JP4737185B2 - 圧電素子、角速度センサ、及び圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子、角速度センサ、及び圧電素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電センサ、圧電アクチュエータ、焦電型赤外線センサなどに用いられる圧電素子、この圧電素子を含む角速度センサ、及び圧電素子の製造方法に関する。
従来から、角速度センサなどの圧電センサや、インクジェットヘッドなどに用いられる圧電薄膜の圧電材として、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+X)(以下、PZT)が使用されている。このPZTの圧電特性、強磁性体特性、焦電特性などを向上させるため、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、チタン酸ジルコン酸鉛がPb1+Y(ZrTi1−X)O3+Yと表された場合に、PbO過剰組成比Yが0≦Y≦0.5の範囲であって、Zr組成比Xが0≦X<0.55の範囲である、結晶構造が菱面体晶のPZT薄膜が記載されており、このPZT薄膜が良好な圧電特性を発揮することが開示されている。また、PbO過剰組成比Yが0≦Y<0.5の範囲であって、Zr組成比Xが0.55≦X<1の範囲である、結晶構造が正方晶のPZT薄膜も記載されている。
特許文献2には、厚さが1μm以上10μm以下であり、結晶粒径が0.55μm以下であって、表面粗さがRMAXで1μm以下である圧電体薄膜が記載されている。この圧電体薄膜が、所定の厚さ以上の膜厚が必要なインクジェット式記憶装置の圧電体薄膜として有用であることが開示されている。
特開平06−350154号公報(段落[0030]〜 [0044]、[0060]〜[0073]、図3、4等) 特開平09−298324号公報(段落[0007]〜 [0009]、図5)
ところで、圧電材は、熱が加えられると、減分極とよばれる圧電性能の劣化を生じることが知られている。しかし、圧電材を含む電子機器の製造工程においては、ハンダリフローなどによる加熱処理が行われることが一般的であり、この熱により、圧電材の圧電性能が劣化するという問題がある。
特に、近年、環境問題によるハンダの無鉛化により、ハンダリフロー温度が上昇してきており、このハンダリフローによる熱により、圧電材の圧電性能が劣化するという問題がある。しかしながら、上記特許文献1及び2は、この熱の影響については何ら考慮されていない。
また、上記特許文献2に記載のように圧電材が1μm以上の膜厚とされると、クラックが生じる可能性や、結晶性が劣化する可能性が高くなるという問題がある。この結晶性の劣化も、加熱処理による減分極を生じさせる要因となる恐れがある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、圧電特性、耐熱性に優れた圧電素子、この圧電素子を含む角速度センサ、及びこの圧電素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電素子は、化学式Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+Xで表され、前記Xが0以上0.3以下であり、前記Yが0以上0.55以下であり、かつ、400nm以上1000nm以下の膜厚である、チタン酸ジルコン酸鉛でなる圧電膜と、前記圧電膜に電圧を印加するための電極膜とを具備する。
PZTのPbO過剰組成比Xが0以上0.3以下とされ、Zr組成比Yが0以上0.55以下とされることで、圧電特性に優れた圧電素子が得られる。Zr組成比Yが0以上0.55以下であれば、減分極が生じにくく、耐熱性に優れている。
また、膜厚が400nm以上1000nm以下とされることで、さらに圧電特性に優れた圧電素子が得られる。
上記圧電素子において、前記圧電膜は、(111)方向に80%以上の配向性を有していてもよい。
これにより、さらに耐熱性に優れた圧電素子を得ることができる。
上記圧電素子において、前記圧電膜は、抗電界の2倍以上、20倍以下の分極電圧で、分極処理されてもよい。
圧電膜が抗電界の2倍以上で分極処理されることで、耐熱性に優れた圧電素子を得ることができる。一方で、圧電膜が抗電界の20倍以上で分極処理されると、絶縁破壊が生じてしまう。
上記圧電素子において、前記圧電膜は、キュリー温度の1/4以上、キュリー温度以下の分極温度で、分極処理されてもよい。
これにより、さらに耐熱性に優れた圧電素子を得ることができる。
上記圧電素子において、前記圧電膜は、キュリー温度の1/4以上、3/4以下のプリベーク温度で、プリベーク処理されてもよい。
圧電膜がキュリー温度の1/4以上でプリベーク処理されることで耐熱性に優れた圧電素子を得ることができる。一方で、キュリー温度の3/4以上でプリベーク処理されると、このプリベーク処理により圧電特性が劣化してしまう。
上記圧電素子において、前記圧電膜は、スパッタ法により、前記電極膜に形成されてもよい。あるいは、圧電膜は、真空蒸着法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、ゾルゲル法、エアゾルデポジション法などにより電極膜に形成されてもよい。
