JP4736148B2 - ビニル変性エポキシエステル樹脂及びその製造法、樹脂組成物並びに塗料 - Google Patents

ビニル変性エポキシエステル樹脂及びその製造法、樹脂組成物並びに塗料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニル変性エポキシエステル樹脂及びその製造法、樹脂組成物並びにこの樹脂組成物を用いた塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
汎用金属製品の防錆・防食を目的として、一般的に乾性油・半乾性油変性アルキド樹脂が防錆・防食塗料に用いられているが、耐食性・耐水性が不十分であった。耐食性・耐水性の向上を目的に今までにフェノール樹脂変性やエポキシ樹脂変性による改質が行われてきたが、未だ耐食性・耐水性は不十分であり改良の要求は強い。
【0003】
一方、高分子量エポキシ樹脂を使用した防錆・防食塗料が一部出回っており、優れた耐食性・耐水性を示しているが、これらの高分子量エポキシ樹脂は、優れた塗膜性能を得るために各種材料による変性や高分子量化が行われている。これらの高分子量エポキシ樹脂は、各種材料による変性、高分子量化等により希釈シンナー、特に、脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に対する溶解性が低下し、ある一定の組成に組み合わされた特別なシンナーでなければ溶解せず作業性等に問題がある。
【0004】
また、近年、環境等の問題から塗料の分野でも重金属フリー化、有機溶剤の削減、及び塗装環境の危険性低減への技術開発が行われており、危険性の低い脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒を使用するような塗料の弱溶剤化が進んでいる。塗装時における強い溶剤臭と皮膚への刺激が緩和されると共に、引火の危険性も軽減するので塗装環境に優しい塗料が得られる。
【0005】
脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に可溶化するため、一液型エポキシ樹脂の中で、エポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和結合を有する脂肪酸を付加反応させた脂肪酸変性エポキシ樹脂が上市されている。これらの脂肪酸変性エポキシ樹脂の変性に用いられる脂肪酸は、大豆油やアマニ油等の乾性油から誘導されうる不飽和脂肪酸であり、脂肪酸が長鎖のアルキル鎖を有するため、変性された脂肪酸変性エポキシ樹脂は脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に対する溶解性が良い。しかし、これらの脂肪酸変性エポキシ樹脂は、脂肪酸を付加反応によりエポキシ基に導入することにより溶剤溶解性を得ている。そのためにある程度以上の脂肪酸量を変性しようとするとエポキシ樹脂の分子量が制限される。樹脂分子量の調整のため、イソシアネート類により高分子量化することができるが、これらの樹脂は、溶剤溶解性が極端に低下したり、耐水性に劣る。
【0006】
また、脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒では、一般的に溶剤の揮発性が低いために乾燥性が劣るという欠点を有している。以上のように乾燥性、塗膜特性のバランスが困難であり、いまだ満足すべきものは得られていなかった。
【0007】
そこで、先に、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アルカノールアミン類及び脂肪酸を反応させて得られる変性エポキシ樹脂と非水分散型樹脂からなる樹脂組成物を開発した。アルカノールアミン類を反応させていることにより、通常エポキシ樹脂のエポキシ基のほかに、アルカノールアミンに由来する水酸基に脂肪酸を反応させることができるため、低分子量化することなく油長を長くすることができた。また、非水分散型樹脂をブレンドしていることにより乾燥性にも優れていた。
【0008】
しかし、乾燥性、塗膜特性のバランスは優れるものの、変性エポキシ樹脂と非分散型樹脂の相溶性が悪く安定性に問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、乾燥性、耐食性・耐水性、溶剤に対する溶解性に優れ、樹脂安定性にも優れたビニル変性エポキシエステル樹脂及びその製造法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、塗料に好適な樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、溶剤溶解性、乾燥性に優れ、かつ塗膜特性が良好である塗料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂、(B)アルカノールアミン類及び(C)脂肪酸を反応させて得られる脂肪酸変性エポキシエステル樹脂に(D)ビニル系単量体を重合させることを特徴とするビニル変性エポキシエステル樹脂の製造法、及び、その製造法により製造されたビニル変性エポキシエステル樹脂を提供するものである。
【0013】
本発明はまた、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を反応させて得られる脂肪酸変性エポキシエステル樹脂に、(D)成分及び(F)イソシアネート類を反応させることを特徴とするビニル変性エポキシエステル樹脂の製造法、及び、その製造法により製造されたビニル変性エポキシエステル樹脂を提供するものである。
【0014】
本発明はまた、上記のビニル変性エポキシエステル樹脂を(E)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に溶解あるいは分散させてなる樹脂組成物を提供するものである。
【0015】
本発明はまた、上記の樹脂組成物を含有してなる塗料を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えばビスフェノールとエピクロルヒドリンを混合し触媒の存在下で加熱しこれにより付加反応させて得ることができる。
