JP4730523B2 - インク廃液吸収体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、染料インクや顔料インクに対する優れた吸収性が高いレベルに維持されるインク廃液吸収体及びその製法に関するものである。
近年、パソコンの普及に伴いプリンターも多くの機種が提供されている。そして、これらプリンターの多くはレーザー方式やインクジェット方式を採用し、特にインクジェット方式はレーザー方式に比べて安価であるため広く採用されている。
ここで、インクジェット方式のプリンターでは、プリンターヘッドのクリーニング等により、余分なインクはプリンター内にためこまれるが、これが流出してプリンターヘッド近くを汚してしまうことがある。このため、余分なインクを吸収するインク吸収材がプリンターヘッドに対応して敷き詰められている。
そして、このようなインク吸収材には余分なインクを速やかに吸収することに加え、プリンター内の環境を汚染しないことも求められる。インク吸収材としては当初、パルプや繊維質の不織布が採用されていたが、毛羽立ちにより繊維がプリンター内に飛散する問題が懸念されていた。このような課題を解決すべく、本出願人は先に、特許文献1:特開2001−105630号公報や特許文献2:特開2002−029066号公報において、ポリウレタンフォームを基材とするため毛羽立ちがなく、しかも均質で精確なインク吸収性の非常に高いインク廃液吸収体を提案している。
しかし、インク廃液吸収体には更なる高性能化が求められている。インクの吸収性能が高いレベルで一定に保たれることも、このような要求特性の一つとなっていた。
特開2001−105630号公報 特開2002−029066号公報
本発明は、上記事情を改善したもので、染料インクや顔料インクに対する優れた吸収性が高いレベルに維持されるインク廃液吸収体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、ポリウレタンフォームの内部(ポリウレタンフォームの有する3次元連通網目構造を形成する骨格の表面)及び/又は外部(ポリウレタンフォームの外形を形成する外表面)に界面活性剤をコーティングしてインク吸収体を構成した場合、落下してくるインクを吸収/透過させる際に界面活性剤がインクに伴われて流出する場合があり、特にインク吸収体の外表面における界面活性剤存在量の低下は、インクとの接触時におけるインク吸収速度を低下させ、ひいてはインク吸収体の吸収性能が低下する原因となり得ることを見出した。そしてこのような現象は、前記界面活性剤に特定量のバインダーを共存させることによって解消され得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は以下のインク廃液吸収体及びその製造方法を提供する。
請求項1:
ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いて製造したポリウレタンフォームに、界面活性剤及びバインダーが含浸処理されたものであり、前記バインダーの含浸量が6,000〜50,000g/m3であることを特徴とするインク廃液吸収体。
請求項2:
前記ポリウレタンフォームが非圧縮フォームである請求項1記載の廃液吸収体。
請求項3:
前記ポリウレタンフォームが圧縮フォームである請求項1記載の廃液吸収体。
請求項4:
前記ポリウレタンフォームが、セル膜のないポリウレタンフォームである請求項1,2又は3記載のインク廃液吸収体。
請求項5:
前記バインダーがアクリル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク廃液吸収体。
請求項6:
上記界面活性剤と上記バインダーの含浸量比が、(界面活性剤の含浸量)/(バインダーの含浸量)(質量比)値として1/10〜10/1である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク廃液吸収体。
請求項7:
請求項1乃至6のいずれかに記載の廃液吸収体の製造方法であって、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いてポリウレタンフォームを得、界面活性剤及びバインダーを分散乃至溶解した液中に上記ポリウレタンフォームを浸漬し、溶媒を乾燥して、ポリウレタンフォームに界面活性剤をバインダーと共に付着させることを特徴とするインク廃液吸収体の製造方法。
請求項8:
請求項1乃至6のいずれかに記載の廃液吸収体の製造方法であって、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いてポリウレタンフォームを得、界面活性剤及びバインダーを分散乃至溶解した液をポリウレタンフォームにスプレー塗布後、溶媒を乾燥して、ポリウレタンフォームに界面活性剤をバインダーと共に付着させることを特徴とするインク廃液吸収体の製造方法。
