によるインマニ圧Peの測定誤差の影響を大きく受ける可能性がある。
そこで、圧力比算出手段13内の圧力比固定手段(図示せず)は、エアフローセンサ2及びインマニ圧センサ7が吸入空気の脈動の影響を受けることとなる所定値以上の圧力比Pe/Poの場合には、圧力比Pe/Poをその所定値として扱うことにより、吸入空気の脈動の影響を抑制し、スロットル4の制御性を確保するように構成されている。
尚、圧力比算出手段13に於いて、圧力比Pe/Poを前述の第3の所定値に固定設定する代わりに、無次元流量算出手段14に於ける圧力比Pe/Poに対する無次元流量σのマップ値を、圧力比Pe/Poが第3の所定値以上の領域では、その第3の所定値に対応した無次元流量σのマップ値と同一値に設定してもよい。
次に、目標開度算出手段15は、目標有効開口面積算出手段11により算出された目標有効開口面積CAt*を用いて、スロットル4の目標開度TP*を算出する。このとき、目標開度算出手段15は、スロットルポジションセンサ5からのスロットル開度TPの測定値と、エアフローセンサ2からの吸気量Qaの測定値から、式(5)により算出した有効開口面積CAtとの関係を予め求め、スロットル開度TPと有効開口面積CAtとが1対1にて対応する2次元マップとして記憶しておき、この2次元マップを用いることにより、目標有効開口面積CAt*に対応した目標開度TP*を算出する。このスロットル開度TPと有効開口面積CAtとの2次元マップは、容易に作成することができ、従って大幅なセッティング工数の削減を実現することができる。
図4は、この発明の実施の形態1によるスロットル開度制御手段の学習補正後目標開度の算出処理部を概略的に示す機能ブロック図である。図4に於いて、スロットル開度制御手段16は、図2に示すECU9に於ける演算処理部9b内に設けられている。このスロットル開度制御手段16は、後述するように、目標開度算出手段15により算出された目標開度TP*が達成されるようにスロットル4を制御する際に、スロットル4のボディ及び各種センサ31のばらつきや各種推定誤差等に起因した目標吸気量Qa*と実際の吸気量Qaとの誤差が減少するように、スロットル開度学習値を算出する。
図4に於いて、スロットル開度制御手段16は、実有効開口面積算出手段17と、学習用スロットル開度算出手段(以下、「学習用開度算出手段」と称する)18と、スロットルポジションセンサ5に接続された学習基本値算出手段19と、スロットル学習ゲインを算出するスロットル学習ゲイン算出手段20と、学習基本値ΔTPを積分処理する補正後積分処理手段21と、スロットル開度学習値算出手段22と、目標開度算出手段15と、学習補正後目標スロットル開度算出手段(以下、「学習補正後目標開度算出手段」と称する)23とを備えている。
実有効開口面積算出手段17は、スロットル4のスロットル開度を目標開度TP*に制御したときの実際の吸気量Qaに基づいて、スロットル開度制御手段16に於ける実有効開口面積CAtrを算出する。このとき実有効開口面積算出手段17は、吸気量Qa、大
気圧Po、インマニ圧Pe及び吸気温Toを、所謂、絞り式流量計の流量算出式に適用し、前述の式(5)によりスロットル4の実有効開口面積CAtrを算出し、この実有効開口面積CAtrを学習用開度算出手段18に入力する。
学習用スロットル開度算出手段18は、予め適合したスロットル開度TPと有効開口面積CAtとの対応マップ関係(以下、「CAt−TPマップ」と称する)を用いて、実有効開口面積CAtrから算出された学習用マップスロットル開度とリアルタイム学習値TPRと実有効開口面積CAtrに対応するロングタイム学習値TPLrの和である学習用スロットル開度(以下、「学習用開度」と称する)TPiを算出して学習基本値算出手段19に入力する。
学習基本値算出手段19は、スロットルポジションセンサ5により検出されるスロットル開度TPと学習用開度TPiとの偏差ΔTP(=TP−TPi)を学習基本値として算出し補正後積分処理手段21に入力する。ここで、スロットル開度TPは、学習用開度TPiを算出したタイミングに於けるスロットル開度と同じものを用いるととする。尚、ス
ロットル開度TPの代わりに目標開度TP*を用いてもよい。
スロットル学習ゲイン算出手段20は、実スロットル開度TPからリアルタイム学習値TPRを除いたスロットル開度に対応するロングタイム学習値TPLで補正された補正後CAt−TPマップに於けるゲイン補正用有効開口面積CAtgを算出する。そして、CAt−TPマップの実有効開口面積CAtrとゲイン補正用有効開口面積CAtg区間の傾きと、補正後CAt−TPマップの実有効開口面積CAtrとゲイン補正用有効開口面積CAtg区間の傾きとの比である傾き比より、スロットル学習ゲインKcを算出する。