【0017】
ビスフェノールとしては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)等が挙げられる。また触媒としては、例えば水酸化アルカリ等が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0018】
前記(A)成分としては市販品を利用することができ、その具体例としては、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社商品名)、エポミックR140、R301、R304、R307、R309(いずれも三井化学社商品名)等が挙げられる。前記(A)成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0019】
(A)成分のエポキシ当量は、100〜30,000であることが好ましく、100〜10,000であることがより好ましく、150〜5,000であることが更に好ましい。このエポキシ当量が100未満であると変性後の樹脂分子量が低くなり得られる塗膜の乾燥性や耐食性が劣る傾向にあり30,000を超えると溶剤溶解性や塗膜の付着性が劣る傾向にある。
【0020】
本発明に用いられる(B)アルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−2−ヒドロキシブチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン等が挙げられる。
これらは一種又は二種以上組み合わせて使用される。
【0021】
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましく、1〜50重量部であることがより好ましい。この(B)成分の配合量が1重量部未満であると耐食性・付着性が低下する傾向にあり、100重量部を超えると耐水性や溶剤溶解性が劣る傾向にある。
【0022】
本発明に用いられる(C)脂肪酸類としては、乾性油又は半乾性油から誘導されうる脂肪酸及び合成脂肪酸があり、例えば桐油、大豆油、アマニ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、綿実油等から得られる脂肪酸、合成により得られるバーサチック酸(シェルケミカル社製、商品名)等が挙げられる。(C)成分としては、乾性油又は半乾性油から誘導されうる脂肪酸を使用するのが常温硬化性を付与できるので好ましいが、不乾性油から誘導されうる脂肪酸を使用しても良い。これらは一種又は二種以上使用される。
【0023】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して40〜300重量部であることが好ましく、50〜200重量部であることがより好ましく、60〜100であることがさらに好ましい。この(C)成分の配合量が40重量部未満であると耐水性や溶剤溶解性が低下する傾向にあり、300重量部を超えると耐食性や乾燥性が劣る傾向にある。
【0024】
(A)成分、(B)成分、(C)成分は、公知の方法により、付加、縮合反応させ脂肪酸変性エポキシエステル樹脂とする。例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を50〜250℃、1〜24時間加熱することにより前記付加、縮合反応を行えば良い。この反応はキシレン等の(A)成分、(B)成分及び(C)成分と反応しない有機溶剤中で行なってもよい。これらの有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。また、反応は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を同時に混合して反応させてもよく、また、(A)成分と(B)成分を反応させたのち、(C)成分を添加し反応させるように段階を追って反応させてもよい。
【0025】
なお、前記加熱操作は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と反応しない有機溶剤中で行っても良い。このような有機溶剤として、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピレングリコールアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、一種又は二種以上組み合わせて使用される。
【0026】
また、前記有機溶媒の使用量は特に制限されるものではないが、樹脂固形分100重量部に対して20〜300重量部であることが好ましい。
【0027】
得られた脂肪酸変性エポキシエステル樹脂に(D)ビニル系単量体を重合させてビニル変性エポキシエステル樹脂溶液を製造する方法としては、例えば、通常のラジカル重合法を利用することができるが、特にその方法が限定されるものではない。
【0028】
その具体的な方法としては、例えば、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を有機溶媒に溶解させ、前記ビニル系単量体及びラジカル重合開始剤を添加し、80〜140℃、2〜5時間加熱する方法を利用することができる。
【0029】
前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の配合割合は、得られる塗膜の乾燥性、耐食性の点から、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂と前記ビニル系単量体の総量に対して、10〜95重量%であることが好ましく、50〜90重量%であることがより好ましく、70〜90重量%であることがさらに好ましい。この配合割合が10重量%未満であると、得られる塗膜が耐食性に劣る傾向にあり、95重量%を超えると、得られる脂肪酸変性エポキシエステルの乾燥性に劣る傾向にある。
【0030】