上記圧電素子において、前記圧電膜は、Cr、Mn、Fe、Ni、Mg、Sn、Cu、Ag、Nb、Sb、Nのうち少なくとも1つの添加元素を含んでいてもよい。
上記圧電素子において、前記電極膜は、Ti、Ptのうち少なくとも1つで形成されてもよい。電極膜は、Ir、Au、Ruで形成されてもよく、Ti、Pt、Ir、Au、Ruの酸化物で形成されてもよい。
本発明に係る角速度センサは、基板と、前記基板上に形成された第1の電極膜と、化学式Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+Xで表され、前記Xが0以上0.3以下であり、前記Yが0以上0.55以下であり、かつ、400nm以上1000nm以下の膜厚であり、前記第1の電極膜上に形成された、チタン酸ジルコン酸鉛でなる圧電膜と、前記圧電膜上に形成された第2の電極膜とを具備する。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、基板上に電極膜を形成し、化学式Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+Xで表され、前記Xが0以上0.3以下であり、前記Yが0以上0.55以下であり、400nm以上1000nm以下の膜厚であり、(111)方向に80%以上の配向性を有しているチタン酸ジルコン酸鉛でなる圧電膜を前記電極膜上に形成し、前記圧電膜を分極処理し、前記圧電膜をプリベーク処理する。
上記圧電素子の製造方法において、前記分極処理するステップは、抗電界の2倍以上、20倍以下の分極電圧で、分極処理してもよい。
上記圧電素子の製造方法において、前記分極処理するステップは、キュリー温度の1/4以上、キュリー温度以下の分極温度で、前記圧電膜を分極処理してもよい。
上記圧電素子の製造方法において、前記プリベーク処理するステップは、キュリー温度の1/4以上、3/4以下のプリベーク温度で、前記圧電膜をプリベーク処理してもよい。
以上のように、本発明によれば、圧電特性、耐熱性に優れた圧電素子、角速度センサ、及びこの圧電素子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る圧電素子、及びこの圧電素子を含む角速度センサを示す斜視図である。
この角速度センサ31は、ベース体130と、このベース体130から延びるように設けられた振動可能な振動アーム132とを備える。図1(B)は、その振動アーム132の長軸(Z軸)に垂直な面の断面図である。
この角速度センサ31は、半導体、例えばシリコンでなるアームベース133と、このアームベース133上に設けられた圧電素子139とを有する。図1(B)に示すように、例えばシリコン基板上に共通電極となる第1の電極膜34dが積層され、第1の電極膜34d上に圧電膜33が積層されている。圧電膜33の上面である第1の面33aには、所定の細長い形状の第2の電極膜34a、第1の検出電極34b及び第2の検出電極34cが積層されている。
ベース体130の上にも、リード線136、電極パッド138及びバンプ134a〜134d等を有するリード電極が形成される。バンプ134aは第2の電極膜34aに、バンプ134b、134cは第1及び第2の検出電極34b34cにそれぞれ接続されている。また、バンプ134dは第1の電極膜34dに接続されている。これらのバンプ134a〜134dを介して、IC等の制御回路(図示せず)に外部接続される。バンプ134a〜134dは、例えば金で形成されるが、これに限られない。
以上のように、第1及び第2の電極膜34d、34a、第1及び第2の検出電極34b、34c、リード線136等が形成されると、シリコンウェハから図1(A)に示すような形状の角速度センサ31が切り出される。
次に、角速度センサ31の動作の典型的な例について説明する。
圧電素子139の第1の電極膜34dは、直流電源に接続され、第1の電極膜34dと第2の電極膜34aとの間には、交流電源が接続される。これにより、第1の電極膜34dと第2の電極膜34aとの間に挟まれた圧電膜33に電圧が印加され、振動アーム132が上下方向(Y方向)に屈曲運動する。
この振動アーム132の屈曲運動に対して、角速度ωが加えられると、振動アーム132にコリオリ力が生じる。このコリオリ力は、振動アームの屈伸運動の方向(Y方向)に対して垂直な方向(X方向)に生じ、その大きさは、加えられた角速度ωの値に比例する。このコリオリ力が圧電膜33により電気信号に変換され、第1検出電極34b、及び第2の検出電極34cにより検出される。
次に、角速度センサ31の製造方法について詳細に説明しつつ、圧電素子139の圧電性能や、耐熱性能などについて説明する。なお、アームベース133上に形成される圧電素子139の形成方法を中心に説明する。
まず、シリコンウェハが用意される。シリコンウェハは、熱酸化処理により酸化保護膜が形成されていてもよい。
