JP4732648B2 - 磁気共鳴映像法において位相ラベル付けにより目標の内部の運動および全体的な運動の写像を得る方法および装置 - Google Patents

磁気共鳴映像法において位相ラベル付けにより目標の内部の運動および全体的な運動の写像を得る方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、磁気共鳴映像法用の方法および装置に関する。
【0002】
背景
磁気共鳴映像法(「MRI」)は、医療診断に広く使用されている非侵食性映像法である。現在までのところ、比較的長い期間にわたって目標の運動を追跡するMRI方法は、特定の格子パターンに従って標本磁化の大きさを空間的に変調し、運動が生じたときにこの格子パターンの変形を観測することに基づいて行われている。任意の小さな体積要素(ボクセル)の変位ベクトルを定量化するために、格子線およびその交差点の位置が厳密に定義される。このため、通常、人間の支援が必要であり、精度は画像解像度またはボクセルのサイズによって制限される。格子線間のボクセルの運動を直接測定することはできず、運動を推定するために補間法が使用されている。
【0003】
他のMRI法では、静止スピンでは正味位相変化が蓄積せず、それに対して、勾配方向に沿った非ゼロ速度成分を有するスピンによって位相変化が蓄積するように、読出しの前に横磁化に二相勾配パルスを加えることによって、ボクセルの速度が測定される。このような位相変化を測定することによって、1つまたは複数の速度成分を導くことができる。位相−コントラスト速度写像は一般に、空間解像度が高く、データ処理が簡単であるが、複数回の測定によって得られた速度ベクトルを積分し、ボクセルの位置を数学的に追跡する必要があるので、一般に運動の追跡には適していない。このような積分およびボクセル位置追跡は困難であり、誤差が生じやすい。
【0004】
概要
初期時間における位置の選択された関数によって標本磁化の位相に位相ラベルづけし、磁化の位相の変化を測定することによって、標本の内部の運動および全体的な運動がマップされる。この選択された関数に基づいて、標本磁化の縦成分および横成分のいずれかまたは両方に位相ラベルづけすることができる。印加された磁界によって形成された縦軸に整列するように回転させることにより、磁化の位相ラベルづけされた成分が記憶される。位相ラベルづけされた磁化から、誘導エコーまたは誘導アンチエコー、またはその両方を生成することにより、標本磁化の経時的に変動する位相が測定される。誘導エコーおよび誘導アンチエコーの測定値が処理され、それぞれの画像が生成される。位相ラベルづけ関数によって、任意の方向に沿った変位に基づく位相変調を行うことができる。たとえば、選択される関数は、回転変位によって標本磁化に移相が起こるように、方位角またはその他の角度の関数でよい。
【0005】
これらおよびその他の特徴および利点について、添付の図面を参照して説明する。
【0006】
詳細な説明
図1は、標本の画像を形成する磁気共鳴映像(MRI)システム100の概略ブロック図である。MRIシステム100は、特定の撮像シーケンスに対応する一連のコマンドを用いて臨床医によって通常はプログラムされるコントローラ102を含む。コマンド・シーケンスは、キーボード、マウスなどのポインティング・デバイス、またはその他の入力装置を用いて入力することができる。コマンド・シーケンスは、ハード・ディスク、フロッピィ・ディスク、またはその他のコンピュータ可読媒体から検索できるようにコントローラ102によって記憶することができ、かつメニューから選択することができ、したがって、臨床医は様々なコマンド・シーケンスから撮像プロトコルを容易に選択することができる。
【0007】
MRIシステム100は、軸方向磁界コイル105を用いて軸方向磁界Bの空間均一性を制御する軸方向磁石コントローラ104を含む。本明細書では、軸方向磁界Bは、xyz座標系内の+z軸に沿った方向に向けられる。xy平面(z軸に垂直)に平行な平面を横平面と呼ぶ。勾配コントローラ106は、磁界勾配G、G、Gを生成する勾配コイル107〜109を作動させる。説明の都合上、磁界勾配G、G、Gを総称的にGとして表す。磁界勾配は通常、パルスとして印加される。
【0008】
無線周波数(RF)送信機110は、パルス磁界を生成するために送信機コイル112に印加されるRFパルスを生成するように構成されている。受信機コイル114は、標本中の磁化の変化を検出し、検出された磁化変化をRF受信機116に伝達する。RF受信機116は、検出された磁化変化を処理し、このような変化に基づいてコントローラ102に画像データを供給する。
【0009】
撮像すべき標本は、軸方向磁界B、およびコントローラ102によって選択された磁界勾配Gにさらされる。RFパルスが印加され、磁化が変化し、この変化が受信機コイル114によって検出され、RF受信機116によって処理される。RFパルスは通常、パルス・エンベロープB1と複素指数exp(iωRFt)の積として表される。この場合、tは時間であり、iは−1の平方根であり、ωRFは励起搬送波周波数である。励起周波数ωRFとしては、標本の1つまたは複数の構成要素の共鳴周波数にほぼ等しい周波数が一般に選択される。共鳴周波数ωは、磁気回転比γ(材料比)と磁界Bの大きさとの積に比例する。標本が一様でない磁界にさらされるように勾配コイル107〜109によって磁界勾配Gを印加することにより、撮像すべき標本のスライスを選択することができる。選択されたスライス内で、共鳴周波数ωRFは十分に一定であり、したがって、RF受信機116は、選択されないスライスに対応する周波数成分を拒絶することにより、選択されないスライスの磁化変化を拒絶することができる。スライスごとに磁化の変化を検出することによって画像を形成することができる。
【0010】
軸方向磁界Bのみを印加した場合、標本の構成要素のいくつかの磁気双極子が軸方向磁界Bと整列し、一般に+z方向の成分のみを有する平衡磁化Mが生成される。標本は、ラーマー周波数とも呼ばれる周波数ω=γβでB(z軸)の方向の周りで前進する双極子モーメントμの個々の磁気双極子を含む。磁化の変化は、ラーマー周波数で軸方向の周りで回転するxyz座標系を基準として一般に表される。このような回転座標系のz軸は、固定座標系のz軸と同じであるが、回転座標系のx軸およびy軸は横平面内で回転する。
【0011】
選択されたRFパルスを印加すると、磁化またはその1つまたは複数の成分を回転させることができる。180°の回転を生じさせるのに十分な持続時間および大きさのRFパルスを180°パルスと呼び、90°の回転を生じさせるのに十分なRFパルスを90°パルスと呼ぶ。一般に、回転αを生じさせるのに十分なRFパルスをαパルスを呼ぶ。このようなパルスの回転軸は、対応するパルス磁界が印加される方向に基づいて選択することができる。
【0012】
本明細書では、ベクトル量を太字で表す。(ベクトル)磁化M
の横成分Mxy(すなわち、xy平面内の磁化Mの成分)をMeiθと表し、この場合、x成分はMeiθの実部であり、y成分はMeiθの虚部であり、Mは磁化Mの大きさである。
【0013】
位相ラベルづけ
いくつかの標本では、いくつかの体積要素(「ボクセル」)が移動し、初期時間tとその後の時間tとの間に変位が起こる。たとえば、標本の、x軸に平行に移動する部分ではx方向変位が起こる。このような変位に基づいて磁化Mを符号化(すなわち、変調)することができる。このような変調は、位置の関数でよく、一般にf(r(t))−f(r(t))と表すことができる。この場合、r(t)およびr(t)はそれぞれ、時間tおよび時間tにおけるボクセルの位置であり、f(r)は位置rの任意の関数である。変位に基づいて磁化を変調することによって、変位に基づいて撮像を行うことができる。
【0014】
磁化は、振幅変調、周波数変調、または位相変調することができる。位相変調は、時間tに位相関数eif(r)を用いて磁化Mまたは磁化Mの成分を変調し、位相変調された磁化を生成することによって行うことができる。eif(r)などの位相係数を本明細書では「位相ラベル」と呼ぶ。位相変調された磁化は時間tまで保存することができ、時間tに、この位相変調に基づいてMR画像が得られる。位置r(t)に変位されたボクセルは、f(r(t))に基づく位相係数を保持し、f(r(t))に基づく位相係数を用いてこのボクセルをさらに変調または復調し、f(r(t))−f(r(t))に基づく画像を生成することができる。選択された変調または位相ラベルづけを行うRFパルスおよび勾配パルスとしては、関数f(r)に従って位相変調を行うパルスを選択することができる。
【0015】