本発明において、(D)ビニル系単量体としては、例えば、カルボキシル基含有ビニル系単量体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、スチレン系単量体、酢酸ビニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0031】
カルボキシル基含有ビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられ、アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートが挙げられ、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられ、スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
【0032】
前記ビニル系単量体は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。前記ビニル系単量体を2種類以上組み合わせて使用する場合、ビニル系単量体の総量における各ビニル系単量体の配合割合は特に制限されるものではない
前記有機溶媒の配合割合は特に制限されるものではないが、通常、好ましくは前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂と前記ビニル系単量体の総量に対して、重量比で0.4〜3倍量とされる。
【0033】
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスニトリル型触媒、過酸化物等が挙げられ、アゾビスニトリル型触媒としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等が挙げられ、過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
【0034】
これらのラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0035】
これらのラジカル重合開始剤の配合割合は特に制限されるものではないが、通常、ビニル系単量体の総量に対して、0.3〜10重量%とされる。
【0036】
前記重合反応により得られるビニル変性エポキシエステル樹脂の重量平均分子量は、乾燥性、耐水性、塗装作業性の点から、8,000〜100,000であることが好ましく、9,000〜60,000であることがより好ましく、10,000〜50,000であることがさらに好ましい。この重量平均分子量が8,000未満であったり100,000を超えると、乾燥性、耐水性、塗装作業性に劣る傾向にある。
【0037】
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めた値である。
【0038】
本発明のビニル変性エポキシエステル樹脂は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を反応させてなるものである。得られる変性エポキシ樹脂の乾燥性、耐水性が向上する点から、前記(A)成分(B)成分、(C)成分、(D)成分の他に(F)イソシアネート類を反応させることが好ましい。
【0039】
本発明に用いられる(F)イソシアネート類としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート又は脂環族イソシアネート等が挙げられ、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらは一種又は二種以上使用される。
【0040】
(F)成分の配合量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の合計100重量部に対して0〜50重量部であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましい。この(F)成分の配合量が50重量部を超えると付着性や溶剤溶解性が低下する傾向にある。
【0041】
(F)成分は、公知の方法により、付加、縮合反応させられる。例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(F)成分を50〜250℃、1〜24時間加熱することにより前記付加、縮合反応を行えば良い。この反応はキシレン等の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(F)成分と反応しない有機溶剤中で行なってもよい。これらの有機溶剤は単独又は2種類異常を組み合わせて使用される。また、反応は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を反応させた後、(D)成分を反応させ、次に(F)成分を添加し、反応させるように段階を追って反応させてもよく、また、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を反応させたのち、次に(F)成分を添加し反応させてもよい。
【0042】
なお、前記加熱操作は(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(F)成分と反応しない有機溶剤中で行っても良い。このような有機溶剤として、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピレングリコールアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、一種又は二種以上組み合わせて使用される。
【0043】
また、前記有機溶剤の使用量は特に制限されるものではないが、樹脂固形分100重量部に対して20〜300重量部であることが好ましい。
【0044】
本発明のビニル変性エポキシエステル樹脂を(E)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に溶解あるいは分散させてなる樹脂組成物は、反応に用いられる 有機溶剤を最終的に(E)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に置換することにより得られる。