このシリコンウェハにスパッタリング法により、Tiが例えば30nm形成され、Ptが100nm形成されることで、第1の電極膜34dが形成される。この場合、スパッタリング法に限られず、真空蒸着法やその他の成膜方法が用いられてもよい。また、第1の電極膜34dを構成する金属材料は、Ti、及びPtに限られない。第1の電極膜34dを構成する金属材料としては、例えば、Ir、Au、Ru、あるいは、Ti、Pt、Ir、Au、Ruの酸化物などが挙げられる。第2の電極膜34aも同様に、これらの金属材料で構成されてもよい。
次に、第1の電極膜34d上に例えばスパッタリング法により、PZT薄膜が形成されることで、圧電膜33が形成される。この場合、スパッタリング法に限られず、真空蒸着法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、ゾルゲル法、エアゾルデポジション法などの成膜方法が用いられてもよい。PZT薄膜33の成膜の際の基板温度は、室温であってもよいし、高温であってもよい。
このPZT薄膜33の成膜では、PbO過剰組成比Xが、−0.1以上0.5以下、Zr組成比Yが0.35以上、0.65以下の組成とされた。このようなPZT組成比を実現するために、ターゲット組成や、スパッタ条件、アニール条件などは、適宜設定される。PZT薄膜33が第1の電極膜34d上に形成された後に、PZTのペロブスカイト構造を増加させるため、PZT薄膜33に対して例えば700℃の熱処理が行われてもよい。PZT薄膜33の結晶構造は、正方晶とされた。
このようにして形成されたPZT薄膜33の膜厚は、100nm〜1400nmとされた。
PZT薄膜33が形成されると、PZT薄膜33上に、スパッタリング法によりPtが200nm形成され、第2の電極膜34aが形成される。この場合、スパッタリング法に限られず、真空蒸着法やその他の成膜方法が用いられてもよい。
次に、例えば240℃に昇温した大気雰囲気中で、第1の電極膜34d及び第2の電極膜34aに電圧が印加され、PZT薄膜33に対して分極処理が行われる。第1の電極膜34dと、第2の電極膜34aとの間の電圧は、抗電界のEの1倍から20倍とされた。また、分極処理における分極温度は、キュリー温度の1/16倍〜5/4倍とされた。なお、分極処理の際の雰囲気は、大気中、酸素中、窒素中のいずれでもよい。
分極処理が行われると、成膜された圧電膜33に対して、プリベーク処理が行われる。このプリベーク処理のプリベーク温度は、キュリー温度の1/2倍〜5/4倍とされた。
上述のPZT薄膜33は、引張応力を有していてもよい。PZT薄膜33に引張応力を付与するために、PZT薄膜33が第1の電極膜34dに形成された後、例えば、650℃〜750℃の熱処理がなされてもよい。これにより、PZT薄膜33の結晶化が促進され、引張応力が付与される。また、この場合、例えば、PZTのPbO過剰組成比Xが0.04、Zr組成比Yが0.35〜0.65、引張応力が−100MPa〜600MPaとなるように、ターゲット組成や、スパッタ条件、アニール条件などは、適宜設定される。
また、上述の第1の電極膜34dも同様に引張応力を有していてもよい。第1の電極膜34dに引張応力を付与するために、PZT薄膜33が第1の電極膜34dに形成された後、例えば、100℃〜800℃の熱処理がなされてもよい。あるいは、第1の電極膜34d及びPZT薄膜33の成膜後の熱処理に限られず、成膜中の熱処理によっても第1の電極膜34dに引張応力を付与することができる。成膜条件、熱処理条件などを変更することで、第1の電極膜34dには、広範の引張応力を付与することができる。このようにして形成された第1の電極膜34dの引張応力は、−200MPa〜2000MPaとされた。
(圧電特性の評価)
次に、以上のようにしてシリコンウェハ上に形成された圧電素子139の圧電特性について説明する。
図2は、PZT薄膜33のXRD(X-ray diffraction)パターンを示す図である。PZTは、(111)面に配向しており、配度は97%であった。図2において、XRDパターンが測定されたPZT薄膜33の膜厚は900nmとされ、分極処理の際の電圧は、抗電界の6倍、分極温度は、240℃とされた。また、プリベーク温度は、200℃、100sとされた。
なお、以降での各図の説明では、特に明示しない限り、PZT薄膜33の膜厚は900nmであるとして説明する。
図3は、PZT薄膜33の膜厚(100nm〜1400nm)と、圧電定数d31との関係を示す図である。図に示すように、膜厚が400nm〜1000nmの場合、良好な圧電特性を示していることが分かる。膜厚が400nm〜1000nmの範囲であれば、角速度センサ31の圧電素子139として十分な圧電特性を得ることができる。
PZT薄膜33の膜厚が1000nm以上の場合、圧電定数d31が低下している。膜厚が1000nm以上では、結晶が(001)面などの(111)面以外の方向に成長し、(111)面方向のピーク強度が飽和するためであると考えられる。したがって、PZT薄膜33の膜厚が1000nm以下とされることで、(111)面方向以外のピーク成長を抑制することができる。なお、主に結晶の主ピークが圧電特性に寄与する。
一方で、膜厚が400nm以下の場合、リーク電流が増加することから、圧電素子139として十分な圧電特性を得ることが困難となる。
