JP4730564B2 - R−t−b系永久磁石 - Google Patents

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本発明は、表面にめっき膜が形成されたR−T−B系永久磁石に関する。
14B型金属間化合物を主相とするR−T−B系永久磁石(RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上であり、TはFe又はFeとCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であることから、各種電気機器に使用されている。
優れた磁気特性を有するR−T−B系永久磁石にもいくつかの技術的な課題がある。その一つが耐食性である。つまり、R−T−B系永久磁石は、主構成元素であるR及びFeが酸化されやすい元素であるために耐食性が劣る。そのため、磁石表面に腐食防止のための保護膜を形成している。保護膜としては、樹脂コーティング、クロメート膜あるいはめっきなどが採用されているが、特にNiめっき、CuめっきあるいはSnめっきに代表される金属めっき層を表面に形成する方法が耐食性および耐磨耗性等に優れており多用されている。
R−T−B系永久磁石の表面に形成する金属めっき層の耐食性を向上する提案がなされている。例えば、特許第2941446号公報(特許文献1)では、0.001〜0.01wt%のSを含有するNiめっき層を下層として設け、その上に0.001〜1.0wt%のSを含有するNiめっき層を上層として設け、上層のNiめっき層に下層のNiめっき層よりも0.01wt%以上多くSを含有させることにより、耐食性の向上を図っている。特許文献1は、以上のようなS含有量の関係を有する2層のNiめっき層を設けることにより、上層がアノード化して陽極効果を発生することにより、下層が防食されることを示している。
特許第2941446号公報
特許文献1によれば、改善された耐食性をR−T−B系永久磁石に付与することができる。しかし、本発明者等の検討によれば、めっき膜中のS含有量を制御することは容易ではない。めっき膜中に含まれるSは、主にめっき浴に添加される光沢剤に由来する。ところが、光沢剤の種類が特定されると、めっき膜中に含まれるSの量を自由に設定することが困難である。したがって、めっき膜中のS含有量を制御することによる耐食性の向上手法は、実際のR−T−B系永久磁石の製造に対して汎用性が小さいといわなければならない。
また、めっき膜に要求される特性として硬度が掲げられる。R−T−B系永久磁石の製造過程又は用途によっては、めっき膜表面に対して相当の応力が付与される場合があり、また、周囲の環境に対して耐磨耗性が要求される場合があるためである。しかしながら、これまでめっき膜の硬度を向上する有効な手法は提案されていない。特に、めっき膜に要求される本質的な特性である耐食性を含めた硬度の向上についての提案を本発明者等は見出していない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、実際のR−T−B系永久磁石の製造に対して適用が容易であるとともに、硬度の確保にも有効なめっき膜を備えたR−T−B系永久磁石の提供を目的とする。
本発明者等は、めっき膜の耐食性向上のためのめっき膜中における含有量の制御が容易であるとともに、めっき膜の硬度向上に対して、Cが有効な元素であることを確認した。また、めっき膜中に所定量のCを含有させることにより、めっき膜の密着性を向上できることも知見した。すなわち本発明は、R14B化合物(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)からなる主相結晶粒と、主相結晶粒よりRを多く含む粒界相とを少なくとも含む焼結体からなる磁石素体と、磁石素体表面を被覆する、C含有量をCc(wt%)としたとき、0.005<Cc≦0.025wt%である電解Cuめっき膜と、を備えることを特徴とするR−T−B系永久磁石である。
本発明において、めっき層のC含有量が0.007≦Cc≦0.025wt%とすることが望ましい。
本発明のめっき層は、R−T−B系永久磁石の表面に形成される場合に限らず、他のいかなる部材にも耐食性向上のために被覆して用いることができる。
したがって本発明は、耐食性向上のために基体上に被覆され、C含有量をCc(wt%)としたとき、0.005<Cc≦0.025wt%のCを含有することを特徴とするめっき膜を提供する。
本発明によれば、めっき膜中における含有量制御が容易なCを用いて、めっき膜の耐食性を確保することができる。また、めっき膜におけるCの所定量の含有は、めっき膜の硬度向上、磁石素体への密着性の向上を図ることもできる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明のR−T−B系永久磁石1は、図1に示すように、磁石素体2と、磁石素体2の表面に被覆されためっき膜3を備えている。本発明は、めっき膜3に特徴を有し、このめっき膜3は電解Cuめっきの場合は、0.005<Cc≦0.025wt%のCを含有することにより、めっき膜3に優れた耐食性を付与することができる。また、このような量のCを含有するめっき膜3は、硬度向上の効果を有するとともに、磁石素体2に対するめっき膜3の密着性を向上することができる。電解Cuめっきの場合は、C含有量が0.005wt%以下(ゼロを含む)しか含まないと、上記効果を得ることかできない。一方、電解Cuめっきの場合は、C含有量が0.025wt%を超えるとめっき膜3にクラックが発生してしまい耐食性を確保することができなくなる。したがって、本発明はめっき膜3に含有させるC量を電解Cuめっきの場合は、0.005<Cc≦0.025wt%とする。めっき膜3に含有させる望ましいC量は0.007≦Cc≦0.025wt%ある。