【0045】
前記(E)成分の置換は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を反応後あるいは、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を反応後、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(F)成分を反応後脱溶により溶媒置換することが出来る。
【0046】
本発明に用いられる(E)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素類、また、脂肪族炭化水素の混合溶媒である、ミネラルスピリット、ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン等が挙げられる。
【0047】
(E)成分の配合量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の合計100重量部に対して10〜300重量部であることが好ましく、100〜200重量部であることがより好ましい。
【0048】
以上の製造法により得られた本発明の樹脂組成物は、塗料に好適に利用できる。塗料として例えば酸化架橋による常温乾燥型塗料や、ラッカー塗料等が上げられる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
実施例1
不活性ガス導入管を付けた2リットルのガラス製フラスコ中に、エポミックR140(ビスフェノール型エポキシ樹脂、三井化学社製)358g、モノエタノールアミン(アルカノールアミン、三井化学社製)43.6g、ジエタノールアミン(アルカノールアミン、三井東圧社製)50g、トルエン113g、n−ブタノール58.2gに混合し110℃で粘度が飽和するまで付加反応を進め、次に亜麻仁油脂肪酸149.5g、大豆油脂肪酸298.9gを配合した後フラスコ中のトルエン・n−ブタノールを回収しながら200℃に昇温し、樹脂酸価4を終点として冷却、ミネラルターペン1051gで希釈し、加熱残分46%の樹脂を得た。さらに115℃まで昇温し、これに、スチレン18g、メチルメタクリレート24.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.1g、イソブチルアクリレート32.4g、エチルアクリレート24g、ブチルパーオキシベンゾエート10g、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5gの混合液を2時間かけて滴下し、更に2時間保温した。冷却後、アクリル変性エポキシエステル樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液の加熱残分は46.1%、粘度Z5、酸価2.0であり、樹脂の重量平均分子量は15,000であった。
【0051】
次に、100℃に昇温し、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート、日本ポリウレタン社製)1gを添加し樹脂粘度が飽和したのを確認し冷却し、加熱残分49%の樹脂を得た。
【0052】
実施例2〜5
表1に示す配合量で、実施例1と同様に操作を行い、ビニル変性エポキシエステル樹脂を得た。
【0053】
実施例6
イソシアネートを添加していない以外は、実施例1と同様に操作を行い、ビニル変性エポキシエステル樹脂を得た。
【0054】
比較例1
表2に示す配合量で不飽和共重合単量体のない系で、実施例1と同様の操作を行い、脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得た。
【0055】
比較例2
表2に示す配合量で実施例1と同様の操作を行い、不飽和共重合単量体のみ共重合した樹脂を得た。
【0056】
【表1】
Figure 0004736148
【0057】
【表2】
Figure 0004736148
評価方法(結果を表4に示す)
塗膜特性試験;各実施例、比較例によって得られた樹脂を、表3に示す配合(重量比)で塗料化し各種試験を行なった。
【0058】
【表3】
Figure 0004736148
ペイントシェーカーにより分散した塗料をシンナーでイワタカップ16秒に粘度調整し未処理鋼板にエアスプレーにより乾燥膜厚30μmになるように塗装し、20℃で5日乾燥後に塗膜の評価試験(JIS K 5400に準拠)を行なった。
【0059】
【表4】
Figure 0004736148
【0060】
【発明の効果】
本発明の製造法により得られた、ビニル変性エポキシエステル樹脂は乾燥性、耐食性・耐水性、溶剤に対する溶解性に優れ、樹脂安定性にも優れる。
【0061】
また、本発明の樹脂組成物を用いた塗料は、溶剤溶解性、乾燥性に優れ、かつ塗膜特性が良好である。

Claims (3)

  1. (A)ビスフェノール型エポキシ樹脂、(B)アルカノールアミン類及び(C)脂肪酸を反応させて得られる脂肪酸変性エポキシエステル樹脂に(D)ビニル系単量体を重合させビニル変性エポキシエステル樹脂を、(E)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に溶解あるいは分散させてなる樹脂組成物であって、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の配合割合が、前記(D)ビニル系単量体の総量に対して70〜90重量%である樹脂組成物
  2. (A)ビスフェノール型エポキシ樹脂、(B)アルカノールアミン類及び(C)脂肪酸を反応させて得られる脂肪酸変性エポキシエステル樹脂に(D)ビニル系単量体及び(F)イソシアネート類を反応させビニル変性エポキシエステル樹脂を、(E)脂肪族炭化水素を主成分とする有機溶媒に溶解あるいは分散させてなる樹脂組成物
  3. 請求項1又は2記載の樹脂組成物を含有してなる塗料。
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