図4は、PZT薄膜33のPbO過剰組成比X(−0.1〜0.5)と、圧電定数d31及び損失率tanδとの関係を示す図である。PZT薄膜33の(111)面方向の配度は、80%以上100%未満とされ、Zr組成比Yは、0.5とされた。
図4から、PbO過剰組成比Xが、0〜0.3の範囲で、良好な圧電定数、損失率tanδとを示していることが分かる。PbO過剰組成比Xが0未満では、圧電特性が低下している。PbO過剰組成比Xが少ない場合、PZTの結晶性が低下するためであると考えられる。一方で、PbO過剰組成比Xが0.3以上である場合、損失率tanδが上昇し、圧電特性が低下している。PbO過剰組成比Xが多い場合、PZT薄膜33の絶縁性が低下することで、圧電特性が低下するためであると考えられる。
図5は、PZT薄膜33のZr組成比Y(0.35〜0.65)と、圧電定数d31との関係を示す図である。図5に示すように、Zr組成比Yが、0.51で最大の圧電特性を示し、0.4以上0.55以下で良好な圧電特性を示していることが分かる。Zr組成比Yが0.4以上0.55以下であれば、角速度センサ31の圧電素子139として十分な圧電特性を得ることができる。
ところで、バルクPZTでは、Zr組成比Yが0.5以上0.53の組成である場合、良好な圧電特性を有することが知られている。しかし、バルクPZTでは、Zr組成比Yが0.5以下の組成である場合、急激に圧電特性が劣化する。一方で、図5に示すように、例えばスパッタリング法により成膜されたPZT薄膜では、Zr組成比Yが0.4以上0.5の組成であっても良好な圧電特性が得られている。
(耐熱性の評価)
次に耐熱性の評価について説明する。まず耐熱性の評価方法について説明する。
第1の電極膜34d、PZT薄膜33、及び第2の電極膜34aを含む圧電素子139や、リード線136等が形成されたシリコンウェハから図1(A)に示すような形状の角速度センサ31が切り出される。このシリコンウェハからの切り出しには、典型的にはMEMS技術(Micro Electro Mechanical Systems)が用いられる。なお、振動アーム132の長さ、幅、厚さは、例えばそれぞれ2000μm×150μm×150μmとされた。
こようにして形成された角速度センサ31の振動アーム132のY方向の振幅を測定することで耐熱性を評価する。つまり、振動アーム132のY方向の振幅を測定し、ハンダリフローなどの、デバイスの製造時の熱処理を考慮した熱をPZT薄膜33に加え、その後、再び振動アーム132にY方向の振幅を測定することで、圧電素子139の耐熱性を評価する。なお、PZT薄膜33に印加される熱は、デバイス製造時の熱処理を考慮して、180℃〜300℃、印加時間は、30s〜300sとされた。また、第1の電極膜34dと、第2の電極膜34aに印加される電圧は、例えば1kH、1Vの交流電圧とされた。
図6は、PZT薄膜33のZr組成比Y(0.35〜0.7)と、熱印加後の振動アーム132の減衰率との関係を示す図である。印加温度、印加時間はそれぞれ240℃、90sとされた。
図6に示すように、Zr組成比Yが0.55以上である場合、熱印加後の振動アーム132の振幅の減衰が大きくなっていることが分かる。一方で、Zr組成比Yが0.55以下である場合、熱印加後の振幅の減衰はほとんど見られない。つまり、Zr組成比Yが0.55以下の組成のPZT薄膜33は、耐熱性に優れていることが分かる。
図7は、熱の印加温度を240℃とした場合の、熱の印加時間と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。PZT薄膜33のZr組成比Yは、0.35〜0.60とされた。図7から、Zr組成比Yが0.55以下である場合、熱の印加時間を増やしても、熱印加後の振幅の減衰が生じにくい、つまり耐熱性に優れていることが分かる。
図8は、印加温度と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。PZT薄膜33のZr組成比Yは、0.35〜0.60とされた。図8から、Zr組成比Yが0.55以下である場合、印加温度を上昇させても、熱印加後の振幅の減衰が生じにくい、つまり耐熱性に優れていることが分かる。
図9は、PZT薄膜33の応力(−100MPa〜600MPa)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。この場合、第1の電極膜34dの引張応力は、1000MPaとされた。また、PZT薄膜33に印加される熱の印加温度、印加時間はそれぞれ240℃、90sとされた。なお、図9では、応力が正の値の場合、引張応力を表し、応力が負の値の場合、圧縮応力を表している。
ここで、PZT薄膜33の応力の測定方法について説明する。PZT薄膜33の応力の測定法には、X線逆格子マップ測定法が用いられ、測定装置には、PANalytical(登録商標)製X線回折装置X'pert PRO MRD(登録商標)が用いられた。逆格子マップ技術では、測定対象の試料がθ軸に直交するφ軸周りで傾けられ、該試料の結晶面からの回折が検出される。この検出された回折ピークをもとに、測定対象試料の同定が行われる。