次に、図5を用いて前述の傾き比の算出方法等を具体的に説明する。図5は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於けるゲイン補正係数算出方法を概略的に示す説明図である。図5に於いて、100は、CAt−TPマップ、200は、補正後CAt−TPマップ、300は、実際の有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係を示している。
CAt−TPマップ100に於いて、実有効開口面積CAtrから求められるスロットル開度をTP_A、ゲイン補正用有効開口面積CAtgから求められるスロットル開度をTP_Bとし、又、補正後CAt−TPマップ200に於いて、実有効開口面積CAtrから求められるスロットル開度をTP_C、ゲイン補正用有効開口面積CAtgから求められるスロットル開度をTP_Dとすると、傾き比は、下記の式(6)で表される。
Figure 0004738463
式(6)により表される傾き比をゲイン補正係数とし、設定されたスロットル学習ゲインをK(0≦K≦1)とすると、スロットル学習ゲインKcは、下記の式(7)により算出される。
Figure 0004738463
尚、傾き比を軸としたマップで得られる値をゲイン補正係数としてスロットル学習ゲ
インKcを算出してもよい。
ところで、スロットル学習ゲインKcが必要以上に変化すると、スロットル学習に悪影響を与える。そのため、算出されたスロットル学習ゲインKcが第4の所定範囲外である場合、クリップ処理を行って、第4の所定範囲内に収まるようにする。これにより、スロットル学習ゲインKcが必要以上に変化することを防ぐことができる。尚、クリップ対象をゲイン補正係数としても同様の効果を得ることができる。
次に、補正後積分処理手段21は、学習基本値ΔTPに前述のスロットル学習ゲインKcを乗算した値を順次積分し又は学習基本値ΔTPにフィルタ処理を施して、学習基本値ΔTPから瞬時的なばらつきを除去した値をスロットル開度学習値TPLRNとしてスロットル開度学習値算出手段22に入力する。
図6は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置のスロットル開度制御手段に於けるスロットル開度学習値算出手段を概略的に示す機能ブロック図である。図6に於いて、スロットル開度学習値算出手段22は、スロットル開度学習値TPLRNを、フィードバック制御として用いるリアルタイム学習値TPRと、CAt−TPマップのCAt軸上のポイントに対応する学習領域毎に記憶するロングタイム学習値TPLとに分配し、後述する処理を行って補正用スロットル開度学習値(以下、「補正用開度学習値」と称する)TPLRNiを生成し学習補正後目標開度算出手段23(図4に図示あり)に入力する。
尚、スロットル学習ゲインKcが変更されることで、ロングタイム学習値TPLの更新時に過剰な学習値が更新される場合があるため、ロングタイム学習値TPLの更新時に変化するスロットル開度学習値TPLRNは、所定値の範囲内に制限する。それにより過剰な学習を防ぎ、スロットル開度学習値が大きく変動することを抑制することができる。この発明の実施の形態1に於いて、ロングタイム学習値TPLの更新時に制限するスロットル開度学習値TPLRNの所定値を第5の所定値と称する。
これにより、CAt−TPマップ100上のスロットル開度の値とロングタイム学習値TPLとの和を、実CAt−TPマップ300上のスロットル開度の値に近づけることができる。又、リアルタイム学習値TPRを併用することにより、フィードバック制御により瞬時的な誤差を吸収することができる。
次に、図6及び図7を用いて、スロットル開度学習値算出手段22について更に詳細に説明する。図7は、この発明の実施の形態1によるロングタイム学習値の格納処理を概略的に示す説明図である。図6に於いて、スロットル開度学習値算出手段22は、スロットル開度比較手段24と、補正後積分処理手段21(図4に図示あり)と、スロットル開度比較手段24に接続されたロングタイム学習値算出手段25と、リアルタイム学習値算出手段26と、切替手段27aを介してロングタイム学習値算出手段25に接続された単調増加処理手段28と、単調増加処理手段28に接続されたロングタイム学習値記憶手段29と、切替手段27bを介してリアルタイム学習値算出手段26に接続されると共にロングタイム学習値記憶手段29に接続された補正用スロットル開度学習値算出手段(以下、「補正用開度学習値算出手段」と称する)30とを備えている。