請求項9:
請求項1乃至6のいずれかに記載の廃液吸収体の製造方法であって、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いてポリウレタンフォームを得、界面活性剤を分散乃至溶解した液とバインダーを分散乃至溶解した液とをポリウレタンフォームに別々に又は同時にスプレー塗布後、溶媒を乾燥して、ポリウレタンフォームに界面活性剤をバインダーと共に付着させることを特徴とするインク廃液吸収体の製造方法。
請求項10:
界面活性剤を付着させたポリウレタンフォームを更に圧縮成型する請求項7,8又は9記載の製造方法。
本発明によれば、均質で精確な、高いインク吸収性が実現されると共に、その高性能が維持され得るインク廃液吸収体が提供される。しかも、このインク吸収体はプリンター内のセット部位の形状が複雑であっても形状に即して容易にカット使用することができると共に、ポリウレタンフォームを基材とするものであるため、フェルトのように毛羽立ち、毛羽等の落下の心配もなく、プリンターの機能に悪影響を与えないものである。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインク廃液吸収体は、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含むポリウレタン発泡原料を用いて製造したポリウレタンフォームに、界面活性剤及びバインダーが含浸処理されたインク廃液吸収体である。
本発明における上記ポリオールとしては、例えば官能基数が2以上の活性水素含有化合物にエチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加したポリ(オキシエチレン−オキシアルキレン)ポリエーテルポリオールが例示される。ここで、アルキレンオキサイド成分としては、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が例示される。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することも可能である。
上記ポリオールを製造する際に使用する活性水素含有化合物としては、例えばポリアルコール類、ポリアミン類等であり、ポリアルコール類を例示すれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖等がある。
また、上記ポリオールとしては、親水性を有する有機酸金属塩及び/又はその重合体含有ポリオールをポリオールの一部として用いることもでき、有機酸のカリウム、マグネシウム、スズ、銅、リチウム、又は銀の塩等が有効であり、好ましくはカリウム塩、ナトリウム塩である。かかるポリオールは、通常のポリウレタンフォームの製造に使用されるポリオールとブレンドして使用することができる。
本発明における上記イソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、例えばトルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、トルエンジイソシアネートの2,4−/2,6−異性体比が80/20乃至65/35のものが経済性の点から好ましく、ポリオールやその他の活性水素を有する化合物の全量に対する有機イソシアネートの使用量、即ちイソシアネート指数としては通常80〜130の範囲であるが、100〜110の範囲が好ましい。
本発明における上記発泡剤としては、例えば水やメチレンクロライド、低沸点を有する揮発性液体等が用いられる。
なお、前記発泡原料には上述した配合成分に加え、発泡体に要求される性能に応じて触媒、整泡剤、架橋材、充填剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤等をさらに添加することができる。
このような触媒としては、例えば有機スズ化合物触媒、アミン系触媒等がある。有機スズ化合物触媒としては、スタナスオクトエート、スタナスオレエート、ジブチルジスズラウレート、ジブチルスズジ−2−エチルヘキソエート、ジブチルスズジアセテート等がある。一方、アミン系触媒としても、一般によく用いられるアミン系触媒、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5・4・0)ウンデセン−7及びそのフェノール塩、トリエチレンジアミンの蟻酸塩等をそのまま使用することができる。これらの触媒は単独或いは2種以上を混合して使用することができる。なお、アミン系触媒としては、通常、ポリウレタンフォーム発泡に使用されるアミン系触媒が用いられるが、溶出等が問題となる用途には反応性を有するアミン系触媒の使用が好ましい。触媒の使用量は特に限定されず広範囲に変えることができるが、通常ポリオール100質量部に対して0.005〜2質量部の範囲である。