例えば、測定対象試料の結晶に歪みや応力が存在しない場合、PZT(111)回折の主配向ピーク((2θ、φ)=(38°、0°)、及び(2θ、φ)=(38°、70°)近傍)では、何れのφ角でも回折角に変化は生じない。しかし、測定対象試料に引張応力が存在すると、φ=70°の場合の回折角は、φ=0°の場合の回折角に対して、低角側にシフトする。一方で測定対象試料に圧縮応力が存在すると、φ=70°の場合の回折角は、φ=0°の場合の回折角に対して、広角側にシフトする。このシフトの大きさを評価することで、PZT薄膜33が有する応力を測定することができる。
PZT薄膜33の応力の測定には、X線逆格子マップ測定法に限られず、他の方法が用いられてもよい。例えば、下記参考文献に記載されているように、膜が堆積した基板の反りが測定され、Stoneyの式が用いられることで応力の値の評価がされてもよい(参考文献:市村博司・池永勝著、日刊工業新聞社発行、"プラズマプロセスによる薄膜の基礎と応用"、2005)。また、応力の導出に必要なヤング率の測定には、例えば、参考文献に記載されているようにナノインデンテーション法が用いられた。後述する、第1の電極膜34dの測定方法も同様に、X線逆格子マップ測定法や、参考文献に記載されている測定方法などが用いられる。
図9に示すように、PZT薄膜33の引張応力が50MPa以上500MPa以下である場合、熱印加後の振幅が減衰していない。つまり、50MPa〜500MPaの引張応力を有するPZT薄膜33は、良好な耐熱性を有していることが分かる。特に、100MPa〜300MPaの引張応力を有するPZT薄膜33は、良好な耐熱性を有している。
PZT薄膜33が上述の値の引張応力を有することで、良好な耐熱性を有するのは、PZTの結晶格子が歪み、ドメインの移動が起こりにくくなったためであると考えられる。
図9に示すように、PZT薄膜33の引張応力が500MPa以上である場合、熱印加後の振幅が減少している。PZT薄膜33の応力によるクラックが増加して、結晶格子の歪みが開放されたためであると考えられる。一方で、引張応力が50MPa以下の場合も、熱印加後の振幅が減少している。PZT薄膜33が低応力であることから結晶格子の歪みがなく、ドメインの移動が容易となったためであると考えられる。
図10は、第1の電極膜34dの応力(−200MPa〜2000MPa)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。この場合、PZT薄膜33の引張応力は、200MPaとされた。また、PZT薄膜33に印加される熱の印加温度、印加時間はそれぞれ240℃、90sとされた。
図10に示すように、第1の電極膜34dの引張応力が500MPa以上1500MPa以下である場合、熱印加後の振幅が減衰していない。つまり、500MPa〜1500MPaの引張応力を有する第1の電極膜34dを含む圧電素子139は、良好な耐熱性を有していることが分かる。特に、第1の電極膜34dが700MPa〜1200MPaの引張応力を有している場合、第1の電極膜34d上に形成されたPZT薄膜33は、良好な耐熱性を有していることが分かる。
第1の電極膜34dが上述の値の引張応力を有することで、圧電素子139が良好な耐熱性を有するのは、第1の電極膜34dの引張応力がPZT薄膜33の結晶格子に適度な歪みを与え、ドメインの移動が起こりにくくなったためであると考えられる。
第1の電極膜34dの引張応力が1500MPa以上である場合、熱印加後の振幅が減少している。第1の電極膜34dの引張応力により、PZT薄膜33のクラックが増加して、結晶格子の歪みが開放されたためであると考えられる。この場合、実際にPZT薄膜33の表面にクラックが観察された。また、1500MPa以上の引張応力を有する第1の電極膜34dと、アームベース133との間に、剥離が観察された。
一方で、第1の電極膜34dの引張応力が500MPa以下である場合も熱印加後の振幅が減少している。第1の電極膜34dが低応力であることから結晶格子の歪みがなく、ドメインの移動が容易となったためであると考えられる。
図11は、PZTの(111)面方向の配度と、熱印加後の振動アーム132の振幅の減衰率との関係を示す図である。PZT薄膜33のPbO過剰組成比X、及びZr組成比Yは、それぞれ0.04、0.48とされた。図11から、PZTの(111)面方向の配度が80%以上である場合には、熱印加後の振幅の減衰が生じにくい、つまり、耐熱性に優れていることが分かる。一方で、PZTの(111)面方向の配度が80%以下である場合、熱印加後の振幅の減衰が生じやすいことが分かる。
次に分極処理条件及びプリベーク条件と、熱印加後の振動アーム132の減衰率との関係について説明する。なお、以降で説明する図12、13、14,15では、PZT薄膜33のPbO過剰組成比X及びZr組成比Yは、それぞれ0.04、0.48とされた。また、PZT薄膜33に印加される熱の印加温度及び印加時間は、それぞれ、240℃、90sとされた。
図12は、分極処理における分極電圧の抗電界比(抗電界のEの1倍〜20倍)と、熱印加後の振動アーム132の振幅の減衰率との関係を示す図である。図12に示すように、分極電圧が抗電界Eの2倍〜20倍である場合、熱印加後の振幅の減衰が生じずらく、耐熱性が優れていることが分かる。ここで、図13にPZT薄膜33の耐電圧の抗電界比と、分極温度との関係を示す。図13に示すように、分極温度を上昇させると、PZTの耐電圧の抗電界比が減少する。180℃以上の分極温度では、抗電界の20倍以上の分極電圧がPZTに印加されると、PZTが絶縁破壊してしまう。したがって、抗電界の20倍以上の分極電圧をPZTに印加することは、適当でなく、分極電圧に適した電圧は抗電界Eの2倍〜20倍であることが分かる。
