JP4738274B2 - 電気設備の絶縁監視装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自家用受変電設備等の接地線に流れる電流を検出して絶縁不良の監視を行うようにした電気設備の絶縁監視装置およびその方法に関する。
従来、自家用受変電設備等の電気工作物の低圧回路に対する絶縁監視方式としては、大きく分けて(i)「Io方式」および(ii)「Igr方式」の2種類がある。以下、Io方式およびIgr方式について簡単に説明する。
(i)「Io方式」
「Io方式」とは、図12で示すように、自家用受変電設備を構成する受電用変圧器1の接地線3に設けた零相変流器(ZCT)4Zにより接地線3に流れる零相電流Ioを抽出して絶縁監視装置10Aに入力し、この絶縁監視装置10Aにおいて零相電流Ioの大きさに基づいて絶縁不良発生の有無を判定する方式である(例えば、非特許文献1参照)。
零相電流Ioには負荷設備へ電気を供給するケーブル2の途中経路で対地静電容量Cを介して対地に漏れる充電電流分と、対地絶縁抵抗Rの低下に伴って対地に漏れる抵抗性電流分とがある。零相変流器4Zではこれら充電電流および抵抗性電流の合成電流である零相電流Ioを抽出する。零相電流Ioのうち設備保安上問題となるのは抵抗性電流分であるが、「Io方式」では前記したとおり、充電電流分も含む計測となるため、特に充電電流が大きい設備においては、絶縁不良の検出精度を確保することが困難となり、設置範囲が限定されるという問題がある。
(ii)「Igr方式」
これに対して「Igr方式」とは、上述した「Io方式」の問題点である充電電流分を含まないように、抵抗性電流分のみを抽出して絶縁不良発生の有無を判定するようにした方式である(例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1参照)。
この「Igr方式」は、図13で示すように、受電用変圧器1の接地線3に結合した注入用トランス5から系統側周波数とは異なる周波数成分の監視用信号を系統側に注入するようにし、ケーブル2の途中経路の対地静電容量C、あるいは対地絶縁抵抗Rを介して還流してきた監視用信号を接地線3に設置された変流器4により抽出して絶縁監視装置10Bに入力し、絶縁監視装置10Bにおいて入力した信号から抵抗性電流分のみを抽出することにより絶縁不良発生の有無を判定するものである。
「Igr方式」は前述したとおり、零相電流Ioのうち抵抗性電流分のみを抽出するように構成されているため、「Io方式」に比べ絶縁不良発生の検出精度は向上するが、接地線3に注入トランス5を設置する必要性から、絶縁監視装置10Bを設置あるいは取外す際には安全性を確保するために電気設備を停電させる必要がある。近年は、パソコン等の電気機器の普及により、電気設備を停電することは極力回避しなければならず、このため、絶縁監視装置10Bの設置上の障害となっている。
また、注入トランス5から注入する監視用信号は微小な信号であるため、抵抗性電流分の計測精度にも限界があるという問題もある。
以上述べた「Io方式」と「Igr方式」との問題点を解決するために、近年では、注入トランス5を必要としない簡素な構成でありながら、演算方法等の工夫により、計測した零相電流から対地絶縁抵抗の低下に起因する抵抗性電流分のみを抽出する方式が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4および特許文献5参照)。ここでは、この方式を便宜上、「Ior方式」と呼ぶことにする。
図14は「Ior方式」の構成を示す図である。この「Ior方式」は、零相電流Ioから抵抗性電流分を抽出する際の基準量として絶縁監視装置10Cに電気設備から電圧を取込んでいる点を除けば、上述した「Io方式」の構成と同じである。絶縁監視装置10Cは常時電気設備から電圧を取込むようにするのが一般的であるが、絶縁監視装置10Cに電圧記憶手段を内蔵して設置時のみ一時的に電圧を取込み、絶縁監視装置10C内部に記憶させておくこともできる。
この電圧記憶手段を内蔵した構成であれば、図12に示す「Io方式」と全く同じ構成で監視装置10Cを運用することができる。つまり、「Ior方式」は、注入トランス5の設置を必要としない「Io方式」の簡便さでありながら、「Igr方式」と同等の検出精度を得ることができる。
特開平9−318684号公報 特開2002−171662号公報 特許第3405407号公報 特開2001−242205号公報 特開2006−71341号公報 ‘電気と工事’、2002年1月号、オーム社、P85−92
しかしながら、図14で示す「Ior方式」は、3相△結線またはV結線の変圧器を設置した電気設備に適用した場合、抵抗性電流分を正確に抽出するためには、各相の充電電流が平衡しているという条件が前提として必要である。
この点について図15、図16を用いて説明する。図15は3相△結線(またはV結線)されたb相接地の受電用変圧器1を設置した電気設備において、各相の充電電流が平衡している状態の各電気量の位相関係を表したベクトル図である。
Vab、Vcbはb相を基準としたときのa相、c相の電圧であり、また、Ica、Iccはa相、c相の充電電流、そして、Iraはa相で絶縁不良が発生したことを想定した抵抗性電流を表している。充電電流がa相とc相とで平衡している状態(Ica=Icc)では、図15に示す通り、電気設備全体としての充電電流Icは非接地相間の電圧Vcaと同位相になる。
したがってこの状態でa相に絶縁不良が発生した場合、図14の受電用変圧器1の接地線3に設置された変流器4は、図15で示すように充電電流Icと抵抗性電流Iraとから合成された零相電流Ioを計測し、絶縁監視装置10Cに入力する。
一方、図16は同じく3相△結線(またはV結線)されたb相接地の受電用変圧器1を設置した電気設備において、a相の充電電流とc相の充電電流とが不平衡状態(Ica≠Icc)のときの各電気量の位相関係を表したベクトル図である。
電圧量の位相は図15に示す平衡状態の場合と同様であるが、充電電流が不平衡状態であるため、電気設備全体としての充電電流Ic’は非接地相間の電圧Vcaと位相が相違することになる。a相の絶縁不良発生により、図15に示す場合と同じ大きさの抵抗性電流Iraが流れた場合、充電電流Ic’と抵抗性電流Iraとから合成された零相電流Io’が変流器4で抽出されて絶縁監視装置10Cに入力されることなるが、充電電流が平衡している図15の零相電流Ioに比べると位相が大きく相違することが判る。