補正後積分処理手段21から得られるスロットル開度学習値TPLRNは、スロットル開度学習値算出手段22に於いて、リアルタイムに更新されるリアルタイム学習値TPRと、CAt−TPマップの有効開口面積軸上のポイントであるCAt軸ポイントに応じた学習領域毎に対応したロングタイム学習値TPLとの、少なくとも何れか一方に分配される。
図6及び図7に於いて、先ず、スロットル開度比較手段24により、CAt軸のポイントCAt[m]とCAt[m−1]とに於けるスロットル開度TP[m]とTP[m−1]との大小関係を比較する。ここで、CAt軸のポイントCAt[m]とCAt[m−1
]とは、実有効開口面積CAtrをその両側から挟むCAt軸上のポイントである。
即ち、CAt軸の実有効開口面積CAtrより大きい値のポイントCAt[m]に対応するCAt−TPマップ100上のスロットル開度TPの値にロングタイム学習値TPLを加算したスロットル開度の値をTP[m]とし、同じくCAt軸の実有効開口面積CAtrより小さい値のポイントCAt[m−1]に対応するCAt−TPマップ100上のスロットル開度TPの値にロングタイム学習値TPLを加算したスロットル開度の値をTP[m−1]とし、TP[m]とTP[m−1]との大小関係を比較し、後述するようにして更新するリアルタイム学習値TPRとロングタイム学習値TPLを決定する。
次に、スロットル開度比較手段24により決定された内容に基づいて、ロングタイム学習値算出手段25に於いて、ロングタイム学習値TPLを算出し、リアルタイム学習値算出手段26於いて、リアルタイム学習値TPRを算出する。これにより、学習更新時に於ける過剰な学習を防止することができる。
切替手段27aは、後述する所定の更新禁止条件が成立した場合に、前回のロングタイム学習値TPL(n−1)を入力し、ロングタイム学習値TPLの更新を禁止する。ロングタイム学習値TPLの更新禁止条件が不成立の場合に、ロングタイム学習値算出手段25にて算出されたロングタイム学習値TPLを、CAt−TPマップのCAt軸上のポイントに応じた学習領域の最終的なロングタイム学習値TPLとする。
切替手段27bは、後述する所定の更新禁止条件が成立した場合に、リアルタイム学習値TPRに前回のリアルタイム学習値TPR(n−1)を入力し、リアルタイム学習値TPRの更新を禁止する。リアルタイム学習値TPRの更新禁止条件が不成立の場合に、リアルタイム学習値算出手段26で算出されたリアルタイム学習値TPRを、最終的なリアルタイム学習値TPRとする。
単調増加処理手段28は、CAt−TPマップと、ロングタイム学習値TPLを加算して補正した後の実際のCAt−TP関係、即ち、スロットル開度制御手段16の算出した有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係が、単調増加になるように、ロングタイム学習値TPLを制限する。ロングタイム学習値記憶手段29は、単調増加処理手段28を介したロングタイム学習値TPLを記憶する。
補正用開度学習値算出手段30は、リアルタイム学習値TPRとロングタイム学習値TPLとを加算する加算手段からなり、その加算結果を補正用スロットル開度学習値(以下、「補正用開度学習値」と称する)TPLRNiとして図4に示す学習補正後目標開度算出手段23に入力する。学習補正後目標開度算出手段23は、補正用開度学習値TPLRNiと目標開度算出手段15で算出された目標開度TP*とを加算して、学習補正後目標スロットル開度(以下、「学習補正後目標開度」と称する)TPLRN*を算出する。
このように、スロットル開度制御手段16は、スロットル開度TPと学習用開度TPiとの偏差である学習基本値ΔTPに基づいてスロットル開度学習値TPLRNを算出し、目標開度TP*を補正用開度学習値TPLRNiで補正した学習補正後目標開度TPLRN*を用いて、スロットル開度TPを制御することで、目標吸気量Qa*と吸気量Qaとの誤差を減少させる。
従って、目標吸気量Qa*を得るためのスロットル開度TPを算出する際に、スロット
ルボディ及び各種センサ等のばらつきや、各種推定演算における誤差に対して、良好に目標吸気量Qa*が達成できるように有効開口面積CAtとスロットル開度TPとの関係を学習補正することができる。