図14は、分極処理における分極温度のキュリー温度比(キュリー温度Tの1/16倍〜5/4倍)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。分極電圧は、抗電界Eの6倍とされた。図14に示すように、分極温度がキュリー温度Tの1/4倍以上キュリー温度T以下である場合、熱印加後の振幅の減衰が生じずらく、耐熱性に優れていることが分かる。分極温度がキュリー温度Tの1/4以下である場合、振幅の減衰が大きいのは、分極処理が不十分であることから、PZT薄膜33のドメインが動きにくいためであると考えられる。一方で、分極温度がキュリー温度T以上である場合、振幅の減衰が大きいのは、PZT薄膜33の結晶構造が立方晶となっていることから、分極処理後にドメインの移動が容易となってしまったためであると考えられる。
図15は、プリベーク温度Taのキュリー温度Tc比(キュリー温度Tの1/倍〜5/4倍)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である(横軸と右方向縦軸)。また、図15は、プリベーク温度のキュリー温度比(キュリー温度Tの1/倍〜5/4倍)と、プリベーク処理後/分極処理後の振幅の減衰率との関係が表されている(横軸と左方向縦軸)。
つまり、図15では、分極処理後に振動アーム132の振幅が測定され、プリベーク処理(キュリー温度Tの1/倍〜5/4倍)後に、再び振動アーム132の振幅が測定されることで、プリベーク処理における振幅の減衰率が評価される(横軸と左方向縦軸)。その後、プリベーク処理後のPZT薄膜33に、デバイスの製造時の熱処理を考慮した熱が印加され、熱印加後の振動アーム132の振幅が測定され、熱印加後の振幅の減衰率が評価される(横軸と右方向縦軸)。なお、分極電圧は、抗電界Eの6倍とされ、分極温度は260℃とされた。
図15に示すように、プリベーク温度Taがキュリー温度Tの3/4倍以下である場合、プリベーク処理後の振動アーム132の振幅が分極処理後の振幅に比して減衰していないことが分かる。また、プリベーク温度Taがキュリー温度Tの1/4倍以上である場合、熱印加後の振幅が、分極処理後の振幅に比して減衰しておらず、圧電素子139が優れた耐熱性を有していることが分かる。したがって、プリベーク処理におけるプリベーク温度Taが、キュリー温度Tの1/4倍以上3/4倍以下とされることで、耐熱性に優れた圧電素子139を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る角速度センサを示す平面図である。また、図17は、本実施形態に係る角速度センサを示す概略図であり、図18は、図16に示すA−A間の断面図である。
これらの図に示すように、角速度センサ200は、ベース体214と、このベース体214の一辺に配設されたアーム保持部215と、このアーム保持部215の先端側に配設された振動アーム部216とを備えている。
振動アーム部216は、第1の振動アーム211と、この第1の振動アームの両側に隣接する第2の振動アーム212及び第3の振動アーム213とを有している。この第1、第2及び第3の振動アーム211、212、213は、それぞれアームベース210a、210b、210cと、このアームベース上に形成された圧電素子239a、239b、239cとで構成されている。すなわち、本実施形態に係る角速度センサ200は、いわゆる3音叉型の角速度センサである。
第1の振動アーム211、第2の振動アーム212、及び第3の振動アーム213は、例えば、長さと幅と厚さがそれぞれ等しくされている。また、第1の振動アーム211と第2の振動アーム212との間隔と、第1の振動アーム211と第3の振動アーム213との間隔は、等しくされている。
図18に示すように、アームベース210a上、210b上、210c上には、第1の電極膜221、222、223がそれぞれ積層され、この第1の電極膜221上、222上、223上には、それぞれ圧電膜としてPZT薄膜231、232、233が積層される。このPZT薄膜231上、232上、233上には、駆動電極として、第2の電極膜241、242、243が積層される。また、振動アーム部216の中央に位置する第1の振動アーム211のPZT薄膜231上には、第1の検出電極251、及び第2の検出電極252が積層される。
このPZT薄膜231、232、233の各膜厚、PZTのPbO過剰組成比X及びZr組成比Yは、上記第1の実施形態におけるPZT薄膜33と同様とされる。また、PZT薄膜231、232、233は、上記PZT薄膜33と同様の引張応力を有している。さらに、第1の電極膜221、222、223も、上記第1の実施形態における第1の電極膜34dと同様の引張応力を有している。