ここで、例えば特許文献5で提案されている「Ior方式」において、図15、図16の各々の状態でどのようにして抵抗性電流が導かれるかについて以下説明する。
特許文献5で提案されている「Ior方式」では、電気設備の電圧量を導入し、この電圧量をもとに電気設備全体としての充電電流と同位相となる基準量Ivcを生成する。この基準量Ivcと変圧器の接地線3に設置された変流器4で抽出される零相電流Ioとを用いて(1)式によって抵抗性電流Irを算出している。
Ir=Io・Ivc・sinθ ……(1)
但し、θはIoとIvcとのなす角度である。
特に、3相△(V)結線の変圧器の場合は、この抵抗性電流Irをcos30°で除することにより最終的な抵抗性電流値を求めている。
この抵抗性電流Irの算出方法を図15に示す充電電流が平衡(Ica=Icc)している状態に当てはめると、(1)式のIvcを図15のVcaに置き換えて考えれば良い。結果的に(1)式のIrは図15におけるIr(二重線)として求められ、cos30°で除することで図15におけるIraが求められる。つまり、充電電流が平衡している状態においては正確に抵抗性電流Iraが導かれることが判る。
一方、図16に示す充電電流が不平衡(Ica≠Icc)な状態に当てはめると、前記と同様に(1)式のIvcを図16のVcaに置き換えて考えれば良い。結果的に(1)式のIrは図16におけるIr’(二重線)として求められるが、この結果は明らかに前掲の図15の場合と相違していることが判る。
特許文献5で提案されている「Ior方式」は、基準量Ivc(充電電流方向)と抵抗性電流Irは直交関係にあることを利用して、抵抗性電流を算出する方式であるが、前記の相違は、充電電流が不平衡な状態ではこの直交関係が崩れることに起因するものである。
特許文献3および特許文献4で提案されている「Ior方式」についても、各々零相電流から抵抗性電流分を抽出する手法は異なっているが、図15に示す充電電流が平衡している状態を前提とした方法であり、充電電流が不平衡状態になると、電圧量と変流器で計測される零相電流の位相関係が変わってくるため、求まる抵抗性電流に検出誤差が生じる点については特許文献5で提案されている方式と同様である。
そこで、本発明は上述した課題に鑑みて、Ior方式を3相△結線またはV結線の変圧器を設置している電気設備に適用した場合、充電電流が不平衡状態であっても、抵抗性電流分をより正確に検出して絶縁監視を正確に行うことが可能な電気設備の絶縁監視装置およびその方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係わる電気設備の絶縁監視装置の発明は、電気設備を構成する変圧器の接地線に流れる零相電流を取り込む電流計測手段と、
前記電気設備の電圧を取込む電圧計測手段と、
前記電圧計測手段によって取込まれた電気設備の電圧を元に基準ベクトルを生成し、この基準ベクトルを記憶する基準ベクトル生成手段と、
前記電流計測手段によって取込まれた零相電流の位相角を求める充電電流ベクトル位相角推定手段と、
前記基準ベクトル生成手段によって生成された基準ベクトルの位相角と前記充電電流ベクトル位相角推定手段によって計測された零相電流の位相角との差を求め、この位相差の絶対値が予め定めた所定値以下か否かで補正方法を切り替え、前記基準ベクトルの位相角を補正する基準ベクトル位相補正手段と、
前記電流計測手段で計測された零相電流の前記基準ベクトル位相補正手段で位相補正された基準ベクトルに対する直交成分を求める直交成分演算手段と、
前記直交成分演算手段により算出された直交成分の大きさに基づいて電気設備の絶縁不良の有無を検出する絶縁監視判定手段と、
前記絶縁監視判定手段により絶縁不良ありと判定された場合にその旨出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、請求項8に係わる電気設備の絶縁監視方法の発明は、電気設備を構成する変圧器の接地線に流れる零相電流を取り込み、当該零相電流の位相角を求め、前記電気設備の電圧を電圧計測手段によって取込み、当該電圧を元に基準ベクトルを生成して記憶し、基準ベクトルの位相角と零相電流の位相角とから基準ベクトルの位相角と零相電流の位相角との差を求め、この位相差の絶対値が予め定めた所定値以下の場合、零相電流と同位相になるように基準ベクトルの位相角を補正し、当該位相補正された基準ベクトルに対する直交成分を求め、当該直交成分の大きさに基づいて絶縁監視判定手段によって電気設備の絶縁不良の有無を検出し、絶縁不良ありと判定された場合にその旨出力することを特徴とする。
本発明によれば、3相△(V)結線の受電用変圧器が設置されている電気設備において、接地線に流れる充電電流が不平衡な状態であっても、対地絶縁抵抗の低下に伴って流れる抵抗性電流分をより正確に検出することが可能な電気設備の絶縁監視装置およびその方法を提供することができる。
以下、本発明に係る電気設備の絶縁監視装置および方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図を通して共通する部分には、同一符号若しくは関連符号を付けて重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
図1において、1は監視対象となる電気設備の受電用変圧器であり、2次側が△結線され、受電した高圧電圧を低圧に変成してケーブル2を経由して負荷設備へ供給するようになっている。この受電用変圧器1の2次側の任意相、例えば、b相を接地線3を介して接地されており、さらに、この接地線3には変流器4が結合され、流れる零相電流を変流器4によって抽出するようにしている。なお、受電用変圧器1は3相△結線に代えて3相V結線でもよいが、以下の説明では、3相△結線を例にして説明する。
そして、10−1は、本実施形態に係わる絶縁監視装置であり、前記変流器4によって抽出された零相電流を電流計測手段11によって取り込むように構成している。