尚、スロットル開度制御手段16に於けるスロットル開度学習値算出手段22内のロングタイム学習値記憶手段29は、バックアップメモリとして機能する。即ち、エンジン1の停止中又は内燃機関の制御装置の電源オフ時に於いては、リアルタイム学習値TPRがリセットされ、ロングタイム学習値TPLがロングタイム学習値記憶手段29に保持される。
図8は、この発明の実施の形態1によるスロットル開度学習値の算出処理を概略的に示す説明図である。次に、この図8及び図7を参照して、この発明の実施の形態1によるロングタイム学習値TPLの学習領域毎の算出処理について具体的に説明する。
図8に於いて、100はCAt−TPマップ、110はCAt−TPマップにロングタイム学習値TPLを加えたものマップ、120は110はCAt−TPマップにリアルタイム学習値TPRを加えたマップを示す。図8に示すように、吸気量Qaの実有効開口面積CAtrに対応するスロットル開度TPと学習用開度TPiとのスロットル開度偏差である点aと点bとの間の差分が、学習基本値ΔTPである。前述したように補正後積分処理手段21は、この学習基本値ΔTPに前述のスロットル学習ゲインKcを乗算した値を順次積分し又は学習基本値ΔTPにフィルタ処理を施して、学習基本値ΔTPから瞬時的なばらつきを除去した値をスロットル開度学習値TPLRNとして算出する。
又、図7に於いて、前述したように、スロットル開度TPと実有効開口面積CAtrを挟むCAt−TPマップ100のCAt軸上のポイントCAt[m]とCAt[m−1]に夫々対応するCAt−TPマップ100上のTP[m]とTP[m−1]との大小関係をスロットル開度比較手段24により比較し、リアルタイム学習値算出手段26によりリアルタイム学習値TPRを算出すると共に、ロングタイム学習値算出手段25によりロングタイム学習値TPLを算出する。
前述のTP[m]とTP[m−1]との大小関係は、3通り存在し、夫々の処理は以下のようになる。
先ず、スロットル開度比較手段24による比較結果のうち、第1の大小関係として、スロットル開度TPがTP[m]以上の場合、即ち図7に於けるA領域にスロットル開度TPが存在する場合は、ロングタイム学習値算出手段25に於いて、ロングタイム学習値TPLは、下記の式(8)により、CAt[m]に対応する前回のロングタイム学習値TPL[m](n−1)とスロットル開度学習値TPLRNと前回のリアルタイム学習値TP
R(n−1)の和から所定値Aを減算することにより算出される。
Figure 0004738463
ここに、所定値Aとは、CAt軸ポイント上でのリアルタイム学習値TPRの最大値であり、任意に設定できるものとする。但し、TP[m]がスロットル開度TPを上回らないこととする。
又、このとき、リアルタイム学習値算出手段26に於いて、リアルタイム学習値TPRは、下記の式(9)により、スロットル開度学習値TPLRNと前回のリアルタイム学習値TPR(n−1)と前回の実有効開口面積CAtrでのロングタイム学習値TPLr(n−
1)の和から実有効開口面積CAtrでのロングタイム学習値TPLrを減算することに
より算出される。
Figure 0004738463
次に、スロットル開度比較手段24による比較結果のうち、第2の大小関係として、スロットル開度TPがTP[m]より小さくTP[m−1]より大きい場合、即ち図7に於けるB領域にスロットル開度TPが存在する場合は、リアルタイム学習値算出手段26に於いて、下記の式(10)により、リアルタイム学習値TPRにスロットル開度学習値TPLRNを加えることにより算出される。
Figure 0004738463
スロットル開度比較手段24による比較結果のうち、第3の大小関係として、スロットル開度TPがTP[m−1]以下の場合、即ち図7に於けるC領域にスロットル開度TPが存在する場合は、ロングタイム学習値算出手段25に於いて、ロングタイム学習値TPLは、下記の式(11)により、CAt[m−1]に対応する前回のロングタイム学習値TPL[m−1](n−1)とスロットル開度学習値TPLRNと前回のリアルタイム学
習値TPR(n−1)との和から所定値Bを減算することにより算出される。
Figure 0004738463
ここに、所定値Bとは、CAt軸ポイント上でのTPRの最小値であり、任意に設定できるものとする。但し、TP[m−1]がスロットル開度TPを下回らないこととする。