図2A〜図2Bは、関数f(r)=krに基づく位相ラベルづけを示している、この場合、rは円柱(r,θ,z)座標系内の半径方向座標であり、kは定数である。対応する位相ラベルはeikrである。このような位相ラベルを用いた場合、ボクセルは、時間tと時間tの間の半径方向座標の変化、すなわち、ボクセルと円柱座標系の原点との間の距離の変化に比例する位相を得る。時間tに、krに比例する位相が印加され、したがって、半径方向座標の関数としてのボクセル位相は、対応する位相ラベルeikrを有するf(r)=krである。時間tに、ボクセルは時間tにおけるボクセル位置から変位し、ボクセル位相ラベルはeiφ(r)になる。位相ψ(r)は、eikrを有する初期位相ラベルづけと、変位によって生成された位置の関数としての位相の変化とを組み合わせることによって生成される。ボクセルの半径方向変位Δrは、Δr=r−φ(r)/kとしての位相ψ(r)の測定値から得ることができ、時間tにおけるボクセルの半径方向座標はψ(r)/kである。
【0016】
デカルト(x,y,z)座標系において、磁化Mは、縦成分M成分および横成分Mxyを含み、いくつかの方法で位相ラベルづけすることができる。縦成分Mは、RFパルスおよび勾配パルスを使用して変調m(r)eif(r)を印加することによって位相ラベルづけすることができる。この場合、m(r)は位置rの実関数であり、f(r)は位相ラベルづけ関数である。縦磁化Mがスカラであり、したがって、実数であるので、縦磁化Mは複素共役項m(r)e−if(r)も含む。または、m(r)eif(r)、m(r)e−if(r)、またはその組合せに対応する変調を含むように横成分MxyをRFパルスと勾配パルスの組合せでラベルづけすることができる。さらに、eif(r)、e−if(r)、その両方などの位相ラベルつき項を含むように縦成分と横成分の両方にラベルづけすることができる。
【0017】
関数f(r)に従って、選択された位相変調を有する横磁化を生成するには通常、RFパルスと勾配パルスの組合せを用いて、平衡磁化Mを横平面内に回転させる。たとえば、ポーリー(Pauly)ら著、J.Magn.Reasonan.(81:43〜56ページ(1989年))に記載されたMxyおよびMの変化率に関する以下の数式に基づいてこのようなパルスの組合せを決定することができる。
【数1】
Figure 0004732648
【数2】
Figure 0004732648
上式で、Gは印加された磁界の勾配を表し、BはRFパルスの振幅を表す。これらの数式を積分することによって、Mxyを位置rと時間tの関数として求めることができる。
【数3】
Figure 0004732648
上式で、k(t)は、ポーリー(Pauly)らで定義された勾配Gによって駆動されるk空間の軌跡である。RFパルスと勾配パルスの組合せが、RFパルスと勾配パルスの組合せの結果に対応する時間TにおいてMxy(r,T)=m(r)eif(r)を生成する場合、RFパルスは以下のように選択することができる。
【数4】
Figure 0004732648
【0018】
m(r)が磁化Mと比べて小さい場合、ポーリー(Pauly)らの小傾斜角近似を使用することができ、上記の数式の第2の項を無視することによってB(t)を求めることができる。運動/変位撮像における位相ラベルづけの場合、位相ラベル測定の信号対雑音比(「SNR」)を改善する(かつラベルづけされない磁化成分からの信号の寄与をなくす)には、m(r)が磁化Mに実質的に等しいことが好ましく、小傾斜角近似は一般的に十分ではない。MxyおよびBは系列展開から得ることができ、その場合、次式のように、小傾斜角近似からBのゼロ次項が得られ、より低次の項からより高次の項が得られる。
【数5】
Figure 0004732648
【数6】
Figure 0004732648
上式で、j、l、m、およびnは非負整数であり、nは得られる項の次数であり、すなわち、Bl,nおよびMxy,nはそれぞれ、BおよびMxyのn次の寄与である。指定された関数m(r)eif(r)の場合、系列展開をMxy,n(r,t)/M<<1まで算出することができ、RFパルスと勾配パルスの組合せは、選択された横磁化Mxy(r,T)=m(r)eif(r)を生成するように十分に近似される。
【0019】
本明細書では、位相ラベルづけについて、単一の関数f(r)を有する位相ラベルづけに関して全般的に説明するが、それぞれの関数f(r)、f(r)、f(r)、...、f(r)で位相ラベルづけされた横磁化Mxy(r,T)=m(r)eif1(r)+m(r)eif2(r)+m(r)eif3(r)+...+m(r)eifN(r)を、複数の位相ラベルを使用して、得ることができる。
【0020】
縦磁化Mはいくつかの方法で位相ラベルづけすることができる。たとえば、上述のようにRFパルスと勾配パルスの組合せを用いて横磁化Mxy(r)=m(r)eif(r)を生成し、90°パルスや他のRFパルスなど第2のRFパルスをy軸に沿って印加することができる。この例では、90°パルスが使用され、SNRを改善するために、m(r)は、磁化Mに実質的に等しくなるように構成されており、結果として得られる縦磁化は、Mz=[m(r)eif(r +m(r)e−if(r)]/2になる。
【0021】
図3A〜図3Cは、指定された関数f(r)による縦磁化および横磁化の位相ラベルづけを示している。図3Aに示すように、初期磁化は軸方向磁化Mである。RFパルスと勾配パルスの組合せが印加され、磁化Mが横平面内に回転し、図3Bに示すように、横磁化Mxy=Mif(r)が生成され、小さなz成分のみが残る(またはまったく残らない)。y軸に沿って90°RFパルスが印加され、磁化のx成分がyz平面内に回転する。結果として得られる縦磁化および横磁化は、図3Cに示されており、それぞれ、
【数7】
Figure 0004732648
および
【数8】
Figure 0004732648
であり、共に関数f(r)に基づいて位相ラベルづけされる。
【0022】
縦磁化Mにおける位相ラベルつき項m(r)eif(r)またはm(r)e−if(r)を生成する他の方法は、ポーリー(Pauly)らの小傾斜角近似に基づいてRFパルスと勾配パルスの組合せを印加することである。
【0023】
一般に、RFパルスと勾配パルスの組合せは、横磁化と縦磁化の両方に対してm(r)eif(r)およびm(r)e−if(r)の形の位相変調を行う。図4Aに示すように、RFパルスと勾配パルスの組合せが印加され、磁化Mがxy平面内に回転し、横磁化Mxy=Mif(r)が生成され、軸方向磁化は生成されない。図4Bに示すように、軸AXの周りにx軸からφの角度に90°RFパルスが印加される。軸AXに垂直なMxyの成分がx軸に対して角度φの垂直平面内に回転し、軸AXに平行なMxy成分は軸AXに沿ってxy平面内に残る。図4Cに示す縦磁化および横磁化は、M=M{ei[f(r)−φ]−e−[if(r)−φ]}/(2i)およびMxy=M{ei[f(r)− φ]−e−[if(r)−φ]}eiφ/2である。項ei[f(r)−φ]およびe−i[f(r)−φ]に位相角φが存在するため、ψ=ψおよびψ=ψを用いて得られるMRI信号を減算することによってこれらの項を分離する方法が得られる。
【0024】
位相ラベルづけの例
第1の例では、変位の選択される関数はボクセル変位のデカルト成分に等しい。たとえば、x成分が選択された場合、位相差はf(r(t))−f(r(t))=k(x(t)−x(t))に比例する。この場合、kは非ゼロ定数である。対応する位相ラベルは関数eikxであり、この位相ラベルで変調された横磁化は、x軸に沿って90°RFパルス(スライス選択パルスまたは体積パルス)を印加し、その後kに対応する面積を有する勾配パルスをx軸に沿って印加することによって生成される。結果として得られる横磁化はMxy=Mikxである。軸AXに沿ってx軸からφの角度に別の90°RFパルスが印加され、それによって、MとMxyは、次式のように、共に位相ラベルつき項を含む。
【数9】
Figure 0004732648
および
【数10】
Figure 0004732648
このような位相ラベルづけは、任意の方向に沿った変位ベクトルの投影に対応する位相変調を行うように容易に構成することができる。
【0025】
関数f(r)は、円柱座標、球座標、またはその他の座標で指定することができる。第2の例として、関数f(r)=krによる円柱座標における半径方向変位rに基づいてボクセルに位相ラベルづけすることができる。この場合、kは定数である。上述の系列展開を使用して適切なRFパルスと勾配パルスの組合せを求め、Mxy=m(r)eikrを生成することができる。r=0の場合にm(r)=0になり、したがって、Mxyのフーリエ変換が明確に定義され、RFパルスと勾配パルスの組合せが収束するように、結果として得られる横磁化Mxyを構成することができる。デカルト座標における関数kxと同様に、横磁化Mxy=m(r)eikrが生成された後で軸AXの周りにx軸からφの角度に90°RFパルスが印加され、したがって、MおよびMxyは次式のように位相ラベルづけされる。
【数11】
Figure 0004732648
および
【数12】
Figure 0004732648
このような位相ラベルづけは、心臓の左心室の半径方向の収縮または拡張を測定することなど、中心軸に対する目標の直径またはサイズの変化の写像を得る場合に特に有用である。