上記各圧電素子239の有する複数の電極221、222、223、241、242、243、251、252は、それぞれ別個のリード線261〜268に接続されている。これらのリード線261〜268は、アーム保持部215表面を通りベース体214表面に設けられた各リード端子271〜278に接続されている。リード端子271〜278は、ベース体214表面のX方向両端にそれぞれ4個づつ設けられている。
次に、本実施形態に係る角速度センサ200の動作について説明する。
第1の振動アーム211は、第1の電極膜221及び第2の電極膜241に印加された電圧により、図18の上下方向に屈曲運動する。一方で、第2の振動アーム212及び第3の振動アーム213は、第1の電極膜222、223及び第2の電極膜242、243に印加された電圧により、上記第1の振動アーム211とは逆位相で上下方向に屈曲運動する。
つまり、第1の振動アーム211が上方向に移動した場合には、第2の振動アーム212及び第3の振動アーム213は下方向に移動し、第1の振動アーム211が下方向に移動した場合には、第2の振動アーム212及び第3の振動アーム213は上方向に移動する。また、第2の振動アーム212及び第3の振動アーム213の振幅が、第1の振動アーム211の振幅に対して半分になるように屈曲運動することで、各振動アーム211、212、213が生じるモーメントが相殺される。
このように構成された角速度センサ200の圧電素子239について、上記図2〜図15で示したのと同様の評価を行った結果、当該圧電素子239も、上記第1の実施形態における角速度センサ31の圧電素子139と同様の圧電性能及び耐熱性を有することが確認された。
なお、本実施形態では、各振動アームにそれぞれ各振動アームを駆動するための第2の電極膜241、242、243が設けられているが、例えば第1の振動アーム211にのみ第2の電極膜241を形成した構成も可能である。この場合、第2及び第3の振動アーム212、213は、第1の振動アームの振動の反作用により、第1の振動アームとは逆位相で振動する。
また、第2、及び第3の振動アーム212、213にのみ第2の電極膜を形成した構成も可能である。この場合、第1の振動アーム211は、第2及び第3の振動アーム212、213の振動の反作用により、第2及び第3の振動アーム212、213とは逆位相で振動する。
以上説明した圧電素子、角速度センサは、上記各実施形態に限られず、種々の変形が可能である。
例えば、上述のPZT薄膜33の成膜では、PZTが(111)面方向に配向性を有するように形成されたが、これに限られず、PZTが(100)面や、(001)面方向に配構成を有するように成膜されてもよい。このように成膜されても、圧電特性、耐熱性に優れた圧電素子139を得ることができる。
上述の実施形態では、PZT薄膜33の結晶構造が、正方晶である場合について説明したが、結晶構造は、菱面体晶、擬似正方晶、擬似菱面体晶などであってもよい。また、PZT薄膜33が、Cr、Mn、Fe、Ni、Mg、Sn、Cu、Ag、Nb、Sb、Nのうち少なくとも1つの添加元素を含んでいてもよい。
圧電素子139は、角速度センサ31に限られず、例えば、焦電型赤外線センサや、液体噴射装置、半導体記憶装置などにも応用することができる。なお、この場合、圧電素子139には、第1の電極膜、及び第2の電極膜のうち少なくとも1つが設けられていればよく、第1の検出電極、第2の検出電極は必ずしも必要ではない。
上述の各実施形態においては、いわゆる1音叉型の角速度センサ31や、3音叉型の角速度センサ200を示したが、振動アームの数は、2本であってもよいし、3本より多くてもよい。あるいは、角速度センサ31及び200は、片手持ちの形状となっているが両手持ちの形状とされてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る圧電素子、及びこの圧電素子を含む角速度センサを示す斜視図である。 PZT薄膜のXRD(X-ray diffraction)パターンを示す図である。 PZT薄膜の膜厚(100nm〜1400nm)と、圧電定数d31との関係を示す図である。 PZT薄膜のPbO過剰組成比X(−0.1〜0.5)と、圧電定数d31及び損失率tanδとの関係を示す図である。 PZT薄膜のZr組成比Y(0.35〜0.65)と、圧電定数d31との関係を示す図である。 PZT薄膜のZr組成比Y(0.35〜0.7)と、熱印加後の振動アーム132の減衰率との関係を示す図である。 熱の印加温度を240℃とした場合の、熱の印加時間と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。 印加温度と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。 PZT薄膜応力(−100MPa〜600MPa)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。 第1の電極膜の応力(−200MPa〜2000MPa)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。 PZTの(111)面方向の配度と、熱印加後の振動アームの振幅の減衰率との関係を示す図である。 