電流計測手段11は、一例として、フィルタ、サンプルホルダおよびA/D変換器等を備えており、変流器4にて取込まれた零相電流は、処理しやすい大きさに変換したのち、高調波をフィルタで除去し、次に基本波の零相電流をサンプルホルダにより所定のサンプリング周波数でサンプリングし、そして、その零相電流のサンプル値をA/D変換器により以降のディジタル演算処理を行うために必要な零相電流に関するディジタルデータを生成し出力する。以降の説明では、零相電流に関するディジタルデータを、「零相電流データ」という。なお、サンプルホルダにおけるサンプリング周波数は、商用周波数の電気角30°またはこれに自然数を乗除した電気角としておくと、後で述べる移相演算等を容易に行うことができるが、本発明はこのような電気角に限定されるものではない。
電圧計測手段12もまた、前記電流計測手段11と同様にフィルタ、サンプルホルダおよびA/D変換器等を備えており、受電用変圧器1の非接地相間の電圧(b相接地の場合、c-a相間電圧Vca)を取り込み、この相間電圧Vcaをフィルタ処理、サンプリング処理、ディジタル変換処理して非接地相間の電圧に関するディジタルデータ(以降、「電圧データ」という)を生成し出力する。
なお、本実施形態で非接地相間電圧Vcaを取り込んだ理由は、後で述べるように非接地相間電圧Vcaを基準ベクトルとしてそのまま使用できるため都合が良いからである。しかし、本実施形態ではこれに限定されるものではなく、任意の相電圧あるいは絶縁監視装置10−1の電源電圧として使用する電圧と兼用するようにしてもよい。取込む相によって後で述べる基準ベクトル生成手段13での基準ベクトル生成方法を切り替えればよい。
また、この電気設備の電圧の取込みは絶縁監視装置10−1の運用中常時取込み、常に基準ベクトルを更新する構成としてもよいし、あるいは、電気設備において、変圧器、相配列を含めた結線等に変更がない限りは、定常状態における電圧位相に変動はないと考えられることから、絶縁監視装置10−1を電気設備に設置する最初の時のみ取込む構成とすることもできる。この構成の場合は、取込んだ電圧を記憶しておく手段を設けておく必要があるが、絶縁監視装置10−1の設置状態が図12に示す「Io方式」と全く同等な簡単な構成となり、設置時の配線等も少なくなり簡易な工事で設置することが可能となる。
電圧計測手段12の後段に設けられている基準ベクトル生成手段13は、電圧計測手段12で生成された「電圧データ」を使って、対地絶縁抵抗の低下に伴って流れる抵抗性電流を零相電流から抽出する際の基準となる基準ベクトルを生成する手段である。この基準ベクトルは、電気設備全体としての充電電流と同じ位相角のベクトルとして生成する。
前掲の図15に示すとおり、充電電流が平衡している状態では、電気設備全体としての充電電流は非接地相間電圧と同じ位相であるため、前記電圧計測手段12で取込む電圧が非接地相間電圧の場合は、生成された「電圧データ」をそのまま基準ベクトルとすることができる。しかし、電圧計測手段12で取込む電圧が非接地相間電圧以外の電圧量であった場合は、生成された「電圧データ」が電気設備全体としての充電電流と同じ位相角となるように移相演算を行うことにより、「基準ベクトル」を生成すればよい。
一方、電流計測手段11の後段に設けられている充電電流ベクトル位相角推定手段14は、電流計測手段11で生成された「零相電流データ」の位相角を求め、零相電流データと算出した位相角とを出力する。
基準ベクトル位相補正手段15は、基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相角を求め、更に、充電電流ベクトル位相角推定手段14で求められた零相電流の位相角との差つまり位相差の絶対値を求める。
この基準ベクトル位相補正手段15で求めた位相差が予め定めている所定値以内であれば、充電電流ベクトル位相角推定手段14から出力される「零相電流データ」と同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された「基準ベクトル」の位相を補正するが、前記位相差が予め定めている所定値よりも大きい場合には、前回の演算時に基準ベクトル位相補正手段15で基準ベクトルとして採用したものをそのまま、再度基準ベクトルとするように構成する。
つまり、基準ベクトル位相補正手段15は、求めた位相差がある所定値よりも大きい場合は前値保持するように構成されている。例えば、非接地相間電圧を基準として、前記の所定値を±5°とすると、充電電流が各相間で30%強の不平衡が存在している場合でも補正の効果が得られるようになる。
直交成分演算手段16は、電流計測手段11から出力される「零相電流データ」および基準ベクトル位相補正手段15から出力される基準ベクトルを使って、対地絶縁抵抗の低下に伴って流れる抵抗性電流を零相電流から抽出する演算を行う。
例えば、変流器4で抽出される零相電流をIo、基準ベクトル位相補正手段15で生成された基準ベクトルをIvcとした場合、直交成分演算手段16は、前掲した(1)式によって零相電流Ioの基準ベクトルIvcに対する直交成分を算出する。この算出結果をcos30°で除したものが対地絶縁抵抗の低下に伴って流れる抵抗性電流Irである。
本実施形態の場合、前述した(1)式(Ir = Io・Ivc・sinθ)の演算を、電流計測手段11から出力される「零相電流Io」および基準ベクトル位相補正手段15から出力される「基準ベクトルIvc」それぞれのサンプリングデータを使用して行うことになる。この演算は、上記のサンプリングデータが電気角で30°毎のデータである場合、例えば以下の(2)式に示す演算式によって算出することができる。
Ir =Io・Ivc・sinθ
=Iom−3・Ivc−Io・Ivcm−3 ……(2)
但し、添字を現時点のサンプリングデータとした場合、
m−3は3サンプリング(90°)前のデータを意味する。
絶縁監視判定手段17は、直交成分演算手段16で算出された対地絶縁抵抗の低下に伴って流れる抵抗性電流Irの大きさに基づいて電気設備を構成する受電用変圧器1の2次回路における絶縁不良の発生の有無を判定し、その判定結果を出力する。例えば、以下の(3)式が成立する場合、すなわち、抵抗性電流Irの大きさ(絶対値)が、予定の絶縁不良判定の検出レベルIk以上の場合、絶縁不良「有」との判定を行う。
|Ir|≧Ik ……(3)
なお、絶縁不良発生有無の判定に際しては、検出レベルIkを一つの値だけ設定するのではなく、絶縁不良の程度を見極めるために僅かずつ大きさの異なる複数の検出レベルIki(i=2〜n)を設定するようにしても良い。このように、絶縁監視判定手段17で絶縁不良判定の検出レベルを複数段設けた場合には、各検出レベル毎に警報出力を区別して出力することができ、保守員にとって、受けた警報出力の種別により絶縁不良の程度を判別することができるため、事前の状況判断がより正確に行えるようになる。