【0026】
関数f(r)としては、角変位にラベルづけするように円柱座標系におけるθ座標(方位角)の関数、すなわちθ(t)−θ(t)を選択することもできる。第3の例では、代表的な位相ラベルづけ関数はf(r)=nθである。この場合、nはゼロでない整数である。位相ラベルづけは、関数m(r)einθを使用してRFパルスと勾配パルスの組合せが決定されることを除いて上記と同様に行われる。この関数は、中心軸の周りの回転の写像を得る場合に有用である。たとえば、このような関数は、心臓の左心室の回転および左心室の各区分の角変化に基づいて画像を生成する場合に左心室の断面図のMRIで使用することができる。
【0027】
位相ラベルの経時変化の写像
時間tにおける初期位相ラベルづけ後のボクセル位相の変化を、その後の時間tにおけるボクセル位相を検出することによって判定することができる。位相ラベルが横磁化にMxy=m(r)eif(r)として印加され、tとtの間の時間が、T 緩和などのスピン緩和プロセスのために横磁化Mxyが全体的に減衰することがないほど短い場合、時間tに、標準勾配再現エコー(GRE)またはスピン・エコー読出し(SPE)法、またはスポイルド勾配再現エコー、高速スピン・エコー、エコー・プラナ、エコー・トレーン、k空間渦巻き走査、定常処理における直接自由撮像(FISP)などによって横磁化Mxyに基づく画像を直接得ることができる。横磁化Mxyの位相の空間分布は位相ラベルに対応する。
【0028】
図5は、横磁化Mxyが一連の時間tに得られる、高速スピン・エコー読出しを使用し、位相ラベルづけされた横磁化Mxyに基づいて画像データを得る方法を示している。時間tに、RFパルスと勾配パルスの組合せ502が横磁化Mxy=Mif(r)を生成し、時間tに、完全に釣り合いのとれた読出し勾配パルス504を印加して第1のエコー506を生成することによって該横磁化がサンプリングされる。釣り合いのとれた読出し勾配パルス504は、正味移相を起こさないように補償される。次いで、180°RFパルス507が印加され、その後、釣り合いのとれた読出し勾配パルス509が印加され、第2のエコー511が生成される。180°RFパルスおよび釣り合いのとれた読出し勾配パルスが繰り返され、追加のエコーが生成される。
【0029】
本明細書では、e−if(r)やeif(r)などの移相ラベルを含む移相ラベルづけされた横磁化または縦磁化(またはその両方)を測定するのに適した様々な例示的な獲得法について説明する。時間tにおける位相ラベルづけされた縦磁化M=[m(r)ei[f(r)−φm(r)e−i[f(r)−φ]}/(2i)は、時間tにRFパルスと勾配パルスの組合せを印加して空間位相分布A(r)=a(r)e−if(r)を生成することによって検出することができる。この場合、a(r)は位置rの実関数である。RFパルスと勾配パルスの組合せによって与えられる空間位相分布A(r)としては、時間tで施される位相ラベルに対応する分布が選択される。このようなRFパルスと勾配パルスの組合せは、上述の系列展開を使用して選択することができる。結果として得られる横磁化は次式のようになる。
【数13】
Figure 0004732648
いくつかの位相ラベルづけ関数f(r)の場合、上式の2つの項はフーリエ変換空間(「k空間」)内でほとんど重ならず、主として第1の項を包含するk空間領域にわたるMxy(r)を得ることによって、第1の項に対応するデータを分離することができる。Mxy(r)の獲得は、標準勾配再現エコー方式またはスピン・エコー方式、またはそれらの変形例のうちのどれでも行うことができる。Mxyにおける第1の項の位相はf(r’)−f(r)を含む。A(r)を生成するRFパルスと勾配パルスの組合せを「復号パルス」と呼ぶ。
【0030】
図6は、復号パルスおよび高速スピン・エコー読出しを使用したデータ獲得を示している。時間tに、RFパルスと勾配パルスの組合せ602が、位相ラベルづけされた磁化M=[eif(r)−e−if(r)]M/(2i)を生成する。スポイラ勾配パルス604が印加され、コヒーレントな横磁化の位相がずらされる(dephase)。時間tに、RF勾配復号パルス606が空間分布a−if(r)の傾斜角を生成する。結果として得られる横磁化は次式で表される。
【数14】
Figure 0004732648
次いで、完全に釣り合いのとれた読出し勾配パルス608によってこの磁化がサンプリングされ、エコー610が生成される。180°RFパルス612が印加され、横磁化の位相係数の符号が変化し、したがって、Mxy(r)は次式のようになり、
【数15】
Figure 0004732648
釣り合いのとれた読出し勾配パルス/180°RFパルス・シーケンスが繰り返される。Mxyの2つの項がk空間内でほとんど重ならない場合、第1の項を包含するk空間の面積のみがサンプリングされる。180°RFパルスによって生成された位相係数の符号の変化を補償するために、他のあらゆる読出し周期からデータの複素共役が得られ、k空間内の対向する位置に割り当てられる。
【0031】
図6に示すように、時間tと時間tの間に、スポイラ・パルス604が印加され、時間tでRFパルスと勾配パルスの組合せによって残されたMxyのコヒーレンスが破壊される。または、Mxyのコヒーレンスが無視できるレベルまで減衰するほどtとtの間の時間が長い場合、そのようなスポイラ勾配パルスは不要である。
【0032】
この獲得法を、円柱座標における位相ラベルづけ関数f(r)=krの例を用いてさらに示すことができる。A(r)を生成する復号REパルスと復号勾配パルスの組合せが印加された後、Mxyの項は位相係数ei[k(r(t1)−r(t2))−φおよびei[k(r(t1))+r(t2))−φになる。標本が顕著なまたは急激な変形、変位、または変化を示さず、連続的または徐々に変形する場合、第2の項は約2Kの高い空間周波数で半径方向に揺動し、それに対して、第1の項の周波数揺動はほぼゼロである。図7を参照するとわかるように、第1の項のフーリエ変換は領域702でk=0に集中しており、それに対して、第2の項のフーリエ変換は領域704で原点から2k以上離れている。kが十分に大きい場合、この2つの領域はk空間内でほとんどまたはまったく重ならない。MRIでは、一連の読出し勾配によってMxy(r)をサンプリングすることは、k空間内でMxy(r)のフーリエ変換をサンプリングすることと等価である。したがって、位相係数ei[k(r(t1)−r(t2))−φを有する項からの寄与を含むようにk空間内の原点(k=0)の近傍でMxy(r)をサンプリングすることができる。逆フーリエ変換後、対応する画像はk(r(t)−r(t))に基づく寄与を含む。
【0033】
一般に、RFパルスと勾配パルスの組合せA(r)を使用して磁化Mをxy平面上に傾け、Mにおける位相ラベルつき項のうちの一方の符号と逆の符号を有するA(r)の位相を選択することによって、横平面上に傾けられた磁化の位相はf(r(t))−f(r(t))を含む。この項に対応するデータを得ることによって、f(r(t))−f(r(t))に基づく画像を生成することができる。
【0034】
上記の例では、k(r(t))−r(t))はボクセルと中心軸との間の半径方向の距離の変化に比例する。左心室の長軸に対して左心室の半径方向の収縮および拡張の写像を得ることなど、ある用途では、図8に示すように、長軸の位置が一般に時間と共に変化する。この場合、従来のMRI走査を使用して、それぞれtおよびtにおける心室位置801、803を特定することができる。次いで、選択された位相ラベルを施すRFパルスと勾配パルスの組合せを初期時間tにおける軸方向位置に対して算出することができ、それに対して、復号RFパルスと復号勾配パルスの組合せを復号の時間における軸方向位置に対して算出することができる。この場合、r(t)およびr(t)は、心筋の同じボクセルから、時間tおよび時間tにおける左心室の長軸までの半径方向距離であり、k(r(t)−r(t))は、心臓の並進移動とは無関係の半径方向拡張/収縮を表す。
【0035】
={m(r)ei[f(r)−φ]−m(r)e−i[f(r)−φ]}/(2i)など位相ラベルづけされた縦磁化に基づいてデータを得ることもできる。時間tと時間tの間に、一連のスポイラ勾配パルス(または単一のスポイラ・パルス)が印加され、tに符号化RFパルスと符号化勾配パルスの組合せによって残された横磁化のコヒーレンスが低減するかまたはなくなる。または、Mxyのコヒーレンスが無視できるレベルまで減衰するほどtとtの間の時間が長い場合、そのようなスポイラ勾配パルスは不要である。時間tに、標準MRIシーケンス(たとえば、GREやSPE)を使用し、Mxyの横磁化に基づいて画像が得られる。次いで、RFパルスの方向を変更することによって異なる位相定数φ’を用いて別の位相ラベルづけが行われ、横磁化Mxyに基づく別の画像が同じ方法で得られる。最初のボクセル位置をr(t)=r’と示すと、次式が成り立つ。
【数16】
Figure 0004732648
および