上記整泡剤としては、ポリウレタンフォーム発泡に常用されるシリコーン系等の整泡剤等を使用することができる。溶出等が問題となる用途には、反応性を有する整泡剤の使用が好ましい。その使用量としては、ポリオール100質量部に対して通常0.1〜3.0質量部、好ましくは0.5〜2.0質量部である。
上記発泡原料を用いてポリウレタンフォームを製造する方法としては常法が採用される。得られるポリウレタンフォームとしては、密度が0.005〜0.150g/cm3、特に0.01〜0.05g/cm3であることが好ましく、またセル数は40〜150個/25mm、又は50〜150個/25mm、特に60〜150個/25mmであることが好ましい。この場合、ポリウレタンフォームを圧縮して用いる際は、セル数が20〜300個/25mm、又は40〜150個/25mm、特に40〜100個/25mmであることが好ましい。
また、本発明においては、上記ポリウレタンフォームは圧縮しないでそのまま(非圧縮フォーム)又は圧縮して(圧縮フォーム)使用し得るが、いずれのものであっても、内部連通空間が形成された三次元網状骨格構造を有し、かつ内部と外部とが連通しているポリウレタンフォームであることが好ましい。上記ポリウレタンフォームの通気度としては通常1.0cc/cm2/sec以上、好ましくは5.0〜300cc/cm2/sec、より好ましくは10〜300cc/cm2/sec、更に好ましくは20〜300cc/cm2/secである。通気度が低すぎるとインク吸収性能に劣る場合があり、本発明の目的を達成し得ない場合がある。なお、ここでの通気度はJIS−K6400による測定値である。
上記通気度を有するポリウレタンフォームは、フォームの密度、セル数、セル径、空隙率などを適宜選定することにより得ることができるが、この場合、ポリウレタンフォームとしては、セル膜のないもの(膜なしフォーム)を用いることが有効である。このセル膜のないポリウレタンフォームは、通常の処方でセル膜を有するポリウレタンフォームを得た後、セル膜を除去する方法や、セル膜を生じない処方でポリウレタンフォームを製造する方法によって得ることができる。
更に、上記ポリウレタンフォームは、上述したように非圧縮のものを用いても圧縮したものを用いてもよいが、その圧縮率は1〜20倍とすることができる。ここで、圧縮率1倍とは、非圧縮状態のものであり、従って圧縮フォームとしては、非圧縮フォームをわずかに圧縮したものであってもよいが、通常は2〜20倍、より好ましくは5〜10倍、更に好ましくは8〜10倍に圧縮したものが用いられる。なお、圧縮方法に限定はないが、通常、熱プレス法が採用され、150〜240℃程度の熱板を用いて所定倍率に圧縮し、この圧縮倍率に固定する方法が採用できる。熱プレス時間は特に制限されないが、例えば2〜20分程度とすることができる。
なお、本発明のインク廃液吸収体を特にインク導通材と接触させるなどしてインク吸収材として使用する場合、互いに通気度の異なる複数層をインク吸収側からインク吸収能を増すと共に、インク吸収側から遠ざかるにつれてインク保持能を増すように、即ちインク吸収側を通気度の大きいものとし、順次通気度が小さくなるように積層したものを用いることが好ましい。例えば、インク吸収側を非圧縮フォームとし、反対側を圧縮フォームとしたり、インク吸収側から順次圧縮倍率が高くなるように積層することができる。
このように複数層構成にする手段としては、互いに圧縮倍率及び/又はセル数が異なるものを2〜6層、特に3〜5層程度積層する方法が採用される。また、フォームを熱圧縮するに際し、フォームの片面のみに熱板を当てて圧縮させるようにしてもよい。
また、インク廃液吸収体のインク吸収側の外表面をスリット加工することにより、更にインク吸収性能を高めることができる。この場合、スリットは2〜50mm、特に5〜10mm間隔に互いに平行状態で、又はます目状に設けることができる。
本発明のインク廃液吸収体は、上記ポリウレタンフォームに、界面活性剤及びバインダーが含浸処理されて形成される。このような界面活性剤及びバインダーの含浸、付着により、上記ポリウレタンフォームのインク吸収性を更に向上させることが可能となるのみならず、向上したインク吸収性能が高いレベルに維持され得る。つまり、バインダーを用いずに界面活性剤を含浸処理したインク廃液吸収体においては、手で握る等の強い圧力を加えると界面活性剤が染み出す場合があったり、連続してインクを吸収するうちにインク吸収性能が低下する場合があったりしたため、作業性の観点や性能安定性の観点からは尚改善の余地を有していたが、本発明においてはバインダーを界面活性剤と共存させることにより、そのような課題が解決されたものである。