Cを0.005<Cc≦0.025wt%含有するめっき膜3が、耐食性向上に有効である他、磁石素体2への密着性が向上し、さらに硬度が向上する理由は明らかでない。しかし、めっき膜3に含有されたCが、めっき膜3を構成する組織の成長、特に面方向への成長を抑制する効果を有し、そのためにめっき膜3の組織が微細化し、かつ緻密化して耐食性、密着性が向上したものと推定される。また同様に、組織の微細化が硬度向上に寄与したものと推定される。
めっき膜3に含有されるCは、めっき膜3の全域でその含有量が均等であってもよいし、含有量が変動してもよい。C含有量がめっき膜3で変動する場合、その全域でCを0.005<Cc≦0.025wt%の範囲とすべきである。
本発明はめっき膜3を構成する金属をCuに限定する。Cuは、R−T−B系永久磁石1のめっき膜3を構成した場合に優れた耐食性を有するからである。もちろん本発明を適用することにより、さらなる耐食性向上を成し遂げる。めっき膜3は、単一の金属から構成することができる。例えば、Cuめっきのみからめっき膜3を構成することができる。また、めっき膜3は、複数種の金属を積層して構成することもできる。例えば、磁石素体2側からCuめっき及びNiめっきを順次積層してめっき膜3を構成することができる。また、例えば、磁石素体2側からCuめっき、Niめっき及びSnめっきを順次積層してめっき膜3を構成することもできる。さらに、Cuめっきを複数積層することによりめっき膜3を構成することもできる。めっき膜3が複数の層から構成されている場合、少なくともCuめっきが本発明の要件を満足していればよい。
めっき膜3中のC含有量を本発明で規定する0.005<Cc≦0.025wt%の範囲にする手法は問わないが、以下の事項を調整することによりめっき膜3中のC含有量を制御することができる。
めっき膜3中のC含有量は、めっき浴中のC−C結合数を変えることによって変動させることができる。具体的には、めっき浴中の有機官能基の種類を変えることにより、めっき膜3中のC含有量を制御することができる。例えば、めっき浴中に含まれることのある半光沢剤の一種であるHCHOをCHCHO、さらにはCCHOに変えることによりめっき膜3中のC含有量を変えることができる。また、めっき浴中に含まれることのある光沢剤の濃度を変えることによってもめっき膜3中のC含有量を変えることができる。光沢剤としては、1,5ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、1,3,6ナフタレントリスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩、パラトルエンスルホンアミド、サッカリン、ホルムアルデヒド、1,4ブチンジオール、プロパギルアルコール、エチレンシアンヒドリン等を用いることができる。
めっき膜3中のC含有量を制御することができる他の方法として、めっき工程中のめっき浴に印加される電流密度を変動する方法がある。めっき浴中に添加される添加剤によって変動するが、一般に電流密度が大きいと形成されるめっき膜3中のC含有量を増加することができる。したがって、めっき膜3中のC含有量を多くしたいときには、めっき工程中のめっき浴の電流密度を大きくすればよい。逆に、めっき膜3中のC含有量を少なくしたいときには、めっき工程中のめっき浴の電流密度を小さくすればよい。
めっき膜3の厚さは、1〜30μmの範囲とすることが好ましい。めっき膜3の厚さが1μm未満では、本発明を適用しても十分な耐食性を得ることができない。また、めっき膜3の厚さが30μmを超えても、耐食性の効果が飽和するとともに、R−T−B系永久磁石1に占める磁石素体2の体積が減少することにより、単位体積当たりの磁気特性が低下してしまう。この磁気特性の低下は、小型のR−T−B系永久磁石1になるほど顕著となる。好ましいめっき膜3の厚さは5〜25μmである。めっき膜3が複数の層から構成される場合は、複数の層の合計を上記範囲とする。
次に、磁石素体2について説明する。磁石素体2としてR−T−B系永久磁石を用いた場合に本発明の効果は顕著となる。前述したように、R−T−B系永久磁石は耐食性が劣るためである。以下、R−T−B系永久磁石の好ましい化学組成について説明する。
R−T−B系永久磁石は、希土類元素(R)を27.0〜35.0wt%含有する。ここで、希土類元素は、Yを含む概念を有しており、したがって本発明のRは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu及びYの1種又は2種以上から選択される。磁石素体2の希土類元素の量が27.0wt%未満であると、軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。また、27.0wt%未満では、焼結性が劣ってくる。一方、希土類元素が35.0wt%を超えるとRリッチ相の量が多くなることにより耐食性が劣化するとともに、主相であるR14B結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。したがって、希土類元素の量は27.0〜35.0wt%とする。望ましい希土類元素の量は28.0〜33.0wt%、さらに望ましい希土類元素の量は29.0〜31.0wt%である。