【数17】
Figure 0004732648
これらの数式に基づいて、m(r’)eif(r’)を次式のように求めることができ、
【数18】
Figure 0004732648
したがって、位相ラベル関数f(r’)をm(r’)eif(r’)として得ることができ、変位の関数f(r’)−f(r)を得ることもできる。この方法は、位相ラベルe−if(r)およびeif(r)に対応する変調がk空間内で十分に分離されないeinθなどの位相ラベルに特に適している。
【0036】
位相ラベルづけ式縦磁化獲得法
時間tに、縦時間に対してM={m(r)ei[f(r)−φ]−m(r)e−i[f(r)−φ]}/(2i)と位相ラベルづけすることができる。時間tと時間tの間に、一連のスポイラ勾配パルスを印加し、tに符号化パルスによって残されたMxyのコヒーレンスを破壊することができる。または、Mxyのコヒーレンスが無視できるレベルまで減衰するほどtとtの間の時間が長い場合、そのようなスポイラ勾配パルスは不要である。たとえばkおよびkが大きいf(r)=kx+kyの場合と同様に、Mの2つの項がk空間内でほとんど重ならない場合、時間tに、標準的なGREまたはSPE法またはその変形例を使用して、k空間内の、両方の項を包含する領域を得ることができる。次いで、この2つの項をk空間内のそれぞれの領域から再構成する。次いで、2つの項のいずれか、または2つの項の間の位相差から位相係数eif(r’)を得ることができる。f(r’)が判明すると、変位の所望の関数f(r’)−f(r)が得られる。2つの位相ラベルつき項m(r)eif(r)およびm(r)e−if(r)を従来、誘導エコー(STE)および誘導アンチエコー(STAE)と呼ぶ。
【0037】
の2つの項がk空間内で十分に分離される場合、勾配再現エコー法または修正スピン・エコー読出し法、またはそれらの変形例を使用して、k空間内の、2つの項の一方に対応する領域のみを収集することもできる。この場合、この単一の項の位相はf(r’)を含み、所望の関数f(r’)−f(r)を得ることができる。
【0038】
位相ラベルの経時変化の写像の例
位相ラベルは、運動を経時的に追跡するための時間の関数としてマップすることができる。初期位相ラベルづけ後の各時点で、縦磁化の一部が横平面内に傾けられ、結果として得られる横磁化が、本明細書で説明する方法のいずれかで検出される。データが得られた後、勾配スポイラ・パルスを用いて残りの横磁化を破壊し、この手順を再び繰り返すことができる。位相ラベルづけ式縦磁化が展開されるまでこのプロセスを繰り返すことができる。毎回、位相ラベルづけされたMの一部のみが使用されるように、復号RFパルスおよび復号勾配パルスの傾斜角は90°よりも小さく、たとえば30°であることが好ましい。
【0039】
このような運動追跡の場合、位相ラベルづけは、90°RFパルス、x方向に沿った勾配パルス、および第2の90°パルスを用いて行われる。これによって縦磁化M=(eikx−e−ikx)M/(2i)が作成される。次いで、スポイラ勾配パルスを印加し、コヒーレントな横磁化を破壊する。時間tに、小傾斜角αパルスが縦磁化の一部を横平面内に傾斜させ、そこで高速スピン・エコー読出し方式を用いてこの部分を繰り返しサンプリングする。高速スピン・エコー方式の読出し勾配波形は、位相ラベル関数に位相が追加されないように完全に釣り合いがとられる。次いで、スポイラ勾配を印加して残りの横磁化を破壊することができ、その後、次の時点でこのプロセスを繰り返す。このプロセスは、縦磁化中の位相ラベルつき項がなくなるまで一連の時点で繰り返される。
【0040】
位相ラベルづけによる変位の写像の例
誘導エコーによる変位符号化(「DENSE」)に基づく心機能撮像を参照して位相ラベルづけの具体的な例について説明する。f(r)=kx+ky+kz(k、k、およびkは定数)になるようなrとベクトルkのドット積である位相ラベルづけ関数f(r)が選択される。m(r)eif(r)およびm(r)e−if(r)に対応する位相ラベルつき項を誘導エコー(「STE」)および誘導アンチエコー(「STAE」)と呼ぶ。誘導エコーは、一般に、磁界の不均一性、化学シフト、およびオフ・レゾナンス効果によって起こる移相が補償されており、混合時間(「TM」)中のTによる信号損失を除くスピン・エコーとほぼ等価である。STEを得るには、勾配モーメントが等しく極性が同じである2つの勾配磁界パルスをエコー時(「TE」)に使用する。これに対して、誘導アンチエコー(STAE)は、互いに逆の極性を有する勾配パルスを用いて生成することができる。STAEは、スピン・エコーではなく勾配再現エコーに類似しており、磁界の不均一性、化学シフト、およびオフ・レゾナンス効果によって蓄積された移相を搬送する。
【0041】
図9を参照するとわかるように、まず、第1の90°パルス901を用いて、磁化ベクトルMが横平面上に傾けられる。磁化Mは複素表現では次式のように表される。
【数19】
Figure 0004732648
上式で、Mは振幅であり、φは、磁化Mがxy平面上で前進する際の磁化Mの位相である。実験基準系では、位相φは次式によって与えられる。
【数20】
Figure 0004732648
上式で、ωOFFはオフ・レゾナンス効果であり、ΔBはBの不均一性であり、mは勾配磁界モーメントまたは面積である。この例では、勾配磁界モーメントはm=Gtと定義される。この場合、Gは等価矩形勾配パルスの振幅であり、tは等価パルスのパルス持続時間である。回転基準系では、γBtはゼロである。オフ・レゾナンス、主磁界不均一性、および化学シフトによる位相蓄積は同様な時間依存性を有し、これらの移相合計Sは次式によって表される。
【数21】
Figure 0004732648
したがって、回転基準系では、総位相は次式のように表される。
【数22】
Figure 0004732648
【0042】
STEAM撮像時には、エコー時間の第1の半分902の間(TE/2)、同じ軸に沿って(たとえば、+yに沿って)すべての90°パルスが印加され、位相が蓄積される。
【数23】
Figure 0004732648
第2の90°パルス903は、Bに垂直な磁化成分(x成分)を再びz軸に回転させる。混合時間TM中に印加された勾配スポイラ・パルス(図9には示さず)は、横平面に残っている磁化成分を収集する。エコー時間TEの第1の半分中の勾配パルス910は磁化成分を実数軸(x)と虚数(y)軸とに均等に分配するので、磁化の2分の1が失われる。磁化は時定数Tに従って緩和する。さらに、収集された部分の位相が失われ、もはや磁化の前進方向を一意に判定することができなくなる。磁化の虚部が収集され失われた場合(すなわち、y成分)、第3の90°RFパルス905の後でMcos(ψ)=Mcos(S+γmr)のみが横平面上に復元される。この磁化は次式のように書くことができる。
【数24】
Figure 0004732648
x軸に沿った信号の収集されなかった実部を、同じ速度で反対方向に前進する2つのベクトルの和とみなすことができる。これらのベクトルはそれぞれ、最初の磁化ベクトルの振幅の2分の1の振幅を有する。
【0043】
数式6によって記述される磁化は、90°パルスによってスピンに加えられる損失位相である。STEAMのこの記述では、RFパルス方式(90°−90°−90°)の第2の90°パルスおよび第3の90°パルスは、それらを印加した結果として磁化が180°回転するので180°パルスとして動作する。180°パルスでは、信号にe−iが乗算されるので位相の符号が変化する。180°パルスを印加した後、結果として得られる磁化は最初の磁化の複素共役になり、すなわち、180°パルスの位相によって符号が変化する。RFパルス方式90°−90°−90°の場合、符号は変化しない。90°パルス905の後、磁化の位相は次式のようになる。
【数25】
Figure 0004732648
【0044】
エコー時間TEの第2の半分904中、追加の位相ψが蓄積する。この場合、次式が成立する。
【数26】
Figure 0004732648
獲得窓906の中央において、横磁化は次式のように表される。
【数27】
Figure 0004732648
【0045】
勾配パルス910、912はそれぞれの振幅m、mおよび持続時間tによって特徴付けられる。通常、エコー間隔TEは2つの等しい部分に分割されるので、m=mおよびS=Sである。したがって、静止スピンの場合、φ+φ=0および(−φ+φ)=2S+2γmである。検出信号は次式の磁化から得られる。
【数28】
Figure 0004732648
この信号は2つの部分から成る。第1の部分は、Sによって記述される時間依存項のために残留位相が存在しないのでSTEに対応し、スピン・エコーに類似している。第2の部分は、勾配モーメントmによって加えられる位相の2倍によって変調される。撮像実験では、mは通常、k空間の、画像を作成するためにサンプリングされる領域の外側にこの成分をシフトさせるのに十分な大きさである。そうでない場合は、バンディング・アーチファクトが現われる可能性がある。非静止スピン(r=r+δ)の場合、φ+φ=γmδおよび(−φ+φ)=2S+2γm+γmδである。したがって、検出信号は、DENSE信号と、除外されるm変調成分とから成る。DENSE信号は次式によって表される。