上記界面活性剤としては、例えば、コハク酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、エチレンオキシド等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、第四アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテル、アルキルエーテル、アルキルエステル、アルキルアミン、フェニルエーテル、アルキルアルカノールアミド等の非イオン界面活性剤;アミノ酸、アルキルベタイン、アミンオキサイド、アルキルイミダゾリニウム等の両性界面活性剤;ポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;等のいずれもが用いられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。また、本発明においては高分子型界面活性剤、反応型界面活性剤も好適に使用可能である。
これらの中では、特にコハク酸ナトリウム変性物が効果の点で好適に用いられる。この場合、コハク酸ナトリウム変性物としては、下記式で示されるコハク酸のジアルキルエステルスルホン酸ソーダが好適に用いられる。
Figure 0004730523

(但し、Rはアルキル基又はアラルキル基であり、炭素数1〜18のものが挙げられる。)
具体的にエステルとしては、ジ−n−アミル、ジ−n−ヘキシル、ジ−n−ヘプチル、ジ−n−オクチル、ジ−n−ノニル、モノエチルモノドデシル、モノブチルモノドデシル、モノ−2−エチルヘキシル−モノ−1−メチルベンジル、モノ−2−エチルヘキシル−モノ−1−メチル−4−エチルヘキシル、ジ−1−メチルブチル、ジ−2−メチルブチル、ジ−イソアミル、ジ−1,3−ジメチルブチル、ジ−1−メチルアミル、ジ−ジメチルアミル、ジ−1−イソプロピルイソブチル、ジ−1−プロピルブチル、ジ−1−メチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキシル、ジ−1−メチルヘプチル、ジ−1−ブチルアミル、ジ−1−イソブチル−3−メチルブチル、ジ−1−メチル−4−エチルヘキシル、ジ−1−メチル−4−エチルオクチル等が挙げられる。
かかる界面活性剤はできれば水溶性のものがよく、これはフォームに含浸させた後に水を乾燥するだけでよいからである。なお、界面活性剤の含浸量は、要求される性能によっても異なるが、通常1〜500,000g/m3、好ましくは50〜100,000g/m3、更に好ましくは5,000〜50,000g/m3である。
一方、上記バインダーとしては、例えば油性、油分散性、水溶性、水分散性、両親媒性のバインダーのいずれも使用可能である。中でも、水等の溶剤に溶解、または分散可能で、溶剤を除去することにより被膜を形成するものが好適である。この点で、樹脂やエラストマー等の有機高分子材料が好適である。これらは熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよい。
このような樹脂としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、各種アルキル樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等)、アリル樹脂、スチレン樹脂、ナイロン樹脂、ABS樹脂、カーボネート樹脂、アセタール樹脂、ビニル樹脂、フタレート樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フラン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェニレンサルファイド樹脂、セルロース系樹脂、レーヨン、ケイ素系樹脂、フッ素系樹脂、これらの2種以上の共重合体、等を挙げることができる。また、エラストマーとしては、ブチル、EPDM、ブタジエン、イソプレン等のゴム(ラテックス)が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。併用に際しては、各成分の溶解液又は分散液を予め調製した後に混合しても良い。
上記バインダーとしてもできれば水溶性のものがよく、これはフォームに含浸させた後に水を乾燥するだけでよいからである。なお、バインダーの含浸量は、要求される性能によっても異なるが、6,000〜50,000g/m3である。