分極処理における分極電圧の抗電界比(抗電界のEの1倍〜20倍)と、熱印加後の振動アームの振幅の減衰率との関係を示す図である。 PZT薄膜耐電圧の抗電界比と、分極温度との関係を示す図である。 分極処理における分極温度のキュリー温度比(キュリー温度Tの1/16倍〜5/4倍)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。 プリベーク温度のキュリー温度比(キュリー温度Tの1/倍〜5/4倍)と、熱印加後の振幅の減衰率との関係を示す図である。また、プリベーク温度のキュリー温度比(キュリー温度Tの1/倍〜5/4倍)と、プリベーク処理後/分極処理後の振幅の減衰率との関係が表されている。 本発明の第2の実施形態に係る角速度センサを示す平面図である。 図16に示す角速度センサの概略図である。 図16に示すA−A間の断面図である。
X・・・PbO過剰組成比
Y・・・Zr組成比
・・・抗電界
・・・キュリー温度
31、200・・・角速度センサ
33、231、232、233・・・圧電膜
34d、221、222、223・・・第1の電極膜
34a、241、242、243・・・第2の電極膜
133、210・・・アームベース
139、239・・・圧電素子

Claims (14)

  1. 化学式Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+Xで表され、前記Xが0以上0.3以下であり、前記Yが0以上0.55以下であり、かつ、400nm以上950nm以下の膜厚を有する、チタン酸ジルコン酸鉛でなる圧電膜と
    前記圧電膜に電圧を印加するための電極膜と
    を具備する圧電素子。
  2. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記圧電膜は、(111)方向に80%以上の配向性を有する圧電素子。
  3. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記圧電膜は、抗電界の2倍以上、20倍以下の分極電圧で、分極処理される圧電素子。
  4. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記圧電膜は、キュリー温度の1/4以上、キュリー温度以下の分極温度で、分極処理される圧電素子。
  5. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記圧電膜は、キュリー温度の1/4以上、3/4以下のプリベーク温度で、プリベーク処理される圧電素子。
  6. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記圧電膜は、スパッタ法により、前記電極膜に形成される圧電素子。
  7. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記圧電膜は、Cr、Mn、Fe、Ni、Mg、Sn、Cu、Ag、Nb、Sb、Nのうち少なくとも1つの添加元素を含む圧電素子。
  8. 請求項1に記載の圧電素子であって、
    前記電極膜は、Ti、Ptのうち少なくとも1つでなる圧電素子。
  9. 基板と、
    前記基板上に形成された第1の電極膜と、
    化学式Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+Xで表され、前記Xが0以上0.3以下であり、前記Yが0以上0.55以下であり、かつ、400nm以上950nm以下の膜厚であり、前記第1の電極膜上に形成された、チタン酸ジルコン酸鉛でなる圧電膜と、
    前記圧電膜上に形成された第2の電極膜と
    を具備する角速度センサ。
  10. 基板上に第1の電極膜を形成し、
    化学式Pb1+X(ZrTi1−Y)O3+Xで表され、前記Xが0以上0.3以下であり、前記Yが0以上0.55以下であり、400nm以上950nm以下の膜厚である、チタン酸ジルコン酸鉛でなる圧電膜を前記第1の電極膜上に形成し、
    前記圧電膜上に第2の電極膜を形成する
    圧電素子の製造方法。
  11. 請求項10に記載の圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電膜を分極処理し、
    前記圧電膜をプリベーク処理する
    圧電素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の圧電素子の製造方法であって、
    前記分極処理するステップは、抗電界の2倍以上、20倍以下の分極電圧で、分極処理する圧電素子の製造方法。
  13. 請求項11に記載の圧電素子の製造方法であって、
    前記分極処理するステップは、キュリー温度の1/4以上、キュリー温度以下の分極温度で、前記圧電膜を分極処理する圧電素子の製造方法。
  14. 請求項11に記載の圧電素子の製造方法であって、
    前記プリベーク処理するステップは、キュリー温度の1/4以上、3/4以下のプリベーク温度で、前記圧電膜をプリベーク処理する圧電素子の製造方法。
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