【数29】
Figure 0004732648
一方、逆の符号を有する2つの勾配パルス910、914を印加した場合、信号が変化する。***スピンm=−mおよびS=Sを用いた場合、φ+φ=−2γmおよび(−φ+φ)=2Sである。したがって、検出される信号はSTAEであり、次式に対応する。
【数30】
Figure 0004732648
フーリエ変換の前段のフィルタは、mによって変調された信号寄与を除去する。残りの信号部分は、磁界不均一性などの時変項(S)によって変調され、勾配エコーに類似している。スピンが静止スピンでない場合(r=r+δ)、φ+φ=−2γm−γmδおよび(−φ+φ)=2S−γmδである。したがって、フーリエ変換フィルタによって渡される信号部分はSTAEであり、次式に対応する。
【数31】
Figure 0004732648
DENSE実験におけるSTAEは、TE周期中に2つの勾配パルス間に起こる変位δを反映するが、時変項(S)によって擾乱される。このため、このような測定を行う際には、STEAM信号としてSTAEではなくSTEが選択される。STEは時変項の影響をまったく受けないわけではない。スピンが移動するので、TEの第1の半分902中のこれらの項の寄与は、TEの第2の半分904半分中の寄与に等しくない。より正確に記述すると、S≠Sである。
【0046】
位相ラベル測定を記述するには、信号磁化の2つの成分の位相を順序対として書くことができる。たとえば、数式5および6で説明した第2の90°パルスの後で縦軸に沿って記憶された信号は次式のように表すことができる。
【数32】
Figure 0004732648
図9を参照するとわかるように、勾配パルス912の後の信号磁化は、数式9によって記述され、{0,2S+2γm}と書くことができる。移動スピンの場合、S≠Sおよびr=r+δであり、STEは次式のように書くことができる。
【数33】
Figure 0004732648
前述のように、第1の項のみを検出することができ、それに対して、第2の項は、2γmによって変調され、フーリエ変換の前に除外される。検出される部分はSTEに対応する。運動および互いに逆の極性を有する勾配パルスが存在する場合のSTEAM信号をより完全に記述すると次式のようになる。
【数34】
Figure 0004732648
第1の項は、γmによって変調されるために検出できず、それに対して、第2の項はSTAEに対応する。
【0047】
図9に示す高速スピン・エコー(FSE)測定をSTEAM信号の高速サンプリングに使用すると、信号位相の符号が180°パルスごとに変化するため、深刻な画像アーチファクトが起こる可能性がある。このような画像アーチファクトは、デュアル・エコー法を用いて回避することができる。
【0048】
図10は、デュアル・エコー変位撮像法のブロック図である。ステップ1002で軸方向磁界Bが確立され、+z方向磁化Mが生成される。ステップ1004で、y軸を回転軸として90°パルスが印加され、磁化Mがx軸に回転する。ステップ1006で、磁界勾配+Gが持続時間tにわたって印加され、ラーマー周波数がγGだけシフトする。この周波数シフトによって、γGX=γm(m=G)に比例する移相が起こり、磁化Mがx軸から角度γmだけ回転する。さらに、tの間に、オフ・レゾナンス周波数オフセットωOFFおよび軸方向磁界Bの不均一性ΔBによって追加の時間依存移相Sが起こり、移相S=ωOFF/2+γΔB/2である。ステップ1006が完了すると、磁化は横平面に存在し、Mexp[i(γm+S)]と表される。ステップ1008で、y軸に沿って第2の90°パルスが印加され、磁化Mexp[i(γm+S)]のx成分(すなわち、実部)がz軸に回転し、磁化のy成分は変化しない。通常、y成分は、T と呼ばれる時定数と共に急速に減衰する。第2の90°パルスおよび磁化のy成分の減衰によって、残りの磁化はz方向を向き、Mcos(γm+S)に比例する大きさを有する。説明の都合上、cos(ψ+S)は、磁化がM[expi(φ+S)+exp−i(φ+S)]/2になるように複素指数の和として表すことができる。
【0049】
ステップ1010で、追加の磁界が印加されない混合時間Tが与えられる。混合時間Tの間、サンプルの移動ボクセルに関連する双極子モーメントが変位する。混合時間Tの後、ステップ1012で第3の90°パルスが印加され、磁化ベクトルが横平面内に回転する。ステップ1014で、持続時間t/2時間の第1の補償間隔が与えられる。第1の補償間隔の間、追加の磁界が印加されることはないが、オフ・レゾナンス周波数オフセットωOFFおよび磁界不均一性ΔBによって移相Sが起こる。移相S=ωOFF/2+γΔB/2である。
【0050】
ステップ1016で、180°パルスが印加され、磁化がxy平面内で回転し、それによってx成分が180°の移相を受ける。次いで、ステップ1018で持続時間tにわたって大きさ−Gの磁界勾配が印加され、−GtX=−γmに比例する移相が起こる。ステップ1020で第2の補償間隔t/2が与えられる。ステップ1022でエコーが検出され、ステップ1024でデータが処理される。
【0051】
ステップ1026で、補償間隔t/2が与えられ、ステップ1028で、持続時間tにわたって勾配+Gが印加される。ステップ1026、1028、1018、1020が繰り返され、追加のエコーが得られ、画像が形成される。エコーの数はT緩和によって制限される。
【0052】
表1は、図10の方法によって起こる移相を示している。この場合、cosψはexp(−iψ)およびexp(iψ)の和として表される。
【表1】
Figure 0004732648
【0053】
エコーはSによって擾乱され、それに対してSの寄与は打ち消される。表1および図10の手順は、横緩和時間Tまたは他の緩和時間によって制限されるまで継続する。ステップ1022で、エコーが+iφ位相項または−iψ位相項に関連付けされ、対応する画像に付加される。
【0054】
STEAMのための同時デュアル・エコー読出し
上述の読出し方式は、任意の所与の獲得窓でSTEまたはSTAEをサンプリングすることにより、利用可能な磁化の全範囲を使用してデータが収集されるという利点を有する。さらに、既存のより低速のDENSEバージョンとは異なり特殊な後処理ツールは必要とされない。しかし、この方式では、信号の両方の成分(STEおよびSTAE)を同時にサンプリングすることはできない。第2の勾配符号化パルスをなくすことによって(図11B参照)、同じ獲得窓内で両方の成分をサンプリングすることができる。この2つの成分は、k空間内で距離2γmだけ分離される。したがって、獲得窓は両方の成分を収容するように拡張される。獲得窓の実際の持続時間は、所望の撮像パラメータ(視野(「FOV」)、サンプリング速度、画像解像度など)および使用される符号化強度に依存する。獲得窓内では2つの成分の位相の中心がずれるので、いずれかの成分から再構成された画像のFOVの横方向に線形位相勾配が存在する。この位相勾配を推定し、画像再構成アルゴリズムを介して位相勾配の影響を補償するには、2つの連続するサンプリング・ポイント間に含まれる読出し勾配パルスの面積と勾配モーメントmを比較することが好ましい。G/BWのこの面積は最大の2π位相変化に対応するので、FOVを横切る全体的な位相勾配を推定し補正することができる。しかし、実際には、ハードウェア面の制限によって、FOVの横方向に追加の位相勾配が生じる可能性があり、したがって、肝縁の表示など、画像内の不動構造からの位相勾配を測定し、それに応じて補正係数を調整することが好ましい。2つの信号成分(STEおよびSTAE)から得られた両方の画像において位相勾配が補正された後、変位情報を組み合わせ、より高い信号対雑音比を有する単一のデータベースを形成することができる。結果として得られるデータセットは、時変位相項Sにより、STEのみの場合と比べて2倍程度擾乱される。
【0055】
獲得窓内の重なり合ったSTEとSTAEの結合解除
上述の2つの獲得方式のどちらでも、2つの信号成分の重なり合いを避けるために、符号化勾配モーメントmによって2つのエコー(STEおよびSTAE)がk空間内で適切に分離されることが仮定されている。このように重なり合っている場合、信号サンプリング時に高周波数内容擾乱が起こり、したがって、画像の縁部解像度が低下する可能性がある。このような罰金が許容されないかぎり、2つのエコーを少なくともγN/BW(Nは、x方向に沿った点の数)だけ分離することが好ましい。したがって、画素サイズの2分の1未満の符号化勾配強度(mm/π単位)が使用される。これは、符号化勾配強度Encが次式によって記述され、
【数35】
Figure 0004732648
それに対して画素サイズpが次式によって記述され、
【数36】
Figure 0004732648