なお、上記界面活性剤と上記バインダーの具体的な組合せとしては、界面活性剤によるインクの表面張力低下機能が大きく損なわれることがなく、バインダーの均一な被膜化が妨げられない組合せのいずれもが利用可能であり、特に限定されるものではないが、バインダーとして例えばアクリル樹脂水分散体(例えば、AE815,JSR社製)、アクリル/スチレン共重合樹脂水分散体(例えば、TOCRYL W−461;東洋インキ製造社製)、ウレタン樹脂水分散体(例えば、タケラックWS−5000,三井武田ケミカル社製)の1種又は2種以上と、界面活性剤として例えばジ−(ノルマルオクチル)スルホコハク酸エステルナトリウム塩(例えば、リパール870P,陰イオン界面活性剤,ライオン社製)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、レオコールTD−150,非イオン界面活性剤,ライオン社製)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(例えば、コータミン24P,陽イオン界面活性剤,花王社製)の1種又は2種以上との組合せが好適な組合せとして挙げられる。
また、上記界面活性剤と上記バインダーとのフォームへの含浸量比としては、(界面活性剤の含浸量)/(バインダーの含浸量)(質量比)値として通常1/10〜10/1、好ましくは1/7〜7/1、より好ましくは1/3〜3/1、更に好ましくは1/2〜2/1である。バインダーの含浸量が少なすぎると、バインダーが界面活性剤を固定化する機能が十分に得られない場合があり、一方、界面活性剤の含浸量が少なすぎると、インクの吸収、透過性能が十分に得られない場合がある。
界面活性剤及びバインダーのポリウレタンフォームへの含浸修理方法としては、例えば、以下のような方法を挙げることができる。
(i)界面活性剤及びバインダーを分散乃至溶解した液中にポリウレタンフォームを浸漬し、過剰の液分を絞りとった後に溶媒を乾燥させる方法。
(ii)界面活性剤及びバインダーを分散乃至溶解した液をポリウレタンフォームに適量をもってスプレー塗布後、溶媒を乾燥させる方法。
(iii)界面活性剤を分散乃至溶解した液、及びバインダーを分散乃至溶解した液を、ポリウレタンフォームに別々又は同時に、それぞれ適量をもってスプレー塗布後、溶媒を乾燥させる方法。
なお、上記のようにして界面活性剤を付着させたポリウレタンフォームを形成後、更に圧縮成型することも好適である。
本発明のインク廃液吸収体は、特にプリンターヘッドに対応するインク導通材又はインク吸収材、このインク導通材に接触させるインク吸収体として特に好適である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は質量部を示す。
[製造例1]
ポリウレタンフォームAの製造
ポリオール(V3030・株式会社ダウ製)・100部、TDI80(日本ポリウレタン社製)・50部、水・4部、アミン系触媒(DABCO−33LV・三井エアプロダクツ製)・0.3部、スズ触媒(スタナスオクトエート・日東化成社製)・0.3部、シリコーン整泡剤(L−520・日本ユニカ社製)・1部を配合した発泡原料を用い、ワンショット法でポリウレタンフォームAを得た。得られたフォームの密度(JIS−K6400)は0.020g/cm3であり、セル数は55(1インチ当り)であった。また、通気度は18cc/cm2/secであった。
[製造例2]
ポリウレタンフォームBの製造
記ポリウレタンフォームAを50mm×100mm×100mmに切り出し、圧縮度5倍で熱圧縮(200℃,300秒)してポリウレタンフォームBを得た。得られたフォームの寸法は10mm×100mm×100mm、密度(JIS−K6400)は0.100g/cm3であり、セル数は275(1インチ当り)であった。
[実施例1〜10、比較例1〜5]
10mm×100mm×100mmの寸法のポリウレタンフォームA又はBを、以下の各溶液を混合した液に浸漬し、引き上げ、溶媒を130℃のオーブン中で5分間乾燥させてインク廃液吸収体を得た。得られたインク廃液吸収体のインク吸収性能を評価した。結果を表1に併記した。
界面活性剤1
ジ−(ノルマルオクチル)スルホコハク酸ナトリウム、リパール870P(ライオン社製)を水に溶解させ、濃度30質量%の溶液としたものを用いた。
界面活性剤2
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、レオコールTD−150(ライオン社製)を水に溶解させ、濃度30質量%の溶液としたものを用いた。
バインダー1