また、より確実な検出動作とするために動作時限、復帰時限を設けるようにしても良い。これは前記(3)式の状態があらかじめ設定された動作時限の間継続したことを条件に絶縁不良「有」と判定するものである。復帰時限については、一旦、絶縁不良「有」と判定された後、(3)式が成立しない状態があらかじめ設定された復帰時限の間継続したことを条件に絶縁不良が復帰したと判定するものである。
警報出力手段18は、絶縁監視判定手段17で絶縁不良「有」と判定された場合に絶縁監視装置10−1から外部に対して絶縁不良の発生を知らせるための警報出力を行い、また、必要によって、絶縁不良が復帰した場合に警報復帰の出力を行う。警報出力の手段としては、接点出力、無線通信による出力、有線通信による出力、電力線搬送等種々考えられるが、その手段を限定するものではない。
次に、本実施形態の特長を説明する。
前述したように、充電電流が平衡している状態では、充電電流Icと抵抗性電流Irに直交関係が成立するために、充電電流Icと同位相の基準ベクトルIvcを生成し、この基準ベクトルに対する直交成分を導き出すことで抵抗性電流成分を正確に抽出することができる。しかしながら、充電電流が不平衡な状態になると前述した直交関係が崩れるため、抵抗性電流算出時の検出誤差となってしまう。
一方、絶縁不良が発生すると零相電流Ioの位相が大きく変化することになるが、この変化する直前の零相電流Ioの位相が充電電流の状態を最もよく表していると考えることができる。充電電流が不平衡であるためにこの変化前の充電電流と抵抗性電流の間には厳密な直交関係は成立しないが、近似的に直交関係が成立しているものと考えることができるのであれば、この変化前の充電電流と同位相となるように基準ベクトルの位相を補正した上で直交成分を求めることで大幅に抵抗性電流の検出精度を改善することができる。
更に図を参照して本実施形態の効果を説明する。前述のように、図16は3相△(V)結線受電用変圧器が使われている電気設備において、充電電流が不平衡な状態の各電気量の関係をベクトル図として示したものである。この場合、電気設備全体としての充電電流はIc’であるが、不平衡状態であるために非接地相間電圧Vcaとは位相が相違している。また、絶縁不良に伴う抵抗性電流Iraが生じると、電気設備全体としての零相電流はIo’となり、接地線3に結合される変流器ではこのIo’を抽出する。
前記絶縁監視装置の構成における基準ベクトルIvcとして非接地相間電圧を使用し、零相電流Io’のこの基準ベクトルに対する直交成分を求めると、図16における二重線の大きさが求められる。これを更にcos30°で除した値1/cos30°(約1.15)を抵抗性電流値として扱うが、この大きさは図16からも明らかに抵抗性電流Iraより大きくなっており、この結果大きな検出誤差が発生することが判る。
図2は以上の説明を具体的に試算して示したグラフである。これは充電電流の大きさが300mA、非接地相間電圧Vcaと充電電流Ic’の位相差が2°(Ic’は位相遅れ)の不平衡状態を想定した条件で計算したもので、横軸の抵抗性電流の大きさをパラメータとして、これがどれ位の大きさで検出されるかを縦軸にとって表現している。
「菱形」でプロットした特性が理想的な検出値(Ior)、すなわち、真の抵抗性電流の大きさを表しており、「四角」でプロットした特性(Igr補正なし)が前記非接地相間電圧方向を基準ベクトルとして抵抗性電流を算出した場合の結果である。この図2のグラフを参照すれば明らかなように、非接地相間電圧方向を基準ベクトルとした場合では明らかに大きな検出誤差が発生していることが判る。
一方、図3は第1の実施形態の図1の構成において、抵抗性電流を導く過程を示したベクトル図である。充電電流の不平衡の状態、抵抗性電流の大きさは図16と合わせて表現している。絶縁不良が発生する前の充電電流の状態がIc’であり、絶縁不良が発生し、抵抗性電流Iraが生じると変流器で計測される零相電流はIo’となる。
第1の実施形態では、基準ベクトル位相補正手段15で生成される基準ベクトルを絶縁不良が発生することにより零相電流の位相が変化する前の零相電流(Ic’)と同位相に位相補正し、抵抗性電流を零相電流Io’の補正された基準ベクトルに対する直交成分として算出する。つまり、図3における二重線の大きさが求められる。これを更にcos30°で除した(約1.15倍)ものを抵抗性電流値として扱うが、明らかに図16で説明した場合に比べ、検出誤差が軽減されていることが判る。
このように、図2に示す試算例では、第1の実施形態の構成で抵抗性電流を算出した結果を「三角」でプロット(Igr補正あり)しているが、ほぼ理想値を示す「菱形」のプロット(Ior)と重なっており、検出誤差が大幅に改善されていることが判る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、3相△(V)結線の受電用変圧器が設置されている電気設備において、接地線に流れる充電電流が例え不平衡であっても、対地絶縁抵抗の低下に伴って流れる抵抗性電流分の検出誤差が小さいので、絶縁不良をより正確に検出することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は第1の実施形態の変形例であって、図1に示すブロック図において、基準ベクトル位相補正手段15の演算内容が変わる以外は第1の実施形態の場合と同様である。
第2の実施形態における基準ベクトル位相補正手段15では、基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相角を求め、更に、充電電流ベクトル位相角推定手段14で求められた零相電流の位相角との差の絶対値を求める。
この位相差がある所定値以内であれば、充電電流ベクトル位相角推定手段14から出力される零相電流データと同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正し、前記位相差がある所定値よりも大きい場合には、基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルをそのまま、基準ベクトルとするように構成する。
図4は第2の実施形態における基準ベクトルの選択およびその基準ベクトルに基づいて抵抗性電流を導く過程を示したベクトル図である。