さらに、m≧mREADであるからである。
【0056】
いくつかの符号化方式では、信号の2つの成分をこのように明確に分離する符号化パルスを使用することは必ずしも可能ではない。このような場合に2つの成分を区別する機構について以下に説明する。この説明では、自由誘導減衰(「FID」)が抑制されていると仮定する。
【0057】
たとえば、STEAMパルス・シーケンスを用いた場合、モーメントmを有する勾配符号化パルスを印加すると、空間内のスピンの位置に応じてスピンに位相が加えられる。このため、x軸およびy軸上のxy平面全体にわたって正味MXY磁化が収集される。その結果、第2の90°RFパルスは信号の2分の1、すなわち、MとMの両方ではなく一方を縦軸に戻すことしかできない。このようなxy平面上の総信号はMxy=M+iMであるので、第2の90°パルスの位相により、シーケンスにおける以後の撮像用に信号の実部を保存するか、それとも虚部を保存するかが決定される。
第1の90°RFパルスと同じ軸に沿った第2の90°RFパルスが実部を保存すると仮定すると、磁化のこの部分を次式のように書くことができる。
【数37】
Figure 0004732648
言い換えれば、信号の実部は総信号とその複素共役との和として記述することができる。同様に、第1のRFパルスに対して90°の位相を有する第2のRFパルスを印加することによる第2の実験を行った場合、信号の虚部が保存される。このことは次式のように書くことができる。
【数38】
Figure 0004732648
信号の虚部は、総信号とその複素共役の差として書くことができる。2回の測定によってMおよびMを得ることにより、上記の数式の制限なしに、それぞれSTEおよびSTAEに対応する個々のMXYおよびMXY を互いに結合解除することができる。FIDの抑制も、それに応じて修正された第3の90°パルスによる第3の実験からデータを得ることによって行うことができる。
【0058】
回転ホイール法
位相ラベルづけ式映像法では、磁化の位相ラベルつき成分により、時定数T、T、およびT によって従来特徴付けされているいくつかのプロセスを介してコヒーレンスが減衰するかまたは失われる。これらの減衰プロセスによって課される制限の多くは、図13に示す回転ホイール法を用いて以下のように解消することができる。このような方法では、ボクセルの運動を一連の時間に追跡することができる。次式が成立し、
【数39】
Figure 0004732648
【数40】
Figure 0004732648
かつMxyの初期コヒーレンスが実質的な期間にわたって保持されるように、時間tに位相ラベルづけされる磁化の場合、MとMxyの両方がデータ獲得に使用される。データは、以下の3つの条件を満たす一連のRFパルスおよび読出し方式を使用して、初期位相ラベルづけの後の一連の時点tで得られる。(a)各時点tで、Mxyの読出し誘導位相分散を次の時点の前に勾配パルスによって再集束させる。(b)ある時点tで、M一部を横平面上に傾けて、様々な緩和プロセスによるMxyの減衰による磁化損失を補い、同時に、再集束させたMxyの一部を縦軸内に傾けて記憶する。(c)少なくともいくつかの互いに隣接するRFパルスが、ほぼ180°のフリップを生成し、それによって、Bの磁界不均一性による位相分散が補償され、横成分Mxyの減衰速度が約1/Tになる。この3つの条件が満たされると、各時点で得られる位相ラベルづけされた横磁界はほぼ1/Tの速度で減衰し、同時に、大部分の生体サンプルで1/Tよりも遅い速度で減衰する縦磁化のラベルつき項によって連続的または間欠的に補われる。この方法の利点は、Mxyのラベルつき項を使用してSNRが改善され、同時に、Mxyの一部を縦軸上に連続的または間欠的に記憶し、位相ラベルづけされた磁化Mの一部でMxyを補うことによって、利用可能な獲得時間が長くなることである。RFパルス・フリップ角度を調整することにより、各時点で横平面内に傾けられるMの量が制御され、したがって、データ獲得に利用できる総時間が制御される。一般に、データ獲得時間と各時点でのSNRとの兼ね合せが図られ、RFパルスと、Mxyを補うためにMを横平面内に傾ける頻度とを調整することによって、この2つの間の適切な兼ね合せを選択することができる。
【0059】
位相ラベルづけの一例では、図12に示すように、位相ラベルづけの後で、当該の領域内のすべてのボクセルの磁化が、xy平面に垂直な平面内でホイールのスポークを形成する。このホイールの軸は、xy平面内の、x軸からφ+π/2の角度に存在する。時間tに、勾配の釣り合いがとれており、フリップ角度αを有するRFパルスの組合せがこの方向(この位相ラベルづけにおける最後の90°パルスの方向に垂直な方向)に沿って印加される。このパルスは、図12に示すようにホイールをその軸の周りに角度αだけ旋回させ、したがって、縦磁化および横磁化は次式のようになる。
【数41】
Figure 0004732648
【数42】
Figure 0004732648
上式で、r’=r(t)である。上述の読出し方法のうちの1つまたは複数を使用してMxyを得て、位相ラベル関数f(r’)を分離することができる。読出し周期中に使用されるすべての勾配は、Mxyが上記の形に復元されるようにリワインドされる。
【0060】
時間tに、勾配の釣り合いがとれたαRFパルスが方向φ+π/2に沿って印加される。この場合、磁化は次式のようになる。
【数43】
Figure 0004732648
【数44】
Figure 0004732648
に行われた読出し・勾配リワインド・プロセスが再び実行され、Mxyが得られる。
【0061】
このプロセスは、一連の時点で繰り返すことができる。各時間tに、αRFパルスが縦磁化Mの一部をxy平面上に傾け、z軸に沿ってMxyの一部を復元する。数学的には、これは、MおよびMxyの2つの項の位相に対するαの加算および減算とみなされる。図13は、このようなパルス・シーケンスの概略図表現であり、この場合、各αパルス後の読出しは勾配再現エコー読出しである。平均すると、ボクセルの磁化ベクトルが横平面内で費やす時間と主磁界に沿って費やす時間は等しい。したがって、磁化のコヒーレンスは、横平面での緩和速度のほぼ2分の1の速度で減衰する(縦方向に沿った緩和速度の方がずっと低いと仮定する)。いくつかの連続するαパルスが180°RFパルスに近づくので、Bの不均一性による横磁化の位相分散をいくつかのαパルスの後で再集束させる。
【0062】
図13は、複数の時点での変位のx成分をマップする回転ホイール獲得法の一態様を示している。位相ラベルづけセグメントは、90°RFパルスとその後に続く勾配パルスと、その次の、x軸に沿った別の90°フリップとから成る。これによって、M=(eikx−e−ikx)M/(2i)、Mxy=(e kx−e−ikx)M/2を有するスピン・ホイールが作成される。好ましくは、完全に釣り合いのとれた読出し勾配が印加され、読出し周期の上の2つのエコーによって表されるように、横磁化Mxyの両方の項が同時にサンプリングされる。磁化は、釣り合いのとれた読出しの後で上記のスピン・ホイールの形に戻される。次いで、時間t+Δtに、αフリップ角度のRFパルスがy軸の周りに印加され、釣り合いのとれた読出しが繰り返される。時間t+2Δtに、このプロセスが繰り返される。各読出し周期の間、磁化に追加の位相が付加されることがないように、勾配波形は完全に釣り合いがとられる(勾配波形の正味時間積分はゼロである)。このプロセスは、一連の時点t+nΔtで繰り返される。
【0063】
位相ラベルづけセクションの90°パルスを含め、このシーケンス内の各RFパルスは、磁化ベクトルの最初の向きにかかわらず、磁化ベクトル上に残留位相分散が残らないように完全に釣り合いがとられる。正弦関数の形の、完全に釣り合いのとれたスライス選択RFパルス1302を図13に示す。スライス選択RFパルスの下の勾配領域Gは、逆の符号および2分の1の面積(G/2)を有する2つの勾配パルスによって釣り合いがとられる。この2つの勾配パルスの一方は、スライス選択勾配パルスの直前に印加され、他方はスライス選択勾配パルスの直後に印加される。
【0064】
生体サンプルでは、通常T〉〉Tであり、したがって、この方法のMR信号はTの約2倍の時間にわたって持続し、その間、所望の関数f(r(t))−f(r(t))が繰り返しマップされ、運動の履歴が形成される。
【0065】
時点tでのRFパルスが同じフリップ角度を有する必要はない。各パルスのフリップ角度が既知であるかぎり、MおよびMxyの項に対するRFパルスによって生じる位相ずれは既知であり、好ましくは画像再構成の間に補償される。フリップ角度が当該の領域内で厳密に一様ではなく、たとえば、スライス選択RFパルスのスライス断面が不完全である場合、上記の融通性によって、いくつかのRFパルスをあるスピン回転方向で使用し、次いで等しい数のパルスを他の方向で使用してこの不完全さを補償することができる。図13のパルス・シーケンスでは、これは、一連のαパルスを一例の+αパルスおよび−αパルス、たとえば(+α、+α、+α、+α、−α、−α、−α、−α、+α、+α、+α、+α、−α、−α、−α、−α、......)で置き換えることによって実現される。