タケラックWS−5000(樹脂濃度30質量%,三井武田ケミカル社製)を用いた。
バインダー2
TOCRYL W−461(樹脂濃度55質量%,東洋インキ製造社製)に水を加え、樹脂濃度30質量%としたものを用いた。
Figure 0004730523
界面活性剤、又はバインダーの含浸量
得られたインク廃液吸収体の質量からポリウレタンフォームの質量を差し引いて、含浸処理された界面活性剤とバインダーとの総量を算出した。界面活性剤、バインダー各々の含浸量については、含浸量比が使用した各液における各成分の配合比に等しいとして算出した。
吸収性能(初期、インク吸収後)
水平に置いたテスト片(厚さ10mm×100mm×100mm)の上面中央部に対し、テスト片上面から高さ5cmの位置にシリンジの針の先端をセットし、1ccのインクを約4秒間かけて滴下し終わった後、インクがテスト片表面から吸収されるまでの時間(秒)を測定した。
(初期)インク廃液吸収体を製造した状態の吸収性能。
(インク吸収後)テスト片上に黒色顔料インクを0.05cc滴下することを1回/秒間隔にて50回繰返し、更に3分間経過後に上記吸収性能を測定した。なお、吸収性能の低いサンプルでは3分間経過後も表面にインクが残存していた。
吸収性能(水浸漬後)
室温にて、500mlの水にテスト片を24時間浸漬後、水を絞り、130℃のオーブンにて3分間乾燥させた。水平に置いたテスト片(厚さ10mm×100mm×100mm)の上面中央部に対し、テスト片上面から高さ5cmの位置にシリンジの針の先端をセットし、1ccの水を約4秒間かけて滴下し終わった後、水がテスト片表面から吸収されるまでの時間(秒)を測定した。

Claims (10)

  1. ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いて製造したポリウレタンフォームに、界面活性剤及びバインダーが含浸処理されたものであり、前記バインダーの含浸量が6,000〜50,000g/m3であることを特徴とするインク廃液吸収体。
  2. 前記ポリウレタンフォームが非圧縮フォームである請求項1記載の廃液吸収体。
  3. 前記ポリウレタンフォームが圧縮フォームである請求項1記載の廃液吸収体。
  4. 前記ポリウレタンフォームが、セル膜のないポリウレタンフォームである請求項1,2又は3記載のインク廃液吸収体。
  5. 前記バインダーがアクリル樹脂及び/又はポリウレタン樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク廃液吸収体。
  6. 上記界面活性剤と上記バインダーの含浸量比が、(界面活性剤の含浸量)/(バインダーの含浸量)(質量比)値として1/10〜10/1である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク廃液吸収体。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の廃液吸収体の製造方法であって、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いてポリウレタンフォームを得、界面活性剤及びバインダーを分散乃至溶解した液中に上記ポリウレタンフォームを浸漬し、溶媒を乾燥して、ポリウレタンフォームに界面活性剤をバインダーと共に付着させることを特徴とするインク廃液吸収体の製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の廃液吸収体の製造方法であって、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いてポリウレタンフォームを得、界面活性剤及びバインダーを分散乃至溶解した液をポリウレタンフォームにスプレー塗布後、溶媒を乾燥して、ポリウレタンフォームに界面活性剤をバインダーと共に付着させることを特徴とするインク廃液吸収体の製造方法。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載の廃液吸収体の製造方法であって、ポリオール、イソシアネート、発泡剤を含む発泡原料を用いてポリウレタンフォームを得、界面活性剤を分散乃至溶解した液とバインダーを分散乃至溶解した液とをポリウレタンフォームに別々に又は同時にスプレー塗布後、溶媒を乾燥して、ポリウレタンフォームに界面活性剤をバインダーと共に付着させることを特徴とするインク廃液吸収体の製造方法。
  10. 界面活性剤を付着させたポリウレタンフォームを更に圧縮成型する請求項7,8又は9記載の製造方法。
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