又、リアルタイム学習値算出手段26に於いて、リアルタイム学習値TPRは、下記の式(12)により、スロットル開度学習値TPLRNと前回のリアルタイム学習値TPR(n−1)と前回の実有効開口面積CAtrでのロングタイム学習値TPLr(n−1)との和から実有効開口面積CAtrでのロングタイム学習値TPLrを減算することにより算出される。
Figure 0004738463
以上のように、CAt−TPマップ100の傾きと補正後CAt−TPマップ200の傾きとの傾き比から算出されるゲイン補正係数により補正されたスロットル学習ゲインKcを用いてスロットル学習を行うことで、CAt−TPマップ100の傾きと補正後CAt−TPマップ200の傾きに要因で発生する吸入空気量のハンチングの発生や収束時間が増加することを防止することができる。
又、ゲイン補正係数が大きく変動するのを防ぐために、以下のような条件のときには、スロットル学習ゲイン算出手段20により、別途、ゲイン補正係数を設定する。
即ち、スロットル学習が収束した領域では、少しの変動で大きく傾き比が変動する。そ
のため、実有効開口面積CAtrとゲイン補正用有効開口面積CAtgの偏差が、第1の所定範囲内、若しくは、補正後CAt−TPマップ200より求められるスロットル開度TP_CとTP_Dの偏差が第2の所定範囲内の場合は、ゲイン補正係数を第1の所定値に設定する。これにより、ゲイン補正係数が大きく変動することを防ぐことができる。
又、前述の傾き比が、第3の所定値の範囲内にある場合、CAt−TPマップ100の傾きと補正後CAt−TPマップ200の傾きとの間の差が小さいため、ゲイン補正係数を頻繁に変更する必要がなく、ゲイン補正係数を第2の所定値に設定する。これにより、ゲイン補正係数が変動することを防ぐことができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を概略的に示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるエンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1によるスロットル開度制御手段の一部を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1によるスロットル開度制御手段の学習補正後目標開度の算出処理部を概略的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1によるゲイン補正係数算出方法を概略的に示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるスロットル開度制御手段のスロットル開度学習値の算出処理部を概略的に示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1によるロングタイム学習値の格納処理を概略的に示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるスロットル開度学習値の算出処理を概略的に示す説明図である。 従来の内燃機関の制御装置に於ける制御内容を説明する説明図である。
符号の説明
1 エンジン 2 エアフローセンサ
3 吸気温センサ 4 スロットル
5 スロットルポジションセンサ 6 サージタンク
7 インマニ圧センサ 8 EGRバルブ
9 ECU 9b 演算処理部
10 大気圧センサ 11 目標有効開口面積算出手段
12 音速算出手段 13 圧力比算出手段
14 無次元流量算出手段 15 目標開度算出手段
16 スロットル開度制御手段 17 実有効開口面積算出手段
18 学習用開度算出手段 19 学習基本値算出手段
20 スロットル学習ゲイン算出手段 21 補正後積分処理手段
22 スロットル開度学習値算出手段 23 学習補正後目標開度算出手段
24 スロットル開度比較手段 25 ロングタイム学習値算出手段
26 リアルタイム学習値算出手段 27a、27b 切替手段
28 単調増加処理手段 29 ロングタイム学習値記憶手段
30 補正用開度学習値算出手段 31 各種センサ
40 各種アクチュエータ 90 目標吸気量算出手段

Claims (6)

  1. 内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルのスロットル開度を制御することにより前記吸気通路の有効開口面積を変化させて前記内燃機関への吸気量を可変制御するスロットル開度制御手段を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記スロットルの実スロットル開度を検出する手段と、