【0066】
この分析により、時系列に対するRFパルスが180°−αと−(180°−α)とに交互に変わり、αが小さな角度(たとえば、30°)である他の態様が得られる。各RFフリップは、約180°であるので、Bの不均一性によるMxyの位相分散の大部分を再集束させる。一方、各RFパルスにより、縦磁化Mの1−cos(α)部分が横平面内に移動されてMxyが補われ、同時に、横磁化Mxyの1−cos(α)部分がz軸に戻され記憶される。角度αを小さくすることによって、獲得時間はTに近づき、それに対して、各時点でのSNRが低下する。αを大きくすると、逆の効果が得られる。
【0067】
他の態様では、交互に現われる偶数の180°パルスおよび−180°パルスと、その後に続く小さな傾斜角αパルスとから成る繰返しセグメント、すなわち(180、−180、180、−180、α、180、−180、180、−180、α、、、)で、図13のαパルス列を置き換えることができる。各セグメントにおいて、一連の180パルスが横磁化Mxyを繰り返し再集束させて記憶し、次いで、αパルスが縦磁化の一部を横平面内に傾け、次のセグメントにおけるデータ獲得に備えてMxyを補う。
【0068】
他の態様は、位相ラベルが施された直後に、180°パルス列を用いて、位相符号化された横磁化を読み取ることを含む。一連の180°パルスの間にサンプリングされた信号を使用して画像を形成することができ、このような画像は、様々な時点での位相ラベルづけされた情報を有する。この読出し周期の長さはT緩和によって制限される。横磁化は、減衰し、もはや画像の作成に使用できなくなると、勾配パルスによって破壊される。この後で、90°パルスを使用して縦磁化を横平面上に移動させることができる。磁化のこの部分はT緩和(T〉〉T)を受け、そのためそれほど減衰しない。次に、180°パルス列を用いて上述のように撮像を再開し、より多くの時点でデータを収集することができる。
【0069】
他のRFパルス系列と読出し方式の組合せを使用するうえで、この一般的な方法の他の多数の可能な態様がある。RFパルスがスライス選択パルスである場合、スライス貫通方向での不要な位相分散を回避するために完全にスライス選択勾配の釣り合いをとる必要がある。図13は、このような完全につりあいのとれたスライス選択パルスを示している。
【0070】
この方法を回転ホイール法と呼ぶのは、位相ラベルづけの後で、磁化ベクトルがスピン空間内に垂直なホイールを形成し、このホイールがデータ獲得時にその軸の周りで回転する(図12参照)からである。
【0071】
z軸に沿った磁化の撮像と記憶との循環は、勾配の釣り合いがとれた一連の90°RFパルスを印加することによって維持することができる。この系列では、90°RFパルスの位相を、4つのそのようなパルスごとに180°変えることができる。そうすることによって、8つのRFパルスごとに、真の90°の回転からの逸脱が補償される。さらに、磁化の各半分が縦軸で費やす時間と横軸で費やす時間は等しい。その結果、磁化の各半分は、同じ減衰速度、すなわち、Tの約2倍の速度で減衰する。このRF列位相循環方式によって磁界の不均一性が補償されるのは、スピンがXY平面上の正の方向で費やす時間と負の方向で等しい時間が等しいからである。磁化が、Z軸に沿って記憶されることによって、全時間の2分の1の間、Tの減衰から保護されるので、スピン−スピン緩和による減衰速度は2Tになる。このことが当てはまるのはT>>Tであるときだけであり、これは、コントラストが改善されない標本の場合に当てはまる。磁化の、撮像中の部分について、前述のようにSTEとSTAEの一方または両方をサンプリングすることができる。使用中のすべてのRFパルスがスライス選択パルスなので、平面貫通運動によって、特に以後の獲得窓に関して顕著な信号損失が生じる恐れがある。RFパルス系列中の、位置符号化勾配の後に続くパルスのスライス厚さを厚くすることによってスライス追跡を行い、望ましくない信号損失を回避することができる。しかし、スライス外自由誘導減衰(FID)の寄与によって画質が低下する可能性がある。スライス貫通運動が顕著なものである場合、スライス外飽和パルスを位置符号化セグメントの直前に置くことによってこの問題を解決することができる。
【0072】
この獲得法は、一連の時点で位相ラベルをマップして運動を追跡するように構成することができる。初期位相ラベルづけの後の各時点で、上述のように、縦磁化の一部が横平面上に傾けられ、結果として得られる横磁化に対応するデータが得られる。データが得られた後、勾配スポイラ・パルスを用いて残りの横磁化を破壊することができ、この手順は、位相ラベルづけされた縦磁化がなくなるまで繰り返すことができる。毎回、位相ラベルづけされた縦磁化Mの一部のみが使用されるように、復号RF−勾配波形の傾斜角は好ましくは90°よりもずっと小さく、たとえば30°である。
【0073】
自由誘導減衰の抑制
図14は、DENSE測定法を示している。図14を参照するとわかるように、第2の90°パルス1402と第3の900パルス1404との間の周期TMの間、磁化はTに応じた格子上へのエネルギー散逸によって緩和され、磁化のz成分への寄与MFIDが生成される。平衡した+z方向の磁化Mを確立する軸方向磁界Bが存在する(RFパルスが存在しない)場合、大きさMinitial<Mの磁化が減衰して磁化M(t)のz成分が形成される。この場合、M(t)=M+(Minitial−M)exp(−t/T)である。第1の90°パルス1406の後で、ラベルづけされない横磁化はゼロz成分を有し、したがって、時間τでMFID=M[1−exp(−τ/T)]である。この場合、Tは縦磁化緩和時間である。180°パルス1404は、MFIDを−z軸に沿った方向に反転し、すなわちMFID=−MFIDになる。この反転された磁化は緩和され、選択された時間τに磁化M(τ)のz成分を生成し、M(τ)=M+[−M(1−exp(−τ/T)−M]exp(−τ/T)になるようにMinitialにMFIDの値を割り当てることによって決定できる大きさを有する。持続時間τおよびτとしては、τ=Tln[2/(1+exp(−T/T)]を選択することによって時間τにM(τ)=0になるような持続時間を選択することができる。代表的な例として、混合時間T=300msおよび縦緩和時間T=300msである場合、τ=262.2msおよびτ=138.8msである。
【0074】
FIDを抑制するためにτおよびτにどんな値を選択するかは縦緩和時間Tに依存し、Tに依存するのは、Tが一般に材料に依存するからである。たとえば、心筋組織の場合、Tは約850msであり、それに対して、脂肪組織の場合、Tは約200msである。しかし、2つの時定数に関連するFIDは、追加の180°パルスおよび対応する時間間隔を与えることによって抑制することができる。
【0075】
インタリーブされたデータ獲得による位相誤差の低減
読出し時に得られる位相ラベルつき項は、位相ラベル関数と、渦電流、Bの不均一性などによる他の追加の位相寄与とを含む。これらの寄与は測定における誤差をもたらす。このような位相誤差を除去する1つの方法は、互いに異なる関数af(r)およびbf(r)(aおよびbは互いに異なる定数)で位相ラベルづけされた2つのデータセットを得る方法である。この2つのデータセットは、同じ未知の位相寄与を共用する。データセットのそれぞれの結果を減算することによって、(a−b)[f(r’)−f(r)]が得られ、共通の位相誤差が除去される。この2つのデータセットは、目標の位置および移動量の小さな変化に対する誤差を低減させるように同じ運動条件で、好ましくはインタリーブ式に得ることができる。
【0076】
位相の曖昧さの解消
MRI信号の位相は通常、0ラジアンから2πラジアンの範囲で表される。指定された位相ラベル関数がこの範囲を超えると、得られる位相ラベル分布は、大きさが2πの階段状のジャンプを含む。この現象を「位相ラップアラウンド」と呼ぶ。位相ラップアラウンドを補正するには、まず、このジャンプが起こる不連続な境界を見つけ、次いで、各境界ごとに、境界の片方の側のボクセルの位相に対して2πの整数倍数を加算または減算し、それによってこの不連続性を除去する。この手順は一般に有効である。いくつかの標本では、分離された領域の運動全体を他の領域に対して測定する必要があり、これらの領域間の位相差は曖昧である。診断撮像では、運動追跡の目的は通常、連続する領域の内部移動を特徴付けることであり、この場合、曖昧さを解消するには位相アンラッピングで十分である。ある用途では、心筋のひずみなど、局部組織の変形を測定する必要がある。このような用途の場合、当該の領域全体について位相をアンラップする必要はなく、一群の近傍のボクセルを包含する小さな各領域を位相アンラップし、この領域内の局部変形を得れば十分である。
【0077】
ひずみデータ表示