電気設備全体としての充電電流はIcであるが、不平衡状態であるために非接地相間電圧Vcaとは位相が相違している。また、絶縁不良に伴う抵抗性電流Iraが生じると、電気設備全体としての零相電流はIo’となり、接地線に設置される変流器ではこのIo’が計測される。
図4において、前記所定値は網掛けした三角形で表しているが、絶縁不良の発生により抵抗性電流Iraが生じると零相電流Io´はこの領域から外れるため、基準ベクトル位相補正手段15では基準ベクトルとして基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルIvc=Vca(図4の太線)が選択され、抵抗性電流はこの基準ベクトルに対する直交成分、すなわち、図4における二重線として算出される。
第2の実施形態では、以上述べたように基準ベクトル位相補正手段15を構成することにより、抵抗性電流が比較的小さい状態において充電電流が不平衡であることに起因する検出誤差を軽減すると共に絶縁不良が徐々に進行するような場合の抵抗性電流の検出を改善することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は第1の実施形態の変形例であって、図1に示すブロック図において、基準ベクトル位相補正手段15の演算内容が変わる以外は第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態における基準ベクトル位相補正手段15では、基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相角を求め、更に、充電電流ベクトル位相角推定手段14で求められた零相電流の位相角との差の絶対値を求める。この位相差がある所定値以内であれば、充電電流ベクトル位相角推定手段14から出力される零相電流データと同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正し、前記位相差がある所定値よりも大きい場合には、前記所定値の上限値方向(進み位相側)を基準ベクトルとするように構成する。
図5に第3の実施形態における基準ベクトルの選択およびその基準ベクトルに基づいて抵抗性電流を導く過程を示したベクトル図を示すが、演算の内容は第2の実施形態の場合と同様であるので割愛し、その効果のみ説明することとする。
第3の実施形態によれば、このように基準ベクトル位相補正手段15を構成することにより、より高感度に絶縁不良を検出することになるため、確実な警報動作が可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態は第1の実施形態の変形例であって、図1に示すブロック図において、基準ベクトル位相補正手段15の実施内容が変わる以外は第1の実施形態と同様である。
第4の実施形態における基準ベクトル位相補正手段15では、基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相角を求め、更に、充電電流ベクトル位相角推定手段14で求められた零相電流の位相角との差の絶対値を求める。
この位相差がある所定値以内であれば、充電電流ベクトル位相角推定手段14から出力される零相電流データと同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正し、前記位相差がある所定値よりも大きい場合には、前記所定値の下限値方向(遅れ位相側)を基準ベクトルとするように構成する。
図6に第4の実施形態における基準ベクトルの選択およびその基準ベクトルに基づいて抵抗性電流を導く過程を示したベクトル図を示すが、内容は第2の実施形態の場合と同様であるので割愛し、その効果のみ説明することとする。
このように基準ベクトル位相補正手段15を構成することにより、より低感度に絶縁不良を検出することになるため、誤警報を防止することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態は第1の実施形態の変形例であって、図1に示すブロック図において、基準ベクトル位相補正手段15の演算内容が変わる以外は第1の実施形態と同様である。
第5の実施形態における基準ベクトル位相補正手段15では、基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相角を求め、更に、充電電流ベクトル位相角推定手段14で求められた零相電流の位相角との差の絶対値を求める。
この位相差がある所定値以内であれば、充電電流ベクトル位相角推定手段14から出力される零相電流データと同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正し、前記位相差がある所定値よりも大きい場合には、過去前記所定値を逸脱する前に充電電流ベクトル位相角推定手段14から出力された零相電流のうち最も位相が進んだものと同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正するように構成する。
これは、絶縁不良の発生により抵抗性電流が生じると零相電流は必ず位相が遅れ方向に変化するため、位相が最も進んだものが抵抗性電流分を含まない充電電流のみの状態であろうという考えに基づくものである。
図7に第5の実施形態における基準ベクトルの選択およびその基準ベクトルに基づいて抵抗性電流を導く過程を示したベクトル図を示すが、演算内容は第2の実施形態の場合と同様であるので割愛する。
上述したように基準ベクトル位相補正手段15を構成することにより、第1の実施形態と同様に、より正確に抵抗性電流を検出することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第6の実施形態)
次に、図8を参照して本発明の第6の実施形態について説明する。
図8に示す絶縁監視装置10−2は、図1に示した絶縁監視装置10−1に対して有効/無効設定手段19を追加したものである。これは基準ベクトル位相補正手段15での基準ベクトルの補正動作を実施するか、しないかの切り替えを行うためのものである。この点以外は既に述べた第1の実施形態乃至第5の実施形態と同様であるので説明は割愛し、前記動作の切り替えの部分について説明する。
有効/無効設定手段19は、基準ベクトルの補正動作を実施する(有効)か、しない(無効)かのいずれかを設定する手段であって、基準ベクトル位相補正手段15に補正を有効とするか、あるいは無効とするかの設定情報を渡すように機能する。