Rの中ではNdやPrが最も磁気特性のバランスが良いことと、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素としての主成分をNdやPrとすることが好ましい。またDyやTbは異方性磁界が大きく、保磁力を向上させる上で有効である。よって、希土類元素としてNdやPr及びDyやTbを選択し、NdやPr及びDyやTbの合計を27.0〜35.0wt%とすることが望ましい。
磁石素体2を構成するR−T−B系永久磁石は、ホウ素(B)を0.5〜2.0wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。ただし、Bが2.0wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、上限を2.0wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.9〜1.1wt%である。
磁石素体2を構成するR−T−B系永久磁石は、Nb:0.1〜2.0wt%、Zr:0.05〜0.25wt%、Al:0.02〜2.0wt%、Co:0.3〜5.0wt%及びCu:0.01〜1.0wt%の1種又は2種以上の含有を許容する。これらは、Feの一部を置換する元素として位置付けられている。
上記元素以外の元素を含有することを本発明は許容する。例えば、Ga、Bi、Snを適宜含有することが本発明にとって望ましい。Ga、Bi、Snは保磁力の向上と保磁力の温度特性向上に効果がある。ただし、これらの元素の過剰な添加は残留磁束密度の低下を招くため、0.02〜0.2wt%とすることが望ましい。また、例えば、Ti、V、Cr、Mn、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Ni、Si、Hfの1種又は2種以上を含有させることもできる。
次に、磁石素体2の製造方法について説明する。
磁石素体2を構成するR−T−B系永久磁石は、よく知られているように、R2Fe14B結晶粒からなる主相と、この主相よりもRを多く含む粒界相とを少なくとも含む焼結体から構成される。この焼結体を得るための好適な製造方法について説明する。
原料合金は、真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中でストリップキャスティング、その他公知の溶解法により作製することができる。RFe14B結晶粒を主体とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用いる所謂混合法で本発明にかかるR−T−B系永久磁石を製造する場合も同様である。
原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金及び高R合金は別々に又は一緒に粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2〜10μm、好ましくは3〜8μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
混合法による場合、2種の合金を混合するタイミングは限定されるものではないが、微粉砕工程において低R合金及び高R合金を別々に粉砕した場合には、微粉砕された低R合金粉末及び高R合金粉末とを好ましくは不活性ガス雰囲気中で混合する。低R合金粉末及び高R合金粉末の混合比率は、重量比で80:20〜97:3程度とすればよい。低R合金及び高R合金を一緒に粉砕する場合の混合比率も同様である。微粉砕時に、ステアリン酸亜鉛等の粉砕助剤を0.01〜0.3wt%程度添加することにより、次の磁場中成形時に配向性の高い微粉を得ることができる。
以上のようにして得られた微粉末は磁場中成形に供される。この磁場中成形は、960〜1600kA/m(12〜20kOe)前後の磁場中で、68.6〜147MPa(0.7〜1.5t/cm2)前後の圧力で行なえばよい。
磁場中成形後、その成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1100℃で1〜10時間程度焼結すればよい。焼結工程の前に成形体に含まれている粉砕助剤、ガスなどを除去する処理を行なってもよい。焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行なう場合には、800℃近傍、600℃近傍での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行なうと、保磁力が増大するため、混合法においては特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行なう場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