MRI運動追跡のある用途では、材料のひずみを算出することによって領域の変形を定量化すると有利である。この一例は、心筋のひずみ写像である。2D画像などの二次元(2D)平面では、前述の各節で説明した方法のうちの1つまたは複数によって変形ベクトルの平面内成分をマップした後、ひずみテンソル・マップを算出することができる。各ボクセルのひずみテンソルは、ひずみの主軸と呼ばれる、互いに直交する2つの方向に沿ったひずみ値(圧縮の場合は負、伸長の場合は正)によって表される。ひずみ値と主軸は共に、多くの場合に有用な情報を含む。ひずみ値は、一様な長さの短く太い線分を使用して各ボクセルでの主軸を表し、同時に、線分の色またはグレースケール強度によってひずみ値を表すことによって表示することができる。ひずみデータは、一方のマップが圧縮に関する軸およびひずみ値を示し、それに対して、他方のマップが伸長に関する軸およびひずみ値を示すように、各画像が特定の符号のひずみ値を含む2つのひずみ画像で表すことができる。各マップ内の色またはグレースケール強度は、正のひずみまたは負のひずみの絶対値を表す。ボクセルが両方の主軸に対して同じ符号のひずみを有する場合、一方のマップにおいて、2つの互いに直行する成分がボクセルの位置に現われ、それに対して、他方のマップには線分が存在しない。
【0078】
または、ひずみデータを、それぞれより高いひずみ値およびより低いひずみ値を含む2つのマップに分離することができる。この場合、マップ内の各ボクセルは1つの線分を含み、この線分の色またはグレースケール強度が対応するひずみ値を表す。各マップが正のひずみ値と負のひずみ値の両方を含むことができるので、色スケールまたはグレー強度スケールはある範囲の負の値から正の値を表す必要があり、色スケールとグレー強度スケールを混合したものをこの目的に使用することができる。
【0079】
一様な長さの互いに直交する線分を各ボクセルに与えてひずみの主軸を表すことによって、ひずみデータを単一の画像内に表すこともできる。各線分の色またはグレースケール強度は対応するひずみ値を表す。色スケールとグレー強度スケールを混合したものを使用して、負の数と正の数を共に含むある範囲の値をカバーすることができる。
【0080】
本発明の各態様について説明した。本発明の範囲から逸脱することなくこれらの態様の構成および細部を修正できることが理解されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気共鳴(MR)映像システムの概略ブロック図である。
【図2A〜2B】 関数f(r)に基づく体積要素(「ボクセル」)位相ラベルづけを示す図である。
【図3A〜3B】 関数f(r)に基づく縦磁化および横磁化の位相ラベルづけを示す図である。
【図4A〜4B】 関数f(r)に基づく縦磁化および横磁化の位相ラベルづけを示す図である。
【図5】 位相ラベルづけされた横磁化の高速スピン・エコー読出し時に印加されるRFパルスおよび勾配(G)パルスを示す図である。
【図6】 位相ラベルづけされた縦磁化の高速スピン・エコー読出し時に印加されるRFパルスおよび勾配(G)パルスを示す図である。
【図7】 横磁化の位相係数に対応するk空間領域を示す図である。
【図8】 非固定座標系に対するボクセルの運動を示す図である。
【図9】 誘導エコーまたは誘導アンチエコーに対応する信号を、位相ラベルづけされた標本から生成するために印加されるRFパルスおよび勾配パルス(rx)を示す図である。
【図10】 デュアル・エコー映像法のブロック図である。
【図11A】 交互デュアル・エコー映像法において位相ラベルづけされた標本の画像に印加されるRFパルスおよび勾配パルスを示す図である。
【図11B】 同時デュアル・エコー映像法において位相ラベルづけされた標本の画像に印加されるRFパルスおよび勾配パルスを示す図である。
【図12】 磁化スピン・ホイールを示す図である。
【図13】 位相ラベルづけされたデータを得る回転ホイール法の態様によって印加されるRFパルスおよび勾配パルスのシーケンスの図である。
【図14】 自由誘導減衰を低減させるように構成されたデュアル・エコー法のRFパルスおよび勾配パルスを示す。

Claims (14)

  1. 磁気共鳴によって標本の運動の写像を得る方法であって、
    (a)関数f(r)に基づいて空間的に変動する位相を標本磁化に印可する段階、
    (b)180°RFパルスを標本に印可する段階、
    (c)関数f(r)に基づいて空間的に変動する位相とはおおよそ逆の空間的に変動する位相を標本磁化に印可する段階、
    (d)空間的に変動する標本磁化の位相を測定する段階、
    (e)測定された標本磁化の位相に基づいて標本画像を生成する段階、および
    (f)(a)〜(e)の段階を繰り返す段階を含む、方法。
  2. 画像が、測定された位相とラベルづけされた位相との差に基づく画像である、請求項1記載の方法。
  3. 標本の磁化の縦成分Mzが、Mz = [m(r)eif(r) + m(r)e-if(r)]/2になるように位置の関数f(r)に基づいて位相ラベルづけされ、m(r)が位置の実関数であり、RFパルスと勾配パルスとの組合せを印加して縦成分Mzの少なくとも一部を、eif(r)に比例する横成分Mxyに変換する段階をさらに含む、請求項2記載の方法。
  4. RFパルスを印加し、それぞれ[eif(r) + e-if(r)]および[eif(r) - e-if(r)]/(2i)に比例する標本磁化の縦成分および横成分を生成する段階をさらに含む、請求項2記載の方法。
  5. 磁化の位相が、位置の複数の関数に基づいてラベルづけされる、請求項2記載の方法。
  6. 標本の磁化の横成分がm1(r)eif1(r) + m2(r)eif2(r) + ... + mN(r)eifN(r)に比例し、f1(r)、...、fN(r)が位置の関数であり、m1、...、mNが定数であり、Nが整数である、請求項5記載の方法。
  7. 可動軸を有する標本を磁気共鳴撮像する方法であって、
    第1の時間における軸の位置を測定する段階、
    第1の時間における軸の位置に対する標本の位置の関数として標本磁化に位相ラベルづけする段階、
    第2の時間における軸の位置を測定する段階、
    第2の時間における軸の位置に対する標本の位置の関数として、第2の時間における標本磁化の位相を測定する段階、ならびに
    施された位相ラベルおよび測定された位相に基づいて標本の画像を生成する段階を含む、方法。
  8. 磁気共鳴によって標本の運動の写像を得るための装置であって、
    (a)関数f(r)に基づいて空間的に変動する位相を標本磁化に印可するための手段
    (b)180°RFパルスを標本に印可するための手段
    (c)関数f(r)に基づいて空間的に変動する位相とはおおよそ逆の空間的に変動する位相を標本磁化に印可するための手段
    (d)空間的に変動する標本磁化の位相を測定するための手段
    (e)測定された標本磁化の位相に基づいて標本画像を生成するための手段、および
    (f)(a)〜(e)の手段にかかる段階を繰り返す手段を含む、装置
  9. 画像が、測定された位相とラベルづけされた位相との差に基づく画像である、請求項8記載の装置
  10. 標本の磁化の縦成分Mzが、Mz = [m(r)eif(r) + m(r)e-if(r)]/2になるように位置の関数f(r)に基づいて位相ラベルづけされ、m(r)が位置の実関数であり、RFパルスと勾配パルスとの組合せを印加して縦成分Mzの少なくとも一部を、eif(r)に比例する横成分Mxyに変換するための手段をさらに含む、請求項9記載の装置
  11. RFパルスを印加し、それぞれ[eif(r) + e-if(r)]および[eif(r) - e-if(r)]/(2i)に比例する標本磁化の縦成分および横成分を生成するための手段をさらに含む、請求項9記載の装置
  12. 磁化の位相が、位置の複数の関数に基づいてラベルづけされる、請求項9記載の装置
  13. 標本の磁化の横成分がm1(r)eif1(r) + m2(r)eif2(r) + ... + mN(r)eifN(r)に比例し、f1(r)、...、fN(r)が位置の関数であり、m1、...、mNが定数であり、Nが整数である、請求項12記載の装置
  14. 可動軸を有する標本を磁気共鳴撮像するための装置であって、
    第1の時間における軸の位置を測定するための手段
    第1の時間における軸の位置に対する標本の位置の関数として標本磁化に位相ラベルづけするための手段
    第2の時間における軸の位置を測定するための手段
    第2の時間における軸の位置に対する標本の位置の関数として、第2の時間における標本磁化の位相を測定するための手段、ならびに
    施された位相ラベルおよび測定された位相に基づいて標本の画像を生成するための手段を含む、装置
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