基準ベクトル位相補正手段15では、有効/無効設定手段19から渡された設定情報が「有効」の場合、前記実施形態1〜5で示す基準ベクトルの補正動作を実施し、補正された基準ベクトルを直交成分演算手段16に対して出力するようにする。一方、「無効」の設定情報が渡された場合は、基準ベクトル位相補正手段15は基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルに対し何の補正も実施せず、そのまま直交成分演算手段16に対して基準ベクトルを直交成分演算手段16に対して出力する。
有効/無効設定手段19における有効/無効の設定の具体的な方法としては、例えば、切り替えスィッチを設けたり、絶縁監視装置にPC(パソコン)を接続して設定を行ったり、遠隔から無線や有線通信を介して設定を行う等の方法が考えられるが、本実施形態ではこれらの設定方法に限定されるものではない。また、外部から設定切り替えを行う代わりに、あらかじめ絶縁監視装置10−2に有効あるいは無効の何れかの設定をデフォルト設定として設定しておくことでもよい。
充電電流が不平衡であることによる検出値誤差の大きさは、充電電流の大きさ、あるいは不平衡の程度に依存する。つまり、充電電流が小さい、あるいは不平衡が殆どない電気設備においては、基準ベクトル位相補正手段15における基準ベクトルの補正を実施せずにそのまま抵抗性電流を算出するよりも、場合によっては第1〜第5の実施形態に示す位相補正を実施する方が抵抗性電流の検出誤差大きくなることもあり得る。このことから、有効/無効設定手段19を設け、基準ベクトル位相補正手段15における基準ベクトルの補正動作の有効/無効を切り替えられるようにすることで、絶縁監視装置を適用する電気設備によってより適切に絶縁監視を実施可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
第7の実施形態の構成は図1あるいは図8に示すブロック図と同等であり、ここでは、図1のブロック図を用いて説明する。
第7の実施形態は、充電電流ベクトル位相角推定手段14における零相電流Ioの位相角算出に関するもので、この点以外は第1〜第6の実施形態と同様であるので説明は割愛し、この零相電流Ioの位相角算出についてのみ説明する。
充電電流ベクトル位相角推定手段14では、電流計測手段11から渡された零相電流Ioの位相角を算出するが、位相角を算出する前に、零相電流Ioの大きさを求め、この大きさがあらかじめ定めたある所定値よりも大きい場合のみ位相角を算出し、ある所定値よりも小さい場合には、過去算出した位相角のうち最新のもの選択するようにし、得られた位相角を零相電流Ioのデータと共に基準ベクトル位相補正手段15に対して出力するように構成する。
電圧量の場合は、定常状態においてその大きさはほぼ一定であるので、位相角の算出もそのまま取込んだデータを使って計算を行うことで良いが、零相電流の大きさは、個々の電気設備およびその状態に依存する。充電電流ベクトル位相角推定手段14で算出される位相角は、最終的に基準ベクトル位相補正手段15で基準ベクトルを生成する際のひとつのデータであり、その結果には精度が要求される。
零相電流Ioの大きさが小さい場合には、位相角算出の結果が比較的大きな誤差を含むものとなり精度が確保できないため、過去算出した位相角のうち最新のもの選択出力し、零相電流Ioの大きさが位相角算出の精度が確保できる程度に十分大きな場合のみ位相角の計算を行うようにすることで正確な位相角の結果を出力できるようになる。
以上のように充電電流ベクトル位相角推定手段14を構成することで、零相電流Ioの大きさに依存せず、正確に零相電流Ioの位相角を算出できるようになり、この結果基準ベクトル位相補正手段15で正確な基準ベクトルの生成が行え、ひいては直交成分演算手段16での抵抗性電流の検出精度を向上することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。
第8の実施形態の構成は図1あるいは図8に示すブロック図と同等であり、ここでは、図1および図9を用いて説明する。
第8の実施形態は、基準ベクトル生成手段13における基準ベクトルの生成方法に関して説明するもので、この点以外は第1〜第7の実施形態と同様であるので説明は割愛し、前記基準ベクトルの生成方法について説明する。基準ベクトル生成手段13では、電圧計測手段12によって取込んだ電圧を元に電気設備全体としての充電電流と同位相となる基準ベクトルを生成する。実施形態1等で示したように、電圧計測手段12で取込む電圧が非接地相間電圧とした場合を例に図9を用いて説明する。
図9は、絶縁監視装置の電源電圧を0°方向(i)、電圧計測手段12によって取込む非接地相間電圧Vcaを150°方向(vi)として座標空間上に示したものである。実際は、電源電圧は単相回路から取得し、しかも、どの相から取得するかは任意であるため、図9のベクトル関係は一例である。
図9ではVcaが実際の非接地相間電圧、Vca’が電圧計測手段12で計測された電圧として示している。本来であれば、これらは同じ電気量であるため、ベクトルは一致すべきものであるが、現実的には電圧計測手段12の計測部誤差のため、図9のように相違した形で測定される。前記したように絶縁監視装置の電源電圧と非接地相間電圧Vcaの位相関係は任意であるが、この位相関係は変圧器の結線および相配列で決まってくるため、絶縁監視装置の電源電圧を基準とした30°刻みの位相の何れかに合致することになる。つまり、絶縁監視装置の電源電圧を0°方向にとって考えた場合、非接地相間電圧Vcaは図9に示す30°刻みとした(i)〜(xii)の何れかの方向のベクトルになる。基準ベクトル生成手段13では、この点を利用し、電圧計測手段12で計測された電圧Vca’であった場合、このVca’が前記30°刻みとした(i)〜(xii)の位相と最も近いもの、図9の場合では(vi)の方向を基準ベクトルとするようにする。
このように基準ベクトル生成手段13を構成することにより、電圧計測手段12の測定部誤差の影響を受けることなく、正確な基準ベクトルを生成することができ、ひいては抵抗性電流の検出精度を向上することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