    前記内燃機関への吸気量を検出する吸気量検出手段と、
    前記スロットルの大気側の圧力を大気圧として検出する大気圧検出手段と、
    前記スロットルの前記内燃機関側の圧力を吸気管内圧として検出する吸気管内圧検出手段と、
    前記スロットルの大気側の吸気温を検出する吸気温検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて目標吸気量を算出する目標吸気量算出手段と、
    前記算出された目標吸気量と前記検出された大気圧と前記検出された吸気管内圧と前記検出された吸気温とのうちの少なくとも何れかに基づいて前記スロットル開度制御手段に於ける目標有効開口面積を算出する目標有効開口面積算出手段と、
    前記吸気通路の有効開口面積と前記スロットルのスロットル開度との対応関係が予め適合された対応マップを用いて、前記算出した目標有効開口面積から目標スロットル開度を算出する目標スロットル開度算出手段と、
    前記検出された吸気量と前記検出された大気圧と前記検出された吸気管内圧と前記検出された吸気温とのうちの少なくとも何れかに基づいて前記スロットル開度制御手段に於ける実有効開口面積を算出する実有効開口面積算出手段と、
    前記対応マップを用いて、前記算出した実有効開口面積から学習用スロットル開度を算出する学習用スロットル開度算出手段と、
    前記算出したスロットル開度学習値に基づいて前記対応マップに於ける前記有効開口面積とスロットル開度との対応関係が補正された補正後対応マップと前記検出された実スロットル開度とによりゲイン補正用開口面積を算出すると共に、前記ゲイン補正用開口面積と前記実有効開口面積との間に於ける、前記対応マップの傾きと前記補正後対応マップの傾きとの傾き比に基づいて算出されたゲイン補正係数により補正されたスロットル学習ゲインを算出するスロットル学習ゲイン算出手段と、
    前記検出した実スロットル開度又は前記算出した目標スロットル開度と前記算出した学習用スロットル開度との偏差に、前記算出したスロットル学習ゲインを乗算して積分し又
    はフィルタ処理を施して、スロットル開度学習値を算出する処理手段と、
    前記算出されたスロットル開度学習値に基づいて補正用スロットル開度学習値を算出する補正用開度学習値算出手段と、
    前記算出された補正用スロットル開度学習値と前記算出された目標スロットル開度とに基づいて学習補正後目標スロットル開度を算出する学習補正後目標開度算出手段と、
    を備え、
    前記スロットル開度制御手段は、前記算出された学習補正後目標スロットル開度に基づいて前記スロットルのスロットル開度を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記実有効開口面積と前記ゲイン補正用開口面積との偏差が第1の所定範囲内であるとき、前記ゲイン補正係数を第1の所定値に設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正後対応マップを用いて前記実有効開口面積と前記ゲイン補正用開口面積とから夫々算出されるスロットル開度の偏差が第2の所定範囲内であるとき、前記ゲイン補正係数を第1の所定値に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記補正後対応マップに於ける前記ゲイン補正用開口面積と前記実有効開口面積との区間の傾きと前記対応マップに於ける前記ゲイン補正用開口面積と前記実有効開口面積との区間の傾きとの傾き比が第3の所定範囲内であるとき、前記ゲイン補正係数を第2の所定値にすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記ゲイン補正係数により補正された前記スロットル学習ゲインが、第4の所定範囲外とならないように制限されることをとする特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記スロットル開度学習値更新時に変化するスロットル開度学習値は、第5の所定範囲内に制限されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
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