焼結体を得た後に、めっき膜3を形成する。本発明によるめっき膜3は、電解めっきで形成することが好ましい。C含有量の制御が容易なためである。電解めっきを行なう場合、電解めっきを行う前の処理(前処理)を焼結体に対して行なう。この前処理は、例えば、焼結体を所定形状・精度に加工した後に、バレル研磨、脱脂、水洗、エッチング(例えば硝酸)、水洗を施す。この工程は、あくまで一例であって、本発明を限定する要素とはならない。次いで、電解めっきによりめっき膜3を成膜する。めっき膜3を成膜した後に、水洗、乾燥して電解めっきによるめっき膜3形成のための一連の工程を終了する。
めっき膜3の成膜についてさらに言及する。
めっき膜3として電解Cuめっき膜を形成する場合の典型的なめっき条件として以下のものを適用することができる。ただし、以下はあくまで一例であって、本発明を限定するものではない。
(1)めっき浴:ピロリン酸銅3水和物、ピロリン酸カリウム、アンモニア
pH:8〜10
温度:50〜60℃
電流密度:2〜6A/dm2
(2)めっき浴:銅塩、リン酸塩、脂肪族ホスホン酸化合物、金属水酸化物
pH:9.5〜10.5
温度:55〜65℃
電流密度:1〜10A/dm2
以上、本発明によるめっき膜3をR−T−B系永久磁石に適用する例について説明した。しかし、本発明によるめっき膜3は、R−T−B系永久磁石の保護膜としての利用に限定されず、耐食性が要求される他の希土類永久磁石、さらには耐食性の要求される他の部材の保護膜として利用することができることはいうまでもない。
所定の組成を有する薄帯状合金をストリップキャスト法で作製した。この薄帯状合金に室温にて水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気中で400〜700℃前後まで昇温して脱水素を行なうことにより粗粉末を得た。
ジェットミルを用いてこの粗粉末を微粉砕した。微粉砕は、ジェットミル内をNガスで置換した後に高圧Nガス気流を用いて行った。得られた微粉末の平均粒径は4.0μmであった。なお、微粉砕を行なう前に粉砕助剤としてステアリン酸亜鉛を0.01〜0.10wt%添加した。
得られた微粉末を1200kA/m(15kOe)の磁場中で98MPa(1.0ton/cm)の圧力で成形して成形体を得た。この成形体を真空中において、1030℃で4時間焼結した後に、急冷した。次いで得られた焼結体に850℃×1時間と540℃×1時間(ともにAr雰囲気中)の2段時効処理を施した。焼結体の組成を分析したところ、26.5wt%Nd−5.9wt%Dy−0.25wt%Al−0.5wt%Co−0.07wt%Cu−1.0wt%B−Fe.balの組成を有していた。
得られたR−T−B系永久磁石を加工して30mm×40mm×5mmのサイズの試料を作製した。この試料をバレル研磨後、アルカリ脱脂、硝酸洗浄、アルカリ超音波洗浄を施した。試料を乾燥後、表1に示す条件で試料表面にCuめっきを施した。
Figure 0004730564
Cuめっき完了後、形成されためっき膜の評価を行った。評価項目、評価方法を以下に示す。
<めっき膜厚測定>:蛍光X線微小部膜厚計にて膜厚を測定した。膜厚の測定は、試料の平面中心部で行い、5個の試料の平均値とした。
<めっき膜組成分析>:めっき膜のみを剥がし取り、酸素気流中燃焼−赤外吸光法を用いてC量を分析した。
<硬度>:ビッカース硬度計により、ビッカース硬度を測定した。5個の試料の平均値である。
<耐食性>:120℃、100%RH、2atm.なる条件にて40hr保持した後の試料表面状態(フクレ、錆)を目視にて観察した。20個の試料中、フクレおよび錆の発生した試料個数の割合にて評価した。
<密着性>:めっき膜に10mmの幅で深さ30〜40μm、長さ20mmの切れ目を2本平行にいれて、2本の切れ目同士を同様の深さの切れ目で結んで、その部分から垂直にめっき膜のみを引き剥がし、そのときの引き剥がし力を測定した。5個の試料の平均値である。
以上の測定結果を表1に示す。また、めっき膜のC含有量とめっき膜の硬さの関係を図2に、めっき膜のC含有量とめっき膜の密着性の関係を図3に示す。
表1より、めっき成膜時に用いる添加剤及び電流密度を調整することにより、めっき膜のC含有量を制御できることがわかる。そして、表1、図2及び図3より、めっき膜のC含有量が多くなるにしたがってめっきの硬さが硬くなり、また密着性も向上することがわかる。
めっき膜を有するR−T−B系永久磁石を示す図である。 実施例1におけるめっき膜のC含有量とめっき膜の硬さの関係を示すグラフである。 実施例1におけるめっき膜のC含有量とめっき膜の密着性の関係を示すグラフである。
符号の説明
1…R−T−B系永久磁石、2…磁石素体、3…めっき膜

Claims (2)

  1. 14B化合物(ただし、RはYを含む希土類元素の1種又は2種以上、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)からなる主相結晶粒と、前記主相結晶粒よりRを多く含む粒界相とを少なくとも含む焼結体からなる磁石素体と、
    前記磁石素体表面を被覆する、C含有量をCc(wt%)としたとき、0.005<Cc≦0.025wt%である電解Cuめっき膜と、
    を備えることを特徴とするR−T−B系永久磁石。
  2. 前記C含有量をCc(wt%)としたとき、0.007≦Cc≦0.025wt%である請求項1に記載のR−T−B系永久磁石。
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