特に、絶縁監視装置設置の際、作業の安全性確保のため、電圧計測手段12での電圧計測を活線部に直接触れずに実施する非接触測定方式が取られる場合があるが、この非接触測定方式では安全面は確保される代わり、測定精度が悪いため、前記説明した基準ベクトルの生成方法を取ることで大幅に精度の改善を図ることができる。
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
第9の実施形態の構成は図1あるいは図8に示すブロック図と同等であり、ここでは、図1のブロック図および図10のベクトル図を用いて説明する。
第9の実施形態は、基準ベクトル位相補正手段15における基準ベクトルの位相角補正に関するもので、この点以外は第1〜第8の実施形態と同様であるので説明は割愛し、前記基準ベクトルの位相角補正方法について説明する。但し、基準ベクトルの位相補正方法については、第1の実施形態の内容を引用して説明することとする。
基準ベクトル位相補正手段15では、充電電流ベクトル位相角推定手段14から渡された零相電流Io’とある所定時間前に渡された零相電流Ioの変化の大きさを算出し、この変化の大きさがある所定値よりも大きい場合、すなわち、(4)式が成立する場合はある所定時間前に渡された零相電流Ioを元に補正した基準ベクトルをそのまま使用し、(4)式が成立しない場合は充電電流ベクトル位相角推定手段14から渡された最新の零相電流Io’と同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正するように構成する。
|△Io|=|Io’−Io|≧△Ik1 ……(4)
但し、△Ik1はIoの変化を検出する判定定数である。
この内容を図10を用いて説明する。
図10は3相△(V)結線の受電用変圧器が使われている電気設備に適用した場合の絶縁不良発生前後における各電気量、特に、零相電流の状態を表したベクトル図である。
図10において、絶縁不良が発生していない状態における零相電流をIoとする。これは充電電流のみの状態である。ここで、絶縁不良が発生し抵抗性電流Iraが生じると、この分がベクトル的に加算され、零相電流はIo’となる。このとき図10に示す二重線が(4)式で算出される△Ioである。
一般的に、充電電流は電気設備の構成、稼働状態に依存するため、定常状態においてはそれ程大きく変動することはないが、図10からも判るとおり、絶縁不良が発生すると大きく零相電流が変化することになる。したがって、基準ベクトル位相補正手段15では、この零相電流の変化によって、絶縁不良の発生を検知し、絶縁不良が発生した場合には、絶縁不良が発生する直前の充電電流のみの状態における零相電流と同位相の方向を基準ベクトルとすることで、実施形態1と同様の効果を得ることができ、ひいては抵抗性電流分をより正確に検出することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。
本実施形態の構成は図1あるいは図8に示すブロック図と同等であり、ここでは、図1のブロック図および図11のベクトル図を用いて説明する。
第10の実施形態は、基準ベクトル位相補正手段15における基準ベクトルの位相角補正に関するもので、この点以外は第1〜第8の実施形態と同様であるので説明は割愛し、前記基準ベクトルの位相角補正方法について説明する。但し、基準ベクトルの位相補正方法については、第1の実施形態の内容を引用して説明することとする。
基準ベクトル位相補正手段15では、充電電流ベクトル位相角推定手段14から渡された零相電流Io’を(5)式、また、ある所定時間前に渡された零相電流Ioを(6)式のように表した場合、(7)式に示すようにIo’とIoの変化分を算出する。
Io’=(Iox’,Ioy’) ……(5)
Io =(Iox ,Ioy ) ……(6)
△Io=(△Iox,△Ioy)
=(Iox’− Iox,Ioy’− Ioy) ……(7)
(7)式で算出される零相電流の変化分のX成分、Y成分の大きさの比率を以下に掲載する(8)式にて求め、この(8)式が成立する場合はある所定時間前に渡された零相電流Ioを元に補正した基準ベクトルをそのまま使用し、(8)式が成立しない場合は充電電流ベクトル位相角推定手段14から渡された最新の零相電流Io’と同位相となるように基準ベクトル生成手段13で生成された基準ベクトルの位相を補正するように構成する。
Figure 0004738274
但し、△Ik2はIoの変化の比率を検出する判定定数である。
この内容を図11を用いて説明する。
図11は3相△(V)結線の受電用変圧器が使われている電気設備に適用した場合の絶縁不良発生前後における各電気量、特に、零相電流の状態を表したベクトル図であり、図10と同じ状態を表しているが、図10の各ベクトルを30°位相を進めた状態で表現している。つまり、電気設備の非接地相間電圧VcaをX座標軸のマイナス方向と一致させる形で表現しており、本実施形態ではこのように表現した座標空間で考える。
図11に示す座標空間で各電気量のベクトルを表現すると、抵抗性電流はa相で絶縁不良が発生した場合60°方向、c相で絶縁不良が発生した場合120°方向、つまり、Y軸(+方向)を中心に±30°振った方向のベクトルとなる。
一方、充電電流はa相分が150°方向、c相分が210°方向、つまり、X軸(−方向)を中心に±30°振った方向のベクトルとなる。
以上から、絶縁不良が発生した場合、(7)式で求める零相電流の変化分ベクトルはX成分に比べY成分に大きな変化が現れ、一方、充電電流が変動した場合にはその逆で、Y成分に比べX成分に大きな変化が現れる特徴を有することになる。
本実施形態は、この特徴を利用したもので、基準ベクトル位相補正手段15では、この零相電流の変化分を求め、(8)式の判定を行うことによって、絶縁不良の発生を検知し、絶縁不良が発生した場合には、絶縁不良が発生する直前の充電電流のみの状態における零相電流を基準ベクトルとすることで、実施形態1と同様の効果を得ることができ、ひいては抵抗性電流分をより正確に検出することが可能な電気設備の絶縁監視方法および装置を提供することができる。
例えば、絶縁不良が発生により抵抗性電流が生じると、(8)式の左辺の比率はおよそ1.73程度となるので、△Ik2はこの程度の値に設定するのが好ましいと考えられる。
第10の実施形態では、基準ベクトル位相補正手段15で電気設備での絶縁不良の発生を(8)式で検出し、基準ベクトルの位相補正の切り替えを実施しているが、実施形態9で説明した(4)式をAND条件として付加することでより確実な判定動作を行うことができるようになる。
また、(8)式の判定を(9)式に示すような簡易的な方法で実施することでも良い。
|△Ioy|≧△Ik3 ……(9)
但し、△Ik3はIoの変化のうちX成分の増加を検出する判定定数である。
本発明の第1の実施形態に係る電気設備の絶縁監視装置の構成を示すブロック図。 充電電流不平衡時の基準ベクトル補正実施有/無での効果を説明するグラフを示す図。 充電電流不平衡時の補正方法を説明する図。 本発明の第2の実施形態の動作を説明するベクトル図。 本発明の第3の実施形態の動作を説明するベクトル図。 本発明の第4の実施形態の動作を説明するベクトル図。 本発明の第5の実施形態の動作を説明するベクトル図。 本発明の第6の実施形態に係る電気設備の絶縁監視装置の構成を示すブロック図。 本発明の第7の実施形態の動作を説明するベクトル図。 本発明の第8の実施形態の動作を説明するベクトル図。 本発明の第9の実施形態の動作を説明するベクトル図。 従来のIo方式の構成を説明するブロック図。 従来のIgr方式の構成を説明するブロック図。 従来のIor方式の構成を説明するブロック図。 3相△(V)結線の受電用変圧器で、充電電流が平衡している場合の各電気量の関係を表したベクトル図。 3相△(V)結線の受電用変圧器で、充電電流が不平衡な状態における各電気量の関係を表したベクトル図。
符号の説明
1…受電用変圧器、2…ケーブル、3…接地線、4…変流器、10−1,10−2…絶縁監視装置、11…電流計測手段、12…電圧計測手段、13…基準ベクトル生成手段、14…充電電流ベクトル位相角推定手段、15…基準ベクトル位相補正手段、16…直交成分演算手段、17…絶縁監視判定手段、18…警報出力手段、19…有効/無効設定手段。

Claims (8)

  1. 電気設備を構成する変圧器の接地線に流れる零相電流を取り込む電流計測手段と、
    前記電気設備の電圧を取込む電圧計測手段と、
    前記電圧計測手段によって取込まれた電気設備の電圧を元に基準ベクトルを生成し、この基準ベクトルを記憶する基準ベクトル生成手段と、
    前記電流計測手段によって取込まれた零相電流の位相角を求める充電電流ベクトル位相角推定手段と、
    前記基準ベクトル生成手段によって生成された基準ベクトルの位相角と前記充電電流ベクトル位相角推定手段によって計測された零相電流の位相角との差を求め、この位相差の絶対値が予め定めた所定値以下か否かで補正方法を切り替え、前記基準ベクトルの位相角を補正する基準ベクトル位相補正手段と、
    前記電流計測手段で計測された零相電流の前記基準ベクトル位相補正手段で位相補正された基準ベクトルに対する直交成分を求める直交成分演算手段と、
    前記直交成分演算手段により算出された直交成分の大きさに基づいて電気設備の絶縁不良の有無を検出する絶縁監視判定手段と、
    前記絶縁監視判定手段により絶縁不良ありと判定された場合にその旨出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする電気設備の絶縁監視装置。
  2. 基準ベクトル位相補正手段は、前記基準ベクトル生成手段によって生成された基準ベクトルの位相角と前記充電電流ベクトル位相角推定手段によって計測された零相電流の位相角との位相差が予め定めた所定値以内の場合、前記零相電流と同位相となるように基準ベクトルの位相を補正し、前記位相差が所定値を超えた場合、前回求めた基準ベクトルを採用することを特徴とする請求項1記載の電気設備の絶縁監視装置。
  3. 前記基準ベクトル位相補正手段による基準ベクトル位相補正の実施を有効とするか無効とするかを設定する有効/無効設定手段を設け、有効と設定された場合のみ前記基準ベクトル位相補正手段で基準ベクトルの位相補正を実施するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電気設備の絶縁監視装置。
  4. 前記充電電流ベクトル位相角推定手段において、零相電流の位相角を求める際、零相電流が所定の大きさ以上ある場合のみ位相角を求め、零相電流が所定の大きさより小さい場合は前回求めた位相角をそのまま使用するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気設備の絶縁監視装置。
  5. 前記基準ベクトル生成手段にて電圧計測手段で電気設備から取込んだ電圧を元に基準ベクトルを生成する際、監視装置の電源電圧を基準とした30°刻みの位相の中から前記電気設備から取込んだ電圧の位相と最も近いものを選択し、これを基準ベクトルとするように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気設備の絶縁監視方法および装置。
  6. 前記基準ベクトル位相補正手段による基準ベクトルの位相角補正を所定時間間隔における前記電流計測手段で計測された零相電流の大きさの変化が予め定めた所定値以下か否かで補正方法を切り替え、前記基準ベクトルの位相角を補正するように構成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気設備の絶縁監視装置。
  7. 前記基準ベクトル位相補正手段による基準ベクトルの位相角補正を前記電流計測手段で計測された零相電流ベクトルの変動方向によって補正方法を切り替え、前記基準ベクトルの位相角を補正するようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気設備の絶縁監視装置。
  8. 電気設備を構成する変圧器の接地線に流れる零相電流を取り込み、当該零相電流の位相角を求め、前記電気設備の電圧を電圧計測手段によって取込み、当該電圧を元に基準ベクトルを生成して記憶し、基準ベクトルの位相角と零相電流の位相角とから基準ベクトルの位相角と零相電流の位相角との差を求め、この位相差の絶対値が予め定めた所定値以下の場合、零相電流と同位相になるように基準ベクトルの位相角を補正し、当該位相補正された基準ベクトルに対する直交成分を求め、当該直交成分の大きさに基づいて絶縁監視判定手段によって電気設備の絶縁不良の有無を検出し、絶縁不良ありと判定された場合にその旨出力することを特徴とする電気設備の絶縁監視方法。
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